WO2002008585A1

WO2002008585A1 - Seal member, and construction for attaching thermostats using this seal member

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Publication number: WO2002008585A1
Application number: PCT/JP2001/005936
Authority: WO
Inventors: Takahiro Iwaki; Masahisa Hamano; Masatoshi Fukamachi; Ryo Kubota; Kazuhiko Sato; Tadao Yaginuma
Original assignee: Nippon Thermostat Co., Ltd.; Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha; Fukoku Co., Ltd.
Priority date: 2000-07-25
Filing date: 2001-07-09
Publication date: 2002-01-31
Also published as: JP4368043B2; EP1304459A4; JP2002038951A; KR20020081202A; EP1304459A1; CN1386163A; KR100501776B1; EP1304459B1; CN1227450C

Description

明細書シ一ル部材及び該シール部材を用いたサーモスタットの取付け構造技術分野

本発明は、シール部材及び該シール部材を用いたサーモスタツトの取付け構造に関し、例えば、車両の内燃機関の冷却システム等に用いるのに好適なシール部材及び該シール部材を用いたサーモスタットの取付け構造に関する。背景技術

現在市販されている車両の内燃機関の冷却システムは、冷却液を媒体とする水冷方式によりエンジンを冷却するものが大半を占め、この水冷方式の冷却システムは、四輪車用のエンジンの他、広く二輪車用のエンジンにも供されている。

前記水冷方式による車両の内燃機関の冷却システムは、エンジン本体の外部にラジェ一タを配置し、このラジェータとエンジン本体とをラバーホース等により連結して冷却液を循環させるものであり、熱交換器の役割を担うラジェ一タと、このラジェ一タにエンジンから冷却液を強制的に圧送するウォーターポンプと、ラジェータから流れてくる、若しくはラジェータへ流れていく冷却液の温度によって、冷却液の流れを制御して適温に保つサ一モスタツトと、冷却液の循環流路を形成するラバ一ホース等とから構成されている。

そして、エンジンの発熱によるオーバー'ヒ一トを防止するとともに、一方では寒い時期のォ一バークールを防止して、エンジンを常に適温に保つように機能する。

このような水冷方式に用いられる、一般的なサーモスタット及びサ一モスタット取り付け構造について、第 4図及び第 5図に基づいて説明する。第 4図は、内燃機関の冷却液流路に従来のサーモスタットをエンジン入口制御として取り付けた状態を示す模式図であり、第 5図は第 4図におけるサ一モスタットの概略図である。

第 4図に示すように、サーモスタット 1 0 0はエンジン E本体とラジエータ Rとの間に形成される冷却液流路 1 1 0の所定位置に配置されている。また第 5図に示すように、このサ一モスタツト 1 0 0には、ヮックスケース 1 0 6に収納される熱膨張体のヮッタスの膨張 ·収縮の作用によって、進退動するビストン 1 0 2が設けられ、前記サーモスタツト 1 0 0は、そのビストン 1 0 2の進退方向が冷却液の流路方向と平行となるように冷却液流路 1 1 0に配置される。

そして、前記サーモスタット 1 0 0では、前記ビストン 1 0 2の進退動によって弁体 1 0 3と弁座 1 ◦ 4との当接、離間が行われ、冷却液流路の遮断、連通が行われる。

なお、第 5図中の符号 1 0 5は、ピストン 1 0 2の進退動を案内するガイド部であり、符号 1 0 6は、ヮックスを収納したヮックスケースであり、符号 1 0 7は、バイパス通路 1 1 0 Aを遮断、連通する第 2の弁体である。また、第 4図の符号 Pは、ウォーターポンプであり、符号 Rは、ラジェータである。

また、図中、符号 1 1 1はジグルバルブであって、前記サ一モスタット 1 0 0には、いわゆるエア抜き穴であるジグルバルブ 1 1 1が設けられている。

即ち、内燃機関におけるサーモスタツトは水温が低い時はラジェ一タ側への冷却水の流通を防ぐため、通常サーモスタツトは閉弁状態にある。

そのため、ラジェータの上部から冷却水を注入する場合、サーモスタットは閉弁状態にあるから、ウォータジャケット内の空気の逃げを可能にしなければ、注水が困難である。そのため、サーモスタットにはエアー抜き孔 1 1 2が設けられている。また、この孔 1 1 2はェンジンの運転中に冷却水に混入する空気等の逃げ孔の作用をしている。一方、ェンジン運転中は前記孔から冷却水もラジェータ側へ流れるので、暖気運転に時間を要することになる。このため、エアー抜きは可能であるが、水圧が加わると閉弁する構造のジグルバルブ 1 1 1が設けられている。

ここで、前記サ一モスタット 1 0 0の動作について説明すると、前記したように、当初、ラジェータ、ウォータジャケットに冷却水を注入する場合、ジグルバルブ 1 1 1が開き、エアー抜きが行われる。そして、冷却水を注入した後、エンジン始動時からエンジン E内が適温になるまでの間、サーモスタット 1 0 0は、冷却液流路 1 1 0を閉ざしている。このとき、前記ジグルバルブ 1 1 1も同様に、閉じている。その結果、エンジン Eからの冷却液は、ラジェータ Rへは向かわず、バイパス通路 1 1 0 Aを通ってエンジン Eへ循環する,ため（第 4図（a ) 矢印参照）、早期に適温に達する。

一方、エンジン E内が適温になった後は、第 4図（b ) に示すように、サ一モスタット 1 0 0の弁体 1 0 3が開き、ラジェ一タ R側の冷却液流路 1 1 0を開く。その結果、冷却液がラジェ一タ Rを通ってェンジン Eへの循環し（第 4図（b ) 矢印参照）、エンジン E内は冷却され、適温に保たれる。

ところで、前記した従来のサーモスタットは冷却液流路内部に置かれるため、冷却液流路の流量を所定量に保つには、サーモスタット 1 0 0を配置する冷却液流路 1 1 0の管径を太くしなければならず、また二輪車の燃費向上や水冷化により効率的なレイァゥトを行う必要があった。

かかる問題を解決するために、エンジンへッドの冷却液流路を横切つて形成される嵌合穴に埋設配置される埋設式サーモスタットが提案されている（特願平 1 1— 1 7 9 2 3号）。

しかしながら、埋設式サーモスタットにあっては、従来のサーモスタツトと構造を異にするため、新規なジグルバルブの構造が求められていた。

本発明者らは、埋設式サ一モスタツトの弁体にジグルバルブを形成することなく、埋設式サーモスタツトに用いられているシール部材にジグルバルブ（弁）機能を付加すること着目し、本発明をするに至つたものである。発明の開示

本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、バルブ (弁）機能が付加されたシール部材及び該シール部材を用いたサーモスタツトの取付け構造を提供することを目的とするものである。

前記課題を解決するためになされた本発明にかかるシール部材は、シール部材本体と、前記シール部材本体の側壁を貫通する弁体収容部と、前記弁体収容部に収容される弁体とを備え、前記弁体の移動によつて、弁体収容部の開閉が行われることを特徴としている。

このようにシール部材に弁機能が付加されているため、シール部材と別個に弁を-形成する必要がない。そのため、弁機能の形成が容易に、しかも安価に行うことができる。

ここで、前記弁体が球形状のジグルボールであって、前記ジグルポールを収容する弁体収容部の上面開口部及び下面開口部が前記ジグルポールの直径以下の径をもって形成されると共に、弁体収容部の中間部が前記ジグルポールの直径以上の径をもって形成されることが望ましい。

このように、弁体収容部、即ちジグルポール収容部の上面開口部及ぴ下面開口部が前記ジグルポールの直径以下の径をもって形成されると共に、ジグルポール収容部の中間部が前記ジグルポールの直径以上の径をもって形成されているため、ジグルポールはジグルポール収容部内を移動し、上面開口部及び下面開口部を閉塞する。即ち、シール部材のジグルポール収容部にジグルボールを収納することにより、前記ジグルポールがいわゆる弁（バルブ）機能を果たす。

したがって、例えば、このシール部材を埋設式サーモスタットに用いることによって、従来のジグルバルブの機能を得ることができる。しかも、シール部材にいわゆるジグルバルブが設けられているため、埋設式サーモスタツト自体に特別な加工を施す必要がなく、安価にジグルバルブの機能を得ることができる。

また、前記シール部材本体が中央部に開口部を有すると共に、前記ジグルポールを収容する弁体収容部がシール部材本体の軸線に沿ってその側壁を貫通していることが望ましい。

更に、前記シール部材本体がゴム材によって構成され、ジグルボールが鉄材、ステンレス材、合成樹脂材のいずれかによつて構成されていることが望ましい。

このように、シール部材本体がゴム材によって構成されているため、ジグルポールが上面開口部、下面開口部を閉塞する際、開口部と密着し、より完全に閉塞することができる。

また、前記課題を解決するためになされたシール部材を用いたサーモスタツトの取付け構造は、周面に入口開口部、出口開口部が形成された筒形状のバルブ本体と、前記入口開口部と前記出口開口部とを前記バルブ本体内で連通する流路領域と、前記流路領域を流れる冷却液の温度変化に応じて前記流路領域を横断すべく進退動し、この進退動によつて前記入口開口部と前記出口開口部とを開閉して前記流路領域の遮断、連通を行う弁体とを備えるサーモスタットと、前記冷却液通路を横切って形成された、前記バルブ本体が嵌め込まれる嵌合穴と、前記嵌合穴に嵌め込まれたバルブ本体を固定する蓋体と、前記蓋体を固定する被固定部材とを備え、前記バルブ本体が嵌合穴に嵌め込まれ、前記蓋体が前記シール部材を介して被固定部材に固定された状態において、前記冷却液通路が前記弁体収容部とが接続され、弁体の移動によって前記弁体収容部の開閉が行われるようにように構成されていることを特徴としている。

このように、蓋体が前記シール部材を介して被固定部材に固定された状態において、前記冷却液通路が前記弁体収容部とが接続され、弁体の移動によって前記弁体収容部の開閉が行われるようにように構成されているため、冷却液通路中の空気（エアー）は弁体収容部を通つて、冷却液通路の外部に排出される。

また、前記課題を解決するためになされたシール部材を用いたサーモスタツトの取付け構造は、周面に入口開口部、出口開口部、及ぴバィパス通路入口開口部、バイパス通路出口開口部が形成された筒形状のバルブ本体と、前記入口開口部と前記出口開口部とを前記バルブ本体内で連通する流路領域と、前記流路領域を流れる冷却液の温度変化に応じて前記流路領域を横断すべく進退動し、この進退動によって前記入口開口部と前記出口開口部、及びバイパス通路入口開口部とバイパス通路出口開口部とを開閉して前記流路領域の遮断、連通を行う弁体とを備えるサーモスタットと、前記冷却液通路を横切って形成された、前記バルブ本体が嵌め込まれる嵌合穴と、前記流路領域に連通するバイパス通路を備えると共に前記嵌合穴に嵌め込まれたバルブ本体を固定する蓋体と、前記蓋体が固定される被固定部材とを備え、前記バルブ本体が嵌合穴に嵌め込まれ、前記蓋体が前記シール部材を介して固定部材に固定された際、前記弁体収容部の一の開口部と冷却液通路とが接続され、他の開口部と蓋体のバイパス通路とが接続されるように取付けられ、前記弁体の移動によって前記弁体収容部の開閉が行われるようにように構成されていることを特徴としている。

このように、蓋体が前記シール部材を介して固定部材に固定された際、前記弁体収容部の一の開口部が冷却液通路と連通し、他の開口部が蓋体のバイパス通路と連通するように構成されているため、蓋体が被固定部材に取り付けると同時に、いわゆるジグルバルブを形成することができる。図面の簡単な説明

第 1図は、本発明に係るシール部材の実施形態を示す図であって、

( a ) は平面図、（b ) は（a ) の X— X断面図である。

第 2図は、第 1図に示されたシール部材を用いてサーモスタツトを内燃機関内に設置した状態を示す縦断面図であり、流路領域を遮断している状態を示している。

第 3図は、第 1図に示されたシール部材を用いてサーモスタットを内燃機関内に設置した状態を示す縦断面図であり、流路領域を連通している状態を示している。

第 4図は、一般的な内燃機関の冷却液流路に従来のサーモスタットを取り付けた状態を示す模式図である。

第 5図は、第 4図におけるサーモスタットの取り付け部の拡大図である。発明を実施するための最良の形態

本発明を、実施の形態に基づいて、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施の形態として説明するサーモスタットは、冷却水のェンジン入口側に配置され冷却水を制御するいわゆる「入口制御」とするものであるが、冷却水のエンジン出口側に配置されて冷却水を制御する「出口制御」とするものであっても同様な効果を得ることができる。また、このサーモスタツトは、エンジンへッドの冷却液流路に適用される埋設式サーモスタツトであるが、その配置位置はエンジンヘッドに限定されるものではなく、冷却液流路内であれば例えばエンジンブロック、ラジェータの内部、パイパス通路の分岐部位等の箇所であってもよい。なお、第 1図は、本発明にかかるシール部材を示す図であって、（a ) は平面図、（b ) は（a ) の X— X断面図である。また、第 2図、第 3図は、埋設式サーモスタツトを内燃機関内に設置した状態を示す縦断面図であり、第 2図は、流路領域を遮断している状態を示し、第 3図は、流路領域を連通している状態を示す。このシール部材 Aは、第 1図に示すように、中央部に開口部 l bを有する円板状のシール部材本体 1と、前記シール部材本体 1の側壁 1 aに、シール部材本体 1の軸線に沿ってその側壁 1 aを連通した、ジグルポール 1 gを収容するジグルポール収容部 1 cと、前記ジグルボール収容部 1 cに収容される球形状のジグルポール 1 gとを備えている。

また、前記ジグルボール収容部 1 cの上面開口部 1 c l 及び下面開口部 1 c 2 が前記ジグルポール 1 gの直径以下の径をもって形成されると共に、ジグルポール収容部 1 cの中間部 1 c 3 が前記ジグルボール 1 gの直径以上の径をもって形成される。

このため、前記ジグルポール 1 gは、ジグルポール収容部 1 cの中間部 1 c 3 を移動することができ、しかもジグルポール収容部 1 ら脱落することはない。なお、シール部材本体 1は、後述するようにゴム材から構成されているために、ジグルボール 1 gを上面開口部 1 c 1 あるいは下面開口部 1 c 2 から圧入することにより、ジグルボール収容部 1 cの内部に収容することができる。

また、シール部材本体 1は、例えば、 N B R (二トリノレ ·プタジェン）等の合成ゴム材によって構成され、ジグルボールが鉄材、ステンレス材、合成樹脂材等によって構成されている。そのため、ジグルポール 1 gが上面開口部 1 c 1 、下面開口部 1 c 2 を押圧した際、開口部と密着し、完全に閉塞することができる。

更に、シール部材本体 1の上面、下面の外縁部には突起部 1 d、 1 eが形成されている。この突起部 l d、 1 eが変形することにより、被取付け部材との密着が図られ、シールが図られる。

更にまた、前記ジグルポール収容部 1 cが位置する側壁 1 aは、第 1図（a ) に示すように中央部に開口部 1 bに突出するように幅広部 I f が設けられ、機械強度の補強が図られている。

次に、このシール部材 Aを埋設式サ一モスタット 1 0に適用した場合について説明する。

この埋設式サ—モスタツト 1 0は、前記冷却液流路 3に対応する位置に設けられた入口開口部 1 l aと出口開口部 1 1 bが形成された中空筒形状のバルブ本体 1 1と、このバルブ本体 1 1内に収装されたサーモパルプ 1 2と、エンジンへッド 2と螺合しバルブ本体 1 1を固定する蓋体 1 3と、サーモパルプ 1 2と蓋体 1 3との間に介装され、サーモバルブ 1 2を図の下方に押圧するコイルスプリング 1 4とから構成されている。

また、埋設式サーモスタット 1 0は、バルブ本体 1 1の冷却液流路 3の出口開口部 1 1 bの上方位置にバイパス通路用の出口開口部 1 1 cが形成されている。また、バルブ本体 1 1の上面は開放され、第 2 図に示すようにエレメント（弁体） 1 5が入口開口部 1 1 a、出口開口部 1 l bを閉塞しているとき、バルブ本体 1 1の内部空間と、バイパス通路用の出口開口部 1 1 cが連通するように構成されている。更に、蓋体 1 3にパイパス通路 1 3 aが形成され、バルブ本体 1 1の上部に入口開口部 1 1 dが形成されている。なお、バルブ本体 1 1の上端部内壁の凹部 1 1 eには、コイルスプリング 1 4を支持する金属製のリング 1 6が嵌合している。

前記バルブ本体 1 1は、エンジンヘッド 2に形成される上部嵌合穴 2 aと下部嵌合穴 2 bに揷入可能な外径からなる中空筒形状の部材から構成され、前記上部嵌合穴 2 a とバルブ本体 1 1の外周面との間に間隙 Sが形成されている。

前記バルブ本体 1 1の周面、下端面に、バルブ本体 1 1を縦方向に 2分する繋がった溝 1 1 f が形成され、前記溝 1 1 f には、リング状形状のゴム部材 1 7が嵌合している。前記ゴム部材 1 7はバルブ本体 1 1を上部嵌合穴 2 aと下部嵌合穴 2 bに嵌入した状態にあっては、前記上部嵌合穴 2 a の側壁と下部嵌合穴 2 bの側壁に密着する。このゴム部材 1 7は、冷却液が入口側開口部側（ラジェータ側）から出口側開口部側（エンジン側）に隙間 Sを伝わって流れるのを防止するためで、入口側開口部側（ラジェータ側）と出口側開口部側（エンジン側）とを区分する機能を有する。

また、.蓋体 1 3とエンジンへッド 2との間には、前記シール部材 1 が装着されている。そして、前記シール部材 1のジグルポール収容部

1 cの下面開口部 1 c 2 は入口側開口部側（ラジエータ側）の隙間 S に接続（連通）されている。また、前記ジグルポール収容部 1 cの上面開口部 1 c l は、蓋体 1 3に形成された導入口 1 3 bに接続（連通）されている。なお、前記導入口 1 3 bは蓋体 1 3においてバイパス用通路 1 3 aに接続されている。

したがって、ラジェータ側の冷却流路 3は、入口側開口部側（ラジエータ側）の隙間 S、ジグルポール収容部 1 c、導入口 1 3 bを介して、バイパス用通路 1 3 aに連通している。ただし、ジグルボール収容部 1 cには、ジグルポール 1 gが収容され、下面開口部 1 c 2 を閉塞しているため、通常状態にあっては、冷却流路 3とバイパス用通路 1 3 aとは非連通状態になされている。

なお、サーモバルブ 1 2は、膨張体であるワックス 1 5 aを内装するワックスケース 1 5 b、ワックス 1 5 aの膨張収縮を上層の半流動体 1 5 cに伝達するダイヤフラム 1 5 dと、ダイヤフラム 1 5 dの応動を上層のラバービストン 1 5 eに伝達する半流動体 1 5 c と、半流動体 1 5 cの応動を上層のビストン 1 5 gに伝達するバックアッププレート 1 5 f と、バルブ本体 1 7の下端部内面を押圧するピストン 1 5 gと、これらの構成部位を積層状に内装するエレメント（弁体） 1 5から構成されている。

前記エレメント（弁体） 1 5は、バルブ本体 1 1の内壁面に沿って、摺動自在に構成され、入口開口部 1 1 a、出口開口部 1 1 b、バイパス通路出口開口部 1 1 cを開閉するように構成されている。また、ェレメント（弁体） 1 5の上部側にはワックス 1 5 aを収容するヮックスケース 1 5 bがカシメ等の処理により固着されている。一方、この上部側と対峙する下部側には、ピストン 1 5 gの案内部であるガイド部 1 5 hが形成されている。このガイド部 1 5 hの外周部は、バルブ本体 1 1の下部の内壁面形状に対応して形成されており、この内壁面に対して摺動可能に構成されている。

また、コイルスプリング 1 4は、リング 1 6 とワックスケース 1 5 bとの間に装着され、サーモバルブ 1 2の空隙に収容されている。コィルスプリング 1 4は、サーモバルブ 1 2本体を常時、下方方向に付勢するという作用をする（第 2図、第 3図参照）。なお、コイルスプリング 1 4の弾性やコイルスプリング 1 4の全高を変化させることにより、埋設式サーモエレメント 1の作動設定温度、流量等の条件を変化させる場合にも、適宜対応させることができる。

また、前記蓋体 1 3には、図示しないが雄ねじ部が形成されており、エンジンへッド 2に螺合、固定されるように構成されている。

次に、埋設式サーモスタット 1 0の取り付け方法について説明する。エンジンヘッド 2には、前記した如く、予め上部嵌合穴 2 a、下部嵌合穴 2 bを形成する。そして、形成された上部嵌合穴 2 a、下部嵌合穴 2 bにサーモバルブ 1 2が組入れられたバルブ本体 1 1を嵌め込む。なお、この嵌め込みに際し、入口開口部 1 1 a、出口開口部 1 1 b、バイパス用出口開口部 1 cが冷却液流路 3と連通するように、向きを合わせて位置合わせする必要がある（第 2図、第 3図参照）。

そのバルブ本体 1 1が嵌め込まれた後、シール部材 1のジグルボール収容部 1 cが入口側開口部側（ラジェータ側）の隙間 Sと連通するように、シーノレ部材 1をバルブ本体 1 1 とエンジンへッド 2とに跨がるように配置し、その上方から蓋体 1 3で覆い、前記蓋体 1 3をェンジンヘッド 2に螺合、固定させる。

このサーモスタットが、エンジンへッド 2に組み込まれた状態にあつては、ラジェータ側の冷却流路 3は、入口側開口部側（ラジェータ側）の隙間 S、ジグルポール容部 1 c、導入口 1 3 bを介して、バィパス用通路 1 3 aに連通している。ただし、ジグルボール収容部 1 cには、ジグルポール 1 gが収容され、下面開口部 l c 2 を閉塞しているため、通常状態にあっては、冷却流路 3とバイパス用通路 1 3 a とは非連通状態になされている。

そして、ラジェータ、ウォータジャケットに冷却水を注入する場合、前記冷却水は高圧をもって注入される。そしてラジェータ側から注入された冷却水によって冷却水流路のエアーは、ジグルボール収容部 1 cのジグルボール 1 gを移動させ下面開口部 1 c 2 を開放する。その結果、エアー（空気）は導入口 1 3 bを介して、バイパス用通路 1 3 aに排出（エアー抜き）され、冷却水を導入することができる。なお、排出されたエアー（空気）は循環して、ラジェータのエアー抜き部から外部に排出され、冷却水の導入が終了する。

更に、サーモスタット 1 0の作用について説明する。（第 2第 3図参照）。埋設式サーモスタツト 1 0の閉状態から開状態への作用、開状態から閉状態への作用は、逆動作であるため、埋設式サーモスタット 1 0の閉状態から開状態への作用について説明する。

暖機運転前の冷却液流路 3内の冷却液は、低温であり、この温度はエレメント (弁体) 1 5の外周面とワックスケース 1 5を介してヮッタスケース 1 5 b内のワックス 1 5 aに伝播する。

冷却液流路 3内の冷却液の温度が低温のとき、エレメント 1 5が流路領域 F Aを遮断し、その間バイパス出口開口部 1 1 cは、そのパイパス通路入口開口部 1 1 d側と連通している。

そして、時間の経過と共に冷却液流路 3内の冷却液の温度が上昇すると、ワックスケース 1 5内のワックス 1 5 aは膨張して体積が増加し、この体積增加に伴ってダイヤフラム 1 5 dが上方へ膨れ上がる。その結果、下層の半流動体 1 5 cを介して、ラバ一ピストン 1 5 eを下方方向に押し上げようとする力が働く。この力が、バックアッププレート 1 5 f を介してビストン 1 5 gに伝わり、ピストン 1 5 gがガイド部 1 5 hから突出しようとする。

しかし、ピストン 1 5 gの先端部は、バルブ本体 1 1の下部の内面に常時接触しているため、実際には、エレメント 1 5自体が、コイルスプリング 1 4の反発力に抗しながら、ピストン 1 5 g対する相対移動によって押し下げ.られる（第 3図参照）。

そして、サーモバルブ 1 2が上方に摺動すると、エレメント（弁体）

1 5の外周面によって閉状態とされていたバルブ本体 1 1の入口開口部 1 1 a と出口開口部 l i bは開放されて、流路領域 F Aが連通する。なお、前記流路領域 F Aが連通した状態にあっては、エレメント（弁体） 1 5の外周面 1 2がバイパス通路出口開口部 1 1 cは閉じられる。その結果、冷却液が、第 3図の帯矢印の如く、バイパス通路は閉じられ、ラジェ一タ側からエンジン側に流れる。

以上のように、本発明にかかるシール部材によれば、シール部材本体に弁機能が付加されているため、シール部材と別個に弁を形成する必要がない。そのため、弁機能の形成を容易に、 'しかも安価に行うことができる。 ·

また、本発明にかかるシール部材を用いたサーモスタツトの取付け構造によれば、前記シール部材を用いることによって、従来のジグルバルブの機能を得ることができる。しかも、シール部材にいわゆるジダルバルブが設けられているため、排気ガス規制に対応する二輪車用エンジンの水冷化に伴い、小型のサーモスタツトの供給を可能とすると共に、従来のポぺットタイプのサーモスタットと比較して周辺部品も含めてエンジンの部品点数を削減することができる。更に、サーモスタツト自体に特別な加工を施す必要がなく、安価にジグルバルブの機能を得ることができる。

Claims

請求の範囲

1 . シール部材本体と、前記シール部材本体の側壁を貫通する弁体収容部と、前記弁体収容部に収容される弁体とを備え、

前記弁体の移動によって、弁体収容部の開閉が行われることを特徴とするシール部材。

2 . 前記弁体が球形状のジグルポールであって、前記ジグルポールを収容する弁体収容部の上面開口部及び下面開口部が前記ジグルボールの直径以下の径をもって形成されると共に、弁体収容部の中間部が前記ジグルボールの直径以上の径をもって形成されることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載されたシール部材。

3 . 前記シール部材本体が中央部に開口部を有すると共に、前記ジグルポールを収容する弁体収容部がシール部材本体の軸線に沿ってその側壁を貫通していることを特徴とする請求の範囲第 2項に記載されたシ^ "ル部材。

4 . シール部材本体がゴム材によって構成され、ジグルポールが鉄材、ステンレス材、合成樹脂材のいずれかによつて構成されていることを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 3項のいずれかに記載されだシール部材。

5 . 前記請求の範囲第 1項乃至第 3項のいずれかに記載されたシール部材を用いたサーモスタットの取付け構造において、

周面に入口開口部、出口開口部が形成された筒形状のバルブ本体と、前記入口開口部と前記出口開口部とを前記バルブ本体内で連通する流路領域と、前記流路領域を流れる冷却液の温度変化に応じて前記流路領域を横断すベく進退動し、この進退動によつて前記入口開口部と前記出口開口部とを開閉して前記流路領域の遮断、連通を行う弁体とを備えるサーモスタットと、

前記冷却液通路を横切って形成された、前記バルブ本体が嵌め込まれる嵌合穴と、

前記嵌合穴に嵌め込まれたバルブ本体を固定する蓋体と、

前記蓋体を固定する被固定部材とを備え、

前記バルブ本体が嵌合穴に嵌め込まれ、前記蓋体が前記シール部材を介して被固定部材に固定された状態において、前記冷却液通路が前記弁体収容部とが接続され、弁体の移動によって前記弁体収容部の開閉が行われるようにように構成されていることを特徴とするシール部材を用いたサーモスタツトの取付け構造。

6 . 前記請求の範囲第 4項に記載されたシール部材を用いたサーモスタツトの取付け構造において、

周面に入口開口部、出口開口部が形成された筒形状のバルブ本体と、前記入口開口部と前記出口開口部とを前記バルブ本体内で連通する流路領域と、前記流路領域を流れる冷却液の温度変化に応じて前記流路領域を横断すベく進退動し、この進退動によつて前記入口開口部と前記出口開口部とを開閉して前記流路領域の遮断、連通を行う弁体とを備えるサーモスタクトと、

前記嵌合穴に嵌め込まれたバルブ本体を固定する蓋体と、

前記蓋体を固定する被固定部材とを備え、

7 . 前記請求の範囲第 1項乃至第 3項のいずれかに記載されたシール部材を用いたサーモスタツトの取付け構造において、

周面に入口開口部、出口開口部、及びバイパス通路入口開口部、バィパス通路出口開口部が形成された筒形状のバルブ本体と、前記入口開口部と前記出口開口部とを前記バルブ本体内で連通する流路領域と、前記流路領域を流れる冷却液の温度変化に応じて前記流路領域を横断すべく進退動し、この進退動によって前記入口開口部と前記出口開口部、及びバイパス通路入口開口部とバイパス通路出口開口部とを開閉して前記流路領域の遮断、連通を行う弁体とを備えるサーモスタットと、

前記流路領域に連通するバイパス通路を備えると共に前記嵌合穴に嵌め込まれたバルブ本体を固定する蓋体と、

前記蓋体が固定される被固定部材とを備え、 '

前記バルブ本体が嵌合穴に嵌め込まれ、前記蓋体が前記シール部材を介して固定部材に固定された際、前記弁体収容部の一の開口部と冷却液通路とが接続され、他の開口部と蓋体のバイパス通路とが接続されるように取付けられ、前記弁体の移動によって前記弁体収容部の開閉が行われるようにように構成されていることを特徴とするシール部材を用いたサーモスタツトの取付け構造。

8 . 前記請求の範囲第 4項に記載されたシール部材を用いたサーモスタツトの取付け構造において、

周面に入口開口部、出口開口部、及びバイパス通路入口開口部、バィパス通路出口開口部が形成された筒形状のバルブ本体と、前記入口開口部と前記出口開口部とを前記バルブ本体内で連通する流路領域と、前記流路領域を流れる冷却液の温度変化に応じて前記流路領域を横断すべく進退動し、この進退動によつて前記入口開口部と前記出口開口部、及びバイパス通路入口開口部とバイパス通路出口開口部とを開閉して前記流路領域の遮断、連通を行う弁体とを備えるサーモスタットと、

前記冷却液通路を横切って形成された、前記バルブ本体が嵌め込まれる嵌合穴と、 '

前記蓋体が固定される被固定部材とを備え、

前記バルブ本体が嵌合穴に嵌め込まれ、前記藎体が前記シール部材を介して固定部材に固定された際、前記弁体収容部の一の開口部と冷却液通路とが接続され、他の開口部と蓋体のバイパス通路とが接続されるように取付けられ、前記弁体の移動によって前記弁体収容部の開閉が行われるようにように構成されていることを特徴とするシール部材を用いたサーモスタツトの取付け構造。

補正書の請求の範囲

[2001年 11月 1日（01. 11. 0 1) 国際事務局受理：出願当初の請求の範囲 1及び 2 は補正された；他の請求の範囲は変更なし。（1頁） ]

1 . (補正後）シール部材本体と、前記シール部材本体の側壁を貫通する弁体収容部と、前記弁体収容部に収容される弁体とを備え、

弁体収容部の側壁を貫通する両開口部が弁体よりも小さく形成されると共に、弁体収容部の中間部が弁体よりも大きく形成され、

前記弁体の移動によって、弁体収容部の開口部の開閉が行われることを特徴とするシール部材。

2 . (補正後）前記弁体が球形状のジグルポールであって、前記ジグルポールを収容する弁体収容部の側壁を貫通する両開口部が前記ジグルボールの直径以下の径をもって形成されると共に、弁体収容部の中間部が前記ジグルポールの直径以上の径をもって形成されることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載されたシール部材。

3 . 前記シール部材本体が中央部に開口部を有すると共に、前記ジグルポールを収容する弁体収容部がシール部材本体の軸線に沿ってその側壁を貫通していることを特徴とする請求の範囲第 2項に記載されたシール部材。

4 . シール部材本体がゴム材によって構成され、ジグルポールが鉄材、ステンレス材、合成樹脂材のいずれかによつて構成されていることを特徴とする請求の範囲第 1項乃至第 3項のいずれかに記載されたシール部材。

5 . 前記請求の範囲第 1項乃至第 3項のいずれかに記載されたシール部材を用いたサーモスタツトの取付け構造において、

周面に入口開口部、出口開口部が形成された筒形状のバルブ本体と、前記入口開口部と前記出口開口部とを前記バルブ本体内で連通する流

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補正された用紙 (条約第 19条》条約 1 9条に基づく説明書

請求の範囲第 1項については、弁体収容部の側壁を貫通する両開口部が弁体よりも小さく形成されると共に、弁体収容部の中間部が弁体よりも大きく形成され、前記弁体の移動によって、弁体収容部の開閉が行われることを明確にした。

引用例である J P 8— 2 8 5 0 8 3 A (US 5 4 8 8 8 0 5 A, E P 73 64 0 5A 1 ) には、「抽出弁部分 3 0はフラップ 5 8を含み、フラップ 5 8は閉じた位置に向けて弾性的に偏倚もしくは押圧されるようにモールド成形せれている。したがって、通常はフラップ 5 8によって抽出弁部分 3 0は閉じられている。そして、自動車の車内の圧力が高くなつたときは、フラップ 5 8は開口位置へ開き、空気が車両の内部から外部に排気される」ことが示されている。

本発明によると、弁体が弁体収容部内部を移動することによって、弁体収容部の開閉が行われる。したがって、本発明は、引用例のシール部材と比較して、モールド成形されたフラップのような繰返変形に伴う破損を防止できる。

また、請求の範囲第 2項については、捕正前の請求の範囲第 2項の「上面開口部及び下面開口部」.が請求の範囲第 1項に記載された「側壁を貫通する両開口部」であることを明確化した。