実施の形態1.
実施の形態1について図に基づいて説明する。図1は、情報処理装置を含むシステムの構成図である。ネットワーク11にコンテンツサーバ機器12、コンテンツクライアント機器13、サーバ・クライアント機器14が接続される。コンテンツサーバ機器12、コンテンツクライアント機器13、サーバ・クライアント機器14は、ネットワーク11を介した通信可能な通信手段を持つ。コンテンツサーバ機器12、コンテンツクライアント機器13、サーバ・クライアント機器14間で情報を伝送することができるように、これら機器の通信手段同士を接続し、ネットワーク11を構成する媒体(伝送媒体)としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線、光ファイバ回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。また、ここでは、ネットワーク11がローカルエリアネットワーク(ホームネットワーク)である場合について主に説明するが、ネットワークの種類は、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であってもよい。
ネットワーク11上に接続された複数の機器は、コンテンツサーバ機器(外部のサーバ)12 、コンテンツクライアント機器(外部のクライアント)13、および、本実施の形態に係るコンテンツのサーバ機能およびクライアント機能を備えた情報処理装置としてのサーバ・クライアント機器14を含んでいる。
コンテンツサーバ機器12は、動画、静止画、音楽などのコンテンツを蓄積しており、それをネットワークで接続された他のクライアントに送信する機器である。コンテンツクライアント機器13は、ネットワークで接続された他のサーバから動画、静止画、音楽などのコンテンツを受信(閲覧)し、受信したコンテンツを再生する機器である。サーバ・クライアント機器14は、サーバ機能およびクライアント機能の両方の機能を備える情報処理装置である。例えば映像コンテンツや音楽コンテンツなどのコンテンツを提供するサーバの機能とコンテンツを再生するクライアントの機能とを備える情報処理装置である。例えば、デジタル符号化した放送された映像音声信号を記録・再生・配信するデジタルレコーダー、デジタルテレビ、セットトップボックス等の情報処理装置である。
コンテンツがサーバ(コンテンツサーバ機器12またはサーバ・クライアント機器14のサーバ機能部)からクライアント(コンテンツクライアント機器13またはサーバ・クライアント機器14のクライアント機能部)へ配信される前に、コンテンツリストがサーバからクライアントへ配信される。コンテンツリストとは、サーバがクライアントに対して配信できる(送信できる)コンテンツを示す情報であり、例えば、配信可能なコンテンツの名称を並べて示すリスト形式で送信される。
図16は、実施の形態1における、サーバからクライアントへ送信されるコンテンツリストの一例である。コンテンツリストが動画のコンテンツのみを含む例である。この図のコンテンツリストには、4つの動画のコンテンツに関する情報が含まれている。各コンテンツに関して、コンテンツのタイトル171、コンテンツのデータサイズ172、コンテンツの作成日付173、コンテンツの提供元を示すアドレス(URL)174、コンテンツのビットレート175、コンテンツの解像度(サイズ)176、コンテンツの再生時間177、およびMPEG-2やMPEG-4などのコンテンツのタイプ(符号化形式)178の属性情報がコンテンツリストに含まれている。タイプ178は、符号化形式に関する情報に加えて、コンテンツのメディアタイプ(音楽、静止画、動画などのタイプ)に関する情報を含んでいてもよい。
なお、コンテンツリストは、ユーザがコンテンツを区別できるような情報を含むものであれば、図16に示した例に限定されるものではなく、例えば、タイトル171のみであってもよい。また、コンテンツリストには、図示した以外の情報、例えばジャンルを示すアイコンやプレビュー画像などが含まれていてもよい。
図17は、クライアントでコンテンツを再生するまでの、サーバとクライアントとの間の一般的なシーケンス図である。図17を用いて、クライアントでコンテンツを再生する一般的な動作について説明する。コンテンツが動画である場合について説明する。クライアント(コンテンツクライアント機器13またはサーバ・クライアント機器14のクライアント機能部)は、まずクライアントを利用している使用者からの入力操作を入力部が受け付け入力解析部で解析する。そして、解析の結果、その入力操作がコンテンツリストの取得を要求する操作であれば(S181)、それに対応する要求メッセージを送信メッセージ生成部で生成してサーバに送信する(S182)。
サーバ(コンテンツサーバ機器12またはサーバ・クライアント機器14のサーバ機能部)は、クライアントからコンテンツリストを要求するリクエストを受信メッセージ解析部で受信すると、それに対応するコンテンツリストをコンテンツリスト生成部で生成してクライアントに送信する(S183)。
クライアントは、サーバから送信されたコンテンツリストを受信すると、それを表示装置の表示画面に表示させる。使用者は、その表示されたリストの中から再生したいコンテンツを選択する選択操作を行った後、再生の開始操作をする(S184)。クライアントは、その選択操作および再生の開始操作を入力部で受け付け入力解析部で解析する。そして、クライアントは、解析結果に基づき、使用者によって選択されたコンテンツの取得を要求するリクエストを送信メッセージ生成部で生成してサーバに送信する(S185)。
サーバは、クライアントからコンテンツを要求するリクエストを受信すると、対応するコンテンツのデータを記憶部から読み出してクライアントに送信する(S186)。クライアントは、サーバから送信されたコンテンツのデータを受信しながら、そのコンテンツを表示装置の表示画面に表示させる(S187)。すなわち、クライアントは、コンテンツをストリーミング再生する。
以上が一般的な、コンテンツ再生までの、サーバとクライアントとの間における処理の流れである。
本実施の形態1に係るコンテンツのサーバ機能とクライアント機能との両方を備えた情報処理装置(サーバ・クライアント機器)について、図2〜 図10に基づいて説明する。サーバ機能は情報処理装置の製造元がプリインストールしたもの、クライアント機能は情報処理装置のユーザがダウンロード・インストールしたサードパーティー製のものを例に説明する。クライアント機能が情報処理装置の製造元がプリインストールしたもの、サーバ機能が情報処理装置のユーザがダウンロード・インストールしたサードパーティー製のものであってもよい。情報処理装置の上で同時に動作する機能としてサーバ機能、クライアント機能とは別の機能であってもよい。
図2は、本実施の形態に係るサーバ・クライアント機器のブロック図である。図2に示すように、本実施の形態に係るサーバ・クライアント機器14は、記憶部(コンテンツ蓄積部)21、クライアント機能部(クライアント部)22 、サーバ機能部(サーバ部)23、出力部24、通信部25、エンコーダ部26、デコーダ部(復号部)27、入力部28、および制御部29を備えている。
記憶部21は、コンテンツのデータを蓄積すると共に、操作画面のデータなどを記憶するためのものである。記憶部21は、コンテンツのデータと共に、コンテンツの一覧であるコンテンツリストのデータを予め蓄積するようになっていてもよく、コンテンツリストのデータを予め蓄積するようになっていなくてもよい。
クライアント機能部22は、他のサーバ機器(例えば図1のコンテンツサーバ機器12)から送信(配信)されたコンテンツおよびコンテンツリストのデータをローカルエリアネットワーク経由で受信するものである。また、クライアント機能部22は、受信した動画や静止画などのコンテンツおよびコンテンツリストのデータを表示装置(図示しない)に画像として表示させるために、受信したコンテンツおよびコンテンツリストのデータを表示装置へ出力する。表示装置は、サーバ・クライアント機器に内蔵されていてもよく、サーバ・クライアント機器の外部に配置されサーバ・クライアント機器に接続されていてもよい。また、クライアント機能部22は、受信した音声付き動画のコンテンツや音声のコンテンツなどをスピーカ(図示しない)から音声として出力させるために、受信したコンテンツのデータをスピーカへ出力する。
サーバ機能部23は、コンテンツおよびコンテンツリストのデータをローカルエリアネットワーク経由で外部のクライアント機器(例えば図1のコンテンツクライアント機器13)へ送信(配信)するものである。また、サーバ機能部23は、必要に応じて、コンテンツを、トランスコード(符号化形式やビットレートを変換)してから、外部のクライアント機器へ送信(配信)する。
出力部24は、クライアント機能部22から出力されたコンテンツおよびコンテンツリストのデータや、操作画面のデータなどを、内蔵あるいは外部の表示装置に対して出力するものである。
通信部25は、クライアント機能部22およびサーバ機能部23によるローカルエリアネットワークを介したデータの送受信を行うものである。すなわち、通信部25は、クライアント機能部22およびサーバ機能部23から送られたデータをローカルエリアネットワーク経由で外部の機器(サーバ機器やクライアント機器)へ送信すると共に、ローカルエリアネットワーク経由で外部の機器(サーバ機器やクライアント機器)からデータを受信しクライアント機能部22およびサーバ機能部23へ送る。
エンコーダ部26は、サーバ機能部23またはデコーダ部27から送られたコンテンツのデータをエンコードし、通信部25へ送るようになっている。
デコーダ部27は、クライアント機能部22から送られた符号化されたコンテンツのデータをデコード(復号)し、出力部24へ送るようになっている。また、デコーダ部27は、記憶部21から読み出されたコンテンツをトランスコードする場合には、コンテンツをデコード(復号)してエンコーダ部26へ送るようになっている。したがって、本実施の形態では、クライアント機能部22およびサーバ機能部23は、符号化されたコンテンツのデータをデコード(復号)するデコーダ部27を共用するようになっている。
入力部28は、使用者からの操作入力を受け付け、使用者からの操作入力を示す入力情報を出力するようになっている。
制御部29は、記憶部21、クライアント機能部(クライアント部)22、サーバ機能部(サーバ部)23、出力部24、通信部25、エンコーダ部26、デコーダ部(復号部)27、および入力部28を制御するものである。
図3は、サーバ・クライアント機器14のクライアント機能部22の内部構造を示した図である。クライアント機能部22は、図3に示すように、データ送受信部31、送信メッセージ生成部32、受信メッセージ解析部33、表示データ生成部35、入力解析部36、および制御部34を備えている。
データ送受信部31は、サーバ・クライアント機器14の各部(クライアント機能部22以外の部分)との間でデータを送受信する。送信メッセージ生成部32は、ローカルエリアネットワークで接続された外部のサーバ機器(図1のコンテンツサーバ機器12)に送信するメッセージを作成し、データ送受信部31および通信部25を介して外部のサーバ機器(図1のコンテンツサーバ機器12)へ送信する。
受信メッセージ解析部33は、外部のサーバ機器(図1のコンテンツサーバ機器12)から通信部25およびデータ送受信部31を介して受信したメッセージを解析する。表示データ生成部35は、出力部24を通じて表示装置に画像を表示させるための表示データを生成する。生成された表示データは、データ送受信部31から出力部24を通じて表示装置に出力され、表示装置に画像として表示される。
入力解析部36は、入力部28から出力された入力情報を解析し処理する。制御部34は、データ送受信部31、送信メッセージ生成部32、受信メッセージ解析部33、表示データ生成部35、入力解析部36を制御するものである。
クライアント機能部22は、使用者の入力操作に応じて、ネットワークで接続された他のサーバ機器からコンテンツリストを取得して表示装置に表示させたり、取得したコンテンツリストの中から使用者が選択したコンテンツを再生したりする機能を提供する。
図4は、サーバ・クライアント機器14のサーバ機能部23の内部構造を示した図である。サーバ機能部23は、図4に示すように、データ送受信部41、送信メッセージ生成部42、受信メッセージ解析部43、コンテンツリスト生成部45、および制御部44を備えている。
データ送受信部41は、サーバ・クライアント機器14の各部(サーバ機能部23以外の部分)との間でデータを送受信する。送信メッセージ生成部42は、ネットワークで接続された外部のクライアント機器(図1のコンテンツクライアント機器13)に送信するメッセージを生成し、データ送受信部41および通信部25を介して外部のクライアント機器(図1 のコンテンツクライアント機器13)へ送信する。
受信メッセージ解析部43は、外部のクライアント機器(図1のコンテンツクライアント機器13)から通信部25およびデータ送受信部41を介して受信したメッセージを解析する。
コンテンツリスト生成部45は、サーバ機能部23が外部のクライアント機器へ配信可能なコンテンツのリストを生成し、データ送受信部41および通信部25を介して外部のクライアント機器へ送信する。コンテンツリスト生成部45 は、記憶部21にコンテンツのデータと共に、コンテンツの一覧であるコンテンツリストのデータが予め蓄積されている場合には、記憶部21に予め蓄積されているコンテンツリストのデータを元に、外部のクライアント機器へ送信するコンテンツのリストを生成することができる。一方、記憶部21にコンテンツのデータと共に、コンテンツの一覧であるコンテンツリストのデータが予め蓄積されていない場合には、記憶部21に蓄積されているコンテンツを参照あるいは検索して動的にコンテンツリスト生成する。
制御部44は、データ送受信部41、送信メッセージ生成部42、受信メッセージ解析部43、コンテンツリスト生成部45を制御するものである。
次に、クライアント機能部22の動作を図5および図7に基づいて説明する。まず、図5において、サーバ・クライアント機器14の通信部25は、ネットワークで接続されたコンテンツサーバ機器12からデータを受信すると(S51)、受信したデータがサーバ機能部23宛てのデータかクライアント機能部22宛てのデータかを判定する(S52)。通信部25は、受信したデータがクライアント機能部22宛てであれば、受信したデータをクライアント機能部22へ送り、そのデータをクライアント機能部22で処理させる(S53)。通信部25は、受信したデータがサーバ機能部23宛てであれば、受信したデータをサーバ機能部23へ送り、そのデータをサーバ機能部23で処理させる(S54)。
次に、使用者から入力操作を受け付けたときのクライアント機能部22の動作の流れを図7に基づいて説明する。入力解析部36が、サーバ・クライアント機器14の入力部28に入力された使用者の入力操作を受け付けると(S71)、コンテンツリストに対する入力操作かコンテンツに対する入力操作かを判定する(S72)。
コンテンツリストに対する入力操作としては、コンテンツサーバ機器12からのコンテンツリストの取得や検索、コンテンツサーバ機器12から取得したコンテンツリスト中でのソート(コンテンツの並び順のソート)や詳細情報(コンテンツリスト中のコンテンツに関する情報であって、コンテンツリスト中に含まれる情報よりも詳細な情報)の表示などが挙げられる。コンテンツに対する入力操作としては、コンテンツサーバ機器12から配信されるコンテンツのデータの再生、停止、早送り、巻き戻しなどが挙げられる。
S72の判定において、使用者の入力操作がコンテンツに対する入力操作であると入力解析部36で判定された場合、その入力操作に対応するメッセージを送信メッセージ生成部32にて生成する(S73)。送信メッセージ生成部32にて生成されたメッセージは、データ送受信部31および通信部25によってコンテンツサーバ機器12へ送信される(S74)。コンテンツサーバ機器12は、S74の処理で送信されたメッセージを受信すると、そのメッセージに対応するコンテンツデータをサーバ・クライアント機器14へ送信する。
次いで、クライアント機能部22は、S74の処理で送信したメッセージに対応するコンテンツデータをコンテンツサーバ機器12から受信し、その後、図6のフローチャートに示す動作を行う。S72の判定において、使用者の入力操作がコンテンツリストに対する入力操作であると入力解析部36で判定された場合、その入力操作に対応するメッセージを送信メッセージ生成部32が生成する(S75)。そして、送信メッセージ生成部32が、生成したメッセージを、データ送受信部31および通信部25を通じてコンテンツサーバ機器12に送信する(S76)。コンテンツサーバ機器12は、S76の処理で送信されたメッセージを受信すると、そのメッセージに対応するコンテンツリストをサーバ・クライアント機器14へ送信する。
次いで、クライアント機能部22は、S76で送信したメッセージに対応するコンテンツリストをコンテンツサーバ機器12から受信し、その後は、図6のフローチャートに示す動作を行う。クライアント機能部22は、クライアント機能部22が送信したメッセージに対する、コンテンツサーバ機器12からの応答メッセージを受信すると(S61)、受信メッセージ解析部33にてそれがコンテンツであるかコンテンツリストであるかを判定する(S62)。
S62の判定において、受信したメッセージがコンテンツデータであると受信メッセージ解析部33にて判定された場合、クライアント機能部22は、デコーダ部27に利用開始要求を行う(S63)。デコーダ部27から利用可能応答が得られるか否か判断し、得られなかった場合は、コンテンツ再生処理を中止する(S64)。デコーダ部27から利用可能応答が得られた場合、クライアント機能部22は、受信メッセージ、すなわちコンテンツデータをデコーダ部27に送り、コンテンツデータをデコーダ部27でデコードさせる(S65)。次いで、サーバ・クライアント機器14は、デコードされたコンテンツデータを出力部24から表示装置に出力し、表示装置にコンテンツを表示(再生)させる(S66)。さらに、表示データ生成部35にて操作状況に応じた操作画面を生成し、出力部24から表示装置に出力し、表示装置に操作画面を表示させる。コンテンツ再生を終えると、デコーダ部27に利用終了通知を行う(S67)。
サードパーティーがクライアント機能部を作成する場合、ダウンロード先の情報処理装置との接続性を確保するために、情報処理装置内の各部とのやり取りは一般的(標準的、標準化)な方法に準拠することが考えられる。また、情報処理装置の製造元も同様である。例えば図6においては、クライアント機能部22からデコーダ部27への利用開始要求(S63)、クライアント機能部22からデコーダ部27への利用終了通知(S67)などが一般的な方法に準拠すると考えられる。
S62の判定において、受信メッセージがコンテンツリストであった場合、表示データ生成部35が、コンテンツリストを使用者に対して表示するためにコンテンツリストの表示画面のデータを生成し、出力部24から表示装置に出力させて表示装置に表示させる(S68)。以上が、クライアント機能部22に関する動作である。
次に、本実施の形態におけるサーバ機能部23の動作を図5および図8に基づいて説明する。サーバ機能部23は、サーバ・クライアント機器14とネットワークで接続されたコンテンツクライアント機器13からの要求に応じて、コンテンツクライアント機器13に対して配信可能なコンテンツのリストをコンテンツクライアント機器13へ送信したり、コンテンツをコンテンツクライアント機器13へ配信したりする。また、サーバ機能部23は、コンテンツの符号化形式の変換を実施しながら配信する機能、例えば、MPEG−2のデータをMPEG−4のデータにトランスコードしながら配信する機能などを有する。サーバ機能部23は、その他にも、コンテンツのビットレートの変換を実施しながら配信する機能、例えば、6Mbpsのビットレートのコンテンツを2Mbpsのビットレートにトランスコーディングしながら配信する機能などを有する。
まず、図5において、前述した通り、サーバ・クライアント機器14の通信部25は、ネットワークで接続されたコンテンツサーバ機器12からデータを受信すると(S51) 、受信したデータがサーバ機能部23宛てのデータかクライアント機能部22宛てのデータかを判定する(S52)。通信部25は、受信したデータがクライアント機能部22宛てであれば、受信したデータをクライアント機能部22へ送り、そのデータをクライアント機能部22で処理させる(S53)。通信部25は、受信したデータがサーバ機能部23宛てであれば、受信したデータをサーバ機能部23へ送り、そのデータをサーバ機能部23で処理させる(S54)。
次に、データを受信したときのサーバ機能部23の動作の流れを図8に基づいて説明する。以下の説明では、サーバ機能部23が前記のトランスコード配信を行う場合について述べる。サーバ機能部23は、コンテンツクライアント機器13 からデータ(相手機器からのリクエスト)を受信すると(S81)、受信したデータ(リクエスト)がコンテンツリストに対する送信要求(リクエスト)であるか、コンテンツに関する送信要求(リクエスト)であるかを受信メッセージ解析部43にて判定する(S82)。
受信したデータがコンテンツに関するリクエストであった場合、サーバ機能部23は、デコーダ部27に利用開始要求を行う(S83)。デコーダ部27から利用可能応答が得られるか否か判断し、得られなかった場合は、コンテンツ配信処理を中止する(S84)。デコーダ部27から利用可能応答が得られた場合、サーバ機能部23は、記憶部21から対応するコンテンツのデータを読み出し(S85)、デコーダ部27でデコード処理を、エンコーダ部26でエンコード処理を行うことによってトランスコードしながら(S86)、通信部25を通じてそのトランスコードされたデータをコンテンツクライアント機器13に送信する(S87)。コンテンツ配信を終えると、デコーダ部27に利用終了通知を行う(S88)。
サードパーティーがサーバ機能部を作成する場合、ダウンロード先の情報処理装置との接続性を確保するために、情報処理装置内の各部とのやり取りは一般的な方法に準拠することが考えられる。また、情報処理装置の製造元も同様である。例えば図8においては、サーバ機能部23からデコーダ部27への利用開始要求(S83)、サーバ機能部23からデコーダ部27への利用終了通知(S88)などが一般的な方法に準拠すると考えられる。
S82の判定において、受信したデータ(リクエスト)がコンテンツリストに対するリクエストであった場合、コンテンツリスト生成部45が、記憶部21を参照し、配信可能なコンテンツ(記憶部21に蓄積されているコンテンツ)の一覧であるコンテンツリストを記憶部21から取得する(S89)。そのコンテンツリストを含む送信メッセージを送信メッセージ生成部42が生成する(S8a)。データ送受信部41が、その送信メッセージを通信部25を通じてコンテンツクライアント機器13に送信する(S8b)。
次に本実施の形態におけるデコーダ部27の構成を図9に示す。デコーダ部27は、図9に示すように、データ受信部271、データ送信部272、デコード処理部273、リソース管理部274を備えている。リソース管理部274は、許容量情報274a(閾値情報)、使用量情報274b(パラメータ情報)を持つ。
データ受信部271は、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23からコンテンツデータを受信する。デコード処理部273は、データ受信部271が受け取ったコンテンツデータを復号する。データ送信部272は、デコード処理部273が復号した復号済みコンテンツデータを、クライアント機能部22に、あるいは更にエンコーダ部26を経由してサーバ機能部23に送信する。
リソース管理部274は、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23から利用開始要求、利用終了通知に基づいて動作する。許容量情報274aは、デコード処理部273の処理能力を示す情報である。使用量情報274bは、デコード処理部273の処理能力のうち、使用を許可した容量を示す情報である。例えば、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23に使用許可した容量を示す情報である。ここでは説明を簡単にするため、再生中、あるいはトランスコード配信中のコンテンツの数を情報として扱うものとし、許容量情報274aはコンテンツ数=1として説明する。
次に本実施の形態におけるデコーダ部27の動作を、図10を参照して説明する。クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23からの利用開始要求は、リソース管理部274が受信する(S911)。リソース管理部274は、許容量情報274aと使用量情報274bを参照して、使用量に利用開始要求された容量を加えても許容量を超えないか判断する(S912)。
S912によって、サードパーティー製機能が共用で用いる共用部(図10ではデコーダ部)のリソース管理部は、一般的(標準的)な方法である利用開始要求受信を用いて、自部(デコーダ部)に過負荷が発生するか否かを判断する使用量を更新している。つまり、許容処理能力を超えるか否かを判断している。
許容量を超えない場合は、使用量情報を更新する。利用開始要求された容量を使用量情報274bの一部として記憶し使用量情報を更新する。具体例としては、使用量情報に利用開始要求された容量を加えた値を更新後の使用量情報とする(S913)。
クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23に利用可能応答を送信する(S914)。以降、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23からのコンテンツデータを、データ受信部271で受信し、デコード処理部273で復号し、データ送信部272が復号済みコンテンツデータをクライアント機能部22に、あるいは更にエンコーダ部26を経由してサーバ機能部23に送信する(S918)。S912において許容量を超えてしまう場合は、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23に利用不可応答を送信する(S915)。
コンテンツの再生、あるいはトランスコード配信を終えたクライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23からの利用終了通知は、リソース管理部274が受信する(S916)。リソース管理部274は、使用量情報を更新する。S911で受信した利用開始要求された容量を使用量情報274bから削除し使用量情報を更新する。具体例としては、使用量情報に利用開始要求された容量を削除した値を更新後の使用量情報とする(S917)。
S917によって、サードパーティー製機能が共用で用いる共用部(図10ではデコーダ部)のリソース管理部は、一般的(標準的)な方法である利用終了通知受信を用いて、自部(デコーダ部)に過負荷が発生するか否かを判断する使用量を更新している。つまり、許容処理能力を超えるか否かを判断している。
上記、主にS911、S912、S913、S916、S917により、以下効果を得ることができる。情報処理装置の複数の機能(図10ではクライアント機能部とサーバ機能部)が共用で用いる共用部(図10ではデコーダ部)のリソース管理部は、複数の機能から共用部への信号(メッセージ、データ)を用いてリソース管理を実施する。一方、先行技術では複数の機能を管理する管理部が、複数の機能と外部機器との通信を監視し、リソース管理を実施する点において異なる。情報処理装置内の機能と外部機器との通信は、ネットワークを経由することもあり、暗号化される場合が多い。情報処理装置内の機能がサードパーティー製であれば、該暗号化がサードパーティー特有の場合もある。上記本実施の形態1の特徴により、サードパーティー製機能と外部機器との通信に特有の暗号化が施された場合であっても、サードパーティー製機能の処理方法を意識することなくリソース管理を実施することができる。これにより、情報処理装置にユーザがインストール可能なサードパーティー製の機能に制限を設ける必要がなくなる。
また、共用部のリソース管理部は、一般的(標準的)な方法である共用部への利用開始要求、利用終了通知の受信を用いて、自部(デコーダ部)に過負荷が発生するか否かを判断するためのパラメータ(使用量)を更新している。ここで一般的な方法とは、サードパーティー製の機能が、ダウンロード先の機器内の共用部と接続し動作するために必要な方法であり、広く知られた方法のことを示す。先行技術では、複数の機能を管理する管理部が、複数の機能と外部機器との通信を監視する。機能と外部機器との通信は、機能特有の方法が含まれる場合が多い。上記本実施の形態1の特徴により、サードパーティー製機能と外部機器との通信に特有の方法が含まれる場合であっても、サードパーティー製機能の処理方法を意識することなくリソース管理を実施することができる。これにより、情報処理装置にユーザがインストール可能なサードパーティー製の機能に制限を設ける必要がなくなる。
例えば初期状態においては、使用量情報274bはコンテンツ数=0である。ここで、サーバ機能部23が利用開始要求(例えば容量「1」)をすると、リソース管理部274は、使用量情報274bにコンテンツ数=1を記憶して、サーバ機能部23に利用可能応答する。サーバ機能部23は、図8のS85に進んでコンテンツのトランスコード配信を行う。
サーバ機能部23がトランスコード配信を続けている間に、クライアント機能部22が利用開始要求(例えば容量「1」)すると、リソース管理部274は、使用量情報274bのコンテンツ数=1に更に1コンテンツを加えると、許容量情報274aのコンテンツ数=1を超えると判断し(図10のS912)、クライアント機能部22に利用不可応答する。クライアント機能部22は、図6のS64から終了に進んで、コンテンツの再生を中止する。
サーバ機能部23がコンテンツのトランスコード配信を終了しデコーダ部27に利用終了通知すると、リソース管理部274は使用量情報274bに記憶したコンテンツ数=1を削除するので、使用量情報274bはコンテンツ数=0となる。
ここで、クライアント機能部22がふたたび利用開始要求すると、リソース管理部274は、使用量情報274bのコンテンツ数=0に1コンテンツを加えても、許容量情報274aのコンテンツ数=1を超えないと判断し、クライアント機能部22に利用可能応答する。今度は、クライアント機能部22は、図6のS65に進んで、コンテンツの再生を行う。
本実施の形態では、許容量情報274a、使用量情報274bをコンテンツ数として説明したが、復号するコンテンツの解像度、符号化形式の複雑度で重み付け加算してもよい。また、許容量情報274aはコンテンツ数=1として説明したが、同時複数デコード処理が可能なデコード処理部273を持つデコード部27であれば、それに応じた許容量情報274aになるのはもちろんである。
また、本実施の形態のサーバ機能部23は、図8のS83においてデコーダ部27に利用開始要求を行っているが、図8のS8aの直前において予めデコーダ部27に利用開始要求を行って、利用可能応答が得られた場合にはコンテンツリストにトランスコード配信可能な旨を示し、利用可能応答が得られなかった場合にはコンテンツリストにトランスコード配信可能な旨を示さないよう変更してから、送信メッセージを相手機器に送信してもよい。
同様に、本実施の形態のクライアント機能部22は、図6のS63においてデコーダ部27に利用開始要求を行っているが、図6のS68の直前において予めデコーダ部27に利用開始要求を行って、利用可能応答が得られた場合には、コンテンツリストに再生可能な旨を示し、利用可能応答が得られなかった場合にはコンテンツリストに再生不可能な旨を示すよう変更してから、コンテンツリストを出力して表示してもよい。
本実施の形態では、以下の効果を得ることができる。本実施の形態では、予め動作や性能を把握できないサードパーティー製の機能が製品出荷後にダウンロードされ用いられる場合であっても、サードパーティー製の機能との共用部分の過負荷発生を防ぐことが可能となる。情報処理装置が、コンテンツの再生やトランスコード配信が正常に行えないという問題を引き起こすことを防止できる。
本実施の形態は、サードパーティー製の機能に、情報処理装置特有の機能(共用部分の過負荷防止のための機能)を付加させる必要がない点において優れている。情報処理装置にダウンロード可能なサードパーティー製の製品(機能)として、過負荷防止機能を有するなどの制限を設ける必要がないため、情報処理装置のユーザにとってダウンロード可能な製品の選択の自由度が増すからである。本効果は、共用部のリソース管理部が、標準的な方法である利用開始要求と利用終了通知とを用いて自機能の使用量を管理していることにより得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2について図に基づいて説明する。情報処理装置を含むシステム構成図は、実施の形態1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する部分の説明は省略する。図2〜 図8に示す、本実施形態に係るサーバ・クライアント機器の内部構造、クライアント機能部・サーバ機能部の内部構造および動作は、実施の形態1と同じである。次に本実施の形態におけるデコーダ部27の構成を図11に示す。図11は、図9と類似している。異なる部分を中心に説明する。
デコーダ部27は、実施の形態1と同じく、データ受信部271、データ送信部272、デコード処理部273、リソース管理部274を備えている。リソース管理部274は、許容量情報274a、使用量情報274bを持つ。更に本実施の形態では、データ受信部271はデータ廃棄部(廃棄部)271aを持ち、データ送信部272は黒画生成部272a(擬似データ生成部)を持つ。
データ受信部271は、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23からコンテンツデータを受信する。データ受信部271は、リソース管理部274からコンテンツデータを廃棄するよう指示があった場合は、受信した当該コンテンツデータを、デコード処理部273に渡すことなく、データ破棄部271aで廃棄する。
データ送信部272は、リソース管理部274から黒画生成するよう指示があった場合は、デコード処理部273から復号済みコンテンツデータを受け取るのではなく、代わりに黒画生成部272aが生成する黒画データをクライアント機能部22に、あるいは更にエンコーダ部26を経由してサーバ機能部23に送信する。
次に本実施の形態におけるデコーダ部27の動作を、図12を参照して説明する。クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23からの利用開始要求は、リソース管理部274が受信する(S921)。リソース管理部274は、許容量情報274aと使用量情報274bを参照して、使用量に利用開始要求された容量を加えても許容量を超えないか判断する(S922)。
S922によって、サードパーティー製機能が共用で用いる共用部(図10ではデコーダ部)のリソース管理部は、一般的(標準的)な方法である利用開始要求受信を用いて、自部(デコーダ部)に過負荷が発生するか否かを判断するための使用量を更新している。つまり、許容処理能力を超えるか否かを判断している。
許容量を超えない場合は、使用量情報を更新する。利用開始要求された容量を使用量情報274bの一部として記憶し使用量情報を更新する。具体例としては、使用量情報に利用開始要求された容量を加えた値を更新後の使用量情報とする(S923)。クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23に利用可能応答を送信する(S924)。以降、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23からのコンテンツデータを、データ受信部271で受信し、デコード処理部273で復号し、データ送信部272が復号済みコンテンツデータをクライアント機能部22に、あるいは更にエンコーダ部26を経由してサーバ機能部23に送信する(S92d)。以上は実施の形態1と同様である。
S922において許容量を超えてしまう場合は、リソース管理部274は、この利用開始要求を擬似デコード対象として、使用量情報274bの一部として記憶し(S925)、データ受信部271に対してこの利用開始要求に関わるコンテンツデータを廃棄するよう指示、データ送信部272に対してこの利用開始要求に関して黒画生成するよう指示し(S926)、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23に利用可能応答を送信する(S927)。利用可能応答を送信することにより、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23が再生やトランスコード配信の動作を継続できるとの効果をえることができる。
コンテンツの再生、あるいはトランスコード配信を終えたクライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23からの利用終了通知は、リソース管理部274が受信する(S928)。リソース管理部274は、この利用終了通知が擬似デコード対象であるか判断する(S929)。S925において使用量情報の一部として記憶した擬似デコード対象であるか否か判断する。記憶した擬似デコード対象でなかった場合は、リソース管理部274は、使用量情報を更新する。S921で受信した利用開始要求された容量を使用量情報274bから削除し使用量情報を更新する。具体例としては、利用開始要求された容量を削除した値を更新後の使用量情報とする(S92a)。S92aによって、情報処理装置の中で、サードパーティー製機能が共用で用いる共用部(図10ではデコーダ部)のリソース管理部は、一般的(標準的)な方法である利用終了通知受信を用いて、自部(デコーダ部)に過負荷が発生するか否かを判断する使用量を更新している。つまり、許容処理能力を超えるか否かを判断している。
擬似デコード対象であった場合は、データ受信部271に対するコンテンツデータ廃棄の指示を解除、データ送信部272に対する黒画生成の指示を解除する(S92b)。S925において使用量情報の一部として記憶した擬似デコード対象の情報を使用量情報274bから削除する(S92c)。
例えば初期状態においては、使用量情報274bはコンテンツ数=0である。ここで、サーバ機能部23が利用開始要求をすると、リソース管理部274は、使用量情報274bにコンテンツ数=1を記憶して、サーバ機能部23に利用可能応答する。サーバ機能部23は、図8のS85に進んでコンテンツのトランスコード配信を行う。
サーバ機能部23がトランスコード配信を続けている間に、クライアント機能部22が利用開始要求すると、リソース管理部274は、使用量情報274bのコンテンツ数=1に更に1コンテンツを加えると、許容量情報274aのコンテンツ数=1を超えると判断し、これを擬似デコード対象として記憶するが、実施の形態1とは異なり、クライアント機能部22には利用可能応答する。クライアント機能部22は、図6のS65に進んで、コンテンツの再生を継続するよう動作する。デコーダ部27はこの利用開始要求を擬似デコード対象としたため、クライアント機能部22から渡されるコンテンツデータはデータ受信部271で廃棄され、データ送信部272は復号済みコンテンツデータに代えて、黒画データをクライアント機能部22に送信する。クライアント機能部22は、黒画データを出力部24から表示装置に出力し、表示装置に黒画を表示させる。
サーバ機能部23がコンテンツのトランスコード配信を終了しデコーダ部27に利用終了通知すると、リソース管理部274は使用量情報274bに記憶したコンテンツ数=1を削除するので、使用量情報274bはコンテンツ数=0となる。
ここで、クライアント機能部22がふたたび利用開始要求すると、リソース管理部274は、使用量情報274bのコンテンツ数=0に1コンテンツを加えても、許容量情報274aのコンテンツ数=1を超えないと判断し、クライアント機能部22に利用可能応答する。クライアント機能部22は、図6のS65に進んで、コンテンツの再生を行う。デコーダ部27はこの利用開始要求を擬似デコード対象としないため、クライアント機能部22から渡されるコンテンツデータはデータ受信部271を経由してデコード処理部273で復号され、データ送信部272は復号済みコンテンツデータをクライアント機能部22に送信する。クライアント機能部22は、復号済みコンテンツデータを出力部24から表示装置に出力し、表示装置にコンテンツを表示(再生)させる。
本実施の形態2では、実施の形態1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
本実施の形態では、共用部分であるデコーダ部への利用要求がその許容量を超える場合であっても、従来の一般的に構成されたクライアント部やサーバ部が、再生やトランスコード配信の動作を継続できる。
クライアント部やサーバ部が、情報処理装置の製造元とは異なるサードパーティー製のものである場合、実施の形態1においては、デコーダ部の利用可能応答が得られない時点で異常終了してしまい、ユーザに不快感を与えることも考えられる。しかし本実施形態では、デコーダ部の利用可能応答は得られるため、そのようなサードパーティー製のクライアント部やサーバ部であっても正常に動作を継続できる。
また、例えば、映像・音声を含むコンテンツデータを扱う場合、映像デコード許容量は超えるが音声デコード許容量は超えないケースであれば、クライアント部やサーバ部は正常に動作を継続させて、映像は黒画表示ながら、音声はコンテンツ再生(あるいはトランスコード配信)させるといった次善策をとることもできる。
実施の形態3.
実施の形態3について図に基づいて説明する。情報処理装置を含むシステム構成図は、実施の形態1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する部分の説明は省略する。図2〜 図8に示す、本実施形態に係るサーバ・クライアント機器の内部構造、クライアント機能部・サーバ機能部の内部構造および動作は、実施の形態1と同じである。図2〜 図8に示す、本実施形態に係るサーバ・クライアント機器の内部構造、クライアント機能部・サーバ機能部の内部構造および動作は、実施の形態1、実施の形態2と同じである。
次に本実施の形態におけるデコーダ部27の構成は、実施の形態1の図11と同様である。本実施の形態における使用量情報274bの構成を図13に示す。使用量情報274bとして、各々の利用要求(利用開始要求)について、利用要求識別274b1、優先度274b2、使用量274b3、擬似デコード対象か否かを示すフラグ274b4を管理する。優先度274b2は、その利用要求に対してデコード処理能力を割り当てるべき優先度を示す情報である。本実施の形態では、情報処理装置の製造元がプリインストールするサーバ部からの利用要求を高優先(High)、ユーザがダウンロード・インストールするサードパーティー製のクライアント部からの利用要求を一般レベルの低優先(Low)とする。情報処理装置の製造元は、自らプリインストールするサーバ機能部23やクライアント機能部22であれば、高優先(High)の利用開始要求を送信させることは容易に可能となる。
また、優先度274b2は、情報処理装置のユーザが入力部28経由で設定可能としてもよい。その場合、利用要求識別274b1毎に優先度274b2を設定するとしてもよい。例えば図5のS52の判断にて利用要求識別を判断し、利用要求の優先度274b2をユーザが設定した優先度に設定する。
次に本実施の形態におけるデコーダ部27の動作を、図14、図15を参照して説明する。デコーダ部27が、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23から利用開始要求を受けた時の動作を、図14を参照して説明する。クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23からの利用開始要求は、リソース管理部274が受信する(S931)。リソース管理部274は、許容量情報274aと使用量情報274bを参照して、擬似デコード対象外である利用要求の使用量の合計に利用開始要求された容量を加えても許容量を超えないか判断する(S932)。
S932によって、サードパーティー製機能が共用で用いる共用部(図10ではデコーダ部)のリソース管理部は、一般的(標準的)な方法である利用開始要求受信を用いて、自部(デコーダ部)に過負荷が発生するか否かを判断するための使用量を更新している。つまり、許容処理能力を超えるか否かを判断している。
許容量を超えない場合は、使用量情報を更新する。図13に示す使用量情報274bに、この新規の利用開始要求を擬似デコード対象ではないものとして登録する(S933)。利用開始要求された容量を使用量情報274bの一部として記憶し使用量情報を更新する。具体例としては、使用量情報に利用開始要求された容量を加えた値を更新後の使用量情報とする(S933)。あるいは、使用量情報に利用開始要求された容量を加えた値をテンポラリーの値として記憶し判定に用い、その後判定時に更新してもよい。クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23に利用可能応答を送信する(S934)。優先度274b2は利用開始要求の高優先(High)/低優先(Low)に従い、使用量274b3は利用開始要求された容量、擬似デコード対象か否かを示すフラグ274b4は“No“として登録される。以降、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23からのコンテンツデータを、データ受信部271で受信し、デコード処理部273で復号し、データ送信部272が復号済みコンテンツデータをクライアント機能部22に、あるいは更にエンコーダ部26を経由してサーバ機能部23に送信する。
S932において許容量を超えてしまう場合、リソース管理部274は、使用量情報274bに登録済みの擬似デコード対象でない利用要求のうち、この新規の利用開始要求よりも優先度が低いことを条件として、擬似デコード対象に変更しうる候補を検索し(S935)、その結果候補があるかを判断する(S936)。
S936において候補がない場合は、図13に示す使用量情報274bに、この新規の利用開始要求を擬似デコード対象として登録し(S937)、データ受信部271に対してこの利用開始要求に関わるコンテンツデータを廃棄するよう指示、データ送信部272に対してこの利用開始要求に関して黒画生成するよう指示し(S938)、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23に利用可能応答を送信する(S939)。優先度274b2は利用開始要求の高優先(High)/低優先(Low)に従い、使用量274b3は利用開始要求された容量、擬似デコード対象か否かを示すフラグ274b4は“Yes“として登録される。
S936において候補があった場合は、当該候補を擬似デコード対象に変更する(S93a)。具体的には、図13に示す使用量情報274bに登録済みの当該候補の情報について、擬似デコード対象か否かを示すフラグ274b4を“No”から“Yes“に変更する。そして、データ受信部271に対してこの当該候補の利用要求に関わるコンテンツデータを廃棄するよう指示、データ送信部272に対してこの当該候補の利用要求に関して黒画生成するよう指示する(S93b)。S93aで擬似デコード対象に変更した利用要求の使用量の分だけ、デコード対象外である利用要求の使用量の合計も減っているので、リソース管理部274は、改めてS932にて、擬似デコード対象外である利用要求の使用量の合計に利用開始要求された容量を加えても許容量を超えないか判断し、結果に従ってS933、あるいはS935に進む。S935では、既に候補とした利用要求は除いて、前記の条件に合致する擬似デコード対象化候補を検索する。そして検索結果に従ってS937、あるいはS93aに進む。以降は既に述べた動作である。
次に、デコーダ部27が、クライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23から利用終了通知を受けた時の動作を、図15を参照して説明する。コンテンツの再生、あるいはトランスコード配信を終えたクライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23からの利用終了通知は、リソース管理部274が受信する(S941)。リソース管理部274は、この利用終了通知が擬似デコード対象の利用要求に関するものであるかを判断する(S942)。具体的には、図13に示す使用量情報274bで、この利用終了通知が対象とする利用要求を見つけ、その擬似デコード対象か否かを示すフラグ274b4を確認する。擬似デコード対象でなかった場合は、図13に示す使用量情報274bから、この利用終了通知が対象とする利用要求を削除する、つまり使用量情報を更新する(S944)。擬似デコード対象であった場合は、データ受信部271に対してこの利用要求に関するコンテンツデータ廃棄の指示を解除、データ送信部272に対してこの利用要求に関する黒画生成の指示を解除した上で(S943)、図13に示す使用量情報274bから、この利用終了通知が対象とする利用要求を削除する、つまり使用量情報を更新する(S944)。
S944で登録削除した利用要求の使用量の分だけ、デコード対象外である利用要求の使用量の合計も減っているので、次に、リソース管理部274は、使用量情報274bに登録済みの擬似デコード対象である利用要求のうち、優先度の順に従って擬似デコード対象外に変更しうる候補を検索し(S945)、その結果候補があるかを判断する(S946)。
S946において候補があった場合は、許容量情報274aと使用量情報274bを参照して、擬似デコード対象外である利用要求の使用量の合計に、当該候補の利用要求の使用量を加えても許容量を超えないか判断する(S947)。許容量を超えない場合は、当該候補を擬似デコード対象外に変更する(S948)。具体的には、図13に示す使用量情報274bに登録済みの当該候補の情報について、擬似デコード対象か否かを示すフラグ274b4を“Yes”から“No“に変更する。許容量を超える場合は、リソース管理部274は、S945のステップに戻って、既に候補とした利用要求は除いて、前記の条件に合致する擬似デコード非対象化候補を検索する。S946において候補があれば、当該候補についてS947〜S949を繰り返し、S946において候補がなくなったら終了する。
そして、データ受信部271に対してこの当該候補の利用要求に関わるコンテンツデータを廃棄する指示を解除、データ送信部272に対してこの当該候補の利用要求に関して黒画生成する指示を解除する(S949)。
リソース管理部274は、S945のステップに戻って、既に候補とした利用要求は除いて、前記の条件に合致する擬似デコード非対象化候補を検索する。S946において候補があれば、当該候補についてS947〜S949を繰り返し、S946において候補がなくなったら終了する。
例えば初期状態においては、図13に示す使用量情報274bには利用要求が登録されていない。従って、擬似デコード対象外である利用要求の使用量の合計もコンテンツ数=0である。ここで、サードパーティー製のクライアント機能部22が低優先(Low)の利用開始要求を行うと、リソース管理部274は、擬似デコード対象外の使用量合計(コンテンツ数=0)に利用開始要求された容量(1コンテンツ)を加えても、許容量情報274aのコンテンツ数=1を超えないと判断し、使用量情報274bに、利用要求(識別:クライアント1、優先度:Low、使用量:1コンテンツ、擬似デコード対象:“No”)を新規登録し、クライアント機能部22に利用可能応答する。クライアント機能部22は、図6のS65に進んで、コンテンツの再生を継続する。デコーダ部27はこの利用開始要求を擬似デコード非対象としており、クライアント機能部22から渡されるコンテンツデータは、データ受信部271から、デコード処理部273で復号され、データ送信部272が復号済みコンテンツデータをクライアント機能部22に送信する。クライアント機能部22は、復号されたコンテンツデータを出力部24から表示装置に出力し、表示装置にコンテンツを表示(再生)させる。
クライアント機能部22がコンテンツ再生を続けている間に、情報処理装置の製造元がプリインストールしたサーバ機能部23が高優先(High)の利用開始要求を行うと、リソース管理部274は、擬似デコード対象外の使用量合計(コンテンツ数=1)に利用開始要求された容量(1コンテンツ)を加えると、許容量情報274aのコンテンツ数=1を超えると判断する。その結果、使用量情報274bに登録済みの擬似デコード対象でない利用要求で、この新規の利用開始要求よりも優先度が低い利用要求(識別:クライアント1、優先度:Low、使用量:1コンテンツ、擬似デコード対象:“No”)を擬似デコード対象化候補として見出し、擬似デコード対象に変更する。((識別:クライアント1、優先度:Low、使用量:1コンテンツ、擬似デコード対象:“Yes”)に変更する)。これ以降、クライアント機能部22から渡されるコンテンツデータはデータ受信部271で廃棄され、データ送信部272は復号済みコンテンツデータに代えて、黒画データをクライアント機能部22に送信する。クライアント機能部22は、黒画データを出力部24から表示装置に出力し、表示装置に黒画を表示させる。
再度、リソース管理部274は、擬似デコード対象外の使用量合計(今度はコンテンツ数=0)に利用開始要求された容量(1コンテンツ)を加えても、許容量情報274aのコンテンツ数=1を超えないと判断し、使用量情報274bに、利用要求(識別:サーバ2、優先度:High、使用量:1コンテンツ、擬似デコード対象:“No”)を新規登録し、サーバ機能部23に利用可能応答する。サーバ機能部23は、図8のS85に進んでコンテンツのトランスコード配信を行う。
クライアント機能部22が黒画表示をし、サーバ機能部23がトランスコード配信を続けている間に、クライアント機能部22が利用終了通知を行うと、リソース管理部274は、データ廃棄・黒画生成の指示を解除した上で、対象の利用要求(識別:クライアント1、優先度:Low、使用量:1コンテンツ、擬似デコード対象:“Yes”)を使用量情報274bから削除する。使用量情報274bには擬似デコード対象である利用要求はこれ以上ないので、擬似デコード非対象化候補なしとして、リソース管理部274は終了する。
ここで、再びクライアント機能部22が低優先(Low)の利用開始要求を行うと、リソース管理部274は、擬似デコード対象外の使用量合計(コンテンツ数=1)に利用開始要求された容量(1コンテンツ)を加えると、許容量情報274aのコンテンツ数=1を超えると判断する。その結果、擬似デコード対象化候補を検索するが、使用量情報274bに登録済みの擬似デコード対象でない利用要求(識別:サーバ2、優先度:High、使用量:1コンテンツ、擬似デコード対象:“No”)は、この新規の利用開始要求の優先度(Low)よりも優先度が高い(High)ため候補はみつからない。従って、擬似デコード非対象化候補なしとして、リソース管理部274は、使用量情報274bに利用要求(識別:クライアント1、優先度:Low、使用量:1コンテンツ、擬似デコード対象:“Yes”)を新規登録し、クライアント機能部22に利用可能応答する。クライアント機能部22は、図6のS65に進んで、コンテンツの再生を継続する。デコーダ部27はこの利用開始要求を擬似デコード対象としたので、クライアント機能部22から渡されるコンテンツデータは、データ受信部271で廃棄され、データ送信部272は復号済みコンテンツデータに代えて、黒画データをクライアント機能部22に送信する。クライアント機能部22は、黒画データを出力部24から表示装置に出力し、表示装置に黒画を表示させる。
クライアント機能部22が黒画表示をしていて、サーバ機能部23がコンテンツのトランスコード配信を終了しデコーダ部27に利用終了通知すると、リソース管理部274は、対象の利用要求(識別:サーバ2、優先度:High、使用量:1コンテンツ、擬似デコード対象:“No”)を使用量情報274bから削除する。リソース管理部274は次に、擬似デコード非対象化候補を検索する。使用量情報274bに登録済みの擬似デコード対象である利用要求(識別:クライアント1、優先度:Low、使用量:1コンテンツ、擬似デコード対象:“Yes”)は、擬似デコード非対象化候補になる。リソース管理部274は、擬似デコード対象外の使用量合計(コンテンツ数=0)に、擬似デコード非対象化候補の使用量(1コンテンツ)を加えても、許容量情報274aのコンテンツ数=1を超えないと判断し、この候補を擬似デコード対象外に変更する。((識別:クライアント1、優先度:Low、使用量:1コンテンツ、擬似デコード対象:“No”)に変更する)。これ以降、クライアント機能部22から渡されるコンテンツデータは、データ受信部271から、デコード処理部273で復号され、データ送信部272が復号済みコンテンツデータをクライアント機能部22に送信する。クライアント機能部22は、復号されたコンテンツデータを出力部24から表示装置に出力し、表示装置にコンテンツを表示(再生)させる。
実施の形態3では、実施の形態1、実施の形態2の効果に加えて以下の効果を得ることができる。本実施の形態では、共用部分であるデコーダ部の処理能力を、より優先度の高いサーバ機能、あるいはクライアント機能に割り付けることができる。しかも、従来の一般的に構成されたクライアント部やサーバ部に、再生やトランスコード配信の動作を継続させたまま、共用部分の処理能力の割付を変更できる。
なお、以上に説明した実施の形態1、2、および3においては、サーバ機能としてトランスコード配信機能を例示したが、サーバ機能としてトランスコード録画機能であっても全く同様に説明できる。
また、以上に説明した実施の形態1、2、および3においては、サーバ部とクライアント部が共用する共用部分として、デコーダ部を例示したが、通信回線帯域や通信回路(例えば図2の25)などの共用部分に用いることができる。その場合、通信部25がクライアント機能部22、あるいはサーバ機能部23からの利用開始要求、利用終了通知に基づいて動作すればよい。使用量情報は、コネクション数やビットレートでカウントする。また、黒画像データ生成は、ダミーデータを生成する、などして応用できる。