JP4374690B2 - 画像読取装置及び画像読取装置に対する制御手順を記憶する記憶媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真フィルムなどの原稿に光を照射して、原稿上の画像を光学的に読み取る画像読取装置及び画像読取装置に対する制御手順を記憶する記憶媒体に関する。特に、本発明は、原稿の画像を正確に読み取ることを可能にするため、赤外光を用いるオートフォーカス機構を備えた画像読取装置及び画像読取装置に対する制御手順を記憶する記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像読取装置としては、カメラで撮影したフィルム画像を読み取るフィルムスキャナが知られている。フィルムスキャナは、ネガフィルムやリバーサルフィルムなどの画像を読み取り、画像データをパソコンなどのホストコンピュータに送信したり、画像表示機能を有する画像処理装置に送信する。
【0003】
画像読取装置においては、原稿の特性に応じて、原稿面と原稿を読み取る光学系との相対的位置が変化する。前記原稿の特性には、例えば、原稿の厚さ、フィルム原稿の反り(カール)などがある。前記した相対的位置の変化は、前記光学系に焦点ずれを生じさせる。すなわち、画像読取装置は、前記光学系の焦点ずれに起因して、原稿画像を読み取るCCDラインセンサなどの撮像手段の受光面に、正確な画像を結像することができない。その結果、画像読取装置は、画質のよい画像データを出力することができない。
【0004】
そこで、画像読取装置は、高画質の画像データを得るために、前記光学系と原稿との相対的位置を最適な位置に調整する、オートフォーカス機構を必要とする。
従来技術において、画像読取装置におけるオートフォーカスは、次のように行われている。
オートフォーカスは、通常、原稿の中心付近で行われる。したがって、画像読取装置は、前記光学系を移動し、原稿の中心付近に前記光学系を位置付ける。前記光学系の移動は、光学系を副走査方向に移動するスキャニング機構が行う。
【0005】
また、画像読取装置は、原稿と光学系の位置関係をあらかじめ定められた初期位置(例えば、光学系と原稿の距離が最大の位置)に位置付ける。前記初期位置への位置付けは、フォーカシング機構が行う。
【0006】
次に、画像読取装置は、照明手段を起動して、赤色(R),緑色(G),青色(B)の何れかの光を発光させる。したがって、撮像手段は、1ライン(主走査方向)の画像の読み取りを行う。なお、赤色(R),緑色(G),青色(B)のうち、どの色の光が最適であるかは、前記光学系の設計により定まる。
次に、画像読取装置は主走査を行い、1ライン(主走査方向)の画像の読み取りを行う。すなわち、画像読取装置の撮像手段は、原稿を透過した光を複数の画素により受光し、前記複数の画素の各々の受光強度を示す複数の画像データを出力する。画像読取装置の撮像手段は、受光した光を、1ラインの複数の画素毎に、画像データに変換して出力する。
【0007】
次に、画像読取装置は、1ライン分の画像データに基づいて、コントラスト値の検出を行って記憶する。コントラスト値は、隣接画素間の画像データの差の絶対値をとり、該差の絶対値を合計して求める。
次に、画像読取装置のフォーカシング機構は、原稿と光学系との位置関係を所定の距離(以下、1ステップに相当する距離という)だけ変化させる。例えば、フォーカシング機構は、原稿と光学系との位置関係を1ステップに相当する距離だけ短くする。画像読取装置は、前記変化後の位置において、上記したコントラスト値を求める動作を行う。
【0008】
画像読取装置は、前記した原稿と光学系との位置関係の1ステップに相当する距離の移動、及びその位置関係においてコントラスト値を求める動作を、原稿と光学系との位置関係があらかじめ定められた位置関係になるまで繰り返す。
次に、画像読取装置は、各位置関係において求められたコントラスト値を比較し、コントラスト値が最も大きい位置を求めて合焦点位置とする。
【0009】
図30は、撮像手段としてCCDラインセンサを用いた場合における、デフォーカス位置(非合焦点位置)における1ライン画像データの一例を示す図である。図30において、横軸はCCDラインセンサの画素列、縦軸はCCDラインセンサから出力される画像データの出力値を示す。この例では、横軸に約500画素分のポイントが表されている。
【0010】
図31は、撮像手段としてCCDラインセンサを用いた場合における、合焦点位置における1ライン画像データを示す図である。図31における縦軸と横軸の関係は、図30の場合と同様である。
図30に示すように、デフォーカス位置では、CCDラインセンサの隣接画素間の出力値の変化は小さい。このため、デフォーカス位置におけるコントラスト値は小さい値になる。
【0011】
図31に示すように、合焦点位置では、CCDラインセンサの隣接画素間の出力値の変化は大きい。このため、合焦点位置におけるコントラスト値は大きな値になる。
図32は、前記した1ステップ毎の距離の変化(横軸)とコントラスト値(縦軸)の変化の一例を示す図である。横軸に示す数は、光学系をフォーカス方向に駆動するステッピングモータ(フォーカシング機構の一部)に供給されるパルス数を示す。この例では、ステッピングモータは、4つのパルスの供給を受けて、1ステップ先の測定位置に移動する。また、図32は、図30と図31と同様に、可視光(R,G,Bの何れか1つ)に基づくコントラスト値の変化を示す。
【0012】
図32に示すように、画像読取装置は、コントラスト値を比較して、最もコントラスト値の大きい位置(横軸)を合焦点位置と判断する。
画像読取装置は、合焦点位置を前記最もコントラスト値の大きいフォーカス位置に固定した後、CCDラインセンサによる主走査方向の1ライン読み取りとスキャニング機構による副走査方向への移動を繰り返す。これにより、画像読取装置は、原稿全面に亙る走査を行って、原稿の画像を読み取る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の画像読取装置のオートフォーカスは、以下のような問題点を有している。
【0014】
第1に、画像読取装置は、原稿と光学系の位置関係を1ステップずつ変化させて、複数のコントラスト値を求めている。この場合、画像読取装置は、求めた複数のコントラスト値の変化が小さい場合、合焦点位置を検出することが困難になる。
例えば、原稿の画像が夜景や星空の場合、撮像手段から出力される1ライン分の各画像データは、全体的に小さい値となる。したがって、画像読取装置が、原稿と光学系との位置関係を1ステップずつ変化させ、各々の位置で1ライン画像データを読み取った場合、各位置において得られるコントラスト値の相対的変化は小さい。その結果、画像読取装置は、合焦点位置を決定することが困難になる。
【0015】
図33は、前記問題点の具体例を示す図である。図33は、夜空の彗星を写したフィルム原稿の一例を示す図である。図33において、斜めに走る白線は、彗星を表している。
画像読取装置は、図33に示すフィルム原稿の中央付近をオートフォーカス位置として定める。
【0016】
図34は、撮像手段としてCCDラインセンサを用い、図33に示す画像を読み取る場合における、デフォーカス位置(非合焦点位置)における1ライン分の画像データを示す図である。図34における縦軸と横軸の関係は、図30の場合と同様である。図34に示すように、デフォーカス位置における1ライン分の画像データは、彗星の画像部分で高輝度になり、他の部分では低輝度になっている。
【0017】
図35は、撮像手段としてCCDラインセンサを用い、図33に示す画像を読み取る場合における、合焦点位置における1ライン分の画像データを示す図である。図35における縦軸と横軸の関係は、図34の場合と同様である。図35に示すように、合焦点位置における1ライン分の画像データは彗星の画像部分で高輝度になり、他の部分では低輝度になっている。したがって、図33に示すような画像の場合、合焦点位置におけるコントラスト値とデフォーカス位置(非合焦点位置)におけるコントラスト値の差は、大変小さい。
【0018】
図36は、図33に示す画像について、前記した1ステップ毎の距離の変化(横軸)とコントラスト値(縦軸)の変化の関係を示す図である。図36における縦軸と横軸の関係は、図32の場合と同様である。
画像読取装置は、コントラスト値を比較して、最もコントラスト値の大きい位置(横軸)を合焦点位置と判断する。しかし、画像読取装置は、図36に示すように、コントラスト値の変化が小さい場合、コントラスト値のピーク位置の判定を誤ることがある。その結果、画像読取装置は、合焦点位置を誤って判定するという問題点がある。
【0019】
第2に、従来の画像読取装置のオートフォーカスにおいては、原稿の画像の絵柄が急激に変化する位置において、合焦点位置の検出を行う場合、合焦点位置を検出することが困難になるという問題点がある。
すなわち、光学系を1ステップ移動させるフォーカシング機構は、わずかなメカ的なずれにより、光学系が原稿を読み取る位置が副走査方向においてずれる可能性がある。この場合、画像に表された絵柄が、例えば明るいところから暗いところへ急激に変化する場合、コントラストが急激に変化する。このため、画像読取装置は、本来のコントラストピーク位置を検出することができず、誤ったコントラストピーク位置を検出してしまう。その結果、画像読取装置は、合焦点位置を誤って検出するという問題点がある。
【0020】
本発明は、前記した従来技術の問題点に鑑み為されたもので、オートフォーカスを正確に行うことが可能な画像読取装置、及び高画質の画像を出力することが可能な画像読取装置、及び画像読取装置に対する制御手順を記憶する記憶媒体を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の画像読取装置は、透過原稿の画像の色成分を赤外成分に分解する赤外成分分解手段と、赤外成分分解手段により分解された透過原稿の画像を撮像することにより赤外画像信号を出力する赤外画像撮像手段と、透過原稿の画像の色成分を可視成分に分解する可視成分分解手段と、可視成分分解手段により分解された透過原稿の画像を撮像することにより可視画像信号を出力する可視画像撮像手段と、透過原稿の画像を赤外画像撮像手段又は可視画像撮像手段に結像する結像光学系と、透過原稿に対する結像光学系の相対的な位置を調節する焦点調節手段と、赤外画像信号に基づいて、透過原稿の画像の可視光成分が可視画像撮像手段に結像する可視画像結像位置として、透過原稿に対する結像光学系の相対的な位置を決定する結像位置決定手段と、結像位置決定手段の決定に基づいて焦点検出手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0022】
請求項1記載の画像読取装置によれば、赤外画像信号に基づいて可視画像結像位置が決定される。
請求項2記載の画像読取装置は、請求項1記載の画像読取装置において、制御手段は、外部の画像処理装置と接続され、外部の画像処理装置は、赤外画像信号に基づいて、赤外成分のレベルを検出する赤外成分検出手段と、赤外成分レベルが第1赤外レベル未満となる透過原稿の欠陥位置の欠陥赤外成分レベルを検出する欠陥赤外成分検出手段と、第1赤外成分レベル及び欠陥赤外成分レベルに基づいて、(第1赤外成分レベル)/(欠陥赤外成分レベル)を算出することにより補正係数を求める補正係数演算手段と、可視画像信号に基づいて、可視成分レベルを検出する可視成分検出手段と、透過原稿の欠陥位置における可視成分レベルである欠陥可視成分レベルに補正係数を乗算し、補正可視成分レベルを算出する乗算手段とを有ることを特徴とする。
【0023】
請求項2記載の画像読取装置によれば、請求項1に記載する赤外成分分解手段は、透過原稿上の埃、塵、傷、指紋等に起因する欠陥画像の検出に用いる赤外成分分解手段と兼用することができる。
【0024】
請求項3記載の画像読取装置は、請求項1記載の画像読取装置において、赤外画像撮像手段は、透過原稿からの光を複数の画素により受光し、複数の画素の各々の受光強度を示す複数の赤外画像信号を出力するものであり、結像位置決定手段は、透過原稿に対する結像光学系の距離が互いに異なる複数の測定位置において、赤外画像撮像手段の出力する複数の赤外画像信号を入力し、複数の赤外画像信号のコントラスト値が最も高くなる透過原稿に対する結像光学系の位置に基づいて、可視画像結像位置を決定することを特徴とする。
【0025】
請求項3記載の画像読取装置によれば、可視画像結像位置が赤外画像信号のコントラスト値が最も高くなる位置に基づい決定される。
請求項4記載の画像読取装置は、請求項1記載の画像読取装置において、結像位置決定手段は、可視画像信号に基づいて可視画像結像位置を決定し、可視画像信号に基づく可視画像結像位置の決定に失敗した場合は、赤外画像信号に基づいて、可視画像結像位置を決定することを特徴とする。
【0026】
請求項4記載の画像読取装置によれば、可視画像信号に基づいて可視画像結像位置が決定され、可視画像信号に基づく可視画像結像位置の決定に失敗しても、赤外画像信号に基づいて可視画像結像位置が決定される
【0027】
請求項記載の画像読取装置は、請求項記載の画像読取装置において、結像位置決定手段は、あらかじめ可視画像信号と赤外画像信号とを入力し、可視画像信号に基づいて可視画像結像位置を決定することに失敗した後、赤外画像信号に基づいて可視画像結像位置を決定することを特徴とする。
請求項記載の画像読取装置は、請求項記載の画像読取装置において、結像位置決定手段は、可視画像信号に基づく可視画像結像位置の決定に失敗した後、赤外画像撮像手段の出力する赤外画像信号を入力し、赤外画像信号に基づいて可視画像結像位置を決定することを特徴とする。
【0028】
請求項5,記載の画像読取装置によれば、可視画像信号に基づく可視画像結像位置の決定に失敗しても、赤外画像信号に基づく可視画像結像位置の決定を実行できる。
請求項記載の画像読取装置は、請求項記載の画像読取装置において、可視画像撮像手段は、透過原稿からの光を複数の画素により受光し、複数の画素の各々の受光強度を示す複数の可視画像信号を出力するものであり、結像位置決定手段は、透過原稿に対する結像光学系の距離が互いに異なる複数の測定位置において可視画像撮像手段が出力する、複数の可視画像信号を入力し、複数の可視画像信号のコントラスト値の最大値である最大コントラスト値を検出し、最大コントラスト値がしきい値未満の場合に可視画像結像位置を決定することに失敗したと判断することを特徴とする。
【0029】
請求項記載の画像読取装置によれば、可視画像信号の最大コントラスト値がしきい値未満の場合、可視画像信号による可視画像結像位置の決定に失敗したと判断される。
請求項記載の画像読取装置は、請求項記載の画像読取装置において、可視画像撮像手段は、透過原稿からの光を複数の画素により受光し、複数の画素の各々の受光強度を示す複数の可視画像信号を出力するものであり、結像位置決定手段は、透過原稿に対する結像光学系の距離が互いに異なる複数の測定位置において可視画像撮像手段が出力する、複数の可視画像信号を入力し、複数の可視画像信号のコントラスト値の最大値である最大コントラスト値を検出し、最大コントラスト値を補正することにより補正最大コントラスト値を算出し、最大コントラスト値に対応する測定位置を含む所定範囲以外の測定位置により得られたコントラスト値の少なくとも1つの値が補正最大コントラスト値を超える場合に、可視画像結像位置を決定することに失敗したと判断することを特徴とする。
【0030】
請求項記載の画像読取装置によれば、可視画像信号に基づいてコントラスト値の最大値が得られたときこれを補正して補正最大コントラスト値を求め、前記コントラスト値の最大値が得られた測定位置を含む所定範囲以外の測定位置において可視画像信号に基づくコントラスト値の最大値を求め、求めたコントラスト値の最大値が補正最大コントラスト値を超えるとき、可視画像信号に基づく可視画像結像位置の決定に失敗したと判断される。
【0031】
請求項記載の画像読取装置は、請求項1記載の画像読取装置において、結像位置決定手段は、結像光学系による赤外画像の結像位置と可視画像の結像位置との結像光学系の光軸方向におけるずれ量を記憶する記憶手段を含み、赤外画像信号に基づいて透過原稿画像の赤外光成分が赤外画像撮像手段に結像する赤外画像結像位置を決定し、ずれ量と赤外画像結像位置とに基づいて可視画像結像位置を決定することを特徴とする画像読取装置。
【0032】
請求項記載の画像読取装置によれば、赤外画像の結像位置と可視画像の結像位置のずれ量をあらかじめ記憶しておき、赤外画像信号に基づく赤外画像結像位置を前記ずれ量で補正することができる。
請求項1記載の画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体は、透過原稿の画像の色成分を赤外成分に分解する赤外成分分解手段と、赤外成分分解手段により分解された透過原稿の画像を撮像することにより赤外画像信号を出力する赤外画像撮像手段と、透過原稿の画像の色成分を可視成分に分解する可視成分分解手段と、可視成分分解手段により分解された透過原稿の画像を撮像することにより可視画像信号を出力する可視画像撮像手段と、透過原稿の画像を赤外画像撮像手段又は可視画像撮像手段に結像する結像光学系と、透過原稿に対する結像光学系の相対的な位置を調節する焦点調節手段とを有する画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体であって、前記記憶媒体は、赤外画像信号に基づいて、透過原稿の画像の可視光成分が可視画像撮像手段に結像する可視画像結像位置として、透過原稿に対する結像光学系の相対的な位置を決定する結像位置決定手順と、結像位置決定手順による決定に基づいて焦点検出手段を制御する制御手順とを記憶することを特徴とする。
【0033】
請求項1記載の画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体は、請求項1記載の画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体において、結像位置決定手順は、可視画像信号に基づいて可視画像結像位置を決定し、可視画像信号に基づく可視画像結像位置の決定に失敗した場合は、赤外画像信号に基づいて、可視画像結像位置を決定する手順を含むことを特徴とする
【0034】
請求項1記載の画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体は、請求項1記載の画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体において、可視画像撮像手段は、透過原稿からの光を複数の画素により受光し、複数の画素の各々の受光強度を示す複数の可視画像信号を出力するものであり、結像位置決定手順は、透過原稿に対する結像光学系の距離が互いに異なる複数の測定位置において可視画像撮像手段が出力する、複数の可視画像信号を入力する手順と、複数の可視画像信号のコントラスト値の最大値である最大コントラスト値を検出する手順と、最大コントラスト値がしきい値未満の場合に可視画像結像位置を決定することに失敗したと判断する手順とを含むこと特徴とする。
【0035】
請求項1記載の画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体は、請求項1記載の画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体において、可視画像撮像手段は、透過原稿からの光を複数の画素により受光し、複数の画素の各々の受光強度を示す複数の可視画像信号を出力するものであり、結像位置決定手順は、透過原稿に対する結像光学系の距離が互いに異なる複数の測定位置において可視画像撮像手段が出力する、複数の可視画像信号を入力する手順と、複数の可視画像信号のコントラスト値の最大値である最大コントラスト値を検出する手順と、最大コントラスト値を補正することにより補正最大コントラスト値を算出する手順と、最大コントラスト値に対応する測定位置を含む所定範囲以外の測定位置により得られたコントラスト値の少なくとも1つの値が補正最大コントラスト値を超える場合に、可視画像結像位置を決定することに失敗したと判断する手順とを含むことを特徴とする。
【0036】
請求項1〜1記載の画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体によれば、赤外画像信号に基づいて可視画像結像位置を決定するための制御手順を記憶している記憶媒体を、コンピュータ等の装置が読み取ることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0038】
図1から図5は、本発明に係る画像読取装置の実施の形態を示す図である。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載する請求項1、請求項3、請求項4、及び請求項1から請求項1に記載する発明に対応する。
図1は、本発明が適用される画像読取装置の本体1の機械的構造を示す機能ブロック図である。
【0039】
図1に示すように、本体1は、主に、原稿を照明する照明部10と、照明部10から照射された光を受光して、画像データを出力する読取部11と、前記照射部10と前記読取部11とを矢印Aの副走査方向に移動するスキャニング機構12と、前記前記照射部10と前記読取部11とスキャニング機構12を矢印Bの方向に移動するフォーカシング機構13と、アダプタ挿入部14とから構成されている。
【0040】
照明部10は、赤色(R),緑色(G),青色(B)の各光及び赤外(IR)を発光可能な光源101と、投影レンズ102と、ミラー103から構成されている。 照明部10から照明される光は、アダプタ挿入部14に挿入されるアダプタにセットされているフィルム原稿を透過して(図2参照)、読取部11に到達する。
【0041】
読取部11は、照明部10から照射された光を受光するミラー111と、結像レンズ112とCCDラインセンサ113とから構成されている。ここで、結像レンズ112は、CCDラインセンサ113の受光面近傍にフィルム原稿の画像を結像させるものである。CCDラインセンサ113は、原稿を透過した光(赤色(R),緑色(G),青色(B)の各光及び赤外(IR))を複数の画素により受光する。複数の画素は一列に並んで配置されている。各画素は、各々の受光強度に応じて複数の画像データを順次出力する。
【0042】
ここで、照明部10は、赤色(R),緑色(G),青色(B),赤外(IR)の各光を選択して発光可能である。画像読取装置は、R発光・読み取り、G発光・読み取り、B発光・読み取りを行うことにより、1ラインのRGB画像データを得る。
また、本実施の形態において、画像読取装置は、オートフォーカスを行うとき、可視光(赤色(R),緑色(G),青色(B)のうちの一色)の発光・読み取りによる1ラインの可視画像データの取得を行う。また、画像読取装置は、オートフォーカスを行うとき赤外(IR)の発光・読み取りを行い、1ラインのIR画像データの取得を行う。そして、画像読取装置は、何れかの一方の画像データを選択し、選択した画像データに基づいて、オートフォーカスを行う。これは、請求項4に記載の発明に対応する。なお、可視光によるオートフォーカスは、一色に限定されるものではない。
【0043】
スキャニング機構12は、照明部10と読取部11とを一体に、矢印Aに示す副走査方向に移動するものである。
スキャニング機構12は、図示するように、ステッピングモータ121と、前記ステッピングモータ121の回転軸に直結されたリードネジ122と、前記リードネジに係合するナット123と、ガイドアーム124と、前記ガイドアーム124に係合するガイドバー125と、前記ナット123とガイドアーム124を支持している走査ブロック126とから構成されている。したがって、図示するように、照明部10と読取部11は、一体となって、ステッピングモータ121の回転に応じて、矢印Aに示す副走査方向に移動する。
【0044】
フォーカシング機構13は、ステッピングモータ131と、前記ステッピングモータ131の回転軸に直結されたリードネジ132と、リードネジ132と係合するナット133と、前記ナット133が埋め込まれているAFブロック134と、AFブロック134に連結されているガイドアーム135と、前記ガイドアーム135に係合するガイドバー136とから構成されている。
【0045】
前記フォーカシング機構13は、ステッピングモータ131の回転に伴って、AFブロック134を矢印Bに示すフォーカス方向に移動させる。
また、AFブロック134と走査ブロック126は、連結されている(図示せず)。したがって、AFブロック134が、フォーカシング機構13のステッピングモータ131の回転に伴って、フォーカス方向(矢印B)に移動すると、走査ブロック126もフォーカス方向(矢印B)に移動する。そのため、プレート面141に対する焦点Fの相対位置は、AFブロック134のフォーカス方向(矢印B)の移動に応じてフォーカス方向に変化する。また、走査ブロック126は、AFブロック134に対して、副走査方向(矢印A)に移動可能である。したがって、プレート面141に対する焦点Fの相対位置は、走査ブロック126の副走査方向(矢印Aの方向)の移動に応じて変化する。
【0046】
なお、図1において、リミットスイッチLS1は、AFブロック134がメカシャーシ137に所定の距離だけ接近したことを検出するスイッチである。
また、図1において、リミットスイッチLS2は、アダプタ挿入時に、アダプタの後面がアダプタ挿入部14の最深部に到達したことを検出するスイッチである。
【0047】
さらに、図1において、コネクタCN1は、アダプタ挿入時に、アダプタ側に設けられているコネクタと接続される(図2に示すコネクタCN2参照)。
なお、画像読取装置の本体1の電気的構成については、図5を用いて後に説明する。
【0048】
図2は、アダプタ2の一例を示す機能ブロック図である。アダプタ2は、図1に示すアダプタ挿入部14に挿入される。アダプタ2には、フィルム原稿の種類(35mmのストリップフィルム、APSフィルムなど)に応じて、複数のタイプが存在する。図2に示すアダプタ2は、35mmのストリップフィルム23を原稿とするものである。
【0049】
図2に示すアダプタ2は、ストリップフィルム23をアダプタ2内部に導入する導入路21と、導入されたストリップフィルム23を挟持して搬送する1対のローラ22a,22bと、ストリップフィルム23を巻き上げる巻き上げガイド24と、照明部10から照明される光を透過するための読取孔25と、本体1のコネクタCN1(図1参照)と接続されるコネクタCN2と、ローラ22bを回転させるためのモータM(図3参照)とから構成されている。
【0050】
また、図2に示すアダプタ底面26は、アダプタ2が本体1のアダプタ挿入部14に挿入されるとき、プレート141と摺動する面である。
アダプタ2は、読取孔25を通じて、照明部10からの照明光を透過させる。したがって、照明部10からの照明光は、アダプタ2にセットされたストリップフィルム23を透過する。その結果、ストリップフィルム23に写っている画像は、読取部11のミラー111と結像レンズ112との働きにより、CCDラインセンサ113の受光面近傍に結像する。
【0051】
図3は、アダプタ2うちの回路を示すブロック図である。図示するように、前記モータMは、ローラ22bを回転する。モータMは、本体1のコネクタCN1とアダプタ2のコネクタCN2とが接続されることにより、本体1側の中央制御回路(図5の符号151参照)に接続される。これによって、モータMは、本体1の中央制御回路(図5の符号151参照)によって制御される。
【0052】
図4は、画像読取装置の本体1にアダプタ2が挿入された状態を示す機能ブロック図である。図示するように、本体1のコネクタCN1とアダプタ2のコネクタCN2が、接続される。また、本体1のリミットスイッチLS2がオンする。
図5は、画像読取装置の本体1の電気的構成を示すブロック図である。図5において、画像読取装置の本体1の動作を制御するのは、制御回路15である。制御回路15は、中央制御回路151とRAM152とROM153とICカード154とから構成されている。また、中央制御回路151は、光源101と、リミットスイッチLS1,LS2と、コネクタCN1と、CCDラインセンサ113と、ステッピングモータ121,131とに、それぞれ接続されている。
【0053】
中央制御回路151は、画像読取装置の全体の動作を制御するプログラムを実行する回路である。RAM152は、プログラムの実行に必要なデータを一時記憶するメモリである。ROM153は、中央制御回路151が実行するプログラムを格納するメモリである。ICカード154は、プログラムに追加される補助データを格納する、着脱可能なメモリである。
【0054】
なお、プログラムはICカード154に格納されてもよい。その場合、プログラムは、ICカード154から読み出されて、RAM152に一時記憶される。中央制御回路151は、RAM152に一時記憶されているプログラムを読み出して実行する。
また、ICカード154の代わりに、CD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体を用いてもよい。その場合、着脱可能な記憶媒体に格納されているプログラムや補助データは、着脱可能な記憶媒体から読み出されてRAM152に一時記憶される。中央制御回路151は、RAM152に一時記憶されているプログラムを読み出して実行する。前記着脱可能な記憶媒体は、請求項1から請求項1に記載の発明に対応する。
【0055】
また、図5に示すように、画像読取装置の本体1には、画像処理装置3が接続されている。画像処理装置3は、ディスプレイ31を備えている。したがって、この実施の形態では、画像読取装置が読み取った画像は、画像処理装置3のディスプレイ31に表示される。
なお、言うまでもなく、画像処理装置3の代わりに、パソコンなどのホストコンピュータを接続してもよい。
【0056】
なお、上述の構成では、色分解は、ストリップフィルム23を異なる色(赤色(R),緑色(G),青色(B),赤外(IR))で照明することにより実現している。しかし、色分解は、白色光源の光をストリップフィルム23に照明し、色分解フィルタを通過させることにより、実現してもよい。
具体的には、ストリップフィルム23とCCDラインセンサ113との間に、ターレット型の色分解フィルタを配置する。ターレット型の色分解フィルタは、円形のフィルタ配置基盤を備えている。フィルタ配置基盤は、Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタ及びIRフィルタを放射状に備えている。
【0057】
Rフィルタは、赤色成分だけを通すフィルタである。Gフィルタは、緑色成分だけを通すフィルタである。Bフィルタは、青色成分だけを通すフィルタである。IRフィルタは、赤外成分だけを通すフィルタである。そして、例えば、中央制御回路151は、ある色の読み取りが終了する毎にフィルタを切り換える。
なお、ターレットフィルタの代わりに、短冊型のフィルタを用いてもよい。短冊型のフィルタは、Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタ及びIRフィルタが1列に配置されている。この短冊型のフィルタが、列方向に移動することにより、色の切り換えが実現される。
【0058】
また、色分解は、4ラインセンサを用いて実現してもよい。1つのライン受光部は、Rフィルタが配置されている。別のライン受光部は、Gフィルタが配置されている。また、別のライン受光部は、Bフィルタが配置されている。別のライン受光部は、IRフィルタが配置されている。したがって、各ラインの受光部は、配置されるフィルタの色成分の画像信号を出力する。
【0059】
以上の構成において、請求項1,3との対応関係は、次のようになっている。赤外成分分解手段と可視成分分解手段は、前記照明部10又は前記色分解フィルタ又は4ラインセンサなどが対応する。また、赤外画像撮像手段と可視画像撮像手段は、CCDラインセンサ113又は4ラインセンサに対応する。また、結像光学系は、主に結像レンズに対応する。また、焦点検出手段は、フォーカシング機構13と中央制御回路151とRAM152に対応する。また、結像位置決定手段は、主に、中央制御回路151とRAM152に対応する。また、制御手段は、中央制御回路に対応する。
【0060】
前記した画像読取装置は、図2に示すアダプタ2が挿入された状態において、オートフォーカスを実行する。以下、画像読取装置が、前記プログラムに基づいて、実行するオートフォーカスについて説明する。
図6は、図1から図5に示す画像読取装置が実行するオートフォーカスの第1の実施の形態を示すフローチャートである。この第1のフローチャートは、請求項1、請求項3から請求項及び請求項から請求項に記載の各発明に対応する。
【0061】
ステップS1において、中央制御回路151は、CCDラインセンサ113の読取位置がストリップフィルム23の所定のコマの中心位置近傍に位置するように、スキャニング機構12のステッピングモータ121を制御する。
ステップS2において、中央制御回路151は、フォーカシング機構13のステッピングモータ131を制御して、AFブロック134を初期位置に位置付ける。初期位置は、例えば、リミットスイッチLS1により検知される最下位(矢印B方向)の位置である。
【0062】
ステップS3において、中央制御回路151は、照明部10の光源101に赤外光を発光させる。続いて、中央制御回路151は、読取部13のCCD113に1ラインの画像データを読み取りを実行させる。なお、この実施の形態においては、CCDラインセンサ113は、CCDラインセンサ113が備えている多数の画素のうち、連続する500画素分の画像データを出力する。出力される画像データは、ストリップフィルム23のコマの中央付近の1ラインの画像データである。
【0063】
ステップS4において、中央制御回路151は、前記初期位置において読み取った各画素の画像データに基づいて、赤外光によるコントラスト値の演算及び求めたコントラスト値をRAM152に格納する処理を行う。前記コントラスト値は、前記初期位置に対応するRAMのアドレスに格納される。コントラスト値を求める手順は、図11を用いて後に詳しく説明する。
【0064】
ステップS5において、中央制御回路151は、照明部10の光源101に赤色(R),緑色(G),青色(B)の何れか1つを発光させる。なお、赤色(R),緑色(G),青色(B)のうち、どの色の光が最適であるかは、前記光学系の設計により定まる。続いて、中央制御回路151は、読取部13のCCDラインセンサ113に1ラインの画像データを読み取りを実行させる。ここで、CCDラインセンサ113は、CCDラインセンサ113が備えている多数の画素のうち、連続する500画素分の画像データを出力する。出力される画像データは、ストリップフィルム23のコマの中央付近の1ラインの画像データである。
【0065】
ステップS6において、中央制御回路151は、前記初期位置において読み取った各画素の画像データに基づいて、可視光によるコントラスト値の演算及び求めたコントラスト値をRAM152に格納する処理を行う。前記コントラスト値は、前記初期位置に対応するRAM152のアドレスに格納される。
次に、ステップS7において、中央制御回路151は、フォーカシング機構13のステッピングモータ131を制御して、AFブロック134を1ステップ上昇させる(矢印B)。この実施の形態では、ステッピングモータ131は、4つのパルスの供給を受けて、1ステップ上の測定位置に移動する。
【0066】
次に、ステップS8において、中央制御回路151は、AFブロック134が初期位置から所定のステップ数だけ移動したか否かを判定する。中央制御回路151は、所定ステップ数だけ移動していないと判定した場合、ステップS3からS8の処理を繰り返す。中央制御回路151は、所定ステップ数だけ移動したと判定した場合、ステップS9に進む。
【0067】
ステップS9において、中央制御回路151は、RAM152に格納された可視光に基づくコントラスト値を読み出して比較し、可視光によるコントラスト値の最大値を求める。中央制御回路151は、可視光のコントラスト値が最大のフォーカス位置を求める。
ステップS10において、中央制御回路151は、ステップS9において求めた最大コントラスト値があらかじめ定められている第1しきい値よりも大きいか否かを判定する。中央制御回路151は、ステップS10において、第1しきい値よりも大きいと判定された場合、処理をステップS11に進める。中央制御回路151は、ステップS10において、第1しきい値よりも小さいと判定された場合、処理をステップS15に進める。
【0068】
ここでは、第1しきい値よりも大きいと判定されたと仮定して説明を続ける。
ステップS11において、中央制御回路151は、ステップS9で求めた最大コントラスト値の1/2のコントラスト値を第2しきい値として設定する。
ステップS12において、中央制御回路151は、ステップS9で求めた最大コントラスト値のフォーカス位置の両側に、10ステップ分のフォーカス位置を除いた位置を判断領域として設定する。
【0069】
ステップS13において、中央制御回路151は、ステップS12において設定した判断領域に前記第2しきい値を超えるコントラスト値が存在するか否かを判定する。中央制御回路151は、前記第2しきい値を超えるコントラスト値が存在しないと判定する場合、処理をステップS14に進める。中央制御回路151は、前記第2しきい値を超えるコントラスト値が存在すると判定する場合、処理をステップS15に進める。
【0070】
ここでは、第2しきい値を超えるコントラスト値が存在しないと判定されたと仮定して説明を続ける。
ステップS14において、中央制御回路151は、ステップS9で求めた最大コントラスト値のフォーカス位置を合焦点位置として決定する。
ステップS18において、中央制御回路151は、フォーカシング機構13のステッピングモータ131を制御して、フォーカス位置を前記オートフォーカス位置に移動する。
【0071】
ステップS19において、中央制御回路151は、スキャニング機構12のステッピングモータ121を制御して、照明部10と読取部11を読み取り開始位置に移動する。したがって、CCDラインセンサ113は、読み取り開始位置から、画像全面を対象とするスキャンを開始することが可能になる。
前記したように、中央制御回路151は、ステップS10において、ステップS9において求めた最大コントラスト値が第1しきい値よりも小さいと判定する場合、処理をステップS15に進める。同様に、中央制御回路151は、ステップS13において、第2しきい値を超えるコントラスト値が存在する判定する場合、処理をステップS15に進める。
【0072】
ステップS10からステップS15に進む場合は、ステップS9で求めた焦点位置が第1しきい値よりも小さい値であり、正常なフォーカス位置ではない可能性がある。したがって、中央制御回路151は、ステップS15からS17に示す赤外光によるオートフォーカスに処理を進める。
また、ステップS13からステップS15に進む場合は、可視光によるコントラスト値の変化が正常ではなく、ステップS9で求めた焦点位置が正常な合焦点位置ではない可能性がある。したがって、中央制御回路151は、ステップS15からS17に示す赤外光によるオートフォーカスに処理を進める。
【0073】
ステップS15においては、中央制御回路151は、RAM152に格納された赤外光に基づくコントラスト値を読み出して比較し、赤外光によるコントラスト値の最大値を求める。中央制御回路151は、赤外光のコントラスト値が最大のフォーカス位置を求め、合焦点位置とする。
これは、赤外光によるオートフォーカスが、可視光によるオートフォーカスよりも、安定した合焦点位置の決定を可能にするためである。これは、以下の理由による。すなわち、赤外光によるコントラスト値の測定は、フィルム上の絵柄の影響をほとんど受けない。
【0074】
図7は、夜景などの暗い画像及び絵柄が急激に変化する境界位置におけるフイルム画像の、合焦点位置における画像データ(CCDラインセンサ113の出力)の一例を示す図である。図示するように、赤外光を用いた場合、CCDラインセンサ113の隣接画素の出力値の変化は、合焦点位置では、暗い画像などの場合でも大きい。すなわち、赤外光を用いるコントラスト値の測定は、合焦点位置において、フィルム上の粒子による凹凸を正確に反映することが可能である。したがって、コントラスト値は、大きい値になる。なお、図7における縦軸と横軸の関係は、図30の場合と同様である。
【0075】
図8は、夜景などの暗い画像及び絵柄が急激に変化する境界位置における画像の、デフォーカス位置(非合焦点位置)における画像データ(CCDラインセンサ113の出力)の一例を示す図である。この場合には、非合焦点位置であるため、CCDラインセンサの隣接画素の出力値の変化は小さい。すなわち、画像読取装置は、焦点が合っていないため、原稿表面の凹凸を画像データとして正確に読み取ることができない。したがって、コントラスト値は、小さい値になる。図8における縦軸と横軸の関係は、図30の場合と同様である。
【0076】
図9は、夜景などの暗い画像及び絵柄が急激に変化する境界位置における画像の、フォーカス位置(横軸)と赤外光を用いたコントラスト値(縦軸)の関係の一例を示す図である。図9に示すように、赤外光を用いたオートフォーカスによれば、フィルム画像の絵柄などに関係なく、コントラスト値のピーク点から合焦点位置を求めることができる。図9における縦軸と横軸の関係は、図32の場合と同様である。
【0077】
次に、ステップS16において、中央制御回路151は、収差の補正を実行するか否かを判定する。
ここで、収差の補正とは、次のことを意味する。すなわち、図10に示すように、可視光と赤外光では、一般的に、軸上色収差に起因して、合焦点位置(コントラストのピーク位置)にずれが生じる。画像読取装置は、画像の読み取りを可視光で行う。したがって、画像読取装置が、赤外光によるオートフォーカスで求めた合焦点位置をそのまま用いて画像の読み取りを行うと、焦点位置がずれた不鮮明な画像データを出力する可能性がある。上記不鮮明の程度は、光学系の設計などによる。したがって、画像読取装置として許容できる場合と許容できない場合が生じる。
【0078】
可視光による合焦点位置と赤外光による合焦点位置のずれの程度は、光学設計により、ほぼ一定値に定まる。したがって、画像読取装置の製造者が、前記ずれ量をROM153などのメモリに格納しておく。これによって、画像読取装置は、フィルム画像の読み取り時に、赤外光から得られた合焦点位置に補正をかけ、可視光の合焦点位置に近づけることが可能である。この場合、ユーザは、補正を行うかどうかを、ドライバソフト上で設定できるようにすればよい。
【0079】
さらに、次の様にして、収差の補正を行ってもよい。すなわち、画像読取装置は、画像の読み取りを開始するとき、可視光による合焦点位置検出と赤外光による合焦点位置検出とを行い、両者のずれ量を検出する。画像読取装置は、前記検出されたずれ量をRAMなどのメモリに格納する。画像読取装置は、画像の読み取りを実行するとき、前記ずれ量を前記メモリから読み出して、赤外光から得られた合焦点位置に補正をかける。
【0080】
ステップS16において、中央制御回路151は、収差の補正を行う場合には、ステップS17を経由してステップS18に進む。中央制御回路151は、収差の補正を行わない場合には、直接、ステップS18に進む。
ステップS18,S19における処理は、前記したとおりである。
図11は、図6に示すステップS4,S6において、中央制御回路151がコントラスト値を求める演算手順を示すフローチャートである。ここで、CCDラインセンサ113の各画素(500画素)から出力される各画像データをA/D変換した画像データ値をL(n)(n=1〜500)とする。
【0081】
ステップS401,402,403に示すように、中央制御回路151は、500画素の全てについて、隣接画素間の画像データの差の絶対値の和を求める動作を繰り返す。
次に、ステップS404において、中央制御回路151は、求めた隣接画素間の画像データの差の絶対値の和を全て加算し、コントラスト値を求める。
【0082】
次に、ステップS405において、中央制御回路151は、フォーカス位置に対応するRAM152のアドレスに、ステップS405で求めたコントラスト値を格納する。
前記第1のフローチャートによれば、画像読取装置は、可視光による合焦点位置の決定に失敗した場合、赤外光を用いて合焦点位置を決定することができる。
【0083】
しかも、第1のフローチャートによれば、画像読取装置は、夜景などの暗い画像及び絵柄が急激に変化する境界位置におけるフイルム画像などについても、合焦点位置を正確に求めることが可能になる。
また、第1のフローチャートによれば、画像読取装置は、軸上色収差により生ずる可視光による合焦点位置と赤外光による合焦点位置の差を補正することができるので、より高精度に合焦点位置を求めることが可能になる。
【0084】
したがって、第1のフローチャートによれば、画像読取装置は、高画質の画像を出力することができる。
図12は、図1から図5に示す画像読取装置が実行するオートフォーカスの第2の実施の形態を示すフローチャートである。この第2のフローチャートは、請求項1、請求項3請求項及び請求項から請求項に記載の各発明に対応する。
【0085】
図12に示すステップS21からステップS26においては、中央制御回路151は、図6に示す第1の実施の形態におけるステップS1,S2,S5,S6,S7と同様の処理を実行する。すなわち、第2の実施の形態において、中央制御回路151は、ステップS21からステップS26において、可視光を用いたオートフォーカスを実行する。
【0086】
次に、ステップS27において、図6に示す第1の実施の形態におけるステップS9と同様の処理を行う。すなわち、中央制御回路151は、RAM152に格納された可視光に基づくコントラスト値を読み出して比較し、可視光による最大コントラスト値を求める。中央制御回路151は、可視光のコントラスト値が最大のフォーカス位置を求める。
【0087】
次に、ステップS28からステップS32において、中央制御回路151は、図6に示す第1の実施の形態における、ステップS10からステップS14と同様の処理を実行する。すなわち、一言で表現すれば、中央制御回路151は、可視光を用いて得られた合焦点位置が正常に決定することができたか否かを判定する。正常か否かの判定基準は、前記ステップS10(S28)とステップS13(S31)の場合と同一である。
【0088】
ステップS28とS31において、中央制御回路151は、可視光を用いて得られた合焦点位置の決定が正常であると判定する場合、図6に示す前記ステップS18と同様の処理を行うステップS41に進む。続いて、中央制御回路151は、前記ステップS19と同様の処理を行うステップS42に進み、処理を終了する。
【0089】
ステップS28とS31において、中央制御回路151は、可視光を用いて得られた合焦点位置の決定が正常ではないと判定する場合、ステップS33に進む。
ステップS33からステップS38においては、赤外光を用いた合焦点位置の決定が行われる。この過程は、第1の実施の形態におけるステップS2,S3,S4,S7,S8,及びステップS9(ただし、可視光の代わりに赤外光を使用)における処理と同様である。
【0090】
次に、ステップS39,S40において、第1の実施の形態におけるステップS16,S17と同様の処理を行う。すなわち、中央制御回路151は、可視光と赤外光の軸上色収差の相違に起因して生じる合焦点位置(コントラストのピーク位置)を補正するか否かを判定する。収差補正を実行する場合は、中央制御回路151は、ステップS40を経由して、処理をステップS41に進める。収差補正を実行しない場合は、中央制御回路151は、直ちに、処理をステップS41に進める。収差補正の方法は、第1の実施の形態の場合と同様である。
【0091】
ステップS41、42における処理は、前記したとおりである。
なお、前記第2の実施の形態において、中央制御回路151は、可視光による合焦点位置の検出を先に行い、赤外光による合焦点位置の検出を後で行うようにしたが、どちらを先に行ってもよい。
また、前記第1及び第2の実施の形態において、画像読取装置は、CCDラインセンサを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、エリアセンサを用いてもよい。
【0092】
以上の説明から明らかなように、前記第2の実施の形態によれば、画像読取装置は、可視光による合焦点位置の決定に失敗した場合、赤外光を用いて合焦点位置を決定することができる。
しかも、第2の実施の形態によれば、画像読取装置は、夜景などの暗い画像及び絵柄が急激に変化する境界位置におけるフイルム画像などについても、合焦点位置を正確に求めることが可能になる。
【0093】
また、第2の実施の形態によれば、画像読取装置は、軸上色収差により生ずる可視光による合焦点位置と赤外光による合焦点位置の差を補正することができるので、より高精度に合焦点位置を求めることが可能になる。
したがって、第2の実施の形態によれば、画像読取装置は、高画質の画像を出力することができる。
【0094】
なお、前記したように、画像読取装置は、図5に示す画像処理装置3に接続される他に、図13に示すようにパソコンなどのホストコンピュータにも接続される。
この場合、第3の実施の形態において説明するように、中央制御回路151の代わりに、ホストコンピュータのCPUを用いてもよい。また、図5に示すICカード154やRAM152の代わりに、ホストコンピュータのハードディスクドライブ又はメモリを用いてもよい。
【0095】
この場合、ハードディスクドライブは、図6や図12に示すフローチャートを実行するプログラムを格納している。そして、ホストコンピュータのCPUは、上記プログラムをハードディスクドライブから読み出して、ホストコンピュータのメモリに格納する。これによって、ホストコンピュータのCPUは、上記プログラムの実行が可能となる。なお、ハードディスクドライブに格納するプログラムは、あらかじめホストコンピュータにセットアップ可能なように、CD−ROM等の記憶媒体に格納する。これは、請求項1から請求項1に記載の発明に対応する。
【0096】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図13は、画像読取装置の本体1とホストコンピュータ30の接続状態を示すブロック図であり、図13と図5との比較から明らかなように、画像読取装置の本体1に、ホストコンピュータ30を接続したものである。
【0097】
以下に説明する第3の実施の形態は、図1に示す照明部10の光源101から発光される赤外(IR)を利用して、フィルム原稿上に存在する塵、傷、指紋等の欠陥の影響を補正する機能を備えた画像読取装置に対して、本発明を適用するものである。
この場合、光源101から発光される赤外(IR)を利用することによって、正確なオートフォーカスの実行が可能にると共に、光源101から発光される赤外(IR)を利用することによって、本スキャン実行時にフィルム原稿上に存在する塵、傷、指紋等の欠陥の影響を補正することが可能になり、高画質の画像を読み取ることができる。このとき用いられる赤外(IR)は,別途に2つ設ける必要はなく、前記したように光源101から発光される赤外(IR)を兼用することができる。
【0098】
ここで、第3の実施の形態は、特許請求の範囲に記載する請求項2に対応する。また、請求項2との対応関係は、次のようになっている。赤外成分分解手段、可視成分分解手段には、照明部10が対応する。赤外成分検出手段、可視成分検出手段には、主としてCCDラインセンサ13が対応する。欠陥赤外成分検出手段、補正係数演算手段、可視成分分解手段、可視成分検出手段、乗算手段は、CPUを含む中央制御回路15やホストコンピュータ30のCPUが主として対応する。なお、図13に示す画像読取装置の本体1が、ホストコンピュータ30の代わりに、画像処理装置3(図5参照)と接続されているときには、画像処理装置3のCPUが、欠陥赤外成分検出手段、補正係数演算手段、可視成分分解手段等に主として対応する。
【0099】
なお、上述の構成において、色分解は、ストリップフィルム23を異なる色(赤色(R),緑色(G),青色(B),赤外(IR))で照明することにより実現している。しかし、色分解は、前記したように、白色光源の光をストリップフィルム23に照明し、色分解フィルタを通過させることにより、実現してもよい。また、色分解は、前記したように、4ラインセンサ等を用いて実現してもよい。
【0100】
以下、第3の実施形態の処理動作について説明する。
図14は、画像読取装置が画像の読み取りを行う際の全体の処理手順を示すフローチャートである。
図14において、ステップS51に示すオートフォーカス処理は、前記した第1の実施の形態における図6又は図12に示すフローチャート(サブルーチン)に相当する。すなわち、図14に示すように、画像読取装置は、ステップS51においてオートフォーカス処理を実行した後、ステップS52においてプリスキャン処理を実行し、ステップS53において、本スキャン処理を実行する。第3の実施の形態においては、赤外(IR)を用いたオートフォーカスを実行した後、プリスキャン(ステップS52)と本スキャン(ステップS53)において、画像データから塵、傷、指紋等の欠陥の影響を除去する赤外(IR)を用いた処理を行う。なお、プリスキャン処理と本スキャン処理については、後に説明する(図29)。
【0101】
まず、画像データから塵、傷、指紋等の欠陥の影響を除去する原理について説明する。
図15は、画像データから塵、傷、指紋等の欠陥の影響を除去する原理説明図である。また、図16は、画像データの補正動作の説明図である。図17〜図24は、図13に示す画像読取装置の本体1がホストコンピュータ30に接続されていることを前提とし、ホストコンピュータ30がフィルム原稿上に存在する塵、傷、指紋等の欠陥の影響を補正処理する動作を示すフローチャートである。
【0102】
図25〜図28は、位置合わせの説明図である。図29は、画像読取装置がプリスキャン、本スキャンを行う場合の手順を示すフローチャートである。
まず、図15、図16を参照して画像データの補正処理についてのこの実施形態の原理的な事項について説明する。
【0103】
フィルム原稿の画像読み取りでは、各ライン毎に4色を切り換えて読み取りを行う線順次読み取り方式と、一色で1画面の全体を読み取り、次に色を代えて1画面の全体を読み取ることを4色について行う面順次読み取り方式とがある。何れの方式であれ、図5のRAM152には、赤色(R),緑色(G),青色(B)及び赤外(IR)の4色のデータが格納される。
【0104】
ここに、4色のデータには、次のような相違がある。可視光データである赤色(R),緑色(G),青色(B)の各データは、それぞれ、フィルム原稿の赤色(R)成分、緑色(G)成分、青色(B)成分に対応している。つまり、赤色(R),緑色(G),青色(B)の各データは、フィルム原稿の濃度情報を示している。フィルム原稿上に塵、傷等がある場合には、照明光は、それらに蹴られるので、ラインセンサ18上に到達する光量が減少し、塵、傷等がある部分のデータは、フィルム原稿があたかも暗い状態(濃い状態)であることを示すことになる。したがって、赤色(R),緑色(G),青色(B)の各データには「フィルム原稿本来の濃度情報」に「塵、傷等により遮光された情報」が重畳されていることになる。
【0105】
一方、フィルム原稿は、元々、赤外光(IR)に対する受光感度がないので、赤外光(IR)に対しては、フィルム原稿上で濃度差が生じない。したがって、照明光が赤外光(IR)である場合には、ほぼ素通しに近い状態でフィルム原稿を透過するので、得られるラインデータは、いかなるフィルム原稿を持ってきてもほぼ一定の値となる。ところが、フィルム原稿上に塵、傷等がある場合には照明光は、それらに蹴られるので、CCDラインセンサ13に到達しない。つまり、赤外光(IR)によるラインデータは、塵、傷等により減衰したデータとなる。
【0106】
要するに、赤色(R),緑色(G),青色(B)及び赤外(IR)の4色の照明光を用いた場合、赤色(R),緑色(G),青色(B)の照明光で得られるラインデータには、従来と同様の「フィルム原稿本来の濃度情報」に「塵、傷等により遮光された情報」が重畳されている。また、赤外(IR)の照明光で得られるラインデータのうち値が減衰しているデータには、「塵、傷等により遮光された情報」が反映されている。
【0107】
そこで、図15において、フィルム原稿上に欠陥がない場合、赤外光(IR)の透過レベルは、ある一定値(最大値)を示す一方、赤色(R),緑色(G),青色(B)の透過レベルは、原稿濃度に応じたレベルを示す。そして、フィルム原稿上に欠陥がある場合、その欠陥箇所においてそれぞれ減衰を受けるが、欠陥場所での赤外光(IR')のレベルは、欠陥がない場合の最大値から減衰を受けたものであるので、両者の比(IR/IR')は、欠陥箇所での減衰の割合を示すことになる。
【0108】
したがって、赤外光について欠陥がない場合の透過レベル(IR)は、透過光を検出して定めてもよく、既知の場合はあらかじめメモリに記憶させてもよいが、フィルム原稿60上で赤外光の透過レベルを監視し、最大値から減衰を受けた透過レベル(IR’)を検出すると、両者の比(IR/IR')を求め、それを減衰を受けた赤色レベル(R’)、緑色レベル(G’)、青色レベル(B’)のそれぞれに乗算すれば、欠陥がないとした場合の赤色レベル(R)、緑色レベル(G)、青色レベル(B)に補正できることがわかる。
【0109】
例えば、図16(a)に示すように、フィルム原稿60に塵70が付着している場合、赤色(R),緑色(G)及び青色(B)の3色の照明光によって得られる画面には、図16(b)左に示すように、人物像の他に塵70が写っている。これに対応するラインデータには、人物像に対応するデータと図16(c)左に矢印で示すように塵70が付着している部分に対応するデータとが含まれる。一方、赤外(IR)の照明光によって得られる画面には、図16(b)中に示すように、塵70に対応する位置が暗く写っている。これに対応するラインデータには、図16(c)中に示すように、塵70が付着している部分に対応するデータが減衰している。
【0110】
このことから、赤外(IR)の照明光で得られるラインデータから塵70の存在有無を判定でき、塵70の存在が検知できた場合には、その塵70の存在箇所を特定できる。この特定した箇所から得られる、赤色(R),緑色(G),青色(B)の照明光によるデータにも塵70に起因する情報がある(図5(c)左の矢印部分)ので、赤色(R),緑色(G),青色(B)の照明光による同じ箇所のデータに、比(IR/IR')を乗算すれば、あたかも塵70が存在しなかったかのように補正ができる(図16(b)右、(c)右)。
【0111】
ただし、この補正処理が有効となるのは、当然のことながら、欠陥で減衰を受けた赤色(R),緑色(G),青色(B)の各データに欠陥がない場合の情報が含まれている場合に限られる。つまり、比(IR/IR')を求めるIR’のレベルが低すぎると、R,G,Bの照明光によるデータを補正できない。IR’のレベルが設定されるしきい値よりも低い場合には、単に比(IR/IR')を乗算したのみでは補正できないと考えられる。
【0112】
この場合には、次のような補間処理によって補正が行える。一般的には、塵、傷等の存在箇所の占有面積は、それほど大きくないので、その占有面積内では、元々のフィルム原稿60上で濃度差(つまり模様)のある可能性は低く、むしろ一様な絵柄である可能性が高い。したがって、塵、傷等が存在すると特定された箇所については、その両側の隣接部のデータを用い、それらを滑らかにつなげば(図16(d)参照)、元々のフィルム原稿60の画像に対して違和感のない画像を得る補正が可能であることがわかる(図16(b)右参照)。
【0113】
以上に説明した補正動作は、ホストコンピュータ30と画像読取装置の本体1との協同作業の形で行われるので、ホストコンピュータ30の処理動作と画像読取装置の本体1の処理動作とに分けて説明する。
最初にホストコンピュータ30の補正処理動作を説明し(図17〜図24)、その次に画像読取装置の読み取り動作について簡単に説明する(図14、図29)。
【0114】
(A)ホストコンピュータ30の処理動作
図17〜図24において、ステップS101では、ホストコンピュータ30は、ユーザがメニュー画面のスキャン釦をクリックしたことに応答して、画像読取装置本体1にプリスキャン開始命令を送信する。画像読取装置本体1は、後述するようにプリスキャン(図29)を実施しプリスキャン画像データをホストコンピュータ30へ送信する。このプリスキャン画像データは、赤色(R),緑色(G),青色(B),赤外(IR)の各データからなる。
【0115】
ステップS102では、ホストコンピュータ30は、画像読取装置本体1からそのようなプリスキャン画像データの全てが受信されるのを待機している。ホストコンピュータ30は、プリスキャン画像データの全てが受信されると、ステップS102で肯定(YES)の判定を行い、ステップS103に進む。
ステップS103では、ホストコンピュータ30は、受信したプリスキャン画像データから、赤色(R)データの最大値Rmax,緑色(G)データの最大値Gmax,青色(B)データの最大値Bmax を検出する。そして、ホストコンピュータ30は、次のステップS104で設定されたフィルムがポジフィルムであるか否かを判定する。
【0116】
ホストコンピュータ30は、ポジフィルムである場合には、ステップS104で、肯定(YES)の判定を行ってステップS105〜S109の処理に進み、その後ステップS116〜S184の処理を実行する。また、ホストコンピュータ30は、ネガフィルムである場合には、ステップS104で否定(NO)の判定を行ってステップS110〜S115の処理に進み、その後ステップS116〜S184の処理を実行する。
【0117】
ステップS105〜S109の処理及びステップS110〜S115の処理は、本スキャン時の蓄積時間を設定する処理である。
1)設定されたフィルムがポジフィルムである場合。ステップS105では、ホストコンピュータ30は、ステップS103において求めたRmax,Gmax,Bmax の中で最も大きい値を可視光maxと設定する。ステップS106では、ホストコンピュータ30は、可視光maxをA/D変換器19のフルスケール近傍に設定するため、RGBの倍率を計算する。すなわち、A/D変換器19が8ビットである場合は、フルスケールは255であるので、RGBの倍率=255/可視光max の計算を行う。
【0118】
また、ステップS107では、ホストコンピュータ30は、受信したプリスキャン画像データから赤外(IR)データの最大値IRmax を検出する。ステップS108では、IRmax をA/D変換器19のフルスケール近傍に設定するため、IRの倍率を計算する。すなわち、A/D変換器19が8ビットである場合は、IRの倍率=255/IRmax の計算を行う。
【0119】
そして、ステップS109では、ホストコンピュータ30は、プリスキャン時の蓄積時間Tr',Tg',Tb',Tir'に倍率を乗算して本スキャン時の蓄積時間Tr,Tg,Tb,Tirを設定する。すなわち、ステップS109では、ホストコンピュータ30は、Tr=Tr'×RGBの倍率、Tg=Tg'×RGBの倍率、Tb=Tb'×RGBの倍率、Tir=Tir'×IRの倍率を計算し、ステップS116に進む。
【0120】
2)設定されたフィルムがネガフィルムである場合。この場合には、ステップS103において求めたRmax,Gmax,Bmax それぞれをA/D変換器19のフルスケール近傍に設定するため、それぞれについての倍率を求める。
すなわち、ステップS110では、ホストコンピュータ30は、ステップS103において求めたRmax を用いて、Rの倍率=255/Rmax の計算を行う。ステップS111では、ホストコンピュータ30は、ステップS103において求めたGmax を用いて、Gの倍率=255/Gmax の計算を行う。ステップS112では、ホストコンピュータ30は、ステップS103において求めたBmax を用いて、Bの倍率=255/Bmax の計算を行う。
【0121】
また、ステップS113では、ホストコンピュータ30は、受信したプリスキャン画像データから赤外(IR)データの最大値IRmax を検出する。ステップS114では、IRmax をA/D変換器19のフルスケール近傍に設定するためIRの倍率を計算する。すなわち、IRの倍率=255/IRmax の計算を行い、ステップS115に進む。
【0122】
そしてステップS115では、ホストコンピュータ30は、プリスキャン時の蓄積時間Tr',Tg',Tb',Tir'に倍率を乗算して本スキャン時の蓄積時間Tr,Tg,Tb,Tirを設定する。すなわち、ステップS115では、ホストコンピュータ30は、Tr=Tr'×Rの倍率、Tg=Tg'×Gの倍率、Tb=Tb'×Bの倍率、Tir=Tir'×IRの倍率を計算し、ステップS116に進む。
【0123】
次に、ステップS116では、ホストコンピュータ30は、画像読取装置本体1に対し、以上のようにして求めた蓄積時間Tr,Tg,Tb,Tirのデータと本スキャン開始命令を送信する。これにより、画像読取装置本体1は、面順次方式や線順次方式で本スキャン画像データの読み取りを行う。なお、ここでは面順次方式と線順次方式の説明は省略する。ホストコンピュータ30は、次のステップS117で、画像読取装置本体1から本スキャン画像データが送信されて来るを待機する。
【0124】
ホストコンピュータ30は、画像読取装置本体1から本スキャン画像データの受信を完了すると、ステップS117で肯定(YES)の判定を行い、ステップS118で、IRデータの全画素から第mブロックの画素を選択する。そして、ホストコンピュータ30は、ステップS119で、その選択したIRデータ第mブロックに第1IR輝度レベル未満のピクセルがあるか否かを判定する。すなわち、ステップS119では、ホストコンピュータ30は、選択した第mブロックにおいて欠陥があるか否かを判定する。この第1IR輝度レベルは、フィルム原稿60に欠陥がない場合の透過レベルであり、ポジフィルムの場合はステップS107で求めたIRmax に対しステップS108で求めたIRの倍率を掛けた値である。また、ネガフィルムの場合、第1IR輝度レベルは、ステップS113で求めたIRmax に対してステップS114で求めたIRの倍率を掛けた値である。
【0125】
ホストコンピュータ30は、このステップS119の判定が肯定(YES)の場合は、すなわち選択した第mブロックにおいて欠陥がある場合には、ステップS120〜S137において対応する第mブロックのRデータについてその欠陥位置の位置合わせ処理を例えば図25〜図28に示すようにして行う。
図25において、図25(a)は、ステップS119においてIRレベルに欠陥が検出された場合を示す。図25(a)において、輝度レベル「255」が、ステップS119でいう第1IR輝度レベルであり、それ以下の輝度レベルの画素は網掛けして示してある。図25(b)は、図25(a)に対応する可視光についてのブロックであり、可視レベルに欠陥がある場合を示す。これに対し、図25(c)は、対応するブロックにおいて欠陥がない場合の可視レベルを示す。
【0126】
ステップS120では、ホストコンピュータ30は、選択したIRデータ第mブロックに対応するRデータの第mブロックの±3画素(ピクセル)以内のずれのあるブロックから1ブロックを選択する。図26〜図28では、着目する3×3ピクセルを縦方向、横方向へ1画素ずつずらした状態を示してある。
ステップS121では、ホストコンピュータ30は、「選択した第nブロックのRデータの輝度値」−「第mブロックのIRデータ輝度値」の演算を実行して減算値(R)nを求める。例えば、図26の「A−1」で濃い枠で示す3×3ピクセルの位置に対応する図25(b)における位置が第nブロックである。そこで、図26の「A−1」で濃い枠で示す3×3ピクセルの第1行の減算値「-55」「-55」「80」は、それぞれ「-55=200-255」、「-55=200-255」、「80=200-120」と求められる。
【0127】
ステップS122では、ホストコンピュータ30は、以上のようにして求めた減算値の絶対値の総和を求める。図26の「A−1」で濃い枠で示す3×3ピクセルの減算値で言えば、第1行の総和が「190」、第2行の総和が「310」、第3行の総和が「451」であり、これらの合計が「951」となる。以上のことは図26の「A−2」「A−3」、図27の「B−1」「B−2」「B−3」、図28の「C−1」「C−2」「C−3」において同じである。
【0128】
ステップS123では、ホストコンピュータ30は、以上のようにして1つの位置で求めた減算値の合計値(R)nをメモリ(図示せず)に記録する。ステップS124では、ホストコンピュータ30は、着目する3×3ピクセルを縦方向、横方向へ1ピクセルずつずらして減算値の合計値を算出する動作を49回行ったか否かを判定する。判定が否定(NO)の場合はステップS120に戻る。すなわち、ホストコンピュータ30は、ステップS124の判定が肯定(YES)となるまで、ステップS124→S120→S121→S122→S123→S124の動作を繰り返す。そして、ホストコンピュータ30は、ステップS124の判定が肯定(YES)となると、ステップS125に進み、合計値(R)nの最小値である合計値(R)n.minを選択する。図25〜図28の例で言えば、合計値が「630」である図27の「B−2」が選択される。
【0129】
ステップS126では、ホストコンピュータ30は、合計値(R)n.minに対応するブロック(図27の「B−2」)をIRデータの第mブロック(図25(a))の対応ブロックと特定する。ステップS127では、ホストコンピュータ30は、IRデータの第mブロック(図25(a))から1ピクセルを選択する。ステップS128では、ホストコンピュータ30は、選択したIRピクセルの輝度レベルが第1IR輝度レベルよりも小さいか否かを判定する。
【0130】
ステップS128の判定が否定(NO)の場合には、ホストコンピュータ30は、ステップS133に進み、対応Rピクセルの輝度レベルをメモリ(図示せず)に記録しステップS136に進む。一方、ステップS128の判定が肯定(YES)の場合には、ホストコンピュータ30は、ステップS129に進み、選択したIRピクセルの輝度レベルが第2IR輝度レベル以上であるか否かを判定する。
【0131】
ホストコンピュータ30は、選択したIRピクセルの輝度レベルが、第2IR輝度レベル以上であるときは、ステップS129で肯定(YES)の判定を行い、ステップS130に進み、(IR最大輝度)/(IRピクセル輝度)演算を行い補正係数を求め、ステップS131、S132を介してステップS136に進む。ステップS131では、ホストコンピュータ30は、補正Rデータの輝度レベル=(対応Rピクセル輝度レベル)×(補正係数)の演算を行う。ステップS132では、ホストコンピュータ30は、ステップS131で求めた補正Rデータの輝度レベルをメモリ(図示せず)に記録する。
【0132】
一方、ホストコンピュータ30は、ステップS129の判定が否定(NO)の場合には、つまり、選択したIRピクセルの輝度レベルが、第2IR輝度レベルよりも小さい場合には、ステップS134に進む。ステップS134では、ホストコンピュータ30は、対応Rピクセル輝度レベルを周辺R輝度レベルに基づき算出する。そして、ホストコンピュータ30は、ステップS135で、算出したRピクセル輝度レベルをメモリ(図示せず)に記録し、ステップS136に進む。
【0133】
ステップS136では、ホストコンピュータ30は、第mブロックの全ピクセルに対して処理を終了したか否かを判定する。ステップS136の判定が否定(NO)の場合は、ステップS127に戻り、次のピクセルについて同様の処理を行う。一方、ステップS136の判定が肯定(YES)の場合は、ステップS137に進み、ホストコンピュータ30は、Rデータについて全ブロックの処理が終了したか否かを判定する。
【0134】
ステップS137の判定が否定(NO)の場合は、ホストコンピュータ30は、ステップS118に戻り、ブロックの選択を行い、Rデータについて同様の処理を行う。一方、ステップS137の判定が肯定(YES)の場合は、ホストコンピュータ30は、次にGデータ,Bデータについて同様の処理を実行する。ステップS138〜S157は、Gデータについての処理を示し、ステップS158〜S177は、Bデータについての処理を示す。以下、この順に説明する。
【0135】
ステップS138で、IRデータの全画素から第mブロックの画素を選択する。そして、ホストコンピュータ30は、ステップS139で、その選択したIRデータ第mブロックに第1IR輝度レベル未満のピクセルがあるか否かを判定する。すなわち、ステップS139では、ホストコンピュータ30は、選択した第mブロックにおいて欠陥があるか否かを判定する。この第1IR輝度レベルは、フィルム原稿60に欠陥がない場合の透過レベルであり、ステップS107やステップS113で求めたIRmax を用いることができる。
【0136】
ホストコンピュータ30は、このステップS139の判定が肯定(YES)の場合は、すなわち選択した第mブロックにおいて欠陥がある場合には、ステップS140〜S157において対応する第mブロックのGデータについてその欠陥位置の位置合わせ処理を例えば図25〜図28に示すようにして行う。
図14において、図25(a)は、ステップS139においてIRレベルに欠陥が検出された場合を示す。図25(a)において、輝度レベル「255」が、ステップS139でいう第1IR輝度レベルであり、それ以下の輝度レベルの画素は網掛けして示してある。図25(b)は、図25(a)に対応する可視光についてのブロックであり、可視レベルに欠陥がある場合を示す。これに対し、図25(c)は、対応するブロックにおいて欠陥がない場合の可視レベルを示す。
【0137】
ステップS140では、ホストコンピュータ30は、選択したIRデータ第mブロックに対応するRデータの第mブロックの±3画素(ピクセル)以内のずれのあるブロックから1ブロックを選択する。図26〜図28では、着目する3×3ピクセルを縦方向、横方向へ1画素ずつずらした状態を示してある。
ステップS141では、ホストコンピュータ30は、「選択した第nブロックのGデータの輝度値」−「第mブロックのIRデータ輝度値」の演算を実行して減算値(G)nを求める。例えば、図26の「A−1」で濃い枠で示す3×3ピクセルの位置に対応する図25(b)における位置が第nブロックである。そこで、図26の「A−1」で濃い枠で示す3×3ピクセルの第1行の減算値「-55」「-55」「80」は、それぞれ「-55=200-255」、「-55=200-255」、「80=200-120」と求められる。
【0138】
ステップS142では、ホストコンピュータ30は、以上のようにして求めた減算値の絶対値の総和を求める。図26の「A−1」で濃い枠で示す3×3ピクセルの減算値で言えば、第1行の総和が「190」、第2行の総和が「310」、第3行の総和が「451」であり、これらの合計が「951」となる。以上のことは、図26の「A−2」「A−3」、図27の「B−1」「B−2」「B−3」、図28の「C−1」「C−2」「C−3」において同じである。
【0139】
ステップS143では、ホストコンピュータ30は、以上のようにして1つの位置で求めた減算値の合計値(G)nをメモリ(図示せず)に記録する。ステップS144では、ホストコンピュータ30は、着目する3×3ピクセルを縦方向、横方向へ1ピクセルずつずらして減算値の合計値を算出する動作を49回行ったか否かを判定する。判定が否定(NO)の場合はステップS140に戻る。すなわち、ホストコンピュータ30は、ステップS144の判定が肯定(YES)となるまで、ステップS144→S140→S141→S142→S143→S144の動作を繰り返す。そして、ホストコンピュータ30は、ステップS144の判定が肯定(YES)となると、ステップS145に進み、合計値(G)nの最小値である合計値(G)n.minを選択する。図25〜図28の例で言えば、合計値が「630」である図27の「B−2」が選択される。
【0140】
ステップS146では、ホストコンピュータ30は、合計値(G)n.minに対応するブロック(図27の「B−2」)をIRデータの第mブロック(図25(a))の対応ブロックと特定する。ステップS147では、ホストコンピュータ30は、IRデータの第mブロック(図25(a))から1ピクセルを選択する。ステップS148では、ホストコンピュータ30は、選択したIRピクセルの輝度レベルが第1IR輝度レベルよりも小さいか否かを判定する。
【0141】
ステップS148の判定が否定(NO)の場合には、ホストコンピュータ30は、ステップS153に進み、対応Gピクセルの輝度レベルをメモリ(図示せず)に記録しステップS156に進む。一方、ステップS148の判定が肯定(YES)の場合には、ホストコンピュータ30は、ステップS149に進み、選択したIRピクセルの輝度レベルが第2IR輝度レベル以上であるか否かを判定する。
【0142】
ホストコンピュータ30は、選択したIRピクセルの輝度レベルが第2IR輝度レベル以上である場合には、ステップS149で肯定(YES)の判定を行い、ステップS150に進み、(IR最大輝度)/(IRピクセル輝度)演算を行い補正係数を求め、ステップS151、S152を介してステップS136に進む。ステップS151では、ホストコンピュータ30は、補正Gデータの輝度レベル=(対応Gピクセル輝度レベル)×(補正係数)の演算を行う。ステップS152では、ホストコンピュータ30は、ステップS151で求めた補正Gデータの輝度レベルをメモリ(図示せず)に記録する。
【0143】
一方、ホストコンピュータ30は、ステップS149の判定が否定(NO)の場合には、つまり、選択したIRピクセルの輝度レベルが、第2IR輝度レベルよりも小さい場合には、ステップS154に進む。ステップS154では、ホストコンピュータ30は、対応Gピクセル輝度レベルを周辺G輝度レベルに基づき算出する。そして、ホストコンピュータ30は、ステップS155で、算出したGピクセル輝度レベルをメモリ(図示せず)に記録し、ステップS156に進む。
【0144】
ステップS156では、ホストコンピュータ30は、第mブロックの全ピクセルに対して処理を終了したか否かを判定する。ステップS156の判定が否定(NO)の場合は、ステップS147に戻り、次のピクセルについて同様の処理を行う。一方、ステップS156の判定が肯定(YES)の場合は、ステップS157に進み、ホストコンピュータ30は、Gデータについて全ブロックの処理が終了したか否かを判定する。
【0145】
ステップS157の判定が否定(NO)の場合は、ホストコンピュータ30は、ステップS138に戻り、ブロックの選択を行い、同様の処理を行う。そして、ホストコンピュータ30は、ステップS157の判定が肯定(YES)の場合は、次にBデータについての処理(S158〜S177)を同様に行う。
ステップS158で、IRデータの全画素から第mブロックの画素を選択する。そして、ホストコンピュータ30は、ステップS159で、その選択したIRデータ第mブロックに第1IR輝度レベル未満のピクセルがあるか否かを判定する。すなわち、ステップS159では、ホストコンピュータ30は、選択した第mブロックにおいて欠陥があるか否かを判定する。この第1IR輝度レベルは、フィルム原稿60に欠陥がない場合の透過レベルであり、ステップS107やS113で求めたIRmax を用いることができる。
【0146】
ホストコンピュータ30は、このステップS159の判定が肯定(YES)の場合は、すなわち選択した第mブロックにおいて欠陥がある場合には、ステップS160〜S177において対応する第mブロックのBデータについてその欠陥位置の位置合わせ処理を例えば図25〜図28に示すようにして行う。
図25において、図25(a)は、ステップS159においてIRレベルに欠陥が検出された場合を示す。図25(a)において、輝度レベル「255」が、ステップS159でいう第1IR輝度レベルであり、それ以下の輝度レベルの画素は網掛けして示してある。図25(b)は、図25(a)に対応する可視光についてのブロックであり、可視レベルに欠陥がある場合を示す。これに対し、図25(c)は、対応するブロックにおいて欠陥がない場合の可視レベルを示す。
【0147】
ステップS160では、ホストコンピュータ30は、選択したIRデータ第mブロックに対応するRデータの第mブロックの±3画素(ピクセル)以内のずれのあるブロックから1ブロックを選択する。図26〜図28では、着目する3×3ピクセルを縦方向、横方向へ1画素ずつずらした状態を示してある。
ステップS161では、ホストコンピュータ30は、「選択した第nブロックのBデータの輝度値」−「第mブロックのIRデータ輝度値」の演算を実行して減算値(B)nを求める。例えば、図26の「A−1」で濃い枠で示す3×3ピクセルの位置に対応する図25(b)における位置が第nブロックである。そこで、図26の「A−1」で濃い枠で示す3×3ピクセルの第1行の減算値「-55」「-55」「80」は、それぞれ「-55=200-255」、「-55=200-255」、「80=200-120」と求められる。
【0148】
ステップS162では、ホストコンピュータ30は、以上のようにして求めた減算値の絶対値の総和を求める。図26の「A−1」で濃い枠で示す3×3ピクセルの減算値で言えば、第1行の総和が「190」、第2行の総和が「310」、第3行の総和が「451」であり、これらの合計が「951」となる。以上のことは図26の「A−2」「A−3」、図27の「B−1」「B−2」「B−3」、図17の「C−1」「C−2」「C−3」において同じである。
【0149】
ステップS163では、ホストコンピュータ30は、以上のようにして1つの位置で求めた減算値の合計値(B)nをメモリ(図示せず)に記録する。ステップS164では、ホストコンピュータ30は、着目する3×3ピクセルを縦方向、横方向へ1ピクセルずつずらして減算値の合計値を算出する動作を49回行ったか否かを判定する。判定が否定(NO)の場合はステップS160に戻る。すなわち、ホストコンピュータ30は、ステップS164の判定が肯定(YES)となるまで、ステップS164→S160→S161→S162→S163→S164の動作を繰り返す。そして、ホストコンピュータ30は、ステップS164の判定が肯定(YES)となると、ステップS165に進み、合計値(B)nの最小値である合計値(B)n.minを選択する。図25〜図28の例で言えば、合計値が「630」である図27の「B−2」が選択される。
【0150】
ステップS166では、ホストコンピュータ30は、合計値(B)n.minに対応するブロック(図27の「B−2」)をIRデータの第mブロック(図25(a))の対応ブロックと特定する。ステップS167では、ホストコンピュータ30は、IRデータの第mブロック(図25(a))から1ピクセルを選択する。ステップS168では、ホストコンピュータ30は、選択したIRピクセルの輝度レベルが第1IR輝度レベルよりも小さいか否かを判定する。
【0151】
ステップS168の判定が否定(NO)の場合には、ホストコンピュータ30は、ステップS173に進み、対応Bピクセルの輝度レベルをメモリ(図示せず)に記録しステップS176に進む。一方、ステップS168の判定が肯定(YES)の場合には、ホストコンピュータ30は、ステップS169に進み、選択したIRピクセルの輝度レベルが第2IR輝度レベ以上であるか否かを判定する。
【0152】
ホストコンピュータ30は、選択したIRピクセルの輝度レベルが、第2IR輝度レベ以上である場合には、ステップS169で肯定(YES)の判定を行い、ステップS170に進み、(IR最大輝度)/(IRピクセル輝度)演算を行い補正係数を求め、ステップS171、ステップS172を介してステップS176に進む。ステップS171では、ホストコンピュータ30は、補正Bデータの輝度レベル=(対応Bピクセル輝度レベル)×(補正係数)の演算を行う。ステップS172では、ホストコンピュータ30は、ステップS171で求めた補正Bデータの輝度レベルをメモリ(図示せず)に記録する。
【0153】
一方、ホストコンピュータ30は、ステップS169の判定が否定(NO)の場合には、つまり、選択したIRピクセルの輝度レベルが、第2IR輝度レベルよりも小さい場合には、ステップS174、S175を介してステップS176に進む。ステップS174では、ホストコンピュータ30は、対応Bピクセル輝度レベルを周辺B輝度レベルに基づき算出する。ステップS175では、ホストコンピュータ30は、算出したBピクセル輝度レベルをメモリ(図示せず)に記録する。
【0154】
ステップS176では、ホストコンピュータ30は、第mブロックの全ピクセルに対して処理を終了したか否かを判定する。ステップS176の判定が否定(NO)の場合は、ステップS167に戻り、次のピクセルについて同様の処理を行う。一方、ステップS176の判定が肯定(YES)の場合は、ステップS177に進み、ホストコンピュータ30は、Bデータについて全ブロックの処理が終了したか否かを判定する。
【0155】
ステップS177の判定が否定(NO)の場合は、ホストコンピュータ30は、ステップS158に戻り、ブロックの選択を行い、同様の処理を行う。そして、ホストコンピュータ30は、ステップS177の判定が肯定(YES)の場合は、ステップS178に進み、設定のフィルムはポジフィルムが否かを判定する。
ステップS178の判定が肯定(YES)の場合は、ホストコンピュータ30は、ステップS179に進み、ユーザにより階調変換が設定されているか否かを判定する。ステップS179の判定が肯定(YES)の場合は、ホストコンピュータ30は、ステップS180で、R,G,Bの各データについて階調変換処理を行う。そして、ホストコンピュータ30は、ステップS181で、補正処理した画像データをディスプレイに出力し、表示させる。
【0156】
一方、ステップS178の判定が否定(NO)の場合は、ホストコンピュータ30は、ステップS182に進み、ユーザにより階調変換が設定されているか否かを判定する。ステップS182の判定が肯定(YES)の場合は、ホストコンピュータ30は、ステップS183で、階調反転関数に設定階調変換関数をマージし、ステップS180に進む。また、ステップS182の判定が否定(NO)の場合は、ホストコンピュータ30は、ステップS184で、階調反転関数を設定階調変換関数として設定し、ステップS180に進む。
【0157】
なお、この実施形態では、ホストコンピュータ30は、ステップS119において欠陥を検出すると、直ちに位置合わせを行うように説明したが、光学系の特性から、IRの結像位置と可視光の結像位置は必ずしも同一ではなく焦点ずれを生じており、多くの場合、IRの像は可視光の像よりも大きい。したがって、補正動作では、位置合わせの前に大きさ合わせをする必要がある。この大きさ合わせには、画像読取装置本体1での読み取りの際に結像位置を調節する方式と、フーリェ解析による方式とがある。
【0158】
フーリェ解析による方式は、次の(1)〜(6)の手順によって大きさ合わせを行う方式である。(1) 欠陥赤外成分レベルをフーリェ変換することによって欠陥赤外成分レベルの周波数分布を求める。(2) 欠陥可視成分レベルをフーリェ変換することによって欠陥可視成分レベルの周波数分布を求める。(3) 欠陥赤外成分レベルの周波数分布から前記欠陥赤外成分レベルの周波数である欠陥赤外周波数を検出する。
【0159】
(4) 欠陥可視成分レベルの周波数分布から前記欠陥赤外成分レベルの周波数に近い欠陥可視周波数を検出する。(5) 前記欠陥可視周波数に近づくように欠陥赤外周波数をシフトする。(6) シフトされた前記欠陥赤外周波数を逆フーリェ変換する。
また、この実施形態では、欠陥補正の処理後に階調変換することとしたが、これは、次の理由から好ましい方法である。すなわち、階調変換を先に実行すると、階調変換の処理も考慮して欠陥補正の処理をしなければならず処理が複雑になる。つまり、この実施形態の方式によれば、処理が単純になる利点がある。
【0160】
また、図17〜図24に示す手順は、メモリ(図示せず)に記憶され、またCD−ROM3にセットアップ可能に記憶されている。
(B)画像読取装置本体の処理動作
図14に関連して前記したように、画像読取装置本体1は、オートフォーカス処理(S51),プリスキャン処理(S52)、本スキャン処理(S53)を実行する。以下、プリスキャン処理と本スキャン処理の概略について説明する。なお、このフローチャートは、線順次読み取りを例にしている。
【0161】
図29は、プリスキャン処理と本スキャン処理の概略を示すフローチャートである。このフローチャートは、ホストコンピュータ30から画像読取装置本体1がプリスキャン命令又は本スキャン命令を受信することによって開始する。
【0162】
ステップS201において、画像読取装置本体1の中央制御装置151内のCPUがステッピングモータ121を駆動して、ストリップフィルム23のコマ(又はフィルム原稿60を搭載した原稿保持台等)を副走査方向に移動し(図4及び図5参照)、光学系との位置関係をあらかじめ定められた初期位置に位置付ける。
【0163】
ステップS202において、中央制御装置151内のCPUは、光源101から赤色(R)を発光させ、1ラインについてのR画像データを読み取る。
ステップS203において、中央制御装置151内のCPUは、光源101から緑色(G)を発光させ、1ラインについてのG画像データを読み取る。
ステップS204において、中央制御装置151内のCPUは、光源101から青色(B)を発光させ、1ラインについてのB画像データを読み取る。
【0164】
ステップS205において、中央制御装置151内のCPUは、光源101から赤外光(IR)を発光させ、1ラインについてのIR画像データを読み取る。
ステップS206において、中央制御装置151内のCPUは、ステッピングモータ121を駆動して、副走査方向に1ライン分だけストリップフィルム23のコマ(又はフィルム原稿60を搭載した原稿保持台等)を移動する。
【0165】
ステップS207において、中央制御装置151内のCPUは、あらかじめ設定されたライン数の読み取りを終了したか否かを判定する。前記ライン数は、ホストコンピュータ30によって設定される。設定ライン数に達していない場合には、再びステップS202に戻って、1ラインの読み取りを実行する。設定ライン数に達している場合には、処理を終了する。
【0166】
ここで、プリスキャンが本スキャンと同様に行われる理由は、次のとうりである。すなわち、図17に示すステップS105〜S109、及びステップS110〜115において必要とされるRmax,Gmax,Bmaxを求めるためである。すなわち、Rmax,Gmax,Bmaxを求めるためには、本スキャンと同様に原稿全面について1ラインづつスキャンする必要がある。
【0167】
以上の説明においては、線順次読み取り方式の画像読取装置を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、面順次読み取り方式の画像読取装置にも適用可能である。
【0168】
【発明の効果】
請求項1記載の画像読取装置によれば、赤外画像信号に基づいて可視画像結像位置を決定するため、透過原稿の絵柄や焦点調節手段のメカ的なずれに起因する焦点の位置ずれを防止することが可能になる。
【0169】
請求項2記載の画像読取装置によれば、赤外画像信号に基づく可視画像結像位置の決定と、前記埃、塵、傷、指紋等に起因する欠陥画像の補正を共に行うことが可能なり、画像を高画質に読み取ることができる。
請求項3記載の画像読取装置によれば、可視画像結像位置は赤外画像信号のコントラスト値が最も高くなる位置に基づいて決定されるため、透過原稿の絵柄や焦点調節手段のメカ的なずれに起因する焦点位置ずれを防止することが可能になる。
【0170】
請求項4記載の画像読取装置によれば、可視画像信号に基づいて可視画像結像位置を決定し、可視画像信号に基づく可視画像結像位置の決定に失敗した場合でも、赤外画像信号に基づいて可視画像結像位置を決定することが可能になる。
請求項5,記載の画像読取装置によれば、可視画像信号に基づく可視画像結像位置の決定に失敗した場合でも、赤外画像信号に基づいて可視画像結像位置を決定することが可能になる。
【0171】
請求項記載の画像読取装置によれば、可視画像信号の最大コントラスト値がしきい値未満のときに可視画像信号による可視画像結像位置の決定に失敗したと判断され、続いて赤外画像信号に基づいて可視画像結像位置の決定が行われる。
【0172】
請求項記載の画像読取装置によれば、補正最大コントラスト値を求めた所定範囲以外の測定位置におけるコントラスト値の最大値が補正最大コントラスト値を超えるとき、可視画像信号に基づく可視画像結像位置の決定に失敗したと判断され、赤外画像信号に基づいて可視画像結像位置を決定することが可能になる。
【0173】
請求項記載の画像読取装置によれば、赤外画像信号に基づく赤外画像結像位置を求めて補正するだけで、可視画像結像位置を決定することが可能になる。
請求項1〜1記載の画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体によれば、画像読取装置が赤外画像信号に基づいて可視画像結像位置を決定するための制御手順をコンピュータ等の装置が読み取り可能な記憶媒体を提供することができる。
【0174】
本発明の画像読取装置及び画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体によれば、赤外画像信号に基づいて結像位置を決定する。したがって、透過原稿の絵柄等に影響を受けない焦点調節が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像読取装置の本体の構造を示す機能ブロック図である。
【図2】アダプタ挿入部に挿入されるアダプタの一例を示す機能ブロック図である。
【図3】アダプタ内の回路を示すブロック図である。
【図4】画像読取装置の本体にアダプタが挿入された状態を示す機能ブロック図である。
【図5】画像読取装置の本体の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】図1から図5に示す画像処理装置が実行するオートフォーカスの第1の実施の形態を示すフローチャートである。
【図7】夜景などの暗い画像及び絵柄が急激に変化する境界位置におけるフイルム画像の、合焦点位置における画像データの一例を示す図である。
【図8】夜景などの暗い画像及び絵柄が急激に変化する境界位置における画像の、デフォーカス位置(非合焦点位置)における画像データの一例を示す図である。
【図9】夜景などの暗い画像及び絵柄が急激に変化する境界位置における画像の、フォーカス位置(横軸)と赤外光を用いたコントラスト値(縦軸)の関係の一例を示す図である。
【図10】可視光を用いた合焦点位置と赤外光を用いた合焦点位置に、軸上色収差に起因するずれが生じる状態の一例を示す図である。
【図11】中央制御回路がコントラスト値を求める演算手順を示すフローチャートである。
【図12】図1から図5に示す画像処理装置が実行するオートフォーカスの第2の実施の形態を示すフローチャートである。
【図13】画像読取装置の本体の電気的構成を示すブロック図である。
【図14】画像読取装置が画像の読み取りを行う際の全体の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】画像データから塵、傷、指紋等の欠陥の影響を除去する原理説明図である。
【図16】画像データの補正動作の説明図である。
【図17】ホストコンピュータの処理動作フローチャートである。
【図18】ホストコンピュータの処理動作フローチャートである。
【図19】ホストコンピュータの処理動作フローチャートである。
【図20】ホストコンピュータの処理動作フローチャートである。
【図21】ホストコンピュータの処理動作フローチャートである。
【図22】ホストコンピュータの処理動作フローチャートである。
【図23】ホストコンピュータの処理動作フローチャートである。
【図24】ホストコンピュータの処理動作フローチャートである。
【図25】位置合わせの説明図である。
【図26】位置合わせの説明図である。
【図27】位置合わせの説明図である。
【図28】位置合わせの説明図である。
【図29】プリスキャンと本スキャンの処理手順を示すフローチャートである。
【図30】撮像手段としてCCDラインセンサを用いた場合における、デフォーカス位置(非合焦点位置)における1ライン分の画像データの一例を示す図である。
【図31】撮像手段としてCCDラインセンサを用いた場合における、合焦点位置における1ライン分の画像データを示す図である。
【図32】図13及び図14に示す1ステップ毎の距離の変化(横軸)とコントラスト値(縦軸)の変化の一例を示す図である。
【図33】夜空の彗星を写したフィルム原稿の一例を示す図である。
【図34】撮像手段としてCCDラインセンサを用いて図16に示す画像を読み込んだ場合における、デフォーカス位置(非合焦点位置)における、1ライン分の画像データを示す図である。
【図35】撮像手段としてCCDラインセンサを用いて図16に示す画像を読み込んだ場合における、合焦点位置における1ライン分の画像データを示す図である。
【図36】図16に示す1ステップ毎の距離の変化(横軸)とコントラスト値(縦軸)の変化の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 画像読取装置の本体
2 アダプタ
3 画像処理装置
10 照明部
11 読取部
12 スキャニング機構
13 フォーカシング機構
14 アダプタ挿入部
15 制御回路
30 ホストコンピュータ
60 フィルム原稿
70 塵
101 光源
102 投影レンズ
103,111 ミラー
112 結像レンズ
113 CCDラインセンサ
121 ステッピングモータ
126 走査ブロック
131 ステッピングモータ
134 AFブロック
137 メカシャーシ
141 プレート
151 中央制御回路
152 RAM
153 ROM
154 ICカード
CN1,CN2 コネクタ
LS1,LS2 リミットスイッチ

Claims (13)

  1. 透過原稿の画像の色成分を赤外成分に分解する赤外成分分解手段と、
    前記赤外成分分解手段により分解された前記透過原稿の画像を撮像することにより赤外画像信号を出力する赤外画像撮像手段と、
    前記透過原稿の画像の色成分を可視成分に分解する可視成分分解手段と、
    前記可視成分分解手段により分解された前記透過原稿の画像を撮像することにより可視画像信号を出力する可視画像撮像手段と、
    前記透過原稿の画像を前記赤外画像撮像手段又は前記可視画像撮像手段に結像する結像光学系と、
    前記透過原稿に対する前記結像光学系の相対的な位置を調節する焦点調節手段と、
    前記赤外画像信号に基づいて、前記透過原稿の画像の可視光成分が前記可視画像撮像手段に結像する可視画像結像位置として、前記透過原稿に対する前記結像光学系の相対的な位置を決定する結像位置決定手段と、
    前記結像位置決定手段の決定に基づいて前記焦点検出手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像読取装置。
  2. 請求項1記載の画像読取装置において、
    前記制御手段は、外部の画像処理装置と接続され、
    前記外部の画像処理装置は、
    前記赤外画像信号に基づいて、前記赤外成分のレベルを検出する赤外成分検出手段と
    前記赤外成分レベルが第1赤外レベル未満となる前記透過原稿の欠陥位置の欠陥赤外成分レベルを検出する欠陥赤外成分検出手段と
    前記第1赤外成分レベル及び前記欠陥赤外成分レベルに基づいて、(第1赤外成分レベル)/(欠陥赤外成分レベル)を算出することにより補正係数を求める補正係数演算手段と
    前記可視画像信号に基づいて、前記可視成分レベルを検出する可視成分検出手段と
    前記透過原稿の欠陥位置における前記可視成分レベルである欠陥可視成分レベルに前記補正係数を乗算し、補正可視成分レベルを算出する乗算手段とを有ることを特徴とする画像読取装置。
  3. 請求項1記載の画像読取装置において、
    前記赤外画像撮像手段は、前記透過原稿からの光を複数の画素により受光し、前記複数の画素の各々の受光強度を示す複数の赤外画像信号を出力するものであり、
    前記結像位置決定手段は、前記透過原稿に対する前記結像光学系の距離が互いに異なる複数の測定位置において、前記赤外画像撮像手段の出力する前記複数の赤外画像信号を入力し、前記複数の赤外画像信号のコントラスト値が最も高くなる前記透過原稿に対する前記結像光学系の位置に基づいて、前記可視画像結像位置を決定することを特徴とする画像読取装置。
  4. 請求項1記載の画像読取装置において、
    前記結像位置決定手段は、前記可視画像信号に基づいて前記可視画像結像位置を決定し、前記可視画像信号に基づく前記可視画像結像位置の決定に失敗した場合は、前記赤外画像信号に基づいて、前記可視画像結像位置を決定することを特徴とする画像読取装置。
  5. 請求項4記載の画像読取装置において、
    前記結像位置決定手段は、あらかじめ前記可視画像信号と前記赤外画像信号とを入力し、前記可視画像信号に基づいて前記可視画像結像位置決定することに失敗した後、前記赤外画像信号に基づいて前記可視画像結像位置を決定することを特徴とする画像読取装置。
  6. 請求項記載の画像読取装置において、
    前記結像位置決定手段は前記可視画像信号に基づ前記可視画像結像位置決定失敗した後、前記赤外画像撮像手段の出力する前記赤外画像信号を入力し、前記赤外画像信号に基づいて前記可視画像結像位置を決定することを特徴とする画像読取装置。
  7. 請求項記載の画像読取装置において、
    前記可視画像撮像手段は、前記透過原稿からの光を複数の画素により受光し、前記複数の画素の各々の受光強度を示す複数の可視画像信号を出力するものであり、
    前記結像位置決定手段は、前記透過原稿に対する前記結像光学系の距離が互いに異なる複数の測定位置において前記可視画像撮像手段が出力する、前記複数の可視画像信号を入力し、前記複数の可視画像信号のコントラスト値の最大値である最大コントラスト値を検出し、前記最大コントラスト値がしきい値未満の場合に前記可視画像結像位置を決定することに失敗したと判断することを特徴とする画像読取装置。
  8. 請求項記載の画像読取装置において、
    前記可視画像撮像手段は、前記透過原稿からの光を複数の画素により受光し、前記複数の画素の各々の受光強度を示す複数の可視画像信号を出力するものであり、
    前記結像位置決定手段は、前記透過原稿に対する前記結像光学系の距離が互いに異なる複数の測定位置において前記可視画像撮像手段が出力する、前記複数の可視画像信号を入力し、前記複数の可視画像信号のコントラスト値の最大値である最大コントラスト値を検出し、前記最大コントラスト値を補正することにより補正最大コントラスト値を算出し、前記最大コントラスト値に対応する測定位置を含む所定範囲以外の測定位置により得られたコントラスト値の少なくとも1つの値が前記補正最大コントラスト値を超える場合に前記可視画像結像位置を決定することに失敗したと判断することを特徴とする画像読取装置。
  9. 請求項記載の画像読取装置において、
    前記結像位置決定手段は、前記結像光学系による前記赤外画像の結像位置と前記可視画像の結像位置との前記結像光学系の光軸方向におけるずれ量を記憶する記憶手段を含み、前記赤外画像信号に基づいて前記透過原稿画像の赤外光成分が前記赤外画像撮像手段に結像する赤外画像結像位置を決定し、前記ずれ量と前記赤外画像結像位置とに基づいて前記可視画像結像位置を決定することを特徴とする画像読取装置。
  10. 透過原稿の画像の色成分を赤外成分に分解する赤外成分分解手段と
    前記赤外成分分解手段により分解された前記透過原稿の画像を撮像することにより赤外画像信号を出力する赤外画像撮像手段と、
    前記透過原稿の画像の色成分を可視成分に分解する可視成分分解手段と、
    前記可視成分分解手段により分解された前記透過原稿の画像を撮像することにより可視画像信号を出力する可視画像撮像手段と、
    前記透過原稿の画像を前記赤外画像撮像手段又は前記可視画像撮像手段に結像する結像光学系と、
    前記透過原稿に対する前記結像光学系の相対的な位置を調節する焦点調節手段とを有する画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体であって、
    前記記憶媒体は、
    前記赤外画像信号に基づいて、前記透過原稿の画像の可視光成分が前記可視画像撮像手段に結像する可視画像結像位置として、前記透過原稿に対する前記結像光学系の相対的な位置を決定する結像位置決定手順と、
    前記結像位置決定手順による決定に基づいて前記焦点検出手段を制御する制御手順とを記憶することを特徴とする画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体
  11. 請求項10記載の画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体において
    前記結像位置決定手順は、前記可視画像信号に基づいて前記可視画像結像位置を決定し、前記可視画像信号に基づく前記可視画像結像位置の決定に失敗した場合は、前記赤外画像信号に基づいて、前記可視画像結像位置を決定する手順を含むことを特徴とする画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体。
  12. 請求項11記載の画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体において、
    前記可視画像撮像手段は、前記透過原稿からの光を複数の画素により受光し、前記複数の画素の各々の受光強度を示す複数の可視画像信号を出力するものであり、
    前記結像位置決定手順は、前記透過原稿に対する前記結像光学系の距離が互いに異なる複数の測定位置において前記可視画像撮像手段が出力する、前記複数の可視画像信号を入力する手順と、前記複数の可視画像信号のコントラスト値の最大値である最大コントラスト値を検出する手順と、前記最大コントラスト値がしきい値未満の場合に前記可視画像結像位置を決定することに失敗したと判断する手順を含むこと特徴とする画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体。
  13. 請求項1記載の画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体において、
    前記可視画像撮像手段は、前記透過原稿からの光を複数の画素により受光し、前記複数の画素の各々の受光強度を示す複数の可視画像信号を出力するものであり、
    前記結像位置決定手順は、前記透過原稿に対する前記結像光学系の距離が互いに異なる複数の測定位置において前記可視画像撮像手段が出力する、前記複数の可視画像信号を入力する手順と、前記複数の可視画像信号のコントラスト値の最大値である最大コントラスト値を検出する手順と、前記最大コントラスト値を補正することにより補正最大コントラスト値を算出する手順と、前記最大コントラスト値に対応する測定位置を含む所定範囲以外の測定位置により得られたコントラスト値の少なくとも1つの値が前記補正最大コントラスト値を超える場合に、前記可視画像結像位置を決定することに失敗したと判断する手順を含むことを特徴とする画像読取装置の制御手順を記憶する記憶媒体。
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