JP4368043B2 - シール部材を用いたサーモスタットの取付け構造 - Google Patents

シール部材を用いたサーモスタットの取付け構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シール部材及び該シール部材を用いたサーモスタットの取付け構造に関し、例えば、車両の内燃機関の冷却システム等に用いるのに好適なシール部材及び該シール部材を用いたサーモスタットの取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在市販されている車両の内燃機関の冷却システムは、冷却液を媒体とする水冷方式によりエンジンを冷却するものが大半を占め、この水冷方式の冷却システムは、四輪車用のエンジンの他、広く二輪車用のエンジンにも供されている。
前記水冷方式による車両の内燃機関の冷却システムは、エンジン本体の外部にラジエ−タを配置し、このラジエ−タとエンジン本体とをラバ−ホ−ス等により連結して冷却液を循環させるものであり、熱交換器の役割を担うラジエ−タと、このラジエ−タにエンジンから冷却液を強制的に圧送するウォ−タ−ポンプと、ラジエ−タから流れてくる、若しくはラジエ−タへ流れていく冷却液の温度によって、冷却液の流れを制御して適温に保つサ−モスタットと、冷却液の循環流路を形成するラバ−ホ−ス等とから構成されている。
そして、エンジンの発熱によるオ−バ−ヒ−トを防止するとともに、一方では寒い時期のオ−バ−ク−ルを防止して、エンジンを常に適温に保つように機能する。
【0003】
このような水冷方式に用いられる、一般的なサ−モスタット及びサ−モスタット取り付け構造について、図4及び図5に基づいて説明する。図4は、内燃機関の冷却液流路に従来のサ−モスタットをエンジン入口制御として取り付けた状態を示す模式図であり、図5は図4におけるサ−モスタットの概略図である。
【0004】
図4に示すように、サ−モスタット100はエンジンE本体とラジエ−タRとの間に形成される冷却液流路110の所定位置に配置されている。また図5に示すように、このサ−モスタット100には、ワックスケース106に収納される熱膨張体のワックスの膨張・収縮の作用によって、進退動するピストン102が設けられ、前記サ−モスタット100は、そのピストン102の進退方向が冷却液の流路方向と平行となるように冷却液流路110に配置される。
そして、前記サ−モスタット100では、前記ピストン102の進退動によって弁体103と弁座104との当接、離間が行われ、冷却液流路の遮断、連通が行われる。
なお、図5中の符号105は、ピストン102の進退動を案内するガイド部であり、符号106は、ワックスを収納したワックスケ−スであり、符号107は、バイパス通路110Aを遮断、連通する第2の弁体である。また、図4の符号Pは、ウォ−タ−ポンプであり、符号Rは、ラジエータである。
【0005】
また、図中、符号111はジグルバルブであって、前記サ−モスタット100には、いわゆるエア抜き穴であるジグルバルブ111が設けられている。
即ち、内燃機関におけるサーモスタットは水温が低い時はラジエータ側への冷却水の流通を防ぐため、通常サーモスタットは閉弁状態にある。
そのため、ラジエータの上部から冷却水を注入する場合、サーモスタットは閉弁状態にあるから、ウォータジャケット内の空気の逃げを可能にしなければ、注水が困難である。そのため、サーモスタットにはエアー抜き孔112が設けられている。また、この孔112はエンジンの運転中に冷却水に混入する空気等の逃げ孔の作用をしている。一方、エンジン運転中は前記孔から冷却水もラジエータ側へ流れるので、暖気運転に時間を要することになる。このため、エアー抜きは可能であるが、水圧が加わると閉弁する構造のジグルバルブ111が設けられている。
【0006】
ここで、前記サ−モスタット100の動作について説明すると、前記したように、当初、ラジエータ、ウォータジャケットに冷却水を注入する場合、ジグルバルブ111が開き、エアー抜きが行われる。
そして、冷却水を注入した後、エンジン始動時からエンジンE内が適温になるまでの間、サ−モスタット100は、冷却液流路110を閉ざしている。このとき、前記ジグルバルブ111も同様に、閉じている。その結果、エンジンEからの冷却液は、ラジエ−タRへは向かわず、バイパス通路110Aを通ってエンジンEへ循環するため(同図(a)矢印参照)、早期に適温に達する。
【0007】
一方、エンジンE内が適温になった後は、図4(b)に示すように、サ−モスタット100の弁体103が開き、ラジエ−タR側の冷却液流路110を開く。その結果、冷却液がラジエ−タRを通ってエンジンEへの循環し(同図(b)矢印参照)、エンジンE内は冷却され、適温に保たれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した従来のサ−モスタットは冷却液流路内部に置かれるため、冷却液流路の流量を所定量に保つには、サ−モスタット100を配置する冷却液流路110の管径を太くしなければならなかった。その結果、冷却液流路110の管径を太くしなければならず、また二輪車の燃費向上や水冷化により、効率的なレイアウトを行う必要があった。
【0009】
かかる問題を解決するために、エンジンヘッドの冷却液流路を横切って形成される嵌合穴に埋設配置される埋設式サ−モスタットが提案されている(特願平11−17923号)。
しかしながら、埋設式サ−モスタットにあっては、従来のサ−モスタットと構造を異にするため、新規なジグルバルブの構造が求められていた。
本発明者らは、埋設式サ−モスタットの弁体にジグルバルブを形成することなく、埋設式サ−モスタットに用いられているシール部材にジグルバルブ(弁)機能を付加すること着目し、本発明をするに至ったものである。
【0010】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、バルブ(弁)機能が付加されたシール部材及び該シール部材を用いたサーモスタットの取付け構造を提供することを目的とするものである。
【0011】
前記課題を解決するためになされた本発明は、シール部材本体と、前記シール部材本体の側壁を貫通する弁体収容部と、前記弁体収容部に収容される弁体とを備え、前記弁体の移動によって、該弁体収容部の開閉が行われるシール部材を用いたサーモスタットの取付け構造において、シール部材本体と、該シール部材本体の側壁を貫通する弁体収容部と、該弁体収容部に収容される弁体とを備え、該弁体の移動によって、該弁体収容部の開閉が行われるシール部材を用いたサーモスタットの取付け構造において、周面に入口開口部、出口開口部が形成された筒形状のバルブ本体と、前記入口開口部と前記出口開口部とを前記バルブ本体内で連通する流路領域と、前記流路領域を流れる冷却液の温度変化に応じて前記流路領域を横断すべく進退動し、この進退動によって前記入口開口部と前記出口開口部とを開閉して前記流路領域の遮断、連通を行う弁体とを備えるサーモスタットと、冷却液通路を横切って形成された、前記バルブ本体が嵌め込まれる嵌合穴と、前記嵌合穴に嵌め込まれたバルブ本体を固定する蓋体と、前記蓋体を固定する被固定部材とを備え、前記バルブ本体が嵌合穴に嵌め込まれ、前記蓋体が前記シール部材を介して被固定部材に固定された状態において、前記冷却液通路と前記弁体収容部とが接続され、弁体の移動によって前記弁体収容部の開閉が行われるように構成されていることを特徴としている。
のようにシール部材に弁機能が付加されているため、シール部材と別個に弁を形成する必要がない。そのため、弁機能の形成が容易に、しかも安価に行うことができる。
また、前記蓋体が前記シール部材を介して被固定部材に固定された状態において、前記冷却液通路が前記弁体収容部とが接続され、弁体の移動によって前記弁体収容部の開閉が行われるように構成されているため、冷却液通路中の空気(エアー)は弁体収容部を通って、冷却液通路の外部に排出される。
【0012】
ここで、前記弁体が球形状のジグルボールであって、前記ジグルボールを収容する弁体収容部の上面開口部及び下面開口部が前記ジグルボールの直径以下の径をもって形成されると共に、弁体収容部の中間部が前記ジグルボールの直径以上の径をもって形成されることが望ましい。
【0013】
このように、弁体収容部、即ちジグルボール収容部の上面開口部及び下面開口部が前記ジグルボールの直径以下の径をもって形成されると共に、ジグルボール収容部の中間部が前記ジグルボールの直径以上の径をもって形成されているため、ジグルボールはジグルボール収容部内を移動し、上面開口部及び下面開口部を閉塞する。即ち、シール部材のジグルボール収容部にジグルボールを収納することにより、前記ジグルボールがいわゆる弁(バルブ)機能を果たす。
したがって、例えば、このシール部材を埋設式サ−モスタットに用いることによって、従来のジグルバルブの機能を得ることができる。しかも、シール部材にいわゆるジグルバルブが設けられているため、埋設式サ−モスタット自体に特別な加工を施す必要がなく、安価にジグルバルブの機能を得ることができる。
【0014】
また、前記シール部材本体が中央部に開口部を有すると共に、前記ジグルボールを収容する弁体収容部がシール部材本体の軸線に沿ってその側壁を貫通していることが望ましい。
更に、前記シール部材本体がゴム材によって構成され、ジグルボールが鉄材、ステンレス材、合成樹脂材のいずれかによって構成されていることが望ましい。
このように、シール部材本体がゴム材によって構成されているため、ジグルボールが上面開口部、下面開口部を閉塞する際、開口部と密着し、より完全に閉塞することができる。
【0017】
また、前記課題を解決するためになされたシール部材を用いたサーモスタットの取付け構造は、周面に入口開口部、出口開口部が形成され、さらにバイパス通路入口開口部、バイパス通路出口開口部が形成された筒形状のバルブ本体と、前記入口開口部と前記出口開口部とを前記バルブ本体内で連通する流路領域と、前記流路領域を流れる冷却液の温度変化に応じて前記流路領域を横断すべく進退動し、この進退動によって前記入口開口部と前記出口開口部、及びバイパス通路入口開口部とバイパス通路出口開口部とを開閉して前記流路領域の遮断、連通を行う弁体とを備えるサーモスタットと、前記冷却液通路を横切って形成された、前記バルブ本体が嵌め込まれる嵌合穴と、前記流路領域に連通するバイパス通路を備えると共に前記嵌合穴に嵌め込まれたバルブ本体を固定する蓋体と、前記蓋体が固定される被固定部材とを備え、前記バルブ本体が嵌合穴に嵌め込まれ、前記蓋体が前記シール部材を介して固定部材に固定された際、前記弁体収容部の一の開口部と冷却液通路とが接続され、他の開口部と蓋体のバイパス通路とが接続されるように取付けられ、前記弁体の移動によって前記弁体収容部の開閉が行われるように構成されていることを特徴としている。
【0018】
このように、蓋体が前記シール部材を介して固定部材に固定された際、前記弁体収容部の一の開口部が冷却液通路と連通し、他の開口部が蓋体のバイパス通路と連通するように構成されているため、蓋体が被固定部材に取り付けると同時に、いわゆるジグルバルブを形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明を、実施の形態に基づいて、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施の形態として説明するサ−モスタットは、冷却水のエンジン入口側に配置され冷却水を制御するいわゆる「入口制御」とするものであるが、冷却水のエンジン出口側に配置されて冷却水を制御する「出口制御」とするものであっても同様な効果を得ることができる。また、このサ−モスタットは、エンジンヘッドの冷却液流路に適用される埋設式サ−モスタットであるが、その配置位置はエンジンヘッドに限定されるものではなく、冷却液流路内であれば例えばエンジンブロック、ラジエ−タの内部、バイパス通路の分岐部位等の箇所であってもよい。なお、図1は、本発明にかかるシール部材を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。また、図2、図3は、埋設式サ−モスタットを内燃機関内に設置した状態を示す縦断面図であり、図2は、流路領域を遮断している状態を示し、図3は、流路領域を連通している状態を示す。
【0020】
このシール部材Aは、図1に示すように、中央部に開口部1bを有する円板状のシール部材本体1と、前記シール部材本体1の側壁1aに、シール部材本体1の軸線に沿ってその側壁1aを連通した、ジグルボール1gを収容するジグルボール収容部1cと、前記ジグルボール収容部1cに収容される球形状のジグルボール1gとを備えている。
【0021】
また、前記ジグルボール収容部1cの上面開口部1c1 及び下面開口部1c2 が前記ジグルボール1gの直径以下の径をもって形成されると共に、ジグルボール収容部1cの中間部1c3 が前記ジグルボール1gの直径以上の径をもって形成される。
このため、前記ジグルボール1gは、ジグルボール収容部1cの中間部1c3 を移動することができ、しかもジグルボール収容部1cから脱落することはない。なお、シール部材本体1は、後述するようにゴム材から構成されているために、ジグルボール1gを上面開口部1c1 あるいは下面開口部1c2 から圧入することにより、ジグルボール収容部1cの内部に収容することができる。
【0022】
また、シール部材本体1は、例えば、NBR(ニトリル・ブタジエン)等の合成ゴム材によって構成され、ジグルボールが鉄材、ステンレス材、合成樹脂材等によって構成されている。そのため、ジグルボール1gが上面開口部1c1 、下面開口部1c2 を押圧した際、開口部と密着し、完全に閉塞することができる。
更に、シール部材本体1の上面、下面の外縁部には突起部1d、1eが形成されている。この突起部1d、1eが変形することにより、被取付け部材との密着が図られ、シールが図られる。
更にまた、前記ジグルボール収容部1cが位置する側壁1aは、図1(a)に示すように中央部に開口部1bに突出するように幅広部1fが設けられ、機械強度の補強が図られている。
【0023】
次に、このシール部材Aを埋設式サ−モスタット10に適用した場合について説明する。
この埋設式サ−モスタット10は、前記冷却液流路3に対応する位置に設けられた入口開口部11aと出口開口部11bが形成された中空筒形状のバルブ本体11と、このバルブ本体11内に収装されたサ−モバルブ12と、エンジンヘッド2と螺合しバルブ本体11を固定する蓋体13と、サ−モバルブ12と蓋体13との間に介装され、サ−モバルブ12を図の下方に押圧するコイルスプリング14とから構成されている。
【0024】
また、埋設式サ−モスタット10は、バルブ本体11の冷却液流路3の出口開口部11bの上方位置にバイパス通路用の出口開口部11cが形成されている。また、バルブ本体11の上面は開放され、図2に示すようにエレメント(弁体)15が入口開口部11a、出口開口部11bを閉塞しているとき、バルブ本体11の内部空間と、バイパス通路用の出口開口部11cが連通するように構成されている。更に、蓋体13にバイパス通路13aが形成され、バルブ本体11の上部に入口開口部11dが形成されている。なお、バルブ本体11の上端部内壁の凹部11eには、コイルスプリング14を支持する金属製のリング16が嵌合している。
【0025】
前記バルブ本体11は、エンジンヘッド2に形成される上部嵌合穴2aと下部嵌合穴2bに挿入可能な外径からなる中空筒形状の部材から構成され、前記上部嵌合穴2aとバルブ本体11の外周面との間に間隙Sが形成されている。
【0026】
前記バルブ本体11の周面、下端面に、バルブ本体11を縦方向に2分する繋がった溝11fが形成され、前記溝11fには、リング状形状のゴム部材17が嵌合している。前記ゴム部材17はバルブ本体11を上部嵌合穴2aと下部嵌合穴2bに嵌入した状態にあっては、前記上部嵌合穴2aの側壁と下部嵌合穴2bの側壁に密着する。このゴム部材17は、冷却液が入口側開口部側(ラジエータ側)から出口側開口部側(エンジン側)に隙間Sを伝わって流れるのを防止するためで、入口側開口部側(ラジエータ側)と出口側開口部側(エンジン側)とを区分する機能を有する。
【0027】
また、蓋体13とエンジンヘッド2との間には、前記シール部材1が装着されている。そして、前記シール部材1のジグルボール収容部1cの下面開口部1c2 は入口側開口部側(ラジエータ側)の隙間Sに接続(連通)されている。また、前記ジグルボール収容部1cの上面開口部1c1 は、蓋体13に形成された導入口13bに接続(連通)されている。なお、前記導入口13bは蓋体13においてバイパス用通路13aに接続されている。
【0028】
したがって、ラジエータ側の冷却流路3は、入口側開口部側(ラジエータ側)の隙間S、ジグルボール収容部1c、導入口13bを介して、バイパス用通路13aに連通している。ただし、ジグルボール収容部1cには、ジグルボール1gが収容され、下面開口部1c2 を閉塞しているため、通常状態にあっては、冷却流路3とバイパス用通路13aとは非連通状態になされている。
【0029】
なお、サ−モバルブ12は、膨張体であるワックス15aを内装するワックスケ−ス15b、ワックス15aの膨張収縮を層の半流動体15cに伝達するダイヤフラム15dと、ダイヤフラム15dの応動を層のラバ−ピストン15eに伝達する半流動体15cと、半流動体15cの応動を層のピストン15gに伝達するバックアッププレ−ト15fと、バルブ本体17の下端部内面を押圧するピストン15gと、これらの構成部位を積層状に内装するエレメント(弁体)15から構成されている。
【0030】
前記エレメント(弁体)15は、バルブ本体11の内壁面に沿って、摺動自在に構成され、入口開口部11a、出口開口部11b、バイパス通路出口開口部11cを開閉するように構成されている。また、エレメント(弁体)15の上部側にはワックス15aを収容するワックスケ−ス15bがカシメ等の処理により固着されている。一方、この上部側と対峙する下部側には、ピストン15gの案内部であるガイド部15hが形成されている。このガイド部15hの外周部は、バルブ本体11の下部の内壁面形状に対応して形成されており、この内壁面に対して摺動可能に構成されている。
【0031】
また、コイルスプリング14は、リング16とワックスケ−ス15bとの間に装着され、サ−モバルブ12の空隙に収容されている。コイルスプリング14は、サ−モバルブ12本体を常時、下方方向に付勢するという作用をする(図2、図3参照)。なお、コイルスプリング14の弾性やコイルスプリング14の全高を変化させることにより、埋設式サ−モエレメント1の作動設定温度、流量等の条件を変化させる場合にも、適宜対応させることができる。
また、前記蓋体13には、図示しないが雄ねじ部が形成されており、エンジンヘッド2に螺合、固定されるように構成されている。
【0032】
次に、埋設式サ−モスタット10の取り付け方法について説明する。エンジンヘッド2には、前記した如く、予め上部嵌合穴2a、下部嵌合穴2bを形成する。そして、形成された上部嵌合穴2a、下部嵌合穴2bにサーモバルブ12が組入れられたバルブ本体11を嵌め込む。なお、この嵌め込みに際し、入口開口部11a、出口開口部11b、バイパス用出口開口部11cが冷却液流路3と連通するように、向きを合わせて位置合わせする必要がある(図2、図3参照)。そのバルブ本体11が嵌め込まれた後、シール部材1のジグルボール収容部1cが入口側開口部側(ラジエータ側)の隙間Sと連通するように、シール部材1をバルブ本体11とエンジンヘッド2とに跨がるように配置し、その上方から蓋体13で覆い、前記蓋体13をエンジンヘッド2に螺合、固定させる。
【0033】
このサーモスタットが、エンジンヘッド2に組み込まれた状態にあっては、ラジエータ側の冷却流路3は、入口側開口部側(ラジエータ側)の隙間S、ジグルボール収容部1c、導入口13bを介して、バイパス用通路13aに連通している。ただし、ジグルボール収容部1cには、ジグルボール1gが収容され、下面開口部1c2 を閉塞しているため、通常状態にあっては、冷却流路3とバイパス用通路13aとは非連通状態になされている。
【0034】
そして、ラジエータ、ウォータジャケットに冷却水を注入する場合、前記冷却水は高圧をもって注入される。そしてラジエータ側から注入された冷却水によって冷却水流路のエアーは、ジグルボール収容部1cのジグルボール1gを移動させ下面開口部1c2 を開放する。その結果、エアー(空気)は導入口13bを介して、バイパス用通路13aに排出(エアー抜き)され、冷却水を導入することができる。なお、排出されたエアー(空気)は循環して、ラジエータのエアー抜き部から外部に排出され、冷却水の導入が終了する。
【0035】
更に、サ−モスタット10の作用について説明する。(図2、3参照)。
まず、埋設式サ−モスタット10の閉状態から開状態への作用について説明する。暖機運転前の冷却液流路3内の冷却液は、低温であり、この温度はエレメント(弁体)15の外周面とワックスケ−ス15を介してワックスケ−ス15b内のワックス15aに伝播する。
冷却液流路3内の冷却液の温度が低温のとき、エレメント15が流路領域FAを遮断し、その間バイパス出口開口部11cは、そのバイパス通路入口開口部11d側と連通している。
【0036】
そして、時間の経過と共に冷却液流路3内の冷却液の温度が上昇すると、ワックスケ−ス15内のワックス15aは膨張して体積が増加し、この体積増加に伴ってダイヤフラム15dが上方へ膨れ上がる。その結果、下層の半流動体15cを介して、ラバ−ピストン15eを下方方向に押し上げようとする力が働く。この力が、バックアッププレ−ト15fを介してピストン15gに伝わり、ピストン15gがガイド部15hから突出しようとする。
しかし、ピストン15gの先端部は、バルブ本体11の下部の内面に常時接触しているため、実際には、エレメント15自体が、コイルスプリング14の反発力に抗しながら、ピストン15g対する相対移動によって押し下げられる(図3参照)。
【0037】
そして、サ−モバルブ12が上方に摺動すると、エレメント(弁体)15の外周面によって閉状態とされていたバルブ本体11の入口開口部11aと出口開口部11bは開放されて、流路領域FAが連通する。なお、前記流路領域FAが連通した状態にあっては、エレメント(弁体)15の外周面12がバイパス通路出口開口部11cは閉じられる。
その結果、冷却液が、図3の帯矢印の如く、バイパス通路は閉じられ、ラジエ−タ側からエンジン側に流れる。
【0038】
【発明の効果】
本発明にかかるシール部材によれば、シール部材本体に弁機能が付加されているため、シール部材と別個に弁を形成する必要がない。そのため、弁機能の形成を容易に、しかも安価に行うことができる。
また、本発明にかかるシール部材を用いたサーモスタットの取付け構造によれば、前記シール部材を用いることによって、従来のジグルバルブの機能を得ることができる。しかも、シール部材にいわゆるジグルバルブが設けられているため、排気ガス規制に対応する二輪車用エンジンの水冷化に伴い、小型のサーモスタットの供給を可能とすると共に、従来のポペットタイプのサーモスタットと比較して周辺部品も含めてエンジンの部品点数を削減することができる。更に、サ−モスタット自体に特別な加工を施す必要がなく、安価にジグルバルブの機能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るシール部材の実施形態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【図2】図2は、図1に示されたシール部材を用いてサーモスタットを内燃機関内に設置した状態を示す縦断面図であり、流路領域を遮断している状態を示している。
【図3】図3は、図1に示されたシール部材を用いてサーモスタットを内燃機関内に設置した状態を示す縦断面図であり、流路領域を連通している状態を示している。
【図4】図4は、一般的な内燃機関の冷却液流路に従来のサーモスタットを取り付けた状態を示す模式図である。
【図5】図5は、図4におけるサーモスタットの取り付け部の拡大図である。
【符号の説明】
A シール部材
1 シール部材本体
1a 側壁
1b 開口部
1c ジグルボール収容部
1g ジグルボール
2 エンジンヘッド
2a 嵌合穴
2b 嵌合穴
3 冷却液流路
10 埋設式サーモスタット(サーモスタット)
15 エレメント(弁体)
S 隙間

Claims (5)

  1. シール部材本体と、前記シール部材本体の側壁を貫通する弁体収容部と、前記弁体収容部に収容される弁体とを備え、前記弁体の移動によって、弁体収容部の開閉が行われるシール部材を用いたサーモスタットの取付け構造において、
    周面に入口開口部、出口開口部が形成された筒形状のバルブ本体と、前記入口開口部と前記出口開口部とを前記バルブ本体内で連通する流路領域と、前記流路領域を流れる冷却液の温度変化に応じて前記流路領域を横断すべく進退動し、この進退動によって前記入口開口部と前記出口開口部とを開閉して前記流路領域の遮断、連通を行う弁体とを備えるサーモスタットと、
    冷却液通路を横切って形成された、前記バルブ本体が嵌め込まれる嵌合穴と、
    前記嵌合穴に嵌め込まれたバルブ本体を固定する蓋体と、
    前記蓋体を固定する被固定部材とを備え、
    前記バルブ本体が嵌合穴に嵌め込まれ、前記蓋体が前記シール部材を介して被固定部材に固定された状態において、前記冷却液通路と前記弁体収容部とが接続され、弁体の移動によって前記弁体収容部の開閉が行われるように構成されていることを特徴とするシール部材を用いたサーモスタットの取付け構造。
  2. シール部材本体と、前記シール部材本体の側壁を貫通する弁体収容部と、前記弁体収容部に収容される弁体とを備え、前記弁体の移動によって、該弁体収容部の開閉が行われるシール部材を用いたサーモスタットの取付け構造において、
    周面に入口開口部、出口開口部が形成され、さらにバイパス通路入口開口部、バイパス通路出口開口部が形成された筒形状のバルブ本体と、前記入口開口部と前記出口開口部とを前記バルブ本体内で連通する流路領域と、前記流路領域を流れる冷却液の温度変化に応じて前記流路領域を横断すべく進退動し、この進退動によって前記入口開口部と前記出口開口部、及びバイパス通路入口開口部とバイパス通路出口開口部とを開閉して前記流路領域の遮断、連通を行う弁体とを備えるサーモスタットと、
    冷却液通路を横切って形成された、前記バルブ本体が嵌め込まれる嵌合穴と、
    前記流路領域に連通するバイパス通路を備えると共に前記嵌合穴に嵌め込まれたバルブ本体を固定する蓋体と、
    前記蓋体が固定される被固定部材とを備え、
    前記バルブ本体が嵌合穴に嵌め込まれ、前記蓋体が前記シール部材を介して固定部材に固定された際、前記弁体収容部の一の開口部と冷却液通路とが接続され、他の開口部と蓋体のバイパス通路とが接続されるように取付けられ、前記弁体の移動によって前記弁体収容部の開閉が行われるように構成されていることを特徴とするシール部材を用いたサーモスタットの取付け構造。
  3. 前記弁体が球形状のジグルボールであって、前記ジグルボールを収容する弁体収容部の上面開口部及び下面開口部が前記ジグルボールの直径以下の径をもって形成されると共に、弁体収容部の中間部が前記ジグルボールの直径以上の径をもって形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載されたシール部材を用いたサーモスタットの取付け構造。
  4. 前記シール部材本体が中央部に開口部を有すると共に、前記ジグルボールを収容する弁体収容部がシール部材本体の軸線に沿ってその側壁を貫通していることを特徴とする請求項3に記載されたシール部材を用いたサーモスタットの取付け構造。
  5. 前記シール部材本体がゴム材によって構成され、前記ジグルボールが鉄材、ステンレス材、合成樹脂材のいずれかによって構成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載されたシール部材を用いたサーモスタットの取付け構造。
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