JP4376471B2 - 軌陸式作業車用渡し板 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軌陸式作業車を踏切以外の箇所で鉄道線路に乗り入れるための軌陸式作業車用渡し板に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、軌陸式作業車のレール走行車輪を鉄道線路のレール上に載せ置くための渡し板は、線路とほぼ等しい高さの上面を有する断面略Π形の硬質樹脂製のものがある。この渡し板はレールと交差する方向に側方からレール間に複数並べ置かれる。軌陸作業車の陸上走行用車輪は側部の渡し板からレール間の渡し板へ移動してレールを越える。そして、作業車がレール間を跨ぐ位置まで移動したら、ジャッキング装置で作業車の向きを９０度変えて軌道走行車輪をレール上に載せ置く。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の渡し板は、十分な強度を持たせるために厚みのある硬質樹脂を隙間なく一体成型するので、重量が大きく、運搬、設置等の取り扱いが容易でない。この種の渡し板においては、設置場所である線路内に枕木やバラストなどの凹凸があるため、荷重が均等にかかり難いので、堅牢でなければならないし、屋外での使用のため、耐久性、耐候性などの物理的強度を要し、軽量化の妨げになっているという問題がある。
そこで、本発明は、必要な強度を備えつつ、軽量化を図り、取り扱いを容易にした軌陸式作業車用渡し板を提供することを課題としている。
【０００４】
【課題を解決する手段】
上記課題を解決するため、本発明においては、軌陸式作業車を鉄道線路内へレールＲと交差する方向に乗り入れるために、グレーチング２の底部に角パイプ３を板面に沿って固定してグレーチング２の上面がレールＲとほぼ等しい高さ位置を成すものとし、また角パイプ３とグレーチング２との固定部において角パイプ３内に角パイプ３と直交方向の補強パイプ７を嵌合させ、これらを一体に固定して、作業車の車輪Ｗが乗り上がる際にかかる荷重に対して補強するように軌陸式作業車用渡し板１を構成した。
【０００５】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図面を参照して説明する。
図１において、軌陸式作業車用渡し板１は、鉄道線路内のレールＲ，Ｒ間に設置されてレールＲを乗り越えるように作業車を渡すものである。この渡し板１は、図２乃至図４に示すように、グレーチング２と、その下部に固定された角パイプ３とから構成される。グレーチング２はＦＲＰ製で、縦板２ａ，２ａが多数交差した格子状を成す。グレーチング２は所定の寸法（本実施形態ではレールＲ，Ｒ間を二つの渡し板１で渡すために必要な寸法）の直方体状を成した市販のものを適用する。
【０００６】
角パイプ３はグレーチング２の底部に板面に沿って平行に固定されている。角パイプ３の両端部は当て板金具４、ボルト５、ナット６で固定される。当て板金具４はグレーチング２の同方向に隣り合う縦板２ａ，２ａの上部に跨るようになっている。当て板金具４は角パイプ３を上下に貫通するボルト５が挿通され、ナット６で締め付けて止められる。この角パイプ３の固定部の内側には、立方体状の補強パイプ７が嵌合している。ボルト５は角パイプ３に補強パイプ７もろとも貫通する。渡し板１の高さはレールＲの高さとほぼ等しいが、安全性等を考慮してわずかに低くなっている。
【０００７】
図１に示すように、渡し板１の下部には硬質スポンジマット８が敷かれて、局部的に荷重がかかるのを防止している。
【０００８】
レールＲの外側には、渡し台９が地面に載置されている。この渡し台９は、渡し板１と同様にしてグレーチング２と、その下部に固定された角パイプ３とから構成されている。そして、渡し台９の下部には硬質スポンジマット８が敷かれる。渡し台９の前後側部には取っ手９ａが夫々設けられている。
【０００９】
渡し台９の外側には、調整材１０が設置される。この調整材１０は作業車の車輪Ｗを渡し台９上に乗り上げるために適宜地面に置かれ、渡し台９への移行を容易にするものである。この調整材１０は、角材で必要長さに応じて横方向に適宜複数固定される。
【００１０】
この軌陸式作業車用渡し板１は、レールＲ，Ｒ間に敷かれた硬質スポンジ製マット８の上に載せ置く。また、レールＲ，Ｒの外側に硬質スポンジ製マット８を敷いてその上に渡し台９を置くと共に、さらに外側に必要な調整材１０を並べ置く。作業車をレールＲと直交方向に線路内へ進入させていくと、その前輪Ｗが調整材１０及び渡し台９上を転動し、レールＲを乗り越えて渡し板１に円滑に移行する。さらに前輪Ｗが渡し板１の上を走行して他側のレールＲを円滑に乗り越える。作業車の重心位置をほぼレールＲの中間部に配置してから付設又は別体のターンテーブルにより作業車をジャッキアップした後水平に９０度回転させてレールＲ上にレール走行車輪を載せ置く。軌陸式作業車用渡し板１はグレーチング２を構成の主体としているので、軽量で、運搬、設置などの取り扱いが容易であるし、角パイプ３と共に大重量に耐えうる物理的強度を有する。車輪ＷがレールＲを乗り越えて渡し板１に移行する際に渡し板１に横方向の荷重がかかるが補強パイプ７により物理的に補強されているので、容易に破損することがない。
【００１１】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、重量が小さく、運搬、設置等の取り扱いが容易であり、地面の凹凸によって荷重が部分的にかかっても破損することがない耐久性、耐候性を備えた物理的強度を有するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る軌陸式作業車用渡し板の設置状態の正面図である。
【図２】軌陸式作業車用渡し板の平面図である。
【図３】図２のIII−III線断面図である。
【図４】図２のIV−IV線断面図である。
【図５】渡し台の平面図である。
【図６】渡し台の正面図である。
【符号の説明】
１ 軌陸式作業車用渡し板
２ グレーチング
３ 角パイプ
４ 当て板金具
５ ボルト
６ ナット
７ 補強パイプ
８ 硬質スポンジマット
９ 渡し台
１０ 調整材
Ｒ レール

Claims (1)

1. 軌陸式作業車を鉄道線路内へレールと交差する方向に乗り入れるために、レール間に配置される渡し板であって、
   前記渡し板をグレーチングで構成し、
   前記グレーチングの底部に板面に沿って角パイプを固定して、グレーチングの上面がレールとほぼ等しい高さを成し、前記角パイプとグレーチングとの固定部に角パイプと直交方向の補強パイプを角パイプ内に嵌合させ一体に固定して、前記作業車の車輪が乗り上がる際にかかる荷重に対して補強することを特徴とする軌陸式作業車用渡し板。

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