JP4369532B2 - 薄膜形成方法および成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜形成方法および成膜装置に関する。
昨今、デバイスの高性能化、小型化に薄膜技術が幅広く展開されている。デバイスの薄膜化は、ユーザーに直接的なメリットをもたらすだけでなく、地球資源の保護、消費電力の低減といった環境側面からも重要な役割を果たしている。
一般に、真空成膜においては、成膜源と基板とを対向させるとともに、基板の表面の成膜領域をマスクで規定する。成膜源から飛来した粒子のうち、基板に対して特定の角度範囲で入射するものだけを基板上に堆積させることもある。
薄膜の生産性を高めるには、長時間成膜技術が必須である。長時間成膜の実現には、成膜源の長時間安定化技術や基板搬送技術だけでなく、基板周辺の堆積物対策も重要な鍵を握っている。
長時間成膜においては、成膜時間の経過とともにマスクへの材料の堆積が進み、成膜領域(広さや形)が変化したり、堆積物が基板や成膜源に落下したりする可能性が高まる。成膜領域が変化すると設計通りの薄膜を製造できない。堆積物が成膜源に落下すると、成膜源の急激な温度変動により材料の蒸発速度が低下したり、スプラッシュの発生により薄膜に異常な突起が形成されたりする。
こうした問題を受けて、従来、基板と成膜源との間にマスクとは別に防着板を配置している。防着板には、真空槽の清掃作業を効率化する役割、基板上に堆積物が落下するのを防止する役割、材料利用効率を高める役割等が要求される。
例えば、特開平5−222520号公報には、巻き取り式の防着板を真空槽の内壁に沿って走行させることにより、真空槽の内壁に材料が堆積するのを防止する技術が開示されている。
特開平6−228751号公報には、蒸発源から基板に向かう蒸気流の一部を遮るマスクと、マスクに材料が堆積するのを防止する巻き取り式の防着板とを設けることにより、防着板に堆積した材料が基板上に落下するのを防止する技術が開示されている。
特開昭62−218557号公報には、防着板の表面にアルミナやシリカの被膜を設けることにより、防着板に堆積した材料が防着板から剥がれるのを防止する技術が開示されている。
特開昭58−64382号公報には、チェーン駆動式の防着板に堆積した材料を回収、再溶解および蒸発させることにより、材料利用効率を高める技術が開示されている。
特開平10−287967号公報には、防着板や防着テープを蒸着材料と同一の材料で形成し、防着板や防着テープに堆積した材料をこれらの防着板および防着テープと共に回収し、蒸着材料として再利用することにより、材料利用効率を高める技術が開示されている。
特開平5−222520号公報 特開平6−228751号公報 特開昭62−218557号公報 特開昭58−64382号公報 特開平10−287967号公報
上記文献に記載されているように、防着テープ等の巻き取り式の防着板を使用すると、防着板上で堆積物が厚く成長するのを防止できる。しかし、上記文献に記載された技術を使用したとしても、マスクに材料が堆積するのを完全に防止できるとは限らない。特に、マスクのエッジ部への材料の堆積を防ぐのが難しい。マスクのエッジ部に材料が多量に堆積すると、成膜領域や材料粒子の入射角範囲が変化し、設計通りの薄膜を製造できない。本発明の目的は、長時間成膜を安定かつ正確に行うのに有用な技術を提供することにある。
すなわち、本発明は、
真空中で成膜源から飛来した粒子を基板上に堆積させることによって薄膜を形成する方法であって、
前記成膜源と前記基板との間に走行経路の往路と復路とが設定された可動式の無終端帯によって前記基板の表面の成膜領域が規定されるように前記成膜源と前記基板との間に前記無終端帯を配置した状態で、前記基板上に前記粒子を堆積させる、薄膜形成方法を提供する。
他の側面において、本発明は、
真空槽と、
前記真空槽内に配置された成膜源と、
前記成膜源に面する所定の成膜位置に基板を供給する基板搬送ユニットと、
前記成膜位置と前記成膜源との間に走行経路の往路と復路とが形成されるように前記成膜位置に近接して配置されるとともに前記基板の表面の成膜領域を規定する無終端帯と、前記成膜領域を規定している部分が一の部分から他の部分へと移るように前記無終端帯を走行させる駆動部とを有する可動式遮蔽機構と、
を備えた、成膜装置を提供する。
上記本発明の方法および装置によると、可動式の無終端帯が成膜領域を規定するマスクとしての役割を担っている。無終端帯を走行させることにより、無終端帯の特定の部分に材料が集中的に堆積するのを防止できる。したがって、長時間成膜において、成膜領域や材料粒子の入射角範囲を一定に保つことができ、ひいては設計通りの薄膜を安定して製造できる。また、無終端帯を使用することで、装置コストを低廉にできる。さらに、成膜位置と成膜源との間に無終端帯の走行経路の往路と復路とが形成されていると、基板が無終端帯によって二重に覆われる。この場合、基板から遠い側の走行経路を占有している部分で基板に近い側の走行経路を占有している部分を輻射熱や材料粒子から保護できる(無終端帯の自己保護効果)。したがって、基板に近い側の走行経路を占有している部分で成膜領域を長時間にわたって正確に規定できる。
本発明の実施形態にかかる成膜装置を示す概略断面図 基板、無終端帯および固定遮蔽板の相互の位置関係を示す下面図 全てのマスクを無終端帯で形成した変形例を示す下面図 図1に示す成膜装置に設けられた遮蔽ユニットを示すIII-III線に沿った概略断面図 図1に示す成膜装置の部分斜視図 離型剤の塗布装置を有する遮蔽ユニットを示す概略断面図 無終端帯上の堆積物を除去するクリーナの変形例を示す概略断面図 無終端帯上の堆積物を除去するクリーナの他の変形例を示す概略断面図 成膜装置の変形例を示す概略断面図
以下、添付の図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1に示すように、本実施形態の成膜装置100は、真空槽22、基板搬送ユニット40、遮蔽ユニット42および成膜源27を備えている。基板搬送ユニット40、遮蔽ユニット42および成膜源27は真空槽22内に配置されている。真空槽22には真空ポンプ34が接続されている。真空槽22の側壁には、電子銃32および原料ガス導入管30が設けられている。
遮蔽ユニット42は、基板21の表面の成膜領域を規定するように、成膜源27と基板搬送ユニット40との間に設けられている。遮蔽ユニット42は、固定遮蔽板35および可動式遮蔽機構36によって構成されている。
固定遮蔽板35は、真空槽22に取り付けられている。固定遮蔽板35は、図1の紙面と垂直な方向にも設けられている。成膜時において、成膜源27、固定遮蔽板35および基板搬送ユニット40の相対的な位置関係は不変である。固定遮蔽板35によって、真空槽22の内部が、基板搬送ユニット40が配置された側と、成膜源27が配置された側とに区切られている。ただし、固定遮蔽板35は開口部35pを有しており、開口部35pを通じて、成膜源27からの材料粒子が基板21に向かって進める。
可動式遮蔽機構36は、基板21を覆う可動式の無終端帯11を有する。本実施形態では、基板21の搬送方向における上流側と下流側とのそれぞれに無終端帯11が配置されている。無終端帯11は、固定遮蔽板35の開口部35pに面する位置に配置されている。詳細には、無終端帯11の厚さ方向に関して、無終端帯11の一部が開口部35pに面し、残部が固定遮蔽板35と重なっている。また、無終端帯11は固定遮蔽板35よりも基板21の近くに位置している。
成膜源27から鉛直上方を見た図、つまり、図2Aの下面図に示すように、方形状の成膜領域DAが、無終端帯11のサイドエッジ11eと、固定遮蔽板35の開口部35pとによって規定されている。成膜領域DAの向かい合う一辺が無終端帯11のサイドエッジ11eにて規定され、他の向かい合う一辺が固定遮蔽板35の開口部35pにて規定されている。このように、無終端帯11および固定遮蔽板35の両者がマスクとしての役割を果たしている。固定遮蔽板35の開口部35pに面し、かつ無終端帯11に遮蔽されていない領域が、基板21の表面の成膜領域DAである。言い換えると、成膜領域DAは、成膜源27からの材料粒子が到達できる基板21上の領域を意味する。
図1に示すように、基板搬送ユニット40は、成膜源27に面する所定の成膜位置46に基板21を供給する機能と、成膜後の基板21をその成膜位置46から退避させる機能とを有する。成膜位置46は、基板21の搬送経路上の位置である。この成膜位置46を基板21が通過する際に、成膜源27から飛来した材料27bが基板21上に堆積し、それにより基板21上に薄膜が形成される。
具体的に、基板搬送ユニット40は、繰り出しローラ23(第1ローラ)、ガイドローラ24、キャン28および巻き取りローラ26(第2ローラ)によって構成されている。繰り出しローラ23には成膜前の基板21が準備される。ガイドローラ24は、基板21の搬送方向における上流側と下流側とのそれぞれに配置されている。上流側のガイドローラ24は、繰り出しローラ23から繰り出された基板21をキャン28に誘導する。キャン28は、基板21を支持しながら成膜位置46に誘導するとともに、成膜後の基板21を下流側のガイドローラ24に誘導する。キャン28には成膜後の基板21を冷却する機能もある。下流側のガイドローラ24は、成膜後の基板21を巻き取りローラ26に誘導する。巻き取りローラ26は、モータ(図示せず)によって駆動され、薄膜が形成された基板21を巻き取って保存する。
成膜時には、繰り出しローラ23から基板21を繰り出す操作と、成膜後の基板21を巻き取りローラ26に巻き取る操作とが同期して行われる。すなわち、成膜装置100は、繰り出しローラ23から巻き取りローラ26へと搬送中の基板21上に薄膜を形成する、いわゆる巻き取り式の成膜装置である。巻き取り式の成膜装置によると、長時間成膜によって高い生産性が望める反面、基板以外の部分への堆積物対策がより重要である。したがって、巻き取り式の成膜装置に本発明を適用すると、より高い効果が期待できる。ただし、本発明の適用対象は巻き取り式の成膜装置に限定されず、例えば、基板を1枚ずつ成膜位置に供給するロードロック式の成膜装置にも本発明を適用できる。
本実施形態において、基板21は、可撓性を有する長尺基板である。基板21の材料は特に限定されず、高分子フィルムや金属箔を使用できる。高分子フィルムの例は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルムおよびポリイミドフィルムである。金属箔の例は、アルミ箔、銅箔、ニッケル箔、チタニウム箔およびステンレス箔である。高分子フィルムと金属箔との複合材料も基板21に使用できる。
基板21の寸法も製造するべき薄膜の種類や生産数量に応じて決まるので、特に限定されない。基板21の幅は例えば50〜1000mmであり、基板21の厚さは例えば3〜150μmである。
成膜時において、基板21は一定の速度で搬送される。搬送速度は製造するべき薄膜の種類や成膜条件によって異なるが、例えば0.1〜500m/分である。搬送中の基板21には基板21の材料、基板21の寸法および成膜条件等に応じて適切な大きさの張力が付与される。なお、静止状態の基板21に薄膜を形成するために、基板21を間欠的に搬送してもよい。
成膜源27は、電子銃32からの電子ビーム33で坩堝27a内の材料27bを加熱する蒸発源である。つまり、成膜装置100は真空蒸着装置である。蒸発した材料27bが鉛直上方に向かって進むように、真空槽22の下部に成膜源27が配置されている。電子ビームに代えて、抵抗加熱や誘導加熱等の他の加熱方法を採用してもよい。
坩堝27aの開口部の形状は、例えば円形、小判形、矩形およびドーナツ形である。連続式の真空蒸着においては、成膜幅よりも幅広の矩形の開口部を有する坩堝27aを用いることが幅方向の膜厚均一性に有効である。坩堝27aの材料として、金属、酸化物および耐火物等を使用できる。金属の例は、銅、モリブデン、タンタルおよびタングステンまたはこれらを含む合金である。酸化物の例は、アルミナ、マグネシアおよびカルシアである。耐火物の例は、窒化硼素および炭素である。坩堝27aは水冷されていてもよい。
原料ガス導入管30は、真空槽22の外部から内部へと延びている。原料ガス導入管30の一端は、成膜源27と基板21との間の空間に向けられている。原料ガス導入管30の他端は、真空槽22の外部に配置された原料ガス供給源(例えばガスボンベやガス発生装置)に接続される。原料ガス導入管30を通じて真空槽22の内部に酸素ガスや窒素ガスを供給すれば、坩堝27a内の材料27bの酸化物、窒化物または酸窒化物を主成分とする薄膜を形成できる。
成膜時において、真空槽22の内部は真空ポンプ34によって薄膜の形成に適した圧力(例えば1.0×10-2〜1.0×10-4Pa)に保たれる。真空ポンプ34として、ロータリポンプ、油拡散ポンプ、クライオポンプおよびターボ分子ポンプ等の各種真空ポンプを使用できる。
なお、成膜源27として、イオンプレーティング源、スパッタ源、CVD源、プラズマ源等の他の成膜源を使用してもよいし、複数種類の成膜源の組み合わせを使用してもよい。
次に、遮蔽ユニット42について詳しく説明する。
図3Aは、成膜装置100に設けられた遮蔽ユニット42を示すIII-III線に沿った概略断面図である。図3Aの紙面に垂直な方向がキャン28の回転方向である。図3Bは、成膜装置100の要部を示す部分斜視図である。なお、理解を容易にするために、図3Bには固定遮蔽板35を示していない。遮蔽ユニット42の可動式遮蔽機構36は、基板21の表面の成膜領域DA(図2A参照)を規定する無終端帯11と、無終端帯11を走行させる駆動部17とを有する。
無終端帯11は、成膜位置46と成膜源27との間において成膜位置46に近接して配置されている。駆動部17は、成膜領域DAを規定している部分(基板21を覆っている部分)が一の部分から他の部分へと移るように無終端帯11を走行させる。無終端帯11を走行させて成膜領域DAを規定している部分を一の部分から他の部分へと移すことにより、マスクとしての無終端帯11の特定の部分に材料27bが集中して堆積するのを防止できる。つまり、成膜領域DA(広さや形)が変化するのを防止できる。また、無終端帯11を走行させることによって、無終端帯11が熱で変形するのを防止できる。その結果、無終端帯11の変形に起因して成膜領域DAが変化するのを防止できる。真空槽22をパージせずに無終端帯11を走行させることが可能なので、高い生産性を維持できる。
駆動部17は、無終端帯11が掛けられた複数のローラ12〜14を有する。ローラ12〜14は、基板21を覆う位置から離れた位置に配置されており、基板21を横切る方向(長尺基板21の幅方向)の一方側と他方側とにおいて無終端帯11の走行方向を反転させている。無終端帯11は、ローラ12〜14によって内周側または外周側から支持されるとともに、ローラ12〜14に沿って走行する。本実施形態において、ローラ12〜14は、駆動ローラ12、搬送ローラ13およびテンションローラ14によって構成されている。
駆動ローラ12は、無終端帯11に駆動力を与えるローラである。無終端帯11の内側面に接するように駆動ローラ12を配置すると、無終端帯11上の堆積物の影響を受けにくいので、無終端帯11の安定走行に有効である。駆動ローラ12は、典型的には、ステンレス鋼等の金属で形成されている。耐久性向上のために、駆動ローラ12の表面に硬質クロムメッキ等の被膜が形成されていてもよい。また、無終端帯11に確実に駆動力を与えるために、駆動ローラ12の表面が樹脂、例えばゴムでライニングされていてもよいし、凹凸加工等の表面加工が施されていてもよい。
搬送ローラ13は、自由回転できるローラである。無終端帯11の走行経路上に複数個の搬送ローラ13が設けられている。必要に応じて、搬送ローラ13の一部または全部を駆動ローラ12に置き換え可能である。
テンションローラ14は、無終端帯11に張力を印加するローラである。テンションローラ14で無終端帯11に張力を印加すると、駆動ローラ12の駆動力が確実に無終端帯11に加わり、走行経路に沿って無終端帯11が安定に走行する。テンションローラ14の張力印加機構としては、ばねを使用したもの、空気圧アクチュエータや油圧アクチュエータを使用したもの、電磁力を応用したもの等が挙げられる。
ローラ12〜14は冷却されていてもよい。成膜時において、無終端帯11は、材料粒子の熱や成膜源27からの輻射熱によって加熱される。ローラ12〜14が冷却されていると、ローラ12〜14を介して無終端帯11を積極的に冷却できる。その結果、無終端帯11が熱で損傷したり変形したりするのを確実に防止できる。
ローラ12〜14の各直径は、遮蔽ユニット42の全体の大きさや無終端帯11の寸法等に応じて適宜設定される。ローラ12〜14の各直径は、典型的には、25〜300mmの範囲にある。このような直径のローラを使用すれば、無終端帯11がローラ12〜14に沿って無理なく屈曲するので、スムーズな走行を実現できる。また、真空槽22内でのローラ12〜14の設置スペースも大きくなりすぎない。
無終端帯11には金属ベルトや樹脂ベルトを使用できる。樹脂ベルトは、ポリアミドやポリイミド等の耐熱性樹脂でできたものが望ましい。金属ベルトは樹脂ベルトに比べて一般的に耐熱性および強度に優れているので、無終端帯11として好適である。金属ベルトの材料は特に限定されないが、鉄、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等が取扱性、屈曲性およびコストの観点で望ましい。
無終端帯11の寸法は、成膜材料や成膜速度等の成膜条件に応じて適宜設定される。無終端帯11の厚さは、例えば20〜300μm程度である。このような厚さの無終端帯11によると、熱損傷や熱変形が発生しにくく、走行安定性も高い。無終端帯11の幅は、例えば5〜500mm程度である。このような幅の無終端帯11によると、破断しにくく、走行安定性も高い。また、無終端帯11の内側面が堆積物によって汚れにくく、真空槽22内での無終端帯11の設置スペースも大きくなりすぎない。
無終端帯11の蛇行を防止するために、蛇行検出センサおよび補正機構を設けてもよい。さらに、ローラ12〜14のいずれかに走行位置を規定する段差を設けたり、ローラ12〜14にエキスパンドローラやクラウンローラを使用したりして、無終端帯11の蛇行を防止することも可能である。
無終端帯11の走行経路は、成膜位置46の近傍において互いに近接した往路および復路を有する。つまり、成膜位置46と成膜源27との間に無終端帯11の往路と復路とが形成されるように、複数のローラ12〜14の位置が調節されている。詳細には、成膜位置46と固定遮蔽板35との間に無終端帯11の走行経路の往路と復路とが形成されている。基板21を覆う位置において、無終端帯11は、往路を占有している往路側部分11aと、復路を占有している復路側部分11bとを有する。したがって、成膜位置46を通過する基板21は、無終端帯11によって二重に覆われる。本明細書では、駆動ローラ12を基準として、成膜源27に近い側を走行経路の往路、基板21に近い側を走行経路の復路と定義する。
成膜位置46の近傍に無終端帯11の走行経路の往路と復路が形成されていると、次のような効果が得られる。成膜時において、無終端帯11の往路側部分11aは、基板21の表面を遮蔽して成膜領域DA以外の領域に材料粒子が堆積するのを防ぐとともに、成膜源27からの輻射熱を受け止める。無終端帯11の復路側部分11bには材料粒子が堆積しにくく、かつ輻射熱も及びにくい。つまり、往路側部分11aで復路側部分11bを熱から守れる。その結果、復路側部分11bによって成膜領域DAや入射角範囲を正確に規定できる。併せて、基板21が成膜源27からの輻射熱に晒されて変形するのを防止できる。
詳細には、往路側部分11aと復路側部分11bとが当該無終端帯11の厚さ方向に関して互いに平行である。このような位置関係によれば、上述の効果をより確実に得ることができる。
基板21と復路側部分11bとの間隔は、成膜領域、入射角範囲、必要な規定精度、成膜材料、成膜速度等の条件に応じて適宜設定される。基板21と復路側部分11bとの最小間隔は、例えば0.5〜10mmである。このような範囲によると、成膜領域や入射角範囲の規定精度を十分に高めつつ、基板21と復路側部分11bとの接触を防げる。このことは、往路側部分11aと復路側部分11bに関しても同様であり、往路側部分11aと復路側部分11bとの最小間隔は、例えば2〜20mmである。これにより、成膜源27からの材料粒子が無終端帯11の内側に回りこんで堆積したり、往路側部分11aと復路側部分11bとが接触して成膜領域や入射角範囲が変化したりするのを防げる。
図2Aを参照して説明したように、本実施形態では、方形状の成膜領域DAを規定するマスクが固定遮蔽板35および可動式遮蔽機構36の無終端帯11で構成されている。ただし、図2Bに示すように、全てのマスクを可動式遮蔽機構36の無終端帯11で構成してもよい。前者によれば、装置コストの面で有利である。後者によれば、より正確に成膜領域DAおよび入射角範囲を規定できる。
無終端帯11を走行させるタイミングは特に限定されない。好適には、基板21に材料27bを堆積させる工程(堆積工程)を実施しながら無終端帯11を走行させる工程を実施する。例えば、無終端帯11を一定の速度でゆっくり走行させると、無終端帯11の全体に満遍なく材料27bが堆積する。このことは、成膜領域DAを長時間にわたって一定に維持するのに有効である。予め定められたタイムスケジュールで無終端帯11を間欠的に走行させてもほぼ同じ効果が得られる。
可動式遮蔽機構36には、真空を維持しつつ無終端帯11上の堆積物を除去するクリーナが設けられていてもよい。無終端帯11上の堆積物を除去することにより、無終端帯11を常に清潔な状態に保てる。その結果、成膜領域DAや入射角範囲をより長時間にわたって一定に維持できる。また、堆積物を無終端帯11から積極的に剥離させれば、堆積物が無終端帯11から自然に剥離するのを予防できる。その結果、成膜源27に堆積物が落ちて、成膜条件が急変したりスプラッシュが発生したりするのを防止できる。
クリーナで堆積物を除去する工程は、薄膜の製造過程で行ってもよい。つまり、基板21に材料27bを堆積させる工程を実施しながら除去工程を実施できる。このことは、長時間成膜において有意義である。また、無終端帯11を走行させながら除去工程を実施するのが能率的である。好適には、基板21に材料27bを堆積させる工程と無終端帯11を走行させる工程とを実施しながら除去工程を実施する。ただし、堆積工程を中断しつつ除去工程のみを行ってもよいし、無終端帯11を走行させる工程と除去工程とを交互に実施してもよい。
また、無終端帯11の任意部分が基板21を覆う位置での往路を通過後、基板21を覆う位置での復路に到達する前までに、無終端帯11のその任意部分に対して除去工程を実施するとよい。このようにすれば、復路側部分11bを清潔な状態に保てるので、成膜領域DAや入射角範囲をより正確に規定できる。
クリーナは、基板21を覆う位置から離れている無終端帯11から堆積物を除去できる位置に設けられているとよい。除去された堆積物が基板21に付着したり、成膜源27に向かって落下したりするのを防ぐためである。本実施形態では、基板21を挟んで駆動ローラ12が配置されている側とは反対側にクリーナが配置されている。
具体的に、クリーナとして、(i)無終端帯11上の堆積物に機械的な力を付与する器具、(ii)無終端帯11を屈曲させる器具、(iii)無終端帯11上の堆積物を加熱する加熱源、および(iv)無終端帯11上の堆積物にレーザーを照射するレーザー照射装置を使用できる。(i)〜(iv)から選ばれる2以上の組み合わせも使用できる。
図3Aに示すように、堆積物11に機械的な力を付与する器具の一例は、ブレード15(スクレーパ)である。無終端帯11にブレード15を接触させて堆積物を剥ぎ取る。ブレード15の下方には、無終端帯11から剥離した堆積物4を回収するための回収容器18が設けられている。回収容器18に集められた堆積物を成膜材料として再利用してもよい。回収容器18に堆積物を集めれば真空槽22内で堆積物が飛散するのを防止できるし、清掃作業も容易である。
ブレード15の位置は、無終端帯11上に堆積物が存在しない状態で先端が無終端帯11に僅かに接触するように調節されている。ブレード15と無終端帯11との間に僅かな隙間が存在するように、ブレード15の位置が調節されていてもよい。このようにすれば、ブレード15で無終端帯11が損傷するのを避けつつ、堆積物を確実に除去できる。また、ブレード15の位置を調節するアクチュエータが設けられていてもよい。さらに、アクチュエータでブレード15を振動させて堆積物の除去効果を促進することもできる。ブレード15の材料としては、ステンレス、チタンおよび焼き入れ鋼等の金属が挙げられる。金属に代えて、サファイアガラスやセラミック等の硬質材料も使用できる。
図3Aに示すように、無終端帯11を屈曲させる器具の一例は、無終端帯11の走行経路上に設けられた小径ローラ16である。無終端帯11は小径ローラ16に掛けられており、小径ローラ16によって強く屈曲させられる。このように、無終端帯11に強い屈曲力を与える区間を走行経路の特定区間に設けると、堆積物がその特定区間で剥離しやすい。
小径ローラ16が無終端帯11に与える屈曲力は、他の搬送用のローラ12〜14が無終端帯11に与える屈曲力よりも強い。強い屈曲力により、無終端帯11上の堆積物に大きい応力が生じ、無終端帯11から堆積物が自然に剥離する。小径ローラ16の直径は、他のローラ12〜14の直径よりも小さく、堆積物を剥離させるのに必要な屈曲力を無終端帯11に付与できる大きさに調節されている。例えば、小径ローラ16の直径はローラ12〜14の直径の30〜70%である。小径ローラ16に対する無終端帯11の巻き付け角度を、ローラ12〜14に対する無終端帯11の巻き付け角度以上(例えば1〜4倍)に調節してもよい。なお、小径ローラ16は、自由回転するローラであってもよいし、モータで駆動されるローラであってもよい。
小径ローラ16の数は1つであっても構わないが、本実施形態のように複数の小径ローラ16を使用し、屈曲方向を交互に変化させることにより、堆積物の剥離を促進できる。また、本実施形態では、ブレード15で堆積物を剥ぎ取る方法と小径ローラ16で無終端帯11を屈曲させる方法とを併用している。このようにすると、走行経路の上流側に設けられた小径ローラ12で堆積物を無終端帯11から浮かせつつ、浮いた堆積物を下流側に設けられたブレード15ですくい取れる。その結果、無終端帯11から堆積物をより確実に除去できる。
離型剤を予め無終端帯11に塗布しておけば、無終端帯11と堆積物との接着強度が弱くなるので、無終端帯11から堆積物を剥離させやすくなる。離型剤は、機械的な力を付与する方法や無終端帯11を屈曲させる方法によって堆積物を除去する場合に特に有効である。離型剤としては、例えばシリコン系の離型剤を使用できる。
薄膜の製造過程において、無終端帯11は決められた走行経路を繰り返し周回する。これに伴って、無終端帯11への材料27bの堆積および堆積物の剥離が繰り返され、無終端帯11上の離型剤も次第に減少する。そのため、真空中で無終端帯11上に離型剤を補充することが有効である。図4に示す例では、無終端帯11に離型剤を供給する装置19が無終端帯11の走行経路に隣接して設けられている。供給装置19によると、基板21への成膜を行いながら無終端帯11に離型剤を補充できる。供給装置19の具体例は、無終端帯11に離型剤を塗布する装置や無終端帯11に離型剤を蒸着する装置である。
また、図5に示すように、無終端帯11上の堆積物を加熱する加熱装置8を無終端帯11の走行経路に隣接して設けてもよい。加熱装置8で無終端帯11を加熱し、無終端帯11上の堆積物を蒸発または熱分解して除去する。この方法は、無終端帯11の耐熱性や堆積物の特性に応じて適用可能である。具体的には、堆積物が蒸発または熱分解する温度で無終端帯11が熱損傷を起こさない場合に、この方法を適用できる。
ただし、加熱により無終端帯11と堆積物との接着強度を低下させるだけで十分な場合もある。例えば、有機物でできた溶融性離型剤を使用した場合、比較的低温の加熱によって離型剤が溶融するので、堆積物の剥離を生じさせることが可能である。この方法には、無終端帯11の熱損傷が発生しにくい利点がある。図5に示すように、加熱によって無終端帯11と堆積物との接着強度を低下させつつ、ブレード15で堆積物を剥ぎ取れば、より効果的である。
加熱装置8は、無終端帯11に接触して直接熱を伝える接触式のものであってもよいし、熱線や電子ビームを照射する非接触式のものであってもよい。前者の具体例は加熱ローラであり、後者の具体例は赤外線照射装置、ハロゲンランプおよび電子ビーム照射装置である。
また、図6に示すように、無終端帯11上の堆積物に向けてレーザーを照射するレーザー照射装置7を無終端帯11の走行経路に隣接して設けてもよい。加熱による方法と同様、レーザーによる方法は、レーザーにより堆積物を蒸発または分解できる場合に有効である。レーザー照射装置7としては、堆積物に吸収されやすく、かつ無終端帯11に吸収されにくい波長のレーザーを照射できるものが好適である。例えば、ステンレス製の無終端帯11上に珪素酸化物が堆積している場合には、炭酸ガスレーザーを使用できる。
レーザー処理用ローラ6に沿って無終端帯11が走行している最中にレーザー照射を行うとよい。無終端帯11の変形を防止する観点から、レーザー処理用ローラ6を水冷機構等によって冷却しつつ、レーザー照射を行うことが望ましい。
(変形例)
図7に示す成膜装置200の基本構造は、図1に示す成膜装置100のそれと同じである。成膜装置200は、成膜源27からの材料粒子が基板21に対して主に斜め方向から入射する点で成膜装置100と相違する。つまり、成膜装置200では、水平方向および垂直方向から傾いた方向に直線的に走行している基板21に対して、成膜源27からの材料粒子を堆積させる(いわゆる斜め入射成膜)。斜め入射成膜によると、自己陰影効果により微小空間を有する薄膜を形成できるので、高C/N磁気テープやサイクル特性に優れた電池負極の製造に有効である。
成膜装置200によると、基板21と無終端帯11とが平行になるので、基板21と無終端帯11との距離を一定に保ちやすい。また、基板21を覆う位置において、基板21の長手方向と無終端帯11の長手方向とが直交している。そのため、無終端帯11を走行させるローラや堆積物を除去するクリーナのスペースを確保しやすい。
また、基板21がキャンに支持されていないので、基板21を冷却する機構9を別途設けてもよい。冷却機構9は、例えば、基板21の裏面側に配置される。冷却機構9として、基板21に接触可能な冷却体、複数のローラ、基板21の裏面に向けて冷却ガスを噴射する装置等を採用できる。
成膜装置200によると、成膜源27から近い位置と遠い位置とに可動式遮蔽機構36が設けられている。斜め成膜を行う場合、成膜源27から近い位置のマスクにより多くの堆積物が蓄積する。したがって、基板21の搬送方向に関して、少なくとも成膜源27から近い側に可動式遮蔽機構36を設けるのが好ましい。
本発明は、長尺の蓄電デバイス用極板の製造に応用できる。例えば、基板21として銅箔を用い、炭素製坩堝27aに材料27bとして珪素を収容する。電子ビーム33により珪素を蒸発させ、基板21上に珪素膜を形成する。真空槽22内に微量の酸素ガスを導入すれば、珪素と酸化珪素とを含む薄膜を基板21上に形成できる。この薄膜は、リチウムイオン二次電池の負極に利用できる。
本発明は、また、磁気テープの製造にも好適である。基板21としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、マグネシア製坩堝27aに材料27bとしてコバルトを収容する。真空槽22内に酸素ガスを導入しつつ、電子ビーム33によりコバルトを蒸発させる。これにより、基板21上にコバルトを含む膜が形成される。
蓄電デバイス用極板や磁気テープだけでなく、コンデンサ、各種センサ、太陽電池、各種光学膜、防湿膜および導電膜等、成膜が必要な対象に本発明を適用できる。中でも、長時間成膜、比較的厚い膜の形成、入射角範囲の規定が必要である、磁気テープ、蓄電デバイス用極板およびコンデンサ等の成膜を行う場合に本発明が特に有効である。

Claims (14)

  1. 真空中で成膜源から飛来した粒子を基板上に堆積させることによって薄膜を形成する方法であって、
    前記成膜源と前記基板との間に走行経路の往路と復路とが設定された可動式の無終端帯によって前記基板の表面の成膜領域が規定されるように前記成膜源と前記基板との間に前記無終端帯を配置した状態で、前記基板上に前記粒子を堆積させる、薄膜形成方法。
  2. 前記基板を覆う位置において、前記無終端帯が、前記往路を占有している往路側部分と、前記復路を占有している復路側部分とを有し、
    前記往路側部分と前記復路側部分とが、前記無終端帯の厚さ方向に関して互いに平行である、請求項1に記載の薄膜形成方法。
  3. 前記成膜領域を規定している部分が一の部分から他の部分へと移るように前記無終端帯を走行させる工程をさらに含む、請求項1に記載の薄膜形成方法。
  4. 前記基板上に前記粒子を堆積させる工程を実施しながら前記無終端帯を走行させる工程を実施する、請求項3に記載の薄膜形成方法。
  5. 前記基板を覆う位置から離れた位置において前記無終端帯上の堆積物を除去する工程をさらに含み、
    前記堆積工程および前記無終端帯を走行させる工程を実施しながら前記除去工程を実施する、請求項4に記載の薄膜形成方法。
  6. 前記除去工程において、前記無終端帯上の堆積物に機械的な力を付与する操作、前記無終端帯を屈曲させる操作、前記無終端帯上の堆積物を加熱する操作および前記無終端帯上の堆積物にレーザーを照射する操作からなる群より選ばれる少なくとも1つの操作を行う、請求項5に記載の薄膜形成方法。
  7. 前記成膜源に近い側を前記往路、前記基板に近い側を前記復路としたとき、
    前記無終端帯の任意部分が前記基板を覆う位置での前記往路を通過後、前記基板を覆う位置での前記復路に到達する前までに、前記無終端帯の前記任意部分に対して前記除去工程を実施する、請求項5に記載の薄膜形成方法。
  8. 真空を維持しつつ、前記基板を覆う位置から離れた位置において前記無終端帯上の堆積物を除去する工程をさらに含む、請求項1に記載の薄膜形成方法。
  9. 前記基板が可撓性を有する長尺基板であり、
    繰り出しローラから巻き取りローラへと搬送中の前記基板上に前記粒子を堆積させる、請求項1に記載の薄膜形成方法。
  10. 真空槽と、
    前記真空槽内に配置された成膜源と、
    前記成膜源に面する所定の成膜位置に基板を供給する基板搬送ユニットと、
    前記成膜位置と前記成膜源との間に走行経路の往路と復路とが形成されるように前記成膜位置に近接して配置されるとともに前記基板の表面の成膜領域を規定する無終端帯と、前記成膜領域を規定している部分が一の部分から他の部分へと移るように前記無終端帯を走行させる駆動部とを有する可動式遮蔽機構と、
    を備えた、成膜装置。
  11. 前記基板を覆う位置において、前記無終端帯が、前記往路を占有している往路側部分と、前記復路を占有している復路側部分とを有し、
    前記往路側部分と前記復路側部分とが、前記無終端帯の厚さ方向に関して互いに平行である、請求項10に記載の成膜装置。
  12. 前記可動式遮蔽機構が、真空を維持しつつ前記無終端帯上の堆積物を除去するクリーナをさらに有する、請求項10に記載の成膜装置。
  13. 前記クリーナが、前記無終端帯上の堆積物に機械的な力を付与する器具、前記無終端帯を屈曲させる器具、前記無終端帯上の堆積物を加熱する加熱装置および前記無終端帯上の堆積物にレーザーを照射するレーザー照射装置からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項12に記載の成膜装置。
  14. 前記基板が可撓性を有する長尺基板であり、
    前記基板搬送ユニットが、成膜前の前記基板を繰り出す第1ローラと、成膜後の前記基板を巻き取る第2ローラとを有する、請求項10に記載の成膜装置。
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