JPH06182674A - 回転衝撃工具 - Google Patents

回転衝撃工具

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JPH06182674A
JPH06182674A JP35514892A JP35514892A JPH06182674A JP H06182674 A JPH06182674 A JP H06182674A JP 35514892 A JP35514892 A JP 35514892A JP 35514892 A JP35514892 A JP 35514892A JP H06182674 A JPH06182674 A JP H06182674A
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JP
Japan
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hammer
spindle
rotary impact
impact tool
state
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JP35514892A
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English (en)
Inventor
Michio Okumura
道男 奥村
Kiyotaka Ichikawa
清孝 市川
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Makita Corp
Original Assignee
Makita Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転衝撃工具を単なるドリルとして使用する
場合に、簡単に打撃機能を停止できるだけでなく回転速
度をも切り換えて使用できるようにする。 【構成】 ハンマー12の後退を規制してこのハンマー
12のアンビル11に対する打撃を阻止する打撃停止機
構と、スピンドル6の回転数を高速と低速に切り換える
変速機構5とを備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばインパクトレ
ンチやインパクトドライバーと称される回転衝撃工具に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の工具はボルトやねじ
締めに使用されるばかりでなく、木材の穴あけにも頻繁
に使用されているのであるが、木材を穴あけする場合に
おいて、単なる穴あけにもかかわらずハンマーの打撃が
あると打撃音がうるさく作業者のみならず周囲への騒音
が問題となる。そこで、近年、ハンマーの打撃を停止さ
せるための機構を付加した構成の回転衝撃工具が開発さ
れており、これには例えば特開平2−139182号公
報に開示されたものがあった。
【0003】この従来の打撃停止機構は、同公報中第2
図を援用した図10に示すように構成されていた。すな
わち、ハンマー100の外周面に全周にわたる環状の凹
溝101を設ける一方、ギヤケース103にはスピンド
ル102の軸方向に対して傾いているカム溝104を設
け、このカム溝104を通じて、ギヤケース103の外
周面に配置したリング状の操作ハンドル105から内方
に向けて突設した係合ピン106の先端を、上記凹溝1
01内に挿入させた構成とされていた。そして、この構
成によれば、操作ハンドル105を回転させて係合ピン
106をカム溝104に沿って移動させ、係合ピン10
6を凹溝101の前方側(図示右側)の側壁に当接させ
た状態とすることによりハンマー100を後退不能な状
態としてアンビル107と常時係合した状態に保持する
ことができ、これによりハンマー100のアンビル10
7に対する打撃を停止させることができた。逆に、操作
ハンドル105を反対方向に回転させて係合ピン106
を後方側(図示左側)に移動させておくことにより(図
示する状態)、ハンマー100の後退が可能となり、よ
ってアンビル107に対して回転衝撃を与える動作が許
容される状態となるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
回転衝撃工具にあっては上記説明したような打撃停止機
構を備えたものはあったが、打撃可能状態と打撃停止状
態すなわちこの回転衝撃工具を本来の回転衝撃工具とし
て使用する場合と木材等の穴あけを目的として単なるド
リルとして使用する場合とに合わせてスピンドル102
ひいてはハンマー100(またはアンビル107)の回
転数を切り換えることができなかった。
【0005】ここで、一般的に本来の回転衝撃工具とし
て使用する場合にはスピンドルは概ね2000r.p.m 以
上の高い回転数で回転させる必要があるのであるが、こ
の高い回転数に設定したまま打撃を停止させて単なるド
リルとして使用した場合にはトルク不足となりモータに
大きな負荷がかかる問題がある。従って、単なるドリル
としてこの回転衝撃工具を使用する場合にはスピンドル
の回転数を概ね1000r.p.m 以下の低い回転数に変速
することが好ましい。この点、上記公報等に開示された
従来の回転衝撃工具には、使用目的に合わせて回転数を
簡単に切り換えることのできる変速機構を備えたものは
なく、実際の使用にあたって必ずしも実用的なものとは
言えなかった。
【0006】本発明は、この問題に鑑みなされたもの
で、本来の回転衝撃工具としてあるいは単なるドリルと
して使用するといったように、その使用目的に合わせて
簡単に打撃機能の作動または停止の切換えができるばか
りでなく、スピンドルひいてはツールの回転数を作業目
的に合わせて容易に切換えることができる回転衝撃工具
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、ハン
マーの後退を規制してこのハンマーのアンビルに対する
打撃を阻止する打撃停止機構と、スピンドルの回転数を
高速と低速に切り換える変速機構とを備えたことを特徴
とする。
【0008】
【作用】上記構成によれば、回転衝撃工具を本来の回転
衝撃工具として使用する場合には、打撃停止機構を解除
してハンマーを後退可能な状態し、かつ変速機構を高速
側に切り換えてスピンドルを高速で回転する状態とす
る。これにより、被締付物を回転させるの要するトルク
がスピンドルのトルクよりも大きくなると、ハンマーは
スプリングの付勢力に抗して後退し、アンビルとの係合
が解除された瞬間にスプリングの付勢力および回転惰性
により回転しつつ前進してアンビルに回転衝撃を与え
る。
【0009】一方、この回転衝撃工具を単なるドリルと
して使用する場合には、打撃停止機構を作動させてハン
マーを後退不能な状態とするとともに、変速機構を低速
側に切り換えてスピンドルを低速で回転する状態とす
る。これにより、ハンマーはアンビルを打撃することは
なく常時係合状態となり、しかもスピンドルは低速で回
転するのでハンマーひいてはアンビルの回転トルクは大
きくなる。従って、打撃音を発することなく、かつモー
タに大きな負荷をかけることなく穴あけ作業を行うこと
ができる。
【0010】
【実施例】次に、本発明の第1実施例を図1ないし図8
に基づいて説明する。図1は本例の回転衝撃工具1を打
撃停止状態とした場合を示し、図2は打撃可能状態とし
た場合を示している。
【0011】ハウジング2の後部(図示右端部)にはモ
ータ3が内蔵されている。このモータ3の出力軸には遊
星歯車機構4が組付けられ、この遊星歯車機構4には変
速機構5が噛み合わされている。この変速機構5は、モ
ータ3の出力軸と平行かつ回転可能に支持された中間軸
7上に組み付けられている。この中間軸7の図示左端部
にはギヤ7aが形成され、このギヤ7aにはスピンドル
6の後端部(図示右端部)に取付けられたギヤ8が噛み
合わされている。スピンドル6は、ベアリング9a,9
bによってモータ3の出力軸とほぼ同軸上に回転可能に
支持されており、その先端部(図示左端部)はハウジン
グ2の先端に回転可能に取付けられたインパクトケース
10内に延びている。インパクトケース10はハウジン
グ2の先端に装着されたキャップ状のケースであり、ス
ピンドル6の軸回りに回転可能な状態でハウジング2に
装着されており、ハウジング2との接続部のシール性は
十分に確保されている。このように、モータ3の回転力
は、遊星歯車機構4および変速機構5を経てスピンドル
6に伝達されるようになっている。なお、変速機構5の
構成については後述する。
【0012】さて、スピンドル6の先端にはアンビル1
1が回転可能に支持されており、このアンビル11はイ
ンパクトケース10の先端から突き出されている。アン
ビル11とインパクトケース10との間のシール性も十
分に確保されている。一方、このアンビル11の後ろ側
(図示右側)においてスピンドル6の大径部には、リン
グ状のハンマー12が回転可能かつ軸方向に移動可能に
装着されており、このハンマー12の先端面にはアンビ
ル11に凹凸係合して回転力を伝達するための打撃部1
2aが形成されている。また、このハンマー12の内周
面には周方向の適数箇所に溝部12bが軸方向に沿って
形成されている一方、スピンドル6の大径部の周方向適
数箇所には軸方向に対して傾斜した溝部6aが形成され
ており、双方の溝部12b,6aは対になって両者間に
はそれぞれスチールボール13が挟み込まれている。こ
のスチールボール13によってハンマー12がスピンド
ル6と軸回りの回転について連結されている。
【0013】ハンマー12の背面側(図示右側)には段
付きワッシャ14が装着されており、この段付きワッシ
ャ14とハンマー12との間にはスプリング15が装着
されている。このスプリング15によってハンマー12
はアンビル11側に付勢されている。
【0014】段付きワッシャ14の背面側にはスラスト
ベアリング16とカラー17を間に挟んでアジャスト部
材18が、スピンドル6の軸回りに回転可能かつ軸方向
に移動可能に装着されている。このアジャスト部材18
は、図3および図4に示すように中心にスピンドル6が
挿通される孔18aが形成された円形の基板の外周にア
ーム19,19を対向して設ける一方、このアーム19
とは反対側に調整爪20,20を対向して設けた形状と
されている。
【0015】アーム19の先端には直径方向の外周側に
折り返されてなる係止片19aが張出し形成されてお
り、この係止爪19aは図1または図5に示すようにイ
ンパクトケース10の内周面に形成された溝部10aに
それぞれ嵌め込まれている。これにより、アジャスト部
材18はインパクトケース10を回転させることにより
スピンドル6の軸回りに回転するようになっている。
【0016】また、調整爪20の先端は半円形状に形成
されており、この調整爪20は調整リング21の溝部2
2の底面22aに突き当てられている。この調整リング
21はスピンドル6を支持するベアリング9bの外輪と
ハウジング2との間に回転不能かつ軸方向移動不能に固
定されている。この調整リング21の図示左側面には、
図6に示すように全周にわたって上記溝部22が形成さ
れており、この溝部22の底面22aは図7に示すよう
に半周ごとに傾斜して形成されている。このように形成
された底面22aに調整爪20を突き当てた状態でこの
アジャスト部材18を回転させると調整爪20は底面2
2aに沿って移動し、これによりこのアジャスト部材1
8が軸方向に移動するようになっている。そして、この
底面22aには一定の間隔で断面半円形の凹溝22cが
形成されており、この凹溝22cに上記調整爪20の先
端が嵌まり込むことでアジャスト部材18の回転がロッ
クされて軸方向の移動がロックされるようになってい
る。
【0017】以上説明したアジャスト部材18と調整リ
ング21を主要部材として本例における打撃停止機構が
構成されており、この打撃停止機構がインパクトケース
10内のインパクト機構に組み込まれている。そして、
インパクトケース10を回転させることによりこのアジ
ャスト部材18を回転させるとこのアジャスト部材18
は軸方向に移動し、これによりスプリング15の圧縮量
が調整され、最も圧縮量を大きくしてハンマー12を後
退不能の状態(図1の状態)とすることによりハンマー
12の打撃を停止させるようになっている。
【0018】なお、図示は省略したがハウジング2およ
びインパクトケース10には、インパクトケース10の
回転量すなわち、調整リング21に対するアジャスト部
材18の相対位置を知るための目盛りが表示してあり、
作業者はこの目盛りを通じてアジャスト部材18の位置
すなわち、ハンマー12が打撃可能状態にあるのかある
いは打撃停止状態にあるのかを知ることができるように
なっている。
【0019】次に、前記した変速機構5について説明す
る。中間軸7には、大ギヤ30と小ギヤ31がそれぞれ
回転可能かつ軸方向移動可能に支持されている。両ギヤ
30,31の背面側と中間軸7を支持する軸受け34,
35との間には、それぞれスプリング32,32が装着
されて両ギヤ30,31を相互に接近する方向に付勢し
ている。
【0020】両ギヤ30,31の対向面には、それぞれ
切欠き溝36a,36aが対向して形成されたボス部3
6が形成され、両ボス部36,36の外周側にはディス
タンスカラー38が掛け渡し状にして装着されている。
このディスタンスカラー38の外周面には全周にわたっ
て溝部38aが形成されており、この溝部38aには図
8に示すように切換えアーム39の先端が嵌め込まれて
いる。この切換えアーム39の後端には、図8において
紙面に直交する方向にスライド可能にハウジング2に支
持されたスライドスイッチ40が接続されており、この
スライドスイッチ40はハウジング2の外部からスライ
ド操作可能となっている。
【0021】一方、上記両ギヤ30,31のボス部3
6,36の間において中間軸7には直径方向にピン37
が打ち込まれており、このピン37の両端部は図8に示
すように中間軸7の周面から突き出した状態とされてい
る。
【0022】この構成からスライドスイッチ40を操作
すると、両ギヤ30,31はスプリング32,32の付
勢力により一体となって中間軸7上を図1において左方
または右方へ移動するようになっており、これにより上
記ピン37の突き出た部分を大ギヤ30または小ギヤ3
1のボス部36の切込み溝36aに嵌め込めば、この大
ギヤ30または小ギヤ31が中間軸7と回転について連
結されるようになっている。なお、図8に示すように切
換えアーム39とハウジング2との間の摺動部にはリー
フスプリング41が介在されてスライドスイッチ40に
適度な(スプリング32の付勢力に打ち勝つ程度の)摺
動抵抗が与えられており、両ギヤ30,31の切換え位
置が保持されるようになっている。
【0023】以上のように構成された本例の回転衝撃工
具1は以下のようにして使用される。先ず、この工具1
をねじ締め等の目的で回転衝撃工具として使用すべく図
1に示す打撃停止状態から図2に示す打撃可能状態とす
るには、インパクトケース10を目盛り表示のインパク
ト側に回転させればよい。これによりアジャスト部材1
8も回転し、その調整爪20は調整リング21の溝部2
2をより深い方向へ向かって移動し、従ってこのアジャ
スト部材18はスプリング15によって後方(図示右
方)へ移動する。図2に示すように調整爪20が溝部2
2の最深部に至るとアジャスト部材18は後退端に至
り、この状態がスプリング15の圧縮量が最も少ない状
態であり、従ってハンマー12が最も軽い力で後退でき
る状態すなわちハンマー12の打撃力が最も小さい状態
となる。ここで、インパクトケース10の回転量を上記
したより少なくすれば、スプリング15の圧縮量は大き
くなりひいてはハンマー12の打撃力を大きくすること
ができる。このように、インパクトケース10の回転量
すなわちアジャスト部材18の位置を調整することによ
りハンマー12の打撃力を調整することができる。
【0024】次に、変速機構5を高速側に切り換える。
これは、スライドスイッチ40を図1において左方にス
ライドさせて、ピン37を小ギヤ31側の切込み溝36
aに嵌め込めばよい。これにより、小ギヤ31が中間軸
7と回転について連結され、モータ3の回転力は小ギヤ
31を経てスピンドル6に伝達され、またモータ3の回
転数は小ギヤ31により増速されるのでスピンドル6は
高速で回転する。なお、この場合大ギヤ30は中間軸7
上を空転する。
【0025】以上のようにして、アジャスト部材18を
後退させ、かつ変速機構5を高速側に切り換えることに
より打撃可能状態への切換えが完了する。そして、この
打撃可能状態においてトリガーを操作してモータ3を回
転させれば、この工具1を回転衝撃工具として使用でき
る。この回転衝撃工具としての作動は従来通りであるの
で詳述はしない。
【0026】次に、この工具1を例えば木材の穴あけを
目的として単にドリルとして使用する場合について説明
する。この場合には、インパクトケース10を逆方向に
回転させればよく、これによりアジャスト部材18も回
転して調整爪20は調整リング21の溝部22を浅い方
向に向かって移動し、従ってこのアジャスト部材18は
スプリング15に抗して前進する。これによりスプリン
グ15は、最終的にハンマー12が後退不能となる位置
まで圧縮される(図1の状態)。これにより、ハンマー
12はアンビル11に押し付けられて常時係合状態とな
り、従ってハンマー12の打撃はなされない状態とな
る。
【0027】さらに、変速機構5を低速側に切り換え
る。すなわち、スライドスイッチ40を図1において右
方へスライドさせ、ピン37を大ギヤ30側の切込み溝
36aに嵌め込む。これにより、大ギヤ30が中間軸7
と回転について連結され、従ってモータ3の回転力はこ
の大ギヤ30を経てスピンドル6に伝達される。また、
この場合モータ3の回転数は大ギヤ30により減速さ
れ、従ってスピンドル6は低速で回転する。
【0028】以上により、アンビル11はハンマー12
による打撃を受けることなく、かつ高トルクで回転させ
ることができ、この工具1をドリルとして良好な状態で
使用することができる。
【0029】以上説明したように、本例の回転衝撃工具
1は、ハンマー12の打撃停止機構と変速機構5とを併
せ持った構成とされているので、本来の回転衝撃工具と
して従来通り良好な状態で使用できることはもちろん、
単なるドリルとして使用する場合にもモータ3に過負荷
をかけることなくツール(ドリル)を高トルクで回転さ
せることができ、しかもハンマー12の打撃を確実に停
止させた状態で使用することができる。
【0030】また、打撃停止機構についても、従来は係
合ピン106によりハンマー100の後退を阻止する構
成であったので、この係合ピン106およびこれを支持
するギヤケース103に大きな力が負荷されることとな
り、このためこれらの強度が問題となりひいては同工具
の耐久性に問題があったが、この点本例の打撃停止機構
は、アジャスト部材18をスライドさせてスプリング1
5の圧縮量を調整することによりハンマー12の後退を
規制する構成であるので、従来の係合ピン106によっ
てハンマー100の後退を直接規制する構成に比してハ
ンマー12の打撃を無理なく確実に停止させておくこと
ができ、従って従来のような強度的な問題はなくなる。
【0031】さらに、従来の構成ではギヤケース103
にカム溝104が形成されるため、このカム溝104を
経て油漏れやインパクト機構内に異物が侵入するといっ
た問題があったが、本例の構成によればピン106によ
る場合のようなカム溝104を設ける必要はないので同
工具のシール性を劣化させることはない。
【0032】次に、本発明の第2実施例を図9に基づい
て説明する。以上説明した第1実施例ではハンマー12
の打撃停止機構と変速機構5はそれぞれ独立して操作す
る構成で例示したが、以下説明するように両機構を連動
させてワンタッチで切換え可能な構成としてもよい。
【0033】図9は、この両機構が連動した構成の回転
衝撃工具50を示している。なお、以下の第2実施例で
はスピンドルがモータの出力軸に対して直角に配置され
たアングルタイプを例示して説明する。
【0034】ハウジング51にはモータ52が内蔵さ
れ、その出力軸は遊星歯車機構53に接続されている。
モータ52の出力軸と平行に中間軸54が回転可能に支
持され、この中間軸55には変速機構55が組付けられ
ている。この変速機構55は第1実施例における変速機
構5と同様に大ギヤ56と小ギヤ57を有し、それぞれ
切欠き溝が形成されたボス部を備えている。両ボス部の
外周側にはディスタンスカラー58が掛け渡し状に装着
されて、両ギヤ56,57の間隔が一定距離に保たれて
いる。両ボス部の間において中間軸54には第1実施例
と同様にピン59が、その両端部を中間軸54の周面か
ら突き出した状態で取付けられている。また、両ギヤ5
6,57の背面側にはスプリングが装着されて相互に接
近する方向に付勢されている。
【0035】一方、両ギヤ56,57の図示下方におい
てハウジング51には、切換えスイッチ60が回転可能
に取付けられており、この切換えスイッチ60には切換
えフランジ61が一体に形成されている。この切換えフ
ランジ61は、切換えスイッチ60を一定位置に回転さ
せると図示するようにハンマー70の後方(図示上方)
に張り出し、さらに180°回転させるとハンマー70
の後方から退去するようにこの切換えスイッチ60とは
偏心して形成されている。従って、切換えスイッチ60
を回転させて切換えフランジ61をハンマー70の後方
に張出した状態とするとハンマー70の後退は阻止さ
れ、これによりアンビル71に対する打撃動作を停止で
きるようになっている。また、切換えスイッチ60をこ
の打撃停止位置から180°回転させると切換えフラン
ジ61はハンマー70の後方から退去してハンマー70
は後退可能となり、従ってハンマー70の打撃停止が解
除されるようになっている。
【0036】さらに、この切換えフランジ61の内側面
(図示上面)には切換えピン62が内方へ突出状に形成
されている。この切換えピン62は、図示するように切
換えスイッチ60の回転中心とは一定距離だけ偏心した
位置であって切換えフランジ61の張出し側とは反対側
において、前記大ギヤ56と小ギヤ57との間に突き出
した状態に形成されている。これにより、切換えスイッ
チ60を回転してハンマー70の後方に切換えフランジ
61を張り出した状態すなわちハンマー70の打撃停止
状態(図示する状態)とすると、切換えピン62は切換
えスイッチ60の回転中心よりも図示右側に移動して両
ギヤ56,57は図示右方へスライドされ、これにより
大ギヤ56側が中間軸54と回転について連結されて変
速機構55は低速側に切り換えられる。
【0037】一方、これとは逆に切換えスイッチ60を
上記打撃停止状態から180°回転させて切換えフラン
ジ61をハンマー70の後方から退去させた状態すなわ
ち打撃可能状態とすると、切換えピン62は切換えスイ
ッチ60の回転中心よりも図示左側に移動して両ギヤ5
6,57は図示左方へスライドされ、これにより小ギヤ
57側が中間軸54と回転について連結されて変速機構
55は高速側に切り換えられる。
【0038】なお、中間軸54はかさ歯車72を経て、
この中間軸54とは直角に配置されたスピンドル73に
回転伝達可能に連結され、このスピンドル73にはスチ
ールボール74を介してハンマー70が回転可能かつ軸
方向移動可能に取付けられ、このハンマー70はスプリ
ング75によって、スピンドル73の先端に回転可能に
支持されたアンビル70側に付勢されている。
【0039】以上の構成によれば、回転衝撃工具50を
単なるドリルとして使用する場合には、切換えスイッチ
60を単に打撃停止側に回転すれば足りる。すなわち、
切換えスイッチ60を打撃停止側に回転させると、切換
えフランジ61はハンマー70の後方へ張り出す側に切
り換わり、これと同時に変速機構55が低速側に切り換
わる。また、本来の回転衝撃工具として使用する場合に
は、切換えスイッチ60を上記打撃停止側から約180
°回転させればよく、これにより切換えフランジ61は
ハンマー70の後方から退去し、これと同時に変速機構
55が高速側に切り換わる。
【0040】以上説明したようにこの第2実施例の回転
衝撃工具50によれば、切換えスイッチ60を操作する
だけでハンマー70の打撃停止または解除の切換えとス
ピンドル73の低速回転と高速回転の切換えを同時に行
うことができ、従って第1実施例で述べたように回転衝
撃工具を単なるドリルとしても良好に機能させることが
できるばかりでなく、より一層使い勝手のよい回転衝撃
工具とすることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ハンマーの打撃を停止
させしかもスピンドルの回転を低速回転に切り換えるこ
とができるので、回転衝撃工具を単にドリルとして使用
する場合であってもモータに過負荷をかけることなくツ
ールを高トルクで回転させることができ、ひいてはこの
回転衝撃工具をドリルとしても十分実用的なものとする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に関し、打撃停止状態かつ
低速回転状態にある回転衝撃工具の一部破断側面図であ
る。
【図2】同じく、打撃可能状態かつ高速回転状態にある
回転衝撃工具の一部破断側面図である。
【図3】アジャスト部材の側面図である。
【図4】アジャスト部材の平面図である。
【図5】図2のB−B線断面図である。
【図6】調整リングの平面図である。
【図7】調整リングの溝部の半周分の展開図である。
【図8】図1のA−A線断面図である。
【図9】本発明の第2実施例に関し、アングルタイプの
回転衝撃工具の縦断面図である。
【図10】従来の打撃停止機構を例示した縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1…回転衝撃工具 2…ハウジング 3…モータ 5…変速機構 6…スピンドル 10…インパクトケース 11…アンビル 12…ハンマー 18…アジャスト部材 21…調整リング 40…スライドスイッチ 50…回転衝撃工具(アングルタイプ) 55…変速機構 60…切換えスイッチ 61…切換えフランジ 62…切換えピン 100…ハンマー、101…凹溝 104…カム溝、105…操作ハンドル、106…係合
ピン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピンドルに対して軸方向移動可能かつ
    このスピンドルと回転について連結され、スプリングに
    よりアンビル側に付勢されたハンマーを備えた回転衝撃
    工具であって、 前記ハンマーの後退を規制してこのハンマーの前記アン
    ビルに対する打撃を阻止する打撃停止機構と、前記スピ
    ンドルの回転数を高速と低速に切り換える変速機構とを
    備えたことを特徴とする回転衝撃工具。
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