JP4368313B2 - 磁気検知式センサ - Google Patents
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Description
図8は、特許文献1の磁気検知式センサを示す図である。
この磁気検知式センサは、マグネット24の近接を検知して、検知ユニット40内のリードスイッチ42が切り替わる構造となっている。マグネット24が検知ユニット40に近づくと、マグネット24の磁界の影響を受けて、ノーマルオープン接点NOが接続され、リードスイッチ42はONとなる。また、マグネット24が検知ユニット40から離れると、マグネット24の磁界の影響を受けなくなるので、ノーマルクローズ接点NCが接続され、リードスイッチ42はOFFとなる。
この理由は、以下のような点が挙げられる。
リードスイッチ42のOFFからONに変化するときの磁界の強さを、ある特定の窓に設置したときに得られる完全閉鎖値に設定すると、その特定の窓における開閉については、窓がしっかり閉鎖した時点で、リードスイッチがOFFからONに変わるので、理想的な磁気検知式センサとなる。
しかし、この磁気検知式センサを別の窓に設置した場合、検知ユニット40とマグネットセンサ24との距離は、特定の窓と必ずしも同じ距離であるとは限らない。従って、特定の窓より別の窓の完全閉鎖値の方が小さい場合は、リードスイッチ42は窓がしっかりと閉鎖した状態であってもOFFからONに変わらず、磁気検知式センサは、窓が閉鎖したことを判定することができなくなってしまう。
具体的に、画策行為とは、例えば、不正に強力な磁界をリードスイッチに印加して、窓を開けても、リードスイッチがONのままとなるようにする行為である。
この磁気検知式センサは、リードスイッチと、リードスイッチに対する磁界の強さを測定する磁界測定部とを備えている。そして、リードスイッチがONであるときの磁界測定部の測定した磁界の強さを基準値として記憶し、この基準値と、磁界測定部から得られる磁界の強さとの差が所定の値を越えると画策行為の有りを判定する。
従って、リードスイッチ42がONを出力していても、窓の閉め方によっては、窓はわずかに開いた状態(以下、半閉まり状態という)になっていることがあった。
従って、スイッチ部がONを検出したが、磁界測定部から得られた磁界の強さが閉鎖強度を越えておらず、可動部材が閉鎖していると判定されなかったとき、利用者が、第1の起動手段を動作させるために、可動部材を一度開いて、スイッチ部をOFFにしてから、可動部材を閉じて、スイッチ部をONへ変化させる必要がなくなる。
これにより、半閉まり状態において基準値を設定し、画策行為の有りを誤って判定することを防止できる。例えば、半閉まり状態から利用者が可動部材をさらに閉じたとき、誤って画策行為が行われたと判定してしまうことを防止できる。
これにより、スイッチ部だけでは検知することができない半閉まり状態が生じることを防止できる。
図1は、本発明に係る磁気検知式センサのブロック構成図である。
磁気検知式センサは、検知ユニット50とマグネット60とから構成され、可動部材を有する窓や扉等に設置される。そして、窓や扉等が閉鎖した状態においてマグネット60と対向する位置に検知ユニット60を設置して使用される。
なお、本実施例では、磁気検知式センサが複数の窓に設置されているものとして説明する。
ここで、判定値とは、可動部材を十分に閉鎖した状態において、マグネット60から磁界測定部53が受ける磁界の強さよりマージンを持った値である。かかる判定値により、画策行為を検出するものである。
また、閉鎖強度については、磁気検知式センサの動作フローの説明部分にて後述する。
電池57は、検知ユニット50を駆動させるための電力を供給する。
制御部71は、監視装置70の各部を制御するCPUまたはMPUである。
モード設定部74は、磁気検知式センサによる窓の監視を行う監視モードと、監視を行わない解除モードとを利用者が設定するもので、カードリーダーである。モードの切り替えは、利用者が所持するIDカードによる認証によって行われる。なお、本実施例では、モード設定部74は、カードリーダーとして説明するが、これに限らず、暗証番号を入力する方式のものや、指紋等の生体情報を入力する方式のものであってもよい。
記憶部74は、窓の開閉状態、磁気検知式センサの識別コード、設定されているモード、モードの切替えのときにIDカードにより入力されるIDコード、制御部71の動作プログラム等を記憶する。なお、記憶部74は、磁気検知式センサの識別コードごとに窓の開閉状態を記憶している。
警報部75は、監視モード中における窓の開放を周囲に知らせるブザー等である。
表示部76は、現在設定されているモードや、窓の開閉状態等を利用者へ表示する。表示には、LEDや液晶画面等の公知の表示装置が使用される。
電源が入り、磁気検知式センサが稼動状態となると、まず、S101にてスイッチ部52の状態の変化を監視する。
スイッチ部52がONからOFFに変化した場合は、窓が開いたと判定する。そして、記憶部54に閉状態を記憶していれば(S120YES)、窓が開いたことを示す開検知信号を自己の識別コードとともに出力部55から監視装置70に送信し(S121)、記憶部54に開状態を記憶する(S122)。
これに対し、スイッチ部52がOFFからONに変化した場合は、更に、S102以下の処理で窓が十分に閉鎖しているかの判定を行う。
H0>TH1である場合は(S105YES)、窓は十分に閉鎖していると判定して、基準候補値を画策判定のための基準値として記憶し(S106)、窓が閉鎖したことを示す閉検知信号を自己の識別コードとともに出力部55から監視装置70に送信する(S107)。そして、閉状態を記憶部54に記憶する(S108)。
さらに、S109にて、画策行為の有無を判定するための第2の閾値(TH2)、第3の閾値(TH3)を基準値から設定して記憶する。具体的には、基準値に判定値を加えた値をTH2、基準値から判定値を減じたものをTH3とする。
また、画策行為を判定するための基準値は、窓が十分に閉鎖しているときに磁界測定部53から得られた磁界の強さが設定されるので、正確に画策行為の有無を判定することができる。
図6において、縦軸はスイッチ部52の状態を示し、横軸はスイッチ部52が受ける磁界の強さを示している。
Hmaxは、窓や扉等が完全に閉鎖しているときに、スイッチ部52がマグネット60から受ける磁界の強さである。
そして、Honは、リードスイッチがOFFからONへの変化を検出するときの磁界の強さ、Hoffは、リードスイッチがONからOFFへの変化を検出するときの磁界の強さである。
しかし、Hmaxは必ずしも固定の値であるとは限らない。窓の形状、取り付け位置、風や付近を通過する車などの振動等により変動するものである。また、磁界測定部53は、外部からスイッチ部52に与えられる磁界の強さを測定することができるように、スイッチ部52の近傍に配置されるが、スイッチ部52が受ける磁界の強さそのものを検出することはできない。
従って、これらのことを考慮した実験により、閉鎖強度(TH1)は、Hmaxよりも小さめの値に設定される。
しかし、閉鎖強度(TH1)を低く設定しすぎると、今度は逆に、窓が中途半端に閉鎖している半閉まり状態を防止することができなくなってしまう。すなわち、スイッチ部52がうける磁界の強さが図6に示すHoffより大きく、Hmaxより小さいときの半閉まり状態を防止することができない。
以上から、閉鎖強度(TH1)は、少なくともHoffより大きく、Hmaxより小さい値に設定する。閉鎖強度(TH1)をHmaxに近い値に設定すればするほど、厳しく窓が閉鎖していることを判定することができるが、窓が十分に閉鎖しているのに閉鎖していないと誤判定する確率が高まる。逆に、Hoffに近い値に設定すればするほど、窓が十分に閉鎖しているのに閉鎖していないと誤判定する確率が減少するが、窓が閉鎖していることを緩く判定することになる。この範囲内で、閉鎖強度(TH1)は適切な値に実験的に設定される。
S105にて、H0>TH1でない場合は、サンプリング周期である第2の所定時間(T2)を計時し(S130、S132)つつ、この計時のループの中でスイッチ部52の状態を判定する(S131)。スイッチ部52の状態がOFFである場合は、窓が開いたと判定し、計時のループから抜け、S120へ進む。
その問題とは、この半閉まり状態から、利用者が窓を十分に閉鎖した場合、スイッチ部52はもともとONを検出しているので、S101にてスイッチ部52のOFFからONへの変化が生じず、S102以下の処理が実行されないということである。そうすると、利用者は、スイッチ部52がONになるようにわざわざ窓を開け、窓を再び閉めなければならない。これは、利用者にとって非常に使い勝手が悪いこととなる。
S114の式が成立しなかった場合、開状態を記憶していれば(S140YES)、閉検知信号を自己の識別コードとともに監視部70に送信する(S141)。そして、閉状態を記憶部54に記憶し(S142)、S110に進む。
まず、制御部71は、受信部73にて、磁気検知式センサから識別コードが付加された開検知信号や閉検知信号を受信すると、記憶部74内の該当する識別コードにおける窓の開閉状態をそれぞれ、開状態、閉状態として記憶させている。
全ての磁気検知式センサが閉状態であると判定されると、記憶部74に監視モードを設定し(S204)、磁気検知式センサの監視を開始することとなる。
1つでも開状態である磁気検知式マグネットセンサがあると(S203NO)、S210にて、開いている窓がある旨を表示し、S201へ戻る。これにより、磁気検知式センサが窓の十分な閉鎖を判定し、閉検知信号を監視装置70に送信しない限り、監視装置70にて監視モードに設定されることがないので、窓が防犯上好ましくない半閉まり状態で監視モードが設定されてしまうことを防止することができる。
なお、この警報部75を駆動時間は、所定時間経過後に停止するものであてもよいし、S208にて解除モードが設定されるまで駆動させてもよい。
具体的には、図3のS101にてスイッチ部52の状態がONからOFFに変化したとき、または、図3のS105にて窓が十分に閉鎖していないと判定されたとき(S105NO)、表示部を駆動することとなる。そして、S105にて窓が十分に閉鎖していると判定された場合(S105YES)は、表示部の表示を停止することとなる。これにより、利用者は、どの磁気検知式センサが開いているのかを監視装置70でわざわざ確認する必要がなく、窓に取り付けられた磁気検知式センサの表示部を確認するだけで、どの窓が開いているかをすぐに知ることができるので、利便性が更に向上する。
ヒステリシス特性とは、スイッチ部52が一旦ONとなると、OFFになり難くなるという性質である。つまり、利用者が窓を強めに閉め、窓が窓枠(図7の103)に当たり少し跳ね返ったとき等には、スイッチ部52は一旦ONとなるので、特に半閉まり状態が生じやすい。
従って、閉鎖強度(TH1)を、少なくともHonよりも大きくHmaxよりも小さい値に設定すれば、スイッチ部52のヒステリシス特性による半閉まり状態を排除して、スイッチ部52の欠点を補う磁気検知式センサを提供することができる。
52 スイッチ部
53 磁界測定部
60 マグネット
70 監視装置
Claims (6)
- 窓や扉等の可動部材に設置するマグネットと、前記可動部材を閉鎖した状態において前記マグネットと対向する位置に設置する検知ユニットとを具備する磁気検知式センサであって、
前記検知ユニットは、
前記マグネットが近接するとONとなり、前記マグネットが離れるとOFFとなるスイッチ部と、
磁界の強さを測定する磁界測定部と、
前記スイッチ部がONからOFFに変化する磁界の強さより少なくとも大きい値を閉鎖強度として記憶する記憶部と、
前記スイッチ部がONであり、かつ、前記磁界測定部から得られた磁界の強さが前記閉鎖強度を越えているときに、前記可動部材が閉鎖していると判定する閉判定手段を含む制御部と、
前記制御部の判定結果を出力する出力部と、
を有することを特徴とした磁気検知式センサ。 - 更に、前記検知ユニットに電源を供給する電池を有し、
前記制御部は、前記スイッチ部がOFFからONへの変化を検出したとき、前記閉判定手段により前記磁界測定部を起動する第1の起動手段を含む請求項1に記載の磁気検知式センサ。 - 更に、前記スイッチ部がONを検出しているときに所定時間を計時する計時部を有し、
前記制御部は、前記計時部が計時する所定時間おきに、前記閉判定手段により前記磁界測定部を起動する第2の起動手段を含む請求項1または2に記載の磁気検知式センサ。 - 更に、前記制御部は、前記閉判定手段にて前記可動部材が閉鎖していると判定されたときの前記磁界測定部から得られた磁界の強さを、画策行為を判定するための基準値として設定する設定手段を含む請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の磁気検知式センサ。
- 更に、前記閉鎖強度は、前記可動部材が完全に閉鎖した状態において前記マグネットが前記スイッチ部に与える磁界の強さよりも小さい値である請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の磁気検知式センサ。
- 更に、前記制御部は、前記スイッチ部が、ONからOFFへの変化を検出したときに、前記可動部材が開いていると判定する開判定手段を含む請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の磁気検知式センサ。
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