JP4372681B2 - エレベータシステムを制御する方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、包括的には、エレベータ群制御に関し、詳細には、群エレベータスケジューリングの最適化に関する。
群エレベータスケジューリングは、重要で実用的な意味を持った産業用制御およびオペレーションズリサーチにおいて周知の問題である。これについては、Bao等著の「Elevator dispatchers for down-peak traffic」Technical Report, University of Massachusetts, Department of Electrical and Computer Engineering, Amherst, Massachusetts, 1994を参照されたい。複数のエレベータシャフトを有する建物の階の1つでホール呼びが発生した場合に、エレベータ群制御の目的は、どのエレベータかごを使用して、そのホール呼びに応えるかを決定することである。
いくつかのエレベータシステムでは、ホール呼びが信号で伝達されるとすぐに、コントローラが、そのホール呼びにエレベータかごを割り当て、チャイムを鳴らすことにより、ホール呼びを信号で伝達した乗客に、対応するシャフトを即座に向かわせる。一方、他のシステムでは、チャイムは、割り当てられたエレベータかごがホール呼びの階に到着できる時に鳴らされる。
その相違は、2つの方法でエレベータかごの割り当てに影響する。ホール呼びに早期にサービスの割り当てを行うことは、割り当てが正しくない場合に、コントローラの性能を悪化させる。それは、コントローラが、より長い時間間隔にわたるイベントを考慮に入れなければならないので、割り当て問題をより難しくする。また、決定がなされた後、その決定を変更することもできない。
スケジューリングポリシーは、乗客の期待、目的地、およびエレベータの移動から生じる制約を受ける。それらの制約は、すべての階の乗客の到着率、一定または可変の階の間の走行時間、および一定の乗客の目的地および/または出発地などを含むことができる。
エレベータ制御の1つの目的は、システムの運用コスト、例えば、すべてのタイプのトラフィックにおいて乗客の待ち時間および/または走行時間の観点で測定されるコストを最少にすることであるが、いくつかのトラフィックパターンは、エレベータ群およびそのコントローラに対して特別な要求を提示するので、特別に興味のあるものである。このようなトラフィックパターンは、アップピークトラフィック、ダウンピークトラフィック、およびランチトラフィックである。アップピークトラフィックは、オフィスビルの平日の最初の部分で発生し、ダウンピークトラフィックは、平日の終わりの部分で発生し、ランチトラフィックは、最初は下降方向で、少し後に上昇方向になる。
アップピークトラフィックは、非常に多くの乗客がロビーに到着し、エレベータかごに乗り込んで、上階でエレベータかごから降りる一方で、同時に、ロビー以外の階の間を移動する乗客は少ないことによって特徴付けられる。このようなトラフィックパターンでは、乗客の目的地の階が不定である一方、エレベータかごの呼びの階は、ロビーが最も多い。
逆の状況が、ダウンピークトラフィックである。ダウンピークトラフィックでは、ほとんどの乗客は、上階の1つでエレベータかごに乗り込み、ロビーでエレベータかごから降りる一方、ロビー以外の目的地に移動する乗客は少ない。これに対応して、ダウンピークトラフィックの場合の不定の程度は、アップピークトラフィックの不定の程度と反対になる。その理由は、ダウンピークトラフィックの場合、目的地の階、すなわちロビーについて不定ということはほとんどないが、呼びの階が非常に不定であるからである。
ランチトラフィックは、ダウンピークトラフィックの要素とアップピークトラフィックの要素とを組み合わせたものとなる。システムは、ダウンピークトラフィックから開始し、その後、アップピークトラフィックにゆっくりとシフトする。呼びおよび目的地の階の双方が不定であることに加えて、乗客の流れの性質が、時間と共にシフトする。
エレベータスケジューリングは、組み合わせ最適化問題として表すことができる。これらの問題の解は、現在状態から所望の状態へ遷移する最適解を特定することによって特徴付けられる。ここで、所望の状態は、起こり得るすべての未来状態から選択される。原則として、組み合わせ最適化問題は、選択肢の起こり得るすべての組み合わせを評価して、最も有利な結果を与える組み合わせのみを選択することにより解くことができる。
しかしながら、単純な問題と異なり、可能な選択肢の数は、指数関数的に増加し、急速に大きくなるので、たとえデジタルコンピュータが使用されても、シングルプロセッサ上で単一の問題を解くのに、数時間、数日、時には、数カ月または数年も要することがある。これについては、以下を参照されたい。現在まで、従来技術のエレベータスケジューリングシステムおよび方法は、可能なすべての解を評価して、最もよい解を見い出すことを考察してこなかった。通常、解の部分集合のみが検討されるか、または、問題を実時間で解けるようにする何らかの方法で、エレベータの運転が厳しく制限される。
例えば、純粋なアップピークトラフィックを制限した場合であって、すべての乗客が一定の率でロビーに到着し、それ以外の階の呼びが認められないという制約に対する部分解が得られていた。これについては、例えば、Pepyne等著の「Optimal dispatching control for elevator systems during up peak traffic」IEEE transactions on control systems technology, 5(6):629-643, 1997を参照されたい。問題を処理しやすくするために、エレベータのサービス時間は、一定の指数分布から作られるものと仮定される。
多くの従来技術のコントローラは、集合的制御(collective control)の原理を使用したものである。これについては、Strakosch等著の「Vertical transportation: elevators and escalators」John Wiley & Sons, Inc., New York, NY, 1983を参照されたい。集合的制御では、エレベータかごは、その走行中の方向において最も近い呼びで必ず停止するように制約を受ける。その戦略は、システムの全体の状態を無視し、その結果、通常、バンチング(bunching)を引き起こす。バンチングは、数台のエレベータかごが、ほぼ同じ時間に同じ階に到着し、1台を除くすべてのエレベータかごが時間を浪費する現象である。これについては、Hikihara等著の「Emergent synchronization in multi-elevator system and dispatching control」IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences, E80-A(9):1548-1553, 1997を参照されたい。彼らは、ダウンピークトラフィックに発生したバンチングの結果は、複数のエレベータかご間の同期が原因であると結論付けた。
別の従来技術のアプローチは、ゾーンニング、すなわちセクタ化によって運転を制約する。そのアプローチでは、建物は、ゾーンに分割され、各エレベータかごは、単一のゾーンに割り当てられる。そのアプローチは、バンチングを回避するが、そのアプローチもまた、システムの全体の状態を無視する。
他の制御技法および発見的方法も使用することができる。Mitsubishi Electricのエレベータ群制御システム「AI−2100N」は、ファジィルールを有するエキスパートシステムに基づいている。そのシステムは、呼びの良い割り当てを指示するのに人間の熟練した判断に頼る。そのシステムは、それ自体自力で、スケジューリング問題に対する解を求めることはできない。むしろ、そのシステムは、問題を特定して、その問題に対して、事前にプログラミングされた人間の導出解を使用する。これについては、Ujihara等著の「The revolutionary AI-2000 elevator group-control system and the new intelligent option series」Mitsubishi Electric Advance, 45:5-8, 1988およびUjihara等著の「The latest elevator group-control system」Mitsubishi Electric Advance, 67:10-12, 1994を参照されたい。
Otisのエレベータ相対システム応答(RSR(Relative System Response))方法およびその変形は、新しい呼びが発生すると、各エレベータかごについて、すでに割り当てられている呼びにサービスを提供するのに要する時間を予測して、残っているサービス時間が最も少ないエレベータかごをその新しい呼びに割り当てる。RSR方法は、欲張りな方法の例である。それらの方法は、予め定められた呼びの割り当てを有するように制約を受けるか、あるいは、割り当ての再考を決して行わない。
より高機能な方法の群は、状態の各変更後にエレベータかごの割り当てを再計算する欲張りでない戦略を使用する。説明するように、このような方法は、再割り当てが認められない所定のエレベータ群には適用できない。このような方法の例は、有限相互訪問最小化(FIM(Finite Intervisit Minimization))およびシステムアルゴリズムの空化(ESA(Empty the System Algorithm))である。これらについては、Bao等を参照されたい。それらは、より単純な方法よりも34%の差だけ優れた性能を有することが実証されているが、FIMおよびESAは、すべての乗客の目的地がロビーとなるように制約を受けると仮定することから、ダウンピークトラフィックに限定される。その方法は、もちろんロビーが唯一の所望の目的地でない実世界のエレベータシステムでは最適なものではない。
さらに、このような方法は、呼びの処理中に、新たな乗客が到着しないとの仮定に制約され、その簡略化を与えることによって、既存の呼びにサービスを提供する最良の戦略を見い出す。したがって、エレベータシステムの確率的要素を考慮しないことにより、システムに起こり得るかなりの数の未来状態が全く無視される。エレベータ群の挙動の確率的要素を考慮できる方法は、それらの方法よりも優れた性能を有する可能性がある。
このような1つの方法は、ニューラルネットワークおよびQ学習を使用して、確率的な最適制御の非同期方法を提供する。これについては、Crites等著の「Improving elevator performance using reinforcement learning」、Touretzky等著のEd., MIT Press「Advances in Neural Information Processing Systems」volume 8, pages 1017-1023, 1996を参照されたい。それらの方法は、1つの特定のダウンピークの特徴に対しては、FIMおよびESAよりも僅かに良い性能を有するが、シミュレーションされたエレベータの運転を収束させるのに、60000時間(7年以上)を要する。明らかに、これは、実時間のエレベータ制御には実用的ではない。その収束が遅いことに対する1つの可能性のある理由は、Q学習による訓練サンプルの一般的に非効率な使用である。Q学習は、現在のスケジューリングポリシーを制御するパラメータの小さな調整を行うとすぐに、訓練サンプルを廃棄する。
したがって、必要とされるものは、すべてのタイプの乗客の流れの状況において、起こり得るすべての選択肢を求めて、乗客の待ち時間を最小にする、ホール呼びに応えるエレベータかごを選択するエレベータ制御の方法である。
本発明は、複数のエレベータかごおよび複数の階を含むエレベータシステムを制御する方法を提供する。階の1つで待機中の新しい乗客は、ホール呼びを行う。このホール呼びは、受信されて、この新しい待機中の乗客を含む各待機中の乗客にサービスを提供する予想コストが推定される。待機中の乗客のすべてにサービスを提供する総コストを最小にするエレベータかごが選択されて、そのホール呼びに応答する。
より詳細には、ホール呼びの受信に応答して、本方法は、各エレベータかごについて、エレベータシステムの起こり得るすべての未来状態を求める。これらの状態は、離散変数および連続変数によって決まる。連続変数は、離散化される。離散変数および離散化された変数の双方が、システムの複数の起こり得るすべての未来状態に対応するトレリス構造に適用される。トレリス構造を通るパスが、システムの各エレベータかごの状態間を遷移する遷移確率に従って評価される。トレリスを通る推定されたパスに従った最小のコストを有するエレベータかごが、選択され、ホール呼びにサービスを行う。本方法は、あらゆるタイプのトラフィックに適用可能である。特に、本方法は、乗客の目的地が不定な場合を効率的に処理することから、アップピークトラフィックによく適している。
システムの概観
図1は、本発明によるエレベータシステムの制御方法および制御システム100を示している。このシステムは、複数の階を有する建物のエレベータかごを制御する。エレベータシステムの現在状態111は、パラメータ101〜103を使用して定義される(110)。現在状態を知ることにより、未来状態を求めることができる。ホール呼び121を受信すると、システムは、既存の制約122を考慮して、各エレベータかごについて、起こり得るすべての未来状態123を求め、ホール呼び121にサービスを提供する。各エレベータかごについて、コスト関数131が評価されて(130)、起こり得るすべての未来状態のコスト132が求められ、ホール呼び121にエレベータかごが割り当てられる。最少のコストを有するエレベータかごが選択され(140)、続いて、そのエレベータかごが、ホール呼び121にサービスを提供するように割り当てられる(141)。
乗客のタイプ
本発明によるシステムでは、3つのタイプの乗客、すなわち、新しい乗客、待機中の乗客、および乗車中の乗客の3つのタイプの乗客が定義される。
新しい乗客は、「上り」または「下り」のいずれかのホール呼びを信号で伝達したが、エレベータかごがまだ割り当てられていない乗客である。したがって、この発明の目的では、新しい乗客は、割り当てられていないホール呼びと同義である。ホール呼びは、信号で伝達された順に、すなわち1つずつ、自身に割り当てられたエレベータかごを有する。
待機中の乗客は、自身のホール呼びに対してエレベータかごが割り当てられているが、自身の目的地の階をまだ示していない乗客である。したがって、この発明の目的では、待機中の乗客は、割り当てられたエレベータかごと同義である。待機中の乗客へのサービスの提供は、エレベータかごの移動方向に依存する。サービスの提供は、ホール呼びの階でエレベータかごを停止させて、待機中の乗客が、割り当てられたエレベータかごに乗り込んで、乗車中の乗客になることを意味する。
乗車中の乗客は、割り当てられたエレベータかご内に存在し、乗り込んだ時に自身の目的地の階を示した乗客である。したがって、この発明の目的では、乗車中の乗客は、サービスを提供されたホール呼びと同義である。
呼びのタイプ
本発明によるシステムでは、2つのタイプの呼び、すなわち、ホール呼びおよびエレベータかご呼びの2つが定義される。
ホール呼びは、新しい乗客によって信号で伝達される。ホール呼びは、所望の移動方向のみを示す。
エレベータかご呼びは、待機中の乗客がエレベータかごに乗り込んで、所望の階を選択した時に信号で伝達される。所望の階を選択した時点で、待機中の乗客は、乗車中の乗客になる。
離散変数および連続変数
いかなる時点でも、エレベータシステムの状態は、離散変数および連続変数によって定義される。(ホール呼びにエレベータかごが割り当てられた)待機中の乗客101は、離散変数の中に含まれる。待機中の乗客は、ヌル集合、すなわち待機中の乗客が存在しないもの、とすることができる。待機中の乗客には、さまざまなエレベータかごがすでに割り当てられている。システムの状態を定義する別の離散変数としては、エレベータかごの移動方向102、すなわち「上り」または「下り」がある。
連続変数として、エレベータかごの現在位置およびエレベータかごの速度などがあり、これらは、離散変数の範囲103に変換されて、定義付け110を行いやすくする。ホール呼び121が、階の1つで受信されると、待機中の乗客101の集合およびそのホール呼び121にサービスを提供するコスト132が、乗車中の乗客などの既存の制約122を考慮して、各エレベータかごについて求められる。乗車中の乗客は、割り当てられたエレベータかごにすでに乗り込んで、自身の所望の目的地の階を示した乗客である。すなわち、そのエレベータかごが今後、停止する目的地の階は、既知である。乗車中の乗客の集合も、ヌル集合とすることができる。新しい乗客と待機中の乗客の集合とにサービスを提供する最少のコストと関連付けられたエレベータかごが、次に選択され(140)、ホール呼びにサービスを提供するために割り当てられる(141)。
例えば、特定の方向のホール呼びが、特定の階の新しい乗客によって信号で伝達されると、システムは、そのホール呼びを受信する。待機中の乗客の集合の各乗客には、エレベータかごがすでに割り当てられており、本発明者らの発明によると、それらの割り当ては、決して再考されない。各エレベータかごについて、コスト、例えば待機中の乗客のすべておよび新しい乗客の総残余待ち時間またはエネルギーコストが推定される。そして、最少のコストを有するエレベータかごが、その新しい呼びに割り当てられる。
最適化判断基準
エレベータ群が、全部でN個のエレベータかごを有する場合、割り当てられたエレベータかごiによって待機中の乗客にサービスを提供するコストは、i=1,…,NのiについてC によって表記される。すなわち、このコストは、新しい乗客にエレベータかごを割り当てるコストを含まない。本発明の方法によると、待機中の乗客へのエレベータかごの割り当て(割り当てを受けたホール呼び)は、再考されない。
ホール呼びが信号で伝達された場合、割り当てられたエレベータかごiによる待機中の乗客へのサービスの提供および新しい乗客へのサービスの提供の総コストが、i=1,…,NのiについてC によって表記される。(s)本発明者らは、次に、いずれかのエレベータかごiを新しい乗客に割り当てることに関連付けられたコストCを、以下に示すように求めることができる。
Figure 0004372681
新しい乗客(ホール呼び)への割り当て用に選択された特定のエレベータかごcは、総残余コストc=argminを最小にするエレベータかごである。待機中の乗客の集合は、特定の判定ステップまたは状態遷移の時点で一定であるので、このような割り当ては、平均予想コストも最小にする。平均予想コストは、検討中のエレベータかごについて、その集合内の乗客数によって除算された全乗客の総残余コストとして求められる。
Figure 0004372681
である場合には、それぞれの可能な割り当ての予想コストは、i=1からNのiについて、C=C −C +Cとして表すことができ、Cは、各iについて同じであるので、ΔC=C −C を最小にする割り当ても、Cを最小にする割り当てである。換言すると、このエレベータかごの割り当ては、予想される平均予想コストを最小にし、最低限のコスト増加が最小になる割り当てである。その結果、最適な割り当ては、各エレベータかごについて、C およびC を求めて、それらのそれぞれのコスト差が最小になる、すなわち最少になるエレベータかごを選択することにより見い出すことができる。
特定のエレベータかごiについてC を求めることとC を求めることは、実質的に同じ問題である。2つの場合の唯一の相違は、C を求める場合に、エレベータかごiが、新しい乗客にすでに割り当てられているとみなされるのに対して、C を求める場合には、新しい乗客が無視されることである。
したがって、C およびC の双方を求めることは、同じ手順で行うことができる。この手順は、入力として現在位置、現在の方向、現在の速度、エレベータかごi内の現在の乗客、押下されたエレベータかごのボタンの階および方向、ならびにそのエレベータかごによってサービスを受ける各階の待機中の乗客の階、方向、および数である。表記を簡単にするために、以下では、本発明者らは、この手順によって返される結果を予想コストCとして表記する。この予想コストCは、示すように、現在検討中のエレベータかごiについて、C またはC のいずれかを意味することができる。
定義により、Cは、待機中の乗客の集合について予想される総予想コストであり、要求された階に停止することを命じる、現在、信号で伝達されたエレベータかごの呼びだけでなく、エレベータかごの現在位置、現在の方向、および現在の速度によって課される制約も受ける。コストの予想は、そのエレベータかごによってこれからサービスを受ける乗客の目的地が不定であることに関して行われる。要求された移動方向だけが既知であるので、新しい乗客の目的地は、その方向の残りの階のいずれかであることになる。
ダイナミックプログラミング
ダイナミックプログラミングは、システムパスのセグメント上のコスト推定を複数のパスに再利用できる確率制御に共通に使用される。これについては、Bertsekas著の「Dynamic Programming and Optimal Control」Volumes 1 and 2, Athena Scientific, Belmont, Massachusetts, 2000を参照されたい。ダイナミックプログラミングによって問題を解くことに成功すると、システムパスが、一点に収束し、その後、再び発散する分岐点が特定される。本発明者らは、このような2つの点の間のセグメント上のコストを一度だけ求めて、その後、そのコストを再利用して、そのセグメントを含むすべてのパスに沿ったコストを求める。このように、起こり得るすべての未来状態を考慮する最適化問題は、指数関数的に増加せず、最適な解を実時間で見い出すことができる。
図2に示すように、このような分岐点は、エレベータかごの位相空間図200上で特定することができる。任意の移動する機械システムと類似して、エレベータシャフト内を走行するエレベータかごは、位相空間図によってモデル化することができる。この位相空間図は、シャフトに沿ったエレベータかごの位置をxおよびその速度をドットxとして、可能な座標(x,ドットx)を表す。エレベータかごが摩擦なく一定の加速度で移動していると、その軌跡は、放物線の一部であるセグメントを含む。これらの軌跡は、図2において円で表記する少数の点でのみ分岐する。これらの点は、エレベータかごが、その移動方向の階の1つでまだ停止することができる最後の可能な場所に常に対応している。エレベータかごの特定のパスは、有限個のセグメントを含み、セグメントの端点は、分岐点または停止点である。その結果、このような各セグメント上の予想コストを求めることができると、そのコストを再利用して、そのセグメントを含むあらゆるパスに沿ったコストを求めることができる。
個々のすべてのセグメント上のコストを再利用することは、連続した時空間で運転するエレベータ移動のオリジナルのシステムに離散マルコフ連鎖を組み込むことにより達成することができる。
マルコフ連鎖の離散状態および離散化された状態
形式的には、マルコフ連鎖は、i=1,…,Nとすると、有限個の状態Sと、状態Sおよび状態Sからなる各対の間の遷移の直接コストCijと、状態Sと状態Sとの間の遷移の確率のマトリックスPijと、分布π(S)とを含む。分布π(S)は、システムが任意の状態Sに存在する確率を指定する。
連鎖がマルコフ型になるために、連鎖は、周知のマルコフ特性に従う。周知のマルコフ特性は、次に起こり得る未来状態Sに遷移する確率Pijが、現在状態Sにのみ依存し、システムが現在状態Sに入る前のシステムの軌跡に依存しないことをいう。本発明者らが、位相空間図の分岐的にのみ対応する、システムの起こり得るすべての未来状態を求めると、その結果の連鎖は、マルコフ型ではない。その理由は、分岐の確率が、乗車中の乗客の数に依存し、その数は、どれだけ多くの乗車中の乗客が、エレベータかごの前の停止で自身の目的地にすでに搬送されたかに依存するからである。
その結果、待機中の乗客の数は、マルコフ特性に従うことができるように、マルコフ連鎖の現在状態に含まれなければならない。この数は、エレベータかごのボタンを押下することにより自身の目的地を信号で伝達した乗車中の乗客を含まない。しかしながら、乗車中の乗客も、エレベータかごの動作に影響を与える。乗車中の乗客は、エレベータかごの義務的な停止という形でエレベータかごの動作に制約を課す。これらの制約122は、決定論的であり、分岐の確率に影響を与えない。分岐の確率は、これからエレベータかごに乗り込んで階を選択する待機中の乗客の集合の目的地が不定であることのみに依存する。
マルコフ連鎖の状態Sは、4つのタプル(f,d,v、n)によって表される。ここで、fは、エレベータかごの位置、dは、エレベータかごの方向、vは、エレベータかごの速度、nは、乗車中の乗客の数である。上述したように、変数dおよびnは、離散的であり、予め定められた範囲を有する。例えば、dは、2つの値「上り」および「下り」のみを取ることができる。乗客の数nは、0から、エレベータかごに割り当てられた、いずれかの方向に移動する乗客の最大数までの範囲を有する。例えば、乗車中のすべての乗客が、現在の移動方向の最後の階でエレベータかごを降りることを決定した場合に、最大数に達する。その時点で、起こり得るすべての未来状態は、探索済みとなる。
一方、変数fおよびvは、実質的に連続的である。問題を扱いやすくするために、これらの変数は離散化される。図2の位相空間図200をよく調べることによって、速度vの離散化方式が示唆される。特定の階で停止した後の加速中に、エレベータかごは、速度がゼロである場合の静止状態を含む、少数の速度においてのみ、その軌跡に沿った分岐点に到達することが分かる。この理由は、どのエレベータかごにも最大速度に限界があるからである。
階と階の間の距離、エレベータかごの最大速度および加速度に依存して、分岐点における異なった速度の個数を少なくすることができる。例えば、階と階の間の距離が長い場合には、それぞれ、最大速度を低くして、加速度を大きくすることが行われる。その逆もまた真であり、階と階の間の距離が短い場合には、最大速度を高くし、加速度を小さくすることが行われる。特定のエレベータ群では、この異なる速度の個数は、一定にされ、容易に見い出すことができる。以下では、本発明者らは、この個数が既知であると仮定し、Nによって表記するものとする。したがって、変数vは、停止状態の0から最大速度のN−1に及ぶN個の異なる値のみを取る。同じ値のvは、エレベータかごが停止した前回の階に依存して、異なる物理速度に対応することもある点に留意されたい。この変数の別の解釈は、エレベータかごがその前回の停止から遭遇した分岐点の個数である。
位置変数fを離散化するいくつかの方法がある。好ましい離散化方式は、エレベータかごが、ある階の分岐点で減速を開始する場合に、fの値として、エレベータかごが停止する予定のその階を選択するものである。このような離散化方式の利点は、本発明者らが、ダイナミックプログラミングでトレリスと呼ばれる規則的な構造にマルコフ連鎖の状態を編成するときに明らかとなる。このトレリスは、後述するデータ構造として、メモリに構成することができる。
組み込まれたマルコフ連鎖のトレリス構造およびパラメータ
図3は、1台の移動するエレベータかごの非常に単純な問題に対するマルコフ連鎖のダイナミックプログラミングトレリス300を示している。このエレベータかごは、下り方向(D)に移動し、減速した場合には、まさに分岐点に到達して階13に停止しようとする。このエレベータかごは、階7で待機中の乗客を乗せるようにすでにスケジューリングされており、コントローラは、このエレベータかごが、階11において信号で伝達された「下り」の新しいホール呼びにも対応すべきかどうかを検討している。
問題の複雑度を説明すると、1台のみのエレベータかごが、多くとも2人の乗車中の乗客を有し、6つの階の範囲のみにわたって昇降する場合に、組み込まれたマルコフ連鎖は、すでに84個の起こり得る状態を有する。ピーク時において、数ダースものエレベータと、多数の階と、満員のエレベータかごと、多くの新しい乗客および待機中の乗客とを有して運転する実際のシステムでは、起こり得る未来状態の個数は、極めて大きくなることは明らかである。事実、起こり得る未来状態の個数は、非常に大きいので、従来技術のシステムは、可能なすべての解を実時間で検討することはできない。
状態は、7行12列のトレリスマトリックスに配置される。状態の配置は、エレベータかごが、対応する分岐点で減速を開始した場合に、同じ階で停止するすべての状態が、同じ行に配置されるように行われる。これは、エレベータかごが特定の方向に移動している場合に到達する分岐点に適応されることに留意されたい。エレベータかごが、反対方向に移動している場合には、分岐点は、通常、位相空間図の異なる位置を有する。
トレリスの対応する行は、エレベータかごが分岐点に到達した時のエレベータかごの移動方向だけでなく、エレベータかごが停止し得るすべての階によってもラベル付けされる。各方向について別々の行が存在するので、トレリスは、多くて2N個の行を有する。
さらに、トレリスの各行の状態は、N個、例えば4個の群に編成される。これらの群は、分岐点のN個の可能な速度値に対応し、速度値は、左端の列が速度ゼロに対応し、右端の列が、エレベータかごの最大速度に対応するように並べられる。ある1つの群において、状態は、例えば0から2の範囲の乗車中の乗客数に対応する。
この状態の編成は、ダイナミックプログラミング問題のトレリスを構成する。エレベータかごは、トレリスの状態のすべてに訪れることができるとは限らない。その理由は、エレベータかごの移動が、現在のホール呼び、ならびに待機中の乗客および乗車中の乗客によって制約を受けるからである。つまり、これらは、起こり得ない未来状態である。したがって、本発明者らは、起こり得る未来状態のみを考慮する。
分岐点を表すために使用される4つのタプルのうちの階の値の要素fが、エレベータかごが停止予定の階の分岐点で減速を開始したときに停止する当該予定の階の値である場合に、トレリスの最初の行は、エレベータかごが到達する最初の分岐点を常に含む。同様に、トレリスの最後の行は、最後の待機中の乗客が乗車する階に対応する。考慮しなければならない最後の瞬間は、常に、最後の待機中の乗客を乗車させる瞬間であるので、この行の配置は、ダイナミックプログラミング方法が考慮しなければならない解空間にまたがる。その瞬間後、現在のエレベータかごに割り当てられた乗客の残余コストはゼロになる。
セグメント上で要する総コストCijは、待機中の乗客数とセグメントの所要時間との積として簡単に表すことができる。
遷移確率
組み込まれたマルコフ連鎖の最後に残っている要素は、状態からなる各対の間で遷移する遷移確率Pijである。この遷移は、現在状態Sから、起こり得る多くの未来状態Sの1つへの遷移である。多数のこれらの遷移は、決定論的であり、常に確率1で生起する。このような遷移は、新しい乗客および待機中の乗客にサービスを提供することに起因して起呼び。例えば、階13から階11へのエレベータかごの初期の軌跡は、決定論的である。無人のエレベータかごは、階11で停止するための分岐点に到達するまで加速し、最初の待機中の乗客を階11で乗車させるために、その階で停止する。その後、エレベータかごは、階10に停止するための分岐点に到達するまで再び加速する。それ以後、エレベータかごは、乗車中の乗客の未知の目的地に応じて、多くの異なるパス(状態)を取り得る。
階10の分岐点では、乗車中の乗客は、次の10個の階の1つで降車する可能性があるので、降車する階がまさしく階10である確率は、0.1である。図3に反映されるように、確率0.9で、乗車中の乗客は、階10では降車せず、エレベータかごは、階9の分岐点まで加速し続け、1人の乗車中の乗客がまだ乗車している。
一般的な場合として、エレベータかごがn人の乗車中の乗客と共に向かうk個の階を有し、乗車中の乗客が等確率(1/k)でk個の階のいずれかで降車すると、本発明者らが仮定すると、本発明者らは、以下の二項確率関数の公式を使用することにより、x人の乗車中の乗客が、次の階で降車したいと望む確率を見い出すことができる。
Figure 0004372681
したがって、n−x人の乗車中の乗客が、確率Pr(x,n,k)でエレベータかご内に残る。残っている乗車中の乗客数n−xは、マルコフ連鎖が、確率Pr(x,n,k)で群内のどの状態に入るかを指定する。しかしながら、本発明者らは、この状態がどの群に存在するのか、すなわち速度設定を見い出さなければならない。この速度設定は、エレベータかごを降りた乗車中の乗客数xだけでなく、存在するエレベータかごおよび存在するホール呼びをも調べることにより求めることができる。
x>0、すなわち、エレベータかごの呼びまたはホール呼びによって、次の階で強制的な停止が行われる場合には、次の状態の速度vは、ゼロである。x=0、すなわち、乗車中の乗客が次の階でエレベータかごを降りず、かつ、エレベータかごの呼びもホール呼びもない場合にのみ、エレベータかごは、加速するか、または、最大速度を維持する。
トレリスのサイズの決定
マルコフ連鎖を構築する第1のステップは、その連鎖をサポートするトレリスのサイズを求めることである。説明したように、トレリスの最初の行は、エレベータかごが、その現在の移動方向において停止できる最初の階を常に含む。トレリスの最後の行は、それ以外の待機中の乗客がその階より上に存在しないと仮定して、最後の待機中の乗客が乗車する、その現在の移動方向における最後の階を常に含む。
トレリスの行の順序は、エレベータかごが、その現在の移動方向を続けている場合には、エレベータかごの方向に従う。場合によっては、エレベータかごは、その走行中にその移動方向を2度反転することがある。しかしながら、多くの場合、トレリスは、エレベータかごがその走行を完了する前に、長く切り詰めることができる。最後の待機中の乗客が、エレベータかごがちょうど通過した階で待っている場合にのみ、行数が最大の2Nに達する。
多くの場合、例えば、図3に示すエレベータかごのように、エレベータかごは、すべての待機中の乗客を乗せるために、その方向を1度も反転する必要はない。トレリスの行数Hは、階で計測されるコントローラの有効範囲と等しい。
トレリスの最大幅、すなわち列数Mは、いずれかの方向で待機中の乗客の総数を調べることによって求められる。上りおよび下りのホール呼びに起因する乗客の総数の大きい方の数をNとすると、同じ時刻には、乗車中の乗客はN人以下しか存在することができないので、群の状態の最大数はN+1となる。上述したように、本発明者らは、Nがエレベータかごの物理的な収容能力によって限界を規定されないと仮定する。
乗車中の乗客の最大数Nが求められた後、トレリスの幅は、M=N(N+1)によって求めることができる。
現在状態の決定
マルコフ連鎖を構築する次のステップは、連鎖(システム)の現在状態110を定めることである。現在状態は、常に正確に知られている。連鎖の現在状態に不確かさは存在しない。本発明による方法が、低レベルのコントローラで実施され、このコントローラが、各エレベータかごの速度および位置を調整する場合には、このコントローラは、エレベータかごの現在位置および現在速度を常に計測することができる。したがって、位相空間図におけるエレベータかごの正確な場所、および、エレベータかごが遭遇する次の分岐点を定めることができる。
この方法が、離散イベントシミュレータで実施されると、そのシミュレータは、通常、任意の瞬間におけるエレベータかごの位置および速度を提供することができない。したがって、現在状態を定めるこの方式は適用できない。それにもかかわらず、エレベータかごの次の分岐点は、通常、シミュレータの優先キューに入れられる重要な離散イベントである。そうである場合、保留中のイベントを調べることにより、現在のエレベータかごの次の分岐点における速度が提供される。この速度は、vで表記される。エレベータかごが、現在、加速中であるか、または、全速で走行中である場合にのみ、v>0であることに留意されたい。エレベータかごが、減速中であるか、または、すでに停止している場合には、v=0である。
エレベータかごの今後の方向が知られていない場合、すなわち、エレベータかごが停止しているか、または、無人の場合には、ホール呼びの受信時の移動方向は、エレベータかごの現在の階をこの新しいホール呼びの階と比較することにより定められる。
乗車中の乗客の最初の数pは、最初の分岐点における速度vならびに存在するエレベータかごの呼びおよびホール呼びを考慮することによって定められる。速度がゼロでない場合、新しい乗客は、エレベータかごを最初に停止することなしには、エレベータかごに乗車できないので、p=0である。v=0の場合、すなわち、エレベータかごが停止しているか、または、停止のために減速している場合には、pは、停止地点で待機中の乗客数に設定される。エレベータかごが現在の移動方向の次に停止する階が、ホール呼びを有しない場合には、p=0となる。そうでない場合には、pは、そこで待機中の乗客数に設定される。
したがって、システムの現在状態は、割り当てられたエレベータかごを有する待機中の乗客数、エレベータかごの移動方向、およびエレベータかごの速度によって定められる。
トレリスの構成
マルコフ連鎖の現在状態が見い出された後、現在状態からエレベータかごがアクセス可能な起こり得るすべての状態の集合を増加させることによって、全連鎖を構成することができる。状態のダイナミックプログラミングトレリスへの選択された編成は、この構築を行うのに便利な順序を提供する。
図3の遷移の順序を調べることにより、遷移が、異なる行の間で起呼び場合には、開始状態は、後続の状態の上の行に常に存在することが分かる。遷移が、同じ行内で起呼び場合には、現在状態は、後続の状態の右に常に存在する。これは、図4のライン1〜44に示すようなマルコフ連鎖を構築するプロセスを提案する。
図4において、値S[i,v,p]は、行iのトレリスの状態を示し、vは、速度(群)に対応し、pは、乗車中の乗客数に対応する。値h[i]は、トレリスの行iに対応するその階で待機中の乗客数を示す。g[i]は、現在の方向におけるシャフトの端部まで進む場合に、残っている階を示す。c[i]は、トレリスの行iに対応するその階以降の待機中の乗客の総数を示す。
さらに、P[i,v,p,i’,v’,p’]は、現在状態S[i,v,p]で開始したときの次の状態S[i’、v’、p’]へ遷移する確率を示す。C[i,v,p,i’,v’,p’]は、その遷移の総コストを示す。また、本発明者らは、エレベータかごの移動の動的モデルを使用して、状態S[i,v,p]と状態S[i’、v’、p’]との間の遷移時刻T[i,v,p,i’,v’,p’]を求めることができるとも仮定する。
なお、このプロセスは、T[i,v,p,i’,v’,p’]の変数i,v,p,i’,v’,p’への任意の複雑な依存性に対応できる。この依存性には、多くの乗客がエレベータかご内に存在するときに、エレベータかごの移動が低速になる場合が含まれる。また、状態S[i,v,p]または状態S[i’、v’、p’]の一方がゼロの速度を有し、かつ、乗車する乗客または降車する乗客がいる場合に、T[i,v,p,i’,v’,p’]が、ドアを閉じる時間および開ける時間だけでなく、乗客がエレベータかごを降車する適当な時刻、または、乗車する適当な時間をも含むものと、本発明者らは仮定する。
1つの方法は、エレベータかごによってアクセス可能な状態をマークするフラグ(flag)を利用する。ライン1は、可能なものとして現在の状態のみをマークし、新しい状態が導入されると、それらの後続の状態も、当該方法によって考慮される時に、当該方法によって、可能なものとしてマークされて処理される。ライン21は、エレベータかごが移動中に停止する場合を検出する。これは、乗車中の乗客が降りたい場合、スケジューリングされたエレベータかごの呼びまたはホール呼びが存在する場合、エレベータかごが最後の階に到着した場合、またはエレベータかごに誰も乗っておらず、かつ、エレベータかごがその移動方向を現在の階で反転できる場合に起呼び。最後の場合(canreverse[i]=TRUE)は、現在の移動方向において、ホール呼びもエレベータかごの呼びも、もはや存在せず、かつ、現在の階に到達する前に反対方向のホール呼びが存在しない場合に生じる。
たとえ、エレベータかごが、このような状況で反転できる場合であっても、エレベータかごは、そのエレベータかご内に乗車中の乗客が存在しない場合にのみ反転できることに留意されたい。エレベータかごが反転でき、乗車中の乗客が存在せず、エレベータかごが停止した場合に(ライン7参照)、次の起こり得る状態は、トレリスのすぐ次の行に存在しない。その代わり、次の起こり得る状態は、配列rev[i]から得られる(ライン8参照)。この配列は、トレリスの事前に計算された行であって、行iによって表される階および方向に対して反対方向の同じ階に対応する行を含む。
この方法は、メモリに記憶されるさまざまなデータ構造体によって実施することができる。一実施の形態は、状態のリンクリストからなる配列を使用する。トレリスの1行につき1つのリンクリストが対応する。この配列は、実際にアクセス可能な状態のみを含む。リンクリストの各状態は、到達可能な次の他の状態への遷移からなる別のリンクリストを有する。このような各状態は、その確率およびコストについての情報を記録し、次の状態を指し示す。
別の実施の形態では、M個の状態からなる配列が、トレリスの各行に対して事前に割り当てられる。可能なものとしてマークされない状態は、単に省略される。このデータ構造体の結果、トレリスの行からなるリンクリストを使用するデータ構造体よりも動作は高速になる。
トレリスの構成および評価の時間は、極めて起こり得ない状態を省略することによって大幅に削減可能であることに留意すべきである。実際には、極めて起こり得ない状態は、起こり得ない状態として取り扱われる。これを行う1つの方法は、方程式(1)の確率が、ある閾値未満のあらゆる下車イベントの遷移を単に追加しないでおくことである。例えば、乗車中のすべての乗客が建物の途中の同じ階で下車する遷移は、追加されない。一方、システムの乗客数が増加するにつれて、ほとんどすべての下車イベントは、ゼロに近い確率値を有する。方程式(1)の確率質量の大部分を表すこのような場合のサンプルを評価することは重要である。これは、状態の遷移を降順の確率で追加し、確率が、ある大きな確率、例えば99%を占める場合に停止することによって、非常に効率的に行われる。
図4に関して、ライン20のループは、ライン36のPr(x,p,g[i])が降順になるように再配列され、このループは、Prにわたる総和が、選択された小数部を越えると、早期に終了する。その小数部が、1より十分に小さい場合には、確率P[…]は、総和が1になるよう適正な規模に変更される。
コストの評価
トレリスが構築された後、トレリスは、各エレベータかごについて起こり得る未来情報のすべての予想コストを評価するように使用される。トレリスを構成する手順とは対照的に、評価する手順は、トレリスの最下行から開始して上に向かって進行し、各行の状態を左から右に処理する。
この方法は、エレベータかごがアクセス可能なトレリスの起こり得る未来状態のすべてのコスト、例えば、予想される残りの待ち時間を反復して求める。各状態についてコストが求められた後、各エレベータかごについて、総コストを求めることができる。
予想コストの決定
図5は、予想コスト、例えば「costtogo」を評価する手順を示している。総予想コストを見い出すために、この手順によって返される結果は、エレベータかごが最初の分岐点に到達するコスト分だけ増加されて、待機中の乗客の総数によって乗算される。
部分的に観測可能なシステム状態
本発明者らの方法は、エレベータかごの呼びおよびホール呼びの個数、ならびにホール呼びあたりの待機中の乗客数を含むシステムの状態が完全に観測可能であると仮定する。ホール呼びおよびエレベータかごの呼びの正確な個数を知ることは、常に可能であるが、ホール呼びあたりの待機中の乗客の正確な数は、容易に使用可能ではない。例えば、新しい乗客は、同じ方向への移動を待機しているその階の他の乗客がすでに存在する場合には、別のホール呼びを信号で伝達しないことがある。あるいは、同じ階に同時に到着した新しい乗客の群は、ホール呼びを1つだけ信号で伝達することがある。あるいは、せっかちな乗客は、ホール呼びを何度も信号で伝達することがある。さらに、乗客は、乗車後、任意の階で降りる可能性があり、待機中の乗客は、選択されたエレベータかごに乗車できず、他のエレベータかごに乗車する可能性がある。
この問題に対処する2つのタイプの解決法が存在する。これらの解決法の一方は、技術的装置に頼るものであり、他方は、統計的推定技術に頼るものである。最も簡単な技術的解決法は、たとえボタンが前の乗客によってすでに押下されていても、各乗客に所望の方向のボタンを個別に押下させることである。これは、待機中の乗客数の正確なカウントを提供する。
別の技法は、コンピュータビジョンシステムを使用して所与の階で待機中の人々の正確な数を計測するものである。このコンピュータビジョンシステムは、エレベータ群の前の空間にいる人々を検出してカウントする。このような解決法は、コンピュータビジョンの現在状態の技術の範囲内にある。
統計的解決法は、ある階のホールボタンが最初に押下された後、その階で発生したに違いない予想到着数を推定するものである。ホールボタンが最初に押下されてからの経過時間をΔtとし、この階における到着と到着との間の時間を、到着率λを有するiid指数分布型のランダムな変数とすると、新しい乗客の総数は、平均がλΔtであるポワソン分布から得られる。したがって、この階の予想乗客数は、λΔt+1となる。
このような推定は、性能の低下を最小にする監視制御方法によって広く使用されてきた。これについては、上記で引用したBao等およびCrites等を参照されたい。
しかしながら、統計的推定方法を適用するには、各階の到着率の推定が必要となる。これらの到着率は、最新の到着のオンライン式統計的推定、または過去データからオフライン式で蓄積された既知のトラフィックの特徴から得られる。
コンピュータビジョンと統計的推定とを組み合わせることも可能である。このような方法では、コンピュータビジョンシステムによって供給される情報は、待機中の乗客数の前の確率を無効にするのではなく、更新する。2つの推定のそれぞれの相対的な影響は、前の分布の有効サンプルサイズによって制御可能である。
一様でない目的地の確率
乗客の目的地に関する一様な確率分布の仮定は、ほとんどの実際の建物では、間違いなく成り立たない。ほとんどの実際の建物では、各階に異なる数の乗員が存在し、したがって、ロビーから種々の階へのトラフィックフローを一様であると仮定することはできない。さらに、ロビー以外の階の間でのトラフィックは、通常、一様ではない。例えば、1つの企業が、建物の複数の隣接する階を占有している場合に、これらの関連した階の間では、多数のトラフィックが存在するが、それ以外の関連しない階へのトラフィックおよびそのような階からのトラフィックは、ほとんど存在しないか、または、全く存在しない。
上述したように、階iから階jへの移動率λijが既知である場合に、上記方法を一様でない移動確率に拡張することは単純明快である。その方法への拡張は、2つの変更を伴う。一方は、組み込まれたマルコフ連鎖の状態の変更であり、他方は、これらの状態間の遷移確率の公式の変更である。
状態空間の変更を理解するために、エレベータかごは、建物の1つの階に1つの区分室が対応する、N個のより小さな(仮想の)区分室を有するものと考えることができる。特定の階でエレベータかごに乗車した乗客は、対応する区分室に入り、変更されたマルコフ連鎖の状態は、各区分室に何人の乗客が存在するかを追跡する。このために、N個の個々の速度に対応する状態の各群は、各区分室に対応する部分群にさらに分割される。実際には、部分群は、割り当てられたホール呼びを有する階に対してのみ保持される。このような階の数をNとすると、群の状態の総数は、基本的な方法におけるN+1とは異なり、N+Nとなる。このような変更は、当該方法の複雑度に影響を与えない。
第2の変更は、状態の対の間での遷移確率において行われる。単一の二項公式を使用するのではなく、これらの確率は、各エレベータかごに対して個々に求める必要がある。nを、エレベータかごiに搭乗している残りの乗客数、すなわち階iで乗車した乗客数とし、jを次の階とし、λを、kをjからエレベータかごの現在の移動方向における建物の端まで変動させて求めたλikの総和とすると、エレベータかごiのn人の乗車中の乗客のうちのx人が階jで降りる確率は、パラメータx、n、およびλij/λを有する二項分布から得られる。乗車中の何人の乗客が降車したかを追跡することは必要ないことに留意されたい。これは、パラメータλの反復される再正規化によって処理され、パラメータλは、間接的に二項分布を制御する。この第2の変更も、当該方法の複雑度に影響を与えない。
この解決法が実施されると、本発明者らの方法は、純粋なアップピークトラフィックから純粋なダウンピークトラフィックに及び、かつ、ランチトラフィックなどのすべての中間的な場合を網羅する、すべての可能なトラフィックパターンに適用できる。
本発明を、好ましい実施の形態を例にして説明してきたが、本発明の精神および範囲内において、さまざまな他の適用および変更を行い得ることが理解されるべきである。したがって、添付した特許請求の範囲の目的は、本発明の真の精神および範囲内に入るすべての変形および変更を網羅することである。
本発明によるエレベータの制御方法および制御システムのブロック図である。 8つの階を有する建物のシャフト内を上方に移動する単一のエレベータかごの位相空間図である。 本発明によるトレリス構造の図である。 図3のトレリスを構成する手順の擬似コードである。 図3のトレリスを評価する手順の擬似コードである。

Claims (12)

  1. 複数のエレベータかごを有するエレベータシステムを制御する方法であって、
    エレベータかごに対しホール呼びをサービスするために、各エレベータかごについて、前記エレベータシステムの起こり得るすべての未来状態の集合を求めることと、
    起こり得るすべての未来状態の各集合のコストを求めるために、コスト関数を評価することと、
    前記ホール呼びをサービスするために、最少コストを有する集合と関連付けられた特定のエレベータかごを割り当てることと、
    を含み、
    各エレベータかごの起こり得るすべての未来状態は、前記エレベータシステムの現在状態に依存し、
    前記エレベータシステムの現在状態を、エレベータかごが割り当てられた乗客、ならびに各エレベータかごについての移動方向、位置、およびエレベータかごの速度によって定めること
    をさらに含み
    前記求めることは、起こり得るすべての未来状態の各集合を、対応するダイナミックプログラミングトレリスに編成することと、
    前記トレリスの各状態を遷移確率に関連付けること
    をさらに含むエレベータシステムを制御する方法。
  2. 前記方向は、離散変数であり、前記位置および前記速度は、連続変数であり、
    各連続変数を離散変数の範囲に離散化すること
    をさらに含む請求項に記載のエレベータシステムを制御する方法。
  3. 前記エレベータシステムは、複数の階を含み、
    前記複数の階に向かって割り当てられたエレベータかごに乗車中の乗客の既知の目的地によって、前記求めることを制約すること
    をさらに含む請求項1に記載のエレベータシステムを制御する方法。
  4. 極めて起こり得ない未来状態を、前記起こり得るすべての未来状態の集合から除外すること
    をさらに含む請求項に記載のエレベータシステムを制御する方法。
  5. 前記極めて起こり得ない未来状態は、予め定められた閾値未満の関連付けられた遷移確率を有する
    請求項に記載のエレベータシステムを制御する方法。
  6. 前記極めて起こり得ない未来状態は、前記起こり得る未来状態の集合の部分集合であり、該部分集合は、最小の遷移確率を有し、該最小の遷移確率の総和は、ある予め定められた値未満である
    請求項に記載のエレベータシステムを制御する方法。
  7. 起こり得るすべての未来状態の各集合のコストに待ち時間を関連付けること
    をさらに含む請求項1に記載のエレベータシステムを制御する方法。
  8. エレベータかごiが前記ホール呼びにサービスを提供するための、前記エレベータシステムの起こり得るすべての未来状態の各集合の前記コストは、
    Figure 0004372681
    (ここで、Nは、エレベータかごの総数であり、i=1,・・・,NのC は、エレベータかごiに割り当てられた待機中の乗客の集合にサービスを提供する予想コストであり、i=1,・・・,NのC は、前記待機中の乗客の集合および前記ホール呼びの双方にサービスを提供する予想コストである)で求められる
    請求項1に記載のエレベータシステムを制御する方法。
  9. 最少コストを求めて前記ホール呼びにサービスを提供するために、起こり得るすべての未来状態の各集合について、総残余コストc=argminを最小にすること
    をさらに含む請求項に記載のエレベータシステムを制御する方法。
  10. 起こり得るすべての未来状態の各集合についての前記コストは、有限個のセグメントを含む、前記トレリスを通るパスに関連付けられ、
    前記パスの各セグメントの遷移コストを求めることと、
    各セグメントの前記遷移コストを、そのセグメントを含むあらゆるパスに適用することと
    をさらに含む請求項に記載のエレベータシステムを制御する方法。
  11. エレベータかごの前記トレリスの状態Sは、4つのタプル(f,d,v,n)によって表される
    (ここで、fは特定のエレベータかごの位置、dはエレベータかごの方向、vはエレベータかごの速度、nは該エレベータかご内の乗客数)
    請求項に記載のエレベータシステムを制御する方法。
  12. 複数のエレベータかごを有するエレベータシステムを制御する装置であって、
    エレベータかごがホール呼びにサービスを提供するために、各エレベータかごについて、前記エレベータシステムの起こり得るすべての未来状態の集合を求める手段と、
    起こり得るすべての未来状態の各集合のコストを求めるために、コスト関数を評価する手段と、
    前記ホール呼びにサービスを提供するために、最少コストを有する集合に関連付けられた特定のエレベータかごを割り当てる手段と
    を備え
    各エレベータかごの起こり得るすべての未来状態は、前記エレベータシステムの現在状態に依存し、
    前記エレベータシステムの現在状態を、エレベータかごが割り当てられた乗客、ならびに各エレベータかごについての移動方向、位置、およびエレベータかごの速度によって定める手段
    をさらに含み
    前記求める手段は、起こり得るすべての未来状態の各集合を、対応するダイナミックプログラミングトレリスに編成する手段と
    前記トレリスの各状態を遷移確率に関連付ける手段
    をさらに含むエレベータシステムを制御する装置。
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