JP4377028B2 - リソース管理システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータで処理を実行する際にアプリケーションプログラムにより用いられるハードウェア資源又はソフトウェア資源(以下、リソースという)を管理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ上で実行される各種アプリケーションプログラムは、ハードディスク装置、バス、メモリ等のリソースを用いて、データ入出力、データ転送等を行う。
かかるリソースは、使用の許容限界を有する。例えば、ハードディスク装置、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等には、そのバス等を通じてなされるデータ転送の速度に関する限界、即ち、データ転送帯域幅の限界がある。一方、一定のタイミングでデータ転送がなされるべき同期系処理を内容とするアプリケーションプログラムが正常に動作するためには、所定のリソースについて所定量のデータ転送帯域を確保することが必要となる。
【0003】
このため、複数のアプリケーションプログラムを同時に実行するシステムにおいて、各アプリケーションプログラムが他のアプリケーションプログラムを無視して無制限にリソースを使用するならば、同期系処理を内容とするアプリケーションプログラムが正常に動作を行うことができないという事態が生じ得る。
この事態を回避するために、マルチタスクOS配下で複数のアプリケーションプログラムを実行するシステムにおいては、同一のリソースを使用した同期系処理を行うタスクが2つ並行しては実行されないように、各アプリケーションプログラムが排他的に実行されるようにプログラミングされること等が従来行われていた。
【0004】
例えば、CPU、メモリ、ハードディスク装置、バス、モニタ及びVTR等から構成され、映像編集を行うための従来のノンリニア編集システムにおいては、ユーザ指示受付用の制御プログラム等により、VTR等を入力装置として用いて入力される映像を一定の転送速度でハードディスクに書き込む録画処理と、既にハードディスクに書き込まれた映像を一定速度で再生しつつ編集するための編集処理とを、ユーザが同時に実行させることができないように制御されていた。このような制御は、録画処理又は編集処理に必要なデータ転送帯域幅の確実な確保を保証することを目的としてなされるが、リソースの限界としてのデータ転送帯域幅が十分広い場合には、リソースの有効活用ができない欠点をもつ。
【0005】
複数のアプリケーションプログラムを実行するシステムにおいてリソースの有効活用を図るためには、リソースの使用に関して各アプリケーションプログラムが協調的に動作するように、それぞれのアプリケーションプログラムが特別にプログラミングされていることが必要となる。このことは同期系処理を行うタスクと同時に他の非同期系処理を行うタスクを実行する場合においても同様であり、その非同期系処理についてのアプリケーションプログラムは、同期系処理の実行を妨げないように、使用するデータ転送帯域幅を小さくするようにプログラミングされる必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数のアプリケーションプログラムを実行するシステムにおける各アプリケーションプログラムを、協調動作するように特別にプログラミングすることは、リソースの限界値に左右されること、同時にどのアプリケーションプログラムとどのアプリケーションプログラムが実行されるかが予め定まっていない場合もあること等により困難である上、リソースの変更、追加、アプリケーションプログラムの追加といった、リソース環境及びシステムのプログラム編成の変動の影響を考えると望ましくない。
【0007】
そこで、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、個々のアプリケーションプログラムがリソース限界値や他のアプリケーションプログラムによるリソースの使用の必要性に依存した処理内容を含まなくても、各アプリケーションプログラムが円滑に実行でき、リソースの有効活用が図れるように、マルチタスクOS配下で実行される各種処理に必要となる各種リソースを、各処理に対して動的に配分するためのリソース管理システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るリソース管理システムは、複数のアプリケーションプログラムによるリソースの使用の管理を行うリソース管理システムであって、ここで、前記アプリケーションプログラムは、あるリソースについて、ある有効期限内に、ある分量の使用を許可する旨の情報である使用権を得た場合に、当該有効期限内において当該分量の当該リソースを使用するものであり、リソースの使用の許容限界を示す限界情報と、アプリケーションプログラムに対して与えたリソースの使用権の分量を示す使用権情報とを記憶するリソース管理用情報データベースと、リソースの使用を望む時間を示す有効期限情報を伴ってアプリケーションプログラムからなされるリソースの使用を望む旨の使用要求を受け付けるリソース要求受付手段と、前記リソース要求受付手段を介して前記リソースの使用要求を受け付け、前記限界情報と前記使用権情報とに基づいて当該リソースの使用を許容できるか否かを判断し、使用を許容できる場合には、前記有効期限情報に基づき有効期限を定めて当該リソースの当該有効期限付きの使用権を当該アプリケーションプログラムに与えるとともに、与えた使用権に係る分量に応じて前記使用権情報を更新するリソース使用管理手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記構成により、リソース使用管理手段がリソース管理用情報データベースを用いてリソースの総量と使用量、即ち使用権を割り当てた分量とを一元管理するので、リソースを使用する複数のアプリケーションプログラムそれぞれは、リソース限界値や他のアプリケーションプログラムによるリソース使用の必要性に依存した処理内容を含まなくても、リソース使用管理手段に対してリソースの使用要求を行うことにより、そのリソースが現在使用可能である場合にリソースの使用権を得ることができるため、その使用権を得たリソースを用いてデータ転送等の処理を適切に実行することができるようになる。また、このリソース管理システムに対して、リソースの追加変更等によりリソースの数量の限界値が変化した場合にもそれに合わせてリソース管理用情報データベースの内容を変更しておけば、リソースの有効活用が図れるようになる。特に、アプリケーションプログラムが要求するリソースの使用を望む時間により、リソースの使用権についての有効期限が設定されるので、有効期限を超えた時点でリソースが解放されることとなりその後は他のアプリケーションプログラムがそのリソースを利用し得るようになる。つまり、アプリケーションプログラムが自己の処理上の必要性からリソースを要求する時間を決定してリソースの使用要求を行いさえすれば、その他のアプリケーションプログラムにとってリソースがいつまでたっても使用できないような事態を回避することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
《実施の形態1》
以下、本発明に係るリソース管理システムの実施の形態1について、図1〜図12を用いて説明する。
<構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係るノンリニア編集システム1000のハードウェア構成を示す図である。
【0011】
ノンリニア編集システム1000は、CPU1010と、メモリ1020と、キーボード及びマウス等のユーザ入力受付装置1030と、PCIバス1040と、エフェクトボード1050と、VTRやディジタルビデオ録画再生装置であるDVC−PRO等の映像入出力装置1051と、モニタ1052と、ディスプレイ1053と、SCSIボード1060と、ハードディスク装置1061と、ネットワークカード1070とから構成される。
【0012】
このノンリニア編集システム1000は、ユーザの指示に応じて、映像入出力装置1051から入力された様々な映像をハードディスク装置1061に蓄積し、蓄積された各映像を任意に編集するためのシステムである。
ここで、CPU1010、メモリ1020、ユーザ入力受付装置1030、エフェクトボード1050、SCSIボード1060及びネットワークカード1070はパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという。)の内部に備えられ、PCIバス1040により接続されている。PCIバス、ハードディスク装置、メモリ等のデータ転送に用いられるリソースは、データ転送帯域に関する限界をもつ。なお、PCIバス1040は、最大クロック周波数が33MHzの同期型バスであり、性能限界となる最大データ転送速度は133メガバイト/秒(MBytes/second、以下、MB/sという。)である。
【0013】
エフェクトボード1050は、パソコンと映像入出力装置1051との間で、NTSC/PAL信号を符号化又は復号化して送受信し、或いは映像ディジタル信号等をSDI(Serial Digital Interface)等を介して送受信する機能を持つインタフェースボードである。
また、SCSIボード1060は、パソコンと、ハードディスク装置1061等の高速のデータ転送が要求される周辺機器とを接続するためのインタフェースボードであり、ネットワークカード1070は、パソコンと、外部ネットワークとを接続するためのインタフェースとなるカードである。
【0014】
図2は、ノンリニア編集システム1000のソフトウェア構成を示す図である。
同図に示すように、ノンリニア編集システム1000はソフトウェア面において、リソースマネージャ2010と、リソース管理データベース(DB)2020と、複数のクライアント2100a〜2100mと、サーバ2200a〜2200nとから構成される。なお、同図には、サーバ2200a〜2200n各々によって使用されるリソースであるリソース2300a〜2300nをも示している。また、リソース2300a〜2300nそれぞれは、上述したPCIバス1040、ハードディスク装置1061等のそれぞれに相当する。
【0015】
ここで、リソース管理DB2020は、ハードディスク内のファイル又はメモリ1020の一領域に格納されたリソース管理のためのデータの集合である。
リソースマネージャ2010は、リソース管理DB2020を参照及び更新することにより、リソースの数量及び各クライアントによるリソースの使用状況を把握し、リソースの管理に関する各種制御動作を行うものである。このリソースの管理に関する各種制御動作には、各クライアントからのリソース使用要求を受けてリソース管理DB2020中にキー情報を作成し、クライアントにキー情報のIDであるキーIDを通知することや、キー情報の有効期限が切れた場合にクライアントに対してリソースを解放すべき旨の指示を通知すること等がある。なお、キー情報等のリソース管理DB2020の内容については後述する。
【0016】
クライアント2100a〜2100mは、リソースマネージャ2010にリソース使用要求を通知することにより、リソースマネージャ2010からキーIDの通知を受けて、これをサーバに通知して依頼を行うことにより、サーバを介して、リソースを使用してのデータの転送、入出力等を行うものであり、例えば、映像データ等の取込み編集用のデジタイザ、映像データ等の区間単位での編集を行うためのクリップエディタ、映像データ等の時系列的な配置についての編集を行うためのシーケンスエディタ等といったノンリニア編集用のアプリケーションプログラム等である。なお、クライアントは、リソースマネージャからキーIDの通知を受けなければ、リソースを使用できない。即ち、キーIDの通知は、クライアントに対するリソース使用権の付与という意義をもつ。
【0017】
また、サーバ2200a〜2200nは、例えばデバイスドライバに相当するプログラムであり、クライアントに通知されたキーIDにより特定されるキー情報を参照して、このキー情報に従ってリソース2300a〜2300nを使用することにより、データの転送、入出力等の実行制御を行うサービスプログラムである。
【0018】
なお、リソースマネージャ2010と、サーバ2200a〜2200nと、クライアント2100a〜2100mとは、メモリ1020に格納されたプログラムがCPU1010により実行されることによりその機能が実現されるものであり、リソースマネージャ2010及びクライアント2100a〜2100mは、マルチタスクOS配下で動作するアプリケーションプログラムであり、リソースマネージャ2010はOSの起動と同時に起動される。
【0019】
以下、リソースマネージャに対してクライアントによりなされるリソース使用要求に際して通知されるリソース使用要求詳細情報について説明する。
図3は、リソース使用要求詳細情報2500の内容を示す図である。
同図に示すようにリソース使用要求詳細情報2500は、クライアントID2501と、使用対象リソースID2502と、有効期限2503と、最大リソース使用量2504と、最小リソース使用量2505と、取得優先度2506と、使用継続優先度2507とを含む。なお、同図は、各情報の値の例をも示している。
【0020】
ここで、クライアントID2501は、リソース使用要求の要求元であるクライアントを識別するためのIDである。使用対象リソースID2502は、クライアントが使用を望むリソースを識別するためのIDである。有効期限2503は、クライアントがリソースの使用を望む期間である。最大リソース使用量2504及び最小リソース使用量2505は、クライアントが要求するリソースの使用量に関する最大値及び最小値、即ち、望ましい量及び必要最小限の量を示す情報である。
【0021】
また、取得優先度2506は、リソースの取得に関する優先度を示す情報であり、クライアントによるリソースの取得の必要性に応じて、Level1〜Level4の4種類のうちいずれかの値をとる。Level4は、緊急を要するような最も必要性の高い場合に用いられ、必ずリソースを使用するという最大の優先度を意味する。Level3は、他のクライアントのリソース使用量を削減することができる限りにおいて、又は他のクライアントがリソースの使用を中断等できる限りにおいて、他のクライアントに優先してリソースを使用し、他のクライアントのリソース使用量を削減できず他のクライアントのリソースの使用を中断できない場合には他のクライアントの使用が終了するのを待ってリソースを使用することを意味する。Level2は、他のクライアントがリソースを使用中であれば他のクライアントの使用が終了するのを待ってリソースを使用することを意味する。また、Level1は、他のクライアントにより使用されているためリソースが確保できなければリソースを使用しないことを意味する。
【0022】
使用継続優先度2507は、他のクライアントから同一のリソースについての使用要求がなされた場合におけるリソースの使用の継続に関する優先度を示す情報であり、クライアントによるリソースの使用継続の必要性に応じて、Level1〜Level4の4種類のうちいずれかの値をとる。Level4は、最も使用継続の必要性の高い場合に用いられ、現状通りのリソースの使用を継続するという最大の優先度を意味する。Level3は、最小リソース使用量までの範囲でリソース使用量を削減されてもよいことを意味する。Level2は、他のクライアントによるリソースの取得により、リソースの使用が中断されてもよいことを意味する。また、Level1は、リソースを解放してもよいことを意味する。
【0023】
以下、リソース管理DB2020の内容について説明する。
図4は、リソース管理DB2020の内容を示す図である。
リソース管理DB2020は、リソース毎に、これに対応するリソース管理情報を有する。同図には、リソースIDが0x01であるリソース、ここではPCIバスについてのリソース管理情報3100と、これに関連するキー情報3200、3300、3400を示している。なお、同図は、各情報の値の例をも示している。
【0024】
同図に示すように、リソース管理情報3100は、リソースID3101と、リソース総量3102と、キー個数3103と、キーID3104、3105、3106等とを含む。
ここで、リソース総量3102は、リソースの使用限界としての数量を示す情報であり、例えば、PCIバスについては、各クライアントの実行に際して使用可能とするデータ転送帯域幅の合計使用量の限界値を、100MB/sと定めている。なお、ここでは、データ転送速度を用いてデータ転送帯域幅を表現している。また、リソース総量3102の値は、PCIバス等のリソースが固有に有する現実の能力限界以下の値となるように定められる。キー個数3103は、クライアント個々に対応するキー情報についての数、即ち、現在、そのリソースを使用しているクライアントの数を示す。キーID3104、3105、3106等は、各キー情報を識別するためのIDを示し、これらキーIDは、キー個数3103が示す数だけ存在する。
【0025】
また、キー情報3200は、1つのクライアントによる特定のリソースに関する使用状況を管理するための情報であり、キーID3201と、クライアントID3202と、有効期限3203と、現在リソース使用量3204と、最大リソース使用量3205と、最小リソース使用量3206と、取得優先度3207と、使用継続優先度3208とを含む。このキー情報3200は、リソースマネージャ2010に対していずれかのクライアントによりリソースの使用が要求された場合に生成される情報であり、有効期限3203と、最大リソース使用量3205と、最小リソース使用量3206と、取得優先度3207と、使用継続優先度3208とは、それぞれリソースの使用要求に際してクライアントにより通知されるリソース使用要求詳細情報中の対応する項目、即ち、有効期限2503、最大リソース使用量2504、最小リソース使用量2505、取得優先度2506及び使用継続優先度2507の値に基づいて設定される。
【0026】
ここで、キーID3201は、キー情報を識別するためのIDであり、このキーIDと、リソース管理情報3100内のキーIDとにより、キー情報とリソース管理情報が対応づけられている。クライアントID3202は、各アプリケーションプログラムを識別するためのIDであり、キー情報の生成の起因となるリソースの使用要求をしたアプリケーションプログラムについてのIDである。
【0027】
有効期限3203は、キー情報自体の有効期限を示す情報であり、これは、クライアントがサーバを介してリソースを使用する場合におけるリソースの使用可能期間を限定するために用いられる。即ち、有効期限3203は、リソースマネージャ2010がクライアントに付与するリソースの使用権の有効期限を意味する。なお、有効期限3203は、リソースマネージャ2010により時間経過に合わせて、また、必要に応じて更新される。
【0028】
現在リソース使用量3204は、リソースマネージャ2010が決定した現在におけるリソースの使用量を示す情報であり、これは、サーバに参照されることにより、リソースを使用してのデータ転送等がサーバにより実行される場合において、サーバが使用可能なデータ転送帯域幅等のリソースの数量を限定するために用いられる。従って、この現在リソース使用量3204は、リソースの使用権の分量、即ち使用可能なリソース数量を意味することになる。
【0029】
最大リソース使用量3205及び最小リソース使用量3206は、クライアントが要求するリソースの使用量に関する最大値及び最小値、即ち、望ましい量及び必要最小限の量を示す情報である。
取得優先度3207は、リソースの取得に関する優先度を示す情報であり、クライアントによるリソースの取得の必要性に応じて、Level1〜Level4の4種類のうちいずれかの値をとる。なお、Level4であっても、他のクライアントにより使用されているリソースであって、その使用に関連したキー情報の使用継続優先度3208がLevel4である場合には、リソースの使用開始ができない。
【0030】
使用継続優先度3208は、他のクライアントから同一のリソースについての使用要求がなされた場合におけるリソースの使用の継続に関する優先度を示す情報であり、クライアントによるリソースの使用継続の必要性に応じて、Level1〜Level4の4種類のうちいずれかの値をとる。
<動作>
以下、上述の構成を備えるノンリニア編集システム1000におけるリソース使用に関連する動作を説明する。
【0031】
まず、図5及び図6を用いて、クライアントがリソースを使用する場合の基本的な動作について説明する。
図5は、クライアントからリソース使用要求を受けた場合にリソースマネージャの行うリソース使用要求対応処理を示すフローチャートである。
また、図6は、クライアントがリソースを使用する場合のメッセージシーケンスの一例を示す図である。
【0032】
図6に示すように、クライアント2100aは、自己の処理を実行する上で必要となるリソースについてのリソース使用要求メッセージ4001をリソースマネージャ2010に対して送信する。
なお、メッセージの送受信は、メッセージ受信用のアドレス、ハンドル等を相互に得て、そのアドレス等に対してメッセージを送ることによって実現される。このため、例えば、各クライアントは、リソースマネージャ2010のメッセージ受信用のアドレス等を予め取得しており、リソース使用要求メッセージ4001にはクライアント自らのメッセージ受信用のアドレス等を含めている。
【0033】
また、ここでは、クライアント2100aは、クリップエディタというアプリケーションプログラムであり、実時間での映像の再生をしつつ映像データを編集可能にするために、PCIバスを通じてある程度高速なデータ転送をサーバを介して実行するものとし、また、リソース使用要求メッセージは図3に例示した値をとるリソース使用要求詳細情報2500を含んでいるものとする。
【0034】
リソースマネージャ2010は、クライアント2100aからリソース使用要求メッセージ4001を受けると、リソース使用要求詳細情報2500及びリソース管理DB2020を参照して図5に示すリソース使用要求対応処理を行う。即ち、まず、リソースマネージャ2010は、クライアント2100aに要求されたリソースが使用可能かを判断する(ステップS3501)。この判断は、使用対象リソースID2502により指定された0x01というIDのリソースについてのリソース管理情報3100を参照して、リソース総量3102からそのリソース管理情報3100に結合された全てのキー情報中の現在リソース使用量の総和を減算することにより算出されるリソースの使用可能量が、要求された最小リソース使用量以上であるか否かによってなされる。
【0035】
ステップS3501において使用可能と判断した場合には、リソースマネージャ2010は、リソース使用要求詳細情報に基づいて、キー情報を生成し、生成したキー情報のキーIDをリソース管理情報3100に追加することによりキー情報をリソース管理情報3100に結合し(ステップS3504)、キーIDを含むキーID通知メッセージ4002をクライアント2100aに対して送信する(ステップS3505)。キー情報の生成は、リソース使用要求詳細情報中のクライアントID等の各項目を、キー情報中の対応する項目の値として用い、更に上述した判断のために算出されたリソースの使用可能量を、キー情報中の現在リソース使用量として用いることによりなされる。こうして図4に示すキー情報3200は生成される。
【0036】
ステップS3501においてリソースの使用が不可能であると判断した場合には、リソースマネージャ2010は、リソース使用要求メッセージ4001に含まれるリソース使用要求詳細情報中の取得優先度と、そのリソースに対して既に生成されている各キー情報中の使用継続優先度とに基づく調整により、即ち、他のクライアントによるリソースの使用を中断させること、或いは他のクライアントによるリソースの使用量を減少させることにより、リソース使用要求に対してリソースを使用させることができる場合には(ステップS3502)、他のクライアントによるリソースの使用を調整し(ステップS3503)、キー情報の生成及びキーID通知メッセージのクライアントへの送信を行う(ステップS3504、S3505)。
【0037】
また、ステップS3502において、リソース使用要求に対してリソースを使用させることができないと判断した場合には、リソースマネージャ2010は、リソース使用要求詳細情報中の取得優先度が最低、即ちLevel1であるならば(ステップS3506)、使用不可の旨のメッセージをクライアントに送信し(ステップS3508)、取得優先度が最低でなければ、リソース使用状況の変化によりリソース管理DBが更新されることを待って(ステップS3507)、ステップS3501の判断に戻る。即ち、リソース取得優先度がLevel2以上のリソース使用要求を行ったクライアントは、リソースが使用可能となるまで待たされた後にキーID通知メッセージを受け取ることになる。なお、リソースマネージャ2010は、ステップS3507の処理として、リソース使用要求がなされた後に一度、クライアントにリソース使用待ちの旨のメッセージを送ることとする。
【0038】
リソースマネージャ2010に行われるこのようなリソース使用要求対応処理により、キーID通知メッセージ4002を受けたクライアント2100aは、サーバ2200aに対してキーIDを含むリソース使用指示メッセージ4003を送信する。なお、図2には示していないが、各クライアントからリソース管理DB2020へのアクセスできるシステム構成としてもよく、この場合、クライアント2100aは、キーIDに基づいてリソース管理DB2020中のキー情報3200を参照することも可能となる。
【0039】
サーバ2200aは、リソース使用指示メッセージ4003を受けると、キーIDに基づいてリソース管理DB2020中のキー情報3200を参照し、現在リソース使用量3204に示されるデータ転送帯域幅でデータ転送を行うべく転送タイミング等を調整しつつデータ転送を行い、転送終了後にリソース解放通知メッセージ4004をクライアント2100aに送信する。なお、データ転送中には、クライアント2100aとサーバ2200aの間で転送データの送受信がなされる。
【0040】
クライアント2100aは、サーバ2200aからリソース解放通知メッセージ4004を受けると、キーIDを含むリソース解放終了通知メッセージ4005をリソースマネージャ2010に送信する。
リソースマネージャ2010はリソース解放終了通知メッセージ4005を受けると、リソース管理DB2020を更新、即ち該当するキー情報を削除する。こうして、クライアントがリソースを使用する場合の一連の動作が終了する。
【0041】
次に、図7を用いて、キー情報の有効期限が切れた場合の動作について説明する。
図7は、クライアントがリソースを使用している際にキー情報の有効期限が切れた場合のメッセージシーケンスの一例を示す図である。
同図に示すように、クライアント2100aが、リソースマネージャ2010にリソース使用要求メッセージ4001を送信してキーID通知メッセージ4002を受け取った後、サーバ2200aにリソース使用指示メッセージ4003を送信し、これに対応してサーバ2200aがデータ転送を行うところまでは、前述した例(図6参照)と同様である。
【0042】
その後、サーバ2200aがデータ転送を続けている間に、リソース管理DB2020に含まれるキー情報3200中の有効期限3203が示す期限が切れた場合には、リソースマネージャ2010はクライアント2100aに対して有効期限切れ通知メッセージ4011を送信する。なお、リソースマネージャ2010は、有効期限が切れたかどうかを判断するために、例えばマルチタスクOSのソフトウェアで実現されたタイマー機能等を用い、キーID通知メッセージ4002をクライアント2100aに通知した時以後、キー情報3200中の有効期限3203の値を時間経過に合わせて減少させている。
【0043】
有効期限切れ通知メッセージ4011を受けると、クライアント2100aは、サーバ2200aにリソース解放指示メッセージ4012を送信する。
リソース解放指示メッセージ4012を受けると、サーバ2200aは、データ転送を中止してリソースを解放し、クライアント2100aに対してリソース解放通知メッセージ4004を送信する。
【0044】
これ以後、前述した例(図6参照)と同様に、クライアント2100aは、リソースマネージャ2010にリソース解放終了通知メッセージ4005を送信し、これを受けたリソースマネージャ2010はリソース管理DB2020を更新する。こうしてリソースの使用開始後にキー情報の有効期限が切れた場合の一連の動作が終了する。
【0045】
次に、図8及び図5を用いて、あるクライアントがリソースを使用している間に、他のクライアントがリソース使用要求を行った場合の動作について説明する。
図8は、クライアント2100bがリソースを使用している間にクライアント2100aがリソース使用要求を行った場合のメッセージシーケンスの一例を示す図である。
【0046】
ここでは、クライアント2100bは、サーバ2200bを介してネットワークデータの転送等を行うアプリケーションプログラムであり、リソースを使用中であるとする。このリソースについてのリソース管理情報3100中のリソース総量3102は100MB/sであり、クライアント2100bによる使用に対応するキー情報は、現在リソース使用量が60MB/s、最小リソース使用量が30MB/s、使用継続優先度がLevel3であるものとする。なお、サーバ2200aとサーバ2200bとがそれぞれ使用するリソース2300aとリソース2300bとは実際は単一のPCIバスであるとする。
【0047】
同図に示すように、クライアント2100aは、リソースマネージャ2010にリソース使用要求メッセージ4001を送信する。このリソース使用要求メッセージ4001に含まれるリソース使用要求詳細情報は、図3に例示する値をもつ。
リソース使用要求メッセージ4001を受けて、リソースマネージャ2010は、上述したリソース使用要求対応処理(図5参照)を開始する。即ち、リソースマネージャ2010は、クライアント2100aに要求されたリソースは使用可能でないと判断し(ステップS3501)、他のクライアントの使用を調整することにより使用可能になると判断し(ステップS3502)、他の使用の調整を行う(ステップS3503)。
【0048】
つまり、リソースマネージャ2010は、リソース使用要求詳細情報中の取得優先度がLevel3であり、クライアント2100bの使用に対応するキー情報の使用継続優先度がLevel3であるので、クライアント2100bの使用に対応するキー情報の現在リソース使用量を60MB/sから30MB/sに低減させ、そのキー情報の有効期限を延長させるように、リソース管理DB2020を更新した後、クライアント2100bに対してデータ転送帯域変更要求メッセージ4021を発行する。なお、リソースマネージャ2010によりなされるキー情報の有効期限の延長については、後述する。
【0049】
データ転送帯域変更要求メッセージ4021を受けると、クライアント2100bは、サーバ2200bにデータ転送帯域変更指示メッセージ4022を送信する。
データ転送帯域変更指示メッセージ4022を受けると、サーバ2200bは、リソース管理DB2020中の既にデータ転送開始時に参照したものであるところのキー情報の現在リソース使用量を参照し、これに従ってデータ転送タイミング等を変更することによりデータ転送帯域幅を低減した後、クライアント2100bにデータ転送帯域変更通知メッセージ4023を送信する。
【0050】
データ転送帯域変更通知メッセージ4023を受けると、クライアント2100bは、リソースマネージャ2010にデータ転送帯域変更終了通知メッセージ4024を送信する。
データ転送帯域変更終了通知メッセージ4024を受けると、リソースマネージャ2010は、現在リソース使用量を70MB/sとし、クライアント2100aから既に受けているリソース使用要求詳細情報に基づいてキー情報を生成し、生成したキー情報をリソース管理情報に結合し(ステップS3504)、キーIDを含むキーID通知メッセージ4002をクライアント2100aに対して送信する(ステップS3505)。
【0051】
キーID通知メッセージ4002を受けて、クライアント2100aは、サーバ2200aにリソース使用指示メッセージ4003を送信し、これ以後、サーバを介してリソースを使用してのデータ転送を行う。
このように、優先度に応じてリソースの使用量等の調整を行うことによって、リソースマネージャ2010は、リソース取得の必要性の高いクライアントに優先的にリソースの使用をさせる。
【0052】
以下、図9を用いて、上述したリソースマネージャ2010によりなされるクライアント2100bの使用に対応するキー情報の有効期限の延長について説明する。
図9は、クライアント2100bの使用に対応するキー情報の有効期限が延長される前後における現在リソース使用量と有効期限との関係を表す図である。
【0053】
最初、クライアント2100bは、有効期限t1、データ転送帯域幅60MB/sでリソースを使用していた。時刻t0において、リソースマネージャ2010は、リソースをクライアント2100aに使用させるために、クライアント2100bについてのデータ転送帯域幅を30MB/sに低減させるとすると、残存する有効期限である(t1−t0)と60MB/sとの積を30MB/sで割った商、即ち(t2−t0)を、新たな残存する有効期限として算出する。このようにして、クライアント2100bが必要とする量のデータ転送を可能とするために、リソースマネージャ2010は有効期限を延長する。
【0054】
なお、クライアント2100bは、上述したデータ転送帯域変更要求メッセージ4021をリソースマネージャ2010から受けた場合、リソース管理DB2020を参照して、データ転送帯域や有効期限等の変化を確認することもできる。従って、例えば、図10に示すようなGUI画面をモニタ等に表示することもできる。
【0055】
図10は、リソース使用に関するデータ転送帯域幅と有効期限との変化をユーザに通知するためのGUI画面の例を示す図である。
以下、前述の例(図8参照)とは逆に、リソースを継続的に使用する必要性の高いクライアントが既にリソースを使用している場合において、リソースを取得する必要性の低いクライアントがリソースマネージャに対してリソースの使用要求を行う例について図11及び図5を用いて説明する。
【0056】
図11は、クライアント2100cがリソースを使用している間にクライアント2100bがリソース使用要求を行った場合のメッセージシーケンスの一例を示す図である。
ここでは、クライアント2100bはサーバ2200nを介して転送の緊急性を要しないネットワークデータの転送等を行う必要があり、そのリソース使用についての取得優先度はLevel2であるものとする。また、クライアント2100cは、高速にデータ転送を継続して行う必要があり、サーバ2200nを介して既にリソースを使用しており、そのリソース使用についての使用継続優先度はLevel4であるものとする。
【0057】
クライアント2100cがリソースを使用している最中に、クライアント2100bは、リソースマネージャ2010にリソース使用要求メッセージ4001を送信する。
リソース使用要求メッセージ4001を受けると、リソースマネージャ2010は、図5に示したリソース使用要求対応処理を開始する。ここでは、ステップS3501、S3502、S3506においてnoの判断がなされたとする。リソースマネージャ2010は、リソース待ち通知メッセージ4031をクライアント2100bに送信してリソース使用状況の変化を待つ(ステップS3507)。
【0058】
この後、クライアント2100cによるサーバ2200nを介してのデータ転送が終了すれば、サーバ2200nは、クライアント2100cにリソース解放通知メッセージ4004を送信し、これを受けて、クライアント2100cは、リソースマネージャ2010にリソース解放終了通知メッセージ4005を送信する。
【0059】
リソース解放終了通知メッセージ4005を受けると、リソースマネージャ2010は、リソース管理DB2020を更新して該当するキー情報を削除し、ステップS3501からステップS3501へ処理を進め、リソースが使用可能であると判断して(ステップS3501)、クライアント2100bからのリソース使用要求に対応してキー情報を生成し(ステップS3504)、クライアント2100bにキーID通知メッセージ4002を送信する(ステップS3505)。
【0060】
なお、本例に基づく一連の手順において、リソースマネージャ2010がクライアント2100bに送信したリソース待ち通知メッセージ4031は、クライアント2100cによるリソースの使用に対応するキー情報中のクライアントID及び有効期限を示す情報を含む。従って、リソース待ち通知メッセージ4031により、リソースの使用を待たされるクライアントは、リソースの使用を開始できる時刻を予測することができ、また、例えば、図12に示すようなGUI画面をモニタ等に表示することにより、ユーザにリソースが解放されるまでの時間に関する情報を提示することができる。
【0061】
図12は、リソースが解放されるまでの時間に関する情報をユーザに提示するためのGUI画面の例を示す図である。
なお、クライアントは、上述のようにリソースの使用を開始できる時刻を予測できるので、例えば、リソースが解放されているかどうか常に調べ続けることなく予測した時刻まで待機するようにすれば、結果的に、CPUの負荷軽減が図られる。
【0062】
<第1変形例>
以下、上述したノンリニア編集システム1000の第1変形例について図13及び図14を用いて説明する。この第1変形例では、図8に示したメッセージシーケンスでなされる動作に加えて、一度データ転送帯域を低減させられたクライアントに対してデータ転送帯域を増大させるための動作を行う。
【0063】
図13は、第1変形例において、クライアント2100bがリソースを使用している間にクライアント2100aがリソース使用要求を行った場合のメッセージシーケンスの一例を示す図である。
ここでは、前提条件は図8のメッセージシーケンスに沿って上述したものと同様であり、リソースマネージャ2010は、クライアント2100bに対して、データ転送帯域変更要求メッセージ4021を送信してデータ転送帯域幅を低減させた後に、クライアント2100aに対して、キーID通知メッセージ4002を送信して優先的にリソースを使用させる。
【0064】
その後、クライアント2100aによるリソースの使用が終了したときに、リソースマネージャ2010は、クライアント2100aからリソース解放終了通知メッセージ4005を受けて、クライアント2100aによる使用に関連するキー情報を削除するようにリソース管理DB2020を更新する。この更新に際して、リソースマネージャ2010は、先ほどデータ転送帯域幅を低減させたクライアント2100bの使用に関連するキー情報中の現在リソース使用量を、低減前の現在リソース使用量に戻し、キー情報の有効期限を短縮する。なお、クライアント2100bにデータ転送帯域幅を低減させる場合に、リソースマネージャ2010は、元の現在リソース使用量を保存しておき、これを用いて低減前の現在リソース使用量に戻す。
【0065】
リソース管理DB2020の更新後、リソースマネージャ2010は、クライアント2100bに対してデータ転送帯域回復通知メッセージ4041を送信する。
データ転送帯域回復通知メッセージ4041を受けると、クライアント2100bは、サーバ2200bにデータ転送帯域変更指示メッセージ40220を送信する。これを受けて、サーバ2200bは、リソース管理DB2020を参照して、現在リソース使用量に合わせるべくデータ転送帯域幅を調整して、データ転送帯域変更通知メッセージ40230をクライアント2100bに送信する。なお、このデータ転送帯域回復通知メッセージ4041からデータ転送帯域変更通知メッセージ40230までの一連の動作は、データ転送帯域変更要求メッセージ4021からデータ転送帯域変更通知メッセージ4023までの一連の動作と基本的に同様である。
【0066】
これにより、他のクライアントに使用させるために、データ転送帯域幅を低減されたクライアント2100bが、他のクライアントの使用終了後には元通りのデータ転送帯域幅でリソースを使用することができるようになる。
図14は、クライアント2100bの現在リソース使用量と有効期限との関係を表す図である。
【0067】
クライアント2100bが、有効期限t1、データ転送帯域幅60MB/sでリソースを使用しているときに、時刻t0において、リソースマネージャ2010は、リソースをクライアント2100aに使用させるために、クライアント2100bについてのデータ転送帯域幅を60MB/sから30MB/sに低減させるように制御し、その後、クライアント2100aによるリソースの使用が終了すると、クライアント2100bについてのデータ転送帯域幅を元の60MB/sに戻し、有効期限を一度延長(図9参照)したt2よりも短くする。このリソースマネージャ2010による制御により図14に示すような現在リソース使用量と有効期限との変化が生じる。
【0068】
<第2変形例>
以下、上述したノンリニア編集システム1000の第2変形例について図15を用いて説明する。上述したノンリニア編集システム1000が、各クライアントがリソースを使用する直前に、リソースマネージャに対してリソース使用要求を行うこととしていたのに対し、この第2変形例は、各クライアントが、将来においてリソースを使用する場合に、予めリソースの使用予約を行うことができるようにしたものである。
【0069】
即ち、この第2変形例においては、リソースマネージャ2010は、リソースの使用予定をも管理する。従って、リソース管理DB2020には、上述した内容に加えて、各リソースについての各クライアントによる使用時刻の予定を管理するための情報であるリソース管理予定表が含まれる。
図15は、第2変形例におけるリソース管理DB2020中のリソース管理予定表の内容例を表現した図である。同図では、RS−422通信インタフェース、信号の符号化及びデータの復号化を行うCODEC、ハードディスク装置(HDD)、ネットワークカードについての各クライアントによる使用予定を管理するためのリソース管理予定表の例を示している。なお、同図中、実線の矢印、破線の矢印、1点鎖線の矢印、2点鎖線の矢印で示す区間は、それぞれ別のクライアントによる使用予定を示す。
【0070】
リソースの使用予定の管理を実現するために、各クライアントは、リソースマネージャに対してリソース使用要求を行う際に、図3に示すリソース使用要求詳細情報に、リソースの使用開始時期に関する情報を加えたものをリソースマネージャに通知することとし、このリソースの使用開始時期に関する情報と有効期限とにより、使用開始時期から使用終了時期までの使用期間を特定することができるので、これに基づいて、リソースマネージャはリソース管理DBのリソース管理予定表を更新することとする。
【0071】
また、クライアントによる使用予約に対して、その使用期間においてリソースを使用させることができる場合には、上述したキー情報を作成し、リソースマネージャはその使用予約を有効なものとする旨のメッセージをそのクライアントに送信し、その後、使用開始時期になり次第、キー情報を上述したリソース管理情報に結合するとともにそのクライアントにキーIDを通知する。従って、リソースの使用予約をしたクライアントは、その使用開始時期になったときにそのリソースの使用権を得ることになる。
【0072】
なお、各クライアントによるリソースの使用予定が競合する場合には、リソースマネージャは、リソース使用要求詳細情報中の取得優先度又は使用継続優先度に基づいて調整を行うこととする。即ち、リソースマネージャは、クライアントにより新たにリソースの使用予約がなされた場合にその使用開始時期から使用終了時期までの間において、そのリソースが他のクライアントにより既に使用される予定になっているか否かをリソース管理DBのリソース管理予定表を参照して判断し、使用期間が重複する場合には、双方の取得優先度又は使用継続優先度を比較して予め定めてある基準に基づいていずれの使用予約を有効なものとするかを決定する。使用予約を無効とした場合には、リソースマネージャはその使用予約を行ったクライアントに、使用予約を無効とした旨のメッセージを送信する。
【0073】
<補足>
(1)本実施の形態ではリソースマネージャは、マルチタスクOS配下で動作するアプリケーションプログラムであるとしたが、これに限られるのではなく、OSの一部等、システムプログラムとして位置づけられることとしてもよい。
また、本実施の形態ではサーバは1つのリソースを使用してデータ転送等を行うこととしたが、これに限られることはなく、サーバがリソース複数を使用してもよい。また、1つのリソースは、複数のサーバのいずれからも使用されるものであってもよい。なお、複数のサーバによりPCIバス等のリソースを用いてデータ転送帯域幅を調整しつつ転送を行う場合には、転送タイミングに関する共通のルールを設けてこれに従い転送制御を行うものとする。例えば、データ転送をあるデータ量のパケット単位で行い、同期信号に基づいて時間を複数個のタイムスロットに分割し、各サーバは使用するタイムスロットの数を選択することによりデータ転送帯域幅を調整することとしてもよい。
【0074】
また、サーバが複数チャネルのデータ転送等の制御機能を有する場合、各クライアントは同時に、そのサーバを利用することとしてもよい。
さらに、クライアントとサーバとは必ずしも独立している必要はなく、一体となっていてもよい。一体となっている場合には、クライアントとサーバとの間のメッセージの送受信は省略してよい。
【0075】
なお、サーバ自体がキー情報中の有効期限を参照して、有効期限が切れた場合にリソースの解放を行うこととしてもよく、これによれば、クライアントとサーバとを独立させているとき、例えばマルチタスクOS配下で独立したタスクとして扱われるようにしているとき等においては、クライアントに障害が発生していても有効期限が切れるとサーバによりリソースの解放がなされるので他のクライアントによるリソースの使用を妨げることが回避できる。
(2)本実施の形態では、データ転送帯域に関する限界を有するPCIバスを主にリソースの例として用いたため、リソース使用要求詳細情報中の最大リソース使用量及び最小リソース使用量がデータ転送帯域幅の値で指定されることとしたが、例えば、単なる個数に関する限界を有するリソースについては個数値で指定することとしてもよく、単一物であるリソースについては指定不要としてもよい。なお、個数値で指定するものに対しては、本実施の形態で示したデータ転送帯域変更要求メッセージ4021等の代わりに、リソースマネージャは、使用個数の変更を要求する旨のメッセージを送信することとすればよい。
【0076】
また、他のクライアントにリソースを使用させるために、リソースマネージャは、現在そのリソースを使用中のクライアントのその使用に対応するキー情報中の現在リソース使用量を低減させるだけでなく、取得優先度及び使用継続優先度に基づいて、使用中のクライアントに対してリソースの解放を要求する旨のメッセージを送信する場合もあり得る。
(3)本実施の形態では、リソースマネージャがキー情報についての識別子であるキーIDをクライアントに伝えることによりリソースの使用権を付与することとしたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、キーIDを用いず、リソースの使用権の付与はキー情報をリソース管理情報に結合することにより行われることとし、サーバはクライアントIDを用いて必要なキー情報を特定してアクセスすることとしてもよい。
(4)本実施の形態では、キー情報の有効期限が切れたかどうかはリソースマネージャがリソース管理DBを参照して判断し、有効期限が切れている場合にクライアントに対して有効期限切れ通知メッセージを送信することとしたが、これに限定されることはなく、リソースの使用要求を行ったクライアントがリソースマネージャからキーIDとともに有効期限を示す情報を送られること等とすることにより、クライアントがキーIDを受け取ることにより取得したリソースの使用権についての有効期限を把握して、有効期限が切れた場合にサーバを制御する等によりリソースの使用を終了させることとしてもよい。
(5)本実施の形態では、リソースの使用要求を行うクライアントがリソース使用要求詳細情報の構成要素として有効期限を指定することとしたが、この有効期限は、ともに指定する最大リソース使用量の使用が可能である場合においての使用期限を意味するものとして用いられるものとしてもよい。この場合、リソースマネージャは、当該クライアントに使用させることができるリソース量に応じて、キー情報の有効期限、即ち、当該クライアントに付与する使用権の有効期限を変化させることになる。
【0077】
また、リソースマネージャは、リソースの使用要求を行うクライアントから、当該クライアントが転送すべきデータの総量を示す情報を受け取り、その情報と、当該クライアントに使用させることができたリソースの量とに応じて、当該クライアントに付与する使用権の有効期限を定めることとしてもよい。
(6)本実施の形態では、クライアントがリソースの使用要求を行う際にリソース使用要求詳細情報の構成要素として取得優先度及び使用継続優先度を指定することとしたが、これに限定されることはなく、例えば、予めクライアント毎にリソースの取得優先度及び使用継続優先度を定めていることとし、リソースマネージャは、これらを記憶しておく等によりリソース使用要求詳細情報の構成要素の代わりとして用いることとしてもよい。
(7)本実施の形態では、リソース管理DB2020中に生成されたキー情報を識別するためのキーIDを、リソースマネージャはリソースの使用要求を行うクライアントに通知することとしたが、キー情報そのものを通知することとしてもよく、クライアントは通知されたキー情報をサーバに与えてそのキー情報に従ったデータ転送を実行させることとしてもよい。
(8)本実施の形態では、1つのパソコンに接続されるリソースの管理を行うシステムを説明したが、これに限られるのではなく、ネットワーク上に分散しているリソースを、1つのリソースマネージャにより一元管理するシステムであることとしてもよい。
【0078】
図16は、ネットワーク上に分散しているリソースを1つのリソースマネージャによって一元管理するシステムの例を示す図である。同図に示すシステムは、ユーザが編集操作を行うネットワーク端末5003又は5004と、ノンリニア編集機5001と、リソース管理装置付ビデオサーバ5002とをネットワークで接続したものであり、ここで、リソース管理装置付ビデオサーバ5002は、本実施の形態で示したリソースマネージャに相当する機能を有する。
【0079】
また、本実施の形態で示したノンリニア編集システム1000と同様の構成をもつ複数のシステムを、ネットワークで接続し、あるノンリニア編集システムにおけるクライアントから他のノンリニア編集システムの管理下にあるリソースの使用を行うことができるようにしてもよい。以下にこの場合の処理手順例を説明する。
【0080】
まず、クライアントはリソースの取得条件、取得期間、リソース種別等の情報を付随したリソース使用要求メッセージを当該クライアントと同一のノンリニア編集システム中のリソースマネージャに送信する。これを受けて、リソースマネージャは、管理下のリソースに空きがなく使用させることができなければ、他の全てのノンリニア編集システムにおけるリソースマネージャに対してクライアントからのリソース使用要求メッセージを転送してリソースの取得を要請する。リソースの取得の要請を受けたリソースマネージャは、自ら管理するリソースによって、リソース種別で示される種類のリソースについての取得の要請に応えられるか判断し、応えられる場合には、キー情報を作成して、キー情報の所在を示すキーID通知メッセージを、リソースの取得の要請を行ったリソースマネージャに対して送信する。キーID通知メッセージを受け取ったリソースマネージャは、最初に受け取ったキーID通知メッセージをクライアントに通知する。クライアントはリソースマネージャからのキーID通知メッセージを受けると、他のノンリニア編集システム上のサーバにリソースを使用してのデータ転送を依頼する。
【0081】
この手順により、クライアントは、必要とするリソースをネットワーク上の他のシステムから取得することができる。
(9)本実施の形態では、リソースの使用要求の際にクライアントからリソースマネージャに送られる使用要求詳細情報には4段階の取得優先度及び使用継続優先度が指定されることとしたが、優先度は何段階であってもよい。また、これらの優先度に関する情報を削除した形態も考えられる。この場合、例えば、リソースの使用要求が競合するときには、先に使用要求をした方が有効となり、後に使用要求をした方は無効、又は先に使用要求した方による使用が終了するまで待たされることとしてもよい。
(10)本実施の形態では、クライアント、サーバ、リソースマネージャ間でメッセージの送受信がなされることとしたが、特にメッセージ受信用のアドレス又はハンドルを用いたプロセス間通信を用いることに限定されることはなく、そのメッセージの内容である情報の伝達が可能な方法であればいかなる方法が用いられてもよい。
(11)本実施の形態の第1変形例では、他のクライアントによるリソース使用要求によって、使用可能なデータ転送帯域幅を低減されたクライアントが、他のクライアントによるリソースの使用終了後に、使用可能なデータ転送帯域幅を元の値まで増大される例を示したが、特に他のクライアントによるリソースの使用終了後でなくても、そのリソースの使用状況の変化により使用可能量が増大したなれば、その時にデータ転送帯域幅を増大されるようにしてもよく、また、元の値を超えて増大されるようにしてもよい。
《実施の形態2》
以下、実施の形態1で示したリソース管理システムにおけるリソースマネージャ2010、リソース管理DB2020等を(図2参照)、ディジタル映像再生録画装置に適用したリソース管理システムの例を説明する。
【0082】
但し、この実施の形態2に係るリソース管理システムは、実施の形態1と異なり、クライアントが別種類の複数のリソースを一括して確保することができるようにし、また、一括確保したリソースのうちの一部を解放したり再度確保したりすることができるようにしたものである。このために、クライアントがリソースマネージャに対して送るリソース使用要求詳細情報は、複数のリソースを同時に要求する形式のものを用いることとし、また、クライアントとリソースマネージャの間でリソース一部解放や再確保に関する新たなメッセージを授受することとする。従って、以下、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
【0083】
図17は、ディジタル映像再生録画装置におけるハードウェア資源と、入力された映像をディジタル化して記録する機能(以下、「デジタイザ機能」という。)が実行された場合のデータフローを示す図である。
ディジタル映像再生録画装置におけるハードウェア資源には、ハードディスク装置111、CODEC112、113、スイッチ114、MIX回路115、D/Aコンバータ116及びA/Dコンバータ117がある。
【0084】
ハードディスク装置111は、ディジタル形式で圧縮された映像データを保持している。また、ハードディスク装置111は、読み出し、又は書き込みのために2チャンネルを有している。
CODEC112は、映像データをエンコード(圧縮)又はデコード(伸長)するもので、CODEC113は、映像データをデコード(伸長)する。
【0085】
スイッチ114は、映像データの信号の方向を切り換えるものである。
MIX回路115は、CODEC113で伸長された映像データと、CODEC112で伸長された映像データとを空間的に合成する2チャンネル再生又は、CODEC113で伸長された映像データを100%とする1チャンネル再生をして、得られた映像データをD/Aコンバータ116に送るものである。
【0086】
D/Aコンバータ116は、MIX回路115から送られてきた映像データのデジタル信号をアナログ信号に変換して出力する。この出力された映像データのアナログ信号は、外部のテレビモニタに接続されることにより映像として見ることができる。
A/Dコンバータ117は、外部のVTRなどから入力されたアナログ映像データをディジタル形式に変換し、スイッチ114を介してCODEC112に出力する。
【0087】
なお、リソース管理DBでは、これらハードウェア資源の種類毎にリソース管理情報を有することになる。但し、説明の便宜上ハードディスク装置111は常時共用可能であることとして、ハードディスク装置111の使用権に関する制御についてはここでは触れないこととする。
デジタイザ機能は、ディジタル映像再生録画装置が有するメモリに格納されたあるアプリケーションプログラム(以下、「デジタイザAP」という。)が、その装置が有するCPUにより実行されることで実現されるものである。デジタイザAPは、外部のVTR等から入力されたアナログ映像データをディジタル化としてハードディスク装置111に記録する記録処理と、入力中の映像を外部のテレビモニタ等に出力するプレビュー処理とをその内容とするものであり、実施の形態1で示したクライアントの1つに相当する(図2参照)。なお、デジタイザAPは記録処理の実行中に、プレビュー処理を行うものであるが、随時、ユーザによるプレビューの停止指示や実行指示を受け付けてこれに応じて、プレビュー処理の停止や再開を行うものである。
【0088】
このデジタイザが実行される場合に必要となるリソースは、同図のデータフローから明らかなように、ハードディスク装置(HDD)111と、1つのCODECと、スイッチ(SW)114と、MIX回路115と、D/Aコンバータ116と、A/Dコンバータ117である。
図18は、ハードディスク装置に記録されたディジタル映像データを外部のテレビモニタ等に出力して、ユーザによる映像編集を支援する機能(以下、「編集機能」という。)が実行された場合のデータフローを示す図である。
【0089】
編集機能は、ディジタル映像再生録画装置が有するメモリに格納されたデジタイザAPとは別のあるアプリケーションプログラム(以下、「エディタAP」という。)が、その装置が有するCPUにより実行されることで実現されるものである。エディタAPも実施の形態1で示したクライアントの1つに相当する(図2参照)。
【0090】
このエディタAPが実行される場合に必要となるリソースは、同図のデータフローから明らかなように、ハードディスク装置(HDD)111と、1つのCODECと、MIX回路115と、D/Aコンバータ116とである。
以下、デジタイザAPとエディタAPとが実行される場合の動作について説明する。
【0091】
ここでは、先にデジタイザAPが起動されるとする。
図19は、デジタイザAPの起動後にエディタAPが起動された場合のメッセージシーケンスの一例を示す図である。
同図に示すように、デジタイザAPは、まずリソース使用要求詳細情報を含むリソースマネージャにリソース使用要求メッセージ6001を送信する。
【0092】
ここで、このリソース使用要求メッセージ6001に含まれるリソース使用要求詳細情報について図20を用いて説明する。
図20は、複数のリソースの一括確保が必要な場合に用いられるリソース使用要求詳細情報6500のデータ構造及び内容例を示したものである。
同図に示すようにリソース使用要求詳細情報6500は、クライアントID6501と、使用対象リソースID6502と、リソース使用量6503と、取得優先度6504と、使用継続優先度6505とを含む。なお、このリソース使用要求詳細情報6500が実施の形態1で示したリソース使用要求詳細情報2500と異なる主な点は、クライアントID6501以外の情報は、使用対象となるリソースの数だけ分の内容を有する点である。リソース使用要求詳細情報6500においては、有効期限の情報を省略しているが、これを含めてもよく、また、リソース最大使用量とリソース最小使用量という量的な2つのレベルを用いずに、リソース使用量6503という1つのレベルを用いているが、これについても同様にしても差し支えない。
【0093】
デジタイザAPは、CODEC、スイッチ、MIX回路、D/Aコンバータ及びA/Dコンバータをそれぞれ1つ使用する必要があるため、同図の内容例に示したようなリソース使用要求詳細情報を含むリソース使用要求メッセージ6001を送信するのである。
このリソース使用要求メッセージ6001を受けて、リソースマネージャは、リソース使用要求詳細情報6500及びリソース管理DBを参照して実施の形態1で示したようなリソース使用要求対応処理(図5参照)を行う。
【0094】
ここで、リソースマネージャは要求されたリソースが使用可能であると判断したとして説明を続ける。リソースマネージャは、リソース使用要求詳細情報に基づいて実施の形態1における動作と同様にキー情報を生成し、生成したキー情報のキーIDをリソース毎の管理情報であるリソース管理情報に追加することでキー情報をリソース管理情報に結合し、キーIDを含むキーID通知メッセージ6002をデジタイザAPに対して送信する。
【0095】
このとき、リソース管理DBの内容は、図21のようになる。
図21は、複数のリソースの使用要求に対応した直後のリソース管理DBの内容を示す図である。
同図に示すように、CODEC、スイッチ(SW)、MIX回路、D/Aコンバータ及びA/Dコンバータについてのリソース管理情報6601〜6605それぞれに同一のキーIDのキー情報6611〜6615が結合されている。
【0096】
こうしてリソースマネージャからキーIDの通知を受けたデジタイザAPは、各リソースに対してサーバ等を介してアクセスし、各リソースに対して必要な情報の初期設定を行う等して各リソースを使用する。つまり、デジタイザAPは、記録処理及びプレビュー処理を行う。
ここで、プレビュー処理を停止すべき旨のユーザによる指示がなされた場合には、デジタイザAPは、プレビュー処理のみに必要であったMIX回路115とD/Aコンバータ116とを解放し、その解放したリソースを示すリソース部分解放詳細情報を含むリソース部分解放通知6003をリソースマネージャに送信する。
【0097】
ここで、このリソース部分解放通知6003に含まれるリソース部分解放詳細情報6700について図22を用いて説明する。
図22は、一括確保したリソースのうちいくつかを解放する場合に用いられるリソース部分解放詳細情報6700のデータ構造及び内容例を示したものである。
【0098】
同図に示すようにリソース部分解放詳細情報6700は、クライアントID6701と、キーID6702と、対象リソースID6703と、リソース解放量6704とを含む。
クライアントID6701は一括確保したリソースの一部の解放をするアプリケーションプログラムのIDであり、キーID6702は複数リソースのリソース使用要求メッセージに対してリソースマネージャから返却されたキーIDであり、対象リソースID6703は解放したリソースを識別するためのIDであり、リソース解放量6704は解放した数量である。
【0099】
同図の内容例は、MIX回路とD/Aコンバータを解放したことを表している。
リソース部分解放通知6003を受けると、リソースマネージャは、リソース部分解放詳細情報を参照して、これに応じて、解放されたリソースについてのリソース管理情報に結合されているキー情報を削除し、リソース管理情報を更新する。この結果として、MIX回路及びD/Aコンバータについてのリソース管理情報は、キー情報と結合されていない状態となる。
【0100】
ここでは、デジタイザAPがプレビュー処理を停止した後に、ユーザがエディタAPを起動したとする。なお、デジタイザAPは継続して動作を続けているものとする。起動されたエディタAPは、CODEC、MIX回路及びD/Aコンバータを要求する旨のリソース使用要求詳細情報を含むリソース使用要求メッセージ6004をリソースマネージャに送信する。
【0101】
リソースマネージャは、リソース使用要求メッセージ6004を受けると、そのリソース使用要求詳細情報及びリソース管理DBを参照し、リソース使用要求対応処理(図5参照)を行う。リソースマネージャは、キー情報を生成し、生成したキー情報のキーIDをリソース毎の管理情報であるリソース管理情報に追加することでキー情報をリソース管理情報に結合し、キーIDを含むキーID通知メッセージ6005をエディタAPに対して送信する。
【0102】
このとき、リソース管理DBの内容は、図23のようになる。
図23は、デジタイザAPがプレビュー処理を停止した後にエディタAPが起動された状態でのリソース管理DBの内容を示す図である。
この後、ユーザはエディタAPに対して実行終了の指示を与えたとすると、エディタAPは実行終了に際して使用したリソースを全て解放して、キーIDを含むリソース解放終了通知6006をリソースマネージャに送信する。
【0103】
このリソース解放終了通知6006を受けて、リソースマネージャは、そのキーIDで特定される全てのキー情報を削除しリソース管理情報を更新する。
エディタAPが終了した後に、ユーザがデジタイザAPにプレビュー処理を再開させるよう指示したとすると、デジタイザAPは、現在使用しているリソースに加えてプレビュー処理に必要なMIX回路とD/Aコンバータを使用するために、その旨を示すリソース追加取得詳細情報を含むリソース追加取得要求メッセージ6007をリソースマネージャに送信する。
【0104】
図24は、既に一括確保しているリソースに加えていくつかのリソースを取得する必要がある場合に用いられるリソース追加取得詳細情報6800のデータ構造及び内容例を示したものである。
同図に示すようにリソース部分解放詳細情報6800は、クライアントID6801と、キーID6802と、対象リソースID6803と、リソース取得量6804とを含む。
【0105】
クライアントID6801はリソースの追加取得を要求するアプリケーションプログラムのIDであり、キーID6802は複数リソースのリソース使用要求メッセージに対してリソースマネージャから返却されたキーIDであり、対象リソースID6803は取得するリソースを識別するためのIDであり、リソース取得量6804は要求する数量である。
【0106】
リソースマネージャは、リソース追加取得要求メッセージ6007を受けると、そのリソース追加取得詳細情報及びリソース管理DBを参照し、リソースを使用させることができる場合には、指定されたキーIDを含むキー情報を生成し、そのキーIDをリソース毎の管理情報であるリソース管理情報に追加することでキー情報をリソース管理情報に結合し、要求されたリソースの使用権を与える意味のリソース追加取得成否通知メッセージ6008をデジタイザAPに送信する。なお、リソースを使用させることができない場合には、リソースの使用権を与えない意味のリソース追加取得成否通知メッセージを送信することになる。このとき、リソース管理DBの内容は、再び図23のようになる。
【0107】
このように、実施の形態2に係るリソース管理システムによれば、アプリケーションプログラムは、複数のリソースの使用権を同時に確保することができるため、他のアプリケーションプログラムとの間で相互にいくつかのリソースの使用権を持ち合うというデッドロック状態が発生することを防止することができる。また、このリソース管理システムによれば、アプリケーションプログラムは、複数のリソースについて一括して確保した使用権について、その一部を放棄したり一部を再度確保したりすることもできる。
《補足》
上記実施の形態1及び2で示したリソースマネージャ、各クライアント及び各サーバ間でなされるメッセージ送受信の手順や、リソースマネージャによりなされるリソース使用要求対応処理の手順等を、汎用のコンピュータ又はプログラム実行機能を有する家電機器に実行させるためのコンピュータプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。
【0108】
かかる記録媒体には、ICカード、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM等がある。流通、頒布されたコンピュータプログラムは、プログラム実行機能を有する家電機器やパーソナルコンピュータ等にインストール等されることにより利用に供され、家電機器やパーソナルコンピュータは、当該コンピュータプログラムを実行して、各実施の形態に示したようなリソース管理に関する機能を実現する。
【0109】
【発明の効果】
上記目的を達成するために、本発明に係るリソース管理システムは、複数のアプリケーションプログラムによるリソースの使用の管理を行うリソース管理システムであって、ここで、前記アプリケーションプログラムは、あるリソースについて、ある有効期限内に、ある分量の使用を許可する旨の情報である使用権を得た場合に、当該有効期限内において当該分量の当該リソースを使用するものであり、リソースの使用の許容限界を示す限界情報と、アプリケーションプログラムに対して与えたリソースの使用権の分量を示す使用権情報とを記憶するリソース管理用情報データベースと、リソースの使用を望む時間を示す有効期限情報を伴ってアプリケーションプログラムからなされるリソースの使用を望む旨の使用要求を受け付けるリソース要求受付手段と、前記リソース要求受付手段を介して前記リソースの使用要求を受け付け、前記限界情報と前記使用権情報とに基づいて当該リソースの使用を許容できるか否かを判断し、使用を許容できる場合には、前記有効期限情報に基づき有効期限を定めて当該リソースの当該有効期限付きの使用権を当該アプリケーションプログラムに与えるとともに、与えた使用権に係る分量に応じて前記使用権情報を更新するリソース使用管理手段とを備えることを特徴とする。
【0110】
これにより、リソース使用管理手段がリソース管理用情報データベースを用いてリソースの総量と使用量、即ち使用権を割り当てた分量とを一元管理するので、リソースを使用する複数のアプリケーションプログラムそれぞれは、リソース限界値や他のアプリケーションプログラムによるリソース使用の必要性に依存した処理内容を含まなくても、リソース使用管理手段に対してリソースの使用要求を行うことにより、そのリソースが現在使用可能である場合にリソースの使用権を得ることができるため、その使用権を得たリソースを用いてデータ転送等の処理を適切に実行することができるようになる。また、このリソース管理システムに対して、リソースの追加変更等によりリソースの数量の限界値が変化した場合にもそれに合わせてリソース管理用情報データベースの内容を変更しておけば、リソースの有効活用が図れるようになる。特に、アプリケーションプログラムが要求するリソースの使用を望む時間により、リソースの使用権についての有効期限が設定されるので、有効期限を超えた時点でリソースが解放されることとなりその後は他のアプリケーションプログラムがそのリソースを利用し得るようになる。つまり、アプリケーションプログラムが自己の処理上の必要性からリソースを要求する時間を決定してリソースの使用要求を行いさえすれば、その他のアプリケーションプログラムにとってリソースがいつまでたっても使用できないような事態を回避することができる。
【0111】
また、前記リソース使用管理手段は、時間経過を計測する計時部を有し、当該計時部を用いて、アプリケーションプログラムに使用権を付与した時からの前記有効期限の経過を計測することにより当該有効期限の経過時に前記アプリケーションプログラムに対してリソース解放を要求することとしてもよい。
また、前記アプリケーションプログラムはリソース解放の要求を受けると、リソースの使用を中止して、リソースを解放した旨を前記リソース使用管理手段に通知し、前記リソース使用管理手段はリソースを解放した旨の前記通知を受けると、これに応じて前記リソース管理用情報データベース中の使用権情報を更新することとしてもよい。
【0112】
これらにより、何らかの要因により不必要に長い間リソースを使用し続けるアプリケーションプログラム等によって他のアプリケーションプログラムによるリソースの確保が妨害されることを回避できる。
また、前記リソース使用管理手段は、アプリケーションプログラムからリソースの使用要求を受けるに際して、アプリケーションプログラムが必要とする最小限度のリソースの数量を示す最小要求量情報を受け取り、前記リソース管理用情報データベースに格納するものであり、前記リソース使用管理手段は、アプリケーションプログラムからリソースの使用要求を受けた場合に、当該リソースについて、前記最小要求量情報の示す数量以上の第1量の使用を許容できる場合には、当該アプリケーションプログラムに当該リソースについての使用権を付与するとともに、前記リソース管理用情報データベース中の使用権情報を、前記アプリケーションプログラムによる前記使用要求に対して第1量の使用権が付与されていることを示すように更新することとしてもよい。
【0113】
これにより、リソース使用管理手段は、アプリケーションプログラムが必要とする最小限度の量以上のリソースの使用を許容できる場合に、そのアプリケーションプログラムにリソースの使用権を付与するので、このリソース管理システムによれば、例えば、映像データの実時間での再生処理等を行うアプリケーションプログラムに対して、使用権の付与をもってその再生処理等に必要なリソースの確保を保証するといった制御が実現される。
【0114】
また、前記リソース使用管理手段は、アプリケーションプログラムからリソースの使用要求を受けるに際して、リソースを必要とする程度を示す優先度情報を受け取り、当該優先度情報を前記リソース管理用情報データベースに格納するものであり、前記リソース使用管理手段は、アプリケーションプログラムからリソースの使用要求を受けた場合に、当該使用要求に対応する優先度情報と、当該リソースについて既になされている他のアプリケーションプログラムによる使用要求に対応する前記リソース管理用情報データベース内の優先度情報とを比較することにより当該リソースの使用を許容できるか否かという前記判断を行うこととしてもよい。
【0115】
これにより、あるアプリケーションプログラムによりリソースが使用されている場合に、他のアプリケーションプログラムによりリソースの使用要求がなされたときに、優先度に基づいて、両者を調整するので、アプリケーションプログラムの処理内容等に基づくリソースの必要性に応じて優先度を設定することにより、適切なリソース配分を行うことができるようになる。
【0116】
また、前記優先度情報は、リソース取得の必要な程度を示す取得優先度情報と、取得後にリソースを使用継続することの必要な程度を示す使用継続優先度情報とを含み、前記リソース使用管理手段は、アプリケーションプログラムからリソースの使用要求を受けた場合に、当該使用要求に対応する取得優先度情報と、当該リソースについて既になされている他のアプリケーションプログラムによる使用要求に対応する前記リソース管理用情報データベース内の使用継続優先度とを比較することにより当該リソースの使用を許容できるか否かという前記判断を行うこととしてもよい。
【0117】
これにより、アプリケーションプログラムは実行する処理内容によって、リソースを取得することに関する優先度と、リソースを取得した後に使用を継続することに関する優先度とをそれぞれ異なるように設定することができるので、例えば、一度リソースを取得できた場合にはそのリソースを使用してのデータ転送等を中断できないような処理内容をもつアプリケーションプログラムにとっては処理の完全な実行が保証されるようになる。即ち、このリソース管理システムによれば、各アプリケーションプログラムの処理内容に応じたリソース配分の制御が実現できる。
【0118】
また、前記リソースはデータ転送経路として用いられるものであり、前記リソース使用管理手段によるアプリケーションプログラムに対しての使用権の付与は、前記リソース管理用情報データベース内の前記使用権情報中の、当該アプリケーションプログラムによる使用要求に対して割り当てた使用権の分量を示す現在使用量情報を、特定するためのIDを通知することにより行われ、前記アプリケーションプログラムは、通知された前記IDをサーバプログラムに通知することにより、当該サーバプログラムを介してリソースを使用してのデータ転送を行うクライアントプログラムであり、前記サーバプログラムは、前記アプリケーションプログラムから通知されたIDを用いて、前記リソース管理用情報データベース内に格納されている現在使用量情報を特定し、当該現在使用量情報を参照してこれに従った分量を使用してデータ転送を行うこととしてもよい。
【0119】
これにより、分量を特定してのリソースの使用権の付与がなされるので、リソースを直接使用してデータ転送を行うサーバプログラムを、リソースの使用権の分量に従ってデータ転送を行うものとしておけば、各クライアントプログラムはその処理内容に応じて必要な分量だけリソースを使用することができる。このことは、クライアントプログラムにとっては、リソースマネージャからある分量の使用権を取得しさえすれば、その分量のリソースを使用できることが保証される意義をもつ。従って、このリソース管理システムによれば、例えば非同期系処理を行うアプリケーションプログラムと同期系処理を行うアプリケーションプログラム等のそれぞれが必要とするデータ転送帯域幅等の条件が異なる複数のアプリケーションプログラムを、それぞれが必要とする条件の確保を保証して並列に実行させることができる。
【0120】
また、前記リソースは、データ転送用のローカルバスであり、前記リソースの使用の許容限界及び使用権の分量は、データ転送帯域幅で表され、前記サーバプログラムは、前記現在使用量情報の示すデータ転送帯域幅でデータ転送を行うこととしてもよい。
これにより、PCIバス等のローカルバスを利用してデータ転送を行う複数のアプリケーションプログラムそれぞれに、PCIバス等のデータ転送帯域幅の限界内で、使用できるデータ転送帯域幅を分け与え、そのデータ転送帯域幅でPCIバス等を用いたデータ転送を実行できることを保証することができる。即ち、各アプリケーションプログラムは自らが必要とするデータ転送帯域幅の確保の保証を得ることができる。
【0121】
また、前記リソース使用管理手段は、第2のアプリケーションプログラムからリソースについての第2の使用要求を受けた場合に、当該使用要求に対応する優先度情報と、当該リソースについて既になされている第1のアプリケーションプログラムによる第1の使用要求に対応する前記リソース管理用情報データベース内の優先度情報とを比較して、前記第1の使用要求についてのリソースを必要とする程度の方が低いときには、前記第1のアプリケーションプログラムに対して付与している使用権の分量を低減させるとともに当該使用権についての有効期限を延長し、前記第2のアプリケーションプログラムに対して使用権を付与することとしてもよい。
【0122】
これにより、リソースの使用要求の優先度に基づく調整の結果として、優先度が低いアプリケーションプログラムはリソースを使用できる分量を減らされるとともに使用できる有効期限を延長されるので、優先度が低いアプリケーションプログラムにとってもデータ転送を完遂することができることが保証される。
また、前記リソース使用管理手段は、前記第2のアプリケーションプログラムから前記第2の使用要求を受けて、前記第1のアプリケーションプログラムに対して付与していた使用権の分量を低減させて第2のアプリケーションプログラムに対して使用権を付与した場合には、後に前記第2のアプリケーションプログラムによるリソースの使用が終了したときに、前記第1のアプリケーションプログラムに対して付与している使用権の分量を増大させることとしてもよい。
【0123】
これにより、リソースの使用要求の優先度に基づく調整の結果として、優先度が低いアプリケーションプログラムに対してのリソースの使用可能分量を減らした後に、また可能となれば分量を増やす制御、即ち、リソースの使用状況に応じた動的なリソース配分の調整制御がなされるので、リソースの有効活用が図られる。
【0124】
また、前記リソース使用管理手段は、アプリケーションプログラムからリソースの使用要求を受けた場合に、当該リソースの使用を許容できないと判断したとき、当該リソースの使用を許容できるようになるのを待って当該アプリケーションプログラムに対して当該リソースについての使用権を付与することとしてもよい。
【0125】
これにより、アプリケーションプログラムは、リソースが即座には使用できない場合でも使用可能となるのを待ってそのリソースを使用することができる。即ち、リソースが使用できない場合にはその使用の予約をすることができる。
また、前記リソース使用管理手段は、アプリケーションプログラムからリソースの使用要求を受けた場合に、当該リソースについて既に他のアプリケーションプログラムに使用権を付与しているために当該使用要求に対してリソースの使用を許容できないと判断した場合には、前記他のアプリケーションプログラムに付与している使用権に付された有効期限に基づいて有効期限が切れるまでの時間を示す情報を当該使用要求を行ったアプリケーションプログラムに通知することとしてもよい。
【0126】
これにより、アプリケーションプログラムは、いつからリソースを使用可能となるかを知ることができ、例えば使用可能となる時刻を画面に表示する等によりユーザに知らしめること等が可能となる。
また、前記リソース使用管理手段は、アプリケーションプログラムによるリソース群についての使用要求を受けた場合には、当該リソース群の使用を許容できるか否かを判断し、使用を許容できるときには、当該アプリケーションプログラムに当該リソース群の使用権を付与するとともにこれに対応して前記リソース管理用情報データベース中の使用権情報を更新することとしてもよい。
【0127】
これにより、アプリケーションプログラムは、複数のリソースの一括確保が可能となるため、デッドロックを回避することができるようになる。
また、前記リソース使用管理手段は、リソース群の使用権を付与したアプリケーションプログラムから、当該リソース群に含まれる一部のリソースについてある数量分だけ解放した旨の通知を受けた場合には、リソース管理用情報データベース中の使用権情報が示す当該リソースについて使用権を割り当てた分量を当該数量に応じて更新することとしてもよい。
【0128】
これにより、アプリケーションプログラムは、一括確保したリソースのうちの一部を解放することができるので、そのリソースを他のアプリケーションプログラムが使用できるようになる。
また、本発明に係るリソース管理システムは、複数のアプリケーションプログラムによるリソースの使用の管理を行うリソース管理システムであって、ここで、前記アプリケーションプログラムは、あるリソースについて、ある有効期限内に、ある分量の使用を許可する旨の情報である使用権を得た場合に、当該有効期限内において当該分量の当該リソースを使用するものであり、前記リソース管理システムは、リソースの使用開始時期と使用終了時期とを特定する使用期間情報を伴ってアプリケーションプログラムからなされるリソースの使用を望む旨の予約を受け付けるリソース要求受付手段と、リソースの使用の許容限界を示す限界情報と、アプリケーションプログラムに対して予約に応じて与えたリソースの使用権の分量を示す使用権情報及び当該予約に係る使用期間情報とを記憶するリソース管理用情報データベースと、前記リソース要求受付手段を介してリソースの予約を受け付け、前記限界情報、前記使用権情報及び前記使用期間情報に基づいて、当該予約についての使用開始時期から使用終了時期までの間において予約されたリソースの使用を許容できるか否かを判断し、使用を許容できる場合には、当該使用開始時期になり次第、当該使用終了時期までの有効期限が付された使用権を予約元のアプリケーションプログラムに与えるとともに、前記使用権情報及び前記使用期間情報を更新するリソース使用管理手段とを備えることを特徴とする。
【0129】
これにより、各アプリケーションプログラムは、将来におけるリソースの使用を確実に行うこと、即ち将来のリソースの確保の保証を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態であるノンリニア編集システム1000のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ノンリニア編集システム1000のソフトウェア構成を示す図である。
【図3】リソース使用要求詳細情報2500の内容を示す図である。
【図4】リソース管理DB2020の内容を示す図である。
【図5】クライアントからリソース使用要求を受けた場合にリソースマネージャの行うリソース使用要求対応処理を示すフローチャートである。
【図6】クライアントがリソースを使用する場合のメッセージシーケンスの一例を示す図である。
【図7】クライアントがリソースを使用している際にキー情報の有効期限が切れた場合のメッセージシーケンスの一例を示す図である。
【図8】クライアント2100bがリソースを使用している間にクライアント2100aがリソース使用要求を行った場合のメッセージシーケンスの一例を示す図である。
【図9】クライアント2100bの使用に対応するキー情報の有効期限が延長される前後における現在リソース使用量と有効期限との関係を表す図である。
【図10】リソース使用に関するデータ転送帯域幅と有効期限との変化をユーザに通知するためのGUI画面の例を示す図である。
【図11】クライアント2100cがリソースを使用している間にクライアント2100bがリソース使用要求を行った場合のメッセージシーケンスの一例を示す図である。
【図12】リソースが解放されるまでの時間に関する情報をユーザに提示するためのGUI画面の例を示す図である。
【図13】第1変形例において、クライアント2100bがリソースを使用している間にクライアント2100aがリソース使用要求を行った場合のメッセージシーケンスの一例を示す図である。
【図14】クライアント2100bの現在リソース使用量と有効期限との関係を表す図である。
【図15】第2変形例におけるリソース管理DB2020中のリソース管理予定表の内容例を表現した図である。
【図16】ネットワーク上に分散しているリソースを1つのリソースマネージャによって一元管理するシステムの例を示す図である。
【図17】ディジタル映像再生録画装置におけるハードウェア資源と、デジタイザ機能が実行された場合のデータフローを示す図である。
【図18】編集機能が実行された場合のデータフローを示す図である。
【図19】デジタイザAPの起動後にエディタAPが起動された場合のメッセージシーケンスの一例を示す図である。
【図20】複数のリソースの一括確保が必要な場合に用いられるリソース使用要求詳細情報6500のデータ構造及び内容例を示したものである。
【図21】複数のリソースの使用要求に対応した直後のリソース管理DBの内容を示す図である。
【図22】リソース部分解放詳細情報6700のデータ構造及び内容例を示す図である。
【図23】デジタイザAPがプレビュー処理を停止した後にエディタAPが起動された状態でのリソース管理DBの内容を示す図である。
【図24】リソース追加取得詳細情報6800のデータ構造及び内容例を示す図である。
【符号の説明】
111 ハードディスク装置
112,113 CODEC
114 スイッチ
115 MIX回路
116 D/Aコンバータ
117 A/Dコンバータ
1000 ノンリニア編集システム
1010 CPU
1020 メモリ
1030 ユーザ入力受付装置
1040 PCIバス
1050 エフェクトボード
1051 映像入出力装置
1052 モニタ
1053 ディスプレイ
1060 SCSIボード
1061 ハードディスク装置
1070 ネットワークカード
2010 リソースマネージャ
2020 リソース管理DB
2100a〜2100m クライアント
2200a〜2200n サーバ
2300a〜2300n リソース
2500 リソース使用要求詳細情報
3100 リソース管理情報
3200 キー情報
5001 ノンリニア編集機
5002 リソース管理装置付ビデオサーバ
5003,5004 ネットワーク端末

Claims (13)

  1. 複数のアプリケーションプログラムによるリソースの使用の管理を行うリソース管理システムであって、
    リソースの使用の許容限界を示す限界情報と、アプリケーションプログラムに対して与えたリソースの使用権の分量を示す使用権情報とを記憶するリソース管理用情報データベースと、
    アプリケーションプログラムが必要とする最小限度のリソースの数量を示す最小要求量情報を含むリソースの使用要求を受け付けるリソース要求受付手段と、
    前記リソース要求受付手段を介して前記リソースの使用要求を受け付け、前記限界情報と前記使用権情報と前記最小要求量情報とに基づいて、前記最小要求量情報の示す数量以上の第1量の使用を許容できるか否かを判断し、使用を許容できる場合には、当該リソースの使用権を当該アプリケーションプログラムに与えるとともに、前記リソース管理用情報データベース中の使用権情報を、前記使用要求に対して前記第1量の使用権が付与されていることを示すよう更新するリソース使用管理手段とを備え、
    前記使用要求は、リソース取得の必要な程度を示す取得優先度情報と、取得後にリソースを使用継続することの必要な程度を示す使用継続優先度情報とを含んでおり、
    前記リソース要求受付手段は、取得優先度情報と使用継続優先度情報とを含むリソースの使用要求を受け付け、
    前記リソース使用管理手段は、前記リソース要求受付手段によりアプリケーションプログラムからのリソースの使用要求が受け付けられたときには、受け付けられた当該使用要求に含まれる取得優先度情報と、当該リソースについて既になされている他のアプリケーションプログラムによる使用要求に対応する前記リソース管理用情報データベース内の使用継続優先度情報とを比較し、当該リソースの使用を許容できるか否かを判断し、使用を許容できる場合には、当該リソースの使用権を当該アプリケーションプログラムに与えるとともに、受け付けられた当該使用要求に含まれる使用継続優先度情報を、前記リソース管理用情報データベースに格納する
    ことを特徴とするリソース管理システム。
  2. 前記使用要求は、アプリケーションプログラムが必要とする最大限度のリソースの数量を示す最大要求量情報を含んでおり、
    前記リソース要求受付手段は、前記最大要求量情報を含むリソースの使用要求を受け付け、
    前記リソース使用管理手段は、前記第1量を、前記最小要求量情報の示す数値以上で、前記最大要求量情報の示す数値以下の値とする
    ことを特徴とする請求項1記載のリソース管理システム。
  3. 前記使用要求は、リソースの使用を望む時間を示す有効期限情報を含んでおり、
    前記リソース要求受付手段は、前記有効期限情報を含むリソースの使用要求を受け付け、
    前記リソース使用管理手段は、当該リソースの使用を許容できる場合には、前記有効期限情報に基づき有効期限を定めて当該リソースの当該有効期限付きの使用権を当該アプリケーションプログラムに与える
    ことを特徴とする請求項1記載のリソース管理システム。
  4. 前記リソース使用管理手段は、時間経過を計測する計時部を有し、当該計時部を用いて、アプリケーションプログラムに使用権を付与した時からの前記有効期限の経過を計測し、当該有効期限の経過時に前記アプリケーションプログラムに対してリソース解放を要求する
    ことを特徴とする請求項3記載のリソース管理システム。
  5. 前記使用要求は、リソースの使用を望む時間を示す有効期限情報を含んでおり、
    前記リソース要求受付手段は、前記有効期限情報を含むリソースの使用要求を受け付け、
    前記リソース使用管理手段は、当該リソースの使用を許容できる場合には、前記有効期限情報に基づき有効期限を定めて当該リソースの当該有効期限付きの使用権を当該アプリケーションプログラムに与え、さらに、第2のアプリケーションプログラムからリソースについての第2の使用要求を受けた場合に、当該使用要求に含まれる取得優先度情報と、当該リソースについて既になされている第1のアプリケーションプログラムによる第1の使用要求に対応する前記リソース管理用情報データベース内の使用継続優先度情報とを比較して、前記第1の使用要求についてのリソースを必要とする程度の方が低いときには、前記第1のアプリケーションプログラムに対して付与している使用権の分量を低減させるとともに当該使用権についての有効期限を延長し、前記第2のアプリケーションプログラムに対して使用権を付与する
    ことを特徴とする請求項3記載のリソース管理システム。
  6. 前記リソース使用管理手段は、前記第2のアプリケーションプログラムから前記第2の使用要求を受けて、前記第1のアプリケーションプログラムに対して付与していた使用権の分量を低減させて第2のアプリケーションプログラムに対して使用権を付与した場合には、後に前記第2のアプリケーションプログラムによるリソースの使用が終了したときに、前記第1のアプリケーションプログラムに対して付与している使用権の分量を増大させる
    ことを特徴とする請求項5記載のリソース管理システム。
  7. 前記リソース使用管理手段は、前記第1のアプリケーションプログラムに対して付与している使用権の分量を低減させる際に、前記第1の使用要求に対応する前記リソース管理用情報データベース内の前記最小要求量情報の示す数値を限度として用いる
    ことを特徴とする請求項5記載のリソース管理システム。
  8. 前記リソース使用管理手段は、アプリケーションプログラムからリソースの使用要求を受けた場合に、当該リソースについて既に他のアプリケーションプログラムに使用権を付与しているために当該使用要求に対してリソースの使用を許容できないと判断した場合には、前記他のアプリケーションプログラムに付与している使用権に付された有効期限に基づいて有効期限が切れるまでの時間を示す情報を当該使用要求を行ったアプリケーションプログラムに通知する
    ことを特徴とする請求項3記載のリソース管理システム。
  9. 前記リソースはデータ転送経路として用いられるものであり、
    前記リソース使用管理手段によるアプリケーションプログラムに対しての使用権の付与は、前記リソース管理用情報データベース内の前記使用権情報中の、当該アプリケーションプログラムによる使用要求に対して割り当てた使用権の分量を示す現在使用量情報を、特定するためのIDを通知することにより行われ、
    前記アプリケーションプログラムは、通知された前記IDをサーバプログラムに通知することにより、当該サーバプログラムを介してリソースを使用してのデータ転送を行うクライアントプログラムであり、
    前記サーバプログラムは、前記アプリケーションプログラムから通知されたIDを用いて、前記リソース管理用情報データベース内に格納されている現在使用量情報を特定し、当該現在使用量情報を参照してこれに従った分量を使用してデータ転送を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のリソース管理システム。
  10. 前記リソースは、データ転送用のローカルバスであり、
    前記リソースの使用の許容限界及び使用権の分量は、データ転送帯域幅で表され、
    前記サーバプログラムは、前記現在使用量情報の示すデータ転送帯域幅でデータ転送を行う
    ことを特徴とする請求項9記載のリソース管理システム。
  11. 前記リソース要求受付手段は、リソースの使用開始時期と使用終了時期とを特定する使用期間情報を含むリソースの使用予約を受け付け、
    前記リソース管理用情報データベースは、アプリケーションプログラムに対して予約に応じて与えたリソースの使用権の分量を示す使用権情報及び当該予約に係る使用期間情報とを記憶し、
    前記リソース使用管理手段は、前記リソース要求受付手段を介してリソースの予約を受け付け、前記限界情報、前記使用権情報及び前記使用期間情報に基づいて、当該予約についての使用開始時期から使用終了時期までの間において予約されたリソースの使用を許容できるか否かを判断し、使用を許容できる場合には、当該使用開始時期になり次第、当該使用終了時期までの有効期限が付された使用権を予約元のアプリケーションプログラムに与えるとともに、前記使用権情報及び前記使用期間情報を、前記リソース管理用情報データベースに格納する
    ことを特徴とする請求項1記載のリソース管理システム。
  12. 複数のアプリケーションプログラムによるデータ転送用のリソースの使用管理を行うリソース管理処理をコンピュータに実行させるための制御プログラムを記録した記録媒体であって、
    前記リソース管理処理は、
    アプリケーションプログラムが必要とする最小限度のリソースの数量を示す最小要求量情報を含むリソースの使用要求を受け付けるリソース要求受付ステップと、
    前記リソース要求受付ステップによりリソースの使用要求が受け付けられると、リソースの使用の許容限界を示す限界情報と、アプリケーションプログラムに対して与えたリソースの使用権の分量を示す使用権情報とを記憶するリソース管理用情報データベースを参照し、前記限界情報と前記使用権情報と前記最小要求量情報とに基づいて、前記最小要求量情報の示す数量以上の第1量のリソースの使用を許容できるか否かを判断する使用許否判断ステップと、
    前記使用許否判断ステップによりリソースの使用を許容できると判断された場合に、当該リソースの使用権を当該アプリケーションプログラムに与えるとともに、前記リソース管理用情報データベース中の使用権情報を、前記使用要求に対して第1量の使用権が付与されていることを示すように更新するリソース使用管理ステップとを含み、
    前記使用要求は、リソース取得の必要な程度を示す取得優先度情報と、取得後にリソースを使用継続することの必要な程度を示す使用継続優先度情報とを含んでおり、
    前記リソース要求受付ステップは、取得優先度情報と使用継続優先度情報とを含むリソースの使用要求を受け付け、
    前記リソース使用管理ステップは、前記リソース要求受付ステップによりアプリケーションプログラムからのリソースの使用要求が受け付けられたときには、受け付けられた当該使用要求に含まれる取得優先度情報と、当該リソースについて既になされている他のアプリケーションプログラムによる使用要求に対応する前記リソース管理用情報データベース内の使用継続優先度情報とを比較し、当該リソースの使用を許容できるか否かを判断し、使用を許容できる場合には、当該リソースの使用権を当該アプリケーションプログラムに与えるとともに、受け付けられた当該使用要求に含まれる使用継続優先度情報を、前記リソース管理用情報データベースに格納する
    ことを特徴とする記録媒体。
  13. リソースの使用の許容限界を示す限界情報と、アプリケーションプログラムに対して与えたリソースの使用権の分量を示す使用権情報とを記憶するリソース管理用情報データベースを用いて、複数のアプリケーションプログラムによるリソースの使用の管理を行うためのリソース管理方法であって、

    アプリケーションプログラムが必要とする最小限度のリソースの数量を示す最小要求量情報を含むリソースの使用要求を受け付けるリソース要求受付ステップと、
    前記リソース要求受付ステップによりアプリケーションプログラムからの前記リソースの使用要求が受け付けられた場合に、前記限界情報と前記使用権情報と前記最小要求量情報とに基づいて、前記最小要求量情報の示す数量以上の第1量の使用を許容できるか否かを判断し、使用を許容できる場合には、当該リソースの使用権を当該アプリケーションプログラムに与えるとともに、前記リソース管理用情報データベース中の使用権情報を、前記使用要求に対して前記第1量の使用権が付与されていることを示すよう更新するリソース使用管理ステップとを含み、
    前記使用要求は、リソース取得の必要な程度を示す取得優先度情報と、取得後にリソースを使用継続することの必要な程度を示す使用継続優先度情報とを含んでおり、
    前記リソース要求受付ステップは、取得優先度情報と使用継続優先度情報とを含むリソースの使用要求を受け付け、
    前記リソース使用管理ステップは、前記リソース要求受付ステップによりアプリケーションプログラムからのリソースの使用要求が受け付けられたときには、受け付けられた当該使用要求に含まれる取得優先度情報と、当該リソースについて既になされている他のアプリケーションプログラムによる使用要求に対応する前記リソース管理用情報データベース内の使用継続優先度情報とを比較し、当該リソースの使用を許容できるか否かを判断し、使用を許容できる場合には、当該リソースの使用権を当該アプリケーションプログラムに与えるとともに、受け付けられた当該使用要求に含まれる使用継続優先度情報を、前記リソース管理用情報データベースに格納する
    ことを特徴とするリソース管理方法。
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