JP4369561B2 - インパクトレンチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボルトやナット等のねじの締め付けやゆるめを行うインパクトレンチの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からインパクトレンチとしては、例えば実公平4ー32225号公報に開示されているように、エアモータのロータ軸と連結した円筒形状の回転ハンマの回転力をアンビルに伝達してこのアンビル先端角軸部に取付けたソケット体によってねじの締め付けやゆるめを行うように構成したものが広く知られている。このようなインパクトレンチの回転力伝達機構としては、図9(a)(b)に示すように、円筒形状の回転ハンマ3とこの回転ハンマ3内に回転軸芯を同一にして回転自在に配設されたアンビル4とからなり、回転ハンマ3はその内周面の前部に上記回転軸芯を中心とする円形のカム摺動面7とこのカム摺動面7の一部を外径方向に拡大してなるカム通過溝8とを設けると共にこのカム通過溝8の中央後方における内周面の後部側に打撃突起9を突設している一方、アンビル4はその外周面の前端側にカム6を一体的に設けたアンビル片5を左右揺動自在に配設していると共にアンビル4にアンビル片5の底面側に通じるシリンダ部13を設けてこのシリンダ部13内に摺動自在に配設したブランジャ14をコイルスプリングSの力によってアンビル片5の底面に常時押圧させ、アンビル片5が上記打撃突起9に係合しない中立姿勢となる方向に付勢してなる構造を有している。
【0003】
そして、回転ハンマ3が回転すると、カム6が回転ハンマ3のカム摺動面7に摺接し、アンビル片5がコイルスプリングSの力に抗して回転ハンマ3の回転方向に傾斜して打撃突起9に係合可能な状態を保持し、この状態で回転ハンマ3がおおよそ一回転フリーランニングすると、カム6が回転ハンマ3のカム通過溝8に入ると同時にアンビル片5の側面に回転ハンマ3の打撃突起9が衝突して係止し、回転ハンマ3の回転力がアンビル片5を介してアンビル4に伝達し、このアンビル4の先端角軸部に取付けたソケット体によってねじの締め付けを行うものであり、アンビル4側にねじの締め付けによる抵抗が高まると、アンビル4が回転速度を減少させながら停止に近づき、打撃突起9とアンビル片5とが衝突し、打撃が開始される。その打撃が終了した後は、打撃突起9とアンビル片5との係合力にコイルスプリングSの復元力が打ち勝って打撃突起9に対するアンビル片5の係止を解いてアンビル片5を中立姿勢にし、回転ハンマ3が再びフリーランニングしたのちアンビル片5を打撃し、リバウンドしたのちフリーランニングする工程を頻繁に繰り返してねじの締め付けを行うように構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のインパクトレンチにおいては、回転ハンマ3に対するアンビル片5の係止解除をコイルスプリングSの押圧力によって行っているために、ねじの締め付け時やゆるめ時に頻繁に発生するコイルスプリングSの急激な圧縮によってこのコイルスプリングSの巻座部が短期間で折損し、円滑な連続打撃が行われなくなるという問題点があり、その上、折損や損傷による破片や金属粉によって内部の部品が損傷したり磨耗したりして長期の使用に供することができなくなるという問題点があった。
【0005】
さらに、コイルスプリングSは頻繁に行われる伸縮作動によって疲労してスプリング力が低下し、円滑な連続打撃が行われなくなる虞れがあった。また、高圧エアーを供給して回転ハンマ3によるアンビル片5の打撃およびリバウンドが高速で行われる場合には、アンビル片5を中立姿勢となる方向に押圧するこのスプリングSの押圧力が弱いと回転ハンマ3の打撃突起9からアンビル片5の係止を解除することが困難となって連続打撃が行えなくなる。
【0006】
また、低圧エアーを供給して回転ハンマ3によるアンビル片5の打撃およびリバウンドが低速で行われる場合には、アンビル片5を中立姿勢となる方向に押圧するこのスプリングSの押圧力が強いと、打撃直前にアンビル片5がこのスプリングSの強い押圧力により高速で中立姿勢となる方向に押しもどされて回転ハンマ3の打撃突起9とアンビル片5との接触面積、即ち、打撃面積が小さくなって打撃による損耗が生じ易くなると共にカム6が回転ハンマ3のカム摺動面7に摺接してフリーランニングを行う時に、アンビル片5がスプリングSによって中立姿勢となる方向に強く押圧されて回転ハンマ3のカム摺動面7とカム6との摩擦力が大きくなり、カム6の先端が短期間で摩損し、アンビル片5の傾斜角度が小さくなってこの事によっても回転ハンマ3の打撃突起9との接触面積が減少し、一層打撃による打撃突起9とアンビル片5の損耗が促進され、早期に適正な打撃が行えなくなるという問題点があった。従って、高圧用と低圧用との2種類のコイルスプリングを準備しておき、それぞれの使用状態に応じて取り替える必要があった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは折損や磨耗が生じることなく円滑な連続打撃を可能にすると共に供給エアーが高圧、低圧にかかわらず、適正な押圧力を持続して発揮し得る弾性部材を備えたインパクトレンチを提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のインパクトレンチは、請求項1に記載したように、内周面に中心方向に向けて打撃突起を突設していると共に円形状のカム摺動面とこのカム摺動面の一部にカム通過溝を設けてなる円筒形状の回転ハンマ内にアンビルをこの回転ハンマと同一軸芯上に回転自在に設け、このアンビル上に上記カム摺動面に摺接するカムを一体的に設けたアンビル片を左右揺動自在に配設すると共に、アンビルにアンビル片を揺動自在に支持した面からこのアンビルの軸方向に直交するシリンダ部を設けてこのシリンダ部にアンビル片の底面を受止したプランジャと、シリンダ部の底部中央を貫通してその突出端面を回転ハンマの長さ方向の中央部に周方向に形成している円形状カム溝に摺接させた脚軸部を有する受け部材とを摺動自在に内装し且つこのプランジャの背面を弾性部材により押圧させてその押圧力により上記アンビル片を常時中立姿勢となる方向に付勢させ、上記回転ハンマの回転によってカム摺動面に摺接するカムを介して傾き状態に保持されるアンビル片の側面を上記打撃突起の対向側面に衝突させることによりアンビルに打撃回転力を伝達するように構成したインパクトレンチにおいて、上記弾性部材ゴム製円筒部材からなり、このゴム製円筒部材の上下開口端面を上記プランジャと受け部材との対向面外周部に一定の圧接力で接触させてプランジャと受け部材との対向面で挟まれたこのゴム製円筒部材の内部を空気室に形成し、この空気室内の空気を上記ゴム製円筒部材の圧縮時に漏出させるように構成していることを特徴としている。
【0009】
上記請求項1に記載のインパクトレンチにおいて、請求項2に係る発明は、ゴム製円筒部材に内外周面間に貫通する空気抜き孔を設けた構造としている。
【0010】
【作用】
回転ハンマを回転させると、この回転ハンマの一回転中にアンビル片が円筒形状のゴム製円筒部材の押圧力によって中立姿勢に保持された状態からこのアンビル片に一体に設けているカムを回転ハンマのカム摺動面に摺接させてゴム製円筒部材の押圧力に抗して回転ハンマの回転方向に傾斜し、この状態で回転ハンマがフリーランニングしたのち、この回転ハンマの打撃突起がアンビル片の対向側面に衝突して係合し、回転ハンマの回転力がアンビル片を介してアンビルに伝達されてボルト・ナット等のねじを締め付け方向に進める。
【0011】
ねじが取付面に着座するとアンビル側の抵抗が高まり、その回転が停止に近づき、打撃突起とアンビル片とが衝突し、打撃が開始される。その打撃が終了した後は、プランジャを介してアンビル片に作用しているゴム製円筒部材による押圧力が打撃突起とアンビル片間の係合力に打ち勝って、アンビル片が中立姿勢に復帰し、再び、カムが回転ハンマのカム摺動面に摺接してアンビル片がゴム製円筒部材の力に抗して傾斜し、この状態で回転ハンマがフリーランニングしたのち回転ハンマの打撃突起とアンビル片の側面とが衝突し、この衝撃によってアンビルに対して打撃回転力を発生させ、ねじを更に締め付ける。このように回転ハンマのフリーランングとアンビル片に対する衝突とを繰り返し行ってねじを強固に締付けるものである。
【0012】
アンビル片を常時中立姿勢となる方向に押圧している上記弾性部材はゴム製円筒部材であるから、ねじの締め付けやゆるめ時に頻繁に発生するゴム製円筒部材の急激な圧縮によってもこのゴム製円筒部材が折損や破損、さらには疲労が殆ど生じることなく長さ方向に円滑に伸縮作動して連続打撃を軽快に行わせることができる。また、回転ハンマによるアンビル片の打撃およびリバウンドが高速で行われる場合には、ゴム製円筒部材が圧縮される時にその筒内空気の漏出が少なく、この空気圧により見掛け上のばね定数が高くなり、押圧力が増大して回転ハンマの打撃突起とアンビル片との離脱を確実に行わせることができる。
【0013】
また、回転ハンマによるアンビル片の打撃およびリバウンドが低速で行われる場合には、ゴム製円筒部材が圧縮される時にその筒内空気の漏出が多くなるため見掛け上のばね定数が減少し、打撃直前のアンビル片の中立姿勢となる方向もどる量がわずかになり、回転ハンマの打撃突起とアンビル片との接触面積を大きくする事ができ、この打撃突起やアンビル片の損耗が少なくなり、長期間の使用が可能となるものである。なお、ゴム製円筒部材の圧縮時における筒内空気による押圧力が大きすぎる場合には、請求項2に記載したようにゴム製円筒部材に内外周面間に貫通する空気抜き孔を設けてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1はインパクトレンチの全体構造を示すもので、レンチ本体1内には公知のように、このレンチ本体1の後端部の圧縮空気供給口10から供給される圧縮空気によって操作レバーや切り換えレバーを介して回転させられるエアモータ2が内装されてあり、このエアモータ2の前方側におけるレンチ本体1の前部内に円筒形状の回転ハンマ3を内装してこの回転ハンマ3の小径後部3aの中心孔部を上記エアモータ2のロータ軸の前端に四角の凹凸ではめ合わせてエアモータ2と一体的に回転するように構成している。この回転ハンマ3内にはその回転軸心をこの回転ハンマ3の同一軸心に一致させたアンビル4が配設されてあり、このアンビル4の前後端部をレンチ本体1の前端部と回転ハンマ3の小径後部3aの前部内周面にそれぞれ回転自在に支持させていると共にレンチ本体1の前端から突出するこのアンビル4の先端部をボルトやナット等のねじ装着用ソケット体(図示せず)の取付角軸部に形成している。
【0015】
上記回転ハンマ3も一般に知られている回転ハンマと同一構造を有している。即ち、この回転ハンマ3の前端部内周面には図3(b)に示すように円形状のカム摺動面7が形成されていると共にこのカム摺動面7の一部を一定の円弧長だけ外径方向に拡大させて後述するカム6が中立姿勢で通過可能な深さを有するカム通過溝8を形成している。さらに、この回転ハンマ3の円形状内周面において、上記カム通過溝8の円弧方向の中央後端から回転ハンマ3の後端部に至る部分に図3(a)に示すように、山形状の打撃突起9を形成していると共にこの打撃突起9の両側面に凹弧状溝部9a、9bを形成している。
【0016】
一方、回転ハンマ3内においてこの回転ハンマ3と同一軸芯上に回転自在に設けられた上記アンビル4上には前端部にカム6を一体的に取付けているアンビル片5が左右方向に揺動自在に配設されている。このアンビル片5は上記アンビル4に長さ方向に形成している断面半円形状の支持溝11にその両端部に形成している半円形状の底面を左右揺動自在に載置してあり、支持溝11から外方に露出する両側面を上記回転ハンマ3の打撃突起9との係合面5a、5bに形成している。さらに、アンビル片5の底面中央部はその幅方向の中央部をアンビル4の横幅方向に平行な平坦面5cに、両側部をこの平坦面5cから衝突係合面5a、5bの内端に向かって外方に傾斜した傾斜面5d、5dに形成されている。又、アンビル片5の前端面に水平軸12を突設してこの水平軸12を上記カム6の中心部に設けた孔に差し込むことによってカム6を一体的に取付けている。
【0017】
このカム6はその底面をアンビル片5の半円形状の底面よりもやゝ大径に形成してアンビル4に設けている上記支持溝11の前端部の大径溝部に左右揺動自在に配置していると共にその上部は底面の両側端から上方に突出する山形状の突部6aに形成し、この突部6aを回転ハンマ3のカム摺動面7に向かって突出させている。アンビル4の回転中心からこのカム6の突部6aの先端までの距離は、回転ハンマ3のカム摺動面7の半径よりもやゝ長くされてあり、従って、カム6の突部6aをカム摺動面7に摺接させた状態においては、カム6が回転ハンマ3の回転方向にアンビル片5と共に傾斜した状態となり、カム通過溝8に入ると、アンビル片5と共に中立姿勢、即ち、突部6aが回転ハンマ3の直径方向に向くように構成している。
【0018】
アンビル4には、その長さ方向の中央部、即ち、上記支持溝11の中央部から垂直方向に円筒形状の貫通孔からなるシリンダ部13を形成してあり、このシリンダ部13の開口端部側に上記アンビル片5の底面における平坦面5cを受止したプランジャ14を摺動自在に内装している。さらに、このプランジャ14の底部側に円板形状の受け部材15を摺動自在に内装してこの受け部材15と上記プランジャ14との対向面外周部間に弾性部材としての或る肉厚を有するゴム製円筒部材16(図2参照)を介在させ、このゴム製円筒部材16の上下開口端面を受け部材15と上記プランジャ14との対向面外周部に一定の圧接力で接触させている。
【0019】
上記受け部材15はその上面中央部に中央軸15a を、下面中央部に脚軸部15b をそれぞれ突き出して設けてあり、中央軸15a の先端部を上記プランジャ14の中央部に貫いて設けてある孔17に摺動自在に差し込んでいる一方、脚軸部15b はシリンダ部13の底部中央を貫通してその突出端面を回転ハンマ3の長さ方向の中央部に周方向に形成している円形状カム溝18にゴム製円筒部材16の押圧力によって押付けられている。このカム溝18の一部には打撃突起9と直径方向に対向して内径方向に突出した円弧状浅溝部18a が形成されてあり、その円弧長は、アンビル片5の衝突係合面5a、5bが打撃突起9の両側面にそれぞれ当接した時における上記脚軸部15b が位置する間の長さに設定されている。19は上記プランジャ14と受け部材15との対向面ではさまれたゴム製円筒部材16の内部によって形成している空気室、20はアンビル片5の浮き上がり防止部材である。
【0020】
このように構成した実施例におけるインパクトレンチの作用を述べると、操作レバを操作してエアモータ2側に圧縮空気を供給し、このエアモータ2をねじの締め付け方向である右方向に回転させれば、回転ハンマ3は一体的に同一方向に回転する。この回転開始時において、回転ハンマ3が図3に示すように、そのカム通過溝8を上側に向け且つアンビル片5と一体のカムの突部6aがこのカム通過溝8の中央部内に位置している場合には受け部材15の脚軸部15b が回転ハンマ3のカム溝18の浅溝部18a 上に摺接していて受け部材15をアンビル片5側に移動させており、従って、この受け部材15とプランジャ14間に介在しているゴム製円筒部材16がその分だけ圧縮されてプランジャ14を介してアンビル片5を大きな押圧力でもって押し付けてアンビル片5を中立姿勢に維持している。
【0021】
この状態から回転ハンマ3が回転すると、まず、回転開始直後に、図4(a)(b)に示すようにこの回転ハンマ3のカム通過溝8の一方の側端面81(図においては左側端部)が上記カム6の突部6aの対向側面61に当接してこのカム6をアンビル片5と共に同一方向に回して傾斜させたのち、直ちに、図5(a)(b)に示すように、その突部6aの一側面61をカム摺動面7に摺接させ、回転ハンマ3の回転方向に対向するアンビル片5の一側係合面5aを斜め外方に突出させて回転ハンマ3の内周面に近接した状態に維持し且つアンビル片5の底部の傾斜面5dがプランジャ14の先端面に接してプランジャ14を押し下げた状態にする。この時、カム6の突部6aがカム通過溝8の一方の側端面81に当接した直後において、受け部材15の脚軸部15b がカム溝18の浅溝部18a から深い円周カム溝側に上記プランジャ14の押し下げ量よりも大きく突出し、ゴム製円筒部材16の押圧力を小さくした状態にしてカム6の突部6aの一側面61をカム摺動面7に摺接させ、アンビル片5をその係合面5aが回転ハンマ3の打撃突起9に当接する直前まで傾斜させた状態に維持される。
【0022】
上記回転ハンマ3が回転開始時からおおよそ1回転フリーランニングして、この回転ハンマ3のカム通過溝8にカム6の突部6aが図6(a)(b)に示すように入るのと同時にアンビル片5が上記カム6とカム摺動面7との摺接による傾斜角度を維持した状態で瞬間的にその係合面5aを打撃突起9の対向側面に当接させると共にその直前に受け部材15の脚軸部15b がカム溝18の溝底から浅溝部18a 上に乗り上げてゴム製円筒部材16を圧縮し、アンビル片5が中立姿勢となる方向に強く押圧する。この時、ゴム製円筒部材16がこのゴム製円筒部材自体の圧縮による弾性復元力と共に内部の空気室19内の空気の圧縮による空気圧とによってプランジャ14を介してのアンビル片5に対する押圧力が増大した状態となる。
【0023】
ここまでは回転ハンマ3が瞬間的におおよそ一回転してアンビル片5の係合面5aを打撃突起9の側面に当接させるものであり、この状態で回転ハンマ3の回転力がアンビル片5を介してアンビル4に伝達され、ねじを締め付け方向に回転させる。そして、アンビル4の回転によりねじが回転して取付面に着座すると、アンビル4側の抵抗が高まり、このアンビル4は徐々にその回転速度を減少させながら停止に近づき、打撃突起9とアンビル片5とが衝突して打撃が開始される。その打撃が終了した後は、アンビル片5を中立姿勢になる方向に付勢しているゴム製円筒部材16の押圧力が打撃突起9とアンビル片5間の係合力に打ち勝ってアンビル片5が反時計方向に傾き、打撃突起9との係合が外れて中立姿勢となってカム6の突部6aをカム通過溝8に通過させながら回転ハンマ3が時計方向にフリーランニングを行う。
【0024】
そして、再び、上記作動を行って回転ハンマ3の打撃突起9の側面にアンビル片5の係合面5aが衝撃的に係合した時には、その衝撃力によってアンビル4に回転打撃力を付与したのち直ちに図7(a)(b)に示すように回転ハンマ3が反時計方向にリバウンドしてカム6の突部6aがこの回転ハンマ3のカム通過溝8の他方の側端面82に当接してアンビル片5を逆方向に傾かせ、図8(a)(b)に示すように、カム通過溝8の他方の側端面82から或る角度、カム摺動面7に乗り上げるまで移動したのち回転ハンマ3がねじの締め付け方向に回転を開始し、上記図3、図4に示すように、アンビル片5を中立姿勢から傾斜姿勢にして加速しながら時計方向にフリーランニングして再度アンビル片5と打撃突起9とを衝撃的に係合させ、この衝撃打を繰り返すことによってねじの締め付けを強固に行うものである。
【0025】
この間、回転ハンマ3がリバウンドすると、アンビル片5が中立姿勢になったのちにカム6の先端突部6aがカム通過溝8の他方の側端面82に当接して図7、図8に示すようにアンビル片5が反時計方向に傾くが、この時、受け部材15の脚軸部15b がカム溝18の浅溝部18a から深い円周カム溝側に移動してゴム製円筒部材16の押圧力を小さくし、アンビル片5の傾動を軽快に行わせるものである。
【0026】
また、上述したように、アンビル片5が傾斜した状態で回転ハンマ3の打撃突起9に衝突する直前においては、受け部材15の脚軸部15b がカム溝18の溝底から浅溝部18a 上に乗り上げてゴム製円筒部材16を圧縮し、その際、空気室19も圧縮されてその空気圧によりゴム製円筒部材16の見掛け上の押圧力、即ち、ばね定数が大きくなってプランジャ14を介してのアンビル片5に対する押圧力が増大し、回転ハンマ3の打撃突起9とアンビル片5との離脱を確実に行わせることができる。
【0027】
なお、ゴム製円筒部材16はその上下開口端をプランジャ14の下面と受け部材15の上面とにそれぞれ接触しており、ゴム製円筒部材16の圧縮時に空気室19内の空気の漏出がごくわずかである場合は空気室19の圧縮空気圧が大きくなってゴム製円筒部材16の見掛け上の押圧力が大きくなりすぎる事もある。そのような場合には請求項2 に記載した空気抜き穴の実施形態として図2(b)に示すように、ゴム製円筒部材16の上端部(下端部又はその両方であってもよい)の一部を切除して外部に連通する端面空気抜き孔21に形成しておくか、或いは図2(c)に示すように、ゴム製円筒部材16の周壁に或る数の外部に連通する小径空気抜き孔21' を設けて押圧力を調節する事も可能である。
【0028】
なお、本発明における上記ゴム製円筒部材16は、実施例で述べたクラッチ構造をもつインパクトレンチに限らず、ボールカム式クラッチや縦打ちクラッチ、ウォーレンスクラッチなどのクラッチ構造をもつインパクトレンチにも適用することができる。また、実施例ではねじの締め付けの場合での説明を行ったが、ねじをゆるめる場合でも同様の効果があることは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、回転ハンマの打撃突起をアンビル片の側面に係止させて回転ハンマの回転力をアンビル片を介してアンビルに伝達するように構成しているインパクトレンチにおいて、上記アンビルにシリンダ部を設けてこのシリンダ部にアンビル片の底面を受止したプランジャと、シリンダ部の底部中央を貫通してその突出端面を回転ハンマの長さ方向の中央部に周方向に形成している円形状カム溝に摺接させた脚軸部を有する受け部材とを摺動自在に内装し、このプランジャを押圧する弾性部材としてゴム製円筒部材を用いてこのゴム製円筒部材の上下開口端面を上記プランジャと受け部材との対向面外周部に一定の圧接力で接触させていると共にプランジャと受け部材との対向面で挟まれたこのゴム製円筒部材の内部を空気室に形成しているので、ねじの締め付け時およびゆるめ時に頻繁に発生するゴム製円筒部材の急激な圧縮によってもこのゴム製円筒部材が折損や破損、さらには疲労が殆ど生じることなく長さ方向に円滑に伸縮作動して連続打撃を軽快に行わせることができる。また、回転ハンマによるアンビル片の打撃およびリバウンドが高速で行われる場合には、ゴム製円筒部材が圧縮される時にその筒内空気の漏出が少なく、この空気圧により見掛け上のばね定数を高くすることができ、従って、アンビル片に対する押圧力が増大して回転ハンマの打撃突起とアンビル片との離脱を確実に行わせることができる。
【0030】
また、回転ハンマによるアンビル片の打撃およびリバウンドが低速で行われる場合には、ゴム製円筒部材が圧縮される時にその筒内空気の漏出が多くなるため見掛け上のばね定数を減少させることができ、従って、打撃直前のアンビル片の中立姿勢となる方向のもどる量がわずかになり、回転ハンマの打撃突起とアンビル片との接触面積を大きくする事ができ、この打撃突起やアンビル片の損耗が少なくなり、長期間の使用が可能となるものである。
【0031】
さらに、請求項2に係る発明によれば、上記ゴム製円筒部材に内外周面間に貫通する空気抜き孔を設けているので、ゴム製円筒部材の圧縮時に発生する筒内の空気圧を簡単且つ正確に調整することができて、ゴム製円筒部材自体の弾性力と上記空気圧とによる押圧力を、回転ハンマが高速回転、低速回転のいずれにおいても打撃突起とアンビル片との離脱が最も円滑に行えるように設定することができ、また、回転ハンマの打撃突起とアンビル片との接触面積を大きくすることができるので、折損や磨耗が殆ど生じることなく円滑な連続打撃を長期間持続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インパクトレンチの縦断側面図、
【図2】 ゴム製円筒部材の3種類の構造を示す簡略斜視図、
【図3】 (a)(b)は図1におけるIーI線、IIーII線断面図であって、アンビル片が中立姿勢にある時の回転ハンマとアンビル及びカムとの位置関係をそれぞれ示す、
【図4】 (a)(b)はアンビル片が傾いた状態における回転ハンマとアンビル及びカムとの位置関係をそれぞれ示す縦断正面図、
【図5】 (a)(b)は回転ハンマが加速した状態における回転ハンマとアンビル及びカムとの位置関係をそれぞれ示す縦断正面図、
【図6】 (a)(b)は打撃をした時の回転ハンマとアンビル及びカムとの位置関係をそれぞれ示す縦断正面図、
【図7】 (a)(b)はリバウンドした時の回転ハンマとアンビル及びカムとの位置関係をそれぞれ示す縦断正面図、
【図8】 (a)(b)はリバウンド後、回転ハンマが回転を開始した時の回転ハンマとアンビル及びカムとの位置関係をそれぞれ示す縦断正面図、
【図9】 (a)(b)は従来例における回転ハンマとアンビル及びカムとのそれぞれの作動を説明するための縦断面図。
【符号の説明】
1 レンチ本体
2 エアモータ
3 回転ハンマ
4 アンビル
5 アンビル片
6 カム
7 カム摺動面
8 カム通過溝
9 打撃突起
13 シリンダ部
14 プランジャ
15 受け部材
19 空気室

Claims (2)

  1. 内周面に中心方向に向けて打撃突起を突設していると共に円形状のカム摺動面とこのカム摺動面の一部にカム通過溝を設けてなる円筒形状の回転ハンマ内にアンビルをこの回転ハンマと同一軸芯上に回転自在に設け、このアンビル上に上記カム摺動面に摺接するカムを一体的に設けたアンビル片を左右揺動自在に配設すると共に、アンビルにアンビル片を揺動自在に支持した面からこのアンビルの軸方向に直交するシリンダ部を設けてこのシリンダ部にアンビル片の底面を受止したプランジャと、シリンダ部の底部中央を貫通してその突出端面を回転ハンマの長さ方向の中央部に周方向に形成している円形状カム溝に摺接させた脚軸部を有する受け部材とを摺動自在に内装し且つこのプランジャの背面を弾性部材により押圧させてその押圧力により上記アンビル片を常時中立姿勢となる方向に付勢させ、上記回転ハンマの回転によってカム摺動面に摺接するカムを介して傾き状態に保持されるアンビル片の側面を上記打撃突起の対向側面に衝突させることによりアンビルに打撃回転力を伝達するように構成したインパクトレンチにおいて、上記弾性部材ゴム製円筒部材からなり、このゴム製円筒部材の上下開口端面を上記プランジャと受け部材との対向面外周部に一定の圧接力で接触させてプランジャと受け部材との対向面で挟まれたこのゴム製円筒部材の内部を空気室に形成し、この空気室内の空気を上記ゴム製円筒部材の圧縮時に漏出させるように構成していることを特徴とするインパクトレンチ。
  2. ゴム製円筒部材に内外周面間に貫通する空気抜き孔を設けていることを特徴とする請求項1に記載のインパクトレンチ。
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