JP4375539B2 - オフセット補償回路、電動機制御装置、およびオフセット補償方法 - Google Patents

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本発明は、電動機の制御などに用いられる電流検出器に関し、特に電流検出器のオフセット補償方法に関する。
一般に、電動機制御において電流フィードバック信号を得るために電流検出器が用いられる。また、電流検出器の出力信号は、電動機に全く電流が流れていない状態においても検出されるオフセットを含んでいる。このオフセットは、電動機トルクに対して、電気角に依存して変化する脈動分を発生させるので、電気角の1回転に対して1回のトルクリップルが発生する原因となる。そのため、電動機を高精度でフィードバック制御するには、電流検出器の出力信号からオフセットを取り除くことが必要である。そして、従来からオフセットを取り除いた電動機の制御装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、従来の電動機制御装置の構成を示す概略回路図である。図5を参照すると、電動機制御装置は、整流回路102、平滑コンデンサ103、逆変換回路104、速度検出器106、電流検出器109、増幅器112、PWM制御部114、マイクロプロセッサ115、およびA/D変換器116を有し、電動機105を制御している。マイクロプロセッサ115は、速度検出部107、速度制御部108、電流制御部113、電流制御切替部117、オフセット記憶手段118、およびオフセット補正手段119を含み、処理演算を行う。
整流回路102は商用電源101の出力を整流する。平滑コンデンサ103は整流回路102の出力を平滑する。逆変換回路104は、例えば、ベース電流をPWM制御部114により制御されるトランジスタで構成されたインバータであり、PWM制御部114からの制御信号を逆変換する。電動機105は、本電動機制御装置の制御対象である。
速度検出器106は電動機105の回転速度を検出し、回転速度に応じた信号を出力する。速度検出部107は、速度検出器106から出力された信号を、回転速度を示す速度信号ωrに変換する。速度制御部108は、外部からの速度指令信号ωr*と、速度検出部107からの速度信号ωrとを受け、電動機105を所望の回転速度に制御するための電流指令信号I*を生成する。
電流検出器109は、電動機105に流れる交流電流を検出する。増幅器112は、電流検出器109で検出された交流電流を増幅する。A/D変換器116は、電流検出器109より検出され、増幅器112で増幅されたアナログの電流値をディジタル量に変換する。
電流制御切替手段117は、電動機105に流れる電流が零相当か否かを判定し、接続を切り替える。電流制御切替手段117は、電流が零相当であれば接続をb側に切り替え、零相当でなければa側に切り替える。オフセット記憶手段118は、電流制御切替手段117が接続をb側に切り替えると、A/D変換器116からのディジタル電流値をオフセット値Iとして記憶する。また、オフセット記憶手段118は、電流制御切替手段117が接続をa側に切り替えると(すなわち電動機運転中は)、記憶しておいたオフセット値Iをオフセット補正手段119に送る。オフセット補正手段119は、電流切替手段117が電動機運転時と判定して接続をa側に切り替えると、A/D変換器116よりのディジタル電流値I’からオフセット値Iを差し引きし、電流フィードバック信号Iとして電流制御器113に送る。
電流制御部113は、速度制御部108からの電流指令信号I*と、オフセット補正手段119からの電流フィードバック信号Iとを受け、電動機105を制御する電圧指令信号V*を生成する。PWM制御部114は、電流制御部113からの電圧指令信号V*を受け、逆変換回路104をベースドライブして電動機105をPWM制御する。
図6は、図5に示した従来の電動機制御装置の動作を示すフローチャートである。先ず、電源投入またはリセットにより図6に示されたフローチャートの処理が開始される。処理が開始されると、電流検出器109が電動機105に流れる交流電流を検出する。このとき検出されるのはオフセットであり、このオフセットが増幅器112で増幅され、A/D変換器116でディジタル変換されてオフセット値Iとなる。電源投入後またはリセット後は、電流制御切替手段117はb側に接続しており、オフセット値Iはマイクロプロセッサ115のオフセット記憶手段118に記憶される(ステップ50)。
次に、マイクロプロセッサ115の電流制御切替手段117は、起動信号がONされたか否か判定する(ステップ51)。起動信号のON/OFFは、電動機105に流れる電流が零相当か否かを示す。起動信号がONのとき電動機105には電流が流れており、軌道信号がOFFのとき電動機105に流れる電流が零相当である。
ステップ51の判定で起動信号がONされていなければステップ50に戻り、オフセット値Iの記憶を繰り返す。起動信号がONされていると電流切替手段117は電動機運転時であることを認識し、接続をa側に切り替える。そして、オフセット補正手段119は、A/D変換器116よりのディジタル電流値I’から、オフセット記憶手段118に記憶されている最新のオフセット値Iを差し引きし、電流フィードバック信号Iを得る(ステップ52)。
次に、電流制御部113が、電流フィードバック信号Iと電流指令信号I*を比較して電流制御を行い、電圧指令信号V*を生成する(ステップ53)。その電圧指令信号V*をPWM制御部114が受けて、逆変換回路104をベースドライブし、電動機105をPWM制御する。
そして、その後ステップ51の判定に戻る。起動信号がONのままであれば、ステップ52および53の処理が繰り返され、電動機の制御が行われる。また、起動信号がOFFになれば、ステップ50の処理が行われ、オフセット値Iが記憶される。
特開昭63−274398号公報
通常、電流検出器から出力される信号には、残留磁気による影響でヒステリシス特性が現れる。しかし、図5に構成が示され、図6に動作が示された従来の電動機制御装置で用いられている電流検出器では、このヒステリシス特性が考慮されていなかったため、正確な電流検出が行われていなかった。また、その電流検出器を用いたオフセット補償方法では、オフセット値に誤差が含まれていたため、正確なオフセット補償ができなかった。そして、その方法を用いた電動機制御装置は、正確な電流制御ができなかった。
本発明の目的は、ヒステリシス特性による影響を受けず、正確に電流検出のオフセットを補償するオフセット補償方法および回路と、正確な電流制御が可能な電動機制御装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のオフセット補償方法は、対象回路に流れる電流を検出する電流検出器において生じるオフセットを補償するためのオフセット補償方法であって、
所定の第1の電流を前記対象回路に一旦流した後に止め、前記電流検出器で検出された電流値を第1の検出値として記録する第1のステップと、
前記第1の電流と絶対値が同じで符号が逆の第2の電流を前記対象回路に一旦流した後に止め、前記電流検出器で検出された電流値を第2の検出値として記録する第2のステップと、
前記第1の検出値と前記第2の検出値の平均をとってオフセット値を求める第3のステップと、
前記対象回路に流れる電流として前記電流検出器で検出された電流値から前記オフセット値を差し引く第4のステップとを有している。
したがって、本発明によれば、電流検出器において、互いに反転した2つの電流を流して測定したオフセットの平均をとることにより、残留磁気によるヒステリシス特性の影響が取り除かれる。
また、前記第1のステップにおいて、前記第1の電流を前記対象回路に一旦流した後に止めて前記電流検出器により電流値を検出することを所定数繰り返すことにより得られた複数の電流値の平均値を前記第1の検出値とし、
前記第2のステップにおいて、前記第2の電流を前記対象回路に一旦流した後に止めて前記電流検出器で電流値を検出することを所定数繰り返すことにより得られた複数の電流値の平均値を前記第2の検出値とすることとしてもよい。
したがって、複数回繰り返し測定した平均をとることにより、電流値およびそれに含まれるヒステリシスによる影響を精度良く検出し、オフセット補償の精度を上げることができる。
また、前記第1のステップにおいて、前記第1の電流を止めてから所定時間経過した後に前記電流検出器で電流値を検出し、
前記第2のステップにおいて、前記第2の電流を止めてから所定時間経過した後に前記電流検出器で電流値を検出することとしてもよい。
したがって、第1または第2の電流を止めてから所定時間経過した後に電流検出器で検出される電流値を用いるので、オフセット値と残留磁気によるヒステリシス特性とを正確に検出することができる。
また、前記対象回路に電流を流し始めようとするとき、前記対象回路に電流を流さずに前記電流検出器で検出した第3の検出値を用いて前記オフセット値を補正することとしてもよい。
したがって、ヒステリシス特性の影響を除去して精度の高いオフセット補償を可能としつつ、対象回路に電流を流し始めようとするときのオフセット値の更新に、ヒステリシス特性の影響を除去するための処理が不要である。
また、記録しておいた前記第1または第2の検出値と、新たに測定した前記第3の検出値との関係に基づいて、前記第3の検出値が前記第1の検出値または前記第2の検出値のいずれか大きい方よりも大きければ、その大きい方の値と前記第3の検出値との差分を前記オフセット値に加算し、前記第3の検出値が前記第1の検出値または前記第2の検出値のいずれか小さい方よりも小さければ、前記第3の検出値とその小さい方との差分を前記オフセット値から減算して、前記オフセット値の時間的変化を補正することとしてもよい。
また、前記第3の検出値の所定数分の平均値をオフセットの補償に用いることとしてもよい。
したがって、オフセット値のばらつきを抑えることができる。
また、前記電流検出器による電流検出にローパスフィルタを用いることとしてもよい。
本発明のオフセット補償回路は、対象回路に流れる電流を検出する電流検出回路のオフセットを補償するオフセット補償回路であって、
所定の第1の電流が前記対象回路に一旦流れて止まった状態で前記電流検出器によって検出される電流値を第1の検出値として記録する第1の記憶手段と、
前記第1の電流と絶対値が同じで符号が逆の第2の電流が前記対象回路に一旦流れて止まった状態で前記電流検出器によって検出される電流値を第2の検出値として記録する第2の記憶手段と、
前記第1の検出値と前記第2の検出値の平均をとってオフセット値を求める平均化手段と、
前記対象回路に流れる電流として前記電流検出器で検出された電流値から前記オフセット値を差し引く減算器とを有している。
また、前記第1の記憶手段は、前記第1の電流が前記対象回路に一旦流れた後に止まり前記電流検出器が電流値を検出することが所定数繰り返されることにより得られた複数の電流値の平均値を前記第1の検出値とし、
前記第2の記憶手段は、前記第2の電流が前記対象回路に一旦流れた後に止まり前記電流検出器が電流値を検出することが所定数繰り返されることにより得られた複数の電流値の平均値を前記第2の検出値とすることとしてもよい。
また、前記第1の記憶手段は、前記第1の電流が止まってから所定時間経過した後に前記電流検出器で検出される電流値を前記第1の検出値とし、
前記第2の記憶手段は、前記第2の電流が止まってから所定時間経過した後に前記電流検出器で検出される電流値を前記第2の検出値とすることとしてもよい。
また、前記対象回路に電流を流し始めようとするとき、前記対象回路に電流を流さずに前記電流検出器で検出した第3の検出値を用いて前記オフセット値を更新する補正更新手段をさらに有することとしてもよい。
また、前記補正更新手段は、前記第1の記憶手段に記録しておいた前記第1の検出値、または前記第2の記憶手段に記録しておいた前記第2の検出値と、新たに測定した前記第3の検出値との関係に基づいて、前記第3の検出値が前記第1の検出値または前記第2の検出値のいずれか大きい方よりも大きければ、その大きい方の値と前記第3の検出値との差分を前記オフセット値に加算し、前記第3の検出値が前記第1の検出値または前記第2の検出値のいずれか小さい方よりも小さければ、前記第3の検出値とその小さい方との差分を前記オフセット値から減算して、前記オフセット値の時間的変化を補正することとしてもよい。
また、前記第3の検出値の所定数分の平均値をオフセットの補償に用いることとしてもよい。
また、前記電流検出器による電流検出がローパスフィルタを用いて行われるものであってもよい。
本発明の電動機制御装置は、電動機に流れる電流を検出して電流指令にフィードバックすることにより前記電動機を制御する電動機制御装置であって、
前記電動機に流れる電流を検出する電流検出器と、
前記電動機に所定の第1の電流が一旦流れた後に止まると、その状態で前記電流検出器で検出される電流値を第1の検出値として記憶し、前記電動機に前記第1の電流値と絶対値が同じで符号が逆の第2の電流が一旦流れた後に止まると、その状態で前記電流検出器で検出される電流値を第2の検出値として記憶し、前記第1の検出値と前記第2の検出値の平均をとって求めたオフセット値を求め、その後に検出される電流値から該オフセット値を差し引くことによりオフセット補償を行う電流補正器と、
前記電動機に前記第1の電流を一旦流した後に止め、前記電流補正器に前記第1の検出値が記録されると、該電動機に前記第2の電流を一旦流した後に止め、該電流補正器に前記第2の検出値が記録されると、該電流補正器によりオフセット補償された電流値を前記電流指令にフィードバックして前記電動機を制御する電流制御部とを有している。
したがって、電流補正器が、互いに反転した2つの電流を電動機に流して測定したオフセットの平均をとることにより、残留磁気によるヒステリシス特性の影響を取り除いた正確なオフセット補償を行うので、電流制御部が正確に検出された電流値をフィードバックすることができる。
また、前記電流制御部は、前記第1の電流または前記第2の電流を前記電動機に一旦流した後に止めることを所定数繰り返し、
前記電流補正器は、前記所定数の電流値の平均値を前記第1の検出値または前記第2の検出値とすることとしてもよい。
また、前記電流補正器は、前記第1の電流が止まってから所定時間経過した後に前記電流検出器で検出される電流値を記憶することとしてもよい。
また、前記電動機の運転を開始する際に前記オフセット値を求めることとしてもよい。
また、前記電動機の停止中に前記オフセット値を求めることとしてもよい。
また、前記電流補正器は、前記電動機に電流を流し始めようとするとき、前記電動機に電流を流さずに前記電流検出器で検出した第3の検出値を用いて前記オフセット値を補正することとしてもよい。
また、前記電流補正器は、記録しておいた前記第1または第2の検出値と、新たに測定した前記第3の検出値との関係に基づいて、前記第3の検出値が前記第1の検出値または前記第2の検出値のいずれか大きい方よりも大きければ、その大きい方の値と前記第3の検出値との差分を前記オフセット値に加算し、前記第3の検出値が前記第1の検出値または前記第2の検出値のいずれか小さい方よりも小さければ、前記第3の検出値とその小さい方との差分を前記オフセット値から減算して、前記オフセット値の時間的変化を補正することとしてもよい。
また、前記第3の検出値の所定数分の平均値をオフセットの補償に用いることとしてもよい。
また、前記電流検出器は、電流検出にローパスフィルタを用いることとしてもよい。
本発明によれば、電流検出器において、互いに反転した2つの電流を流して測定したオフセットの平均をとることにより、残留磁気によるヒステリシス特性の影響が取り除かれるので、正確な電流検出が可能である。
また、複数回繰り返し測定した平均をとることにより、電流値およびそれに含まれるヒステリシスによる影響を精度良く検出し、オフセット補償の精度を上げることができるので、さらに正確な電流検出が可能である。
また、第1または第2の電流を止めてから所定時間経過した後に電流検出器で検出される電流値を用いるので、オフセット値と残留磁気によるヒステリシス特性とを正確に検出することができ、ヒステリシスの影響が正確に除去され、かつ正確に検出されたオフセット値を得ることができる。
また、ヒステリシス特性の影響を除去して精度の高いオフセット補償を可能としつつ、対象回路に電流を流し始めようとするときのオフセット値の更新に、ヒステリシス特性の影響を除去するための処理が不要なので、短時間で精度の高いオフセット値を決定することができ、開始指令が入力されてから通常の動作に移行するまでの時間が短縮される。
また、オフセット値のばらつきを抑え、より精度の高いオフセット補償を行うことができる。
また、電流補正器が、互いに反転した2つの電流を電動機に流して測定したオフセットの平均をとることにより、残留磁気によるヒステリシス特性の影響を取り除いた正確なオフセット補償を行うので、電流制御部が正確に検出された電流値をフィードバックすることができ、正確な電流制御を行うことができる。
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の電動機制御装置の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、電動機制御装置は、コンバータ2、平滑コンデンサ3、逆変換回路4、電流検出器6A,6B,6C、速度検出器7、電流補正器8、座標変換器9A,9B、減算器10,12A,12B、速度制御部11、電流制御部13、励磁電流設定器14、PWMパルス演算器15、正弦波発振器16、および積分器17を有し、電動機5を制御している。電流制御部13にはトルク電流制御部13Aと励磁電流制御部13Bが含まれている。電動機5は本電動機制御装置の制御対象である。そして、電動機5を流れる電流が電流検出器6A,6B,6Cの検出対象である。
コンバータ2は、3相の交流電源(R,S,T)1に接続されており、その出力を整流する。平滑コンデンサ3は、コンバータ2に接続されており、その出力を平滑する。
インバータ4は、例えば、PWMパルス演算器15の出力によりベース電流を制御されるトランジスタで構成されており、PWMパルス演算器15の出力を逆変換する。それにより、平滑コンデンサ3の両端の直流電圧が、PWMパルス演算器15の出力により制御された3相の交流電圧に変換され、電動機5に供給される。
電流検出器6AはU相の電流Iuを検出する。電流検出器6BはV相の電流Ivを検出する。電流検出器6CはW相の電流Iwを検出する。電流検出器6A,6B,6Cで検出された各相の検出電流Iu,Iv,Iwは電流補正器8によってオフセット補償され、帰還電流Iu,Iv,Iwとして座標変換器9Aに供給される。
座標変換器9Aは、3相の帰還電流Iu,Iv,Iwを回転磁界座標系における励磁電流フィードバックIdおよびトルク電流フィードバックIqに変換する。座標変換器9Aによる変換は式(1)に従って行われる。
Figure 0004375539

なお、θについては後述する。
速度検出器7は、電動機5の速度信号(実速度)ωrを検出して減算器10にフィードバックする。
減算器10は、速度指令信号ωr*と速度信号ωrの偏差をとって速度制御部11に送る。なお、ここで*印の付与されている信号は「指令信号」を意味している。
速度制御部11は、減算器10から与えられた偏差を零とするような、すなわち速度指令ωr*と実速度ωrを一致させるようなトルク電流指令信号Iq*を求め、減算器12Aに送る。減算器12Aは、座標変換器9Aからのトルク電流フィードバック信号Iqと、速度制御部11からのトルク電流指令信号Iq*の偏差を求め、トルク電流制御部13Aに送る。
励磁電流設定器14は、所定の励磁電流値が設定されており、その設定値を励磁電流指令信号Id*として減算器12Bに送る。減算器12Bは、励磁電流設定器14からの励磁電流指令信号Id*と、座標変換器9Aからの励磁電流フィードバック信号Idとの偏差を求め、励磁電流制御部13Bに送る。
トルク電流制御部13Aおよび励磁電流制御部13Bは、それぞれ減算器12Aおよび減算器12Bからの偏差信号に従って、回転磁界座標系における電圧指令信号Vq*およびVd*を生成し、座標変換器9Bに送る。
座標変換器9Bは、電圧指令信号Vq*,Vd*を電動機5の固定子座標系における3相交流出力電圧指令信号Vu*,Vv*,Vw*に変換し、PWMパルス演算器15に送る。座標変換器9Bによる変換は式(2)に従って行われる。
Figure 0004375539

なお、θについては後述する。
PWMパルス演算器15は、これら3相交流出力電圧指令信号Vu*,Vv*,Vw*を搬送波信号と比較してパルス幅変調信号に変換する。このパルス幅変調信号は、図示していないパルス増幅器を介して点弧信号となり、トランジスタのベース電流としてインバータ4をスイッチング制御する。これにより平滑コンデンサ3の両端の直流電圧が3相の交流電圧に変換される。
積分器17は、1次角周波数指令信号ω1*を積分し位相θを求める。なお、1次角周波数指令信号ω1*は、速度検出器7で検出された電動機5の速度信号(実速度)ωrとすべり周波数指令ωs*(不図示)の和(ω1*=ωr+ωs*)である。すべり周波数指令ωs*は、トルク電流指令Iq*、励磁電流指令Id*、および2次抵抗r2(不図示)から定まる。
正弦波発振器16は、位相θから正弦波信号sinθおよび余弦波信号cosθを求め、座標変換器9A,9Bに送る。
なお、図1では、電動機5により発生する誘起電圧E、1次抵抗r1や、漏れインダクタンスlによる逆起電力の電圧を補償する回路は省略されている。
図2は、図1に示された電流補正器における1相分(U相)の構成を示す図である。図2を参照すると、電流補正器8は、U相に対応して電流制御切替部20、オフセット記憶部21,22、平均化部23、および減算器24を有している。
電流制御切替部20は、そのときの運転状態によりa側、b側、またはc側に接続を切り替える。運転開始直後の初期運転状態では、異なる2つの位相θ(0度、180度)におけるオフセット値をオフセット記憶部21,22にそれぞれ記憶させるために、電流制御切替部20は必要に応じてb側およびc側に接続を切り替える。また、オフセット値の記憶が完了し、通常運転状態に移った後は、電流制御切替部20はa側に接続を切り替える。
オフセット記憶部21は、初期運転状態において、位相θが0度のときのオフセット値を記憶する。オフセット記憶部22は、初期運転状態において、位相θが180度のときのオフセット値を記憶する。
平均化部23は、初期運転状態において、オフセット記憶部21,22に記憶された2つのオフセット値の平均を求めて電流オフセット調整値Iuとして記憶し、通常運転状態において、その電流オフセット調整値Iuを減算器24に送る。
減算器24は、通常運転状態において、電流検出器6Aによって検出され、電流制御切替部20のa側を介して与えられるU相の電流Iuから、平均化部23よりの電流オフセット調整値Iuを減算し、帰還電流Iuを求めて座標変換器9Aに送る。
電流補正器8は、V相およびW相の各々に対応して図2と同じ構成を有しており、帰還電流Iuと同様に帰還電流Iv,Iwを求め、座標変換器9Aに送る。
図3は、図1に示された電動機制御装置の動作を示すフローチャートである。本実施形態の電動機制御装置は、運転指令を受けると初期運転状態となり、その後に通常運転状態となる。
電流補正器8の電流制御切替部20は、現在の運転状態が初期運転状態か、通常運転状態かを判定する(ステップ30)。
新規の運転指令を受けていなければ、電流制御切替部20は通常運転状態と判定し、接続をa側に切り替える。そして、減算器24は、電流検出器6A,6B,6Cで検出された各相の電流Iu、Iv、Iwから、平均化部23に記憶されている各相の電流オフセット調整値Iu、Iv、Iwを減算し、帰還電流Iu,Iv,Iwを求めるようにする(ステップ31)。
次に、座標変換器9Aは、帰還電流Iu,Iv,Iwを、励磁電流フィードバック信号Idおよびトルク電流フィードバック信号Iqに変換する。励磁電流制御部13Bは、減算器12Bによって求められた、励磁電流指令信号Id*と励磁電流フィードバック信号Idの偏差信号にしたがい、電圧指令信号Vd*を生成し、座標変換器9Bに送る。トルク電流制御部13Aは、減算器12Aによって求められた、トルク電流指令信号Iq*とトルク電流フィードバック信号Iqの偏差信号にしたがい、電圧指令信号Vq*を生成し、座標変換器9Bに送る。これにより、トルク電流指令信号Iq*とトルク電流フィードバック信号Iqの比較、および励磁電流指令信号Id*と励磁電流フィードバック信号Idの比較による電流制御が行われる(ステップ32)。なお、電流補正器8にて得られる電流オフセット調整値Iu、Iv、Iwは、電流検出系(電流検出器6A,6B,6C)のヒステリシス特性による誤差が相殺され、温度変動によるドリフト量を正確に調整する値となっている。
停止した状態から運転指令を受けると、電流制御切替部20は、ステップ30の判定において、初期運転状態と判定する。初期運転状態となると、まず初めに、ステップ31と同様の動作が行われる。すなわち、まず、電流制御切替部20が接続をa側に切り替える。そして、減算器24は、電流検出器6A,6B,6Cで検出された各相の電流Iu、Iv、Iwから、平均化部23に記憶されている各相の電流オフセット調整値Iu、Iv、Iwを減算し、帰還電流Iu,Iv,Iwを求めるようにする(ステップ33)。
その帰還電流Iu,Iv,Iwが座標変換器9Aに供給される。
この状態で、積分器17が0度に設定されることにより位相θが0度となる。さらに、速度制御部11はその出力を零にし、励磁電流設定器14は設定値を所定値にする。これらの設定により電流制御が行われる(ステップ34)。なお、電流制御方法はステップ32と同様である。
この電流制御の結果、励磁電流フィードバック信号Idが励磁電流設定器14の設定と同じ所定値となり、トルク電流フィードバック信号Iqが零となり、電動機5には直流の電流Iw=A、Iu=−A/2、Iv=−A/2が流れる。ここで、Aは所定の直流電流値である。
次に、PWMパルス演算器15が所定時間だけ出力をOFFして電動機に全く電流が流れない状態とする。そして、電流制御切替部20が接続をb側に切り替える。その状態で、オフセット記憶部21が電流検出値Iu,Iv,Iwを記憶する(ステップ35)。
次に、ステップ31と同様の動作が再度行われる。すなわち、まず、電流制御切替部20が接続をa側に切り替える。そして、減算器24は、電流検出器6A,6B,6Cで検出された各相の電流Iu、Iv、Iwから、平均化部23に記憶されている各相の電流オフセット調整値Iu、Iv、Iwを減算し、帰還電流Iu,Iv,Iwを求めるようにする(ステップ36)。
その帰還電流Iu,Iv,Iwが座標変換器9Aに供給される。
この状態で積分器17が180度に設定されることにより位相θが180度となる。さらに、速度制御部11はその出力を零にし、励磁電流設定器14は設定値を所定値にする。これらの設定により電流制御が行われる(ステップ37)。なお、電流制御方法はステップ32と同様である。
この電流制御の結果、励磁電流フィードバック信号Idが(−所定値)となり、トルク電流フィードバック信号Iqが零となり、電動機5には直流の電流Iw=−A、Iu=A/2、Iv=A/2が流れる。
次に、PWMパルス演算器15が所定時間だけ出力をOFFして電動機に全く電流が流れない状態とする。そして、電流制御切替部20が接続をc側に切り替える。その状態で、オフセット記憶部22が電流検出値Iu,Iv,Iwを記憶する(ステップ38)。
次に、平均化部23が、オフセット記憶部21,22に記憶された、対応する相同士の値の平均を求め、電流オフセット調整値Iu,Iv,Iwとして記憶し、電動機制御装置は通常運転状態に移行する(ステップ39)。
なお、運転を停止している状態での処理が図3に示されていないが、その状態では、PWMパルス演算器15が出力をOFFしてインバータ4を駆動しないようにすることにより、電動機5に3相の交流電圧を供給しないようにする。
図3のステップ32,39の処理の後、電動機処理装置はステップ30の処理に戻る。これにより、通常運転状態において、電動機5は、最新の電流オフセット調整値Iu,Iv,Iwを用いたオフセット補償により、適切に制御される。
電動機5に電流が流れなくなる直前に電流検出器6A,6B,6Cに流れていた電流で発生した残留磁気によるオフセット値への影響は、そのオフセット値と、電流検出器6A,6B,6Cに流れていた電流を反転させた状態でのオフセット値との平均を取ることで相殺される。
したがって、以上のように、互いに反転した2つの電流を流して電流検出器で検出されたオフセット値の平均を電流補正器で求めることにより、残留磁気によるヒステリシス特性の影響が取り除かれるので、正確な電流検出が可能である。
また、その電流検出器を用いた電動機制御装置において、ヒステリシス特性の影響を受けずに正確に求められたオフセット値を用いてオフセット補償が行われるので、正確な電流制御を行うことができる。
なお、ここでは、位相θを0度と180度の組み合わせとした例を示したが、本発明はそれに限定されず、互いに逆相の関係にあればよい。例えば、60度と240度の組み合わせや、120度と300度の組み合わせであってもよい。
また、ここでは、励磁電流指令信号Id*とトルク電流指令Iq*を固定して位相θを反転させる例を示したが、本発明はそれに限定されず、位相θを固定して励磁電流指令信号Id*とトルク電流指令Iq*を変更することとしても同じ効果が得られる。
また、ここでは、停止状態から運転指令を受けたときに、電流オフセット調整値を更新することとしたが、本発明はそれに限定されない。例えば、運転停止から所定時間経過した停止中に更新してもよい。
また、本実施形態では、運転開始時の電流オフセット調整値の更新の度に、図3のステップ33〜39に示した処理を毎回行って電流オフセット調整値を計算し直すこととしたが、本発明はそれに限定されない。予め電流オフセット調整値を一旦算出しておき、その後の運転開始時には、電流を流すことなく停止したままで電流検出値を測定し、その電流検出値を用いて、電流オフセット調整値の経年的(時間的)な変化を補正することとしてもよい。
図4は、経年的な変化を補正することにより電流オフセット調整値を更新する電流補正器の構成例を示す図である。図4を参照すると、電流補正器8は、図2の構成に加えて、補正更新部25を有している。
電流補正器8は、予め、図3のステップ33〜39に示した処理により、位相θ=0度での電流制御後の電流検出値(以下、第1の電流検出値と称す)と、位相θ=180度での電流制御後の電流検出値(以下、第2の電流検出値と称す)と、それら電流検出値の平均値である電流オフセット調整値とを求めておく。第1の電流検出値はオフセット記憶部21に記録され、第2の電流検出値はオフセット記憶部22に記録され、電流オフセット調整値は平均化部23に記録される。
そして、運転開始時には、補正更新部25は、電流を流すことなく停止したままの状態の電流検出値(以下、第3の電流検出値と称す)を記録し、第3の電流検出値と第1および第2の電流検出値との関係に基づいて電流オフセット調整値を補正する。
その際、補正更新部25は、第3の電流検出値が、第1の電流検出値と第2の電流検出値のうちの小さい方以上かつ大きい方以下であれば、電流オフセット調整値を変更せず、前回の値をそのままとする。第3の電流検出値が、第1または第2の電流検出値のいずれか大きい方よりも大きければ、その大きい方の値と第3の電流検出値との差分を電流オフセット調整値に加算する。第3の電流検出値が、第1または第2の電流検出値のいずれか小さい方よりも小さければ、第3の電流検出値とその小さい方との差分を電流オフセット調整値から減算する。
これによれば、ヒステリシス特性の影響を除去して精度の高いオフセット補償を可能としつつ、運転開始時に、ヒステリシス特性の影響を除去するための処理が不要なので、短時間で精度の高い電流オフセット調整値を決定することができ、運転指令が入力されてから通常運転に移行するまでの時間が短縮される。
なお、このとき、電流オフセット調整値と共に第1の電流検出値または第2の電流検出値をも補正するのが好ましい。例えば、第3の電流検出値が、第1または第2の電流検出値の大きい方よりも大きかった場合、その大きかった方を第3の電流検出値で置き換え、小さい方よりも小さかった場合、その小さかった方を第3の電流検出値で置き換えることとすればよい。また、第1または第2の電流検出値のいずれかを補正するとき、他方も同じだけ補正することとしてもよい。
また、第3の電流検出値の所定回数分の平均をとり、その平均値をオフセット補償に用いることとしてもよい。これにより、電流オフセット調整値のばらつきを抑え、より精度の高いオフセット補償を行うことができる。
また、本実施形態ではU,V,Wの3相全てについて電流検出を行ったが、3相の電流値を合せると零となることを利用し、2相について電流検出を行い、その2相について検出された電流から残りの1相の電流を算出することとしてもよい。
本実施形態では、オフセット記憶部21,22は、1回の測定でオフセット値を記憶することとしたが、本発明はそれに限定されない。例えば、オフセット記憶部21,22は、所定の設定回数のオフセット値の平均をとって得られた値を平均化部23に送ることとしても良い。これによれば、繰り返し精度よく、電流検出のオフセット値を求めることができる。
また、本実施形態のオフセット記憶部21,22はローパスフィルタを有する構成であってもよい。その場合、ローパスフィルタの時定数は、電動機に電流が流れない状態とする所定時間の1/3程度以下とするのが好ましい。あるいは、電流オフセット調整値の最初のデータ、または平均化部23において前回の計算で得られた電流オフセット調整値を、ローパスフィルタの積分値に設定するのが好ましい。これにより、繰り返し精度よく、電流オフセット値を求めることができる。
また、本実施形態の電動機制御装置としてはPG付きのベクトル制御装置を例示したが、本発明はそれに限定されるものではなく、PG無しの制御を行う装置でも同様に適用できる。
また、本実施形態の電動機としては誘導電動機を例示したが、本発明は、その他に同期電動機等の交流電動機や、直流機電動機にも同様に適用できる。
本発明の一実施形態の電動機制御装置の構成を示すブロック図である。 図1に示された電流補正器における1相分(U相)の構成を示す図である。 図1に示された電動機制御装置の動作を示すフローチャートである。 経年的な変化を補正することにより電流オフセット調整値を更新する電流補正器の構成例を示す図である。 従来の電動機制御装置の構成を示す概略回路図である。 図5に示した従来の電動機制御装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 交流電源
2 コンバータ
3 平滑コンデンサ
4 逆変換回路
5 電動機
6A,6B,6C 電流検出器
7 速度検出器
8 電流補正器
9A,9B 座標変換器
10,12A,12B 減算器
11 速度制御部
13 電流制御部
13A トルク電流制御部
13B 励磁電流制御部
14 励磁電流設定器
15 PWMパルス演算器
16 正弦波発振器
17 積分器
20 電流制御切替部
21,22 オフセット記憶部
23 平均化部
24 減算器
25 補正更新部
30〜39 ステップ

Claims (23)

  1. 対象回路に流れる電流を検出する電流検出器において生じるオフセットを補償するためのオフセット補償方法であって、
    所定の第1の電流を前記対象回路に一旦流した後に止め、前記電流検出器で検出された電流値を第1の検出値として記録する第1のステップと、
    前記第1の電流と絶対値が同じで符号が逆の第2の電流を前記対象回路に一旦流した後に止め、前記電流検出器で検出された電流値を第2の検出値として記録する第2のステップと、
    前記第1の検出値と前記第2の検出値の平均をとってオフセット値を求める第3のステップと、
    前記対象回路に流れる電流として前記電流検出器で検出された電流値から前記オフセット値を差し引く第4のステップとを有するオフセット補償方法。
  2. 前記第1のステップにおいて、前記第1の電流を前記対象回路に一旦流した後に止めて前記電流検出器により電流値を検出することを所定数繰り返すことにより得られた複数の電流値の平均値を前記第1の検出値とし、
    前記第2のステップにおいて、前記第2の電流を前記対象回路に一旦流した後に止めて前記電流検出器で電流値を検出することを所定数繰り返すことにより得られた複数の電流値の平均値を前記第2の検出値とする、請求項1記載のオフセット補償方法。
  3. 前記第1のステップにおいて、前記第1の電流を止めてから所定時間経過した後に前記電流検出器で電流値を検出し、
    前記第2のステップにおいて、前記第2の電流を止めてから所定時間経過した後に前記電流検出器で電流値を検出する、請求項1または2に記載のオフセット補償方法。
  4. 前記対象回路に電流を流し始めようとするとき、前記対象回路に電流を流さずに前記電流検出器で検出した第3の検出値を用いて前記オフセット値を補正する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のオフセット補償方法。
  5. 記録しておいた前記第1または第2の検出値と、新たに測定した前記第3の検出値との関係に基づいて、前記第3の検出値が前記第1の検出値または前記第2の検出値のいずれか大きい方よりも大きければ、その大きい方の値と前記第3の検出値との差分を前記オフセット値に加算し、前記第3の検出値が前記第1の検出値または前記第2の検出値のいずれか小さい方よりも小さければ、前記第3の検出値とその小さい方との差分を前記オフセット値から減算して、前記オフセット値を補正する、請求項4記載のオフセット補償方法。
  6. 前記第3の検出値の所定数分の平均値をオフセットの補償に用いる、請求項4または5に記載のオフセット補償方法。
  7. 前記電流検出器による電流検出にローパスフィルタを用いる、請求項1ないしのいずれか1項に記載のオフセット補償方法。
  8. 対象回路に流れる電流を検出する電流検出回路のオフセットを補償するオフセット補償回路であって、
    所定の第1の電流が前記対象回路に一旦流れて止まった状態で前記電流検出器によって検出される電流値を第1の検出値として記録する第1の記憶手段と、
    前記第1の電流と絶対値が同じで符号が逆の第2の電流が前記対象回路に一旦流れて止まった状態で前記電流検出器によって検出される電流値を第2の検出値として記録する第2の記憶手段と、
    前記第1の検出値と前記第2の検出値の平均をとってオフセット値を求める平均化手段と、
    前記対象回路に流れる電流として前記電流検出器で検出された電流値から前記オフセット値を差し引く減算器とを有するオフセット補償回路。
  9. 前記第1の記憶手段は、前記第1の電流が前記対象回路に一旦流れた後に止まり前記電流検出器が電流値を検出することが所定数繰り返されることにより得られた複数の電流値の平均値を前記第1の検出値とし、
    前記第2の記憶手段は、前記第2の電流が前記対象回路に一旦流れた後に止まり前記電流検出器が電流値を検出することが所定数繰り返されることにより得られた複数の電流値の平均値を前記第2の検出値とする、請求項記載のオフセット補償回路。
  10. 前記第1の記憶手段は、前記第1の電流が止まってから所定時間経過した後に前記電流検出器で検出される電流値を前記第1の検出値とし、
    前記第2の記憶手段は、前記第2の電流が止まってから所定時間経過した後に前記電流検出器で検出される電流値を前記第2の検出値とする、請求項に記載のオフセット補償回路。
  11. 前記対象回路に電流を流し始めようとするとき、前記対象回路に電流を流さずに前記電流検出器で検出した第3の検出値を用いて前記オフセット値を更新する補正更新手段をさらに有する、請求項8ないし10のいずれか1項に記載のオフセット補償回路。
  12. 前記補正更新手段は、前記第1の記憶手段に記録しておいた前記第1の検出値、または前記第2の記憶手段に記録しておいた前記第2の検出値と、新たに測定した前記第3の検出値との関係に基づいて、前記第3の検出値が前記第1の検出値または前記第2の検出値のいずれか大きい方よりも大きければ、その大きい方の値と前記第3の検出値との差分を前記オフセット値に加算し、前記第3の検出値が前記第1の検出値または前記第2の検出値のいずれか小さい方よりも小さければ、前記第3の検出値とその小さい方との差分を前記オフセット値から減算して、前記オフセット値を補正する、請求項11記載のオフセット補償回路。
  13. 前記第3の検出値の所定数分の平均値をオフセットの補償に用いる、請求項11または12に記載のオフセット補償回路。
  14. 前記電流検出器による電流検出がローパスフィルタを用いて行われる、請求項8ないし13のいずれか1項に記載のオフセット補償回路。
  15. 電動機に流れる電流を検出して電流指令にフィードバックすることにより前記電動機を制御する電動機制御装置であって、
    前記電動機に流れる電流を検出する電流検出器と、
    前記電動機に所定の第1の電流が一旦流れた後に止まると、その状態で前記電流検出器で検出される電流値を第1の検出値として記憶し、前記電動機に前記第1の電流値と絶対値が同じで符号が逆の第2の電流が一旦流れた後に止まると、その状態で前記電流検出器で検出される電流値を第2の検出値として記憶し、前記第1の検出値と前記第2の検出値の平均をとって求めたオフセット値を求め、その後に検出される電流値から該オフセット値を差し引くことによりオフセット補償を行う電流補正器と、
    前記電動機に前記第1の電流を一旦流した後に止め、前記電流補正器に前記第1の検出値が記録されると、該電動機に前記第2の電流を一旦流した後に止め、該電流補正器に前記第2の検出値が記録されると、該電流補正器によりオフセット補償された電流値を前記電流指令にフィードバックして前記電動機を制御する電流制御部とを有する電動機制御装置。
  16. 前記電流制御部は、前記第1の電流または前記第2の電流を前記電動機に一旦流した後に止めることを所定数繰り返し、
    前記電流補正器は、前記所定数の電流値の平均値を前記第1の検出値または前記第2の検出値とする、請求項15記載の電動機制御装置。
  17. 前記電流補正器は、前記第1の電流が止まってから所定時間経過した後に前記電流検出器で検出される電流値を記憶する、請求項15記載の電動機制御装置。
  18. 前記電動機の運転を開始する際に前記オフセット値を求める、請求項15記載の電動機制御装置。
  19. 前記電動機の停止中に前記オフセット値を求める、請求項15記載の電動機制御装置。
  20. 前記電流補正器は、前記電動機に電流を流し始めようとするとき、前記電動機に電流を流さずに前記電流検出器で検出した第3の検出値を用いて前記オフセット値を補正する、請求項15ないし19のいずれか1項に記載の電動機制御装置。
  21. 前記電流補正器は、記録しておいた前記第1または第2の検出値と、新たに測定した前記第3の検出値との関係に基づいて、前記第3の検出値が前記第1の検出値または前記第2の検出値のいずれか大きい方よりも大きければ、その大きい方の値と前記第3の検出値との差分を前記オフセット値に加算し、前記第3の検出値が前記第1の検出値または前記第2の検出値のいずれか小さい方よりも小さければ、前記第3の検出値とその小さい方との差分を前記オフセット値から減算して、前記オフセット値を補正する、請求項20記載の電動機制御装置。
  22. 前記第3の検出値の所定数分の平均値をオフセットの補償に用いる、請求項20または21に記載の電動機制御装置。
  23. 前記電流検出器は、電流検出にローパスフィルタを用いる、請求項15ないし22のいずれか1項に記載の電動機制御装置。
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