JP4377498B2 - 双方向2色性円偏光板及び反射・透過型液晶表示装置 - Google Patents

双方向2色性円偏光板及び反射・透過型液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、反射型兼透過型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置には、液晶セルの背後からバックライト光を照射する透過型液晶表示装置と、液晶セルを介して取り入れた外光を液晶セルの背面で反射させ、その反射光により液晶セルを照射するようにした反射型液晶表示装置がある。
【0003】
又、他に、明るい場所では反射型、暗い場所では透過型として使用できるようにした液晶表示装置がある。
【0004】
このような反射・透過型液晶表示装置は、例えば特開平10−197865号公報、特開平10−206844号公報、特開平10−206846号公報、特開平10−260402号公報、特開平10−260403号公報に開示されるような、バックライト光の拡散板として半透過拡散板を用いたものがある。又、特開平10−142601号公報に開示されるような、反射型液晶表示装置の表示部前面側にフロントライトを設け、このフロントライトからの照射光又は外光を用いて液晶セルを照射するようにしたものがある。
【0005】
また、液晶表示装置は、偏光板に光を透過させることによって得られた偏光光を液晶層で変調するものであり、例えば、図48に示されるように、従来の代表的な液晶表示装置1は、光源装置2から出射された光を光吸収タイプの2色性直線偏光板3に入射させ、ここで得られた直線偏光光を液晶セル4に入射させるようにしている。
【0006】
この液晶表示装置1では、前記液晶セル4に入射し、これを通過した偏光光が、液晶セル4に設けられている電極に電圧を印加し、セル内の液晶層を電界によって変化させることにより変調され、あるいは無電界で変調されることなく、液晶セル4から出射し、その外側に配置された光吸収タイプの2色性直線偏光板5により、特定方向の偏光光のみが透過されるようになっている。
【0007】
前記光吸収タイプの2色性直線偏光板3、5は、透過軸方向の偏光光を透過し、透過軸と直交方向の偏光光のほとんどを吸収するものであり、従って、光源装置2から出射された光(無偏光光)の約50%が2色性直線偏光板3で吸収され、このため、液晶表示装置1全体としての光の利用効率が低下し、液晶画面における十分な明るさを得るためには、より多くの光源光を2色性直線偏光板3に入射させる必要があった。
【0008】
しかしながら、このように、光源装置2の光出射量を増大すれば、消費電力が増大するのみならず、光源装置2の発熱量も増大して、液晶セル4における液晶に悪影響を与えてしまうという問題点を生じる。
【0009】
これに対して、例えば、特表平4−502524号公報、及び、特開平6−130424号公報等に開示されるように、光源からの無偏光光をコレステリック液晶層を用いて右または左の旋回方向の円偏光光を透過または反射することにより分離し、透過した一方の旋回方向の円偏光光を液晶セルに入射させ、反射された他方の旋回方向の円偏光光は反射板によって反射させ、旋回方向を逆向きにしてコレステリック液晶層を透過させ、光利用効率を向上させる液晶表示装置が提案されている。
【0010】
又、特表平9−506985号公報に開示されるように、光源からの無偏光光を延伸多層フィルムを用いて透過または反射により2つの直線偏光光に分離し、透過した一方の直線偏光光を液晶セルに入射し、反射された、前記と直交方向の直線偏光光を反射板により偏光方向を転換してから、再度延伸多層フィルムに導いて、光利用効率を向上させるようにした液晶表示装置が提案されている。
【0011】
前記特表平4−502524号公報及び前記特開平6−130424号公報に開示された液晶表示装置における液晶層は、電界が印加されていないときに光の位相をπ(λ/2)又はπ/2(λ/4)だけシフトし、電界が印加されたときには光の位相をシフトしないようにしたものであり、この液晶層から出射した光は、外側に配置された円偏光板に入射し、ここで、その入射光の偏光度合いによって透過され、あるいは反射されるようになっている。
【0012】
又、前記特表平9−506985号公報に開示された液晶表示装置においては、延伸多層フィルムを透過した一方の直線偏光光を液晶セルに入射させるものであるが、その液晶層のレタデーションについては開示がない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前記バックライト光の拡散板としての半透過拡散板を用いた反射・透過型液晶表示装置は、拡散板の反射率が低く、従って視認性が低く、且つ透過率も低いという問題点がある。
【0014】
又、前記反射型液晶表示装置の表示部にフロントライトを用いた反射・透過型液晶表示装置は、フロントライトの輝度(効率)が不十分で視認性が良くないという問題点がある。
【0015】
更に前記特表平4−502524号公報及び特開平6−130424号公報に開示された液晶表示装置は、次のような理由により、液晶ディスプレイの視認性の極度な悪化、大幅なコントラストの低下があり、表示品質が不十分であるという問題点があった。
【0016】
すなわち、前記特開平4−502524号公報の液晶表示装置においては、液晶層の外側に配置され、外部から直接視認される円偏光板が波長選択反射性の低ピッチ・コレステリック塗膜からなるので、この円偏光板に入射した外光の約50%が反射され、これが観察者の目に直接入って、視認性を極度に低下してしまう。
【0017】
同様に、前記特開平6−130424号公報の液晶表示装置においても、外部から直接視認される色選択層が例えばコレステリック液晶からなる円偏光板であり、これも前記と同様に、入射した外光の約50%が直接反射され、視認性が極度に低下してしまう。
【0018】
又、従来、一方の旋回方向の円偏光を吸収し、他方の旋回方向の円偏光を透過する光吸収タイプの2色性円偏光層(板)があるが、これは、例えば透過軸方向の偏光光を透過し、透過軸と直交する方向の偏光光のほとんどを吸収するポラロイド(商品名)等の2色性の偏光材からなる2色性直線偏光層の光吸収軸に対して、λ/4位相差層を、その進相軸又は遅相軸が45°の角度になるように積層する等の方法により構成されている。
【0019】
このため、従来の2色性円偏光層は、光が2色性直線偏光層側から入射したときのみ2色性円偏光層として機能し、反対側からの入射光に対しては機能しないという問題点があった。
【0020】
この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、双方向の入射光に対してどちらにも2色性円偏光層として機能できるようにした双方向2色性円偏光板を提供することを目的とする。
【0021】
また、反射率及び透過率が高くて視認性が良く、透過型としても反射型としても十分な輝度が得られるようにした反射・透過型液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0022】
更に、簡単な構成で、外光に起因する視認性の悪化及び大幅なコントラストの低下がなく、特に、透過型液晶表示装置のモードの場合は、光の利用効率を大幅に向上することができ、反射型液晶表示装置のモードの場合は高コントラストである反射・透過型液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この発明は、請求項1のように、2色性直線偏光層の両面に1/4波長層を貼付けて又は直接形成して構成されたことを特徴とする双方向2色性円偏光板により上記目的を達成するものである。
【0024】
また、この発明は、請求項2のように、光源と、この光源から、又は、光源と反対側からの入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を反射する機能、及び、入射光のうちの一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する機能の内の一方の機能を有する偏光分離層と、電圧のオンオフにより、前記偏光分離層側から又はその反対側から入射する偏光光の位相をπシフトし、又は、シフトしないで透過する1/2波長層と、前記1/2波長層に対して前記偏光分離層の反対側に配置され、該1/2波長層側又はその反対側からの入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する機能、及び、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する機能の内の一方の機能を有する光吸収型の第1双方向2色性偏光層と、入射する円偏光光又は直線偏光光の一方を、反対方向に出射するまでの間に他方に変換し、又は、変換しないで、且つ、円偏光光で出射するときはその楕円率を変化させる機能、直線偏光光で出射するときはその偏光軸の方向を変化させる機能の一方の機能を有する液晶層と、この液晶層に対して前記第1双方向2色性偏光層の反対側に配置され、液晶層又はその反対側からの入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する機能、及び、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する機能の内の一方の機能を有する光吸収型の第2双方向2色性偏光層と、を備えてなり、前記1/2波長層に対する電圧のオンオフにより、反射型となる反射モ−ド、又は、透過型となる透過モ−ドのいずれかに切り替え自在とされ、前記第1双方向2色性偏光層は、前記偏光分離層を透過した偏光光を透過させるように構成され、前記1/2波長層は、透過モ−ドのときに、前記偏光分離層を透過した偏光光を位相シフトなしで、又は、前記第1双方向2色性偏光層を透過するように位相をシフトして透過させ、反射モ−ドのときに、前記第2双方向2色性偏光層,液晶層及び第1双方向2色性偏光層を透過した偏光光を、前記偏光分離層で反射されるように、位相をシフトさせ、又はシフトさせないで、且つ、前記偏光分離層で反射された偏光光を、前記第1双方向2色性偏光層を透過するように、位相をシフトさせ、又は、シフトさせないように構成されたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置により上記目的を達成するものである。
【0025】
前記反射・透過型液晶表示装置において、前記第1,第2双方向2色性偏光層の少なくとも一方を、2色性直線偏光層の両面に1/4波長層を貼付けて又は直接形成して構成された双方向2色性円偏光層としてもよい。
【0026】
前記反射・透過型液晶表示装置において、前記偏光分離層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を反射する円偏光分離層とされ、前記第1,第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する双方向2色性円偏光層とされ、前記液晶層には、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶層のレタデ−ション値を変化させ、これにより前記第1双方向2色性偏光層を透過して入射する円偏光光、又は、前記第2双方向2色性偏光層を透過して入射する円偏光光の位相を実質的に0〜πシフトする作用を有するようにしてもよい。
【0027】
また、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記偏光分離層は、入射光のうちの一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する直線偏光分離層とされ、前記第1,第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する双方向2色性直線偏光層とされ、前記液晶層には、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶層のレタデ−ション値を変化させ、これにより前記第1双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光、又は、前記第2双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光の位相を実質的に0〜πシフトする作用を有するようにしてもよい。
【0028】
更に、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記偏光分離層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を反射する円偏光分離層とされ、前記第1双方向2色性偏光層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する双方向2色性円偏光層とされ、前記第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する双方向2色性直線偏光層とされ、前記液晶層には、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶層のレタデ−ション値を変化させ、これにより前記第1双方向2色性偏光層を透過して入射する円偏光光、又は、前記第2双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光の位相を実質的に−π/2〜π/2シフトする作用を有するようにしてもよい。
【0029】
また、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記偏光分離層は、入射光のうち一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する直線偏光分離層とされ、前記第1双方向2色性偏光層は、入射光のうち、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する2色性直線偏光層とされ、前記第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する双方向2色性円偏光層とされ、前記液晶層には、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶層のレタデ−ション値を変化させ、これにより前記第1双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光、又は、前記第2双方向2色性偏光層を透過して入射する円偏光光の位相を実質的に−π/2〜π/2シフトする作用を有するようにしてもよい。
【0030】
更にまた、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記偏光分離層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を反射する円偏光分離層とされ、前記第1双方向2色性偏光層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する双方向2色性円偏光層とされ、前記第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する双方向2色性直線偏光層とされ、前記液晶層は、透過する光の位相を実質的にπ/2シフトさせるレタデ−ション値を有し、且つ、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記第1双方向2色性偏光層を透過して入射する円偏光光、又は、前記第2双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光を、反対方向に出射するまでの間に直線偏光光又は円偏光光に変換し、且つ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶のダイレクタの方向を変化させ、これにより前記直線偏光光又は円偏光光の偏光軸を変化させる作用を有するようにしてもよい。
【0031】
また、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記偏光分離層は、入射光のうちの一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する直線偏光分離層とされ、前記第1双方向2色性偏光層は一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する双方向2色性直線偏光層とされ、前記第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する双方向2色性円偏光層とされ、前記液晶層は、透過する光の位相を実質的にπ/2シフトさせるレタデ−ション値を有し、且つ、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記第1双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光、又は、前記第2双方向2色性偏光層を透過して入射する円偏光光を、反対方向に出射するまでの間に円偏光光又は直線偏光光に変換し、且つ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶のダイレクタの方向を変化させ、これにより前記円偏光光又は直線偏光光の偏光軸を変化させる作用を有するようにしてもよい。
【0032】
また、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記偏光分離層は、入射光のうちの一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する直線偏光分離層とされ、前記第1,第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する2色性直線偏光層とされ、前記液晶層は、透過する光の位相を実質的にπシフトさせるレタデ−ション値を有し、且つ、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶のダイレクタの方向を変化させ、これにより前記第1、又は、第2双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光の偏光軸を変化させる作用を有するようにしてもよい。
【0033】
更に、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記偏光分離層は、入射光のうちの一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する直線偏光分離層とされ、前記第1,第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する2色性直線偏光層とされ、前記液晶層は、透過する光の位相を実質的にπシフトさせるレタデ−ション値を有し、且つ、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶の光に対する旋光性を変化させ、これにより前記第1、又は、第2双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光の液晶層からの出射時の偏光面をシフトする作用を有するようにしてもよい。
【0034】
また、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記液晶層は2枚の基板に挟持され、前記電極が一方の電極上に形成され、前記電極に電圧を印加したときの電界方向が、前記基板面と実質的に平行な部分を有し、液晶層内の大部分の液晶分子の方向が前記基板面と実質的に平行なまま回転するモードとなるようにしてもよい。
【0035】
更に、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記円偏光分離層をコレステリック液晶層からなる旋光選択層から構成してもよい。
【0036】
また、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記円偏光分離層を、透過する光の位相を実質的にπ/2シフトさせるレタデーション値を有する位相差層と、複屈折性を有するフィルムを3層以上積層してなり、各層の平面内で互いに垂直な振動方向を持つ2つの光のうちの、一方の光に対する厚さ方向に隣接する層間における屈折率の差と、他方の光に対する厚さ方向に隣接する層間における屈折率の差とが異なるようにした平面状多層構造とから構成し、前記平面状多層構造を透過した直線偏光を、円偏光に変換するようにしてもよい。
【0037】
更にまた、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記直線偏光分離層を、複屈折性を有するフィルムを3層以上に積層してなる平面状多層構造とし、各層の平面内で互いに垂直な振動方向を持つ2つの光のうちの、一方の光に対する厚さ方向に隣接する層間における屈折率の差と、他方の光に対する厚さ方向に隣接する層間における屈折率の差とが異なるようにしてもよい。
【0038】
また、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記直線偏光分離層を、透過する光の位相を実質的にπ/2シフトさせるレタデーション値を有する位相差層と、コレステリック液晶層からなる旋光選択層とから構成し、前記コレステリック液晶層を透過した円偏光を、直線偏光に変換するようにしてもよい。
【0039】
また、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記1/2波長層は電圧印加により駆動される液晶層を含む液晶セルからなり、この液晶セルにおける液晶層は、液晶がネマチック液晶、強誘電性液晶、及び反強誘電性液晶のいずれかからなり、且つ、液晶の屈折率及び液晶層の厚さが、液晶層に入射する偏光光の位相をπシフトするように設定して構成されるようにしてもよい。
【0040】
また、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記1/2波長層のオンオフを手動にて切り換える切換スイッチを設けるようにしてもよい。
【0041】
また、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記1/2波長層のオンオフを切り換える切換スイッチと、外光量を検出して、前記切換スイッチを、外光量が一定値以上のときオン又はオフ、一定値以下のときオフ又はオンとさせる外光センサと、を設けるようにしてもよい。
【0042】
また、前記反射・透過型液晶表示装置において、前記1/2波長層と、この1/2波長層の前記液晶セルにおける液晶層との間の第1双方向2色性偏光層とを、前記液晶層とともに、該液晶セルを構成する一対の基板の間に積層して配置してもよい。
【0043】
双方向2色性円偏光板に係る発明においては、双方向の入射光に対して右又は左旋円偏光光の一方を吸収、他方を透過することができる。
【0044】
又、反射・透過型液晶表示装置の発明においては、偏光分離層、1/2波長層、双方向2色性偏光層及び液晶セルの組合せによって、透過型としても、又は反射型としても十分な輝度、視認性を得ることができる。
【0045】
また、この発明においては、外部から視認される表面に光吸収タイプの2色性偏光層を用いると共に、この2色性偏光層に合わせて、液晶層のレタデーション値の変化を選択し、これにより、光利用効率を低下させることなく、外光に起因する大幅なコントラストの低下、視認性の悪化を防止し、且つ、液晶層の複屈折を利用することにより、コントラストの良好なカラー液晶表示装置を得ることもできる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態の例を図面を参照して詳細に説明する。
【0047】
図1に示されるように、本発明の実施の形態の第1例に係る反射・透過型液晶表示装置10は、無偏光光を出射する光源12と、偏光分離層としての円偏光分離層14と、電圧のオンオフにより、前記円偏光分離層14を透過して、又はその反対側から入射する偏光光の位相をπシフトし、又はシフトしないで透過する1/2波長層16と、第1双方向2色性偏光層としての光吸収型の第1双方向2色性円偏光層18と、電界の印加により液晶のレタデ−ション値を変化させ、入射する偏光光の位相を実質的に0〜πシフトする作用を有する液晶セル20と、この液晶セル20を透過した前記偏光光又は外光を受光する第2双方向2色性偏光層としての光吸収型の第2双方向2色性円偏光層22と、をこの順で配置して構成されている。
【0048】
前記円偏光分離層14は、光源12又は1/2波長層16を透過して入射される光のうち、右又は左の旋回方向(以下右旋又は左旋)の一方の(楕)円偏光成分を透過し、他方の(楕)円偏光成分を反射するものである。
【0049】
前記第1双方向2色性円偏光層18は、1/2波長層16、又は、液晶セル20を透過して入射する右旋又は左旋円偏光光の一方を吸収し、他方を透過するようにされている。
【0050】
前記第2双方向2色性円偏光層22は、前記液晶セル20を透過した前記円偏光光又は外光を受光し、これから右又は左の旋回方向(以下右旋又は左旋)の一方の(楕)円偏光成分を透過し、他方の(楕)円偏光成分を反射するものである。
【0051】
図1中、符号R、Lはそれぞれ右旋円偏光、左旋円偏光を示している。
【0052】
前記光源12の背面(図1において下側面)には反射層12Aが形成されている。反射層12Aは、光源12から出射し、円偏光分離層14において反射された偏光成分を再度円偏光分離層14方向に反射し、このとき円偏光成分の位相を反転させ、又は、無偏光な状態にし、円偏光分離層14を透過できるようにして、光利用率を向上させている。
【0053】
前記円偏光分離層14は、例えばコレステリック液晶層から構成され、又、前記光吸収タイプの第1、第2双方向2色性円偏光層18、22は、透過軸方向の偏光光を透過し、透過軸と直交する方向の偏光光のほとんどを吸収するポラロイド(商品名)等の2色性の偏光材からなる2色性円直線偏光層19Aの両面に、その光吸収軸に対して、λ/4位相差層(1/4波長層)19B、19Cを、その進相軸又は遅相軸が45度の角度になるように積層する等の方法により構成されている。
【0054】
前記1/2波長層16は、図2に示されるように液晶セルからなり(詳細後述)、切換スイッチ16Aによりオン又はオフとされ、オフのときは入射光をそのまま透過させるモード、又、オンのときは、1/2波長すなわちπだけ入射光の位相を遅らせるモードになるようにされている。後述のように、この反射・透過型液晶表示装置10は、前記1/2波長層16が透過モードのときに透過型、又、遅延モードのときに反射型となるようにされている。
【0055】
前記1/2波長層16を構成する液晶セルにおける液晶層は、ネマチック液晶、強誘電性液晶、及び反強誘電性液晶のいずれかからなり、且つ、電圧が印加されたとき、液晶の屈折率及び液晶層の厚さが、液晶層に入射する偏光光の位相をλ/2(1/2波長)すなわちπシフトするように設定することにより構成されていて、図2に示されるように、2枚の基板17A、17Bに挟持された液晶層17Cと、図2において上側の基板17Aの下側面および下側の基板17Bの上側面に配置され、液晶層17Cを厚さ方向に挟み込む一対の画素電極17D,17Eと、を備えて構成されている。画素電極17D,17Eには、前記切換スイッチ16Aから電圧が印加される。
【0056】
この調整は、液晶層17Cの複屈折及び厚さを制御(r=Δnd)することによって行うことができる。
【0057】
ここで、
r:レタデーション(retadation)、
Δn:屈折率異方性(方向によって屈折率が異なる性質)、
d:厚さを示す。
【0058】
レタデーションrは、直線偏光が、屈折率異方性Δnを有する物質に、ある特定の方向で入射した時、直線偏光の互いに直交する電場ベクトルの進む速さが異なる、その差を距離で表わしたものである。
【0059】
屈折率異方性Δnは、液晶の場合、通常は分子長軸方向と分子短軸方向の屈折率差で表わされる。
【0060】
液晶分子をランダムではなく、特定の方向にそろえれば、レタデーションrは、その液晶層の厚さdに比例する。
【0061】
例えば、Δn=0.1の液晶セルの厚さを6μmにすれば、そのレタデーション(r=Δnd)は、0.1×6μm=600nmとなり、波長600nmの光に対しては1λの位相差を与えることが出来る。
【0062】
同様に、Δn=0.1の液晶セルの厚さを3μmにすれば、そのレタデーションは、0.1×3μm=300nmとなり、波長600nmの光に対してはλ/2の位相差を与えることが出来る。
【0063】
又、前記液晶セル20は、図3に示されるように1/2波長層16と同様の構成であり、2枚の基板24A、24Bに挟持された液晶層26と、図3において上側の基板24Aの下側面および下側の基板24Bの上側面に配置され、液晶層26を厚さ方向に挟み込む一対の画素電極28A、28Bと、を備えて構成されている。
【0064】
前記液晶セル20における液晶層26は、前記画素電極28A,28Bから電界を印加して液晶のレタデ−ション値を変化させ、これにより前記第1又は第2双方向2色性円偏光層18、22を透過して入射する円偏光光の位相を実質的に0〜πシフトする作用を有するように調整されている。
【0065】
この調整は、液晶層26の複屈折及び厚さを制御することによって既知の様々な液晶により行うことができる。
【0066】
このような液晶は、ECB(Electrikally Controlled Briefringence)方 式として知られており、DAP(Deformation of vertical Aligned Phases)モ−ド、HAN(Hybrid Aligned Nematic)モ−ド、STN(Super Twisted Nematic)モード、SBE(Super Twisted Briefringence Effect)SSFLC(Surface Stabilized Ferroelectric Liquid Crystal)モ−ド、O CB(Opticcally Compensated Beud)モード、VAN(Vertically-aligned nematic)モード等がある。
【0067】
OCBモードは通常、ベンド配向の液晶セルと2軸性位相差板を、光吸収軸が直交関係にある光吸収型の2色性直線偏光板の間に挟んだ構成を言うが、本発明においては、ベンド配向の液晶セルのみを言う。
【0068】
VANモードは通常、Nn(ネマティック)液晶を垂直に挟んだVAN配列セ ルを、光吸収軸が直交関係にある光吸収型の2色性直線偏光板の間に挟んだ構成を言うが、本発明においては、VAN配向の液晶セルのみを言う。
【0069】
他モードも同様である。
【0070】
なお、ECB方式という表現は複屈折を利用したカラー表示方式としての意味で用いられる場合が多いが、本発明においては、液晶層の複屈折の値が変化するモードという意味で用いている。
【0071】
なお、前記「実質的に0〜πシフトする」は、液晶層26自体で位相を実質的に変化させ、あるいは、液晶セル20とは別の位相差層を、液晶セル20と前記第1双方向2色性円偏光層18円との間、および/または液晶セル20と前記1/2波長層16との間に形成して、液晶層26と位相差層との相互作用によりこれらを透過する光の位相を実質的に0〜πシフトする意味である。
【0072】
例えば、前記液晶層26自体でのレタデーション値を、0.1π〜1.1πまで変化させ、前記液晶層26の前記第1双方向2色性円偏光層18円との間、及び/又は前記1/2波長層16側に別に設けたレタデーション値が実質的に0.1πである位相差層との相互作用によって、これらを透過する光の位相を実質的に0〜πシフトさせることを包含する。
【0073】
前記相互作用とは、液晶層のレタデーション値が0.1π又は1.1πを示す時の進相軸又は遅相軸に対して、レタデーション値が実質的に0.1πである位相差層の進相軸又は遅相軸を直交させる等した場合に起こる作用のことで、例えば、0.1π−0.1π=0、1.1π−0.1π=π、のように計算することができる。
【0074】
なお、位相を実質的に−π〜0シフトする作用を有する液晶セルを用いることも本発明の範囲に入ることは言うまでもない。
【0075】
1/2波長層16及び液晶セル20の各々により円偏光光の位相がπシフトされると逆の旋回方向の円偏光光になる。
【0076】
上記シフトについて、図4に示されるポアンカレの球を用いて説明する。
【0077】
ポアンカレの球は、偏光を記述したり、位相が変化したときの偏光の形がどのように変わるかを調べたりするときに用いるものであり、図4において、球の上下の両極はそれぞれ左旋円偏光と、右旋円偏光とを表わし、赤道上の点は直線偏光、その他の点は楕円偏光をそれぞれ示す。
【0078】
又、赤道上の任意の点Hは水平偏光を示し、点Hを通る直径の反対側にある赤道上の点Vは垂直偏光を示す。互いに垂直な偏光は1つの直径の両端の点で表わされることになり、一般に球の半径は1であると仮定するが、光線の強度に比例するようにとってもよい。
【0079】
又、単位の半径を持つポアンカレの球の表面にある任意の点Pは、経度2λ及び緯度2ωで表わされる。但し、−180°<2λ<180°、−90°<2ω<90°である。
【0080】
前記経度は点Hから時計回りに測ったとき正であり、緯度は赤道から下向きに測ったとき、即ち右円偏光を表わす極に向かって測ったとき正である。従って、図4の点Pの座標は正である。
【0081】
任意の点Pは、楕円の方位角λで、楕円率がtan|ω|の完全楕円偏光を表わす。又、点Pが上半球にあるか下半球にあるかによって、左回りであるか右回りであるかが決定される。これらのことをまとめると、点Pの表わす楕円偏光の断面図について、次の(1)式及び(2)式が成立する。
【0082】
α=λ …(1)
b/a=tan|ω| …(2)
【0083】
偏光の向きは2ωが正であれば右回り、負であれば左回りである。前記により、ポアンカレの球の上の1つ1つの点は異なった偏光の形を表わすことになる。即ち、1つの偏光の形は、ポアンカレの球上の1つの点で表わすことができる。
【0084】
従って、例えばポアンカレの球の上極の点の左回りの完全円偏光を、方位角λ=0でπ/2だけ正方向にシフトさせると、ポアンカレの球における赤道上の点Hに到達する。即ち、円偏光はπ/2シフトされることによって水平な直線偏光になる。同様に正方向にπシフトさせると下極に到着し右回りの完全円偏光となる。
【0085】
又、ポアンカレの球における下極位置における右回りの完全円偏光を方位角λ=0でπ/2シフトさせると、赤道上の点Vに到達し、垂直の直線偏光となり、πシフトさせると上極に到達し左回りの完全円偏光となる。シフト量がπ/2又はπでないときは楕円偏光となる。
【0086】
前述の如く、前記円偏光分離層14は、例えばコレステリック液晶層から構成される。このコレステリック液晶層は、一般的に、フィジカルな分子配列に基づいて、一方向の旋光成分と、これと逆回りの旋光成分とを分離する旋光選択特性を発現するが、プレーナ配列のヘリカル軸に入射した光は右旋光光と左旋光光の2つの円偏光光に分かれ、一方は透過し他方は反射される。
【0087】
この現象は、円偏光2色性として知られ、円偏光の旋光方向を入射光に対して適宜選択すると、コレステリック液晶のヘルカル軸方向と同一の旋光方向を持つ円偏光が選択的に散乱反射される。
【0088】
この場合の最大旋光光散乱は、次の(3)式の波長λ0 で生じる。
【0089】
λ0=nav・p …(3)
【0090】
ここで、pはヘリカルピッチ、navはヘリカル軸に直交する平面内の平均屈折率である。
【0091】
このときの反射光の波長バンド幅Δλは、次の(4)式で示される。
【0092】
Δλ=Δn・p …(4)
【0093】
ここで、Δn=n(‖)−n(直角)であり、n(‖)はヘリカル軸に直交する面内における最大の屈折率、n(直角)は最小の屈折率である。
【0094】
又、プレーナ配列のヘリカル軸に対して斜めに入射した光の選択散乱光の波長λφは、λ0に比べて短波長側にシフトすることが知られている。
【0095】
コレステリック液晶の材料としては、シッフ塩基、アゾ系、エステル系、ビフェニル系等のネマチック液晶化合物の末端基に光学活性の2−メチルブチル基、2−メチルブトキシ基、4−メチルヘキチル基を結合したカイラルネマチック液晶化合物が望ましい。
【0096】
又、一般に高分子液晶は、液晶を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖及び側鎖の位置に導入した高分子であるが、高分子コレステリック液晶も、例えばコレステリル基を側鎖に導入することで得られる。
【0097】
コレステリック液晶による偏光分離作用は、コレステリック液晶で一方の円偏光成分(右又は左回り)が透過され、他方の円偏光成分が反射される。
【0098】
前記光源12は、例えば、透明電極を有した透明樹脂シートに挟持された薄膜状のエレクトロルミネッセンス等からなる透明薄膜状白色面光源であって、前述の如く、例えば金属薄膜からなる反射層12Aがその背面に設けられている。
【0099】
また、前記光源12は、例えば、導光板に線状光源を配置した、いわゆるエッジライト型の白色面光源であっても良い。
【0100】
上記のような反射・透過型液晶表示装置10において、1/2波長層16がオフとされた透過モードのとき、光源12から出射した無偏光光は、その光のうちの、例えば図1に示されるように、左旋回の円偏光成分Lのみが円偏光分離層14、1/2波長層16、第1双方向2色性円偏光層18を透過するように、これらを設定しておく。
【0101】
他方の右旋回の円偏光成分Rは、円偏光分離層14において反射され、光源12の反射層12Aで反射される際に位相が逆転し、又は無偏光な状態となり、円偏光分離層14を透過する左旋回の円偏光光Lとなって、1/2波長層16に入射する。
【0102】
1/2波長層16における液晶層17Cには電圧が印加されていないので入射した左旋円偏光光Lは、そのまま1/2波長層16から出射する。
【0103】
前記第1双方向2色性円偏光層18の偏光透過軸を前記2つの旋回方向の一方、例えば左回りに一致させておけば、前記左旋円偏光光Lは第1双方向2色性円偏光層18を透過して液晶セル20に到達する。
【0104】
液晶セル20における液晶層26に画素電極24A、24Bから電圧を印加することによって、前記レタデ−ション値を変化させ、これによって液晶セル20を通過する円偏光光は、電界の印加により位相を実質的に0〜πシフトされる。従って、液晶セル20に入射した左旋円偏光光Lは、最大で、位相がπシフトされたとき、旋回方向が逆転した右旋円偏光Rとなって液晶セル20から出射する。
【0105】
前記第2双方向2色性円偏光層22の偏光透過軸を前記2つの旋回方向の一方、例えば右回りに一致させておけば、液晶層26に印加する電界を制御することによって、第1双方向2色性円偏光層18を透過する右旋円偏光光Rの光量を調整することができ、液晶表示機能を持たせることができる。
【0106】
これを図4のポアンカレの球によって説明すると、ポアンカレの球の上極の点から赤道上の点Hを経て下極まで方位角λ=0で0〜π/2、π/2、π/2〜πのシフト量に応じて、左回りの円偏光は左回りの楕円偏光→水平な直線偏光→右回りの楕円偏光→右回りの円偏光となる。
【0107】
従って、シフト量が0〜π/2の範囲では、図5に示されるような暗表示の状態から50%透過の状態までになり、π/2〜πの範囲では、シフト量が大きい程第2双方向2色性円偏光層22を透過する光量が更に大きくなって、図1に示されるような明表示の状態になり、これにより階調表示が可能となる。
【0108】
前記第2双方向2色性円偏光層22は、光吸収タイプの2色性偏光板から構成されているので、外光(無偏光光)が第2双方向2色性円偏光層22の表面に入射しても、その50%が吸収され、残りの50%が透過し、反射成分がほとんどないので、反射・透過型液晶表示装置10における画面のコントラストの低下を大幅に抑制することができる。
【0109】
前記切換スイッチ16Aをオンすると、前記1/2波長層16に電圧が印加されて遅延モードになり、反射・透過型液晶表示装置10は反射モードに切換えられる。
【0110】
この反射モードにおいては、図6、図7に示されるように外光(無偏光光)は、第2双方向2色性円偏光層22に入射し、右又は左回りの一方の右旋円偏光光Rのみがこれを透過して液晶セル20に入射する。外光の他方の円偏光成分、即ち左旋の円偏光光Lは第2双方向2色性円偏光層22によって吸収されるので、反射光により画面のコントラストを低下させることがない。
【0111】
液晶層26に入射した右旋円偏光光Rは、液晶セル20に印加される電界の変化によって液晶のレタデーション値が変化され、これにより偏光軸が実質的に0〜π変調される。
【0112】
これを図4のポアンカレの球によって説明すると、図6に示されるように、液晶セル20に入射した右旋円偏光光Rは、図4のポアンカレの球においては、球の下極から、シフト量0〜π/2では右旋楕円偏光、シフト量がπ/2のとき赤道上の点Vで示される垂直な直線偏光、シフト量π/2〜πのとき上半球状となり、左旋楕円偏光、シフト量πのとき上極となり、左旋円偏光として液晶セル20から第1双方向2色性円偏光層18に向けて出射する。
【0113】
第1双方向2色性円偏光層18では、前述と同様に左旋円偏光Lのみを透過して1/2波長層16に入射し、右旋円偏光光Rは吸収される。
【0114】
1/2波長層16は遅延モードであるので入射光は1/2波長すなわちπだけ位相が遅らされて、右旋円偏光光Rとして円偏光分離層14に向けて出射される。
【0115】
前述のように、前記1/2波長層16を構成する液晶セルにおける液晶層17Cは、ネマチック液晶、強誘電性液晶、又は、反強誘電性液晶のいずれかからなるが、強誘電性液晶、又は、反強誘電性液晶の場合、電圧を印可した後に、印加電圧をある値まで下げても電圧を印可した最初の状態が持続する「メモリ性」を有するので特に好ましい。
【0116】
前記円偏光分離層14に入射した右旋円偏光光Rは、ここで反射される。
【0117】
従って、円偏光分離層14で反射して液晶セル20を透過する光の量を、液晶層26に印加する電圧によって調整することができる。
【0118】
円偏光分離層14で反射された右旋円偏光光Rは、1/2波長層16で左旋円偏光光Lとされ、更に第1双方向2色性円偏光層18をそのまま透過し、液晶セル20に、出射したときと同旋回方向で戻り、再度偏光軸が0〜π変調されて、右旋円又は楕円偏光光Rとなって第2双方向2色円偏光層22を経て出射し、表示光となる。
【0119】
次に、図8に示される本発明の実施の形態の第2例に係る反射・透過型液晶表示装置30について説明する。
【0120】
図8中、「←→」、「・」はそれぞれ直線偏光の電場振動ベクトルを示しており、「←→」は紙面面内方向、「・」は紙面に垂直な方向である。
【0121】
なお、図8において、前記図1に示される反射・透過型液晶表示装置10におけると同一部分には図1と同一の符号を付することにより、説明を省略するものとする。
【0122】
この液晶表示装置30は、前記反射・透過型液晶表示装置10における円偏光分離層14を、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する直線偏光分離層32とし、第1、第2双方向2色性円偏光層18、22を、入射した直線偏光光のうち、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する光吸収型の第1、第2双方向2色性直線偏光層34、36としたものである。
【0123】
前記直線偏光分離層32は、複屈折性を有するフィルムを3層以上に積層してなる平面状多層構造とされ、各層の平面内で互いに垂直な振動方向を持つ2つの光のうちの、一方の光に対する厚さ方向に隣接する層間における屈折率の差と、他方の光に対する厚さ方向に隣接する層間における屈折率の差とが異なるようにして、前記一方の光を透過し、他方の光を反射するようにしたものである。
【0124】
上記のような、複屈折性を有するフィルムは、例えば特開平3−75705号公報等に開示されているように、ポリカーボネ−ト系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、酢酸セルロース系樹脂等の面内複屈折性(屈折率異方性)を示す物質を延伸等の方法によって得ることができる。
【0125】
例えば、隣り合う複屈折性層(フィルム)のX軸方向に振動する光線に対する屈折率は実質的にnxで同じであり、X軸方向での隣接する層間の屈折率差Δnx(=|nx−nx|)は実質的に0である。
【0126】
これに対して、例えば、3層の複屈折性層のうち第1層と第3層のY軸方向に振動する光線に対する屈折率を共にny 1とし、第2層における同方向の屈折率をny2(≠ny1)とすると、Y軸方向での隣接する層間の屈折率Δnyは実質的に0でない。
【0127】
前記屈折率差の大きい方向(Y軸方向)に振動する光の反射は、屈折率差の小さい方向(X軸方向)に振動する光の反射よりも大きく、又、X軸方向の光の透過はY軸方向の光透過よりも大きくなる。
【0128】
このため、X軸方向に振動する光にとって、直線偏光分離層32が、平面状多層構造であっても、屈折率が実質的に同一であるので、直線偏光分離層32への入射面及び出射面の2箇所でわずかな表面反射が生じるのみである。
【0129】
これに対して、Y軸方向に振動する光にとっては、平面状多層構造体内の屈折率が各層間で異なるので、直線偏光分離層32全体への入射面及び出射面のみならず、各層間で表面(界面)反射が起こり、複屈折率層の層数が多いほどY軸方向に振動する光の反射回数が多くなる。
【0130】
前記第1、第2双方向2色性直線偏光層34、36は、透過軸方向の偏光光を透過し、透過軸と直交する方向の偏光光のほとんどを吸収するものであり、ポラロイド(商品名)等の2色性の偏光材から構成されている。
【0131】
この反射・透過型液晶表示装置30においては、透過モードのとき、光源12からの無偏光光は、直線偏光分離層32において一方の直線偏光成分が透過され、これと直交方向の直線偏光成分が反射される。
【0132】
反射された直線偏光成分は、光源12における反射層12Aで反射される際に、又は、光路中(図示せず)に配置された光拡散板等によって無偏光な状態となって、直線偏光分離層32を透過する。
【0133】
直線偏光分離層32を透過した直線偏光光は、1/2波長層16に入射する。
【0134】
透過モードでは切換スイッチ16Aがオフで、1/2波長層16における液晶層17Cには電圧が印加されていないので、入射した直線偏光光は、そのまま1/2波長層16から出射する。
【0135】
前記第1双方向2色性直線偏光層34の偏光透過軸を前記2つの偏光方向の一方前記と一致させておけば、前記直線偏光光は第1双方向2色性直線偏光層34を透過して液晶セル20に到達する。
【0136】
液晶セル20における液晶層26に画素電極24A、24Bから電圧を印加することによって、前記レタデ−ション値を変化させ、これによって液晶セル20を通過する直線偏光光は、電界の印加により位相を実質的に0〜πシフトされる。従って、液晶セル20に入射した直線円偏光光は、最大で、位相がπシフトされたとき、偏光方向が直交する他方の直線偏光となって液晶セル20から出射する。
【0137】
これを図4のポアンカレの球によって説明すると、ポアンカレの球の赤道上の点Hから方位角λ=0で0〜πシフトされることによって、水平な直線偏光は右回りの楕円偏光→右回りの円偏光→右回りの楕円偏光を経て垂直の直線偏光となる。従って、シフト量が大きい程、第2双方向2色性直線偏光層36を透過する光量が小さくなる。又、なお、暗表示の状態を図9に示した。
【0138】
従って、液晶層26に、画素電極24A、24Bから印加する電圧を制御することによって、第2双方向2色性直線偏光層36を透過する光の量を調整することができる。すなわち、液晶表示機能を持たせることができ、階調表示が可能である。
【0139】
このことは、次の(5)式で表される。
【0140】
I=I0sin22θsin2(πdΔn(V)/λ) …(5)
【0141】
ここで、Iは第2双方向2色性直線偏光層36を透過する光の強度、I0は入射光の強度、θは入射偏光方向と液晶セル中の通常光の振動方向とのなす角度、Δn(V)とdはそれぞれ印加電圧Vでの液晶の複屈折率とセル厚、λは入射光の波長を示す。なお、第2双方向2色性直線偏光層36を透過しない直線偏光光は、これに吸収される。
【0142】
又、この液晶表示装置30においては、第2双方向2色性直線偏光層36が、無偏光光である外光が入射した場合でも、その50%を吸収するので、反射による画面のコントラストの低下を抑制することができる。
【0143】
次に、図10、図11に示される前記反射・透過型液晶表示装置30の反射モードについて説明する。
【0144】
前記切換スイッチ16Aをオンすると、前記1/2波長層16に電圧が印加されて遅延モードになり、反射・透過型液晶表示装置30は反射モードに切換えられる。
【0145】
この反射モードにおいては、図10、図11に示されるように外光(無偏光光)は、第2双方向2色性直線偏光層36に入射し、「・」で示される一方の直線偏光光のみがこれを透過して液晶セル20に入射する。外光の他方の偏光成分、即ち「←→」の直線偏光光は第2双方向2色性直線偏光層36によって吸収されるので、反射光により画面のコントラストを低下させることがない。
【0146】
液晶層26に入射した直線偏光光は、液晶層26に印加する電界によって液晶層のレタデーション値が変化されることにより、光の位相が実質的に0〜πシフトされる。
【0147】
これを、図4のポアンカレの球を利用して説明すると、例えば赤道上の点Hで示される水平の直線偏光光は、正方向に0〜π/2シフトされることによって、右回りの楕円偏光光、π/2シフトされることによって球の下極点上の点で表わされる右回りの完全円偏光光、π/2〜πシフトされることにより右回りの楕円偏光光、πシフトされることにより垂直の直線偏光光となる。
【0148】
従って、液晶セル20から出射した直線偏光光は、第1双方向2色性直線偏光層34に入射し、この第1双方向2色性直線偏光層34では、前述と同様に「←→」の直線偏光のみを透過して1/2波長層16に入射し、他方の直線偏光光は吸収される。
【0149】
1/2波長層16は遅延モードであるので入射光は1/2波長すなわちπだけ位相が遅らされて、「・」の直線偏光光として直線偏光分離層32に向けて出射される。この直線偏光光は、直線偏光分離層34において反射され、この反射された直線偏光光は、1/2波長層16で「←→」の直線偏光光とされ、更に第1双方向2色性直線偏光層34をそのまま透過し、液晶セル20に、出射したときと同偏光方向で戻り、再度偏光軸が0〜π変調されて、「・」の直線偏光成分が第2双方向2色直線偏光層36を経て出射し、表示光となる。
【0150】
外光が液晶セル20において位相が実質的にシフトされないときは、図11に示されるように暗表示となる。
【0151】
前記実施の形態の第1例における1/2波長層16と第1双方向2色性円偏光層18、又は、第2例における1/2波長層16と第1双方向2色性直線偏光層34を、液晶セル20における、図において下側の基板24Bの上側に、且つ、液晶層26とともに上側の基板24Aの下側に積層してもよい(図12参照)。このようにすると基板24A、24Bが狭くなり、視差が減少して、像が2重に見えたり、ボケたりすることが抑制される。
【0152】
次に、本発明の実施の形態の第3例を図面を参照して詳細に説明する。
【0153】
図13に示されるように、本発明の実施の形態の第3例に係る反射・透過型液晶表示装置40は、図1の反射・透過型液晶表示装置10における液晶セル20を、電界の印加により液晶のレタデ−ション値を変化させ、前記双方向2色性円偏光層18を透過して又はその反対側から入射する円偏光光の位相を実質的に−π/2〜π/2シフトする作用を有する液晶セル42とすると共に、第2双方向2色性円偏光層22を、図8の反射・透過型液晶表示装置30におけると同様の双方向2色性直線偏光層36としたものである。他の構成は反射・透過型液晶表示装置10と同一であるので、図1におけると同一部分には同一符号を付することにより説明を省略する。
【0154】
又、前記液晶セル42は、図14に示されるように図3の液晶セル20と同様の構成であり、2枚の基板24A、24Bに挟持された液晶層44を備えて構成され、液晶層44は、前記画素電極28A,28Bから電界を印加して液晶のレタデ−ション値を変化させ、これにより前記双方向2色性円偏光層18又は双方向2色性直線偏光層36を透過して入射する円偏光光又は直線偏光の位相を実質的に−π/2〜π/2シフトする作用を有するように調整されている。
【0155】
この調整は、図3の液晶層26と同様に複屈折及び厚さを制御することによって前述の様々な液晶により行うことができる。
【0156】
なお、前記「実質的に−π/2〜π/2シフトする」は、液晶層44自体で位相を実質的に変化させ、あるいは、液晶セル42とは別の位相差層を、液晶セル42と前記双方向2色性円偏光層18との間、および/または液晶セル42と前記1/2波長層16との間に形成して、液晶層44と位相差層との相互作用によりこれらを透過する光の位相を実質的に−π/2〜π/2シフトする意味である。
【0157】
例えば、前記液晶層44自体でのレタデーション値を、0〜πまで変化させ、前記液晶層44の前記双方向2色性円偏光層18円との間、及び/又は前記1/2波長層16側に別に設けたレタデーション値が実質的にπ/2である位相差層との相互作用によって、これらを透過する光の位相を実質的に−π/2〜π/2シフトさせることを包含する。
【0158】
前記相互作用とは、液晶層のレタデーション値がπを示す時の進相軸又は遅相軸に対して、レタデーション値が実質的にπ/2である位相差層の進相軸又は遅相軸を直交させる等した場合に起こる作用のことで、例えば、0−π/2=−π/2、π−π/2=π/2、のように計算することができる。
【0159】
上記のような反射・透過型液晶表示装置40において、1/2波長層16がオフとされた透過モードのとき、光源12から出射した無偏光光は、その光のうちの、例えば図13に示されるように、左旋回の円偏光成分Lのみが円偏光分離層14を透過して1/2波長層16に達する。
【0160】
他方の右旋回の円偏光成分Rは、円偏光分離層14において反射され、光源12の反射層12Aで反射される際に位相が逆転し、又は無偏光な状態となり、円偏光分離層14を透過する左旋回の円偏光光Lとなって、1/2波長層16に入射する。
【0161】
1/2波長層16における液晶層17Cには電圧が印加されていないので入射した左旋円偏光光Lは、そのまま1/2波長層16から出射する。
【0162】
前記双方向2色性円偏光層18の偏光透過軸を前記2つの旋回方向の一方、例えば左回りに一致させておけば、前記左旋円偏光光Lは双方向2色性円偏光層18を透過して液晶セル42に到達する。
【0163】
液晶セル42における液晶層44に画素電極24A、24Bから電圧を印加することによって、前記レタデ−ション値を変化させ、これによって液晶セル42を通過する円偏光光は、電界の印加により位相を実質的に−π/2〜π/2シフトされる。
【0164】
従って、前述のように、液晶セル42に入射した円偏光光は、その位相がπ/2シフトされると直線偏光光になり、−π/2シフトされると前記と直交する方向の直線偏光光になって液晶セル42から出射する。
【0165】
前記双方向2色性直線偏光層36の偏光透過軸を前記2つの偏向方向の一方に一致させておけば、液晶層44に印加する電界を制御することによって、2色性直線偏光層36を透過する光の量を調整することができ、液晶表示機能を持たせることができる。又、当然、階調表示もすることができる。
【0166】
上記図4のポアンカレの球によって説明すると、ポアンカレの球の上極の点から方位角λ=0で赤道上の点Hまで0〜π/2シフトされることによって、左回りの円偏光は左回りの楕円偏光→水平な直線偏光となり、又、赤道上の点Vまで0〜−π/2シフトされることによって左回りの楕円偏光→垂直な直線偏光となる。
【0167】
従って、シフト量が0〜π/2の範囲では、シフト量が大きい程2色性直線偏光層44を透過する光量が大きくなり、0〜−π/2の範囲ではシフト量が大きい程暗くなり、最終的には図15に示されるように暗表示となる。
【0168】
前記切換スイッチ16Aをオンすると、前記1/2波長層16に電圧が印加されて遅延モードになり、反射・透過型液晶表示装置40は反射モードに切換えられる。
【0169】
この反射モードにおいては、図16、図17に示されるように外光(無偏光光)は、双方向2色性直線偏光層36に入射し、「←→」で示される一方の直線偏光光のみがこれを透過して液晶セル42に入射する。外光の他方の偏光成分、即ち「・」の直線偏光光は双方向2色性直線偏光層36によって吸収されるので、反射光により画面のコントラストを低下させることがない。
【0170】
液晶層44に入射した直線偏光光は、液晶層44に印加する電界によって液晶層のレタデーション値が変化されることにより、光の位相が実質的に−π/2〜π/2シフトされる。
【0171】
これを、図4のポアンカレの球を利用して説明すると、例えば赤道上の点Hで示される水平の直線偏光光は、正方向に0〜π/2シフトされることによって、右旋楕円偏光光、π/2シフトされることによって球の下極点上の点で表わされる右旋完全円偏光光、0〜−π/2シフトされることにより左旋楕円偏光光、−π/2シフトされることにより上極点で表わされる左旋完全円偏光光となる。
【0172】
双方向2色性円偏光層18では、前述と同様に左旋円偏光光Lのみを透過して1/2波長層16に入射し、右旋円偏光光Rは吸収される。従って、液晶セル42において、出射光が全て右旋円偏光光Rとされると、図17に示されるように暗表示となる。
【0173】
1/2波長層16は遅延モードであるので入射光は1/2波長すなわちπだけ位相が遅らされて、右旋円偏光光Rとして円偏光分離層14に向けて出射される。
【0174】
前記円偏光分離層14に入射した右旋円偏光光は、ここで反射される。
【0175】
従って、円偏光分離層14で反射して液晶セル42を透過する光の量を、液晶層44に印加する電圧によって調整することができる。
【0176】
円偏光分離層14で反射された右旋円偏光光Rは、1/2波長層16で左旋円偏光光Lとされ、更に双方向2色性円偏光層18をそのまま透過し、液晶セル42に、出射したときと同旋回方向で戻り、再度偏光軸が−π/2〜π/2変調されて、[←→」の直線偏光成分のみが双方向2色性直線偏光層36を経て出射し、表示光となる。
【0177】
次に、図18に示される本発明の実施の形態の第4例に係る反射・透過型液晶表示装置50について説明する。
【0178】
なお、図18において、前記図13に示される反射・透過型液晶表示装置40におけると同一部分には図1と同一の符号を付することにより、説明を省略するものとする。
【0179】
この液晶表示装置50は、反射・透過型液晶表示装置40における円偏光分離層14を直線偏光分離層32に、双方向2色性円偏光層18を双方向2色性直線偏光層34に、双方向2色性直線偏光層36を双方向2色性円偏光層22に、それぞれ置き替えたものである。
【0180】
この反射・透過型液晶表示装置50においては、光源12からの無偏光光は、直線偏光分離層32において一方の直線偏光成分が透過され、これと直交方向の直線偏光成分が反射される。
【0181】
反射された直線偏光成分は、光源12における反射層12Aで反射される際に、又は、光路中(図示せず)に配置された光拡散板等によって無偏光な状態となって、直線偏光分離層32を透過する。
【0182】
直線偏光分離層32を透過した直線偏光光は、1/2波長層16に入射する。
【0183】
切換スイッチ16Aがオフで透過モードのとき、1/2波長層16における液晶層17Cには電圧が印加されていないので入射した直線偏光光は、そのまま1/2波長層16から出射する。
【0184】
前記双方向2色性直線偏光層34の偏光透過軸を前記2つの偏光方向の一方前記と一致させておけば、前記直線偏光光は双方向2色性直線偏光層34を透過して液晶セル42に到達する。
【0185】
液晶セル42における液晶層44に画素電極24A、24Bから電圧を印加することによって、前記レタデ−ション値を変化させ、これによって液晶セル42を通過する円偏光光は、電界の印加により位相を実質的に−π/2〜π/2シフトされる。従って、液晶セル42に入射した直線円偏光光は、最大で、位相がπ/2シフトされたとき、右旋完全円偏光となって液晶セル42から出射する。
【0186】
これを図4のポアンカレの球によって説明すると、ポアンカレの球の赤道上の点Hから方位角λ=0で0〜π/2シフトされることによって、水平な直線偏光は右回りの楕円偏光→右旋完全円偏光となる。従って、0〜π/2ではシフト量が大きい程、双方向2色性円偏光層22を透過する光量が多くなる。又、−π/2〜0の範囲では、暗表示の状態(図19参照)となる。
【0187】
従って、液晶層44に、画素電極24A、24Bから印加する電圧を制御することによって、双方向2色性円偏光層22を透過する光の量を調整することができる。すなわち、液晶表示機能を持たせることができ、階調表示が可能である。
【0188】
又、この液晶表示装置50においては、第2双方向2色性円偏光層22が、無偏光光である外光が入射した場合でも、その50%を吸収するので、反射による画面のコントラストの低下を抑制することができる。
【0189】
次に、図20、図21に示される前記反射・透過型の液晶表示装置50の反射モードについて説明する。
【0190】
前記切換スイッチ16Aをオンすると、前記1/2波長層16に電圧が印加されて遅延モードになり、反射・透過型液晶表示装置50は反射モードに切換えられる。
【0191】
この反射モードにおいては、図20、図21に示されるように外光(無偏光光)は、双方向2色性円偏光層22に入射し、右又は左回りの一方の右旋円偏光光Rのみがこれを透過して液晶セル42に入射する。外光の他方の円偏光成分、即ち左旋の円偏光光Lは双方向2色性円偏光層22によって吸収されるので、反射光により画面のコントラストを低下させることがない。
【0192】
液晶層44に入射した右旋円偏光光Rは、液晶セル42に印加される電界の変化によって液晶のレタデーション値が変化され、これにより偏光軸が実質的に−π/2〜π/2変調される。
【0193】
これを図4のポアンカレの球によって説明すると、図20に示されるように、液晶セル42に入射した右旋円偏光光Rは、図4のポアンカレの球においては、球の下極から、シフト量0〜π/2では右旋楕円偏光、シフト量がπ/2のとき赤道上の点Vで示される垂直な直線偏光、シフト量0〜−π/2のとき上半球上となり、左旋楕円偏光、シフト量−π/2のとき点Hで示される水平な直線偏光として液晶セル42から双方向2色性直線偏光層34に向けて出射する。
【0194】
従って、液晶セル42から出射した直線偏光光は、双方向2色性直線偏光層34に入射し、この双方向2色性直線偏光層34では、前述と同様に「←→」の直線偏光のみを透過して1/2波長層16に入射し、他方の直線偏光光は吸収される。
【0195】
1/2波長層16は遅延モードであるので入射光は1/2波長すなわちπだけ位相が遅らされて、「・」の直線偏光光として直線偏光分離層32に向けて出射される。この直線偏光光は、直線偏光分離層32において反射され、この反射された直線偏光光は、1/2波長層16で「←→」の直線偏光光とされ、更に双方向2色性直線偏光層34をそのまま透過し、液晶セル42に、出射したときと同偏光方向で戻り、再度偏光軸が−π/2〜π/2変調されて、右旋円偏光成分が双方向2色性円偏光層36を経て出射し、表示光となる。
【0196】
外光が液晶セル42において位相が透過モード時とは逆にシフトされるときは、図21に示されるように暗表示となる。
【0197】
更に又、前記各実施の形態の第3例における1/2波長層16と第1双方向2色性円偏光層18、又は、第4例における1/2波長層16と第1双方向2色性直線偏光層34を、液晶セル42における、図において下側の基板24Bの上側に、且つ、液晶層46とともに上側の基板24Aの下側に積層してもよい(図12参照)。このようにすると基板24A、24Bが狭くなり、視差が減少して、像が2重に見えたり、ボケたりすることが抑制される。
【0198】
次に本発明の実施の形態の第5例を図面を参照して詳細に説明する。
【0199】
図23に示されるように、本発明の実施の形態の第5例に係る反射・透過型液晶表示装置60は、図1に示される反射・透過型液晶表示装置10における第2双方向2色性円偏光層22を双方向2色性直線偏光層36とすると共に、異なる液晶セル62を設けたものである。他の構成は反射・透過型液晶表示装置10と同一であるので、図1におけると同一部分には同一符号を付することにより説明を省略する。
【0200】
この反射・透過型液晶表示装置60の液晶セル62は、透過する光の位相を実質的にπ/2シフトするレタデーション値を有する液晶層64(図24参照)及びこの液晶層64に電界を印加する画素電極28A,28Bを含んでなり、前記円偏光分離層14を透過して入射する円偏光光を、前記円偏光分離層14と反対方向に出射するまでの間に直線偏光光に変換し、又は反対方向から入射する直線偏光光を、第1双方向2色性偏光層18方向に出射する直線偏光光を円偏光光に変換し、且つ、前記液晶層22に前記画素電極24A,24Bから電界を印加して液晶のダイレクタの方向を変化させ、これにより前記直線偏光光又は円偏光光の偏光軸を変化させるものである。
【0201】
液晶セル62は、図24に示されるように、2枚の基板64A、64Bに挟持された液晶層66と、図24において下側の基板64Aの上側面にこれと平行方向に離間して配置された前記画素電極68A、68Bと、を備えて構成され、画素電極68A、68B間に回路69から電圧を印加したときの電界方向が、基板面に実質的に平行で、液晶層66内の大部分の液晶分子のダイレクタDの方向が基板面に実質的に平行なまま回転するモード(一般的にIPS(In Plain Switching)モードと呼ばれている。)で作動するようにされている。
【0202】
更に、前記液晶層66内における液晶のダイレクタDの方向について詳述する。図25示されるように、前記画素電極68A、68B間に電界が印加されていない状態では、液晶のダイレクタDの方向が紙面に対して実質的に垂直な方向となり、図26に示されるように、画素電極68A、68B間に電界が印加された状態では、液晶のダイレクタDは紙面に対して実質的に平行な方向へ動くようにされている。
【0203】
図25における液晶は誘電率異方性Δεが正の場合を図示したが、誘電率異方性Δεが負の場合は、前記画素電極68A、68B間に電界が印加されていない状態では、液晶のダイレクタDの方向が紙面に対して実質的に平行な方向となり、画素電極68A、68B間に電界が印加された状態では、液晶のダイレクタDは紙面に対して実質的に垂直な方向へ動くようにされている。
【0204】
ここで、前記液晶層66は、透過する光の位相を実質的にπ/2シフトするレタデーション値を有するように調整されており、画素電極68A、68B間の電界の印加の有無に拘らず、レタデーション値がほとんど同一である。この調整は液晶層の複屈折及び厚さを制御することによって既知の様々な液晶、例えば、ネマチック(Nn)液晶により、行うことができる。又液晶のダイレクタDの方向は共に、実質的に基板64A、64Bに対して平行である。
【0205】
なお、前記「実質的にπ/2シフトする」、及び「実質的に基板64A、64Bと平行」における「実質的に」は、例えば、液晶のプレチルト角や、種々の外乱等で理想的な状態から若干ずれる場合も包含する意味である。
【0206】
更に、前記「実質的にπ/2シフトする」は、液晶層66自体で位相を実質的に変化させ、あるいは、液晶セル62とは別の位相差層を、液晶セル62と前記双方向2色性円偏光層18円との間、および/または液晶セル62と前記1/2波長層16との間に形成して、液晶層66と位相差層との相互作用によりこれらを透過する光の位相を実質的にπ/2シフトする意味である。
【0207】
前記、液晶のダイレクタDの変化は図23の例では、液晶セル62に入射する円偏光光の偏光状態を直線偏光にシフトさせる際に直線偏光の直線偏光軸を変化させるものであり、これは図4のポアンカレの球上での方位角λ方向、即ち、経度方向の変化となる。
【0208】
円偏光について、液晶のダイレクタDの変化により偏光軸が変化するが、これは、例えばポアンカレの球における上極点で示される左回りの円偏光は、液晶のダイレクタDの変化により、任意の緯度方向に移動した赤道上の点で表わされることになる。
【0209】
上記のような反射・透過型液晶表示装置60において、1/2波長層16がオフとされた透過モードの場合を説明する。
【0210】
光源12から出射した無偏光光は、その光のうちの、例えば図23に示されるように、左旋回の円偏光成分Lのみが円偏光分離層14を透過して1/2波長層16に達する。
【0211】
他方の右旋回の円偏光成分Rは、円偏光分離層14において反射され、光源12の反射層12Aで反射される際に位相が逆転し、又は無偏光な状態となり、円偏光分離層14を透過する左旋回の円偏光光Lとなって、1/2波長層16に入射する。
【0212】
1/2波長層16における液晶層17Cには電圧が印加されていないので入射した左旋円偏光光Lは、そのまま1/2波長層16から出射する。
【0213】
前記双方向2色性円偏光層18の偏光透過軸を前記2つの旋回方向の一方、例えば左回りに一致させておけば、前記左旋円偏光光Lは双方向2色性円偏光層18を透過して液晶セル62に到達する。
【0214】
液晶セル62を通過する左旋円偏光光は、これを通過する際に、電界の印加の有無に拘らず位相が実質的にπ/2シフトされる。従って、液晶セル62に入射した円偏光光は、直線偏光となって液晶セル62から出射する。
【0215】
この様に、液晶セル62における液晶層66に画素電極68A、68Bから電圧を印加することによって、前記レタデ−ション値を維持したまま液晶のダイレクタDの方向を変化させることによって通過する偏光光の偏光軸を変調することができる。即ち階調表示が可能となる。
【0216】
液晶層66に円偏光が入射する場合は、前記液晶のダイレクタの方向を2色性直線偏光層の光透過軸を基準として実質的に−45〜45度まで変化させるように、前記電極間の電圧を制御する回路69を設けることが好ましい。
【0217】
前記双方向2色性直線偏光層36の偏光透過軸を前記液晶セル62から出射する直線偏光の偏光軸に一致又は直交させておけば、液晶層62に印加する電界を前記回路69により制御し、特に前記液晶のダイレクタの方向を双方向2色性直線偏光層36の直線偏光透過軸を基準として実質的に−45〜45度まで変化させるように電界を制御することによって、双方向2色性直線偏光層22を透過する光の量を最大値から最小値まで調整することができ、良好な液晶表示機能、例えば階調表示機能を持たせることができる。
【0218】
なお、図23は直線偏光光が2色性直線偏光層から出射する状態の、いわゆる明表示の場合を示すものであるが、図27に示されるように、前記液晶セル62内における液晶のダイレクタDの方向を液晶セル62から出射する直線偏光光の偏光方向が図23の場合と直交する方向にすると、いわゆる暗表示となる。
【0219】
前記双方向2色性直線偏光層36は、光吸収タイプの2色性偏光板から構成されているので、外光(無偏光光)が双方向2色性直線偏光層36の表面に入射しても、その50%が吸収され、残りの50%が透過し、反射成分がほとんどないので、液晶表示装置10における画面のコントラストの低下を大幅に抑制することができる。
【0220】
前記切換スイッチ16Aをオンすると、前記1/2波長層16に電圧が印加されて遅延モードになり、反射・透過型液晶表示装置60は反射モードに切換えられる。
【0221】
この反射モードにおいては、図28、図29に示されるように外光(無偏光光)は、双方向2色性直線偏光層36に入射し、「←→」で示される一方の直線偏光光のみがこれを透過して液晶セル62に入射する。外光の他方の偏光成分、即ち「・」の直線偏光光は双方向2色性直線偏光層36によって吸収されるので、反射光により画面のコントラストを低下させることがない。
【0222】
前記双方向2色性直線偏光層36から入射した直線偏光光は、液晶セル62に印加される電界の変化によって偏光軸が変調される。一方、液晶層62は前述の如く、透過光の位相を実質的にπ/2シフトさせるレタデーション値を有しているので、直線偏光を円偏光へとシフトする作用を有している。
【0223】
この円偏光光の旋回方向は、前述の、偏光軸の変調により決定され、円偏光分離層14に入射したとき、旋回方向が右のときに反射され、左のときに透過される。
【0224】
図4のポアンカレの球で説明すると、入射した水平の直線偏光光は、液晶のダイレクタDを−45〜45度変化させることにより、赤道上の点Hから、−45〜0度の場合は、上極点から点Hまで移動して左旋円偏光光から直線偏光の状態になり、又、0〜45度の場合は下極点から点Hまで移動して右旋円偏光光から直線偏光の状態になる。
【0225】
双方向2色性円偏光層18では、前述と同様に左旋円偏光光Lのみを透過して1/2波長層16に入射し、右旋円偏光光Rは吸収される。
【0226】
1/2波長層16は遅延モードであるので、入射した左旋円偏光光Lは1/2波長すなわちπだけ位相が遅らされて、右旋円偏光光Rとして円偏光分離層14に向けて出射される。
【0227】
前記円偏光分離層14に入射した右旋円偏光光Rは、ここで反射される。円偏光分離層14で反射された右旋円偏光光Rは、1/2波長層16で左旋円偏光光Lとされ、更に双方向2色性円偏光層18をそのまま透過し、液晶セル62に、出射したときと同旋回方向で戻り、再度偏光軸がπ/2変調されて、[←→」の直線偏光成分のみが双方向2色性直線偏光層36を経て出射し、表示光となる。
【0228】
従って、円偏光分離層14で反射して液晶セル62を透過する光の量を、液晶層62に印加する電圧によって調整することができる。即ち、階調表示をすることができる。液晶セル62でダイレクタDの変化の結果、右旋円偏光光のみが双方向2色性円偏光光層18に出射されるとき、図29に示されるように暗表示となる。
【0229】
次に、図30に示される本発明の実施の形態の第6例に係る反射・透過型液晶表示装置70について説明する。
【0230】
なお、図30において、前記図23に示される反射・透過型液晶表示装置30におけると同一部分には図1と同一の符号を付することにより、説明を省略するものとする。
【0231】
この反射・透過型液晶表示装置70は、反射・透過型液晶表示装置30における円偏光分離層14を直線偏光分離層32に、双方向2色性円偏光層18を双方向2色性直線偏光層34にすると共に、記双方向2色性直線偏光層36を双方向2色性円偏光層22にしたものである。
【0232】
この反射・透過型液晶表示装置70において、切換スイッチ16Aがオフとされた透過モードのときを説明する。
【0233】
光源12からの無偏光光は、直線偏光分離層32において一方の直線偏光成分が透過され、これと直交方向の直線偏光成分が反射される。
【0234】
反射された直線偏光成分は、光源12における反射層12Aで反射される際に、又は、光路中(図示せず)に配置された光拡散板等によって無偏光な状態となって、直線偏光分離層32を透過する。
【0235】
直線偏光分離層32を透過した直線偏光光は、1/2波長層16に入射する。
【0236】
1/2波長層16における液晶層17Cには電圧が印加されていないので入射した直線偏光光は、そのまま1/2波長層16から出射する。
【0237】
前記双方向2色性直線偏光層34の偏光透過軸を前記2つの偏光方向の一方前記と一致させておけば、前記直線偏光光は双方向2色性直線偏光層34を透過して液晶セル62に到達する。
【0238】
液晶セル62における液晶層66は前述のように光の位相を実質的にπ/2シフトさせるレタデーション値を有するので直線偏光を円偏光にシフトする作用を有しているが、画素電極68A、68Bから電圧を印加することによって、液晶のダイレクタDを変化させ、これによって液晶セル62に入射した直線偏光光は、右旋完全円偏光から左旋完全円偏光となって液晶セル62から出射する。
【0239】
液晶セル62からの出射光は右旋楕円偏光→右旋完全円偏光となったとき、右旋完全偏光に近い程、双方向2色性円偏光層22を透過する光量が多くなる。又、左旋楕円偏光→左旋完全円偏光の範囲では、左旋完全円偏光に近い程、双方向2色性円偏光層22を透過する光量は少なくなり、左旋完全円偏光の場合は、暗表示の状態(図31参照)となる。
【0240】
従って、液晶層62に、画素電極68A、68Bから印加する電圧を制御することによって、双方向2色性円偏光層22を透過する光の量を調整することができる。すなわち、液晶表示機能を持たせることができ、階調表示が可能である。
【0241】
又、この液晶表示装置70においては、第2双方向2色性直線偏光層22が、無偏光光である外光が入射した場合でも、その50%を吸収するので、反射による画面のコントラストの低下を抑制することができる。
【0242】
次に、図32、図33に示される前記反射・透過型の液晶表示装置70の反射モードについて説明する。
【0243】
前記切換スイッチ16Aをオンすると、前記1/2波長層16に電圧が印加されて遅延モードになり、反射・透過型液晶表示装置70は反射モードに切換えられる。
【0244】
この反射モードにおいては、図32、図33に示されるように外光(無偏光光)は、双方向2色性円偏光層22に入射し、右又は左回りの一方の右旋円偏光光Rのみがこれを透過して液晶セル62に入射する。外光の他方の円偏光成分、即ち左旋の円偏光光Lは双方向2色性円偏光層22によって吸収されるので、反射光により画面のコントラストを低下させることがない。
【0245】
液晶層66に入射した右旋円偏光光Rは、液晶セル62に印加される電界の変化によって液晶のダイレクタDが変化され、これにより前記とは逆に、「←→」と「・」の範囲の直線偏光に変調される。
【0246】
従って、液晶セル62から出射した直線偏光光は、双方向2色性直線偏光層34に入射し、この双方向2色性直線偏光層34では、前述と同様に「←→」の直線偏光のみが透過されて1/2波長層16に入射し、他方の直線偏光光は吸収される。
【0247】
1/2波長層16は遅延モードであるので入射光は1/2波長すなわちπだけ位相が遅らされて、「・」の直線偏光光として直線偏光分離層32に向けて出射される。この直線偏光光は、直線偏光分離層32において反射され、この反射された直線偏光光は、1/2波長層16で「←→」の直線偏光光とされ、更に双方向2色性直線偏光層34をそのまま透過し、液晶セル62に、出射したときと同偏光方向で戻り、再度変調されて、右旋円偏光成分が双方向2色性円偏光層22を経て出射し、表示光となる。
【0248】
外光が液晶セル62におい全て「・」の直線偏光に変調されたときは、液晶セル62からの出射光が双方向2色性直線偏光層34により吸収され、図33に示されるように暗表示となる。
【0249】
前記液晶層66の調整は、上記以外にも、例えば強誘電性液晶(SmC*)、 反強誘電性液晶(SmCA*)により行うことができる。この場合は前記のネマ チック(N)液晶を用いたIPSモードとは液晶層の特性が若干相異する。即ち、前記図24〜26はIPSモードの一例を図示したが、強誘電性液晶(SmC*)、反強誘電性液晶(SmCA*)を用いる場合は、図34に例示したように、液晶層66が電極68A、68Bに挟持された構造となる。
【0250】
この場合、液晶を配向させるために、ポリイミド等からなる配向膜を基板64A、64Bと液晶層66との間に配置する。その際、配向膜に対して公知のラビング処理を行っても良いし、偏光UVを用いた光配向処理を行っても良い。又、電極はITO等からなる透光性物質を用い、基板64A、64Bはガラス等の透光性基板を用いる。
【0251】
又、前記各実施の形態の第5例における1/2波長層16と第1双方向2色性円偏光層18、又は、第6例における1/2波長層16と第1双方向2色性直線偏光層34を、液晶セル62における、図において下側の基板64Bの上側に、且つ、液晶層66とともに上側の基板64Aの下側に積層してもよい(図35(A)、35(B)参照)。このようにすると基板64A、64B間が狭くなり、視差が減少して、像が2重に見えたり、ボケたりすることが抑制される。
【0252】
次に、本発明の実施の形態の第7例を図面を参照して詳細に説明する。
【0253】
図36に示されるように、本発明の実施の形態の第7例に係る反射・透過型液晶表示装置80は、図8に示される反射・透過型液晶表示30と液晶セルの構成が相違するのみで、他の構成は反射・透過型液晶表示装置30と同一であるので、図8における同一部分には同一符号を付することにより説明を省略する。
【0254】
この反射・透過型液晶表示装置80における液晶セル82は、図24〜図26に示される液晶セル62と同様の構成であり、透過する光の位相を実質的にπシフトするレタデーション値を有する液晶層86(図37参照)及びこの液晶層86に電界を印加する画素電極68A、68Bを含んでなり、前記直線偏光分離層32を透過して又は反対方向から入射する直線偏光光を、液晶層86の反対側に出射するまでの間に、前記液晶層86に前記画素電極68A、68Bから電界を印加して液晶のダイレクタの方向を変化させ、これにより前記直線偏光光の偏光軸を変化させるように構成されている。
【0255】
前記液晶セル82において、前記液晶のダイレクタの方向を2色性直線偏光層の光透過軸を基準として実質的に−45〜45度まで変化させるように、前記電極間の電圧を制御する回路69を設けることが好ましい。
【0256】
なお、前記「実質的にπシフトする」、及び「実質的に基板64A、64Bと平行」における「実質的に」は、例えば、液晶のプレチルト角や、種々の外乱等で理想的な状態から若干ずれる場合も包含する意味である。
【0257】
更に、前記「実質的にπシフトする」は、液晶層86自体で位相を実質的に変化させ、あるいは、液晶セル82とは別の位相差層を、液晶セル82と前記双方向2色性直線偏光層34円との間、および/または液晶セル20と前記双方向2色性直線偏光層36との間に形成して、液晶層86と位相差層との相互作用によりこれらを透過する光の位相を実質的にπシフトする意味である。
【0258】
上記のような反射・透過型液晶表示装置80において、1/2波長層16がオフとされた透過モードのときを説明する。
【0259】
光源12から出射した無偏光光は、直線偏光分離層32において一方の直線偏光成分が透過され、これと直交方向の直線偏光成分が反射される。
【0260】
反射された直線偏光成分は、光源12における反射層12Aで反射される際に、又は、光路中(図示せず)に配置された光拡散板等によって無偏光な状態となって、直線偏光分離層32を透過する。
【0261】
直線偏光分離層32を透過した直線偏光光は、1/2波長層16に入射する。
【0262】
1/2波長層16における液晶層17Cには電圧が印加されていないので入射した直線偏光光は、そのまま1/2波長層16から出射する。
【0263】
前記第1双方向2色性直線偏光層34の偏光透過軸を前記2つの偏光方向の一方と一致させておけば、前記直線偏光光は第1双方向2色性直線偏光層34を透過して液晶セル82に到達する。
【0264】
液晶セル82における液晶層86は前述のように光の位相を実質的にπシフトさせるレタデーション値を有するので直線偏光をこれと直交する直線偏光光にシフトする作用を有しているが、液晶セル82における液晶層86に画素電極68A、68Bから電圧を印加することにより、前記レタデ−ション値を維持したまま液晶のダイレクタDの方向を変化させることによって通過する偏光光の偏光軸を変調することができる。
【0265】
図4のポアンカレの球上では、液晶層86のレタデーションがπのまま液晶のダイレクタが変化することによって、赤道上の点Vで示される垂直の直線偏光光が、赤道上の任意の点で示される傾きをもった直線偏光光になることを示す。
【0266】
従って、液晶層86に、画素電極68A、68Bから印加する電圧を制御することによって、第2双方向2色性直線偏光層36を透過する光の量を調整することができる。すなわち、液晶表示機能を持たせることができ、階調表示が可能である。
【0267】
なお、図36は直線偏光光が2色性直線偏光層から出射する状態の、いわゆる明表示の場合を示すものであるが、図38に示されるように、前記液晶セル82内における液晶のダイレクタDの方向を液晶セル82から出射する直線偏光光の偏光方向が明表示の場合と直交する方向にすると、いわゆる暗表示となる。
【0268】
前記第2双方向2色性直線偏光層36は、光吸収タイプの2色性偏光板から構成されているので、外光(無偏光光)が第2双方向2色性直線偏光層36の表面に入射しても、その50%が吸収され、残りの50%が透過し、反射成分がほとんどないので、反射・透過型液晶表示装置80における画面のコントラストの低下を大幅に抑制することができる。
【0269】
次に、図39、図40に示される前記反射・透過型の液晶表示装置80の反射モードについて説明する。
【0270】
前記切換スイッチ16Aをオンすると、前記1/2波長層16に電圧が印加されて遅延モードになり、反射・透過型液晶表示装置10は反射モードに切換えられる。
【0271】
この反射モードにおいては、図39、図40に示されるように外光(無偏光光)は、第2双方向2色性直線偏光層36に入射し、「・」で示される一方の直線偏光光のみがこれを透過して液晶セル82に入射する。外光の他方の偏光成分、即ち「←→」の直線偏光光は第2双方向2色性直線偏光層36によって吸収されるので、反射光により画面のコントラストを低下させることがない。
【0272】
前記第2双方向2色性直線偏光層36から入射した直線偏光光は、液晶セル82に印加される電界の変化によって偏光軸が変調される。これにより前記とは逆に、「←→」と「・」の範囲の直線偏光に変調される。
【0273】
従って、液晶セル82から出射した直線偏光光は、第1双方向2色性直線偏光層34に入射し、この第1双方向2色性直線偏光層34では、「←→」の直線偏光のみを透過して1/2波長層16に出射し、他方の直線偏光光は吸収される。
【0274】
1/2波長層16は遅延モードであるので入射光は1/2波長すなわちπだけ位相が遅らされて、「・」の直線偏光光として直線偏光分離層32に向けて出射される。この直線偏光光は、直線偏光分離層32において反射され、この反射された直線偏光光は、1/2波長層16で「←→」の直線偏光光とされ、更に第1双方向2色性直線偏光層34をそのまま透過し、液晶セル82に、出射したときと同偏光方向で戻り、再度偏光軸が変調されて、「・」の直線偏光成分のみが第2双方向2色性直線偏光層36を経て出射し、表示光となる。
【0275】
従って、直線偏光分離層32で反射して液晶セル82を透過する光の量を、液晶層86に印加する電圧によって調整することができる。即ち、階調表示をすることができる。
【0276】
外光が液晶セル82において全て「・」の直線偏光に変調されたときは、図40に示されるように暗表示となる。
【0277】
又、前記実施の形態の第7例における1/2波長層16と第1双方向2色性直線偏光層34を、液晶セル82における、図において下側の基板64Bの上側に、且つ、液晶層86とともに上側の基板64Aの下側に積層してもよい(図41参照)。このようにすると基板64A、64B間が狭くなり、視差が減少して、像が2重に見えたり、ボケたりすることが抑制される。
【0278】
次に本発明の実施の形態の第8例を図面を参照して詳細に説明する。
【0279】
図42に示されるように、本発明の実施の形態の第8例に係る反射・透過型液晶表示装置90は、図36に示される反対・透過液晶表示装置80におけると液晶セルのみが相違し、他の構成は反射・透過型液晶表示装置80と同一であるので、図36におけると同一部分には同一符号を付することにより説明を省略する。
【0280】
この反射・透過型液晶表示装置90の液晶セル92は液晶層94及びこの液晶層94に電界を印加する画素電極68A、68Bを含んでなり(図43参照)、前記液晶層94に前記画素電極68A、68Bから電界を印加して液晶の光に対する旋光性を変化させ、これにより前記第1双方向2色性直線偏光層34を透過して、又はその反対側から入射する直線偏光光の液晶層94からの出射時の偏光面をシフトする作用を有するものである。
【0281】
前記液晶セル92における液晶層94は、前記画素電極68A、68Bから電界を印加して液晶の旋光性を変化させ、これにより前記直線偏光分離層32を透過して入射する直線偏光光の、液晶層94からの出射時の偏光方向をシフトする作用を有するように調整されている。
【0282】
この調整は、液晶層材料、配向膜材料、セル構成を考慮して既知の様々な液晶により行うことができる。
【0283】
このような液晶は、捩れネマティック方式として知られており、STN(Super Twisted Nematic)モード、SBE(Super Twisted Briefringence Effect)モ−ド、TN−FEN(Twisted Nematic Field Effect Mode)モード 等がある。
【0284】
この反射・透過型液晶表示装置90においては、切換スイッチ16Aがオフで透過モードのとき、光源12からの無偏光光は、直線偏光分離層32において一方の直線偏光成分が透過され、これと直交方向の直線偏光成分が反射される。
【0285】
前記第1双方向2色性直線偏光層34の偏光透過軸を前記2つの偏光方向の一方前記と一致させておけば、前記直線偏光光は第1双方向2色性直線偏光層34を透過して液晶セル92に到達する。
【0286】
液晶セル92における液晶層94に画素電極64A、64Bから電圧を印加することによって、液晶の捩れ角が変化し、これによって液晶セル92を通過する直線偏光光は、出射時の偏光方向が最大で、π/2シフトされた直線偏光となって液晶セル92から出射する。
【0287】
従って、シフト量がπ/2に近い程、第2双方向2色性直線偏光層36を透過する光量が大きくなる。又、なお、液晶に電圧が印加されたときは、通過光の旋光が生じないので入射直線偏光光はそのまま出射し、第2双方向2色性直線偏光層36で全て吸収されるので、図44に示されるように暗表示となる。
【0288】
従って、液晶層92での旋光作用の大きさに比例して第2双方向2色性直線偏光層36を透過する光量が大きくなり、これにより階調表示が可能となる。
【0289】
前記第2双方向2色性直線偏光層36は、光吸収タイプの2色性偏光板から構成されているので、外光(無偏光光)が第2双方向2色性円偏光層36の表面に入射しても、その50%が吸収され、残りの50%が透過し、反射成分がほとんどないので、反射・透過型液晶表示装置90における画面のコントラストの低下を大幅に抑制することができる。
【0290】
前記切換スイッチ16Aをオンすると、前記1/2波長層16に電圧が印加されて遅延モードになり、反射・透過型液晶表示装置90は反射モードに切換えられる。
【0291】
この反射モードにおいては、図45、図46に示されるように外光(無偏光光)は、第2双方向2色性直線偏光層36に入射し、「・」で示される一方の直線偏光光のみがこれを透過して液晶セル92に入射する。外光の他方の偏光成分、即ち「←→」の直線偏光光は第2双方向2色性直線偏光層36によって吸収されるので、反射光により画面のコントラストを低下させることがない。
【0292】
液晶層94に入射した直線偏光光は、液晶層94に印加する電界によって液晶層による旋光作用が変化されることになる。
【0293】
従って、液晶セル92から出射した直線偏光光は、第1双方向2色性直線偏光層34に入射し、この第1双方向2色性直線偏光層34では、前述と同様に「←→」の直線偏光のみを透過して1/2波長層16に入射し、他方の直線偏光光は吸収される。
【0294】
1/2波長層16は遅延モードであるので入射光は1/2波長すなわちπだけ位相が遅らされて、「・」の直線偏光光として直線偏光分離層32に向けて出射される。この直線偏光光は、直線偏光分離層32において反射され、この反射された直線偏光光は、1/2波長層16で「←→」の直線偏光光とされ、更に第1双方向2色性直線偏光層34をそのまま透過し、液晶セル92に、出射したときと同偏光方向で戻り、再度偏光軸が0〜π変調されて、「・」の直線偏光成分が第2双方向2色直線偏光層36を経て出射し、表示光となる。
【0295】
外光が液晶セル92において電圧が印加されず旋光作用がないときは、図46に示されるように暗表示となる。
【0296】
更に又、前記実施の形態の第8例における1/2波長層16と双方向2色性直線偏光層34とを、液晶セル92における、図において下側の基板64Bの上側に、且つ、液晶層94とともに上側の基板64Aの下側に積層してもよい(図47参照)。このようにすると基板64A、64Bの間が狭くなり、視差が減少して、像が2重に見えたり、ボケたりすることが抑制される。
【0297】
また、上記実施の形態の各例において、前記光源12は、透明電極を有した透明樹脂シートに挟持された薄膜状のエレクトロルミネッセンス等からなる透明薄膜状白色面光源であって、背面に、例えば金属薄膜からなる反射層12Aを設けたものであるが、本発明はこれに限定されることなく、導光板の側端面から入射した光源光を、導光板の一方の面から出射させるもの等であってもよい。この場合、前記導光板の他方の面には金属薄膜等からなる反射層が設けられるが、白色PET(ポリエチレンテレフタレート)を用いても良い。
【0298】
又、前記1/2波長層16のオンオフを手動にて切り換える切換スイッチ16Aを設けているが、これは図2に符号38で示されるように、外光量を検出して、前記切換スイッチ16Aを、外光量が一定値以上のときオン、一定値以下のときオフとさせる外光センサを設けてもよい。
【0299】
更に、前記各実施の形態の例において、1/2波長層16は、電圧を印加しないときに透過モード、印加したときに遅延モードとなるが、これは、電圧を印加したときに透過モード、印加しないときに遅延モードとなるようにしてもよい。
【0300】
又、上記各反射・透過型液晶表示装置10、30〜90は、液晶セルに電圧が印加されたときに画素が最も明るくなり、電圧が印加されていないときに黒表示であり、「ノーマリーブラックモード」とされているが、本発明はこれに限定されるものでなく、液晶セルに電圧が印加されていないときに白表示となる「ノーマリーホワイトモード」にも当然適用されるものである。
【0301】
又、円偏光分離層又は直線偏光分離層の液晶層側に、透過する光の位相を実質的にπ/2シフトさせるレタデーション値を有する位相差層を積層して、結果的に、直線偏光分離層又は円偏光分離層と同一の作用を有するようにしてもよい。
【0302】
尚、液晶セルの液晶層に画素電極から電圧を印加しない時に、液晶セルを通過する光の位相が実質的にシフトされ、あるいは出射光の偏光軸が旋回され、前記電極に電圧を印加した場合に、液晶セルを通過する光の位相が実質的にシフトされず、あるいは出射光の偏光軸が旋回されないようにしてもよい。
【0303】
【実施例】
図1に示される反射・透過型液晶表示装置10を、円偏光分離層14としてコレステリック液晶層、1/2波長層16として反強誘電性液晶セルを用い、電圧の印加によりレタデーション値を変化させ、光の位相を実質的に0〜πシフトするネマチック液晶を用いた液晶セル20、第1、第2双方向2色性円偏光層18、22として光吸収タイプの2色性直線偏光層にλ/4位相差層を積層して作成した。
【0304】
1/2波長層16のオンオフにより、反射型又は透過型に良好に切換えることができるとともに両モードで十分な輝度が得られた。又、液晶セル20に電界を印加して、液晶のレタデーション値を変化させたところ、外光に起因する大幅なコントラストの低下がなく、光の利用効率を向上させることができた。
【0305】
図8に示される反射・透過型液晶表示装置30は、直線偏光分離層32として延伸多層層を用い、更に、前記と同様の1/2波長層16、液晶セル20、更には光吸収タイプの双方向2色性直線偏光層34、36を積層して構成したところ、前記と同様に、1/2波長層16のオンオフにより、反射型又は透過型に良好に切換えることができるとともに両モードで十分な輝度が得られた。又、外光に起因する大幅なコントラストの低下がなく、光の利用効率を向上させることができた。
【0306】
図13に示される反射・透過型液晶表示装置40を、円偏光分離層14としてコレステリック液晶層、1/2波長層16として反強誘電性液晶セルを用い、電圧の印加によりレタデーション値を変化させ、光の位相を実質的に−π/2〜π/2シフトする液晶セル20、双方向2色性円偏光層18として光吸収タイプの2色性直線偏光層の両面にλ/4位相差層を積層して作成し、更に同様の光吸収タイプの2色性直線偏光層を積層した。
【0307】
1/2波長層16のオンオフにより、反射型又は透過型に良好に切換えることができるとともに両モードで十分な輝度が得られた。又、液晶セル42に電界を印加して、液晶のレタデーション値を変化させたところ、外光に起因する大幅なコントラストの低下がなく、光の利用効率を向上させることができた。
【0308】
図18に示される反射・透過型液晶表示装置50は、直線偏光分離層32として延伸多層層を用い、更に、前記と同様の1/2波長層16、液晶セル42、更には光吸収タイプの双方向2色性直線偏光層34、及び、前記と同様の双方向2色性円偏光層36を積層して構成したところ、前記と同様に、1/2波長層16のオンオフにより、反射型又は透過型に良好に切換えることができるとともに両モードで十分に輝度が得られた。又、外光に起因する大幅なコントラストの低下がなく、光の利用効率を向上させることができた。
【0309】
図23に示される反射・透過型液晶表示装置60を、円偏光分離層14としてコレステリック液晶層、1/2波長層16として反強誘電性液晶セルを用い、光の位相を実質的にπ/2シフトするレタデーション値を有する液晶セル62、双方向2色性円偏光層18として光吸収タイプの2色性直線偏光層の両面にλ/4位相差層を積層して作成し、更に同様の光吸収タイプの2色性直線偏光層を積層した。
【0310】
1/2波長層16のオンオフにより、反射型又は透過型に良好に切換えることができるとともに両モードで十分な輝度が得られた。又、液晶セル62に電界を印加して、液晶のレタデーション値を一定のままダイレクタを変化させたところ、外光に起因する大幅なコントラストの低下がなく、光の利用効率を向上させることができた。
【0311】
図30に示される反射・透過型液晶表示装置70は、直線偏光分離層32として延伸多層層を用い、更に、前記と同様の1/2波長層16、液晶セル62、更には光吸収タイプの双方向2色性直線偏光層34、及び、前記と同様の双方向2色性円偏光層22を積層して構成したところ、前記と同様に、1/2波長層16のオンオフにより、反射型又は透過型に良好に切換えることができるとともに両モードで十分に輝度が得られた。又、外光に起因する大幅なコントラストの低下がなく、光の利用効率を向上させることができた。
【0312】
図36に示される反射・透過型液晶表示装置80を、円偏光分離層14として延伸多層層、1/2波長層16として反強誘電性液晶セルを用い、光の位相を実質的にπ/2シフトするレタデーション値を有する液晶セル82、光吸収タイプの第1、第2双方向2色性円直線光層34、36を積層して作成した。
【0313】
1/2波長層16のオンオフにより、反射型又は透過型に良好に切換えることができるとともに両モードで十分な輝度が得られた。又、液晶セル82に電界を印加して、液晶のレタデーション値を一定のままダイレクタを変化させたところ、外光に起因する大幅なコントラストの低下がなく、光の利用効率を向上させることができた。
【0314】
図42に示される反射・透過型液晶表示装置90を、直線偏光分離層32として延伸多層層、1/2波長層16として反強誘電性液晶セルを用い、電圧の印加により旋光性を変化させ、直線偏光の出射偏光軸をシフトするTN液晶を用いた液晶セル92、第1、第2双方向2色性直線偏光層34、36を積層して作成した。
【0315】
1/2波長層16のオンオフにより、反射型又は透過型に良好に切換えることができるとともに両モードで十分な輝度が得られた。又、液晶セル92に電界を印加して、液晶のレタデーション値を変化させたところ、外光に起因する大幅なコントラストの低下がなく、光の利用効率を向上させることができた。
【0316】
【発明の効果】
本発明は反射・透過型液晶表示装置を上記のように構成したので、1/2波長層のオンオフにより、反射型又は透過型に良好に切換えることができるとともに両モードで十分に輝度が得られた。又、光の利用効率を大幅に向上できると共に、外光に起因する大幅なコントラストの低下がなく、更に、液晶層の旋光作用を利用して表示することによりコントラストの良い表示状態を得ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例に係る反射・透過型液晶表示装置の要部を分解して示す略示断面図
【図2】反射・透過型液晶表示装置における1/2波長層を拡大して示す断面図
【図3】同反射・透過型液晶表示装置における液晶セルを拡大して示す断面図
【図4】光の偏光状態を説明するためのポアンカレの球を示す線図
【図5】同反射・透過型液晶表示装置の透過モードでの暗表示の状態を示す略示断面図
【図6】同反射・透過型液晶表示装置の反射モードでの明表示の状態を示す略示断面図
【図7】同反射・透過型液晶表示装置の反射モードでの暗表示の状態を示す略示断面図
【図8】同実施の形態の第2例に係る反射・透過型液晶表示装置を示す図1と同様の断面図
【図9】同透過モードでの暗表示の状態を示す図5と同様の断面図
【図10】同反射モードでの明表示の状態を示す図6と同様の断面図
【図11】同反射モードでの暗表示の状態を示す図7と同様の断面図
【図12】本発明の実施の形態の第1例、第2例における他の組立状態を示す略示断面図
【図13】本発明の実施の形態の第3例に係る反射・透過型液晶表示装置の要部を分解して示す略示断面図
【図14】同反射・透過型液晶表示装置における液晶セルを拡大して示す断面図
【図15】同反射・透過型液晶表示装置の透過モードでの暗表示の状態を示す略示断面図
【図16】同反射・透過型液晶表示装置の反射モードでの明表示の状態を示す略示断面図
【図17】同反射・透過型液晶表示装置の反射モードでの暗表示の状態を示す略示断面図
【図18】同実施の形態の第4例に係る反射・透過型液晶表示装置を示す図1と同様の断面図
【図19】同透過モードでの暗表示の状態を示す図15と同様の断面図
【図20】同反射モードでの明表示の状態を示す図16と同様の断面図
【図21】同反射モードでの暗表示の状態を示す図17と同様の断面図
【図22】本発明の実施の形態の第3例及び第4例における他の組立状態を示す略示断面図
【図23】本発明の実施の形態の第5例に係る反射・透過型液晶表示装置の要部を分解して示す略示断面図
【図24】同反射・透過型液晶表示装置における液晶セルを拡大して示す断面図
【図25】同液晶セルにおける液晶のダイレクタの方向を示す拡大断面図
【図26】同電界を印加した場合の液晶のダイレクタを示す拡大断面図
【図27】同反射・透過型液晶表示装置の透過モードでの暗表示の状態を示す略示断面図
【図28】同反射・透過型液晶表示装置の反射モードでの明表示の状態を示す略示断面図
【図29】同反射・透過型液晶表示装置の反射モードでの暗表示の状態を示す略示断面図
【図30】同実施の形態の第6例に係る反射・透過型液晶表示装置を示す図23と同様の断面図
【図31】同透過モードでの暗表示の状態を示す図27と同様の断面図
【図32】同反射モードでの明表示の状態を示す図28と同様の断面図
【図33】同反射モードでの暗表示の状態を示す図29と同様の断面図
【図34】液晶セルの他の構成を示す断面図
【図35】本発明の実施の形態の第5例及び第6例の他の組立状態を示す略示断面図
【図36】本発明の実施の形態の第7例に係る反射・透過型液晶表示装置の要部を分解して示す略示断面図
【図37】同反射・透過型液晶表示装置における液晶セルを拡大して示す断面図
【図38】同反射・透過型液晶表示装置の透過モードでの暗表示の状態を示す略示断面図
【図39】同反射・透過型液晶表示装置の反射モードでの明表示の状態を示す略示断面図
【図40】同反射・透過型液晶表示装置の反射モードでの暗表示の状態を示す略示断面図
【図41】同実施の形態の第7例の他の組立形態を示す略示断面図
【図42】本発明の実施の形態の第8例に係る反射・透過型液晶表示装置の要部を分解して示す略示断面図
【図43】同反射・透過型液晶表示装置における液晶セルを拡大して示す断面図
【図44】同反射・透過型液晶表示装置の透過モードでの暗表示の状態を示す略示断面図
【図45】同反射・透過型液晶表示装置の反射モードでの明表示の状態を示す略示断面図
【図46】同反射・透過型液晶表示装置の反射モードでの暗表示の状態を示す略示断面図
【図47】同反射・透過型液晶表示装置の他の組立形態を示す略示断面図
【図48】従来の液晶表示装置を示す図1と同様の断面図
【符号の説明】
10、30、40、50、
60、70、80、90…反射・透過型液晶表示装置
12…光源
12A…反射層
14…直線偏光分離層
16…1/2波長層
16A…切換スイッチ
18…第1双方向2色性円偏光層
20、42、62、82、92…液晶セル
22…第2双方向2色性円偏光層
24A、24B、64A、64B…基板
26、44、66、86、94…液晶層
28A、28B、68A、68B…画素電極
32…直線偏光分離層
34…第1双方向2色性直線偏光層
36…第2双方向2色性直線偏光層
58…外光センサ

Claims (20)

  1. 2色性直線偏光層の両面に1/4波長層を貼付けて又は直接形成して構成されたことを特徴とする双方向2色性円偏光板。
  2. 光源と、この光源から、又は、光源と反対側からの入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を反射する機能、及び、入射光のうちの一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する機能の内の一方の機能を有する偏光分離層と、電圧のオンオフにより、前記偏光分離層側から又はその反対側から入射する偏光光の位相をπシフトし、又は、シフトしないで透過する1/2波長層と、前記1/2波長層に対して前記偏光分離層の反対側に配置され、該1/2波長層側又はその反対側からの入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する機能、及び、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する機能の内の一方の機能を有する光吸収型の第1双方向2色性偏光層と、入射する円偏光光又は直線偏光光の一方を、反対方向に出射するまでの間に他方に変換し、又は、変換しないで、且つ、円偏光光で出射するときはその楕円率を変化させる機能、直線偏光光で出射するときはその偏光軸の方向を変化させる機能の一方の機能を有する液晶層と、この液晶層に対して前記第1双方向2色性偏光層の反対側に配置され、液晶層又はその反対側からの入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する機能、及び、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する機能の内の一方の機能を有する光吸収型の第2双方向2色性偏光層と、を備えてなり、前記1/2波長層に対する電圧のオンオフにより、反射型となる反射モ−ド、又は、透過型となる透過モ−ドのいずれかに切り替え自在とされ、前記第1双方向2色性偏光層は、前記偏光分離層を透過した偏光光を透過させるように構成され、前記1/2波長層は、透過モ−ドのときに、前記偏光分離層を透過した偏光光を位相シフトなしで、又は、前記第1双方向2色性偏光層を透過するように位相をシフトして透過させ、反射モ−ドのときに、前記第2双方向2色性偏光層,液晶層及び第1双方向2色性偏光層を透過した偏光光を、前記偏光分離層で反射されるように、位相をシフトさせ、又はシフトさせないで、且つ、前記偏光分離層で反射された偏光光を、前記第1双方向2色性偏光層を透過するように、位相をシフトさせ、又は、シフトさせないように構成されたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  3. 請求項2において、前記第1,第2双方向2色性偏光層の少なくとも一方は、2色性直線偏光層の両面に1/4波長層を貼付けて又は直接形成して構成された双方向2色性円偏光層であることを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  4. 請求項2において、前記偏光分離層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を反射する円偏光分離層とされ、前記第1,第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する双方向2色性円偏光層とされ、前記液晶層には、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶層のレタデ−ション値を変化させ、これにより前記第1双方向2色性偏光層を透過して入射する円偏光光、又は、前記第2双方向2色性偏光層を透過して入射する円偏光光の位相を実質的に0〜πシフトさせて、楕円偏光光、直線偏光光または逆の旋回方向の円偏光光の位相にする作用を有するようにされたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  5. 請求項2において、前記偏光分離層は、入射光のうちの一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する直線偏光分離層とされ、前記第1,第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する双方向2色性直線偏光層とされ、前記液晶層は、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶層のレタデ−ション値を変化させ、これにより前記第1双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光、又は、前記第2双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光の位相を実質的に0〜πシフトさせて、楕円偏光光、円偏光光または直交する方向の直線偏光光の位相にする作用を有するようにされたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  6. 請求項2において、前記偏光分離層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を反射する円偏光分離層とされ、前記第1双方向2色性偏光層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する双方向2色性円偏光層とされ、前記第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する双方向2色性直線偏光層とされ、前記液晶層には、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶層のレタデ−ション値を変化させ、これにより前記第1双方向2色性偏光層を透過して入射する円偏光光の位相を実質的に−π/2〜π/2シフトさせて楕円偏光光もしくは直線偏光光の位相にする、又は、前記第2双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光の位相を実質的に−π/2〜π/2シフトさせて楕円偏光光もしくは円偏光光の位相にする作用を有するようにされたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  7. 請求項2において、前記偏光分離層は、入射光のうち一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する直線偏光分離層とされ、前記第1双方向2色性偏光層は、入射光のうち、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する双方向2色性直線偏光層とされ、前記第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する双方向2色性円偏光層とされ、前記液晶層には、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶層のレタデ−ション値を変化させ、これにより前記第1双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光の位相を実質的に−π/2〜π/2シフトさせて楕円偏光光もしくは円偏光光の位相にする、又は、前記第2双方向2色性偏光層を透過して入射する円偏光光の位相を実質的に−π/2〜π/2シフトさせて楕円偏光光もしくは直線偏光光の位相にする作用を有するようにされたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  8. 請求項2において、前記偏光分離層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を反射する円偏光分離層とされ、前記第1双方向2色性偏光層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する双方向2色性円偏光層とされ、前記第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち、一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する双方向2色性直線偏光層とされ、前記液晶層は、透過する光の位相を実質的にπ/2シフトさせるレタデ−ション値を有し、且つ、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記第1双方向2色性偏光層を透過して入射する円偏光光、又は、前記第2双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光を、各々、反対方向に出射するまでの間に直線偏光光又は円偏光光に変換し、且つ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶のダイレクタの方向を変化させ、これにより前記直線偏光光又は円偏光光の偏光軸を変化させる作用を有するようにされたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  9. 請求項2において、前記偏光分離層は、入射光のうちの一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する直線偏光分離層とされ、前記第1双方向2色性偏光層は一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する双方向2色性直線偏光層とされ、前記第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち、右または左の旋回方向の一方の円偏光成分を透過し、他方の円偏光成分を吸収する双方向2色性円偏光層とされ、前記液晶層は、透過する光の位相を実質的にπ/2シフトさせるレタデ−ション値を有し、且つ、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記第1双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光、又は、前記第2双方向2色性偏光層を透過して入射する円偏光光を、各々、反対方向に出射するまでの間に円偏光光又は直線偏光光に変換し、且つ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶のダイレクタの方向を変化させ、これにより前記円偏光光又は直線偏光光の偏光軸を変化させる作用を有するようにされたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  10. 請求項2において、前記偏光分離層は、入射光のうちの一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する直線偏光分離層とされ、前記第1,第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する2色性直線偏光層とされ、前記液晶層は、透過する光の位相を実質的にπシフトさせるレタデ−ション値を有し、且つ、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶のダイレクタの方向を変化させ、これにより前記第1、又は、第2双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光の偏光軸を直交する方向に変化させる作用を有するようにされたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  11. 請求項2において、前記偏光分離層は、入射光のうちの一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を反射する直線偏光分離層とされ、前記第1,第2双方向2色性偏光層は、入射光のうち一方の直線偏光成分を透過し、これと直交方向の直線偏光成分を吸収する2色性直線偏光層とされ、前記液晶層は、透過する光の位相を実質的にπシフトさせるレタデ−ション値を有し、且つ、この液晶層に電界を印加する電極が設けられ、前記液晶層に前記電極から電界を印加して液晶の光に対する旋光性を変化させ、これにより前記第1、又は、第2双方向2色性偏光層を透過して入射する直線偏光光の液晶層からの出射時の偏光面を直交する方向にシフトする作用を有するようにされたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  12. 請求項7、9又は10において、前記液晶層は2枚の基板に挟持され、前記電極が一方の電極上に形成され、前記電極に電圧を印加したときの電界方向が、前記基板面と実質的に平行な部分を有し、液晶層内の大部分の液晶分子の方向が前記基板面と実質的に平行なまま回転するモードであることを特徴とする反射型・透過型液晶表示装置。
  13. 請求項4、6または8において、前記円偏光分離層をコレステリック液晶層からなる旋光選択層から構成したことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  14. 請求項4、6または8において、前記円偏光分離層を、透過する光の位相を実質的にπ/2シフトさせるレタデーション値を有する位相差層と、複屈折性を有するフィルムを3層以上積層してなり、各層の平面内で互いに垂直な振動方向を持つ2つの光のうちの、一方の光に対する厚さ方向に隣接する層間における屈折率の差と、他方の光に対する厚さ方向に隣接する層間における屈折率の差とが異なるようにした平面状多層構造とから構成し、前記平面状多層構造を透過した直線偏光を、円偏光に変換するようにしたことを特徴とする液晶表示装置。
  15. 請求項5、7、9、10、11のいずれかにおいて、前記直線偏光分離層を、複屈折性を有するフィルムを3層以上に積層してなる平面状多層構造とし、各層の平面内で互いに垂直な振動方向を持つ2つの光のうちの、一方の光に対する厚さ方向に隣接する層間における屈折率の差と、他方の光に対する厚さ方向に隣接する層間における屈折率の差とが異なるようにしたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  16. 請求項5、7、9、10、11のいずれかにおいて、前記直線偏光分離層を、透過する光の位相を実質的にπ/2シフトさせるレタデーション値を有する位相差層と、コレステリック液晶層からなる旋光選択層とから構成し、前記コレステリック液晶層を透過した円偏光を、直線偏光に変換するようにしたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  17. 請求項2乃至16のいずれかにおいて、前記1/2波長層は電圧印加により駆動される液晶層を含む液晶セルからなり、この液晶セルにおける液晶層は、液晶がネマチック液晶、強誘電性液晶、及び反強誘電性液晶のいずれかからなり、且つ、液晶の屈折率及び液晶層の厚さが、液晶層に入射する偏光光の位相をπシフトするように設定して構成されたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  18. 請求項2乃至17のいずれかにおいて、前記1/2波長層のオンオフを手動にて切り換える切換スイッチを設けたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  19. 請求項2乃至17のいずれかにおいて、前記1/2波長層のオンオフを切り換える切換スイッチと、外光量を検出して、前記切換スイッチを、外光量が一定値以上のときオン又はオフ、一定値以下のときオフ又はオンとさせる外光センサと、を設けたことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
  20. 請求項2乃至19のいずれかにおいて、前記1/2波長層と、この1/2波長層の前記液晶セルにおける液晶層との間の第1双方向2色性偏光層とを、前記液晶層とともに、該液晶セルを構成する一対の基板の間に積層して配置したことを特徴とする反射・透過型液晶表示装置。
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