JP4371276B2 - 貼付装置 - Google Patents
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Description
前記COFは、例えば厚さが数十μm程度しかなく、一般に極めて薄い。したがって、そのCOFの元となる、長尺のテープ状のフィルムに形成された回路素子や配線等(これら回路素子及びフィルム等からなる構成は、本明細書でいう「フレキシブルプリント基板」に該当する。)を当該フィルムから切り出した後、その回路素子、配線等の一部としての端子部を、他の何らかの電子機器等に接続する場合には困難が生じる。なぜなら、もともとのフィルムの厚さが薄いため、前記のように切り出された回路素子、配線等には、その一部である端子部も含めて、十分な物理的強度がなく、いわば「腰」がないためである。
そこで、このような場合、前記貼付材は前記端子部に貼り付けられ得る。これにより、当該端子部は貼付材が貼り付けられた分だけ厚くなり、一定程度以上の物理的強度を持ちうるからである。このようにしておけば、当該端子部の電子機器等への接続を容易に行うことができる。
また、本発明は、前述したようなCOFを構成する回路素子、配線、端子等に貼付材を貼り付けるのに適した貼付装置を提供することを他の目的とする。
前記第2貼付材搬送手段による前記貼付材の前記第2搬送系路の最終地点は、前記ターンテーブルの円周部分の一部を含む第1領域内に含まれ、
前記角度調整手段は、前記第1領域から前記円周方向に沿って一定の距離だけ離間した前記円周部分の一部を含む第2領域内に備えられ、
前記被貼付材搬送手段による前記被貼付材の搬送経路の一部は、前記第2領域から前記円周方向に沿って一定の距離だけ離間した前記円周部分の一部を含む第3領域内に含まれ、前記ヘッドは前記ターンテーブルに少なくとも3つ以上備えられるように構成してもよい。
第2に、貼付材の貼付が鉛直方向下側から実行される場合、貼付材と被貼付材との間に異物を挟み込むおそれが極めて低減されるので、高品質な貼付処理を実行することができる。貼付材の位置決めが位置決め手段により正確になされ、あるいは被貼付部の配置態様に応じて貼付材の角度が好適に定められ得るならば、貼付品質の向上に貢献することは言うまでもない。
第3に、ターンテーブルを備えて連続処理が可能な場合、貼付処理速度向上による生産性の増大を実現することができる。
なお、このような貼付処理が実行されたフレキシブルプリント基板を適当に裁断し、その裁断された片々にIC、LSI等をフリップチップすれば、COFとなる。
貼付材巻出リール11は、例えばポリイミドフィルム、ガラスエポキシフィルム等、テープ状の、保護フィルム付きの貼付材Sが巻かれているリールである。このテープ状の貼付材Sは、後述するように、適当に切断された後、被貼付材Fに対して貼付される。
なお、この切り出された貼付材Sは、後述するように、被貼付材Fへ貼付するために用いられるが、その幅は、もともとのテープ状の貼付材Sの幅と同一である。つまり、本実施形態においては、貼付材巻出リール11に巻き取られているテープ状の貼付材Sは、余すところなく利用され尽くされ得るようになっているのである。
このうちターンテーブル25は、テーブル回転機構251に接続されている。テーブル回転機構251は、図示しない駆動モータを備えている。ターンテーブル25は、この駆動モータから動力を受けて回転する。この回転は、図2に示すように、ターンテーブル25の輪郭を形作る円の中心を中心軸として行われる(図2中矢印参照)。
なお、図1では、図中左右の貼付ヘッド機構21及び23のみが示され、紙面に対して向こう側に配置される貼付ヘッド機構22及びこちら側に配置される貼付ヘッド機構24については図示されていない。また、図2では、各貼付ヘッド機構21乃至24を構成する要素のうち、貼付ヘッド211乃至241のみが図示されている。
このカム212は、平面視した輪郭形状の概ね中心部に回転軸219を備える。カム212は、この回転軸219を中心としてボディ215上で回転可能である。また、カム212は、図示しないばねによって図に示す矢印の方向に常に付勢されている。このばねの付勢によって、カム212の段差部212Xがストッパ212Sに当接しており、該カム212は常態において図4の状態で静止している。
また、ストッパレバー214もまた、前記のカム212と同様、回転軸(不図示)及びばねを備えている。回転軸は、前記の略三角形状の部分と略四角形状の部分との接合部付近に備えられている。他方、ばねは、当該ストッパレバー214を図に示す矢印の方向に常に付勢する。図4では、当該ばねの付勢力に抗して、カム212の後端部(図4では上方の部分)が、ストッパレバー214の先端部214Sを図中上方に跳ね上げた状態が示されている。
なお、上記で接合という言葉を用いたが、図4に示すような形態のストッパレバー214を当初から一体的なものとして製造してよいことは言うまでもない。
まず、クッションばね216は、ボディ215の下端に接続されている。このクッションばね216は、後述するヘッド上昇機構により貼付ヘッド機構21が上昇したとき、前記貼付ヘッド211が受ける図中下側方向の力による衝撃を緩和する役割を担う。
なお、上述のヘッド回転用ハンドル218、ハンドル取付用部材218A、回転軸219、カム212及び貼付ヘッド211は、固定的なボディ215ないしターンテーブル25に対して、貼付ヘッド機構21の中心軸方向、すなわち図3中上下方向(以下、「Z軸方向」ということがある。後述の図6の上方に示した矢印参照)に移動可能に構成されている。このような動作が行われうることは、後述するヘッド上昇機構27との間で関わりがある。
ヘッド上昇機構27は、プッシャ271、シリンダ272及び図示しない駆動モータを備えている。このうちプッシャ271は略円柱形状をもち、略円筒形状をもつシリンダ272内に図中上下方向に移動可能に収納されている。また、このプッシャ271は、その図中上方向の移動のための動力を発生する駆動モータに接続されている。これにより、プッシャ271が図中上方向に移動した場合には、該プッシャ271の図中上端部が、前記した貼付ヘッド機構21のヘッド回転用ハンドル218の同下端部に当接し、更にこれを持ち上げる。その結果、ヘッド回転用ハンドル218、ハンドル取付用部材218A、回転軸219及びカム212へと力の伝達が行われ、最終的に、貼付ヘッド211が図中上方向へと移動することになる。
一方、昇降ベッド283は、図中上下方向に移動可能に構成された側面L字状の部材である。昇降ベッド283は、当該L字を構成する一方の板状部分で前記チャック281を支持している。また、当該L字を構成する他方の板状部分は、基台285の柱状部に取り付けられている。該柱状部内には、図示しないボールねじが組み込まれ、該ボールねじに前記他方の板状部分の一部が接続されている。チャック上昇用モータ284は、前記ボールねじに接続されている。これにより、チャック281は、チャック上昇用モータ284の動力を受けて、図中上下方向、即ちZ軸方向に移動可能となっている。
この図7において、被貼付材Fは、複数の電子回路C,C,…がフィルム上に形成されたものとなっている。複数の電子回路Cのそれぞれには端子Tが含まれている。この端子Tは、当該電子回路Cがフィルムから切り離された後、該電子回路Cとは別の何らかの回路ないし電子機器等との間を接続するために用いられる。
この場合、端子Tは、当該回路ないし電子機器等に備えられたコネクタに挿し込まれるために用いられ得るが、このような挿入行程が行われる場合においては、当該端子Tの部分は一定程度の材料的な強さ、あるいは硬さ等、すなわちいわば「腰」をもっていることが望ましい。そうであれば、コネクタへの端子Tの接続を容易に行いうるからである。
ところが、その母材たるフィルムは、厚さが例えば50μm程度などと薄い場合が多く、前記の材料的な強さ等はもたないのが一般的である。
そこで、本実施形態の貼付材Sは、この端子Tに一定程度の強さ等を与える目的で利用される。すなわち、フィルム上の端子Tが形成された部分に貼付材Sを貼り付けることにより、当該部分の材料的強さ等を向上させうるのである。
これらヒータ295及びヒータ昇降装置296は、図6に示すように、被貼付材巻出リール291及び被貼付材巻取リール294間における貼付ヘッド機構21乃至24が配置されうる位置に対応する位置に備えられている。また、ヒータ295は、被貼付材Fの図中上側の面に対向するように配置されている。これに対して、貼付ヘッド機構21乃至24は、被貼付材Fの図中下側の面に対向するように配置されている。したがって、被貼付材Fは、ヒータ295と貼付材Sを備えたヘッド211との間に挟み込まれるような位置づけを与えられる。また、ヒータ295の熱は、被貼付材Fにおける熱伝導を経て貼付材Sに到達する。該貼付材Sの接着剤には、このようにして熱が与えられることになる。
この制御部100は、(1)貼付材搬出機構1を構成する、上述の貼付材繰出装置12、貼付材切断装置14及び貼付材搬送装置15を駆動制御する。これにより、貼付材Sの所望長さの切断、またこのようにして切り出された貼付材Sの貼付ヘッド機構21乃至24への搬送等が好適に行われる。
また、制御部100は、(2)貼付材貼付機構2を構成する、貼付ヘッド機構21乃至24についてのX軸方向及びZ軸方向の移動及び該貼付ヘッド機構21乃至24の中心軸を中心とした回転を実現するため、ヘッド上昇機構27、ヘッド回転機構28及び水平方向移動機構26を構成する各種の駆動モータを駆動制御する。また、ヘッド位置決め機構を構成するプランジャ213の動作及びテーブル回転機構251を構成する駆動モータの駆動制御をも行う。
さらに、制御部100は、(3)貼付材貼付機構2を構成する、貼付実行機構29のCCDカメラ292が撮像した画像について適当な処理を実行し、その画像処理結果に基づいて、被貼付材搬送装置293を駆動制御して、被貼付材Fの位置決めを行う。また、制御部100は、ヒータ295の加熱状態を監視し、加えて、ヒータ昇降装置296に備えられた駆動モータを駆動制御する。
上記に特記した以外にも、制御部100は、本実施形態の貼付装置における動作全体を制御統括する。
本実施形態においては、この貼付材Sの受け取り場所は、図2に示す領域St1に定められており、この場所は常に一定である。すなわち、この領域St1には、ターンテーブル25の回転によって貼付ヘッド機構21乃至24のそれぞれが位置付けられ得るものの、当該領域St1の、貼付材Sが受け渡される場所としての性格付けは変わらない。例えば、領域St1に貼付ヘッド機構21が位置付けられている場合には、貼付ヘッド211に貼付材Sは受け渡されるし、貼付ヘッド機構24が位置付けられている場合には、貼付ヘッド241に貼付材Sは受け渡されるのである。
領域St1において、貼付材搬送装置15及び貼付ヘッド機構21が対向するように配置されたら、続いて、当該領域St1に対応して設置されているヘッド上昇機構27を駆動して、貼付ヘッド機構21を図1中上方向に移動する。すなわち、制御部100は、ヘッド上昇機構27のプッシャ271に接続された駆動モータを制御することで、該プッシャ271を図中上方向に移動する。これにより、プッシャ271の上端がヘッド回転用ハンドル218の下端に当接し、前者の力が後者へと伝達される。また、ヘッド回転用ハンドル218が受けた図中上方向の力は、貼付ヘッド211へと伝達されることから、該ヘッド211も図中上方向に移動する。そして、この貼付ヘッド211の上昇とタイミングを計って、吸引用チューブ217に接続されたエアポンプを駆動することで、貼付ヘッド211の吸引口211Aから空気の吸引を開始すると共に、貼付材搬送装置15の吸着部における吸引を停止する。これにより、貼付材Sは、貼付材搬送装置15から貼付ヘッド211へと受け渡されることになる。そして、貼付ヘッド211に受け渡された貼付材Sは、吸引口211Aに基づく吸引力によって該貼付ヘッド211上に固定される。
より詳細にはまず、制御部100は、ヘッド回転機構28を構成するチャック上昇用モータ284を駆動制御することで、昇降ベッド283及びチャック281を図3中上方向に移動する。これにより、該チャック281の孔281Aにヘッド回転用ハンドル218が嵌合される。続いて、制御部100は、ヘッド回転用モータ282を駆動制御することで、ヘッド回転用ハンドル218が嵌め合わされた状態のチャック281を回転する。これにより、ヘッド回転用ハンドル218は、貼付ヘッド機構21の中心軸を中心として回転することになる。そして、このヘッド回転用ハンドル218の回転に伴い、ハンドル取付用部材218A、回転軸219及びカム212もまた、同様に回転することになる。
すなわち、カム212が、図4において、反時計回りに回転し始めると、ストッパレバー214の先端部214Sは、該カム212の外周をなぞりながらも、その位置は、該ストッパレバー214に固有に与えられている付勢力の影響によって、自然に軸心方向へと変じていく。そして、カム212が図4からみて反時計回りに90度だけ回転したときには、前記先端部214Sは、カム212の側面部の段差部212Yに係合するかの如き状態に至る。この場合、先端部214Sは、前記の付勢力によって、なお中心軸方向へと移動しようとする一方、カム212は、それに固有に与えられている付勢力によって、それまでの回転を打ち消そうとするような回転(即ち、時計回りの回転)をしようとする。しかしながら、この回転は、前述のストッパレバー214の先端部214Sと段差部212Yとの係合とによって阻まれる。このようにして、カム212は、図5に示す状態で固定されることになる。
なお、前記の回転及び固定が完了したら、ヘッド回転機構28の昇降ベッド283は原位置まで下降させておく。
より詳細にはまず、制御部100は、被貼付材搬送装置293を駆動制御して、被貼付材巻出リール291から被貼付材Fを巻き出す。巻き出された被貼付材Fの表面は、CCDカメラ292によって撮像される。
ちなみに、前記の領域St2で行われた貼付ヘッド211の回転及び固定は、図7からもわかるように、該貼付ヘッド211上の貼付材Sと、被貼付材F上の電子回路Cの端子Tの形成部分とを好適に対向させるための処理であったことが明らかとなっている。すなわち、貼付ヘッド211が領域St2で回転されていなければ、貼付材Sの輪郭形状と端子Tの形成部分のそれとは全く合致していなかったのである(以上の点に関して、図8に示す被貼付材Fと領域St3に位置付けられた貼付ヘッド221との配置関係も参照。)。
さらに、このような位置合わせ行程では、場合によっては、被貼付材Fに所定のアライメントマークを形成しておくとよい。これによれば、被貼付材Fにおける被貼付部と貼付ヘッド211上の貼付材Sとの位置合わせが、より好適に行われうる。
これにより、被貼付材Fは、図6中上方から接近してくるヒータ295と、同図中下方から接近してくる貼付ヘッド211との間に挟み込まれる。そして、両者が被貼付材Fを介しながらも当接した段階で、ヒータ295の熱が貼付材Sの接着剤に伝わることにより、当該接着剤は接着性を発揮する。また、両者間の当接では、双方が互いに所定の力を及ぼし合い、その結果、貼付材S及び被貼付材F間には好適な力が加わることになる。なお、両者間の接着が一定程度完了した頃合い(例えば、0.2〜1秒程度である。)を見計らって、貼付ヘッド211の吸引口211Aからの空気吸引は停止される。
より詳細にはまず、制御部100は、貼付ヘッド機構21のボディ215上に備えられたプランジャ213を動作させる。すなわち、プランジャピン213Pを突出させて、これをストッパレバー214の後端部に当接させ、更にこれを押す。これにより、ストッパレバー214は、該レバー214のために固有に備えられたばねの付勢力に抗するように、その回転軸を中心として時計回りに回転する。これにより、ストッパレバー214の先端部214Sとカム212の側面部の段差部212Yとの係合が解除される。すると続いて、カム212は、自身に備えられたばねの付勢力によって、時計回りに自動的に回転する。カム212は、その段差部212Xがストッパ212Sに引っ掛かるに至るまで回転し、その状態が実現したところで回転を止める。こうして、貼付ヘッド211は、当初の状態、すなわち図4に示す状態に復帰する。なお、図8の領域St4では、貼付ヘッド231が、いま述べたような原点復帰動作を行っている様子が示されている。
このカム212の回転力は、領域St2におけるのとは逆の方向、すなわち回転軸219、ハンドル取付用部材218A及びヘッド回転用ハンドル218へと伝達する。これにより、これらの要素についても、当初の状態への復帰が果たされることになる。
なお、このような原点復帰動作においては、図3に示したヘッド回転機構28の利用を図るようにしてもよい。すなわち、図3のヘッド回転機構28を、領域St2のみではなく領域St4にも設けておくことで、該ヘッド回転機構28のチャック281の回転によって、カム212、あるいは貼付ヘッド211等に関する原点復帰動作を行うようにしてよい。その動作態様は、前記の領域St2に関する説明が、ほぼ同様あてはまる(ただし、回転方向は反対である。また、プランジャピン213Pの突出前に、チャック281はヘッド回転用ハンドル218を把持している必要がある。)。
このような形態によれば、カム212等は、前記のようにばねの弾性力だけで原点復帰動作を行う場合に比べて、いわば緩やかな動作で原点復帰動作を行うことができる。したがって、かかる形態では、カム212の段差部212Xがストッパ212Sから受ける衝撃は緩和されることになる。また、衝撃により生じる摩耗の発生も未然に防止されることから、貼付ヘッド211に関する、より正確な位置決めを、より長期的に保障することができるという利点を得ることもできる。
すなわち、領域St1において貼付ヘッド機構21による貼付材Sの受け取り動作が行われている際には、領域St2では、貼付ヘッド機構22の貼付ヘッド221の回転動作が行われ、領域St3では、貼付ヘッド機構23による貼付材Sの被貼付材Fへの貼り付け動作が行われ、領域St4では、貼付ヘッド機構24の貼付ヘッド241の原点復帰動作が行われるのである。
これをまとめれば、図9の如くである。この図において、「貼付ヘッド211」とあるのは、上述の領域St1,St2,St3及びSt4に関する説明がそのまま当てはまることを意味する。残る符号のみの表示、例えば、同図の領域St3(貼付実行)に対応する列の中の「241」は、貼付ヘッド211が領域St4においてカム212に関する原点復帰動作を行っている際には、貼付ヘッド機構24の貼付ヘッド241は、領域St3において貼付実行に従事していることを表している。この場合、前記の領域St3に関する説明中、符号の「21」とある部分を「24」と読み替えれば、当該説明は、当該貼付ヘッド機構24の動作の説明に該当することになる。
すなわち、第1に、貼付材搬出機構1の貼付材切断装置14により、貼付材Sが、所望の長さで切り取られるようになっているので、当該貼付材Sの無駄を生じさせるおそれを低減することができる。しかも、本実施形態においては、被貼付材Fへ貼付される貼付材Sの幅と、貼付材巻出リール11に巻かれているテープ状の貼付材Sの幅が同一、即ち当該テープ状の貼付材Sは基本的に利用され尽くされるようになっていることから、貼付材Sの無駄の発生は極力抑制されているということができる。このようなことから、本実施形態における貼付装置によれば、貼付実行コストを低減することができる。
より詳細に説明すれば、貼付材Sには、上述のようにヒータ295の加熱によって接着性を発揮する接着剤が予め備えられているが、このような性質をもつ熱硬化性接着剤は、一般に比較的高価である。この点を鑑みるに、予め比較的幅広のテープ状の貼付材から一部を打ち抜いたものを、被貼付材への貼り付けに用いる方法もないではないが、問題がある。というのも、この方法では、打ち抜かれずに残された貼付材及びそこに備えられた高価な接着剤は廃棄するほかなく、高コスト化を招くという欠点があるからである。
この点、本実施形態では、前述のように、貼付材Sに無駄が生じるおそれは極めて低減されているから、その結果、貼付実行コストないし生産コストの低廉化を図ることができるのである。
また、本実施形態では、同じ理由から、即ち貼付材S及び接着剤を廃棄する可能性が殆どないということから、該貼付材S、あるいは特に接着剤が、環境へ悪影響を与えるという事象の発生を極力抑制することもできる。
より詳細に説明すれば、被貼付材Fが上述のような形態をもっている場合、当該被貼付材Fに対して何らかの処理を効率的に実行するためには、該被貼付材Fを図6のような連続的に搬送していく機構を備えることが、まずは好適である。そうすると、このように連続的に流れていく被貼付材Fに対して貼付材Sの貼付を行うためには、当該貼付材Sの供給も同様に連続的であるのが好適である。
この点、本実施形態では、貼付ヘッド211乃至241がその円周部分に円形状に配列されたターンテーブル25をもつことで、既に上で詳細に説明したように、連続的に流れていく被貼付材Fに、貼付ヘッド211乃至241を順次連続的に対向させていくことが可能な構成を備えているのである。これは、生産性向上等にとって、最も効率的な構成の一つということができる。
しかも、特に異物をきらう電子回路を扱うにあって、本実施形態では、前記の第4の効果として述べたように、貼付ヘッド211乃至241が被貼付材Fの鉛直方向下側の面から接近していく構成を採用しているために、当該異物の介在を極力抑制することが可能となっているのである。
こうして、本実施形態は、フレキシブルプリント基板、ないしは最終的な製品形態であるCOFを対象として、貼付材Sの貼付処理を行うに際し、高い生産性を維持しながら、しかも高品質な貼付処理が実行可能な貼付装置を提供するものなのである。
まず、上述のように、貼付材切断装置14によって切り出された貼付材Sは貼付材搬送装置15Mに受け渡されることになるが、この際、その受け渡された貼付材Sについての好適な位置決めを当該貼付材搬送装置15M上で行うことができる。これは、位置決めスライダ153R及び153Lの動作に因る。
すなわち、貼付材搬送装置15Mは、図11に示すように、切り出された貼付材Sを基台151の図中下面近傍で受け取ると、これに伴い右側の位置決めスライダ153Rを図中左側に、また、左側の位置決めスライダ153Lを図中右側に移動する。これにより、貼付材Sを受け取った直後においては、当該貼付材Sの中心線SCと基台151の中心線15Cとが一致していなくとも、両者は一致することになる(図12の上方参照。)。これは、位置決めスライダ153R及び153Lの少なくとも一方の側面が、貼付材Sの図中側面を押すからである(図11から図12の流れでは、位置決めスライダ153Rの図中左側の側面が、貼付材Sの図中右側の側面を押すことになる。)。
すなわち、貼付ヘッド211Mは、貼付材搬送装置15Mが既述のように図1中右方向に移動した後、領域St1に対応して設けられたヘッド上昇機構27からの力を受けて図1中上方向に移動する。この際、貼付ヘッド211Mの突出部211M1は、貼付材搬送装置15Mの位置決めスライダ153R及び153Lの間に嵌り込むようなかたちになる(図12中破線参照)。そして、このとき、貼付材搬送装置15Mの吸引路を用いた空気吸引を止め、貼付ヘッド211Mの吸引路を用いた空気吸引を行う。これにより、貼付材Sは、貼付ヘッド211Mの突出部211M1上に受け渡されることになる。この場合、貼付材搬送装置15M上で正確に位置決めされた貼付材Sが、その正確な位置決め状態を保持したまま、貼付ヘッド211Mの突出部211M1上に受け渡されることになるのが明らかである。つまり、貼付材Sについての、貼付ヘッド211M上における好適な位置決めが行われるのである。
また、両者の面は、時々に応じて両面間距離が変化していくものではあるものの、可能な限り平行関係を維持することがより好ましい。そのためには、当該位置決めスライダ153R及び153Lの図中上面には図中左右方向に延びる凸部(又は凹部)を、基台151の図中下面には、これに対応する凹部(又は凸部)を設けておくとよい(なお、これら凸部及び凹部は図11及び図12において、いずれも不図示。)。これにより、位置決めスライダ153R及び153Lの移動が、これら凸部及び凹部によって案内されることになり、その結果、前述の平行関係を維持しやすくなるからである。
例えば簡単には、カム212の形状を適当なものとすること、より具体的には例えば、段差部212X及び212Y以外にも段差部を形成しておくこと等で、0度及び90度以外の角度におけるカム212及び貼付ヘッド211の位置決めが可能な構成を採用することもできる。
また、ヘッド回転機構28を構成するヘッド回転用モータ282として、ステッピングモータやサーボモータ等を用いると共に、カム212のボディ215への固定手段を適当に備えること等によって、任意の角度の回転及び固定が可能な構成を採用することもできる。
このような構成を採用することで、前述の図7及び図10に示したようなフィルム上の電子回路C及びC1だけでなく、より多様なシチュエーションに対応することが可能となる。
ちなみに、この点、一般的には、フィルム上に形成される電子回路は、当該フィルムの全面を埋め尽くすかのようにして配置、形成されるのが通常である。これは、当該フィルムを無駄にしないための措置である。しかし、そうすると、当該電子回路の端子の位置及びその長手方向等の配置態様は、常に図7及び図10に示すように、フィルムの辺に平行であったり垂直であったりするとは限らないことになる。例えば、図13に示すような端子T2をもつ電子回路C2が形成される場合もあり得る。この図13の場合、フィルム全面が極めて効率的に利用されているが、そのためもあって、端子T2はいわば斜めを向いてしまっている。
前述のように、カム212及び貼付ヘッド211が、0度及び90度以外の角度に回転及び固定が可能であり、あるいは任意の角度に回転及び固定が可能であれば、図13のようなケースであっても、同図に示すように貼付ヘッド211及び貼付材Sを当該状況に応じて好適に位置付けさせることが可能となる。前記に言う、より多様なシチュエーションに対応することが可能となる、とは、このようなことを含意している。
ここに熱コテ式とは、例えばヒータ295を、発熱源、該発熱源から熱を受けると共に被貼付材Fへの接触部となる貼付部、及び、この貼付部の温度が所定の範囲内にとどまるように温度調節をするための温度調節器等を備えるものとして構成する場合である。一方、インパルス式とは、ヒータ295を、例えば、上述の実施形態のように電熱線等の発熱源、この発熱源へ電流を供給する電源、前記の熱コテ式の場合と同様の貼付部、及び、この貼付部を冷却する冷却器等を備えるものとして構成する場合である。
ヒータ295を熱コテ式とする場合には、貼付部は基本的に常時一定の温度に保持されることになる。これに対して、インパルス式とする場合には、貼付部は、発熱源への通電を起点として瞬時に所定温度まで上昇し、その所定時間後、冷却器によって冷却されて常温状態とされることになる。インパルス式では、これが繰り返されることになる。
熱コテ式では、熱と加圧のみによって接着を完了させることになるから接着工程に時間がかからないという利点が得られる。一方、インパルス式では、前述の冷却工程によって接着が実現されることになるため、熱コテ式に比べると時間がかかるという不利な点はあるものの、被貼付材F上の貼付部以外に熱影響が及ばないという利点が得られる。
これら両方式のいずれを採用するかは、これらの得失を勘案し、更には被貼付材Fの材質、あるいは貼付材Sの材質の如何によって決定することができる。
このような事情は、被貼付材Fの搬送系路と、被貼付材巻出リール291、被貼付材巻取リール294、補助ローラ297A及び297Bとの関係についても、同様にあてはまる。
11 貼付材巻出リール
12 貼付材繰出装置
13 保護フィルム巻取リール
14 貼付材切断装置
15,15M 貼付材搬送装置
151 基台
152 吸引路
153R,153L 位置決めスライダ
2 貼付材貼付機構
21,22,23,24 貼付ヘッド機構
211,221,231,241,211M 貼付ヘッド
211M1 突出部
212 カム
212X,212Y 段差部
213 プランジャ
214 ストッパレバー
214S 先端部
215 ボディ
216 クッションばね
217 吸引用チューブ
218 ヘッド回転用ハンドル
219 回転軸
25 ターンテーブル
251 テーブル回転機構
26 水平方向移動機構
27 ヘッド上昇機構
28 ヘッド回転機構
29 貼付実行機構
291 被貼付材巻出リール
292 CCDカメラ
293 被貼付材搬送装置
294 被貼付材巻取リール
295 ヒータ
296 ヒータ昇降装置
St1,St2,St3,St4 領域
S 貼付材
F 被貼付材
C,C1,C2 電子回路
T,T1,T2 端子
Claims (11)
- 所定の第1搬送系路に沿って、テープ状貼付材を搬送する第1貼付材搬送手段と、
前記第1搬送系路の最終地点に対応する位置に備えられ、前記第1貼付材搬送手段が前記テープ状貼付材を前記最終地点を越えて所定量搬送した後に当該テープ状貼付材を切断する貼付材切断手段と、
当該貼付材切断手段によって切断されることで所定の長さを有し、かつ、前記テープ状貼付材の幅と同じ幅を有する貼付材を保持し、これを所定の第2搬送経路に沿って搬送する第2貼付材搬送手段と、
当該第2貼付材搬送手段によって搬送された前記貼付材を受け取り、かつ、当該貼付材を被貼付材に貼り付ける貼付材貼付手段と、を備え、
前記第2貼付材搬送手段は、前記貼付材が、該第2貼付材搬送手段に対して所定の相対的配置関係をとりながら保持されるように、当該貼付材の位置決めをする位置決め手段を備え、
前記位置決め手段は、前記第2貼付材搬送手段における前記貼付材を保持する面に沿って移動可能で、且つ、該第2貼付材搬送手段の所定地点からその各々の端部までの距離が前記移動にもかかわらず常に等距離にある第1スライダ及び第2スライダを備え、前記貼付材の両側部を、前記第1スライダの端部及び前記第2スライダの端部の各々によって前記所定地点に向けて押すことによって、前記位置決めを実行することを特徴とする貼付装置。 - 前記貼付材貼付手段は、前記第2貼付材搬送手段から前記貼付材を受け取る貼付材受取部を備え、
当該貼付材受取部は、
前記貼付材の両側部に前記第1スライダの端部及び前記第2スライダの端部が接触している状態において、これら第1スライダ及び第2スライダの間にこれらの端部と所定の隙間を維持しながら嵌り込み可能な幅を有していることを特徴とする請求項1に記載の貼付装置。 - 前記貼付材貼付手段は、
前記貼付材を保持するとともに、前記被貼付材への当該貼付材の貼付を実行するヘッドと、
前記ヘッドを前記貼付材と共に回転させる角度調整手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の貼付装置。 - 前記角度調整手段は、前記ヘッドを原点である0度の状態及びそこから90度回転した状態におきうるように、当該ヘッドの角度を調整することを特徴とする請求項3に記載の貼付装置。
- 前記角度調整手段は、前記ヘッドを原点である0度の状態及びそれ以外の任意の角度の状態におきうるように、当該ヘッドの角度を調整することを特徴とする請求項3に記載の貼付装置。
- 前記貼付材貼付手段は、
前記貼付材を保持するとともに、前記被貼付材への当該貼付材の貼付を実行するヘッドと、
その円形形状の中心を中心軸として回転可能であり、かつ、その円周方向に沿って前記ヘッドを複数備えるターンテーブルと、
前記被貼付材を連続的に搬送する被貼付材搬送手段と、
前記ターンテーブルに備えられた前記ヘッドのうちの1つを、前記被貼付材搬送手段により搬送される前記被貼付材に順次対向させることで、当該被貼付材への当該貼付材の貼付を連続的に実行するように、当該ターンテーブルの回転、当該被貼付材搬送手段による該被貼付材の搬送、及び、当該ヘッドによる該貼付材の貼付の実行を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の貼付装置。 - 前記貼付材貼付手段は、
前記ヘッドを前記貼付材と共に回転させる角度調整手段、を更に備え、
前記第2貼付材搬送手段による前記貼付材の前記第2搬送系路の最終地点は、前記ターンテーブルの円周部分の一部を含む第1領域内に含まれ、
前記角度調整手段は、前記第1領域から前記円周方向に沿って一定の距離だけ離間した前記円周部分の一部を含む第2領域内に備えられ、
前記被貼付材搬送手段による前記被貼付材の搬送経路の一部は、前記第2領域から前記円周方向に沿って一定の距離だけ離間した前記円周部分の一部を含む第3領域内に含まれ、
前記ヘッドは前記ターンテーブルに少なくとも3つ以上備えられることを特徴とする請求項6に記載の貼付装置。 - 前記被貼付材はテープ状であり、
前記被貼付材搬送手段は、当該被貼付材を巻き出す巻出リール及び当該被貼付材を巻き取る巻取リールを含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の貼付装置。 - 前記被貼付材は、フレキシブルプリント基板を含むことを特徴とする請求項8に記載の貼付装置。
- 前記被貼付材搬送手段は、前記被貼付材をクランプしながら搬送するクランプ搬送手段を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の貼付装置。
- 前記ヘッドは前記被貼付材の鉛直方向下側の面に対向し、
前記被貼付材への前記貼付材の貼付は、当該被貼付材の鉛直方向下側から実行されることを特徴とする請求項3乃至10のいずれか一項に記載の貼付装置。
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