本発明は、複数の演奏曲のうちから選択される所望の演奏曲を出力させるカラオケ装置を遠隔操作するための電子早見本装置の改良に関する。
複数の演奏曲のうちから選択される所望の演奏曲を出力させる音楽再生装置が知られている。例えば、カラオケボックス等で使用されるカラオケ装置がそれである。斯かるカラオケ装置によれば、予め記憶装置に記憶された複数のカラオケ演奏曲から選択された所定のカラオケ演奏曲の音楽情報を出力させると共に、そのカラオケ演奏曲の歌詞情報を含む映像をその出力に同期して画面に表示させることで、所望の歌のカラオケ演奏を楽しむことができる。
斯かるカラオケ装置を遠隔操作するために、所定の画像を表示させると共に利用者の接触に応じてそのカラオケ装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを備えた電子早見本装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された電子目次本機能付きカラオケリモコン装置がそれである。この技術によれば、上記タッチパネルディスプレイに表示される映像を参照しつつ指等の接触(タッチ入力)により簡便に上記カラオケ装置への入力を行うことができる。
ところで、前記従来の電子早見本装置は、通常、クレイドルと称される装置を備えている。このクレイドルは、前記電子早見本装置が取り付けられることでその電子早見本装置を充電したり、LANケーブルを介して前記カラオケ装置に接続したりといった機能を有するものである。本発明者は、利便性の高い電子早見本装置を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、上記クレイドルに新たな機能を付与する着想を持つに至った。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、利便性の高い電子早見本装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、複数の演奏曲のうちから選択される所望の演奏曲を出力させるカラオケ装置を遠隔操作するために、所定の画像を表示させると共に利用者の接触に応じて前記カラオケ装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを備えた電子早見本装置であって、その電子早見本装置の着脱に応じてその電子早見本装置の機能を変更するための機能変更指令を出力可能なクレイドルを備えており、前記電子早見本装置は、複数の前記カラオケ装置から所定のカラオケ装置を特定するためのカラオケ装置特定情報に基づいて前記カラオケ装置への前記入力に関する対応付を行うものであり、前記機能変更指令に応じて前記電子早見本装置の前記カラオケ装置への前記入力に関する対応付を解除する対応付解除手段を含むものであり、前記クレイドルは、前記機能変更指令を出力する状態と出力しない状態との間で回路を切り換える切換スイッチを有するものであることを特徴とするものである。
このように、本発明によれば、前記電子早見本装置の着脱に応じてその電子早見本装置の機能を変更するための機能変更指令を出力可能なクレイドルを備えており、前記電子早見本装置は、複数の前記カラオケ装置から所定のカラオケ装置を特定するためのカラオケ装置特定情報に基づいて前記カラオケ装置への前記入力に関する対応付を行うものであり、前記機能変更指令に応じて前記電子早見本装置の前記カラオケ装置への前記入力に関する対応付を解除する対応付解除手段を含むものであり、前記クレイドルは、前記機能変更指令を出力する状態と出力しない状態との間で回路を切り換える切換スイッチを有するものであることから、何ら入力操作を行うことなく簡便に前記電子早見本装置の前記カラオケ装置への対応付を解除することができ、更に、前記クレイドルの使用態様に応じて機能変更指令の出力/非出力を簡便に切り換えることができる。すなわち、利便性の高い電子早見本装置を提供することができる。
ここで、本発明において、好適には、前記クレイドルは、前記切換スイッチがオンとされている場合には、前記電子早見本装置のそのクレイドルへの着脱に応じて前記機能変更指令を出力させるが、前記切換スイッチがオフとされている場合には、前記電子早見本装置の前記クレイドルへの着脱が行われても前記機能変更指令を出力させないものである。このようにすれば、前記クレイドルの使用態様に応じて機能変更指令の出力/非出力を簡便に切り換えることができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の電子早見本装置50が備え付けられるカラオケ装置10の構成を例示するブロック線図である。この図1に示すように、上記カラオケ装置10は、CRT等の映像表示装置12と、ディスクプレーヤ14と、ビデオミキサ16と、アンプミキサ18と、スピーカ20と、マイクロフォン22と、操作パネル24と、中央演算処理装置であるCPU26と、ROM28と、RAM30と、記憶装置であるハードディスク32と、モデム34と、CRTコントローラ36と、上記操作パネル24等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス38と、音源であるシンセサイザ40と、リモコン48や電子早見本装置50等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部42と、その電子早見本装置50等との間で無線LAN通信を行うための無線LAN通信部44とを、備えて構成されている。
上記CPU26は、上記RAM30の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM28に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂コンピュータであり、上記リモコン48や電子早見本装置50等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を上記RAM30に設けられた予約曲リストに登録したり、その予約曲リストの演奏順に従って上記ハードディスク32から上記RAM30に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等を読み出したり、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM30から上記シンセサイザ40へ演奏情報を送信したり、歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して上記CRTコントローラ36へ送ったり、選曲時には曲名文字映像を生成して上記CRTコントローラ36へ送ったり、上記ディスクプレーヤ14を制御して所定の背景映像を再生させる等の基本的な制御を実行する。
前記操作パネル24は、前記カラオケ装置10の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記カラオケ装置10には、前記操作パネル24の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン48及び電子早見本装置50が備えられており、前記リモコン受信部42は、それら入力装置から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU26へ供給する。また、前記無線LAN通信部44は、前記電子早見本装置50との間で無線LAN通信を行うことによりその電子早見本装置50からの選曲入力を受け付けたり、前記カラオケ装置10から電子早見本装置50へ所定の処理を実行させるための指令を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置10と電子早見本装置50との間における相互の情報のやりとりを行う。
前記ディスクプレーヤ14は、利用者が歌詞を参照しながら歌を歌う際に前記映像表示装置12に表示される背景映像を記憶したCDやDVDを再生する背景映像再生装置である。また、前記CRTコントローラ36は、前記CPU26において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置であり、前記ビデオミキサ16は、前記CPU26において生成され且つ前記CRTコントローラ36から出力される文字映像と、前記ディスクプレーヤ14により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置12に表示させる映像合成装置である。
前記シンセサイザ40は、前記ハードディスク32から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータであり、そのMIDIデータに応じて前記シンセサイザ40により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ18へ送られる。そのアンプミキサ18では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン22を介して入力される利用者の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ20から出力される。
前記ハードディスク32には、カラオケ演奏曲それぞれのタイトル情報、演奏情報、及び歌詞情報等から成り選曲番号により識別されるカラオケ情報を記憶するカラオケデータベースが設けられている。前記モデム34は、前記カラオケ装置10を公衆電話回線等による通信回線46に接続するための装置である。カラオケボックス等の店舗にそれぞれ備えられた複数のカラオケ装置10は、上記通信回線46を介して図示しないカラオケサービス提供会社のセンタ装置に接続されており、それら複数のカラオケ装置10によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、随時新曲のカラオケ情報が上記センタ装置から上記通信回線46を介してダウンロードされ、前記ハードディスク32のカラオケデータベースに記憶されるようになっている。すなわち、前記カラオケ装置10は、電気通信回線を通じて各種情報の送受信を実行し得る通信カラオケ装置である。
図2は、前記電子早見本装置50の外観を大まかに示す斜視図である。この図2に示すように、前記電子早見本装置50は、前記カラオケ装置12を遠隔操作するために、所定の画像(映像)を表示させると共に利用者の接触に応じてそのカラオケ装置12への入力を行うタッチパネルディスプレイ52を備えている。また、前記カラオケ装置10との間でデータの送受信や同期を実行したり、前記電子早見本装置50に内蔵されたバッテリを充電する等の動作を行うスタンド型の接続架台(ドッキングテーブル)であるクレイドル54を備えている。前記電子早見本装置50は、上記クレイドル54に取り付けられた状態又はそのクレイドル54から取り外された状態で用いられ、取り付けられた状態においては、そのクレイドル54及び図示しないLANケーブルを介して前記カラオケ装置10に接続されるようになっている。
図3は、前記電子早見本装置50の構成を説明するブロック線図である。この図3に示すように、前記電子早見本装置50は、タッチパネルディスプレイ52に所定の映像を表示させる表示装置56と、その表示装置56による表示を制御する表示制御部58と、利用者の指等によるタッチパネルディスプレイ52への接触により入力を行うタッチパネル60と、そのタッチパネル60による入力を制御する入力制御部62と、中央演算処理装置であるCPU64と、ROM66と、RAM68と、フラッシュROM等の記憶部70と、インターフェイス72と、リモコン送信部74と、無線LAN通信部76と、コネクタ77とを、備えて構成されている。前記クレイドル54には、前記電子早見本装置50と接続するためのコネクタ55が設けられており、前記電子早見本装置50は、前記クレイドル54に載置されてコネクタ55及び77が接触させられることで、上記インターフェイス72を介して前記クレイドル54と接続されるようになっている。また、上記記憶部70には、前記カラオケ装置10のカラオケデータベースに記憶された多数のカラオケ情報それぞれに対応して曲名、アーティスト名、歌詞の歌い出し部分等の選曲案内情報を選曲番号毎に記憶する演奏曲データベース等が設けられている。
上記CPU64は、上記RAM68の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM66に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂コンピュータであり、上記記憶部70から選曲案内情報を読み出し、上記表示装置56を介してその選曲案内情報に基づく所定の案内映像を上記タッチパネルディスプレイ52に表示させたり、そのタッチパネルディスプレイ52に表示された案内映像に従って上記タッチパネル60による選曲入力が行われた場合、所定のカラオケ演奏曲を予約するための選曲信号(選曲予約信号)を上記無線LAN通信部76等を介して前記カラオケ装置10に送信する等の基本的な制御に加えて、後述する機能変更制御を実行する。また、複数の前記カラオケ装置10から所定のカラオケ装置10を特定するためのカラオケ装置特定情報に基づいて前記カラオケ装置10への前記入力に関する対応付制御を実行する。
図4は、前記電子早見本装置50のCPU64及びクレイドル54に備えられた制御機能の要部を示す機能ブロック線図である。この図4に示す対応付解除指令出力部80は、前記クレイドル54に備えられた簡易的な制御装置であり、対応付解除手段82は、前記電子早見本装置50のCPU64に機能的に備えられたものである。
対応付解除指令出力部80は、前記電子早見本装置50のクレイドル54への着脱に応じてその電子早見本装置50の機能を変更するための機能変更指令として対応付解除指令を出力する。この対応付解除指令は、例えば、所定のパルス信号であり、前記電子早見本装置50がクレイドル54から取り外される際にその電子早見本装置50へ出力される。或いは、前記電子早見本装置50がクレイドル54に載置されて接続される際にその電子早見本装置50へ出力される。また、前記クレイドル54は、前記対応付解除指令(機能変更指令)を出力する状態と出力しない状態との間で回路を切り換える切換スイッチ78を有するものであり、その切換スイッチ78がオンとされている場合には、前記電子早見本装置50のクレイドル54への着脱に応じて前記対応付解除指令を出力させるが、オフとされている場合には、前記電子早見本装置50のクレイドル54への着脱が行われても前記対応付解除指令を出力させない。
対応付解除手段82は、前記対応付解除指令出力部80により出力される対応付解除指令(機能変更指令)に応じて前記電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への無線LAN通信等に関する対応付を解除(初期化)する機能変更処理を実行する。この対応付解除手段82により対応付の解除が行われることにより、前記電子早見本装置50のタッチパネルディスプレイ52には、図5に示すような、前記カラオケ装置10との対応付に関する初期くくりつけ画面が表示される。
前記電子早見本装置50により無線LAN通信等で電波を介して前記カラオケ装置10への入力を行うためには、そのカラオケ装置10及び電子早見本装置50が用いられている部屋の壁を通過して、隣接する部屋に設置されたカラオケ装置10との間で通信が行われる等の弊害を防止するために、前記電子早見本装置50とカラオケ装置10との間で通信に関する対応付(くくりつけ)を行う必要がある。この対応付は、前記電子早見本装置50がまだ何れのカラオケ装置10とも対応付けられていない状態、すなわち前記タッチパネルディスプレイ52に図5に示すような初期くくりつけ画面が表示されている状態において、その初期くくりつけ画面におけるスタートボタン(対応付開始ボタン)が利用者の指等による接触にて押されることより実行される。具体的には、前記電子早見本装置50のリモコン送信部74からリモコン信号(赤外線)にて所定の接続通知が送信され、その接続通知を受信した前記カラオケ装置からブロードキャスト(電波)にて識別通知が返信される。斯かる通信により前記電子早見本装置50とカラオケ装置10との間で対応付が行われ、以降はIPアドレス等が設定されることで、他のカラオケ装置10や電子早見本装置50との間の誤通信が防止される。
例えば、カラオケボックス等ではカウンタにて任意の電子早見本装置50が利用者に渡され、所定の部屋に設置されたカラオケ装置10に対して用いられるという利用形態が多いことから、前記カラオケ装置10と電子早見本装置50との間で対応付及び解除が適宜行われることが要求される。本実施例の電子早見本装置50は、前記クレイドル54への着脱に応じて上記対応付の解除が実行されるようになっており、斯かる要求を好適に満足させる。この場合、カウンタに設置されたクレイドル54では、前記切換スイッチ78をオンとすることで前記対応付解除指令を出力させる設定としておき、客室(ボックス)に設置されたクレイドル54では、前記切換スイッチ78をオフとすることで前記対応付解除指令を出力させない設定としておくのが好ましい。このようにすれば、客室では前記電子早見本装置50のクレイドル54への接続によりその電子早見本装置50の充電のみが行われる一方、カウンタでは前記電子早見本装置50のクレイドル54への接続によりその電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への対応付を解除することができ、何れのカラオケ装置10とも対応付されていない状態で新たな利用者にその電子早見本装置50を貸し出すことができる。
図6は、前記電子早見本装置50のCPU64による対応付解除制御を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、前記電子早見本装置50が前記クレイドル54に載置され、そのクレイドル54と接続されたか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA1の判断が肯定される場合には、SA2において、前記RAM68等に前記カラオケ装置特定情報が記憶されているか否か、すなわち所定のカラオケ装置10への前記入力に関する対応付が行われているか否かが判断される。このSA2の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA2の判断が肯定される場合には、SA3において、前記クレイドル54から対応付解除指令(機能変更指令)が出力されたか否かが判断される。このSA3の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA3の判断が肯定される場合には、前記対応付解除手段82の動作に対応するSA5において、前記RAM68等に記憶されたカラオケ装置特定情報が消去されて前記電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への前記入力に関する対応付を解除する機能変更処理が実行される。次に、SA6において、前記タッチパネルディスプレイ52への対応付画面表示が要求された後、本ルーチンが終了させられる。
図7は、前記電子早見本装置50のCPU64によるメイン制御(すなわち主たる処理)を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、SB1において、前記RAM68等にカラオケ装置特定情報が記憶されているか否かが判断される。このSB1の判断が肯定される場合には、SB4以下の処理が実行されるが、SB1の判断が否定される場合には、SB2において、前記タッチパネルディスプレイ52に図5に示すような初期くくりつけ画面(対応付画面)が表示される。次に、SB3において、前記タッチパネルディスプレイ52を介しての利用者の入力操作に応じて前記カラオケ装置10から所定のカラオケ装置特定情報が取得される。次に、SB4において、選曲入力をはじめとする通常の入力処理が実行される。次に、SB5において、対応付画面表示要求があったか否かが判断される。このSB5の判断が否定される場合には、SB4以下の処理が実行されるが、SB5の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。
図8は、前記クレイドル54による対応付解除指令出力制御を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、SC1において、前記電子早見本装置50が前記クレイドル54上に設置されたか否かが判断される。このSC1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SC1の判断が肯定される場合には、SC2において、前記切換スイッチ78がオンであるか否かが判断される。このSC2の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SC2の判断が肯定される場合には、前記対応付解除指令出力部80の動作に対応するSC3において、前記電子早見本装置50の機能を変更するための機能変更指令として対応付解除指令が出力された後、本ルーチンが終了させられる。
このように、本実施例によれば、前記電子早見本装置50の着脱に応じてその電子早見本装置50の機能を変更するための機能変更指令を出力可能なクレイドル54を備えており、前記電子早見本装置50は、そのクレイドル54から出力される機能変更指令に応じてその電子早見本装置50の機能を変更する機能変更手段を含むことから、何ら入力操作を行うことなく簡便に前記電子早見本装置50の機能を変更することができる。すなわち、利便性の高い電子早見本装置50を提供することができる。
また、前記機能変更手段は、前記機能変更指令に応じて前記電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への無線LAN通信に関する対応付を解除する対応付解除手段82(SA5)であるため、何ら入力操作を行うことなく簡便に前記電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への対応付を解除することができるという利点がある。
また、前記クレイドル54は、前記機能変更指令を出力する状態と出力しない状態との間で回路を切り換える切換スイッチ78を有するものであるため、前記クレイドル54の使用態様に応じて機能変更指令の出力/非出力を簡便に切り換えることができるという利点がある。
続いて、本発明の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図面に関して、前述した第1実施例と共通する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9は、本発明の第2実施例である電子早見本装置50のCPU64及びクレイドル54に備えられた制御機能の要部を示す機能ブロック線図である。この図9に示す送信制御指令出力部84は、前記クレイドル54に備えられた簡易的な制御装置であり、送信制御手段84は、前記電子早見本装置50のCPU64に機能的に備えられたものである。
送信制御指令出力部84は、前記電子早見本装置50のクレイドル54への着脱に応じてその電子早見本装置50の機能を変更するための機能変更指令として送信制御指令を出力する。この送信制御指令は、例えば、「0」又は「1」を表す信号であり、前記電子早見本装置50がクレイドル54から取り外される際にその電子早見本装置50へ出力される。或いは、前記電子早見本装置50がクレイドル54に載置されて接続される際にその電子早見本装置50へ出力される。また、前記クレイドル54は、「0」を表す送信制御指令(機能変更指令)を出力する状態と「1」を表す送信制御指令を出力する状態との間で回路を切り換える切換スイッチ78を有するものであり、その切換スイッチ78がオンとされている場合には、前記電子早見本装置50のクレイドル54への着脱に応じて「0」を表す送信制御指令を出力させるが、オフとされている場合には、前記電子早見本装置50のクレイドル54への着脱に応じて「1」を表す送信制御指令を出力させる。
送信制御手段86は、前記送信制御指令出力部84により出力される送信制御指令(機能変更指令)に応じて前記電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への選曲を含むカラオケ動作制御信号の送信を禁止乃至は許可する。例えば、前記送信制御指令出力部84により「0」を表す送信制御指令が出力された場合には、前記電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への選曲を含むカラオケ動作制御信号の送信を禁止する機能変更を行い、「1」を表す送信制御指令が出力された場合には、前記電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への選曲を含むカラオケ動作制御信号の送信を許可する機能変更を行う。
例えば、パブやスナック等の夜間営業店に設置されたカラオケ装置10による演奏では、客が自由に選曲を行うことで諍いが起きやすいので、客の希望を聞いたうえで専ら店員の側で選曲を行うことが要求される。本実施例の電子早見本装置50は、前記クレイドル54への着脱に応じて上記選曲禁止/許可制御が実行されるようになっており、斯かる要求を好適に満足させる。この場合、客用に設置されたクレイドル54では、前記切換スイッチ78をオンとすることで「0」を表す送信制御指令を出力させる設定としておき、店員用に設置されたクレイドル54では、前記切換スイッチ78をオフとすることで「1」を表す送信制御指令を出力させる設定としておくのが好ましい。このようにすれば、客の側では前記電子早見本装置50のクレイドル54への接続によりその電子早見本装置50の充電のみが行われ、選曲できる演奏曲の検索及び閲覧はできるが選曲送信はできないものとされる一方、店員の側では前記電子早見本装置50のクレイドル54への接続によりその電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への選曲送信が許可され、客の所望に応じて場の空気を読みつつ選曲を行うことができる。
図10は、前述した図6に対応する図であり、前記電子早見本装置50のCPU64による送信制御を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートにおいて、前述した図6に示す処理と共通するステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
図10に示す制御では、前述したSA1の判断が否定される場合、すなわち前記クレイドル54上に前記電子早見本装置50が設置されてはいないと判断される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA1の判断が肯定される場合、すなわち前記クレイドル54上に前記電子早見本装置50が設置されたと判断される場合には、SA6において、前記クレイドル54から送信制御指令が出力されたか否かが判断される。このSA6の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA6の判断が肯定される場合には、SA7において、前記クレイドル54から選曲送信を許可するための「1」を表す送信制御指令が出力されたか否かが判断される。このSA7の判断が肯定される場合には、SA8において、前記電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への選曲を含むカラオケ動作制御信号の送信を許可する機能変更が行われた後、本ルーチンが終了させられるが、SA7の判断が否定される場合、すなわち前記クレイドル54から選曲送信を禁止するための「0」を表す送信制御指令が出力されたと判断される場合には、SA9において、前記電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への選曲を含むカラオケ動作制御信号の送信を禁止する機能変更が行われた後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SA8及びSA9が前記送信制御手段86の動作に対応する。
図11は、前記電子早見本装置50のCPU64によるメイン制御を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、SD1において、前記タッチパネルディスプレイ52に利用者の指等による入力があったか否かが判断される。このSD1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SD1の判断が肯定される場合には、SD2において、選曲信号をはじめとする前記カラオケ装置10へのカラオケ動作制御信号の送信であるか否かが判断される。このSD2の判断が否定される場合には、SD6において、前記タッチパネルディスプレイ52への入力に応じた処理が実行された後、本ルーチンが終了させられるが、SD2の判断が肯定される場合には、SD3において、前記RAM68等に記憶された送信許可/禁止設定が読み出される。次に、SD4において、SD3にて読み出された設定が前記カラオケ装置10への送信を許可するものであるか否かが判断される。このSD4の判断が否定される場合には、前記カラオケ装置10へのカラオケ動作制御信号の送信は行われず、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SD4の判断が肯定される場合には、SD5において、前記カラオケ装置10へ所定のカラオケ動作制御信号が送信された後、本ルーチンが終了させられる。
図12は、前述した図8に対応する図であり、前記クレイドル54による送信制御指令出力制御を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートにおいて、前述した図8に示す処理と共通するステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
図12に示す制御において、前述したSC2の判断が肯定される場合、すなわち前記切換スイッチ78がオンであると判断される場合には、SC4において、前記切換スイッチ78が送信を禁止するものであるか否かが判断される。このSC4の判断が肯定される場合には、SC5において、選曲を含むカラオケ動作制御信号の送信を禁止するための「0」を表す送信制御指令が前記電子早見本装置50へ機能変更指令として出力された後、本ルーチンが終了させられるが、SC4の判断が否定される場合、すなわち前記切換スイッチ78が送信を禁止するものではないと判断される場合には、SC6において、選曲を含むカラオケ動作制御信号の送信を許可するための「1」を表す送信制御指令が前記電子早見本装置50へ機能変更指令として出力された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SC5及びSC6が、前記送信制御指令出力部84の動作に対応する。
このように、本実施例において、前記電子早見本装置50に含まれる機能変更手段は、前記クレイドル54からの機能変更指令に応じて前記電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への選曲を含むカラオケ動作制御信号の送信を禁止乃至は許可する送信制御手段86(SA8及びSA9)であるため、何ら入力操作を行うことなく簡便に前記電子早見本装置50の前記カラオケ装置10への選曲送信を禁止乃至は許可することができるという利点がある。
図13は、本発明の第3実施例である電子早見本装置50のCPU64に備えられた制御機能の要部を示す機能ブロック線図である。この図13に示す実行内容記憶手段88は、前記電子早見本装置50により所定の機能を実行した際の実行内容を前記RAM68等の記憶装置に記憶保持する。例えば、前記電子早見本装置50を用いたゲーム等のサービスの実行や、その電子早見本装置50による入力送信可能時間(すなわちカラオケ演奏時間)等を、所定の利用者が前記カラオケ装置10を使用している間継続的に記憶する。
実行内容表示手段90は、上記実行内容記憶手段88により前記RAM68等に記憶された前記実行内容を前記タッチパネルディスプレイ52に閲覧可能に表示させる。例えば、前記電子早見本装置50を前記クレイドル54上に設置することで、それまでのカラオケ演奏に関する料金精算モードへの機能変更が行われ、前記電子早見本装置50を用いたゲーム等のサービスに応じた金額や、その電子早見本装置50による入力送信可能時間に応じたカラオケ演奏料金等を表示させる。本実施例の電子早見本装置50において、カラオケボックスのカウンタ等に置かれた前記クレイドル54上に設置されることで、上述した料金精算モードへの機能変更が行われるようにしておけば、斯かる精算を速やかに且つ確実に行うことができる。
図14は、前述した図6に対応する図であり、前記電子早見本装置50のCPU64による実行内容表示制御を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートにおいて、前述した図6に示す処理と共通するステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
図14に示す制御では、前述したSA1の判断が否定される場合、すなわち前記クレイドル54上に前記電子早見本装置50が設置されてはいないと判断される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA1の判断が肯定される場合、すなわち前記クレイドル54上に前記電子早見本装置50が設置されたと判断される場合には、SA10において、前記RAM68等に記憶された実行内容を表示させるための実行内容表示指令があったか否かが判断される。このSA10の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA10の判断が肯定される場合には、SA11において、前記RAM68等に所定の実行内容が記憶されているか否かが判断される。このSA11の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA11の判断が肯定される場合には、SA12において、前記RAM68等に記憶された実行内容を表示させるための実行内容表示処理が要求された後、本ルーチンが終了させられる。
図15は、前記電子早見本装置50のCPU64によるメイン制御を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、SE1において、前記RAM68等に記憶された実行内容が初期化(クリア)される。次に、SE2において、所定のメニュー画面が前記タッチパネルディスプレイ52に表示される。次に、SE3において、前記RAM68等に記憶された実行内容を表示させるための実行内容表示要求があったか否かが判断される。このSE3の判断が否定される場合には、SE6以下の処理が実行されるが、SE3の判断が肯定される場合には、SE4において、前記RAM68等に記憶された実行内容が読み出される。次に、前記実行内容表示手段90の動作に対応するSE5において、SE4にて読み出された実行内容が前記タッチパネルディスプレイ52に閲覧可能に一覧表示された後、本ルーチンが終了させられる。SE6の判断が肯定される場合、すなわち前記RAM68等に実行内容を記憶すべき処理が行われたと判断される場合には、前記実行内容記憶手段88の動作に対応するSE7において、その実行内容が前記RAM68等に記憶され、SE8において、選択(入力)された処理が実行された後、SE2以下の処理が再び実行されるが、SE6の判断が否定される場合、すなわち前記RAM68等に実行内容を記憶すべきでない処理が行われたと判断される場合には、SE8以下の処理が実行される。
このように、本実施例によれば、前記電子早見本装置50は、所定の機能を実行した際の実行内容を記憶保持する実行内容記憶手段88(SE7)を有するものであり、前記機能変更手段は、その実行内容記憶手段88により記憶された前記実行内容を前記タッチパネルディスプレイ52に閲覧可能に表示させる実行内容表示手段90(SE5)であるため、何ら入力操作を行うことなく簡便に前記電子早見本装置50における所定の機能の実行内容を前記タッチパネルディスプレイ52に閲覧可能に表示させることができるという利点がある。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例において、前記クレイドル54から出力される機能変更指令は、所定のパルス信号であったが、これは電気信号であると磁気信号であるとを問わない。また、磁気信号である場合には、磁石の位置を変更する等の手段により指令を出力するものであってもよく、前記電子早見本装置50の側では、斯かる磁石の位置を検出する磁気センサを備え、その磁気センサにより検出される磁石の位置に応じて前記機能変更指令を受信するものであっても構わない。
また、前述の実施例において、前記クレイドル54は、前記機能変更指令を出力する状態と出力しない状態との間で回路を切り換える切換スイッチ78を有するものであったが、斯かる切換スイッチ78は必ずしも設けられなくともよい。また、前記機能変更指令を出力するクレイドル54と、出力しないクレイドル54とをそれぞれ個別に有するものであってもよく、更には、それぞれ種類の異なる機能変更指令を出力する複数のクレイドル54を有するものであっても構わない。この場合、何らかの目印によりクレイドル54の種類を判別できることが好ましい。
また、前述の実施例において、前記電子早見本装置50は、前記無線LAN通信部76を介して前記カラオケ装置10への選曲信号の送信を行うものであったが、例えば、前記リモコン送信部74からリモコン信号として選曲信号の送信を行うものであっても当然に構わない。この場合、前記送信制御手段86は、前記クレイドル54から出力される機能変更指令に応じて前記リモコン送信部74からのリモコン信号の送信を禁止乃至は許可する。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を変更しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明の電子早見本装置が備え付けられるカラオケ装置の構成を例示するブロック線図である。
本発明の一実施例である電子早見本装置の外観を大まかに示す斜視図である。
図2の電子早見本装置の構成を説明するブロック線図である。
図3の電子早見本装置のCPU及びクレイドルに備えられた制御機能の要部を示す機能ブロック線図である。
図3の電子早見本装置のタッチパネルディスプレイに表示される初期くくりつけ画面を例示する図である。
図3の電子早見本装置のCPUによる対応付解除制御を説明するフローチャートである。
図3の電子早見本装置のCPUによるメイン制御を説明するフローチャートである。
図3のクレイドルによる対応付解除指令出力制御を説明するフローチャートである。
図3の電子早見本装置のCPU及びクレイドルに備えられた他の制御機能の要部を示す機能ブロック線図である。
図8の電子早見本装置のCPUによる送信制御を説明するフローチャートである。
図8の電子早見本装置のCPUによるメイン制御を説明するフローチャートである。
図8のクレイドルによる送信制御指令出力制御を説明するフローチャートである。
図3の電子早見本装置のCPUに備えられた更に別の制御機能の要部を示す機能ブロック線図である。
図8の電子早見本装置のCPUによる実行内容表示制御を説明するフローチャートである。
図8の電子早見本装置のCPUによるメイン制御を説明するフローチャートである。
符号の説明
10:カラオケ装置
50:電子早見本装置
52:タッチパネルディスプレイ
54:クレイドル
78:切換スイッチ
80:対応付解除指令出力部
82:対応付解除手段(機能変更手段)
84:送信制御指令出力部
86:送信制御手段(機能変更手段)
88:実行内容記憶手段
90:実行内容表示手段(機能変更手段)