JP4373139B2 - シート受入れポケット用ラップ分離器およびシート受入れポケットにおいてラップを分離する方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機の分野に属する。本発明は、概して、たとえば新聞を搬送するシート搬送装置に関し、特に、トラック上を移動するポケットを有するシート搬送装置に関する。特に、本発明は、ポケット内の折り畳まれた第１のシート材料部分の前方のラップと後方のラップを分離し、そこに第２の部分を入れ子にするのを可能にするラップ分離器と、そのようなラップを分離する方法とに関する。
【０００２】
【従来の技術】
シート搬送装置、特に、新聞を搬送する装置は、シートの様々な組を互いに挿入するか、または入れ子にするか、または校合することができる必要がある。すなわち、出来上がった新聞を作成するには、折り畳まれたシート部分の形をとる、新聞紙の第１の折り畳まれた部分を開き、折り畳まれたシート部分の２つの面の間に新聞の少なくとも１つの第２の部分を挿入する。第２の部分自体を、第３の部分、第４の部分、またはさらに他の部分が第１の部分と同様に入れ子にされた部分とすることが可能である。このようなシート、特に新聞を処理するために、従来技術の搬送装置は、まず第１の部分を把持し、第１の部分を開き、次に、開かれた第１の部分を供給ステーションまで搬送する山形のポケットを有している。ポケットを含む従来技術のシステムには、たとえば、特許文献１や特許文献２が含まれる。供給ユニットが、開かれた第１の部分に第２の部分を落として、２つの部分を有する入れ子にされた新聞紙を作成する。このプロセスを多数の様々な部分に対して繰り返して新聞全体を作成することができる。
【０００３】
ポケットには、第１の部分を適切な開位置まで適切に開くことに問題がある。適切に開くのを容易にするために、各部分はラップを備えている。言い換えれば、折り畳まれたシート部分の２つの端部は同等ではない。通常、シート処理方向では、折り畳まれたシート部分の最も前方の端部は、折り畳まれたシート部分の最も後方の端部よりも長い。したがって、シート部分の折目がポケットの底部にある場合、ポケット内の折り畳まれたシート部分の端部を上から見ると、前方のラップが後方のラップよりも高くなっている。
【０００４】
このような位置では、前方のより高いラップが（物理的な接触および／または空気吸込みをもたらす）装置によって固定され、ポケットまたは折り畳まれたシート部分が、重力によって（場合によっては吸込みの助けを得て）後方のラップを前方のラップから離れるように倒すことができるように移動または傾けられると、折り畳まれたシート部分を開くことができる。後方のラップが倒れるか、または前方のラップから離れる方向へ移動させられた後、第２の部分を挿入することのできる開口部が存在する。したがって、第２の部分を第１の部分に挿入するか、または第１の部分内に入れ子にすることができる。次に、この組み合わされた部分を他の部分に挿入するなどして、通常、一般的な新聞を形成する、１組の入れ子にされた複数のシートを作成することができる。
【０００５】
固定装置は通常、指の形をしたグリッパの形をとる。開くプロセスでは、このようなグリッパを回転させるか、または前方のラップ上に下降させ、前方のラップおよび前方のシート部分をポケットの前方の壁に固定する。このようなポケットにおける従来技術のグリッパシステムのいくつかの例には、特許文献３、特許文献４、および特許文献５が含まれる。
【０００６】
特許文献６は、シート材料フィーダからのシート材料を受け取れるようにトラックの周りを動くことができる複数のポケットを有するシート材料搬送装置を記載している。これらのポケットは、たとえば、まず新聞の第１の外側の部分を第１のシート材料フィーダによってポケットに送り込み、次に、第１の外側の新聞部分の折り畳まれた部分同士の間に内側の新聞部分を挿入するのを可能にする。特許文献６の装置は、リフトカム２０を用いて半円形のアクチュエータ歯車１５０を移動させ、ラック８０上に配置されたポケット脚部９０の高さを設定するように駆動シャフト１１０を回転させる。つめ・つめ車機構がポケットが開くのを防止する。次に、シート材料を受け入れ、ポケットに挿入することができる。シート材料を供給する場合、トリップカム２２がつめ・つめ車機構を解除することができる。トラック８０は、バイアススプリングによってより低い位置まで移動し、そのため、ドライバカム１３０の動作によって脚部９０が解放される。このようにして、ポケット内のシート材料は、さらに搬送されるかまたは積み重ねられるようにポケットの底部から出ることができる。特許文献６は引用によって全体的に本明細書に含まれる。
【０００７】
特許文献７には主として、無端の経路に沿って移動できるポケットを記載している。各ポケットは、ポケットキャリア８に変位可能に取り付けられた、垂直方向に調整可能な２つのストップ１４を備えている。この特許によれば、案内部材２８は、ポケットが無端の経路に沿って移動させられるにつれてストップ１４を垂直方向に調整するように設定することができる。
【０００８】
シート供給装置は比較的速い速度で走行するので、前方のラップを把持する時間帯は小さい。したがって、前方のラップを把持する時間帯を大きくする必要がある。重要なこととして、各ラップのサイズは一様ではなく、また等しくもない。したがって、ラップサイズのばらつきも補償するように時間帯（ｔｉｍｅ ｏｆ ｗｉｎｄｏｗ）を大きくしなければならない。
【０００９】
【特許文献１】
米国特許第４１３３５２１号
【特許文献２】
米国特許第５２１３３１８号
【特許文献３】
米国特許第４７２３７７０号
【特許文献４】
米国特許第４９８８０８６号
【特許文献５】
米国特許第５０２４４３２号
【特許文献６】
米国特許第５９１１４１６号
【特許文献７】
米国特許第５２５１８８８号
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、この一般的な種類の従来の装置および方法の前述の欠点を解消し、前方のラップおよび後方のラップのサイズのばらつきに対処しつつ後方のラップから前方のラップを分離する時間帯を大きくする、ポケット内の折り畳まれた第１のシート材料部分の前方のラップと後方のラップを分離し、そこに第２の部分を入れ子にするのを可能にするラップ分離器と、このようなラップを分離する方法とを提供することである。
【００１１】
２０００年９月１４日に出願された「個々に調整可能なポケットを有するシート材料搬送装置（SHEET MATERIAL CONVEYING APPARATUS WITH INDIVIDUALLY-ADJUSTABLE POCKETS）」という名称の、共有米国特許出願第０９／６６２２７７号は、各々がポケットの高さを調整する設定装置を有する、複数の手動調整可能なポケットを記載している。
【００１２】
２０００年１０月３０日に出願された「高さ調整可能なポケットを有するシート材料搬送装置（SHEET MATERIAL CONVEYING APPARATUS WITH HEIGHT-ADJUSTABLE POCKETS）」という名称の、共有米国特許出願第０９／７０２０１２号は、各々が、設定高さを定めるようにポケットの高さを調整する設定装置を有する、複数の手動調整可能なポケットを記載している。
【００１３】
本出願と同時に出願された「調整可能なシート受入れポケット用の調整可能な把持装置、およびシート受入れポケットを調整する方法（ADJUSTABLE GRIPPING DEVICE FOR ADJUSTABLE SHEET RECEIVING POCKETS AND METHOD FOR ADJUSTING SHEET RECEIVING POCKETS）」という名称の、関連米国特許出願第（代理人整理番号ＨＥＭ０１／８１５（ＨＡ−３７２２））は、２つの主要部品、すなわち、グリッパ体７２と、ピボット７５、カム従動子７７、２アームロッカーである調整体７９を含む調整装置７３とを持つ調整可能なグリッパ７１を有する異なるグリッパ調整システムを記載している。調整体７９は、垂直方向に調整可能なカム２６の位置の設定に応じて、グリッパ体７２のノーズ７４を、上部前方の壁５２の表面に沿って後方のラップ６３の最も上方の縁部から離れる方向へ、またはこの縁部の方へピボット運動させ移動させる。
【００１４】
本出願と同時に出願された「調整可能なシート受入れポケット用の調整可能な把持装置、およびシート受入れポケットを調整する方法（ADJUSTABLE GRIPPING DEVICE FOR ADJUSTABLE SHEET RECEIVING POCKETS AND METHOD FOR ADJUSTING SHEET RECEIVING POCKETS）」という名称の、共有米国特許出願第（代理人整理番号ＨＥＭ０１／８１３（ＨＡ−３７２２））は、ノーズを備えたプランジャ体７５と、ロッド７６と、ロッド７６の端部に取り付けられたカム従動子７７とを有するグリッパプランジャ７３によって各グリッパ７１を個別に調整できる、異なるグリッパ調整システム７０を記載している。ノーズは、部分６の前方のラップ６１に直接接触してラップ６１を保持するか、または部分６、６１、６３全体を保持する。ノーズは、垂直方向に調整可能なカム２６の設定に応じて、後方のラップ６３の上方の縁部から離れる方向へ、またはこの縁部の方へ移動する。
【００１５】
これらの出願はそれぞれ、引用によって本明細書に組み込まれる。
【００１６】
【課題を解決するための手段】
上記および他の目的に鑑み、本発明によれば、ピボット運動可能に互いに連結され、シートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有し、搬送方向に所与の速度で走行するポケット内でシートを開くラップ分離器システムであって、可動の分離器と、分離器キャリアに連結された少なくとも１つの分離器とを有し、分離器は少なくとも１つの分離器キャリアを搬送方向にポケットに沿って所与の速度よりも速い速度で搬送するようになっており、少なくとも１つの分離器は後方の壁、ポケット内のシート、そして前方の壁に順次接触し、後方の壁、ポケット内のシートの少なくとも一部、そして前方の壁を順次解放するようになっているを含むラップ分離器システムが提供される。
【００１７】
本発明の他の特徴によれば、分離器は、後方の壁、ポケット内のシートの少なくとも一部、ポケット内のシートの少なくとも他の部分、そして前方の壁を順次解放するようになっている。
【００１８】
本発明の他の特徴によれば、トラックは、分離器をポケットに対して変位させる高さ変更部を有している。分離器をポケットから離れる方向へ変位させるインクライン（ｉｎｃｌｉｎｅ）、および／または分離器をポケットの方へ変位させるデクライン（ｄｅｃｌｉｎｅ）を含むことが好ましい。
【００１９】
本発明の他の特徴によれば、分離器はトラックであり、好ましくは無端のトラックである。
【００２０】
本発明の他の特徴によれば、分離器は複数の分離器である。分離器は可とう性の材料で作られることが好ましい。分離器は、ブラシ、ポケットの方へ延びる指状の伸長部、各々がポケットの方へ延びる指状の伸長部の延び、円筒状のロッド、および／または矩形の柱であってよい。
【００２１】
本発明の目的に鑑み、ピボット運動可能に互いに連結され、少なくとも１枚のシートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有し、搬送方向に所与の速度で走行するようになっている少なくとも１つの可動の分離ポケットと、ポケット内の少なくとも１枚のシートを開くラップ分離器システムであって、可動の分離器キャリアと、分離器キャリアに連結された少なくとも１つの分離器を有し、分離器キャリアは搬送方向に少なくとも１つのポケットに沿って所与の速度よりも速い速度で少なくとも１つの分離器を搬送するようになっており、少なくとも１つの分離器は後方の壁、ポケット内の少なくとも１枚のシート、そして前方の壁に順次接触し、そして後方の壁、ポケット内の少なくとも１枚のシートの少なくとも一部、次に前方の壁を順次解放するようになっているラップ分離器システムとを含むシート開きシステムが提供される。
【００２２】
本発明の目的に鑑み、搬送方向に所与の速度で走行するようになっているコンベアと、コンベアに配置され、少なくとも１枚のシートをコンベアの方へ送る少なくとも１つのシート送り装置と、各ポケットは、互いにピボット運動可能に連結され、少なくとも１枚のシートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有し、各ポケットは、コンベアに連結され、少なくとも１つのシート送り装置から少なくとも１枚のシートを受け入れるようになっており、かつ少なくとも１枚のシートをコンベアの少なくとも一部に沿って搬送方向に搬送するようになっている複数のポケットと、少なくとも１つのポケット内の少なくとも１枚のシートを開くラップ分離器システムであって、可動の分離器キャリアと、分離器キャリアに係合された少なくとも１つの分離器を有し、分離器キャリアは、少なくとも１つの分離器を搬送方向に少なくとも１つのポケットに沿って所与の速度よりも速い速度で搬送するようになっており、少なくとも１つの分離器は後方の壁、ポケット内の少なくとも１枚のシート、そして前方の壁に順次接触し、そして後方の壁、ポケット内の少なくとも１枚のシートの少なくとも一部、そして前方の壁を順次解放するようになっているラップ分離器システムとを含むシート丁合い機も提供される。
【００２３】
本発明のさらに他の態様によれば、分離器キャリアおよび／または分離器は、ポケットに対して垂直方向に調整可能である。
【００２４】
本発明の目的に鑑み、ピボット運動可能に互いに連結され、シートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有する少なくとも１つのシート受入れポケットを、搬送経路に沿って搬送方向に所与の速度で搬送することと、シートを少なくとも１つのシート受入れポケットに入れることと、分離器上の少なくとも１つの分離器を第２の搬送経路に沿って搬送方向に所与の速度よりも速い速度で搬送することと、後方の壁、ポケット内のシート、そして前方の壁を少なくとも１つの分離器に順次接触させ、次に、後方の壁、ポケット内のシートの少なくとも一部、そして前方の壁から少なくとも１つの分離器を順次解放することとを有する、シート丁合い装置の少なくとも１つのシート受入れポケット内のシートを開く方法も提供される。
【００２５】
本発明の他の態様によれば、ポケットは複数のポケットであり、分離器は複数の分離器である。
【００２６】
本発明のさらに他の態様によれば、第２の搬送経路は、搬送経路に隣接し、および／または上記の搬送経路にしたがっている。
【００２７】
本発明の目的に鑑み、各ポケットが、ピボット運動可能に互いに連結され、少なくとも１枚のシートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有する、搬送経路内で搬送すべきシート受入れポケットを設けることと、少なくとも１つの分離器を変位させて、後方の壁、ポケット内のシート、そして前方の壁を少なくとも１つの分離器に順次接触させ、そして、後方の壁、ポケット内のシートの少なくとも一部、そして前方の壁から少なくとも１つの分離器を順次解放することとを有する、シート受入れポケット内のシートを開く方法も提供される。
【００２８】
ここで言う「ロッド」は、任意の細長い構造であってよい。
【００２９】
本発明の特性とみなされる他の特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【００３０】
本発明を、ポケット内の折り畳まれた第１のシート材料部分の前方のラップと後方のラップを分離し、そこに第２の部分を入れ子にするのを可能にするラップ分離器と、このようなラップを分離する方法で具体化されるものとして図示し説明するが、それにもかかわらず、本発明の要旨から逸脱せずに、かつ特許請求の範囲の均等物の範囲内で、本発明に様々な修正および構造的な変更を加えられるので、本発明は示された詳細に限るものではない。
【００３１】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００３２】
図面、特に図１を詳しく参照すると、無端のトラック１０１を有し、複数のポケット１０を搬送方向１７に搬送するシート材料搬送装置の概略図が示されている。各ポケット１０は、ポケット１０の高さを定める可動フィンガ９０と、各高さ設定機構８と、高さ設定機構８用の解除可能なロック機構９とを有している。フィンガ９０はピボット９６の周りを運動することができる。
【００３３】
設定領域１において、各ポケット１０は、２つの所望の高さの少なくとも一方、たとえば、１０インチ（約２５．４ｃｍ）の折り畳まれた製品を受け入れるための設定値までフィンガ９０を運動させるように設定機構８によって手動で設定することができる。ポケット１０は、設定時に静止しており、この設定は、たとえば、トラック１０１の周りを移動する操作員によって、設定領域１の外側でも行うことができる。
【００３４】
あるいは、ポケット１０を設定領域１まで移動させ、装置を停止させ、各ポケット１０を設定することもできる。各ポケット１０が設定領域１まで移動させられ設定領域１で停止させられるときに各ポケット１０を適切な高さまで移動させる、設定機構８と相互作用する自動化ロボットを設定領域１に配置することもできる。
【００３５】
ポケット１０が所望の高さに設定された後、設定機構８は、ポケットの高さが設定されるようにロック機構９によって所定の位置にロックされる。すべてのポケット１０が設定された後、ポケット１０は、たとえば、ジャケットとも呼ばれる、新聞または他の印刷物の折り畳まれたカバー部分６が、ポケット内に供給される、第１のシート材料送りステーション２の下方を通るように移動させられる。任意に設けられる第２の光学シート材料送りステーション３では、カバー部分６の前方の部分と後方の部分の間に第２の部分７を挿入して最終的な印刷物１２を形成することができる。このプロセスを全て数の送りステーション２、３について繰り返して、多数の入れ子にされた部分６、７を有する最終製品１２を製造することができる。したがって、部分６をステーション２からポケット１０内に受け入れてからポケット１０がステーション３の下方に位置させられるまでの期間は、ポケット内で部分６を分離し、部分６に部分７を入れる時間帯を形成する。
【００３６】
ポケット１０は、部分６、７を受け入れた後、ロック機構９を解除する解放ステーション４を通過することができる。次に、好ましくはばねで付勢された設定機構８は、ポケット１０の底部が開き、最終製品１２が、たとえばコンベアベルト１１に供給されるようにフィンガ９０を解放する。
【００３７】
ポケット１０が引き続き解放ステーション４を通過すると、ポケット１０は設定機構８のリセットカム従動子１５６（図１参照）と、ロック機構９をロックするロック係合装置３５と相互作用する可動のインクラインリセット斜面２５を含んでよいリセットステーション５を通過する。好ましくはすべて共通の高さに設定されるポケット１０は次に、リセット斜面２５によって共通の高さにリセットされ、ロック機構９に係合するロック係合装置３５によって所定の位置にロックされる。
【００３８】
図２、４、および５はポケット１０の細部を示している。
【００３９】
ポケット１０は、間に、シート材料、たとえばカバー部分６を受け入れる開口部５６がある、上部後方の壁５４と上部前方の壁５２とを有している。ポケット１０は側壁４４も有している。ポケット１０は、下部後方の壁６４および下部前方の壁６２を有してもよい。
【００４０】
図３は、図２に示されているポケット１０の上部の拡大図である。図３は、カバー部分６の前方のラップ６１が保持される領域を示している。カバー部分６を所定の位置に保持するために、上部前方の壁５２の頂部に１組のグリッパ５３、５５が配置されている。グリッパ５３と５５は、回転位置が異なるにもかかわらず、単一のシャフト５７上に同軸に配置されるものとして示されている。しかし、数組のグリッパを、各々を独立に制御できるそれぞれの別々のシャフト上に配置することができる。たとえば、ある組のグリッパが別の組のグリッパよりも長くすることができる。
【００４１】
不図示の制御装置が、グリッパ５３、５５を保持するシャフト５７を、係合位置と係合解除位置との間でピボット運動させる。図３では、一方のグリッパ５３は係合解除位置にあるものとして示され、他方のグリッパ５５は係合位置にあるものとして示されている。係合位置では、グリッパ５５は、カバー部分６の前方のラップ６１が上部前方の壁５２に対して固定されるように前方のラップ６１を保持する。このように保持されているカバー部分６が、図３に点線で概略的に示されている。
【００４２】
本発明の前に、部分６が以下に説明するプロセスにしたがって分離される。
【００４３】
まず、カバー部分６が開口部５６内に置かれると、カバー部分６の底部の（最も下方の）縁部は、図６（ａ）に示されているようにフィンガ９０と上部後方の壁５４との間の係合部に位置する。図２および６（ａ）に示されているポケット１０の開いた位置では、重力によってカバー部分６が上部後方の壁５４に全面的に接触する（図６（ａ）を参照）。グリッパ５３、５５でカバー部分６を把持するプロセスを開始するために、図６（ｂ）に示されているように、上部後方の壁５４が軸５１の周りをピボット運動して上部前方の壁５２に接触する。あるいは、および／またはこれに加えて、後方の壁５４、６４全体を前方の壁５２、６２の方へ変位させることができる。カバー部分６が上部前方の壁５２に接触すると、グリッパ５３、５５は、係合位置まで回転し、カバー部分６の少なくとも一部を上部前方の壁５２に接触する所定の位置に保持する（図３、６（ｃ）、および６（ｄ）を参照）。グリッパ５３、５５を、カバー部分６の後方のラップ６３の頂縁部までしか延びないように調整すると、グリッパ５３、５５はカバー部分６の前方のラップ６１のみを把持する。この後、前方のラップ６１は上部前方の壁５２に接触した状態で保持され、重力および／または、吸込み装置５９のような他の装置によって、カバー部分６の後方のラップ６３が、後方に移動する上部後方の壁５４と共に搬送される。したがって、たとえば第２のシート材料送りステーション３から他の部分７を受け入れるための開口部５６が、前方のラップ６１と後方のラップ６３との間に形成される。
【００４４】
このようなプロセスにはタイミングが重要である。グリッパ５３、５５は、上部後方の壁５４が前方のラップ６１を上部前方の壁５２上に確実に位置させるまで、前方のラップ６１に係合するのを遅延させられる。また、上部後方の壁５４、およびそれと共に後方のラップ６３が、部分７を内部に正しく位置させるのを可能にする開口部５６を形成するのに十分な程度に後方に倒れるまで時間が費やされる。
【００４５】
本発明は、ラップ分離システム７０を備えることによってこのプロセスのための時間帯を広げる。ラップ分離システム７０は、ラップ分離器キャリアシステム７４上に移動可能に配置された少なくとも１つのラップ分離器７２を含み、以下に記載されているように動作する。
【００４６】
キャリアシステム７４は、ポケットコンベアシステムの一部を構成する無端のトラック１０１の近くまたは無端トラック１０１に配置されている。キャリアシステム７４は、トラック１０１と同じ搬送方向１７に移動する。キャリアシステム７４は、ポケット１０に従うが異なる速度で移動する無端のベルトであることが好ましい。さらに、キャリアシステム７４は、ポケット１０に対して垂直方向に調整可能であってよい。したがって、ラップ分離器７２は、ポケット１０に接近したりポケット１０から離れるように調整することができる。このような調整は、システム全体７０の移動であっても、個々のラップ分離器７２の移動であってもよい。システム７０は特定のフォーマットに予め設定することができ、あるいはシステム７０は、調整モータと、前方のラップ６１または他の部分の位置を求めるセンサとを有する自動制御システムを含んでよい。
【００４７】
図６（ａ）に示されているように、部分６はまず、ステーション２（図１にのみ示されている）においてポケット１０内に置かれる。その後ある時点で、好ましくは上記のその後直ちに、上部後方の壁５４および部分６を上部前方の壁５２の方へピボット運動させ、部分６を開いて他の部分７を受け入れるプロセスを開始しなければならない。したがって、図６（ａ）から６（ｂ）に示されているように、ラップ分離器７２は搬送方向１７にポケット１０と共に、ただしポケット１０よりも早く移動させられる。このため、ラップ分離器７２はポケット１０に追いつき、追い越す。ラップ分離器７２は、部分６が確実にポケット１０内に入った直後にポケット１０を追い越すことが好ましい。
【００４８】
ラップ分離器７２は、上部後方の壁５４の後方の側面に接触し、上部後方の壁５４を上部前方の壁５２に接触するまでピボット運動させ、それによって部分６を上部後方の壁５４と上部前方の壁５２との間にクランプするのに十分な力を加えるのに十分な長さを有している。あるいは、ラップ分離器７２の端部をポケット１０に対してより低い位置に位置させる必要がある場合、図６（ｂ）に示されているように、ラップ分離器７２をポケット１０の方へ下降させるようにキャリアシステム７４を構成することができる。あるいは、またはこれに加えて、図６（ｃ）に示されているように、ラップ分離器７２をポケット１０から上昇させるようにキャリアシステム７４を構成することができる。キャリアシステム７４を下降させる部分または上昇させる部分は、ラップ分離器７２がポケット１０に対して実行する必要のある機能に依存している。ラップ分離器７２が必要とされない場合、ラップ分離器７２は、それがポケット１０のどの部分にも接触しないようにポケット１０から十分に離れた距離まで上昇させることができる。
【００４９】
図６（ｂ）は、ラップ分離器７２が上部後方の壁５４を上部前方の壁５２に十分に押し付けた時点を示している。このような位置では、前方のラップ６１は明らかに後方のラップ６３の上方に突き出している。ラップ分離器７２は、ラップ分離器７２をたわませたりまたは曲げたりできる材料で作られているのが好ましい。したがって、ラップ分離器７２がポケット１０に押し付けられると、ラップ分離器７２は、図６（ｄ）に示されているようにたわむ。
【００５０】
ラップ分離器７２は、ポケット１０と共に走行するにもかかわらず、より高速に走行する。したがって、ラップ分離器７２が、図６（ｃ）に示されている時点で、ポケット１０を通過しているか、またはポケット１０に沿って移動しているとき、ラップ分離器７２の端部は上部後方の壁５４を完全に超えている。ラップ分離器７２はもはや上部後方の壁５４に押し当たっていないので、重力または不図示のバイアススプリングのような他の何らかの装置によって、上部後方の壁５４は、図６（ａ）に示されているその開始位置に戻る。後方のラップ６３が上部後方の壁５４と同じ高さであるか、または上部後方の壁５４よりも短い場合、特に上部後方の壁５４が吸込み器５９を備えている場合には、後方のラップ６３は上部後方の壁５４と共に後方に搬送される。しかし、図６（ｃ）に示されているように後方のラップ６３が上部後方の壁５４よりも高い場合、ラップ分離器７２が後方のラップ６３を上部前方の壁５２に押し付けているので、上部後方の壁５４は、後方のラップ６３が移動する前にポケット１０内で後方への移動を開始する。
【００５１】
ラップ分離器７２は、引き続きポケット１０を通過し、したがって、その後の時点で、ラップ分離器７２はもはや後方のラップ６３に圧力をかけなくなり、前方のラップ６１にのみ圧力をかけるようになる。このような圧力が後方のラップ６３から解除されると、次に、後方のラップ６３は後方に移動し、図６（ｄ）に示されているように部分７を受け入れる開口部５７を形成することができる。
【００５２】
ラップ分離器７２が上部前方の壁５２を押圧している間ずっと（図６（ｂ）、６（ｃ）、６（ｄ）、６（ｅ））、前方のラップ６１に圧力がかけられる。特に、上部後方の壁５４および後方のラップ６３が前方のラップ６１から離れて倒れた後、ラップ分離器７２は、図６（ｅ）に示されているように前方のラップ６１に圧力をかけている。このように、グリッパ５３、５５は、上部後方の壁５４および後方のラップ６３が前方のラップ６１から離れて倒れた後の任意の時点で前方のラップ６１を固定するように移動することができる。
【００５３】
グリッパ５３、５５は、遅くとも、部分７が部分６の内側に位置する直前に前方のラップ６１を把持しなければならない。
【００５４】
ラップ分離器７２は、ポケット１０が部分６を受け入れた直後に上部後方の壁５４に接触し、ただちに搬送方向１７への移動を開始する。ラップ分離器７２の移動速度は、上部後方の壁５４および後方のラップ６３がどのくらいの速度で前方のラップ６１から離れて倒れるかを定める。ラップ分離器７２の移動速度は、無端のトラック１０１に沿ったポケット１０の移動と比べて比較的高速であるので、本発明を使用した場合、上部後方の壁５４と後方のラップ６３は、ポケット１０が部分７を受け入れるためにステーション３の下方に位置する時点よりもかなり前に前方のラップ６１から離れて倒れる。したがって、本発明を使用すると、前方および後方のラップ６１、６３の分離が速まり、したがって、グリッパ５３、５５で前方のラップ６１を把持するのに利用できる時間帯が広げられる。把持のための時間帯を広げることは、より長いグリッパ５３、５５を使用できることを意味する。
【００５５】
ラップ分離器７２は任意の形をとることができる。ラップ分離器７２は、ポケット１０の幅全体にわたって図６（ａ）から６（ｅ）の平面内を、延び、図６（ａ）から６（ｅ）に示されているような断面を有する単一の中実の矩形の柱であってよい。このため、平面内への柱の延びは、図示の垂直断面よりもかなり大きい。このような形状は、上部後方の壁５４、後方のラップ６３、前方のラップ６１、および上部前方の壁５２の上縁部がすべて、図６（ａ）から６（ｅ）の平面内へと延びる方向において互いに平行であるので可能である。したがって、このような矩形の柱の底縁部は、それぞれの上縁部の各部をほぼ同時に解放する。
【００５６】
あるいは、ラップ分離器７２は、キャリアシステム７４からポケット１０の底部の方（すなわち、ピボット９６の方向）へ延びる１列の複数の指状の装置であってよい。上記の単一の矩形の柱とは異なり、図６（ａ）から６（ｅ）の平面内へのこのような指状の装置の延びる範囲は、図示の垂直断面よりもずっと小さい。これらの指状の装置は、円筒形のロッドまたは矩形の柱を含む、任意の形をとってよい。
【００５７】
第３の実施形態では、ラップ分離器７２は、キャリアシステム７４からポケット１０の底部の方へ延び、前段で述べた指状の装置と同じ特性を有する、単一の指状の装置であってよい。
【００５８】
３つの実施形態のいずれにおいても、ラップ分離器７２は中実な形態を有してよい。たとえば、第１の実施形態は窓ふき用のゴムそうきんに類似した外観を有する。あるいは、ラップ分離器７２はブラシであってよい。
【００５９】
指状のキャリアシステム７４は、無端のベルトの範囲に沿って配置された、取外し可能で、したがって、調整可能な個々のラップ分離器７２を有する無端のベルトであることが好ましい。したがって、ラップ分離器７２をベルト上に位置させると、ポケット１０に対するラップ分離器７２の作用のタイミングが決定される。
【００６０】
上記に記載したように、本発明がなされるまでは、第１の部分６の前方のラップ６１を後方のラップ６３から分離し、第２の部分７を挿入するか又は入れ子にすることのできるポケットを前方のラップ６１と後方のラップ６３との間に形成することに困題があった。本発明は、グリッパ５３、５５が前方のラップ６１を把持する必要のある時間帯を拡張する新しいラップ分離システムを追加する。本発明は、同時に、前方のラップおよび後方のラップのサイズのばらつきを補償する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるシート材料搬送装置の概略斜視図である。
【図２】図を明確にするためにある要素を省略した本発明によるポケットの側面図である。
【図３】本発明によるグリッパの細部を示す図２のポケットの拡大側面図である。
【図４】図を明確にするためにある要素を省略した本発明によるポケットの分解斜視図である。
【図５】図４によるポケットの異なる分解斜視図である。
【図６】本発明によるラップ分離システムの順次段階を示す概略断面図である。
【符号の説明】
１ 設定領域
２ 第１のシート材料送りステーション
３ 第２のシート材料送りステーション
４ 解放ステーション
５ リセットステーション
６ カバー部分
７ 第２の部分
８ 高さ設定機構
９ ロック機構
１０ ポケット
１１ コンベアベルト
１２ 最終製品
１７ 搬送方向
２５ リセット斜面
３５ ロック係合装置
４４ 側壁
５１ 軸
５２ 上部前方の壁
５３、５５ グリッパ
５４ 上部後方の壁
５６ 開口部
５７ シャフト
５９ 吸込み装置
６１ 前方のラップ
６３ 後方のラップ
７０ ラップ分離システム
７２ ラップ分離器
７４ ラップ分離器キャリアシステム
９０ フィンガ
９６ ピボット
１００ シート材料搬送装置
１０１ 無端のトラック
１５６ リセットカム従動子
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機の分野に属する。本発明は、概して、たとえば新聞を搬送するシート搬送装置に関し、特に、トラック上を移動するポケットを有するシート搬送装置に関する。特に、本発明は、ポケット内の折り畳まれた第１のシート材料部分の前方のラップと後方のラップを分離し、そこに第２の部分を入れ子にするのを可能にするラップ分離器と、そのようなラップを分離する方法とに関する。
【０００２】
【従来の技術】
シート搬送装置、特に、新聞を搬送する装置は、シートの様々な組を互いに挿入するか、または入れ子にするか、または校合することができる必要がある。すなわち、出来上がった新聞を作成するには、折り畳まれたシート部分の形をとる、新聞紙の第１の折り畳まれた部分を開き、折り畳まれたシート部分の２つの面の間に新聞の少なくとも１つの第２の部分を挿入する。第２の部分自体を、第３の部分、第４の部分、またはさらに他の部分が第１の部分と同様に入れ子にされた部分とすることが可能である。このようなシート、特に新聞を処理するために、従来技術の搬送装置は、まず第１の部分を把持し、第１の部分を開き、次に、開かれた第１の部分を供給ステーションまで搬送する山形のポケットを有している。ポケットを含む従来技術のシステムには、たとえば、特許文献１や特許文献２が含まれる。供給ユニットが、開かれた第１の部分に第２の部分を落として、２つの部分を有する入れ子にされた新聞紙を作成する。このプロセスを多数の様々な部分に対して繰り返して新聞全体を作成することができる。
【０００３】
ポケットには、第１の部分を適切な開位置まで適切に開くことに問題がある。適切に開くのを容易にするために、各部分はラップを備えている。言い換えれば、折り畳まれたシート部分の２つの端部は同等ではない。通常、シート処理方向では、折り畳まれたシート部分の最も前方の端部は、折り畳まれたシート部分の最も後方の端部よりも長い。したがって、シート部分の折目がポケットの底部にある場合、ポケット内の折り畳まれたシート部分の端部を上から見ると、前方のラップが後方のラップよりも高くなっている。
【０００４】
このような位置では、前方のより高いラップが（物理的な接触および／または空気吸込みをもたらす）装置によって固定され、ポケットまたは折り畳まれたシート部分が、重力によって（場合によっては吸込みの助けを得て）後方のラップを前方のラップから離れるように倒すことができるように移動または傾けられると、折り畳まれたシート部分を開くことができる。後方のラップが倒れるか、または前方のラップから離れる方向へ移動させられた後、第２の部分を挿入することのできる開口部が存在する。したがって、第２の部分を第１の部分に挿入するか、または第１の部分内に入れ子にすることができる。次に、この組み合わされた部分を他の部分に挿入するなどして、通常、一般的な新聞を形成する、１組の入れ子にされた複数のシートを作成することができる。
【０００５】
固定装置は通常、指の形をしたグリッパの形をとる。開くプロセスでは、このようなグリッパを回転させるか、または前方のラップ上に下降させ、前方のラップおよび前方のシート部分をポケットの前方の壁に固定する。このようなポケットにおける従来技術のグリッパシステムのいくつかの例には、特許文献３、特許文献４、および特許文献５が含まれる。
【０００６】
特許文献６は、シート材料フィーダからのシート材料を受け取れるようにトラックの周りを動くことができる複数のポケットを有するシート材料搬送装置を記載している。これらのポケットは、たとえば、まず新聞の第１の外側の部分を第１のシート材料フィーダによってポケットに送り込み、次に、第１の外側の新聞部分の折り畳まれた部分同士の間に内側の新聞部分を挿入するのを可能にする。特許文献６の装置は、リフトカム２０を用いて半円形のアクチュエータ歯車１５０を移動させ、ラック８０上に配置されたポケット脚部９０の高さを設定するように駆動シャフト１１０を回転させる。つめ・つめ車機構がポケットが開くのを防止する。次に、シート材料を受け入れ、ポケットに挿入することができる。シート材料を供給する場合、トリップカム２２がつめ・つめ車機構を解除することができる。トラック８０は、バイアススプリングによってより低い位置まで移動し、そのため、ドライバカム１３０の動作によって脚部９０が解放される。このようにして、ポケット内のシート材料は、さらに搬送されるかまたは積み重ねられるようにポケットの底部から出ることができる。特許文献６は引用によって全体的に本明細書に含まれる。
【０００７】
特許文献７には主として、無端の経路に沿って移動できるポケットを記載している。各ポケットは、ポケットキャリア８に変位可能に取り付けられた、垂直方向に調整可能な２つのストップ１４を備えている。この特許によれば、案内部材２８は、ポケットが無端の経路に沿って移動させられるにつれてストップ１４を垂直方向に調整するように設定することができる。
【０００８】
シート供給装置は比較的速い速度で走行するので、前方のラップを把持する時間帯は小さい。したがって、前方のラップを把持する時間帯を大きくする必要がある。重要なこととして、各ラップのサイズは一様ではなく、また等しくもない。したがって、ラップサイズのばらつきも補償するように時間帯（ｔｉｍｅ ｏｆ ｗｉｎｄｏｗ）を大きくしなければならない。
【０００９】
【特許文献１】
米国特許第４１３３５２１号
【特許文献２】
米国特許第５２１３３１８号
【特許文献３】
米国特許第４７２３７７０号
【特許文献４】
米国特許第４９８８０８６号
【特許文献５】
米国特許第５０２４４３２号
【特許文献６】
米国特許第５９１１４１６号
【特許文献７】
米国特許第５２５１８８８号
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、この一般的な種類の従来の装置および方法の前述の欠点を解消し、前方のラップおよび後方のラップのサイズのばらつきに対処しつつ後方のラップから前方のラップを分離する時間帯を大きくする、ポケット内の折り畳まれた第１のシート材料部分の前方のラップと後方のラップを分離し、そこに第２の部分を入れ子にするのを可能にするラップ分離器と、このようなラップを分離する方法とを提供することである。
【００１１】
２０００年９月１４日に出願された「個々に調整可能なポケットを有するシート材料搬送装置（SHEET MATERIAL CONVEYING APPARATUS WITH INDIVIDUALLY-ADJUSTABLE POCKETS）」という名称の、共有米国特許出願第０９／６６２２７７号は、各々がポケットの高さを調整する設定装置を有する、複数の手動調整可能なポケットを記載している。
【００１２】
２０００年１０月３０日に出願された「高さ調整可能なポケットを有するシート材料搬送装置（SHEET MATERIAL CONVEYING APPARATUS WITH HEIGHT-ADJUSTABLE POCKETS）」という名称の、共有米国特許出願第０９／７０２０１２号は、各々が、設定高さを定めるようにポケットの高さを調整する設定装置を有する、複数の手動調整可能なポケットを記載している。
【００１３】
本出願と同時に出願された「調整可能なシート受入れポケット用の調整可能な把持装置、およびシート受入れポケットを調整する方法（ADJUSTABLE GRIPPING DEVICE FOR ADJUSTABLE SHEET RECEIVING POCKETS AND METHOD FOR ADJUSTING SHEET RECEIVING POCKETS）」という名称の、関連米国特許出願第（代理人整理番号ＨＥＭ０１／８１５（ＨＡ−３７２２））は、２つの主要部品、すなわち、グリッパ体７２と、ピボット７５、カム従動子７７、２アームロッカーである調整体７９を含む調整装置７３とを持つ調整可能なグリッパ７１を有する異なるグリッパ調整システムを記載している。調整体７９は、垂直方向に調整可能なカム２６の位置の設定に応じて、グリッパ体７２のノーズ７４を、上部前方の壁５２の表面に沿って後方のラップ６３の最も上方の縁部から離れる方向へ、またはこの縁部の方へピボット運動させ移動させる。
【００１４】
本出願と同時に出願された「調整可能なシート受入れポケット用の調整可能な把持装置、およびシート受入れポケットを調整する方法（ADJUSTABLE GRIPPING DEVICE FOR ADJUSTABLE SHEET RECEIVING POCKETS AND METHOD FOR ADJUSTING SHEET RECEIVING POCKETS）」という名称の、共有米国特許出願第（代理人整理番号ＨＥＭ０１／８１３（ＨＡ−３７２２））は、ノーズを備えたプランジャ体７５と、ロッド７６と、ロッド７６の端部に取り付けられたカム従動子７７とを有するグリッパプランジャ７３によって各グリッパ７１を個別に調整できる、異なるグリッパ調整システム７０を記載している。ノーズは、部分６の前方のラップ６１に直接接触してラップ６１を保持するか、または部分６、６１、６３全体を保持する。ノーズは、垂直方向に調整可能なカム２６の設定に応じて、後方のラップ６３の上方の縁部から離れる方向へ、またはこの縁部の方へ移動する。
【００１５】
これらの出願はそれぞれ、引用によって本明細書に組み込まれる。
【００１６】
【課題を解決するための手段】
上記および他の目的に鑑み、本発明によれば、ピボット運動可能に互いに連結され、シートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有し、搬送方向に所与の速度で走行するポケット内でシートを開くラップ分離器システムであって、可動の分離器と、分離器キャリアに連結された少なくとも１つの分離器とを有し、分離器は少なくとも１つの分離器キャリアを搬送方向にポケットに沿って所与の速度よりも速い速度で搬送するようになっており、少なくとも１つの分離器は後方の壁、ポケット内のシート、そして前方の壁に順次接触し、後方の壁、ポケット内のシートの少なくとも一部、そして前方の壁を順次解放するようになっているを含むラップ分離器システムが提供される。
【００１７】
本発明の他の特徴によれば、分離器は、後方の壁、ポケット内のシートの少なくとも一部、ポケット内のシートの少なくとも他の部分、そして前方の壁を順次解放するようになっている。
【００１８】
本発明の他の特徴によれば、トラックは、分離器をポケットに対して変位させる高さ変更部を有している。分離器をポケットから離れる方向へ変位させるインクライン（ｉｎｃｌｉｎｅ）、および／または分離器をポケットの方へ変位させるデクライン（ｄｅｃｌｉｎｅ）を含むことが好ましい。
【００１９】
本発明の他の特徴によれば、分離器はトラックであり、好ましくは無端のトラックである。
【００２０】
本発明の他の特徴によれば、分離器は複数の分離器である。分離器は可とう性の材料で作られることが好ましい。分離器は、ブラシ、ポケットの方へ延びる指状の伸長部、各々がポケットの方へ延びる指状の伸長部の延び、円筒状のロッド、および／または矩形の柱であってよい。
【００２１】
本発明の目的に鑑み、ピボット運動可能に互いに連結され、少なくとも１枚のシートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有し、搬送方向に所与の速度で走行するようになっている少なくとも１つの可動の分離ポケットと、ポケット内の少なくとも１枚のシートを開くラップ分離器システムであって、可動の分離器キャリアと、分離器キャリアに連結された少なくとも１つの分離器を有し、分離器キャリアは搬送方向に少なくとも１つのポケットに沿って所与の速度よりも速い速度で少なくとも１つの分離器を搬送するようになっており、少なくとも１つの分離器は後方の壁、ポケット内の少なくとも１枚のシート、そして前方の壁に順次接触し、そして後方の壁、ポケット内の少なくとも１枚のシートの少なくとも一部、次に前方の壁を順次解放するようになっているラップ分離器システムとを含むシート開きシステムが提供される。
【００２２】
本発明の目的に鑑み、搬送方向に所与の速度で走行するようになっているコンベアと、コンベアに配置され、少なくとも１枚のシートをコンベアの方へ送る少なくとも１つのシート送り装置と、各ポケットは、互いにピボット運動可能に連結され、少なくとも１枚のシートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有し、各ポケットは、コンベアに連結され、少なくとも１つのシート送り装置から少なくとも１枚のシートを受け入れるようになっており、かつ少なくとも１枚のシートをコンベアの少なくとも一部に沿って搬送方向に搬送するようになっている複数のポケットと、少なくとも１つのポケット内の少なくとも１枚のシートを開くラップ分離器システムであって、可動の分離器キャリアと、分離器キャリアに係合された少なくとも１つの分離器を有し、分離器キャリアは、少なくとも１つの分離器を搬送方向に少なくとも１つのポケットに沿って所与の速度よりも速い速度で搬送するようになっており、少なくとも１つの分離器は後方の壁、ポケット内の少なくとも１枚のシート、そして前方の壁に順次接触し、そして後方の壁、ポケット内の少なくとも１枚のシートの少なくとも一部、そして前方の壁を順次解放するようになっているラップ分離器システムとを含むシート丁合い機も提供される。
【００２３】
本発明のさらに他の態様によれば、分離器キャリアおよび／または分離器は、ポケットに対して垂直方向に調整可能である。
【００２４】
本発明の目的に鑑み、ピボット運動可能に互いに連結され、シートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有する少なくとも１つのシート受入れポケットを、搬送経路に沿って搬送方向に所与の速度で搬送することと、シートを少なくとも１つのシート受入れポケットに入れることと、分離器上の少なくとも１つの分離器を第２の搬送経路に沿って搬送方向に所与の速度よりも速い速度で搬送することと、後方の壁、ポケット内のシート、そして前方の壁を少なくとも１つの分離器に順次接触させ、次に、後方の壁、ポケット内のシートの少なくとも一部、そして前方の壁から少なくとも１つの分離器を順次解放することとを有する、シート丁合い装置の少なくとも１つのシート受入れポケット内のシートを開く方法も提供される。
【００２５】
本発明の他の態様によれば、ポケットは複数のポケットであり、分離器は複数の分離器である。
【００２６】
本発明のさらに他の態様によれば、第２の搬送経路は、搬送経路に隣接し、および／または上記の搬送経路にしたがっている。
【００２７】
本発明の目的に鑑み、各ポケットが、ピボット運動可能に互いに連結され、少なくとも１枚のシートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有する、搬送経路内で搬送すべきシート受入れポケットを設けることと、少なくとも１つの分離器を変位させて、後方の壁、ポケット内のシート、そして前方の壁を少なくとも１つの分離器に順次接触させ、そして、後方の壁、ポケット内のシートの少なくとも一部、そして前方の壁から少なくとも１つの分離器を順次解放することとを有する、シート受入れポケット内のシートを開く方法も提供される。
【００２８】
ここで言う「ロッド」は、任意の細長い構造であってよい。
【００２９】
本発明の特性とみなされる他の特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【００３０】
本発明を、ポケット内の折り畳まれた第１のシート材料部分の前方のラップと後方のラップを分離し、そこに第２の部分を入れ子にするのを可能にするラップ分離器と、このようなラップを分離する方法で具体化されるものとして図示し説明するが、それにもかかわらず、本発明の要旨から逸脱せずに、かつ特許請求の範囲の均等物の範囲内で、本発明に様々な修正および構造的な変更を加えられるので、本発明は示された詳細に限るものではない。
【００３１】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００３２】
図面、特に図１を詳しく参照すると、無端のトラック１０１を有し、複数のポケット１０を搬送方向１７に搬送するシート材料搬送装置の概略図が示されている。各ポケット１０は、ポケット１０の高さを定める可動フィンガ９０と、各高さ設定機構８と、高さ設定機構８用の解除可能なロック機構９とを有している。フィンガ９０はピボット９６の周りを運動することができる。
【００３３】
設定領域１において、各ポケット１０は、２つの所望の高さの少なくとも一方、たとえば、１０インチ（約２５．４ｃｍ）の折り畳まれた製品を受け入れるための設定値までフィンガ９０を運動させるように設定機構８によって手動で設定することができる。ポケット１０は、設定時に静止しており、この設定は、たとえば、トラック１０１の周りを移動する操作員によって、設定領域１の外側でも行うことができる。
【００３４】
あるいは、ポケット１０を設定領域１まで移動させ、装置を停止させ、各ポケット１０を設定することもできる。各ポケット１０が設定領域１まで移動させられ設定領域１で停止させられるときに各ポケット１０を適切な高さまで移動させる、設定機構８と相互作用する自動化ロボットを設定領域１に配置することもできる。
【００３５】
ポケット１０が所望の高さに設定された後、設定機構８は、ポケットの高さが設定されるようにロック機構９によって所定の位置にロックされる。すべてのポケット１０が設定された後、ポケット１０は、たとえば、ジャケットとも呼ばれる、新聞または他の印刷物の折り畳まれたカバー部分６が、ポケット内に供給される、第１のシート材料送りステーション２の下方を通るように移動させられる。任意に設けられる第２の光学シート材料送りステーション３では、カバー部分６の前方の部分と後方の部分の間に第２の部分７を挿入して最終的な印刷物１２を形成することができる。このプロセスを全て数の送りステーション２、３について繰り返して、多数の入れ子にされた部分６、７を有する最終製品１２を製造することができる。したがって、部分６をステーション２からポケット１０内に受け入れてからポケット１０がステーション３の下方に位置させられるまでの期間は、ポケット内で部分６を分離し、部分６に部分７を入れる時間帯を形成する。
【００３６】
ポケット１０は、部分６、７を受け入れた後、ロック機構９を解除する解放ステーション４を通過することができる。次に、好ましくはばねで付勢された設定機構８は、ポケット１０の底部が開き、最終製品１２が、たとえばコンベアベルト１１に供給されるようにフィンガ９０を解放する。
【００３７】
ポケット１０が引き続き解放ステーション４を通過すると、ポケット１０は設定機構８のリセットカム従動子１５６（図１参照）と、ロック機構９をロックするロック係合装置３５と相互作用する可動のインクラインリセット斜面２５を含んでよいリセットステーション５を通過する。好ましくはすべて共通の高さに設定されるポケット１０は次に、リセット斜面２５によって共通の高さにリセットされ、ロック機構９に係合するロック係合装置３５によって所定の位置にロックされる。
【００３８】
図２、４、および５はポケット１０の細部を示している。
【００３９】
ポケット１０は、間に、シート材料、たとえばカバー部分６を受け入れる開口部５６がある、上部後方の壁５４と上部前方の壁５２とを有している。ポケット１０は側壁４４も有している。ポケット１０は、下部後方の壁６４および下部前方の壁６２を有してもよい。
【００４０】
図３は、図２に示されているポケット１０の上部の拡大図である。図３は、カバー部分６の前方のラップ６１が保持される領域を示している。カバー部分６を所定の位置に保持するために、上部前方の壁５２の頂部に１組のグリッパ５３、５５が配置されている。グリッパ５３と５５は、回転位置が異なるにもかかわらず、単一のシャフト５７上に同軸に配置されるものとして示されている。しかし、数組のグリッパを、各々を独立に制御できるそれぞれの別々のシャフト上に配置することができる。たとえば、ある組のグリッパが別の組のグリッパよりも長くすることができる。
【００４１】
不図示の制御装置が、グリッパ５３、５５を保持するシャフト５７を、係合位置と係合解除位置との間でピボット運動させる。図３では、一方のグリッパ５３は係合解除位置にあるものとして示され、他方のグリッパ５５は係合位置にあるものとして示されている。係合位置では、グリッパ５５は、カバー部分６の前方のラップ６１が上部前方の壁５２に対して固定されるように前方のラップ６１を保持する。このように保持されているカバー部分６が、図３に点線で概略的に示されている。
【００４２】
本発明の前に、部分６が以下に説明するプロセスにしたがって分離される。
【００４３】
まず、カバー部分６が開口部５６内に置かれると、カバー部分６の底部の（最も下方の）縁部は、図６（ａ）に示されているようにフィンガ９０と上部後方の壁５４との間の係合部に位置する。図２および６（ａ）に示されているポケット１０の開いた位置では、重力によってカバー部分６が上部後方の壁５４に全面的に接触する（図６（ａ）を参照）。グリッパ５３、５５でカバー部分６を把持するプロセスを開始するために、図６（ｂ）に示されているように、上部後方の壁５４が軸５１の周りをピボット運動して上部前方の壁５２に接触する。あるいは、および／またはこれに加えて、後方の壁５４、６４全体を前方の壁５２、６２の方へ変位させることができる。カバー部分６が上部前方の壁５２に接触すると、グリッパ５３、５５は、係合位置まで回転し、カバー部分６の少なくとも一部を上部前方の壁５２に接触する所定の位置に保持する（図３、６（ｃ）、および６（ｄ）を参照）。グリッパ５３、５５を、カバー部分６の後方のラップ６３の頂縁部までしか延びないように調整すると、グリッパ５３、５５はカバー部分６の前方のラップ６１のみを把持する。この後、前方のラップ６１は上部前方の壁５２に接触した状態で保持され、重力および／または、吸込み装置５９のような他の装置によって、カバー部分６の後方のラップ６３が、後方に移動する上部後方の壁５４と共に搬送される。したがって、たとえば第２のシート材料送りステーション３から他の部分７を受け入れるための開口部５６が、前方のラップ６１と後方のラップ６３との間に形成される。
【００４４】
このようなプロセスにはタイミングが重要である。グリッパ５３、５５は、上部後方の壁５４が前方のラップ６１を上部前方の壁５２上に確実に位置させるまで、前方のラップ６１に係合するのを遅延させられる。また、上部後方の壁５４、およびそれと共に後方のラップ６３が、部分７を内部に正しく位置させるのを可能にする開口部５６を形成するのに十分な程度に後方に倒れるまで時間が費やされる。
【００４５】
本発明は、ラップ分離システム７０を備えることによってこのプロセスのための時間帯を広げる。ラップ分離システム７０は、ラップ分離器キャリアシステム７４上に移動可能に配置された少なくとも１つのラップ分離器７２を含み、以下に記載されているように動作する。
【００４６】
キャリアシステム７４は、ポケットコンベアシステムの一部を構成する無端のトラック１０１の近くまたは無端トラック１０１に配置されている。キャリアシステム７４は、トラック１０１と同じ搬送方向１７に移動する。キャリアシステム７４は、ポケット１０に従うが異なる速度で移動する無端のベルトであることが好ましい。さらに、キャリアシステム７４は、ポケット１０に対して垂直方向に調整可能であってよい。したがって、ラップ分離器７２は、ポケット１０に接近したりポケット１０から離れるように調整することができる。このような調整は、システム全体７０の移動であっても、個々のラップ分離器７２の移動であってもよい。システム７０は特定のフォーマットに予め設定することができ、あるいはシステム７０は、調整モータと、前方のラップ６１または他の部分の位置を求めるセンサとを有する自動制御システムを含んでよい。
【００４７】
図６（ａ）に示されているように、部分６はまず、ステーション２（図１にのみ示されている）においてポケット１０内に置かれる。その後ある時点で、好ましくは上記のその後直ちに、上部後方の壁５４および部分６を上部前方の壁５２の方へピボット運動させ、部分６を開いて他の部分７を受け入れるプロセスを開始しなければならない。したがって、図６（ａ）から６（ｂ）に示されているように、ラップ分離器７２は搬送方向１７にポケット１０と共に、ただしポケット１０よりも早く移動させられる。このため、ラップ分離器７２はポケット１０に追いつき、追い越す。ラップ分離器７２は、部分６が確実にポケット１０内に入った直後にポケット１０を追い越すことが好ましい。
【００４８】
ラップ分離器７２は、上部後方の壁５４の後方の側面に接触し、上部後方の壁５４を上部前方の壁５２に接触するまでピボット運動させ、それによって部分６を上部後方の壁５４と上部前方の壁５２との間にクランプするのに十分な力を加えるのに十分な長さを有している。あるいは、ラップ分離器７２の端部をポケット１０に対してより低い位置に位置させる必要がある場合、図６（ｂ）に示されているように、ラップ分離器７２をポケット１０の方へ下降させるようにキャリアシステム７４を構成することができる。あるいは、またはこれに加えて、図６（ｃ）に示されているように、ラップ分離器７２をポケット１０から上昇させるようにキャリアシステム７４を構成することができる。キャリアシステム７４を下降させる部分または上昇させる部分は、ラップ分離器７２がポケット１０に対して実行する必要のある機能に依存している。ラップ分離器７２が必要とされない場合、ラップ分離器７２は、それがポケット１０のどの部分にも接触しないようにポケット１０から十分に離れた距離まで上昇させることができる。
【００４９】
図６（ｂ）は、ラップ分離器７２が上部後方の壁５４を上部前方の壁５２に十分に押し付けた時点を示している。このような位置では、前方のラップ６１は明らかに後方のラップ６３の上方に突き出している。ラップ分離器７２は、ラップ分離器７２をたわませたりまたは曲げたりできる材料で作られているのが好ましい。したがって、ラップ分離器７２がポケット１０に押し付けられると、ラップ分離器７２は、図６（ｄ）に示されているようにたわむ。
【００５０】
ラップ分離器７２は、ポケット１０と共に走行するにもかかわらず、より高速に走行する。したがって、ラップ分離器７２が、図６（ｃ）に示されている時点で、ポケット１０を通過しているか、またはポケット１０に沿って移動しているとき、ラップ分離器７２の端部は上部後方の壁５４を完全に超えている。ラップ分離器７２はもはや上部後方の壁５４に押し当たっていないので、重力または不図示のバイアススプリングのような他の何らかの装置によって、上部後方の壁５４は、図６（ａ）に示されているその開始位置に戻る。後方のラップ６３が上部後方の壁５４と同じ高さであるか、または上部後方の壁５４よりも短い場合、特に上部後方の壁５４が吸込み器５９を備えている場合には、後方のラップ６３は上部後方の壁５４と共に後方に搬送される。しかし、図６（ｃ）に示されているように後方のラップ６３が上部後方の壁５４よりも高い場合、ラップ分離器７２が後方のラップ６３を上部前方の壁５２に押し付けているので、上部後方の壁５４は、後方のラップ６３が移動する前にポケット１０内で後方への移動を開始する。
【００５１】
ラップ分離器７２は、引き続きポケット１０を通過し、したがって、その後の時点で、ラップ分離器７２はもはや後方のラップ６３に圧力をかけなくなり、前方のラップ６１にのみ圧力をかけるようになる。このような圧力が後方のラップ６３から解除されると、次に、後方のラップ６３は後方に移動し、図６（ｄ）に示されているように部分７を受け入れる開口部５７を形成することができる。
【００５２】
ラップ分離器７２が上部前方の壁５２を押圧している間ずっと（図６（ｂ）、６（ｃ）、６（ｄ）、６（ｅ））、前方のラップ６１に圧力がかけられる。特に、上部後方の壁５４および後方のラップ６３が前方のラップ６１から離れて倒れた後、ラップ分離器７２は、図６（ｅ）に示されているように前方のラップ６１に圧力をかけている。このように、グリッパ５３、５５は、上部後方の壁５４および後方のラップ６３が前方のラップ６１から離れて倒れた後の任意の時点で前方のラップ６１を固定するように移動することができる。
【００５３】
グリッパ５３、５５は、遅くとも、部分７が部分６の内側に位置する直前に前方のラップ６１を把持しなければならない。
【００５４】
ラップ分離器７２は、ポケット１０が部分６を受け入れた直後に上部後方の壁５４に接触し、ただちに搬送方向１７への移動を開始する。ラップ分離器７２の移動速度は、上部後方の壁５４および後方のラップ６３がどのくらいの速度で前方のラップ６１から離れて倒れるかを定める。ラップ分離器７２の移動速度は、無端のトラック１０１に沿ったポケット１０の移動と比べて比較的高速であるので、本発明を使用した場合、上部後方の壁５４と後方のラップ６３は、ポケット１０が部分７を受け入れるためにステーション３の下方に位置する時点よりもかなり前に前方のラップ６１から離れて倒れる。したがって、本発明を使用すると、前方および後方のラップ６１、６３の分離が速まり、したがって、グリッパ５３、５５で前方のラップ６１を把持するのに利用できる時間帯が広げられる。把持のための時間帯を広げることは、より長いグリッパ５３、５５を使用できることを意味する。
【００５５】
ラップ分離器７２は任意の形をとることができる。ラップ分離器７２は、ポケット１０の幅全体にわたって図６（ａ）から６（ｅ）の平面内を、延び、図６（ａ）から６（ｅ）に示されているような断面を有する単一の中実の矩形の柱であってよい。このため、平面内への柱の延びは、図示の垂直断面よりもかなり大きい。このような形状は、上部後方の壁５４、後方のラップ６３、前方のラップ６１、および上部前方の壁５２の上縁部がすべて、図６（ａ）から６（ｅ）の平面内へと延びる方向において互いに平行であるので可能である。したがって、このような矩形の柱の底縁部は、それぞれの上縁部の各部をほぼ同時に解放する。
【００５６】
あるいは、ラップ分離器７２は、キャリアシステム７４からポケット１０の底部の方（すなわち、ピボット９６の方向）へ延びる１列の複数の指状の装置であってよい。上記の単一の矩形の柱とは異なり、図６（ａ）から６（ｅ）の平面内へのこのような指状の装置の延びる範囲は、図示の垂直断面よりもずっと小さい。これらの指状の装置は、円筒形のロッドまたは矩形の柱を含む、任意の形をとってよい。
【００５７】
第３の実施形態では、ラップ分離器７２は、キャリアシステム７４からポケット１０の底部の方へ延び、前段で述べた指状の装置と同じ特性を有する、単一の指状の装置であってよい。
【００５８】
３つの実施形態のいずれにおいても、ラップ分離器７２は中実な形態を有してよい。たとえば、第１の実施形態は窓ふき用のゴムそうきんに類似した外観を有する。あるいは、ラップ分離器７２はブラシであってよい。
【００５９】
指状のキャリアシステム７４は、無端のベルトの範囲に沿って配置された、取外し可能で、したがって、調整可能な個々のラップ分離器７２を有する無端のベルトであることが好ましい。したがって、ラップ分離器７２をベルト上に位置させると、ポケット１０に対するラップ分離器７２の作用のタイミングが決定される。
【００６０】
上記に記載したように、本発明がなされるまでは、第１の部分６の前方のラップ６１を後方のラップ６３から分離し、第２の部分７を挿入するか又は入れ子にすることのできるポケットを前方のラップ６１と後方のラップ６３との間に形成することに困題があった。本発明は、グリッパ５３、５５が前方のラップ６１を把持する必要のある時間帯を拡張する新しいラップ分離システムを追加する。本発明は、同時に、前方のラップおよび後方のラップのサイズのばらつきを補償する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるシート材料搬送装置の概略斜視図である。
【図２】図を明確にするためにある要素を省略した本発明によるポケットの側面図である。
【図３】本発明によるグリッパの細部を示す図２のポケットの拡大側面図である。
【図４】図を明確にするためにある要素を省略した本発明によるポケットの分解斜視図である。
【図５】図４によるポケットの異なる分解斜視図である。
【図６】本発明によるラップ分離システムの順次段階を示す概略断面図である。
【符号の説明】
１ 設定領域
２ 第１のシート材料送りステーション
３ 第２のシート材料送りステーション
４ 解放ステーション
５ リセットステーション
６ カバー部分
７ 第２の部分
８ 高さ設定機構
９ ロック機構
１０ ポケット
１１ コンベアベルト
１２ 最終製品
１７ 搬送方向
２５ リセット斜面
３５ ロック係合装置
４４ 側壁
５１ 軸
５２ 上部前方の壁
５３、５５ グリッパ
５４ 上部後方の壁
５６ 開口部
５７ シャフト
５９ 吸込み装置
６１ 前方のラップ
６３ 後方のラップ
７０ ラップ分離システム
７２ ラップ分離器
７４ ラップ分離器キャリアシステム
９０ フィンガ
９６ ピボット
１００ シート材料搬送装置
１０１ 無端のトラック
１５６ リセットカム従動子
Claims (28)
- ピボット運動可能に互いに連結され、シートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有し、搬送方向に所与の速度で走行するポケット内で前記シートを開くラップ分離器システムであって、
可動の分離器キャリアと、
前記分離器キャリアに連結された少なくとも１つの分離器とを有し、
前記分離器キャリアは、前記少なくとも１つの分離器を前記搬送方向に前記ポケットに沿って前記所与の速度よりも速い速度で搬送するようになっており、
前記少なくとも１つの分離器は前記後方の壁、前記ポケット内の前記シート、そして前記前方の壁に順次接触し、前記後方の壁、前記ポケット内の前記シートの少なくとも一部、そして前記前方の壁を順次解放するようになっているラップ分離器システム。 - 前記分離器キャリアはトラックである、請求項１記載のシステム。
- 前記トラックは無端のトラックである、請求項２記載のシステム。
- 前記少なくとも１つの分離器は複数の分離器である、請求項１記載のシステム。
- 前記少なくとも１つの分離器は、前記後方の壁、前記ポケット内の前記シートの少なくとも一部、前記ポケット内の前記シートの少なくとも他の部分、そして前記前方の壁を順次解放するようになっている、請求項１に記載のラップ分離器システム。
- 前記トラックは、前記分離器を前記ポケットに対して変位させる高さ変更部を有している、請求項２に記載のシステム。
- 前記高さ変更部は、
前記分離器を前記ポケットから離れる方向へ変位させるインクラインと、
前記分離器をポケットの方へ変位させるデクラインの少なくとも一方を含む、請求項６に記載のシステム。 - 前記少なくとも１つのラップ分離器は可とう性の材料で作られている、請求項１に記載のシステム。
- 前記少なくとも１つのラップ分離器はブラシである、請求項１に記載のシステム。
- 前記少なくとも１つのラップ分離器は、前記ポケットの方へ延びる指状の伸長部である、請求項１に記載のシステム。
- 前記伸長部は、各々が前記ポケットの方へ延びる一列の指状の伸長部である、請求項１０に記載のシステム。
- 前記伸長部は、円筒状のロッドと矩形の柱の一方である、請求項１０に記載のシステム。
- ピボット運動可能に互いに連結され、少なくとも１枚のシートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有し、搬送方向に所与の速度で走行するようになっている少なくとも１つの可動のポケットと、
前記ポケット内の前記少なくとも１枚のシートを開くラップ分離器システムであって、
可動の分離器キャリアと、前記分離器に連結された少なくとも１つの分離器を有し、
前記分離器キャリアは、前記少なくとも１つの分離器を前記搬送方向に前記少なくとも１つのポケットに沿って前記所与の速度よりも速い速度で搬送するようになっており、
前記少なくとも１つの分離器は前記後方の壁、前記ポケット内の前記少なくとも１枚のシート、そして前記前方の壁に順次接触し、前記後方の壁、前記ポケット内の前記少なくとも１枚のシートの少なくとも一部、そして前記前方の壁を順次解放するようになっているラップ分離器システムとを有するシート開きシステム。 - 前記分離器キャリヤは、トラックと無端のトラックの一方である、請求項１３記載のシステム。
- 前記少なくとも１つの分離器は複数の分離器である、請求項１３記載のシステム。
- 前記少なくとも１つの分離器は、前記後方の壁、前記ポケット内の前記少なくとも１枚のシートの少なくとも一部、前記ポケット内の前記少なくとも１枚のシートの少なくとも他の部分、そして前記前方の壁を順次解放するようになっている、請求項１３に記載のシステム。
- 前記トラックは、前記分離器を前記ポケットに対して変位させる高さ変更部を有している、請求項１４に記載のシステム。
- 前記高さ変更部は、
前記分離器を前記ポケットから離れる方向へ変位させるインクラインと、
前記分離器を前記ポケットの方へ変位させるデクラインの少なくとも一方を含む、請求項１７に記載のシステム。 - 搬送方向に所与の速度で走行するようになっているコンベアと、
前記コンベアに設置され、少なくとも１枚のシートを前記コンベアの方へ送る少なくとも１つのシート送り装置と、
各ポケットが、ピボット運動可能に互いに連結され、前記少なくとも１枚のシートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有する複数のポケットであって、各ポケットが、
前記コンベアに連結され、
前記少なくとも１つのシート送り装置から前記少なくとも１枚のシートを受け入れるようになっており、
前記少なくとも１枚のシートを前記コンベアの少なくとも一部に沿って前記搬送方向に搬送するようになっている複数のポケットと、
前記少なくとも１つのポケット内の前記少なくとも１枚のシートを開くラップ分離器システムであって、
可動の分離器キャリアと、
前記分離器キャリアに連結された少なくとも１つの分離器を有し、
前記分離器キャリアは前記少なくとも１つの分離器を前記搬送方向に前記少なくとも１つのポケットに沿って前記所与の速度よりも速い速度で搬送するようになっており、
前記少なくとも１つの分離器は前記後方の壁、前記ポケット内の前記少なくとも１枚のシート、そして前記前方の壁に順次接触し、前記後方の壁、前記ポケット内の前記少なくとも１枚のシートの少なくとも一部、そして前記前方の壁を順次解放するようになっているラップ分離器システムとを有するシート丁合い機。 - 前記分離器キャリアは、前記複数のポケットに対して垂直方向に調整可能である、請求項１９に記載のシート丁合い機。
- 前記少なくとも１つの分離器は、前記ポケットに対して垂直方向に調整可能である、請求項１９に記載のシート丁合い機。
- 前記コンベアは無端のトラックであり、
前記分離器キャリアは無端のトラックである、請求項１９に記載のシート丁合い機。 - シート丁合い装置の少なくとも１つのシート受入れポケット内のシートを開く方法であって、
ピボット運動可能に互いに連結され、シートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有する前記少なくとも１つのシート受入れポケットを、搬送経路に沿って搬送方向に所与の速度で搬送することと、
前記シートを前記少なくとも１つのシート受入れポケットに入れることと、
分離器キャリア上の少なくとも１つの分離器を第２の搬送経路に沿って前記搬送方向に前記所与の速度よりも速い速度で搬送することと、
前記後方の壁、前記ポケット内の前記シート、そして前記前方の壁を前記少なくとも１つの分離器に順次接触させ、次に、前記後方の壁、前記ポケット内の前記シートの少なくとも一部、そして前記前方の壁から前記少なくとも１つの分離器を順次解放することを有する方法。 - 前記少なくとも１つのポケットは複数のポケットであり、
前記少なくとも１つの分離器は複数の分離器である、請求項２３に記載の方法。 - 前記第２の搬送経路は前記搬送経路に隣接している、請求項２４に記載の方法。
- 前記第２の搬送経路は前記搬送経路にしたがっている、請求項２３に記載の方法。
- 前記後方の壁、前記ポケット内の前記シート、そして前記前方の壁を前記少なくとも１つの分離器に順次接触させ、次に、前記後方の壁、前記ポケット内の前記シートの少なくとも一部、前記ポケット内の前記シートの少なくとも他の部分、そして前記前方の壁から前記少なくとも１つの分離器を順次解放するステップをさらに含む、請求項２３に記載の方法。
- シート受入れポケット内のシートを開く方法であって、
各ポケットが、ピボット運動可能に互いに連結され、少なくとも１枚のシートを受け入れる開口部を一緒になって形成する前方の壁および後方の壁を有する、搬送経路内で搬送される複数のシート受入れポケットを設けることと、
少なくとも１つの分離器を変位させて、前記後方の壁、前記ポケット内の前記シート、そして前記前方の壁を少なくとも１つの分離器に順次接触させ、次に、前記後方の壁、前記ポケット内の前記シートの少なくとも一部、そして前記前方の壁から前記少なくとも１つの分離器を順次解放することとを有する、シート受入れポケット内のシートを開く方法。
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