JP4371346B2 - 金属板材のエッジ部加熱制御方法およびその装置 - Google Patents

金属板材のエッジ部加熱制御方法およびその装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は金属板、金属管などの製造過程で金属板材のエッジ部加熱を制御する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鍛接鋼管製造工程では、常温の板材(スケルプまたは帯鋼)を板長手方向に送りながら加熱炉で加熱し、更に板材の両エッジ部をエッジヒーターで接合温度まで加熱する。ついで、板材を成形ロールで管状に成形したのち鍛接機で両エッジ部を接合する。上記加熱炉から出てきた板材の両エッジ部はもともと温度差があるので、温度差による接合不良を防ぐためエッジ部の加熱温度を制御している。例えば、特開平1−118312号公報で開示された「エッジヒータの制御装置」がある。このエッジヒータの制御装置では、予熱加熱炉の前段側で測定した板厚をエッジヒーターまでトラッキングして板厚に応じてエッジヒーターの出力を制御するとともに、エッジヒーターの後段側で測定した両エッジ部間の温度差に応じてエッジヒーターの板幅方向の位置を制御する。
【0003】
ところで、板材が蛇行などにより通板ラインセンターから板幅方向にずれることがある。通板ラインセンターからのずれにより、エッジ部とエッジヒーターとの相対位置がずれ、エッジ部を目標温度に加熱することができない。特に鍛接管製造工程では、エッジヒーターによりエッジ部温度を短時間(例えば、0.5秒)で鍛接温度まで昇温させ、かつ厳しい温度範囲(例えば15℃以内)に収めなければならない。上記エッジヒータの制御装置では、通板ラインセンターからずれたままで、エッジ部を加熱するので、エッジ部加熱制御の精度は低く、製品に形状不良あるいは接合不良などが生じることがある。また、上記エッジヒータの制御装置では、余熱加熱炉の前段側で測定した板厚をエッジヒーターまでトラッキングして板厚に応じてエッジヒーターの出力を制御する。したがって、板厚以外の外乱は考慮されずに出力制御がなされるので、高精度で加熱制御することはできず、制御システムは複雑になる。
【0004】
金属板材の熱間圧延工程では、良好な材料特性および板形状を得るためにエッジ部の加熱を制御し、板幅方向の温度分布を均一化することが行われている。例えば、特開昭57―14412号公報「熱間圧延材耳部の加熱方法及び装置」は、熱間仕上圧延機のスタンド側にサイドガイドと一体化して構成した高周波誘導加熱装置を配置し、該加熱装置により圧延材幅方向端部を所望の温度に急速加熱する。板材をサイドガイドで案内しながらエッジ部を急速加熱するが、両エッジ間の温度差を制御するものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、高い精度でエッジ部を加熱制御することができる金属板材のエッジ部加熱制御方法およびその装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の金属板材のエッジ部加熱制御方法は、金属板材の両側にそれぞれ配置したエッジヒーターで板長手方向に移動中の前記板材のエッジ部をそれぞれ加熱し、エッジヒーターを板幅方向に移動してエッジ部の加熱を制御する方法において、前記板材の通板ラインセンターからのずれに応じて両側のエッジヒーターを一体として板幅方向に移動し、両エッジ部間の温度差に応じて一方のエッジヒーターだけを板幅方向に移動する。
【0007】
この発明では、板材の通板ラインセンターからのずれに追従してエッジ部の温度差を制御するので、高い精度でエッジ部加熱を制御することができる。
【0008】
この発明の第2の金属板材のエッジ部加熱制御方法は、金属板材の両側にそれぞれ配置したエッジヒーターで板長手方向に移動中の前記板材のエッジ部をそれぞれ加熱し、エッジヒーターを板幅方向に移動してエッジ部の加熱を制御する方法において、前記エッジヒーターの板幅方向の移動が、板材の通板ラインセンターからのずれに応じて両側のエッジヒーターを一体として板幅方向に移動する連動モードと、両エッジ部間の温度差に応じて一方のエッジヒーターだけを板幅方向に移動する単動モードとからなり、板材の板幅方向の移動またはエッジ部間の温度差に応じて前記連動モードと単動モードとをそれぞれ切り替える。
【0009】
この発明では、板材の通板ラインセンターからのずれへの追従と温度差制御をそれぞれ独立して行い、連動モードと単動モードとを切り替える。したがって、エッジ部の加熱制御が簡単となり、高精度となる。
【0010】
この発明の第3の金属板材のエッジ部加熱制御方法は、金属板材の両側にそれぞれ配置したエッジヒーターで板長手方向に移動中の前記板材のエッジ部をそれぞれ加熱し、エッジヒーターを板幅方向に移動してエッジ部の加熱を制御する方法において、前記エッジヒーターの板幅方向の移動が、板材の通板ラインセンターからのずれに応じて両側のエッジヒーターを一体として板幅方向に移動する連動モードと、両エッジ部間の温度差に応じて一方のエッジヒーターだけを板幅方向に移動する単動モードとからなり、板材の通板ラインセンターからのずれを両側のエッジヒーターの電力差として検出し、前記電力差が許容範囲内に入るまでエッジヒーターを前記連動モードで移動し、その後、板材の板幅方向の移動またはエッジ部間の温度差に応じて前記連動モードと単動モードとをそれぞれ切り替える。
【0011】
この発明では、板材の通板ラインセンターからのずれを両側のエッジヒーターの電力差として検出するので、通板ラインセンターからのずれを高い応答性と精度で検出かつ制御することができる。
【0012】
この発明の第4の金属板材のエッジ部加熱制御方法は、金属板材の両側にそれぞれ配置したエッジヒーターで板長手方向に移動中の前記板材のエッジ部をそれぞれ加熱し、エッジヒーターを板幅方向に移動してエッジ部の加熱を制御する方法において、エッジヒーターの基準位置を昇温の最も大きい緩衝域の中心距離に緩衝域の幅を加えた距離に設定し、前記板材の通板ラインセンターからのずれに応じて両側のエッジヒーターを一体として板幅方向に移動し、両エッジ部間の温度差に応じて両側のエッジヒーターを一体として板幅方向に移動する。
【0013】
この発明では、両側のエッジヒーターを一体として板幅方向に移動して、通板ずれおよび両エッジ部間の温度差を解消するので、エッジヒーターの移動操作が簡単である。なお、単動モードに比べ昇温の調整能力は小さい。
【0014】
この発明の第5の金属板材のエッジ部加熱制御装置は、金属板材を板長手方向に移動する板材移動装置と、板材の両側にあって相対し、移動中の板材の両エッジ部をそれぞれ加熱するエッジヒーターと、エッジヒーターを板幅方向に移動するエッジヒーター移動装置とを備えたエッジ部加熱制御装置において、前記エッジヒーターの入側に配置された入側板表面温度分布計測装置と、エッジヒーターの出側に配置された出側板表面温度分布計測装置と、入側および出側の板表面温度分布を表示する表示装置とを備えている。前記エッジヒーター移動装置が相対するエッジヒーターをそれぞれ独立して移動させることが可能である。
【0015】
この発明では、エッジヒーター移動装置が相対するエッジヒーターをそれぞれ独立して移動可能である。したがって、前記連動モードおよび単動モードの両モードを実施することができるので、エッジ部加熱を高精度で行うことができる。
【0016】
この発明の第6の金属板材のエッジ部加熱制御装置は、金属板材を板長手方向に移動する板材移動装置と、移動中の板材の両エッジ部を加熱するエッジヒーターと、エッジヒーターを板幅方向に移動するエッジヒーター移動装置とを備えたエッジ部加熱制御装置において、前記エッジヒーターの入側に配置された入側板表面温度分布計測装置と、エッジヒーターの出側に配置された出側板表面温度分布計測装置と、コンピューターとを備えている。前記コンピューターは前記出側板表面温度分布計測装置からの計測温度分布から求めた板材の通板ラインセンターからのずれに基づき相対する前記エッジヒーターが一体となって板幅方向に移動し、入側板表面温度分布計測装置からの計測温度分布から求めた両エッジ部間の温度差に基づき一方の前記エッジヒーターだけを板幅方向に移動する制御信号を前記エッジヒーター移動装置に出力する。
【0017】
この発明では、板材の通板ラインセンターからのずれに追従し、エッジ部加熱を自動的に高精度で行うことができる。
【0018】
この発明の第7の金属板材のエッジ部加熱制御装置は、金属板材を板長手方向に移動する板材移動装置と、板材の両側にそれぞれ配置され、移動中の板材の両エッジ部をそれぞれ加熱するエッジヒーターと、エッジヒーターを板幅方向に移動するエッジヒーター移動装置とを備えたエッジ部加熱制御装置において、前記エッジヒーターの入側に配置された入側板表面温度分布計測装置と、エッジヒーターの出側に配置された出側板表面温度分布計測装置と、両側のエッジヒーターの電力をそれぞれ計測する電力計測装置と、コンピューターとを備え、前記コンピューターは前記エッジヒーター間の電力差が許容範囲内となるまでエッジヒーターを一体として移動し、前記入り側板表面温度分布計測装置からの計測温度分布から求めた両エッジ部間の温度差に基づき一方の前記エッジヒーターだけを板幅方向に移動する制御信号を前記エッジヒーター移動装置に出力する。
【0019】
この発明の金属板材のエッジ部加熱制御装置では、板材の通板ラインセンターからのずれを両側のエッジヒーターの電力差として検出するので、通板ラインセンターからのずれを高い応答性と精度で検出かつ制御することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明のエッジ部加熱制御装置を備えた鍛接管製造設備の主要部の1例を模式的に示す装置構成図である。
鍛接管製造設備の主要部は、加熱炉12、エッジ部加熱制御装置20、鍛接機60、絞りロール66などが順次配置されている。加熱炉12はガスバーナー燃焼炉で、通板装置10で送り込まれた板材1を所定の温度にほぼ一様に加熱する。
【0021】
エッジ部加熱制御装置20は、図2に示すように支柱21に支えられたガーダー22上にレール23が設けられている。2台の台車25Dおよび25Wがレール23上を移動する。以下、参照符号中のDはドライブサイドを、Wはワークサイドをそれぞれ表わすものとする。台車25D、25Wは、電動駆動装置26D、25Wにより駆動されて前後(図2では左右)に移動する。台車25D、25Wから昇降フレーム33D、33Wが昇降装置28D、28Wを介して吊り下げられている。昇降装置28D、28Wは電動機29、伝導機構30およびねじ軸31を備えている。ねじ軸31の下端部は昇降フレーム33D、33Wの上部のめねじ(図示しない)にはめ合っており、電動機29の駆動により昇降フレーム33D、33Wは昇降する。
【0022】
昇降フレーム33D、33Wにはエッジヒーター35D、35Wが取り付けられている。エッジヒーター35D、35Wは、板材1の両側に位置し、相対している。エッジヒーター35D、35Wのコイル36D、36Wには、電源38よりケーブル(図示しない)を介して電力が供給される。ドライブサイドのコイルDとワークサイドのコイルWとは、並列に接続され、一つの電源38から電力が供給される。したがって、電力をそれぞれ調整できないために、全体出力調整とエッジヒーター35D、35Wの移動によってエッジ部温度を制御する。上記並列接続により、両コイル36D、36W間に位相ずれがないため、スパークが少なく、加熱効率の低下を防ぐことができるという利点がある。出力が小さい場合はスパークも発生しにくいので、直列接続にすることもできる。なお、設置面積の制限により2台のエッジヒーター35D、35Wを相対するように配置できない場合、通板ラインセンターに沿ってずらし、千鳥型に配置するようにしてもよい。
【0023】
エッジヒーター35D、35Wへの供給電力、エッジヒーター35D、35Wの位置などの調整は操作盤40で行う。図3に示すように操作盤40は、モニター42、電力計、温度計などの計器類44、レバー46、ダイアル47などの操作端を備えている。操作盤40上のモニター42を見ながらレバー46を操作して台車25D、25Wを移動してエッジヒーター35D、35Wの位置を調整する。エッジヒーター35D、35Wの高さ位置はダイアル47で昇降フレーム33D、33Wを昇降して調整する。
【0024】
加熱炉12とエッジヒーター35D、35Wとの間に入側板表面温度分布計測装置14が、エッジヒーター35D、35Wと成形ロール62との間に出側板表面温度分布計測装置15がそれぞれ配置されている。入側板表面温度分布計測装置14は、加熱炉12で加熱された板材1の板幅方向の板表面温度分布を計測する。出側板表面温度分布計測装置15は、エッジヒーター35D、35Wで加熱された板材1の板幅方向の板表面温度分布を計測する。板表面温度分布計測装置14,15は例えば放射温度計であり、少なくとも板中央部および両エッジ部を計測する。
【0025】
鍛接機60は成形ロール62、ウエルディング・ホーン63、および鍛接ロール64からなっている。エッジ部が接合された管3は、絞りロール66で成形される。
【0026】
以上のように構成された設備において、エッジ部加熱制御は次のようにして行われる。
造管作業開始前に、板材1の幅に応じて台車25D、25Wを所定の加熱位置に移動する。造管作業が始まると、入側板表面温度分布計測装置14および出側板表面温度分布計測装置15で温度分布が計測され、その結果は操作盤40のモニター42に表示される。作業者はモニター42を監視しながら、操作盤40のレバー46を操作してエッジヒーター35D、35Wをドライブサイドまたはワークサイドに移動する。エッジヒーター35D、35Wの板幅方向の移動について、連動モードと単動モードとがある。連動モードは、板材1の通板ラインセンターからのずれ(通板ずれ)に応じて両側のエッジヒーター35D、35Wを一体として板幅方向に移動する。単動モードは、両エッジ部の温度差に応じて一方のエッジヒーター35Dまたは35Wだけを板幅方向に移動する。連動モードが基準モードであり、常時は連動モードで運転する。なお、全体出力調整はダイヤル47で行う。
【0027】
[連動モード]
図4(a)は、板材1の幅方向中心が通板ラインセンターCに一致している場合を示している。図4(b) に示すように、板材1の幅方向中心Dが通板ラインセンターCから距離dだけずれた場合、両エッジヒーター35W、35Dを距離dだけ、基準間隔Sを保持したまま一体として移動する。このとき、両エッジ部に温度差が生じないように、板材1とエッジヒーター35D、35Wとの相対距離(エッジヒーター35D、35Wと板材との基準ラップ)を保持したまま移動する。
【0028】
板材の通板ずれは、次のようにして求める。出側板表面温度分布計測装置15で計測された板表面温度分布は、例えば0.2秒間隔でモニター42に表示される。板表面温度分布は、図5(b)に示すようにエッジ部の外側でほぼ垂直に下がっており、両側の垂直部分間の中心が板材1の幅方向中心を示している。モニター42には通板ラインセンターが表示されており、この通板ラインセンターと上記板材1の幅方向の中心との間隔が通板ずれとなる。この通板ずれを参照して、両エッジヒーター35D、35Wの中心を板材1の中心に合わせる。
【0029】
台車25D、25Wは移動速度はあらかじめ一定に設定されているので、エッジヒーター35D、35Wの移動距離はレバー46の操作時間で決まる。2台の台車25D、25Wはそれぞれ同じ移動距離が指定され、したがって間隔一定で現在位置から移動距離±誤差許容範囲内に入るまで、レバー46を操作して台車25D、25Wの電動駆動装置26D、26Wを駆動する。
【0030】
[単動モード]
図5において、図5(a)は前記加熱炉から出た板材の板幅方向の板表面温度分布Aを示している。板表面温度分布Aは理想的な温度分布を示しており、実際には両エッジ部で温度差があるため、加熱後も図5(b)の温度分布Bに示すように両エッジ部には温度差ΔTが生じる。図5(b)の例では、ドライブサイドのエッジ部の温度がワークサイドの温度よりも高くなっている。そこで、図5(c)に示すように移動量bだけドライブサイド・エッジヒーター35Dをエッジ部より遠ざけ、加熱量を低減する。この結果、温度差は温度分布Cに示すようにほぼ等しくなる。エッジヒーター35D、35Wの間隔は基準間隔Sより広がる。
【0031】
[連動モード・単動モードの切替え]
操業中は前述のように常時、連動モードとなっている。連動モードで運転中に両エッジ部に温度差が生じたときに、切替え直前の通板ラインセンターCを保持したまま単動モードに切り替え、一方のエッジヒーターを移動させる(図6(a)参照)。単動モードで温度差がなくなった時点で、連動モードに切り替える(図6(b)参照)。単動モードから連動モードに戻しても基準間隔Sには戻らず、単動モードで操作された最終の間隔S′を保持したまま一体となって移動する。したがって、基準間隔Sに戻すには単動モードの状態で移動させエッジヒーター35Dを戻す。
【0032】
図7は、この発明のエッジ部加熱制御装置を備えた鍛接管製造設備の主要部の他の例を模式的に示している。板材の通板ラインセンターからのずれを両側のエッジヒーターの電力差で検出する点、および加熱制御にコンピューターを利用している点で、図1の設備とは異なっている。図1に示す設備と同様の装置には同じ参照符号を付け、その説明は省略する。上記電力差は電力計52で検出する。入側板表面温度分布計測装置14および出側板表面温度分布計測装置15で検出した温度分布、および電力計52で検出した電力差は、制御コンピューター50に出力される。制御コンピューター50は、板材1の通板ずれ(つまり電力差)が許容範囲を超えると、エッジヒーター35D、35Wが移動して通板ずれを修正するようプログラムされている。電力の許容差は、例えば相対差で大きい方の電力の5%、あるいは絶対差で20kWである。温度差と移動量との関係および電力差と通板ずれとの関係は、操業実績より求められており、あらかじめ制御コンピューター50のデータベースに格納されている。通板ずれは連動モードにより、温度差は単動モードによりエッジヒーター35D、35Wの位置を制御することは前述のとおりである。台車25D、25Wの電動駆動装置26D、26Wは制御コンピューター50からの制御信号により制御され、エッジヒーター35D、35Wは所定の位置に移動する。
【0033】
両エッジ部の温度差は単動モードで解消するものであったが、連動モードでも可能である。すなわち、図8に示すようにエッジヒーター35D、35Wのコイル中心がエッジ部近傍にあるときにエッジ部の昇温が最も大きく、コイル中心から離れるに従い徐々に小さくなる。昇温の最も大きい領域はある程度の幅があり、加熱についての緩衝域となっている。エッジヒーター35D、35Wの基準位置を緩衝域の中心距離に更に緩衝域の幅を加えた距離に設定する。例えば、ドライブサイドのエッジ部が緩衝域から外れ、ワークサイドのエッジ部が緩衝域内にとどまるようにエッジヒーター35D、35Wの位置を設定する。連動モードでエッジヒーター35D、35Wを移動すると、ドライブサイドのエッジ部は温度が下がるが、ワークサイドのエッジ部は温度はほとんど変化しない。これにより、連動モードでエッジ部温度を制御することができる。
【0034】
この発明は上記実施の形態に限られるものではなく、例えば電力差により通板ずれを手動、つまりレバーなどを操作して修正するようにしてもよい。また、鍛接管製造工程でのエッジ部加熱制御について説明したが、この発明は、熱間圧延にも適用可能である。
【0035】
【発明の効果】
この発明では、板材の通板ラインセンターからのずれに追従してエッジ部の温度差を制御するので、高い精度でエッジ部加熱を制御することができる。連動モードと単動モードとで独立してエッジヒーターを制御することにより、簡単な制御システムで、制御精度を向上させることができる。単動モードで温度差を合わせる際、ドライブサイドおよびワークサイドのエッジヒーターの電力バランス調整が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のエッジ部加熱制御装置を備えた鍛接管製造設備の主要部の1例を模式的に示す設備構成図である。
【図2】図1に示すエッジ部加熱制御部装置の正面図である。
【図3】図1に示すエッジ部加熱制御装置の操作盤の正面図である。
【図4】エッジヒーター移動方式の一つである連動モードの説明図である。
【図5】エッジヒーター移動方式の他の一つである単動モードの説明図である。
【図6】連動モード・単動モード切替えの説明図である。
【図7】この発明のエッジ部加熱制御装置を備えた鍛接管製造設備の主要部の他の例を模式的に示す設備構成図である。
【図8】コイル中心からの距離と加熱能力との関係を模式的に示す線図である。
【符号の説明】
1 板材
12 加熱炉
14、15 板材表面温度分布計測装置
20 エッジ部加熱制御装置
25 台車
28 昇降装置
33 昇降フレーム
35 エッジヒーター
36 エッジヒーターのコイル
38 電源
40 操作盤
42 モニター
46 操作レバー
50 制御コンピューター
52 電力計
60 鍛接機

Claims (7)

  1. 金属板材の両側にそれぞれ配置したエッジヒーターで板長手方向に移動中の前記板材のエッジ部をそれぞれ加熱し、エッジヒーターを板幅方向に移動してエッジ部の加熱を制御する方法において、前記板材の通板ラインセンターからのずれに応じて両側のエッジヒーターを一体として板幅方向に移動し、両エッジ部間の温度差に応じて一方のエッジヒーターだけを板幅方向に移動することを特徴とする金属板材のエッジ部加熱制御方法。
  2. 金属板材の両側にそれぞれ配置したエッジヒーターで板長手方向に移動中の前記板材のエッジ部をそれぞれ加熱し、エッジヒーターを板幅方向に移動してエッジ部の加熱を制御する方法において、前記エッジヒーターの板幅方向の移動が、板材の通板ラインセンターからのずれに応じて両側のエッジヒーターを一体として板幅方向に移動する連動モードと、両エッジ部間の温度差に応じて一方のエッジヒーターだけを板幅方向に移動する単動モードとからなり、板材の板幅方向の移動またはエッジ部間の温度差に応じて前記連動モードと単動モードとをそれぞれ切り替えることを特徴とする金属板材のエッジ部加熱制御方法。
  3. 金属板材の両側にそれぞれ配置したエッジヒーターで板長手方向に移動中の前記板材のエッジ部をそれぞれ加熱し、エッジヒーターを板幅方向に移動してエッジ部の加熱を制御する方法において、前記エッジヒーターの板幅方向の移動が、板材の通板ラインセンターからのずれに応じて両側のエッジヒーターを一体として板幅方向に移動する連動モードと、両エッジ部間の温度差に応じて一方のエッジヒーターだけを板幅方向に移動する単動モードとからなり、板材の通板ラインセンターからのずれを両側のエッジヒーターの電力差として検出し、前記電力差が許容範囲内に入るまでエッジヒーターを前記連動モードで移動し、その後、板材の板幅方向の移動またはエッジ部間の温度差に応じて前記連動モードと単動モードとをそれぞれ切り替えることを特徴とする金属板材のエッジ部加熱制御方法。
  4. 金属板材の両側にそれぞれ配置したエッジヒーターで板長手方向に移動中の前記板材のエッジ部をそれぞれ加熱し、エッジヒーターを板幅方向に移動してエッジ部の加熱を制御する方法において、エッジヒーターの基準位置を昇温の最も大きい緩衝域の中心距離に緩衝域の幅を加えた距離に設定し、前記板材の通板ラインセンターからのずれに応じて両側のエッジヒーターを一体として板幅方向に移動し、両エッジ部間の温度差に応じて両側のエッジヒーターを一体として板幅方向に移動することを特徴とする金属板材のエッジ部加熱制御方法。
  5. 金属板材を板長手方向に移動する板材移動装置と、板材の両側にそれぞれ配置され、移動中の板材の両エッジ部をそれぞれ加熱するエッジヒーターと、エッジヒーターを板幅方向に移動するエッジヒーター移動装置とを備えたエッジ部加熱制御装置において、前記エッジヒーターの入側に配置された入側板表面温度分布計測装置と、エッジヒーターの出側に配置された出側板表面温度分布計測装置と、入側および出側の板表面温度分布を表示する表示装置とを備え、前記エッジヒーター移動装置が両側のエッジヒーターをそれぞれ独立して移動可能であることを特徴とする金属板材のエッジ部加熱制御装置。
  6. 金属板材を板長手方向に移動する板材移動装置と、板材の両側にそれぞれ配置され、移動中の板材の両エッジ部をそれぞれ加熱するエッジヒーターと、エッジヒーターを板幅方向に移動するエッジヒーター移動装置とを備えたエッジ部加熱制御装置において、前記エッジヒーターの入側に配置された入側板表面温度分布計測装置と、エッジヒーターの出側に配置された出側板表面温度分布計測装置と、コンピューターとを備え、前記コンピューターは前記出側板表面温度分布計測装置からの計測温度分布から求めた板材の通板ラインセンターからのずれに基づき両側のエッジヒーターを一体として板幅方向に移動し、入側板表面温度分布計測装置からの計測温度分布から求めた両エッジ部間の温度差に基づき一方の前記エッジヒーターだけを板幅方向に移動する制御信号を前記エッジヒーター移動装置に出力することを特徴とする金属板材のエッジ部加熱制御装置。
  7. 金属板材を板長手方向に移動する板材移動装置と、板材の両側にそれぞれ配置され、移動中の板材の両エッジ部をそれぞれ加熱するエッジヒーターと、エッジヒーターを板幅方向に移動するエッジヒーター移動装置とを備えたエッジ部加熱制御装置において、前記エッジヒーターの入側に配置された入側板表面温度分布計測装置と、エッジヒーターの出側に配置された出側板表面温度分布計測装置と、両側のエッジヒーターの電力をそれぞれ計測する電力計測装置と、コンピューターとを備え、前記コンピューターは前記エッジヒーター間の電力差が許容範囲内となるまでエッジヒーターを一体として移動し、前記入り側板表面温度分布計測装置からの計測温度分布から求めた両エッジ部間の温度差に基づき一方の前記エッジヒーターだけを板幅方向に移動する制御信号を前記エッジヒーター移動装置に出力することを特徴とする金属板材のエッジ部加熱制御装置。
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