JP4371920B2 - 情報処理方法、通信システム、情報処理装置、およびプログラム - Google Patents

情報処理方法、通信システム、情報処理装置、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、情報処理装置間で信号線を介して情報を送受信するための通信フレームを用いた、情報処理方法、通信システム、情報処理装置、および通信システムに実行させるためのプログラムとに関する。
従来、自動車、FA(Factory Automation)、船舶などにおける通信技術において、CAN(Controller Area Network)通信が広く用いられている。近年、自動車は制御全体における電気制御の占める割合が従来よりも高くなり、電気制御の信号を送受信するためのワイヤーハーネスのコストが上昇する傾向があったが、CAN通信を用いることでワイヤーハーネスのコストの上昇が抑えられている(例えば、特許文献1参照)。以下では、CAN通信を自動車に用いる場合で説明する。
自動車で電気制御が用いられる通信系統が一般的に4つに分類される。4つの通信系統とは、ドアおよびシートなどのボディ系と、エアバッグおよび衝突センサなどの安全系と、エンジンおよびブレーキ等のパワー系と、ナビゲーションシステムおよびオーディオ等の情報系である。同一通信系統では信号の通信速度を一定にする必要があり、通信速度の大きさによって系統が分けられている。
次に、上記4つの通信系統のうち、例えば、ボディ系におけるCAN通信について説明する。
ボディ系にはドアの窓を開閉するためのモータや、シートを倒したり起こしたりするためのモータなど複数の動作部がある。これらの動作部毎にその制御のためのスレーブユニットが設けられ、ボディ系の中で最も中心的な役割を果たすユニットとしてマスタユニットが一つ設けられていた。マスタユニットと複数のスレーブユニットは、相互に通信を可能とするためにシングルワイヤ線による信号線で接続されている。以下では、この信号線をCANバスと称する。なお、信号の伝送にシングルワイヤ線を用いることで、ワイヤーハーネスのコスト上昇の抑制を図っている。なお、シングルワイヤ線の代わりにツイストペア線を用いる場合もある。
スレーブユニットおよびマスタユニットのそれぞれは、プログラムにしたがって所定の処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、プログラムを格納するためのメモリとを備えている。
次に、ユニット間で送受信されるメッセージとなるフレームについて説明する。ここでは、送信ユニットから受信ユニットにデータを送るためのデータフレームと、他のユニットにデータを要求するためのリモートフレームの構成について説明する。
図18はデータフレームおよびリモートフレームの構成を示す図である。
図18(a)に示すように、データフレームは、フレームの始まりを示すSOFと、メッセージの優先順位を示すID(Identifier)と、データのバイト数等を示すControlと、データの中身となるDataと、伝送の誤りをチェックするためのCRCと、正常に受信が完了したことを確認するためのACKと、フレームの終わりを示すEOFとを有する。リモートフレームは、図18(b)に示すように、データフレームのうちDataを除いた構成である。
IDの情報量は、高速通信用のISO11898と低速通信用のISO11519に準拠したものでは、標準フォーマットで11ビットあり、拡張フォーマットで29ビットある。IDは、CANバス上で2つ以上のユニットが同時にフレームを送信したときに、どのフレームを優先するかを決めるための基準となる。IDによる優先順位の決め方について、以下に簡単に説明する。
2つのユニットがほぼ同時にCANバス上に送出を開始したフレームのIDを他のユニットがビット単位で比較し、いずれのIDの優先順位が高いかを判定すると、優先度の低いIDのフレームを送出し始めたユニットに対してそれ以降のフレームの送出を停止させる。一方、優先度の高いIDのフレームを送出しているユニットはそのままフレームを最後まで送信する。このように、複数のフレームがほぼ同時に送出された際にフレームの優先順位を決定することを調停という。
自動車内部の同一通信系統においてスレーブユニットおよびマスタユニットを含む通信システムを設計する技術者は、調停が起きたときに優先させたいフレームが何であるかを考えた上でユニットの識別情報をフレームのIDにしていた。また、マスタユニットの果たす役割により、一般的にマスタユニットから送出されるフレームの優先順位をスレーブユニットの場合よりも高くしていた。従来、このIDの決め方に標準化した規則はなかったため、IDの設計仕様は企業および開発グループなどの組織毎に異なっていた。
特開2003−124950号公報
従来のCAN通信ではIDに標準化規定がなかった。そのため、同一通信系統の開発グループ内で、さらに複数のチームに分割して通信システムを開発する場合、チーム毎にIDの決め方が異なると、各チームで作製された構成を一つの通信システムに組み上げるときに、IDを決め直す必要が生じることになる。また、別の企業で作製された構成を既存の通信システムに追加で組み付ける場合にも、全てのIDを決め直さなければならない。その結果、IDを統一させるための手間がかかってしまうという問題があった。
また、IDをユニットの識別情報にして、そのユニットから送出されるフレームの優先度に対応して決定すると、後でフレームの優先度を変更する際、IDを全て変更しなければならない場合がある。この場合、大変な労力が必要になる。
また、マスタユニットを一旦決めてしまうと、スレーブユニットから送出されるフレームをマスタユニットの場合よりも優先させたいときでも、優先順位を上げることができなかった。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、ユニットを特定するための識別情報を変更することなく、通信フレームの優先度を変更可能にした情報処理方法、通信システム、情報処理装置、および通信システムに実行させるためのプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の情報処理方法は、通信フレームを信号線を介して送受信するマスタユニットおよびスレーブユニットを備えた通信システムによる情報処理方法であって、
前記マスタユニットは、
通信の優先度を示す優先順位情報と、送信の方向情報として送信方向がマスタ機能部からスレーブ機能部であることを示す第1の情報と、送信先の該スレーブユニットを特定するための識別情報とを含む通信フレームを生成し、
生成した通信フレームを前記スレーブユニットに送信し、
前記スレーブユニットは、
前記マスタユニットから受信した通信フレームに対して、前記第1の情報の代わりに送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部であることを示す第2の情報を設定し、
設定した通信フレームを該マスタユニットに送信するものである。
本発明では、通信フレームに通信の優先度を示す優先順位情報が含まれているため、複数の通信フレームが信号線にほぼ同時に送出されたとき、優先順位情報を確認することで、どの通信フレームを優先させればよいかが各ユニットに判定可能となる。方向情報を第1の情報から第2の情報に変更するだけで、マスタユニットから受け取った通信フレームはマスタユニット宛の返信用通信フレームとなる。そして、この返信用通信フレームを受け取ったマスタユニットは、識別情報で送信元を認識可能となる。そのため、スレーブユニットは、返信用通信フレームに送信先となるマスタユニットの識別情報を設定する必要がなく、また、送信元となる自ユニットの識別情報を設定する必要がない。
また、本発明の情報処理方法は、通信フレームを信号線を介して送受信するマスタユニットおよびスレーブユニットを備えた通信システムによる情報処理方法であって、
前記スレーブユニットは、
自ユニットを前記マスタ機能部に変更するための予め設定された条件になると、前記マスタユニットに前記通信フレームを送信する際、前記マスタユニットを特定するための識別情報と、送信の方向情報として送信方向がマスタ機能部からスレーブ機能部であることを示す第1の情報とを含む通信フレームを生成して前記マスタユニットに送信し、
前記マスタユニットは、
前記スレーブユニットから前記通信フレームを受信し、該通信フレームの前記方向情報が第1の情報であり、かつ前記識別情報が該マスタユニットを示すものであると、前記スレーブユニットが前記マスタ機能部に変更したことを認識し、
その後、前記信号線を介して外部に送信するための通信フレームに自ユニットの前記識別情報と、前記方向情報として送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部であることを示す第2の情報とを設定するものである。
本発明では、マスタユニットは、マスタユニットの識別情報が設定され、方向情報が第1の情報に設定された通信フレームを受信すると、この通信フレームの送信元がマスタ機能部になったことを認識し、自ユニットをスレーブ機能部に変更する。そのため、ユニット間でマスタユニットとスレーブユニットを自由に入れ替えることが可能となる。マスタユニットから送出される通信フレームの通信の優先度をスレーブユニットの場合よりも高くしている場合、スレーブユニットとマスタユニットとを入れ替えることで、優先順位情報によらずにユニットから送出される通信フレームの優先度を変更できる。
また、上記本発明の情報処理方法において、前記通信フレームについて前記方向情報が前記第1の情報であれば前記第2の情報の場合よりも通信の優先度が高いこととしてもよい。本発明では、マスタユニットから送出される通信フレームの優先度を高くすることが可能となる。
また、上記本発明の情報処理方法において、前記方向情報によらずに前記優先順位情報で前記通信フレームの優先度を最も高く設定することが可能なこととしてもよい。本発明では、スレーブユニットよりもマスタユニットから送出される通信フレームの優先度を高くするように方向情報で設定されていても、スレーブユニットはマスタユニットよりも優先して通信フレームを送出することが可能となる。
また、上記本発明の情報処理方法において、前記識別情報は、前記ユニットの所属するグループを特定するためのグループ識別情報と、該グループ内で該ユニットを特定するためのユニット識別情報とを有することとしてもよい。本発明では、ユニットを特定するための情報がグループ識別情報とユニット識別情報とで階層化されているので、1つのグループに新たにユニットを増やす際に、そのグループ内でユニット識別情報を変更するだけでよく、全体の識別情報を変更する必要がない。
さらに、上記本発明の情報処理方法において、前記通信フレームは、前記優先順位情報、前記方向情報および前記識別情報のうち該優先順位情報が先頭側に配置されたこととしてもよい。本発明では、通信フレームを受信するユニットは、優先順位情報、方向情報および識別情報のうち優先順位情報を先に受け取るため、受け取った通信フレームの優先度をより早く認識可能となる。そのため、信号線に複数の通信フレームが送出された場合、各通信フレームの優先順位情報を比較して最も優先すべき通信フレームをより早く特定できる。
一方、上記目的を達成するための本発明の通信システムは、通信フレームを信号線を介して送受信するマスタユニットおよびスレーブユニットを備えた通信システムであって、
前記マスタユニットは、
通信の優先度を示す優先順位情報と、送信の方向情報として送信方向がマスタ機能部からスレーブ機能部であることを示す第1の情報と、送信先の該スレーブユニットを特定するための識別情報とを含む通信フレームを生成して該スレーブユニットに送信し、
前記スレーブユニットは、
前記マスタユニットから受信した通信フレームに対して、前記第1の情報の代わりに送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部であることを示す第2の情報を設定して該マスタユニットに送信するものである。
また、本発明の通信システムは、通信フレームを信号線を介して送受信するマスタユニットおよびスレーブユニットを備えた通信システムであって、
前記スレーブユニットは、
自ユニットを前記マスタ機能部に変更するための予め設定された条件になると、前記マスタユニットに前記通信フレームを送信する際、前記マスタユニットを特定するための識別情報と、送信の方向情報として送信方向がマスタ機能部からスレーブ機能部であることを示す第1の情報とを含む通信フレームを生成して前記マスタユニットに送信し、
前記マスタユニットは、
前記スレーブユニットから受信した通信フレームの前記方向情報が第1の情報であり、かつ前記識別情報が該マスタユニットを示すものであると、前記スレーブユニットが前記マスタ機能部に変更したことを認識し、その後、前記信号線を介して外部に送信するための通信フレームに自ユニットの前記識別情報と、前記方向情報として送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部であることを示す第2の情報とを設定するものである。
また、上記目的を達成するための本発明の情報処理装置は、マスタユニットから信号線を介して受信する通信フレームについて処理を実行する情報処理装置であって、
通信の優先度を示す優先順位情報と送信方向を示す方向情報として送信方向がマスタ機能部から前記情報処理装置の機能を有する処理機能部であることを示す第1の情報および送信方向が該処理機能部から該マスタ機能部であることを示す第2の情報とが格納された記憶部と、
前記優先順位情報、前記方向情報となる前記第1の情報、および前記情報処理装置を特定するための識別情報を含む通信フレームを前記マスタユニットから受信すると、受信した該通信フレームに対して該第1の情報の代わりに前記第2の情報を設定して該マスタユニットに送信する制御部と、
を有する構成である。
また、上記目的を達成するための本発明のプログラムは、通信フレームを信号線を介して送受信するマスタユニットおよびスレーブユニットを備えた通信システムに実行させるためのプログラムであって、
前記マスタユニットは、
通信の優先度を示す優先順位情報と、送信の方向情報として送信方向がマスタ機能部からスレーブ機能部であることを示す第1の情報と、送信先の該スレーブユニットを特定するための識別情報とを含む通信フレームを生成し、
生成した通信フレームを前記スレーブユニットに送信し、
前記スレーブユニットは、
前記マスタユニットから受信した通信フレームに対して、前記第1の情報の代わりに送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部であることを示す第2の情報を設定し、
設定した通信フレームを該マスタユニットに送信する処理を前記通信システムに実行させるものである。
さらに、本発明のプログラムは、通信フレームを信号線を介して送受信するマスタユニットおよびスレーブユニットを備えた通信システムに実行させるためのプログラムであって、
前記スレーブユニットは、
自ユニットを前記マスタ機能部に変更するための予め設定された条件になると、前記マスタユニットに前記通信フレームを送信する際、前記マスタユニットを特定するための識別情報と、送信の方向情報として送信方向がマスタ機能部からスレーブ機能部であることを示す第1の情報とを含む通信フレームを生成して前記マスタユニットに送信し、
前記マスタユニットは、
前記スレーブユニットから前記通信フレームを受信し、該通信フレームの前記方向情報が第1の情報であり、かつ前記識別情報が該マスタユニットを示すものであると、前記スレーブユニットが前記マスタ機能部に変更したことを認識し、
その後、前記信号線を介して外部に送信するための通信フレームに自ユニットの前記識別情報と、前記方向情報として送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部であることを示す第2の情報とを設定する処理を前記通信システムに実行させるものである。
本発明の通信システムは、通信フレームに通信の優先順位情報を含んでいるため、複数の通信フレームが信号線にほぼ同時に送出されたとき、この優先順位情報を確認することで、どの通信フレームを優先させればよいかが各ユニットに判定できる。また、方向情報を含んでいるため、マスタユニットからスレーブユニットへの送信なのか、その反対なのかが各ユニットに対して明確になる。
また、マスタユニットからスレーブユニットへの送信を優先させるように方向情報を設定すれば、マスタユニットがスレーブユニットに送信する通信フレームをスレーブユニットがマスタユニットに送信する通信フレームよりも優先させることができる。
また、マスタユニットがスレーブユニットよりも優先して通信フレームを送出するようにしていても、スレーブユニットから送出される通信フレームの優先順位情報をマスタユニットの場合よりも高くなるように設定することで、マスタユニットよりも優先してスレーブユニットに通信フレームを送出させることができる。
また、通信の優先度とは別にユニット固有の識別情報が設定されるため、マスタユニットから送信される通信フレームでは送信先のユニットが明確になり、マスタユニット宛に送信される通信フレームでは送信元のユニットが明確になる。
さらに、通信フレームに方向情報を設定することで、通信フレームの送信方向がマスタユニットからスレーブユニットなのか、その反対なのかが確定され、マスタユニットおよびスレーブユニットの関係を通信フレーム毎に構築できる。
本発明の通信システムに用いられる通信フレームは、通信の優先順位を示す情報の他に、スレーブユニットとマスタユニットの間の送信方向を示す情報が設けられていることを特徴とする。
本実施例の通信フレームの構成について説明する。なお、通信フレームの構成のうち、ID以外については従来と同様なため、その詳細な説明を省略する。また、以下では、通信フレームを単に「フレーム」と称する。
図1は標準フォーマットにおけるIDの一構成例を示す図である。
図1に示すようにIDは、フレームの優先順位を示すPrioと、フレームの送信方向を示すDirと、スレーブユニットを特定するための識別情報となるGroupおよびUnitとを有する。Prioの2ビットをプライオリティビットと称し、Dirの1ビットを方向ビットと称し、Groupの3ビットをグループ種別ビットと称し、Unitの5ビットをユニット種別ビットと称する。グループ種別ビットおよびユニット種別ビットで、フレームの送信先または送信元となるスレーブユニットが特定される。
次に、IDに含まれる情報について説明する。
図2はIDに含まれる情報を示す表である。図2(a)はプライオリティビット、図2(b)は方向ビット、図2(c)はグループ種別ビット、図2(d)はユニット種別ビットを示す。
図2(a)に示すように、優先度が最も高いハイ・プライオリティで、優先順位が1の場合、プライオリティビットの情報を「00」とする。優先度が標準のノーマル・プライオリティで、優先順位が2の場合、プライオリティビットの情報を「01」とする。優先度が低いロウ・プライオリティで、優先順位が3の場合、プライオリティビットの情報を「10」とする。なお、優先度が設定されていない場合、優先度は最も低くなり、プライオリティビットの情報が「11」となる。
このようにして、プライオリティビットの情報を決めることで、優先的に送信したいフレームについては、フレームの送信元がマスタユニットであるか、スレーブユニットであるかに関係なく、プライオリティビットの情報をより小さい値にすることで優先的に送信することが可能となる。
図2(b)に示すように、フレームの送信方向がマスタユニットとして機能するマスタ機能部からスレーブユニットとして機能するスレーブ機能部の場合、方向ビットの情報を「0」とする。反対に、フレームの送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部の場合、方向ビットの情報を「1」とする。このように、フレーム毎に送信方向に合わせて方向ビットの情報を変更する。また、方向ビットの情報が「0」の場合に「1」の場合よりもフレームの優先度を高くするように設定すれば、マスタユニットはスレーブユニットよりも優先的にフレームを送信することが可能となる。なお、方向ビット「0」はこの発明の第1の情報であり、方向ビット「1」はこの発明の第2の情報である。
図2(c)に示すように、グループ種別ビットはグループ毎に異なる識別子であるグループIDを示す。グループ種別ビットの情報が「000」であると、全てのグループを示す。グループ種別ビットの情報「001」から「111」のそれぞれがグループ1からグループ7のそれぞれを示す。従来技術で説明した自動車のボディ系の場合では、例えば、ドアの制御に関するスレーブユニットをグループ1とし、シートの制御に関するスレーブユニットをグループ2とする。
図2(d)に示すように、ユニット種別ビットはグループ毎に異なる識別子であるユニットIDを示す。ユニット種別ビットの情報が「00000」であると、グループ種別ビットで特定されたグループ内の全てのユニットを示す。ユニット種別ビットの情報の「00000」から「11111」のそれぞれがユニット1からユニット31のそれぞれを示す。自動車のボディ系の場合、例えば、運転席側ドアの制御に関するスレーブユニットをユニット1とし、助手席側ドアの制御に関するスレーブユニットをユニット2とする。
なお、グループ種別ビットとユニット種別ビットが全て「0」で設定されたフレームは、方向ビットで設定された送信先の全てのユニットが受信する同報フレームとなる。
このように、同一のCANバスに接続された複数のスレーブユニットについてグループ種別ビットおよびユニット種別ビットの情報を用いて固有のIDを割り当てることで、マスタユニットから送出されるフレームの送信先ユニットが明確になり、また、マスタユニット宛に送出されたフレームの送信元ユニットが明確になる。
次に、拡張フォーマットの場合のIDについて説明する。
図3は拡張フォーマットにおけるIDの一構成例を示す図である。
図3に示すように、拡張フォーマットでは、プライオリティビットと方向ビットの情報量が標準フォーマットと等しいが、グループ種別ビットの情報量が8ビットであり、ユニット種別ビットの情報量が18ビットである。
図4は拡張フォーマットのIDに含まれる情報を示す表である。図4(a)はグループ種別ビットを示し、図4(b)はユニット種別ビットを示す。なお、プライオリティビットと方向ビットについては標準フォーマットと同様なため、その詳細な説明を省略する。
図4(a)に示すように、グループ種別ビットはグループIDを示し、グループ種別ビットの情報が「0000 0000」であると、全てのグループを示す。グループ種別ビットの情報の「0000 0001」から「1111 1111」のそれぞれがグループ1からグループ255のそれぞれを示す。
図4(b)に示すように、ユニット種別ビットはユニットIDを示し、ユニット種別ビットの情報が「0000 0000 0000 0000 00」であると、グループ種別ビットで特定されたグループ内の全てのユニットを示す。ユニット種別ビットの情報の「0000 0000 0000 0000 01」から「1111 1111 1111 1111 11」のそれぞれがユニット1からユニット262143のそれぞれを示す。
スレーブユニットの数が多い通信システムの場合、グループ種別ビットとユニット種別ビットの情報量の多い拡張フォーマットのIDを用いてシステムを設計すればよい。また、将来スレーブユニットの数が大幅に増加する可能性のある通信システムの場合、開発当初から拡張フォーマットのIDで設計することが望ましい。
次に、上記構成の通信フレームを用いた通信システムの構成について説明する。以下では、フレームのIDが標準フォーマットの場合で説明する。
図5は本実施例の通信システムの一構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、通信システムは、マスタユニットAと、スレーブユニットB〜Nとを有する。スレーブユニットDとスレーブユニットNの間には、図に示さない、任意の数のスレーブユニットがある。これらのユニットはCANバス10で相互に通信可能に接続されている。
図6はマスタユニットAとスレーブユニットB〜Nの各ユニットの一構成例を示すブロック図である。各ユニットは、図2に示した優先順位および方向ビット等の情報が格納された記憶部61と、CANバス10を介して他のユニットと情報を送受信するためのフレーム送受信部62と、各部を制御する制御部63とを有する構成である。制御部63には、プログラムにしたがって所定の処理を実行するCPU64と、プログラムを格納するためのメモリ65とを備えている。
図5に示すように、マスタユニットAは、グループID「001」とユニットID「00001」が割り当てられている。スレーブユニットBおよびCはグループID「010」が割り当てられている。そして、スレーブユニットBはユニットID「00001」が割り当てられ、スレーブユニットCはユニットID「00010」が割り当てられている。スレーブユニットDはグループID「011」とユニットID「00001」が割り当てられている。スレーブユニットNはグループID「111」とユニットID「11111」が割り当てられている。
マスタユニットAは、フレームを送出する際、IDの方向ビットに「0」を設定し、グループ種別ビットとユニット種別ビットのそれぞれに送信先のスレーブユニットのグループIDとユニットIDをそれぞれ設定してフレームを送出する。
スレーブユニットB〜Nは、フレームを送出する際、IDの方向ビットに「1」を設定し、グループ種別ビットとユニット種別ビットのそれぞれに自分のグループIDとユニットIDをそれぞれ設定してフレームを送出する。送信するフレームの内容により優先的に送信するフレームについては、プライオリティビットを変更して送出する。どのデータを送出するときに、どの優先順位を設定するかは、予め格納されたプログラムに記述されている。
また、本実施例では、マスタユニットAから送出されるフレームの優先度は、IDのプライオリティビットが示す優先順位が1の場合よりも低く、優先順位が2の場合よりも高いものとする。そのため、IDの方向ビットが「0」であるフレームは、プライオリティビットが「00」のフレームよりも優先度が低いが、プライオリティビットが「01」のフレームよりも優先度が高いことになる。この内容は各ユニットのメモリ65に格納されたプログラムに予め記述されている。
次に、上記構成の通信システムにおいて、マスタユニットAがフレームをスレーブユニットDに送信する場合の動作について説明する。
図7はデータフレームの一構成例を示す図である。図8は通信システムの動作を説明するための図である。なお、以下では、データフレームについてIDとデータ部分についてのみ示し、SOFおよびControl等の他の情報については従来と同様なため図に示すことを省略する。
図7に示すデータフレーム100のIDには、プライオリティビットに「01」が設定され、方向ビットに「0」が設定され、グループ種別ビットに「011」が設定され、ユニット種別ビットに「00001」が設定されている。そのため、このデータフレーム100の優先順位は2であり、送信先はスレーブユニットDである。
図8(a)に示すように、マスタユニットAが図7に示したデータフレーム100をCANバス10に送出する(ステップA1)。その際、マスタユニットAとほぼ同時にスレーブユニットCがデータフレーム(以下、データフレーム105と表記する)をCANバス10に送出したとする。このデータフレーム105のIDは、方向ビットが「1」に設定されている。そして、データフレーム105のIDのプライオリティビットは「01」に設定されているものとする。
ここで、2つのデータフレームがほぼ同時にCANバス10に送出された場合に、各ユニットによる、データフレームの優先度判定方法について説明する。
図9は優先度の判定方法の一例を示すフローチャートである。2つのデータフレームのIDについて、一方のデータフレームのプライオリティビットをPrio1とし、方向ビットをDir1とする。そして、他方のデータフレームのプライオリティビットをPrio2とし、方向ビットをDir2とする。
図9に示すように、Prio1とPrio2を読み取り、読み取ったPrio1とPrio2が「00」になっているか調べ(ステップS1)、少なくともいずれか一方が「00」であればステップS2に進む。ステップS2で、いずれか一方のみが「00」と判定すると、Prioが「00」のデータフレームを優先する(ステップS3)。また、ステップS2でPrioが両方とも「00」であれば、Dir1とDir2を読み取り、Dirが「0」のデータフレームを優先する(ステップS4)。
一方、ステップS1でPrio1とPrio2の両方が「00」でなければ、Dir1とDir2を読み取り、Dir1とDir2のいずれかが「0」であるか否かを調べる(ステップS5)。Dir1とDir2のいずれかが「0」であると、Dirが「0」のデータフレームを優先する(ステップS4)。また、ステップS5でDir1とDir2の両方が「1」であれば、Prio1とPrio2を比較し、数値の小さい方のフレームを優先する(ステップS6)。
次に、データフレーム100とデータフレーム105に対して、図9に示したフローチャートで優先度を判定する。データフレーム100のIDのプライオリティビットをPrio1とし、方向ビットをDir1とすると、Prio1=01、Dir1=0となる。また、データフレーム105のIDのプライオリティビットをPrio2とし、方向ビットをDir2とすると、Prio2=01、Dir2=1となる。
図9に示したフローチャートから、ステップS1ではPrio1とPrio2の両方とも「00」ではないので、ステップS5に進む。ステップS5ではDir1が「0」であるため、ステップS4に進み、Dir1=0のデータフレーム100が優先されることになる。
その結果、図8(b)に示すように、スレーブユニットCはデータフレーム105の送出を途中で停止し、マスタユニットAからのデータフレーム100が優先されてCANバス10に送出される。スレーブユニットB〜NはマスタユニットAから受信するデータフレーム100のIDをチェックし、方向ビットに「0」が設定されていると、グループ種別ビットおよびユニット種別ビットのそれぞれが自ユニットに割り当てられたグループIDとユニットIDにそれぞれ一致するかどうかを判定する。スレーブユニットB、CおよびE(不図示)〜Nは、グループ種別ビットおよびユニット種別ビットが自ユニットに割り当てられたグループIDとユニットIDに一致しないことを認識すると、受け取ったデータフレーム100について何も処理を実行しない。
一方、スレーブユニットDは、データフレーム100のグループ種別ビットが自ユニットのグループID「011」であり、ユニット種別ビットが自ユニットのユニットID「00001」であるため、図8(b)に示すようにデータフレーム100を受信し(ステップA2)、所定の処理を実行する。
本実施例の通信システムでは、上述したようにして、複数のユニットからデータフレームが送出されると、データフレームの情報が先頭側から読み出され、プライオリティビットと方向ビットの情報からデータフレームの優先度が決定される。通信の優先度に関する情報がデータフレームの先頭側に配置されているため、優先度が従来よりも早く決定される。
次に、スレーブユニットDがマスタユニットAにデータフレームを送信する場合の動作について説明する。ここでは、スレーブユニットDは、図8に示したようにして、マスタユニットAから所定の処理を要求する旨の情報を含むデータフレームを受信した後、その処理結果をマスタユニットAに返信する場合とする。
図10はマスタユニットAに返信するためのデータフレームの一構成例を示す図である。図11はスレーブユニットDの動作手順を示すフローチャートである。図12は通信システムの動作を説明するための図である。
図10に示すデータフレーム110のIDには、プライオリティビットに「01」が設定され、方向ビットに「1」が設定され、グループ種別ビットに「011」が設定され、ユニット種別ビットに「00001」が設定されている。方向ビット「1」は、データフレーム110がマスタユニットA宛に送出されたものであることを示す。そのため、グループ種別ビット「011」およびユニット種別ビット「00001」は、ここでは、データフレーム110の送出元となるスレーブユニットDを示す。
図11に示すように、スレーブユニットDはマスタユニットAからデータフレーム100を受け取ると、フレーム100のデータに対して所定の処理を実行する(ステップA11)。続いて、データフレーム100のIDの領域について方向ビットを「1」に設定して、返信用データフレームを作成する(ステップA12)。その後、この返信用データフレームに処理結果をデータとして添付して、図10に示したデータフレーム110を作成して、図12(a)に示すように、マスタユニットA宛にCANバス10に送出する(ステップA13)。
スレーブユニットB、CおよびE(不図示)〜Nは、受信するデータフレーム110のIDをチェックして、方向ビットに「0」が設定され、グループ種別ビットおよびユニット種別ビットのそれぞれが自ユニットに割り当てられたグループIDとユニットIDにそれぞれ一致するかどうかを判定する。スレーブユニットB、CおよびE(不図示)〜Nは、方向ビットが「1」であることを認識すると、受け取ったデータフレーム110について何も処理を実行しない。
一方、マスタユニットAは、データフレーム110のIDをチェックし、方向ビットに1が設定されていることを認識すると、続いて、IDのグループ種別ビットおよびユニット種別ビットを調べる。IDのグループ種別ビットおよびユニット種別ビットを読み出して、送信元をスレーブユニットDと認識すると、図12(b)に示すようにデータフレーム110全体を受信し、所定の処理を実行する。
図11に示しように、スレーブユニットDがマスタユニットAから受け取ったデータフレームの方向ビットを「0」から「1」に変更して処理結果を添付することで、このデータフレームがマスタユニット宛の返信用データフレームとなる。マスタユニットAからのデータフレームの送信先がそのまま送信元を示すため、スレーブユニットDは返信用データフレームに自ユニットを改めて設定する必要がない。また、データフレームの返信先となるマスタユニットAのグループIDおよびユニットIDを設定しなくても、方向ビットを「1」にするだけでよい。
次に、スレーブユニットDが優先度の高いデータフレームをマスタユニットAに送信する場合の動作について説明する。
図13はデータフレームの一構成例を示す図である。図14は通信システムの動作を説明するための図である。
図13に示すデータフレーム120のIDには、プライオリティビットに「00」が設定され、方向ビットに「1」が設定され、グループ種別ビットに「011」が設定され、ユニット種別ビットに「00001」が設定されている。
スレーブユニットDが図13に示したデータフレーム120をCANバス10に送出する。その際、マスタユニットAがほぼ同時にデータフレーム(以下、データフレーム125と表記する)をCANバス10に送出したとする。このデータフレーム125のIDは、方向ビットが「0」に設定されている。そして、データフレーム125のIDのプライオリティビットは「01」に設定されているものとする。
通信システムの各ユニットは、図9に示したフローチャートにより、以下のようにしてデータフレーム120とデータフレーム125の優先度を判定する。データフレーム120のIDのPrioが「00」であるため、図9のステップS1からステップS2に進む。続いて、データフレーム125のIDのPrioが「01」であるため、ステップS3に進み、データフレーム120の方がデータフレーム125よりも優先度が高いと判定する。
その結果、図14に示すように、マスタユニットAは、データフレーム125の送出を途中で停止し、データフレーム120の受信を優先する。マスタユニットAは、データフレーム120を受信した後にデータフレーム125をCANバス10に送出し直す。なお、スレーブユニットB、CおよびE(不図示)〜Nは、図12で説明したのと同様にして、データフレーム120のIDの方向ビットが「1」であることを認識すると、受け取ったデータフレーム120について何も処理を実行しない。
図12に示した場合にはスレーブユニットDはマスタユニットAから受信したデータフレームの優先順位をそのままの状態にしてマスタユニットAに返信したが、図13および図14を用いて説明したように、送出するデータフレームのプライオリティビットの情報を最上位に設定することで、送出元のユニットが何であっても他のデータフレームよりも優先させることが可能となる。そのため、ほぼ同時にバス上に送出された他のデータフレームの送信元がマスタユニットであっても、所望のフレームを優先的に送信することができる。
本実施例では、上述したようにして、フレームのIDに優先度を決めるための情報および通信フレームの送出方向を示す情報が、ユニットを一意的に決定するためのグループIDおよびユニットIDと別に設けられている。そのため、ユニットを示すIDとは別に優先度の情報をフレームに載せることが可能となる。また、ユニットを特定するための識別情報を優先度の情報とは別に設けているため、ユニットの数の増加に柔軟に対応できる。
なお、図9に示したフローチャートでは、プライオリティビットと方向ビットの情報からフレームの優先度を判定する方法について示している。ステップS4でDir1とDir2の両方が「1」である場合や、ステップS6でPrio1=Prio2である場合には、グループ種別ビットを読み取り、グループIDについて予め決められた優先度に基づいて決めるようにしてもよい。また、グループ種別ビットの代わりにユニット種別ビットについて優先度を予め決めておいてもよい。さらに、グループ種別ビットとユニット種別ビットの両方を用いて優先度を決めるようにしてもよい。
実施例1では各ユニットをマスタユニットおよびスレーブユニットのいずれかに固定していたのに対し、本実施例では、いずれのスレーブユニットもマスタ機能部になり得るようにしている。以下に、本実施例について説明する。通信システムおよび各ユニットの構成は図5および図6に示したのと同様であり、IDの構成については実施例1と同様なため、その詳細な説明を省略する。
各ユニットに備えたメモリ65に格納されたプログラムには、自ユニットをマスタ機能部に変更するための条件が予め設定されており、この条件になると、フレーム送出の際に以下のようにすることが記述されている。スレーブユニットからマスタ機能部に変更した後、送出するフレームのIDの方向ビットを「0」に設定する。また、送出するフレームのグループ種別ユニットおよびユニット種別ビットにフレームの送信先を設定する。
また、マスタユニットとして機能していたユニットは、スレーブユニットから受け取るフレームのIDの方向ビットが「0」であることを認識すると、グループ種別ビットおよびユニット種別ビットを読み取る。読み取ったグループ種別ビットおよびユニット種別ビットのそれぞれが自ユニットを特定するためのグループIDおよびユニットIDのそれぞれに一致すると、自ユニットをマスタ機能部からスレーブ機能部に変更する。その後、マスタユニットからスレーブ機能部に変更したユニットは、送出するフレームのIDに対して、方向ビットを「1」に設定し、自ユニットのグループIDおよびユニットIDを添付する。
図15はデータフレームの一構成例を示す図である。SOFおよびControl等の他の情報については従来と同様なため図に示すことを省略する。
図15に示すデータフレーム130のIDには、プライオリティビットに「01」が設定され、方向ビットに「0」が設定され、グループ種別ビットに「010」が設定され、ユニット種別ビットに「00010」が設定されている。方向ビット「0」は、データフレーム130を送出するユニットがマスタユニットであることを示す。そのため、グループID「010」とユニットID「00010」で送信先のマスタユニットAを示す。
図16は通信システムの動作を説明するための図である。図17は通信システムの動作を示すフローチャートである。
図17に示すように、スレーブユニットCは、自ユニットをマスタユニットに変更すべき旨の指示が入力されると、図16に示したデータフレーム130をCANバス10に送出する(ステップB1)。スレーブユニットBおよびD〜NはスレーブユニットCから受信するデータフレーム130のIDをチェックし、方向ビットに「0」が設定されていると、グループ種別ビットおよびユニット種別ビットのそれぞれが自ユニットに割り当てられたグループIDとユニットIDにそれぞれ一致するかどうかを判定する。スレーブユニットBおよびD〜Nは、グループ種別ビットおよびユニット種別ビットが自ユニットに割り当てられたグループIDとユニットIDに一致しないことを認識すると、受け取ったデータフレーム130について何も処理を実行しない。
一方、マスタユニットAは、受け取ったデータフレーム130の方向ビットが「0」であるか否かを判定し(ステップB2)、方向ビットが「0」であることを認識すると、グループ種別ビットおよびユニット種別ビットの情報を読み取る(ステップB3)。続いて、ステップB3でグループ種別ビットが自ユニットのグループID「001」であり、ユニット種別ビットが自ユニットのユニットID「00001」であることを認識すると、データフレーム130を全て受信し、データフレーム130について所定の処理を実行するとともに、自ユニットをマスタユニットからスレーブユニットに変更する。また、スレーブユニットCをマスタユニットと認識する(ステップB4)。その後、スレーブユニットに変更したユニットAは、データフレーム135を送出する際、IDの方向ビットを「1」に設定し、自ユニットのグループIDとユニットIDを添付して送出する。
なお、ステップB2で方向ビットが「1」であれば、実施例1と同様にマスタユニットAはデータフレームに対して所定の処理を実行する(ステップB5)。また、ステップB3でグループIDおよびユニットIDが自ユニットのものでなければ、方向ビットも「0」であることから、エラーのデータフレームと認識し、受け取ったデータフレームに対して何も処理を実行しない(ステップB6)。
また、マスタユニットAとスレーブユニットCがIDの方向ビットを「0」に設定して、ほぼ同時にCANバス10にデータフレームを送出する場合も考えられる。この場合、優先させたいデータフレームのIDのプライオリティビットに予め「00」を設定しておいてもよく、グループIDおよびユニットIDの少なくともいずれか一方に予め優先順位を設けておいてもよい。
また、スレーブユニットは、外部からマスタ機能部に変更する旨の指示が入力されることで、上述のようにしてマスタユニットに変更するようにしてもよい。
本実施例では、上述したように、フレームのIDにおける方向ビットの情報を変更することで、スレーブユニットをマスタユニットとして動作させることが可能となる。このように、マスタユニットとスレーブユニットを固定することなく、自由に変更できる。
なお、実施例1および実施例2においては、データフレームのIDについて説明したが、リモートフレームについても同様である。
また、フレームの優先順位の決定方法は図9のフローチャートに示した方法に限らない。実施例1で説明したように、プライオリティビットの情報と方向ビットの情報を組み合わせて予め優先度を決めておけばよい。
また、実施例1および実施例2で説明した情報処理方法を通信システムに実行させるためのプログラムに適用してもよい。
標準フォーマットにおける本実施例のIDの構成を示す図である。 図1に示したIDに含まれる情報を示す表である。 拡張フォーマットにおけるIDの一構成例を示す図である。 図3に示したIDに含まれる情報を示す表である。 実施例1の通信システムの一構成例を示すブロック図である。 ユニットの一構成例を示すブロック図である。 データフレームの一構成例を示す図である。 通信システムの動作を説明するための図である。 優先度の判定方法の一例を示すフローチャートである。 データフレームの一構成例を示す図である。 スレーブユニットの動作手順を示すフローチャートである。 通信システムの動作を説明するための図である。 データフレームの一構成例を示す図である。 通信システムの動作を説明するための図である。 データフレームの一構成例を示す図である。 通信システムの動作を説明するための図である。 通信システムの動作手順を示すフローチャートである。 一般的なデータフレームおよびリモートフレームの構成を示す図である。
符号の説明
10 CANバス
61 記憶部
62 フレーム送受信部
63 制御部
64 CPU
65 メモリ
100、110、120、130 データフレーム
A マスタユニット
B〜N スレーブユニット

Claims (11)

  1. 通信フレームを信号線を介して送受信するマスタユニットおよびスレーブユニットを備えた通信システムによる情報処理方法であって、
    前記マスタユニットは、
    通信の優先度を示す優先順位情報と、送信の方向情報として送信方向がマスタ機能部からスレーブ機能部であることを示す第1の情報と、送信先の該スレーブユニットを特定するための識別情報とを含む通信フレームを生成し、
    生成した通信フレームを前記スレーブユニットに送信し、
    前記スレーブユニットは、
    前記マスタユニットから受信した通信フレームに対して、前記第1の情報の代わりに送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部であることを示す第2の情報を設定し、
    設定した通信フレームを該マスタユニットに送信する情報処理方法。
  2. 通信フレームを信号線を介して送受信するマスタユニットおよびスレーブユニットを備えた通信システムによる情報処理方法であって、
    前記スレーブユニットは、
    自ユニットを前記マスタ機能部に変更するための予め設定された条件になると、前記マスタユニットに前記通信フレームを送信する際、前記マスタユニットを特定するための識別情報と、送信の方向情報として送信方向がマスタ機能部からスレーブ機能部であることを示す第1の情報とを含む通信フレームを生成して前記マスタユニットに送信し、
    前記マスタユニットは、
    前記スレーブユニットから前記通信フレームを受信し、該通信フレームの前記方向情報が第1の情報であり、かつ前記識別情報が該マスタユニットを示すものであると、前記スレーブユニットが前記マスタ機能部に変更したことを認識し、
    その後、前記信号線を介して外部に送信するための通信フレームに自ユニットの前記識別情報と、前記方向情報として送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部であることを示す第2の情報とを設定する情報処理方法。
  3. 前記通信フレームについて、前記方向情報が前記第1の情報であれば前記第2の情報の場合よりも通信の優先度が高い請求項1または2記載の情報処理方法。
  4. 前記方向情報によらずに前記優先順位情報で前記通信フレームの優先度を最も高く設定することが可能な請求項1から3のいずれか1項記載の情報処理方法。
  5. 前記識別情報は、
    前記ユニットの所属するグループを特定するためのグループ識別情報と、該グループ内で該ユニットを特定するためのユニット識別情報とを有する請求項1から4のいずれか1項記載の情報処理方法。
  6. 前記通信フレームは、前記優先順位情報、前記方向情報および前記識別情報のうち該優先順位情報が先頭側に配置された請求項1から5のいずれか1項記載の情報処理方法。
  7. 通信フレームを信号線を介して送受信するマスタユニットおよびスレーブユニットを備えた通信システムであって、
    前記マスタユニットは、
    通信の優先度を示す優先順位情報と、送信の方向情報として送信方向がマスタ機能部からスレーブ機能部であることを示す第1の情報と、送信先の該スレーブユニットを特定するための識別情報とを含む通信フレームを生成して該スレーブユニットに送信し、
    前記スレーブユニットは、
    前記マスタユニットから受信した通信フレームに対して、前記第1の情報の代わりに送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部であることを示す第2の情報を設定して該マスタユニットに送信する通信システム。
  8. 通信フレームを信号線を介して送受信するマスタユニットおよびスレーブユニットを備えた通信システムであって、
    前記スレーブユニットは、
    自ユニットを前記マスタ機能部に変更するための予め設定された条件になると、前記マスタユニットに前記通信フレームを送信する際、前記マスタユニットを特定するための識別情報と、送信の方向情報として送信方向がマスタ機能部からスレーブ機能部であることを示す第1の情報とを含む通信フレームを生成して前記マスタユニットに送信し、
    前記マスタユニットは、
    前記スレーブユニットから受信した通信フレームの前記方向情報が第1の情報であり、かつ前記識別情報が該マスタユニットを示すものであると、前記スレーブユニットが前記マスタ機能部に変更したことを認識し、その後、前記信号線を介して外部に送信するための通信フレームに自ユニットの前記識別情報と、前記方向情報として送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部であることを示す第2の情報とを設定する通信システム。
  9. マスタユニットから信号線を介して受信する通信フレームについて処理を実行する情報処理装置であって、
    通信の優先度を示す優先順位情報と送信方向を示す方向情報として送信方向がマスタ機能部から前記情報処理装置の機能を有する処理機能部であることを示す第1の情報および送信方向が該処理機能部から該マスタ機能部であることを示す第2の情報とが格納された記憶部と、
    前記優先順位情報、前記方向情報となる前記第1の情報、および前記情報処理装置を特定するための識別情報を含む通信フレームを前記マスタユニットから受信すると、受信した該通信フレームに対して該第1の情報の代わりに前記第2の情報を設定して該マスタユニットに送信する制御部と、
    を有する情報処理装置。
  10. 通信フレームを信号線を介して送受信するマスタユニットおよびスレーブユニットを備えた通信システムに実行させるためのプログラムであって、
    前記マスタユニットは、
    通信の優先度を示す優先順位情報と、送信の方向情報として送信方向がマスタ機能部からスレーブ機能部であることを示す第1の情報と、送信先の該スレーブユニットを特定するための識別情報とを含む通信フレームを生成し、
    生成した通信フレームを前記スレーブユニットに送信し、
    前記スレーブユニットは、
    前記マスタユニットから受信した通信フレームに対して、前記第1の情報の代わりに送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部であることを示す第2の情報を設定し、
    設定した通信フレームを該マスタユニットに送信する処理を前記通信システムに実行させるためのプログラム。
  11. 通信フレームを信号線を介して送受信するマスタユニットおよびスレーブユニットを備えた通信システムに実行させるためのプログラムであって、
    前記スレーブユニットは、
    自ユニットを前記マスタ機能部に変更するための予め設定された条件になると、前記マスタユニットに前記通信フレームを送信する際、前記マスタユニットを特定するための識別情報と、送信の方向情報として送信方向がマスタ機能部からスレーブ機能部であることを示す第1の情報とを含む通信フレームを生成して前記マスタユニットに送信し、
    前記マスタユニットは、
    前記スレーブユニットから前記通信フレームを受信し、該通信フレームの前記方向情報が第1の情報であり、かつ前記識別情報が該マスタユニットを示すものであると、前記スレーブユニットが前記マスタ機能部に変更したことを認識し、
    その後、前記信号線を介して外部に送信するための通信フレームに自ユニットの前記識別情報と、前記方向情報として送信方向がスレーブ機能部からマスタ機能部であることを示す第2の情報とを設定する処理を前記通信システムに実行させるためのプログラム。
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