JP4376344B2 - 凹凸外観を有するパイル編地の製造方法 - Google Patents
凹凸外観を有するパイル編地の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な外観と風合いを有するパイル編地の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パイル編地のパイル面の外観に変化を与える方法としては、パイル編地のパイルの長さを変えたり、パイル面に起毛を施したり、蒸気をあてたりするなど特別な加工手段で編地に手を加える方法があったが、これらは古くから実施されてきた方法で新規な表面感を与えるものではなかった。一方最近のトレンドとして編地の外観変化が強く求められ、平坦な表面から不均一な凹凸のある外観が求められてきた。従来編地の表面を凹凸にする方法として、編機上でパイルをカットしても粒状のパイル編地を得る方法もあったが、凹凸は均一で不規則な凹凸を有するパイル編地でなく、求められる新規性のあるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な現状に鑑みて行われたもので、従来にない不規則な粒状の凹凸外観を有するパイル編地の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するもので、パイル用糸条として、イソフタル酸と2.2−ビス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパンとを共重合したコポリエステルと、ポリエチレンテレフタレートとをサイドバイサイド型に組み合わせて複合紡糸することにより得た潜在捲縮性フィラメント糸と、ポリエチレンテレフタレートからなる非潜在捲縮性フィラメント糸との複合糸を用いて、編み上がり時のパイルの高さが3mm以上であるパイル編地を編成し、潜在捲縮性フィラメント糸の捲縮を発現させる100℃以上の熱水処理を含む仕上げ加工を施すことを特徴とする、パイルの高さ、径及び並び方が不規則な粒状の凹凸外観を有するパイル編地の製造方法を要旨とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、パイルを形成するパイル用糸条として、潜在捲縮性フィラメント糸と非潜在捲縮性フィラメント糸の複合糸を用いる。複合糸の一構成要素である潜在捲縮性フィラメント糸とは、熱処理により潜在化していた捲縮が発現するフィラメントからなる糸条であって、沸騰水にて30分間処理した後の捲縮率が30%以上である捲縮を発現する潜在捲縮性能を有するものであるのが好ましい。本発明における捲縮率は、次の方法で測定されるものである。まず、1/10g/デニールの張力下で、枠に10回巻いて輪になった糸条を1/6000g/デニールの荷重下で30分放置した後、この状態を維持したまま沸騰水中に入れ、30分間放置する。沸騰水から取り出した後、24時間標準状態にて風乾し、1/500g/デニールの荷重をかけて長さaを測定、次に荷重を外し、1/200g/デニールの荷重をかけてその長さbを測定し、次式により算出する。
捲縮率(%)=〔(b−a)/b〕×100
【0006】
このような潜在捲縮性フィラメントは、互いに相溶性がある2つの熱収縮特性の異なるポリマーをサイドバイサイド型や偏心芯鞘型に組み合わせて複合紡糸することにより得ることができる。潜在捲縮性フィラメントがポリエステル系繊維の場合には、重合度の異なる2種のポリエチレンテレフタレートを組み合わて用いたり、エチレンテレフタレート単位に対して、イソフタール酸を共重合したコポリエステル、イソフタール酸と2.2−ビス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパンを共重合したコポリエステル、スルホイソフタール酸を共重合したコポリエステル等の共重合ポリエステルとポリエチレンテレフタレートとの組み合わせで複合紡糸したフィラメントを用いることができる。
【0007】
本発明における非潜在捲縮性フィラメント糸は、前記の捲縮率が0であるか、数値として出ても5%以下の糸条である。このようなフィラメント糸としては、通常のポリエステルやナイロン等の合成繊維のフィラメント糸が挙げられる。 本発明における複合糸は、潜在捲縮性フィラメント糸と非潜在捲縮性フィラメント糸とをインターレース加工にて交絡させたり、合撚したり,一方を芯にして他方でカバリングしたりして得る。
【0008】
本発明では、シンカーパイル編機やダブルニット編機等のパイルを形成する編機で、上記の複合糸がパイル用糸条として用いて、ループパイルやカットパイルを形成したパイル編地を編成する。本発明の特徴を顕著に発現できるのは、ループパイルの場合であり、編み上がり時のパイルの高さが3mm以上であるのが好ましい。
【0009】
本発明において、グランドを編成する糸条としては、特に限定するものではなく、パイルを形成させる複合糸、潜在捲縮フィラメント糸, 非潜在捲縮フィラメント糸、仮撚加工糸等の糸条のうちいずれの糸条を用いてもよい。
本発明においては、上記のようにして得たパイル編地に、潜在捲縮性フィラメント糸の捲縮を発現させる熱処理工程を含む仕上げ加工を施す。仕上げ加工において、パイルのシャーリングを行う場合には、この熱処理工程の前に行う。潜在捲縮性フィラメント糸の捲縮を発現させる熱処理工程としては、100℃以上の熱水で処理するのが好ましく、染色加工を行う場合には、染色工程と同時に行ってもよい。この熱処理工程において、潜在捲縮性フィラメント糸が捲縮を発現するときに、片端がフリーとなったパイルが丸まるが、非潜在捲縮性フィラメント糸と複合されているため、均一に丸まらずに不規則な粒状の凹凸のあるパイル面を形成する。このようにして出来上がったパイル編地は、パイルの高さ、径及び並び方が不規則で粒状の凹凸を有した外観を呈している。
【0010】
【作用】
本発明のパイル編地は、潜在捲縮性フィラメントと他の熱可塑性マルチフィラメントの複合糸で構成されているために編地の熱処理工程において、潜在捲縮性フィラメントがスパイラル捲縮形態をとろうとして、応力が発生しこのために片端がフリーとなったパイルが丸まる時、非潜在捲縮性フィラメント糸による抵抗のため均一に丸まらずパイル面に不規則な粒状の凹凸を発現し、凹凸外観を有するパイル面を得ることができる。
【0011】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明する。実施例における編地の評価は下記の方法によって行った。
実施例1
パイル用糸条として、イソフタル酸8モル%と2.2−ビス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン5モル%とを共重合した極限粘度〔η〕0.05の共重合ポリエステルを第一成分、極限粘度〔η〕0.68のポリエチレンテレフタレートを第二成分として複合比1:1で複合紡糸、延伸して得たサイドバイトサイド型の潜在捲縮性フィラメント糸100デニール/24フィラメントと、極限粘度〔η〕0.68のポリエチレンテレフタレートからなる非潜在捲縮性フィラメント糸75デニール/36フィラメントをインターレース混繊した複合糸を用い、グランド部分には、ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルフィラメント糸150デニール/48フィラメントの仮撚加工糸を用いて、福原精機株式会社製丸編機(LCP30”×22G)にてパイル高さが4mmのカットパイルを形成したパイル編地を編成した。得られた編地を130℃×60分の染色加工を含む通常のポリエステルの染色仕上げ加工を施し、パイルの高さ、径及び並び方が不規則な粒状の凹凸外観を有する本発明によるパイル編地を得た。
【0012】
比較例1
実施例1において、潜在捲縮性フィラメント糸に代えて、ポリエチレンテレフタレートからなる非潜在捲縮性フィラメント糸100デニール/24フィラメントを用いること以外は実施例1と同様にして比較例のパイル編地を得た。得られた編地のパイルは、均一な立毛状の外観のパイルであり不規則な粒状の凹凸のパイル表面は構成しなかった。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、スプリング状の捲縮にさらに、複雑でかつ細かな捲縮形状を呈する複合糸でパイル編地のパイル面を構成するので、パイルの高さ、径及び並び方が不規則な粒状の凹凸外観を有し、新規な凹凸の手触り感を有するパイル編地をえることができる。
Claims (2)
- パイル用糸条として、イソフタル酸と2.2−ビス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパンとを共重合したコポリエステルと、ポリエチレンテレフタレートとをサイドバイサイド型に組み合わせて複合紡糸することにより得た潜在捲縮性フィラメント糸と、ポリエチレンテレフタレートからなる非潜在捲縮性フィラメント糸との複合糸を用いて、編み上がり時のパイルの高さが3mm以上であるパイル編地を編成し、潜在捲縮性フィラメント糸の捲縮を発現させる100℃以上の熱水処理を含む仕上げ加工を施すことを特徴とする、パイルの高さ、径及び並び方が不規則な粒状の凹凸外観を有するパイル編地の製造方法。
- 捲縮を発現させる熱処理を施すまでに、カットパイルを形成させる請求項1記載の凹凸外観を有するパイル編地の製造方法。
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