JP4367236B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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本発明は、冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地向けの空気調和装置に関する。
従来、冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地向けの空気調和装置として特許文献1の図1に示されるような空気調和装置がある。この空気調和装置は、蓄熱用熱交換器および蓄熱材を貯留する蓄熱槽を有しており、空調室内を暖房しながら蓄熱材に温熱を蓄積することが可能である(以下、このような運転を暖房兼温蓄熱運転という)。そして、この空気調和装置は、蓄熱材に蓄積された十分な温熱を利用することによって、空調室内を暖房しながら室外熱交換器に付着した霜を除去することが可能となっている(以下、このような運転を暖房兼デフロスト運転という)。
特開平5−26542号公報
しかし、この空気調和装置では、暖房兼温蓄熱運転時には圧縮機から吐出された冷媒である吐出冷媒が蓄熱用熱交換器、室内熱交換器、および室外熱交換器の順に流れ、暖房兼デフロスト運転時には吐出冷媒が室内熱交換器、蓄熱用熱交換器、および室外熱交換器の順に流れる。このため、この空気調和装置では、冷媒の流れや冷媒の状態を適切に制御して、暖房兼温蓄熱運転時には室内熱交換器(暖房)と蓄熱用熱交換器(温蓄熱)とに、暖房兼デフロスト運転時には室内熱交換器(暖房)と室外熱交換器(デフロスト)とに適切な熱量を分配する必要がある。ところが、そのような制御は、非常に煩雑であり実現性に乏しい。
本発明の課題は、比較的な簡単な制御により暖房兼蓄熱運転および暖房兼デフロスト運転を行うことができる空気調和装置を提供することにある。
第1発明に係る空気調和装置は、冷媒回路を備える。冷媒回路は、圧縮機、熱源側熱交換器、利用側熱交換器、蓄熱用熱交換器、および切換機構を有する。蓄熱用熱交換器は、蓄熱材と熱交換を行う。切換機構は、暖房兼蓄熱状態と暖房兼デフロスト状態と蓄熱利用暖房状態とを切換可能である。なお、暖房兼蓄熱状態では、利用側熱交換器および蓄熱用熱交換器が凝縮器として機能し、熱源側熱交換器が蒸発器として機能する。また、暖房兼デフロスト状態では、利用側熱交換器および熱源側熱交換器が凝縮器として機能し、蓄熱用熱交換器が蒸発器として機能する。また、蓄熱利用暖房状態では、利用側熱交換器が凝縮器として機能し、熱源側熱交換器および蓄熱用熱交換器が蒸発器として機能する。そして、暖房兼蓄熱状態では、吐出冷媒が利用側熱交換器と蓄熱用熱交換器とに分配され、利用側熱交換器から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器から流出した冷媒とが合流して熱源側熱交換器を通って圧縮機に吸入される。なお、ここにいう「吐出冷媒」とは、圧縮機から吐出された冷媒である。また、暖房兼デフロスト状態では、吐出冷媒が利用側熱交換器と熱源側熱交換器とに分配され、利用側熱交換器から流出した冷媒と熱源側熱交換器から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器を通って圧縮機に吸入されるまた、蓄熱利用暖房状態では、吐出冷媒が利用側熱交換器に送られ、利用側熱交換器において凝縮した冷媒が熱源側熱交換器と蓄熱用熱交換器とに分配され、熱源側熱交換器から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器から流出した冷媒とが合流して圧縮機に吸入される。
この空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態において、吐出冷媒が利用側熱交換器と蓄熱用熱交換器とに分配される。また、暖房兼デフロスト状態において、吐出冷媒が利用側熱交換器と熱源側熱交換器とに分配される。また、蓄熱利用暖房状態では、吐出冷媒が利用側熱交換器に送られ、利用側熱交換器において凝縮した冷媒が熱源側熱交換器と蓄熱用熱交換器とに分配される。このため、この空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態において利用側熱交換器と蓄熱用熱交換器とに、暖房兼デフロスト状態において利用側熱交換器と熱源側熱交換器とに、蓄熱利用暖房状態において熱源側熱交換器と蓄熱用熱交換器とに適切な熱量を分配するのに、冷媒の分配比のみを考慮すればよい。したがって、この空気調和装置では、比較的な簡単な制御により暖房兼蓄熱運転暖房兼デフロスト運転および蓄熱利用暖房運転を行うことができる。
また、この空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態において、利用側熱交換器から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器から流出した冷媒とが合流して熱源側熱交換器を通って圧縮機に吸入される。また、暖房兼デフロスト状態において、利用側熱交換器から流出した冷媒と熱源側熱交換器から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器を通って圧縮機に吸入される。このため、この空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態において利用側熱交換器から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器から流出した冷媒とを熱源側熱交換器で一括して蒸発させることができ、暖房兼デフロスト状態において利用側熱交換器から流出した冷媒と熱源側熱交換器から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置では、冷媒回路の構成をシンプルにすることができる。
発明に係る空気調和装置は、第1発明に係る空気調和装置であって、切換機構は、第1制御弁および第2制御弁を有する。第1制御弁は、暖房兼蓄熱状態および蓄熱利用暖房状態において吐出冷媒が熱源側熱交換器に直接流入しないようにするための制御弁である。第2制御弁は、暖房兼デフロスト状態および蓄熱利用暖房状態において吐出冷媒が蓄熱用熱交換器に直接流入しないようにするための制御弁である。
この空気調和装置では、切換機構が、第1制御弁および第2制御弁を有する。このため、この空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態と暖房兼デフロスト状態と蓄熱利用暖房状態との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
発明に係る空気調和装置は、第1発明または第2発明に係る空気調和装置であって、切換機構は、冷房状態にも切換可能である。なお、ここにいう「冷房状態」とは、熱源側熱交換器が凝縮器として機能し、利用側熱交換器が蒸発器として機能する状態をいう。そして、この切換機構は、第3制御弁をさらに有する。第3制御弁は、冷房状態において吐出冷媒が利用側熱交換器に直接流入しないようにし、かつ、暖房兼デフロスト状態および蓄熱利用暖房状態において吐出冷媒が利用側熱交換器に流入するようにするための制御弁である。
この空気調和装置では、切換機構が、冷房状態にも切換可能であり、第3制御弁をさらに有する。このため、この空気調和装置では、暖房兼デフロスト状態と冷房状態と蓄熱利用暖房状態との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
発明に係る空気調和装置は、第1発明から第3発明のいずれかに係る空気調和装置であって、冷媒回路には、暖房兼デフロスト状態において熱源側熱交換器に液状冷媒が溜まるように、冷媒が充填されている。
この空気調和装置では、暖房兼デフロスト状態において吐出冷媒が利用側熱交換器と熱源側熱交換器とに分配されるが、暖房兼デフロスト運転開始直後には利用側熱交換器よりも熱源側熱交換器の方が低温であるため、吐出冷媒は、利用側熱交換器よりも熱源側熱交換器の方に多く流れ易くなる。このため、この空気調和装置では、利用側熱交換器における凝縮温度および凝縮圧力が低下し、利用側熱交換器における暖房能力が低下するおそれがある。しかし、この空気調和装置では、冷媒回路に、暖房兼デフロスト状態において熱源側熱交換器に液状冷媒が溜まるように、冷媒が充填されている。このため、この空気調和装置では、暖房兼デフロスト状態において、利用側熱交換器へ流れる吐出冷媒の凝縮温度および凝縮圧力の低下を抑えることができる。したがって、この空気調和装置では、暖房兼デフロスト状態における利用側熱交換器の暖房能力の低下を抑えることができる。
第1発明に係る空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態において利用側熱交換器と蓄熱用熱交換器とに、暖房兼デフロスト状態において利用側熱交換器と熱源側熱交換器とに、蓄熱利用暖房状態において熱源側熱交換器と蓄熱用熱交換器とに適切な熱量を分配するのに、冷媒の分配比のみを考慮すればよい。したがって、この空気調和装置では、比較的な簡単な制御により暖房兼蓄熱運転暖房兼デフロスト運転および蓄熱利用暖房運転を行うことができる。また、この空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態において利用側熱交換器から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器から流出した冷媒とを熱源側熱交換器で一括して蒸発させることができ、暖房兼デフロスト状態において利用側熱交換器から流出した冷媒と熱源側熱交換器から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置では、冷媒回路の構成をシンプルにすることができる。
発明に係る空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態と暖房兼デフロスト状態と蓄熱利用暖房状態との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
発明に係る空気調和装置では、暖房兼デフロスト状態と冷房状態と蓄熱利用暖房状態との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
発明に係る空気調和装置では、暖房兼デフロスト状態において、利用側熱交換器へ流れる吐出冷媒の凝縮温度および凝縮圧力の低下を抑えることができる。したがって、この空気調和装置では、暖房兼デフロスト状態における利用側熱交換器の暖房能力の低下を抑えることができる。
<第1実施形態>
[空気調和装置の構成]
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略冷媒回路10を図1に示す。
この空気調和装置1は、冷房運転および暖房運転のみならずデフロスト運転、暖房兼温蓄熱運転、および暖房兼デフロスト運転も可能な空気調和装置(冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地向けの空気調和装置)であって、主冷媒回路1a、バイパスライン1b、および蓄熱ライン1cから構成される冷媒回路10を備えている。
主冷媒回路1aには主に、圧縮機111、四路切換弁113、室外熱交換器112、第1電動膨張弁EV1、室内熱交換器171、第1開閉機構OC1、および気液分離器114が配備されており、各機器は、図1に示されるように、冷媒配管を介して接続されている。
バイパスライン1bは、一端が四路切換弁113と室外熱交換器112のガス側とを接続する冷媒配管(以下、第1室外側冷媒ガス配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と室内熱交換器171のガス側とを接続する冷媒配管(以下、室内側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路1aと接続されている。なお、以下、バイパスライン1bと第1室外側冷媒ガス配管との接続点を第1BL接続点BC1といい、バイパスライン1bと室内側冷媒ガス配管との接続点を第2BL接続点BC2という。そして、このバイパスライン1bには、第2開閉機構OC2が配備されている。
蓄熱ライン1cは、一端が室外熱交換器112の液側と第1電動膨張弁EV1とを接続する冷媒配管(以下、室外側冷媒液配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と四路切換弁113とを接続する冷媒配管(以下、第2室外側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路1aと接続されている。なお、以下、蓄熱ライン1cと室外側冷媒液配管との接続点を第1HL接続点HC1といい、蓄熱ライン1cと第2室外側冷媒ガス配管との接続点を第2HL接続点HC2という。そして、この蓄熱ライン1cには蓄熱用熱交換器141および第2電動膨張弁EV2が配備されており、各機器が第2HL接続点HC2から第1HL接続点HC1に向かって上記の順に冷媒配管を介して接続されている。
また、本実施形態では、空気調和装置1は、分離型の空気調和装置であって、室内熱交換器171、第1電動膨張弁EV1、冷媒ガス配管181、および冷媒液配管182を主に有する室内ユニット17と、蓄熱用熱交換器141、蓄熱槽142、第2電動膨張弁EV2、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第1冷媒ガス配管151、第2冷媒ガス配管153、および冷媒液配管152を主に有する蓄熱ユニット14と、圧縮機111、四路切換弁113、室外熱交換器112、気液分離器114、第1冷媒ガス配管121、第2冷媒ガス配管123、および冷媒液配管122を主に有する室外ユニット11と、室内ユニット17の冷媒液配管182と蓄熱ユニット14の冷媒液配管152とを接続する第1冷媒連絡配管187と、室内ユニット17の冷媒ガス配管181と蓄熱ユニット14の冷媒ガス配管151とを接続する第2冷媒連絡配管186と、蓄熱ユニット14の冷媒液配管152と室外ユニット11の冷媒液配管122とを接続する第3冷媒連絡配管137と、蓄熱ユニット14の第1冷媒ガス配管151と室外ユニット11の第1冷媒ガス配管121とを接続する第4冷媒連絡配管136と、蓄熱ユニット14の第2冷媒ガス配管153と室外ユニット11の第2冷媒ガス配管123とを接続する第5冷媒連絡配管135とから構成されているともいえる。なお、室外ユニット11の冷媒液配管122と第3冷媒連絡配管137とは室外ユニット11の液側閉鎖弁133を介して、室外ユニット11の第1冷媒ガス配管121と第4冷媒連絡配管136とは室外ユニット11の第2ガス側閉鎖弁132を介して、室外ユニット11の第2冷媒ガス配管123と第5冷媒連絡配管135とは室外ユニット11の第1ガス側閉鎖弁131を介してそれぞれ接続されている。
なお、このように本実施形態にかかる空気調和装置1をユニット単位で見た場合、第1BL接続点BC1は室外ユニット11に属し、第2BL接続点BC2、第1HL接続点HC1、および第2HL接続点HC2は蓄熱ユニット14に属する。
(1)室内ユニット
室内ユニット17は、主に、室内熱交換器171、第1電動膨張弁EV1、室内ファン(図示せず)、冷媒ガス配管181、および冷媒液配管182を有している。
室内熱交換器171は、空調室内の空気である室内空気と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
室内ファンは、ユニット17内に空調室内の空気を取り込み、室内熱交換器171を介して冷媒と熱交換した後の空気である調和空気を再び空調室内への送り出すためファンである。
そして、この室内ユニット17は、このような構成を採用することによって、冷房運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器171を流れる液冷媒とを熱交換させて調和空気(冷気)を生成し、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、および暖房兼デフロスト運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器171を流れるガス冷媒とを熱交換させて調和空気(暖気)を生成することが可能となっている。
(2)蓄熱ユニット
蓄熱ユニット14は、主に、蓄熱用熱交換器141、蓄熱槽142、第2電動膨張弁EV2、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第1冷媒ガス配管151、第2冷媒ガス配管153、および冷媒液配管152を有している。
蓄熱用熱交換器141は、蓄熱槽142に蓄えられている蓄熱材(例えば、ポリエチレングリコール、トレイトール、パラフィン、酢酸ナトリウム3水和物、硫酸ナトリウム10水和物など)と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
第1開閉機構OC1は、開閉可能な第1電磁弁SV1および第1逆止弁161を有している。この第1開閉機構OC1では、第1電磁弁SV1と第1逆止弁161とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第1逆止弁161は、各ユニット11,14,17が接続された状態において第2ガス側閉鎖弁132から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第2開閉機構OC2は、開閉可能な第2電磁弁SV2および第2逆止弁162を有している。この第2開閉機構OC2では、第2電磁弁SV2と第2逆止弁162とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第2電磁弁SV2は第1BL接続点BC1側に、第2逆止弁162は第2BL接続点BC2側に配置される。また、この第2逆止弁162は、各ユニット11,14,17が接続された状態において第1ガス側閉鎖弁131から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
そして、この蓄熱ユニット14は、このような構成を採用することによって、暖房兼温蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器141を流れるガス冷媒の温熱を蓄熱材に蓄積させ、暖房兼デフロスト運転時には蓄熱用熱交換器141を流れる液冷媒に蓄熱材に蓄積される温熱を供給することによってその液冷媒を蒸発させることが可能となっている。なお、この蓄熱材は、融点がおよそ30℃から40℃であり、潜熱として温熱を蓄積することが可能となっている。
(3)室外ユニット
室外ユニット11は、主に、四路切換弁113、気液分離器114、圧縮機111、室外熱交換器112、第1冷媒ガス配管121、第2冷媒ガス配管123、および冷媒液配管122を有している。
圧縮機111は、吸入管125を流れる低圧のガス冷媒を吸入して圧縮した後、吐出管126に吐出するための機器である。本実施形態において、圧縮機111は、スクロール式やロータリ式等の容積式の圧縮機である。
四路切換弁113は、各運転に対応して、冷媒の流れ方向を切り換えるための弁であり、冷房運転時、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には圧縮機111の吐出管126と室外熱交換器112のガス側とを接続するとともに圧縮機111の吸入管125と第2ガス側閉鎖弁132とを気液分離器114を介して接続し、暖房運転時および暖房兼温蓄熱運転時には圧縮機111の吐出管126と第2ガス側閉鎖弁132とを接続するとともに圧縮機111の吸入管125と室外熱交換器112のガス側とを気液分離器114を介して接続することが可能である。
室外熱交換器112は、冷房運転時において、圧縮機111から吐出された高圧のガス冷媒を空調室外の空気を熱源として凝縮させることが可能であり、暖房運転時には室内熱交換器171から戻る液冷媒を、暖房兼温蓄熱運転時には室内熱交換器171および蓄熱用熱交換器141から戻る液冷媒を蒸発させることが可能である。
[空気調和装置の動作]
空気調和装置1の運転動作について、図1および図2を用いて説明する。この空気調和装置1は、上述したように冷房運転、暖房運転、暖房兼温蓄熱運転、デフロスト運転、および暖房兼デフロスト運転を行うことが可能である。
(1)冷房運転
冷房運転時は、四路切換弁113が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機111の吐出管126が室外熱交換器112のガス側に接続され、かつ、圧縮機111の吸入管125が気液分離器114を介して第2ガス側閉鎖弁132側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は過冷却度制御(以下、SC制御という)され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室外熱交換器112のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器112の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2はOFFされて閉状態とされる(図2参照)。そして、液側閉鎖弁133、第1ガス側閉鎖弁131、および第2ガス側閉鎖弁132は開状態とされる。
この冷媒回路10の状態で、圧縮機111を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機111に吸入されて圧縮された後、吐出管126、四路切換弁113、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器112に送られ、室外熱交換器112において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、液側閉鎖弁133および第1HL接続点HC1を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室内熱交換器171に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁132、四路切換弁113、および気液分離器114を経由して、再び、圧縮機111に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
(2)暖房運転
暖房運転時は、四路切換弁113が図1の破線で示される状態、すなわち、圧縮機111の吐出側が第2ガス側閉鎖弁132に接続され、かつ、圧縮機111の吸入側が気液分離器114を介して室外熱交換器112のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSC制御され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器171のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器171の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第2電磁弁SV2は、OFFされて閉状態とされる(図2参照)。そして、液側閉鎖弁133、第1ガス側閉鎖弁131、および第2ガス側閉鎖弁132は開状態とされる。
この冷媒回路10の状態で、圧縮機111を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機111に吸入されて圧縮された後、吐出管126、四路切換弁113、第2ガス側閉鎖弁132、第2HL接続点HC2、第1逆止弁161、および第2BL接続点BC2を経由して、室内熱交換器171に供給される。
そして、そのガス冷媒は、室内熱交換器171において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1および液側閉鎖弁133を経由して室外熱交換器112に送られて、室外熱交換器112において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第1BL接続点BC1、四路切換弁113、および気液分離器114を経由して、吸入管125に戻り、再び、圧縮機111に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
(3)暖房兼温蓄熱運転
暖房兼温蓄熱運転時は、四路切換弁113が図1の破線で示される状態、すなわち、圧縮機111の吐出側が第2ガス側閉鎖弁132に接続され、かつ、圧縮機111の吸入側が気液分離器114を介して室外熱交換器112のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSC制御され、第2電動膨張弁EV2は所定の開度を維持する状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器171のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器171の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第2電磁弁SV2はOFFされて閉状態とされる(図2参照)。そして、液側閉鎖弁133、第1ガス側閉鎖弁131、および第2ガス側閉鎖弁132は開状態とされる。
この冷媒回路10の状態で、圧縮機111を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機111に吸入されて圧縮された後、吐出管126、四路切換弁113、および第2ガス側閉鎖弁132を経由して第2HL接続点HC2に至る。そして、第2HL接続点HC2に至ったガス冷媒は、その後、第1逆止弁161および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器171に向かう経路である第1経路と、蓄熱用熱交換器141に向かう経路である第2経路とに分配される。
第1経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器171において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1に送られる。
一方、第2経路に分配されたガス冷媒は、蓄熱用熱交換器141において蓄熱材を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この際、蓄熱材は、固相から液相に相転移し、ガス冷媒から供給される温熱を主に潜熱として蓄積する。その後、この液冷媒は、第2電動膨張弁EV2を経由して第1HL接続点HC1に至る。
そして、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、第2電動膨張弁EV2を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点において合流した後、液側閉鎖弁133を経由して室外熱交換器112に送られ、室外熱交換器112において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第1BL接続点BC1、四路切換弁113、および気液分離器114を経由して、吸入管125に戻り、再び、圧縮機111に吸入される。
なお、この暖房兼温蓄熱運転は、主に、空気調和装置1の起動時に行われ、蓄熱槽142に設けられている蓄熱材の温度検出用の温度センサの値が所定値以上になると自動的に暖房運転に切り換わるようになっている。
(4)デフロスト運転
デフロスト運転時は、四路切換弁113が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機111の吐出管126が室外熱交換器112のガス側に接続され、かつ、圧縮機111の吸入管125が気液分離器114を介して第2ガス側閉鎖弁132側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は所定の開度を維持する状態とされ、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。また、第1電磁弁SV1はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2はOFFされて閉状態とされる(図2参照)。そして、液側閉鎖弁133、第1ガス側閉鎖弁131、および第2ガス側閉鎖弁132は開状態とされる。
この冷媒回路10の状態で、圧縮機111を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機111に吸入されて圧縮された後、吐出管126、四路切換弁113、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器112に送られ、室外熱交換器112の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。
そして、室外熱交換器112で凝縮された液冷媒は、液側閉鎖弁133および第1HL接続点HC1を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室内熱交換器171に供給され、室内熱交換器171の周囲の空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。なお、この際、空調室内を積極的に冷房しないように、室内ファンが駆動しないように制御される。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁132、四路切換弁113、および気液分離器114を経由して、再び、圧縮機111に吸入される。
なお、このデフロスト運転は、室外熱交換器112の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、室内熱交換器171に霜が付着しないように、暖房運転などとの間で間欠的に行われる。
(5)暖房兼デフロスト運転
暖房兼デフロスト運転時は、四路切換弁113が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機111の吐出管126が室外熱交換器112のガス側に接続され、かつ、圧縮機111の吸入管125が気液分離器114を介して第2ガス側閉鎖弁132側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は全開状態とされ、第2電動膨張弁EV2は高圧制御(以下、HP制御という)される。なお、第2電動膨張弁EV2がHP制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、圧縮機111の吐出圧力が所定値以上となるように調節される。また、第1電磁弁SV1はOFFされて閉状態とされ、第2電磁弁SV2はONされて開状態とされる(図2参照)。そして、液側閉鎖弁133、第1ガス側閉鎖弁131、および第2ガス側閉鎖弁132は開状態とされる。
この冷媒回路10の状態で、圧縮機111を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機111に吸入されて圧縮された後、吐出管126および四路切換弁113を経由して第1BL接続点BC1に至る。そして、第1BL接続点BC1に至ったガス冷媒は、その後、第1ガス側閉鎖弁131、第2切換機構OC2、および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器171に向かう経路である第3経路と、室外熱交換器112に向かう経路である第4経路とに分配される。
第3経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器171において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に至る。
一方、第4経路に分配されたガス冷媒は、室外熱交換器112の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、液側閉鎖弁133を経由して第1HL接続点HC1に至る。
そして、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、液側閉鎖弁133を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点HC1において合流した後、第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に蓄熱用熱交換器141に送られ、蓄熱用熱交換器141において温熱を蓄積している蓄熱材によって蒸発されてガス冷媒となる。この際、蓄熱材は、蓄熱していた温熱を放出するため、液相から固相に相転移することとなる。その後、そのガス冷媒は、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁132、四路切換弁113、および気液分離器114を経由して、吸入管125に戻り、再び、圧縮機111に吸入される。
なお、この冷媒回路10には、暖房兼デフロスト運転時において室外熱交換器112に液冷媒が溜まるように冷媒が充填されている。このため、他の運転時においては冷媒が余剰となるが、この余剰冷媒は、主に、気液分離器114に貯留される。
また、この暖房兼デフロスト運転は、室外熱交換器112の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、所定時間(例えば、10分間)継続して行われる。
[空気調和装置の特徴]
(1)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、暖房兼温蓄熱運転において圧縮機111から吐出されたガス冷媒(以下、吐出冷媒という)が室内熱交換器171と蓄熱用熱交換器141とに分配され、暖房兼デフロスト運転において吐出冷媒が室内熱交換器171と室外熱交換器112とに分配される。このため、この空気調和装置1では、暖房兼温蓄熱運転において室内熱交換器171と蓄熱用熱交換器141とに、暖房兼デフロスト運転において室内熱交換器171と室外熱交換器112とに適切な熱量を分配するのに、冷媒の分配比のみを考慮すればよい。したがって、この空気調和装置1では、比較的な簡単な制御により暖房兼温蓄熱運転および暖房兼デフロスト運転を行うことができる。
(2)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、暖房兼温蓄熱運転において、室内熱交換器171から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器141から流出した冷媒とが合流して室外熱交換器112を通って圧縮機111に吸入される。また、暖房兼デフロスト運転において、室内熱交換器171から流出した冷媒と室外熱交換器112から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器141を通って圧縮機111に吸入される。このため、この空気調和装置1では、暖房兼温蓄熱運転において室内熱交換器171から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器141から流出した冷媒とを室外熱交換器112で一括して蒸発させることができ、暖房兼デフロスト運転において室内熱交換器171から流出した冷媒と室外熱交換器112から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器141で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置1では、冷媒回路10の構成をシンプルにすることができる。
(3)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、冷媒回路10が、四路切換弁113および第1電磁弁SV1を有する。このため、この空気調和装置1では、暖房兼温蓄熱運転と暖房兼デフロスト運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(4)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、冷媒回路10が、第1開閉機構OC1および第2開閉機構OC2により冷房運転にも切換可能であり、第2電磁弁SV2を有する。このため、この空気調和装置1では、暖房兼デフロスト運転と冷房運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(5)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、冷媒回路10に、暖房兼デフロスト運転において室外熱交換器112に液状冷媒が溜まるように、冷媒が充填されている。このため、この空気調和装置1では、暖房兼デフロスト運転において、室内熱交換器171へ流れる吐出冷媒の凝縮温度および凝縮圧力の低下を抑えることができる。したがって、この空気調和装置1では、暖房兼デフロスト運転における室内熱交換器171の暖房能力の低下を抑えることができる。
[変形例]
(A)
第1実施形態に係る空気調和装置1に代えて、図3に示されるような空気調和装置1Aを採用しても本発明の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
第1実施形態に係る空気調和装置1では、冷媒回路10を構成する主冷媒回路1aにおいて、第2BL接続点BC2と第2HL接続点HC2との間に第1開閉機構OC1が配置された。これに対し、本変形例に係る空気調和装置1Aでは、冷媒回路10Aを構成する主冷媒回路1Aaにおいて、第2BL接続点BC2と第2HL接続点HC2との間に双方向電磁弁SV1Aが配置される。なお、双方向電磁弁SV1Aは、蓄熱ユニット14Aに属することとなる。
(B)
第1実施形態に係る空気調和装置1に代えて、図4に示されるような空気調和装置1Bを採用しても本発明の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
第1実施形態に係る空気調和装置1では、冷媒回路10を構成する主冷媒回路1aにおいて第2BL接続点BC2と第2HL接続点HC2との間に第1開閉機構OC1が配置され、冷媒回路10を構成するバイパスライン1bにおいて第2開閉機構OC2が配置された。これに対し、本変形例に係る空気調和装置1Bでは、主冷媒回路1Baとバイパスライン1Bbとの室内側の接続点に四路切換弁143およびキャピラリーチューブ144が配置される。なお、この四路切換弁143およびキャピラリーチューブ144は、蓄熱ユニット14Bに属することとなる。また、この冷媒回路10Bにおいて、四路切換弁143は、冷房運転時、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、およびデフロスト運転時には図4の破線で示される状態にされ、暖房兼デフロスト運転時には図4の実線で示される状態にされる。
<第2実施形態>
[空気調和装置の構成]
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置2の概略冷媒回路20を図5に示す。
この空気調和装置2は、冷房運転および暖房運転のみならず氷蓄熱運転、氷蓄熱利用冷房運転、デフロスト運転、暖房兼温蓄熱運転、および暖房兼デフロスト運転も可能な空気調和装置(冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地向けの空気調和装置)であって、主冷媒回路2a、バイパスライン2b、蓄熱ライン2c、および利用ライン2dから構成される冷媒回路20を備えている。
主冷媒回路2aには主に、圧縮機211、四路切換弁213、室外熱交換器212、第5開閉機構OC5、第1電動膨張弁EV1、室内熱交換器271、第1開閉機構OC1、および気液分離器214が配備されており、各機器は、図5に示されるように、冷媒配管を介して接続されている。
バイパスライン2bは、一端が四路切換弁213と室外熱交換器212のガス側とを接続する冷媒配管(以下、第1室外側冷媒ガス配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と室内熱交換器271のガス側とを接続する冷媒配管(以下、室内側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路2aと接続されている。なお、以下、バイパスライン2bと第1室外側冷媒ガス配管との接続点を第1BL接続点BC1といい、バイパスライン2bと室内側冷媒ガス配管との接続点を第2BL接続点BC2という。そして、このバイパスライン2bには、第2開閉機構OC2が配備されている。
蓄熱ライン2cは、一端が第5開閉機構OC5と第1電動膨張弁EV1とを接続する冷媒配管(以下、室内側冷媒液配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と四路切換弁213とを接続する冷媒配管(以下、第2室外側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路2aと接続されている。なお、以下、蓄熱ライン2cと室内側冷媒液配管との接続点を第1HL接続点HC1といい、蓄熱ライン2cと第2室外側冷媒ガス配管との接続点を第2HL接続点HC2という。そして、この蓄熱ライン2cには第3開閉機構OC3、蓄熱用熱交換器241、および第2電動膨張弁EV2が配備されており、各機器が第2HL接続点HC2から第1HL接続点HC1に向かって上記の順に冷媒配管を介して接続されている。
利用ライン2dは、一端が室外熱交換器212の液側と第5開閉機構OC5とを接続する冷媒配管(以下、室外側冷媒液配管という)に、他端が第3開閉機構OC3と蓄熱用熱交換器241とを接続する冷媒配管(以下、ガス管側バイパス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路2aおよび蓄熱ライン2cと接続されている。なお、以下、利用ライン2dと室外側冷媒液配管との接続点を第1IL接続点IC1といい、利用ライン2dとガス管側バイパス配管との接続点を第2IL接続点IC2という。そして、この利用ライン2dには、第4開閉機構OC4が配備されている。
また、本実施形態では、空気調和装置2は、分離型の空気調和装置であって、室内熱交換器271、第1電動膨張弁EV1、冷媒ガス配管281、および冷媒液配管282を主に有する室内ユニット27と、蓄熱用熱交換器241、蓄熱水槽242、第2電動膨張弁EV2、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第3開閉機構OC3、第4開閉機構OC4、第5開閉機構OC5、第1冷媒ガス配管251、第2冷媒ガス配管253、および冷媒液配管252を主に有する氷蓄熱ユニット24と、圧縮機211、四路切換弁213、室外熱交換器212、気液分離器214、第1冷媒ガス配管221、第2冷媒ガス配管223、および冷媒液配管222を主に有する室外ユニット21と、室内ユニット27の冷媒液配管282と氷蓄熱ユニット24の冷媒液配管252とを接続する第1冷媒連絡配管287と、室内ユニット27の冷媒ガス配管281と氷蓄熱ユニット24の冷媒ガス配管251とを接続する第2冷媒連絡配管286と、氷蓄熱ユニット24の冷媒液配管252と室外ユニット21の冷媒液配管222とを接続する第3冷媒連絡配管237と、氷蓄熱ユニット24の第1冷媒ガス配管251と室外ユニット21の第1冷媒ガス配管221とを接続する第4冷媒連絡配管236と、氷蓄熱ユニット24の第2冷媒ガス配管253と室外ユニット21の第2冷媒ガス配管223とを接続する第5冷媒連絡配管235とから構成されているともいえる。なお、室外ユニット21の冷媒液配管222と第3冷媒連絡配管237とは室外ユニット21の液側閉鎖弁233を介して、室外ユニット21の第1冷媒ガス配管221と第4冷媒連絡配管236とは室外ユニット21の第2ガス側閉鎖弁232を介して、室外ユニット21の第2冷媒ガス配管223と第5冷媒連絡配管235とは室外ユニット21の第1ガス側閉鎖弁231を介してそれぞれ接続されている。
なお、このように本実施形態にかかる空気調和装置2をユニット単位で見た場合、第1BL接続点BC1は室外ユニット21に属し、第2BL接続点BC2、第1HL接続点HC1、第2HL接続点HC2、第1IL接続点IC1、および第2IL接続点IC2は氷蓄熱ユニット24に属する。
(1)室内ユニット
室内ユニット27は、主に、室内熱交換器271、第1電動膨張弁EV1、室内ファン(図示せず)、冷媒ガス配管281、および冷媒液配管282を有している。
室内熱交換器271は、空調室内の空気である室内空気と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
室内ファンは、ユニット27内に空調室内の空気を取り込み、室内熱交換器271を介して冷媒と熱交換した後の空気である調和空気を再び空調室内への送り出すためファンである。
そして、この室内ユニット27は、このような構成を採用することによって、冷房運転時および氷蓄熱利用冷房運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器271を流れる液冷媒とを熱交換させて調和空気(冷気)を生成し、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、および暖房兼デフロスト運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器271を流れるガス冷媒とを熱交換させて調和空気(暖気)を生成することが可能となっている。
(2)氷蓄熱ユニット
氷蓄熱ユニット24は、主に、蓄熱用熱交換器241、蓄熱水槽242、第2電動膨張弁EV2、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第3開閉機構OC3、第4開閉機構OC4、第5開閉機構OC5、第1冷媒ガス配管251、第2冷媒ガス配管253、および冷媒液配管252を有している。
蓄熱用熱交換器241は、蓄熱水槽242に蓄えられている蓄熱用水と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
第1開閉機構OC1は、開閉可能な第1電磁弁SV1および第1逆止弁261を有している。この第1開閉機構OC1では、第1電磁弁SV1と第1逆止弁261とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第1逆止弁261は、各ユニット21,24,27が接続された状態において第2ガス側閉鎖弁232から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第2開閉機構OC2は、開閉可能な第2電磁弁SV2および第2逆止弁262を有している。この第2開閉機構OC2では、第2電磁弁SV2と第2逆止弁262とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第2電磁弁SV2は第1BL接続点BC1側に、第2逆止弁262は第2BL接続点BC2側に配置される。また、この第2逆止弁262は、各ユニット21,24,27が接続された状態において第1ガス側閉鎖弁231から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第3開閉機構OC3は、開閉可能な第3電磁弁SV3および第3逆止弁263を有している。この第3開閉機構OC3では、第3電磁弁SV3と第3逆止弁263とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第3逆止弁263は、第2HL接続点HC2から第2IL接続点IC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第4開閉機構OC4は、開閉可能な第4電磁弁SV4および第4逆止弁264を有している。この第4開閉機構OC4では、第4電磁弁SV4と第4逆止弁264とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第4電磁弁SV4は第1IL接続点IC1側に、第4逆止弁264は第2IL接続点IC2側に配置される。また、この第4逆止弁264は、第1IL接続点IC1から第2IL接続点IC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第5開閉機構OC5は、開閉可能な第5電磁弁SV5および第5逆止弁265を有している。この第5開閉機構OC5では、第5電磁弁SV5と第5逆止弁265とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第5逆止弁265は、第1HL接続点HC1から第1IL接続点IC1に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
そして、この氷蓄熱ユニット24は、このような構成を採用することによって、氷蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器241を流れる液冷媒の冷熱を蓄熱用水に蓄積させ、氷蓄熱利用運転時には蓄熱用熱交換器241を流れるガス状または気液二相状態の冷媒にその冷熱を供給することによってそのガス状または気液二相状態の冷媒を凝縮させ、暖房兼温蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器241を流れるガス冷媒の温熱を蓄熱用水に蓄積させ、また、暖房兼デフロスト運転時には蓄熱用熱交換器241を流れる液冷媒に蓄熱用水に蓄積される温熱を供給することによってその液冷媒を蒸発させることが可能となっている。なお、この蓄熱用水は、氷蓄熱運転時には液相から固相に相転移して液冷媒から供給される冷熱を主に潜熱として蓄積し、暖房兼温蓄熱運転時にはガス冷媒から供給される温熱を顕熱として蓄積する。
(3)室外ユニット
室外ユニット21は、主に、四路切換弁213、気液分離器214、圧縮機211、室外熱交換器212、第1冷媒ガス配管221、第2冷媒ガス配管223、および冷媒液配管222を有している。
圧縮機211は、吸入管225を流れる低圧のガス冷媒を吸入して圧縮した後、吐出管226に吐出するための機器である。本実施形態において、圧縮機211は、スクロール式やロータリ式等の容積式の圧縮機である。
四路切換弁213は、各運転に対応して、冷媒の流れ方向を切り換えるための弁であり、冷房運転時、氷蓄熱運転時、氷蓄熱利用冷房運転時、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には圧縮機211の吐出管226と室外熱交換器212のガス側とを接続するとともに圧縮機211の吸入管225と第2ガス側閉鎖弁232とを気液分離器214を介して接続し、暖房運転時および暖房兼温蓄熱運転時には圧縮機211の吐出管226と第2ガス側閉鎖弁232とを接続するとともに圧縮機211の吸入管225と室外熱交換器212のガス側とを気液分離器214を介して接続することが可能である。
室外熱交換器212は、冷房運転時、氷蓄熱運転時、および氷蓄熱利用冷房運転時において、圧縮機211から吐出された高圧のガス冷媒を空調室外の空気を熱源として凝縮させることが可能であり、暖房運転時には室内熱交換器271から戻る液冷媒を、暖房兼温蓄熱運転時には室内熱交換器271および蓄熱用熱交換器241から戻る液冷媒を蒸発させることが可能である。
[空気調和装置の動作]
空気調和装置2の運転動作について、図5および図6を用いて説明する。この空気調和装置1は、上述したように冷房運転、氷蓄熱運転、氷蓄熱利用冷房運転、暖房運転、暖房兼温蓄熱運転、デフロスト運転、および暖房兼デフロスト運転を行うことが可能である。
(1)冷房運転
冷房運転時は、四路切換弁213が図5の実線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出管226が室外熱交換器212のガス側に接続され、かつ、圧縮機211の吸入管225が気液分離器214を介して第2ガス側閉鎖弁232側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は過冷却度制御(以下、SC制御という)され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室外熱交換器212のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器212の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされる(図6参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226、四路切換弁213、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器212に送られ、室外熱交換器212において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、液側閉鎖弁233、第1IL接続点IC1、第5電磁弁SV5、第1HL接続点HC1を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室内熱交換器271に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁232、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、再び、圧縮機211に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
(2)氷蓄熱運転
氷蓄熱運転時は、四路切換弁213が図5の実線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出管226が室外熱交換器212のガス側に接続され、かつ、圧縮機211の吸入管225が気液分離器214を介して第2ガス側閉鎖弁232側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は全閉状態とされ、第2電動膨張弁EV2はSC制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がSC制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、室外熱交換器212のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器212の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされる(図6参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226、四路切換弁213、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器212に送られ、室外熱交換器212において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、液側閉鎖弁233、第1IL接続点IC1、第5電磁弁SV5、第1HL接続点HC1を経由して第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に蓄熱用熱交換器241に供給され、蓄熱用水を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。この際、蓄熱用水は、液相から固相に相転移し、液冷媒から供給される冷熱を主に潜熱として蓄積する。
そして、そのガス冷媒は、第2IL接続点IC2、第3電磁弁SV3、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁232、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、再び、圧縮機211に吸入される。このようにして、氷蓄熱運転が行われる。
(3)氷蓄熱利用冷房運転
氷蓄熱利用冷房運転時は、四路切換弁213が図5の実線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出管226が室外熱交換器212のガス側に接続され、かつ、圧縮機211の吸入管225が気液分離器214を介して第2ガス側閉鎖弁232側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1はSC制御され、第2電動膨張弁EV2は全開状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、蓄熱用熱交換器241の第2IL接続点IC2側における冷媒の温度から蓄熱用熱交換器241の第2電動膨張弁EV2側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第4電磁弁SV4はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はOFFされて閉状態とされる(図6参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226、四路切換弁213、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器212に送られ、室外熱交換器212において凝縮されて液状または気液二相の冷媒となる。
そして、この液状または気液二相の冷媒は、液側閉鎖弁233、第1IL接続点IC1、第4開閉機構OC4、および第2IL接続点IC2を経由して蓄熱用熱交換器241に送られ、蓄熱用熱交換器241において蓄熱用水に蓄積された冷熱によりさらに低温の液冷媒または液冷媒となる。
そして、このさらに低温の液冷媒または液冷媒は、第2電動膨張弁EV2および第1HL接続点HC1を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室内熱交換器271に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁232、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、再び、圧縮機211に吸入される。このようにして、氷蓄熱利用冷房運転が行われる。
(4)暖房運転
暖房運転時は、四路切換弁213が図5の破線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出側が第2ガス側閉鎖弁232に接続され、かつ、圧縮機211の吸入側が気液分離器214を介して室外熱交換器212のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSC制御され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器271のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器271の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、第4電磁弁SV4、および第5電磁弁SV5は、OFFされて閉状態とされる(図6参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226、四路切換弁213、第2ガス側閉鎖弁232、第2HL接続点HC2、第1逆止弁261、および第2BL接続点BC2を経由して、室内熱交換器271に供給される。
そして、そのガス冷媒は、室内熱交換器271において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1、第5逆止弁265、第1IL接続点IC1、および液側閉鎖弁233を経由して室外熱交換器212に送られ、室外熱交換器212において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第1BL接続点BC1、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、吸入管225に戻り、再び、圧縮機211に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
(5)暖房兼温蓄熱運転
暖房兼温蓄熱運転時は、四路切換弁213が図5の破線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出側が第2ガス側閉鎖弁232に接続され、かつ、圧縮機211の吸入側が気液分離器214を介して室外熱交換器212のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSC制御され、第2電動膨張弁EV2は所定の開度を維持する状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器271のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器271の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、第4電磁弁SV4、第5電磁弁SV5は、OFFされて閉状態とされる(図6参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226、四路切換弁213、および第2ガス側閉鎖弁232を経由して第2HL接続点HC2に至る。そして、第2HL接続点HC2に至ったガス冷媒は、その後、第1逆止弁261および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器271に向かう経路である第1経路と、第3逆止弁263および第2IL接続点IC2を経由して蓄熱用熱交換器241に向かう経路である第2経路とに分配される。
第1経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器271において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1に送られる。
一方、第2経路に分配されたガス冷媒は、蓄熱用熱交換器241において蓄熱用水を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この際、蓄熱用水は、ガス冷媒から供給される温熱を顕熱として蓄積する。その後、その液冷媒は、第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1に送られる。
そして、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、第2電動膨張弁EV2を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点において合流した後、第5逆止弁265、第1IL接続点IC1、液側閉鎖弁233を経由して室外熱交換器212に送られ、室外熱交換器212において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第1BL接続点BC1、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、吸入管225に戻り、再び、圧縮機211に吸入される。
なお、この暖房兼温蓄熱運転は、主に、空気調和装置2の起動時に行われ、蓄熱水槽242に設けられている蓄熱用水の温度検出用の温度センサの値が所定の閾値以上になると自動的に暖房運転に切り換わるようになっている。
(6)デフロスト運転
デフロスト運転時は、四路切換弁213が図5の実線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出管226が室外熱交換器212のガス側に接続され、かつ、圧縮機211の吸入管225が気液分離器214を介して第2ガス側閉鎖弁232側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は所定の開度を維持する状態とされ、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。また、第1電磁弁SV1、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされる(図6参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226、四路切換弁213、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器212に送られ、室外熱交換器212の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。
そして、室外熱交換器212で凝縮された液冷媒は、液側閉鎖弁233、第1IL接続点IC1、第5電磁弁SV5、第1HL接続点HC1を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室内熱交換器271に供給され、室内熱交換器271の周囲の空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。なお、この際、空調室内を積極的に冷房しないように、室内ファンは駆動しないように制御される。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁232、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、再び、圧縮機211に吸入される。
なお、このデフロスト運転は、室外熱交換器212の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、室内熱交換器271に霜が付着しないように、暖房運転などとの間で間欠的に行われる。
(7)暖房兼デフロスト運転
暖房兼デフロスト運転時は、四路切換弁213が図5の実線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出管226が室外熱交換器212のガス側に接続され、かつ、圧縮機211の吸入管225が気液分離器214を介して第2ガス側閉鎖弁232側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は全開状態とされ、第2電動膨張弁EV2は高圧制御(以下、HP制御という)される。なお、第2電動膨張弁EV2がHP制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、圧縮機211の吐出圧力が所定値以上となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされる(図6参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226および四路切換弁213を経由して第1BL接続点BC1に至る。そして、第1BL接続点BC1に至ったガス冷媒は、その後、第1ガス側閉鎖弁231、第2切換機構OC2、および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器271に向かう経路である第3経路と、室外熱交換器212に向かう経路である第4経路とに分配される。
第3経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器271において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に至る。
一方、第4経路に分配されたガス冷媒は、室外熱交換器212の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、液側閉鎖弁233、第1IL接続点IC1、および第5電磁弁SV5を経由して第1HL接続点HC1に至る。
そして、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、液側閉鎖弁233、第1IL接続点IC1、および第5電磁弁SV5を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点HC1において合流した後、第2電動膨張弁EV2を経由して蓄熱用熱交換器241に送られ、蓄熱用熱交換器241において温熱を蓄積している蓄熱用水によって蒸発されてガス冷媒となる。その後、そのガス冷媒は、第2IL接続点IC2、第3電磁弁SV3、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁232、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、吸入管225に戻り、再び、圧縮機211に吸入される。
なお、この冷媒回路20には、暖房兼デフロスト運転時において室外熱交換器212に液冷媒が溜まるように冷媒が充填されている。このため、他の運転時においては冷媒が余剰となるが、この余剰冷媒は、主に、気液分離器214に貯留される。
また、この暖房兼デフロスト運転は、室外熱交換器212の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、所定時間(例えば、10分間)継続して行われる。
[空気調和装置の特徴]
(1)
第2実施形態に係る空気調和装置2では、暖房兼温蓄熱運転において圧縮機211から吐出されたガス冷媒(以下、吐出冷媒という)が室内熱交換器271と蓄熱用熱交換器241とに分配され、暖房兼デフロスト運転において吐出冷媒が室内熱交換器271と室外熱交換器212とに分配される。このため、この空気調和装置2では、暖房兼温蓄熱運転において室内熱交換器271と蓄熱用熱交換器241とに、暖房兼デフロスト運転において室内熱交換器271と室外熱交換器212とに適切な熱量を分配するのに、冷媒の分配比のみを考慮すればよい。したがって、この空気調和装置2では、比較的な簡単な制御により暖房兼温蓄熱運転および暖房兼デフロスト運転を行うことができる。
(2)
第2実施形態に係る空気調和装置2では、暖房兼温蓄熱運転において、室内熱交換器271から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器241から流出した冷媒とが合流して室外熱交換器212を通って圧縮機211に吸入される。また、暖房兼デフロスト運転において、室内熱交換器271から流出した冷媒と室外熱交換器212から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器241を通って圧縮機211に吸入される。このため、この空気調和装置2では、暖房兼温蓄熱運転において室内熱交換器271から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器241から流出した冷媒とを室外熱交換器212で一括して蒸発させることができ、暖房兼デフロスト運転において室内熱交換器271から流出した冷媒と室外熱交換器212から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器241で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置2では、冷媒回路20の構成をシンプルにすることができる。
(3)
第2実施形態に係る空気調和装置2では、冷媒回路20が、四路切換弁213および第1電磁弁SV1を有する。このため、この空気調和装置2では、暖房兼温蓄熱運転と暖房兼デフロスト運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(4)
第2実施形態に係る空気調和装置2では、冷媒回路20が、第1開閉機構OC1および第2開閉機構OC2により冷房運転にも切換可能であり、第2電磁弁SV2を有する。このため、この空気調和装置2では、暖房兼デフロスト運転と冷房運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(5)
第2実施形態に係る空気調和装置2では、冷媒回路20に、暖房兼デフロスト運転において室外熱交換器212に液状冷媒が溜まるように、冷媒が充填されている。このため、この空気調和装置2では、暖房兼デフロスト運転において、室内熱交換器271へ流れる吐出冷媒の凝縮温度および凝縮圧力の低下を抑えることができる。したがって、この空気調和装置2では、暖房兼デフロスト運転における室内熱交換器271の暖房能力の低下を抑えることができる。
(6)
第2実施形態に係る空気調和装置2では、蓄熱ユニットとして氷蓄熱ユニット24が採用されているため、氷蓄熱運転および氷蓄熱利用冷房運転を行うことができる。このため、この空気調和装置2では、夏季など、冷房運転が必要となる環境において、電力ピークを調節することができる。
[変形例]
(A)
第2実施形態に係る空気調和装置2の主冷媒回路2aに配置される第1開閉機構OC1は、第1実施形態の変形例(A)に示されるように、双方向電磁弁に置換されてもかまわない。また、第3開閉機構OC3および第5開閉機構OC5についても、同様に双方向電磁弁に置換されてもかまわない。
(B)
第2実施形態に係る空気調和装置2の主冷媒回路2aに配置される第1開閉機構OC1および第2開閉機構OC2は、第1実施形態の変形例(B)に示されるように、四路切換弁およびキャピラリーチューブに置換されてもかまわない。
(C)
第2実施形態に係る空気調和装置2に代えて、図7に示されるような空気調和装置2Aを採用しても本発明の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
第2実施形態に係る空気調和装置2では、冷媒回路20を構成する主冷媒回路2aにおいて第1HL接続点HC1と第1IL接続点IC1との間に第5開閉機構OC5が配置され、冷媒回路20を構成する利用ライン2dにおいて第4開閉機構OC4が配置された。これに対し、本変形例に係る空気調和装置2Aでは、主冷媒回路2Aaと利用ライン2dとの接続点に四路切換弁243およびキャピラリーチューブ244が配置される。なお、この四路切換弁243およびキャピラリーチューブ244は、氷蓄熱ユニット24Aに属することとなる。また、この冷媒回路20Aにおいて、四路切換弁243は、冷房運転時、氷蓄熱運転時、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には図7の実線で示される状態にされ、氷蓄熱利用冷房運転時には図7の破線で示される状態にされる。
<第3実施形態>
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置3の概略冷媒回路30を図8に示す。
この空気調和装置3は、冷房運転および暖房運転のみならずデフロスト運転、暖房兼温蓄熱運転、および暖房兼デフロスト運転も可能な空気調和装置(冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地向けの空気調和装置)であって、主冷媒回路3a、バイパスライン3b、および蓄熱ライン3cから構成される冷媒回路30を備えている。
主冷媒回路3aには主に、圧縮機311、四路切換弁313、室外熱交換器312、膨張回路(膨張機構)314、室内熱交換器371、および第1開閉機構OC1が配備されており、各機器は、図8に示されるように、冷媒配管を介して接続されている。
バイパスライン3bは、一端が四路切換弁313と室外熱交換器312のガス側とを接続する冷媒配管(以下、第1室外側冷媒ガス配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と室内熱交換器371のガス側とを接続する冷媒配管(以下、室内側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路3aと接続されている。なお、以下、バイパスライン3bと第1室外側冷媒ガス配管との接続点を第1BL接続点BC1といい、バイパスライン3bと室内側冷媒ガス配管との接続点を第2BL接続点BC2という。そして、このバイパスライン3bには、第2開閉機構OC2が配備されている。
蓄熱ライン3cは、一端が膨張回路314と室内熱交換器371の液側とを接続する冷媒配管(以下、室外側冷媒液配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と四路切換弁313とを接続する冷媒配管(以下、第2室外側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路3aと接続されている。なお、以下、蓄熱ライン3cと室外側冷媒液配管との接続点を第1HL接続点HC1といい、蓄熱ライン1cと第2室外側冷媒ガス配管との接続点を第2HL接続点HC2という。そして、この蓄熱ライン3cには蓄熱用熱交換器341および第2電動膨張弁EV2が配備されており、各機器が第2HL接続点HC2から第1HL接続点HC1に向かって上記の順に冷媒配管を介して接続されている。
また、本実施形態では、空気調和装置3は、分離型の空気調和装置であって、室内熱交換器371、冷媒ガス配管381、および冷媒液配管382を主に有する室内ユニット37と、蓄熱用熱交換器341、蓄熱槽342、第2電動膨張弁EV2、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第1冷媒ガス配管351、第2冷媒ガス配管353、および冷媒液配管352を主に有する蓄熱ユニット34と、圧縮機311、四路切換弁313、室外熱交換器312、膨張回路314、第1冷媒ガス配管321、第2冷媒ガス配管323、および冷媒液配管322を主に有する室外ユニット31と、室内ユニット37の冷媒液配管382と蓄熱ユニット34の冷媒液配管352とを接続する第1冷媒連絡配管387と、室内ユニット37の冷媒ガス配管381と蓄熱ユニット34の冷媒ガス配管351とを接続する第2冷媒連絡配管386と、蓄熱ユニット34の冷媒液配管352と室外ユニット31の冷媒液配管322とを接続する第3冷媒連絡配管337と、蓄熱ユニット34の第1冷媒ガス配管351と室外ユニット31の第1冷媒ガス配管321とを接続する第4冷媒連絡配管336と、蓄熱ユニット34の第2冷媒ガス配管353と室外ユニット31の第2冷媒ガス配管323とを接続する第5冷媒連絡配管335とから構成されているともいえる。なお、室外ユニット31の冷媒液配管322と第3冷媒連絡配管337とは室外ユニット31の液側閉鎖弁333を介して、室外ユニット31の第1冷媒ガス配管321と第4冷媒連絡配管336とは室外ユニット31の第2ガス側閉鎖弁332を介して、室外ユニット31の第2冷媒ガス配管323と第5冷媒連絡配管335とは室外ユニット31の第1ガス側閉鎖弁331を介してそれぞれ接続されている。
なお、このように本実施形態にかかる空気調和装置3をユニット単位で見た場合、第1BL接続点BC1は室外ユニット31に属し、第2BL接続点BC2、第1HL接続点HC1、および第2HL接続点HC2は蓄熱ユニット34に属する。
(1)室内ユニット
室内ユニット37は、主に、室内熱交換器371、室内ファン(図示せず)、冷媒ガス配管381、および冷媒液配管382を有している。
室内熱交換器371は、空調室内の空気である室内空気と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
室内ファンは、ユニット37内に空調室内の空気を取り込み、室内熱交換器371を介して冷媒と熱交換した後の空気である調和空気を再び空調室内への送り出すためファンである。
そして、この室内ユニット37は、このような構成を採用することによって、冷房運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器371を流れる液冷媒とを熱交換させて調和空気(冷気)を生成し、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、および暖房兼デフロスト運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器371を流れるガス冷媒とを熱交換させて調和空気(暖気)を生成することが可能となっている。
(2)蓄熱ユニット
蓄熱ユニット34は、主に、蓄熱用熱交換器341、蓄熱槽342、第2電動膨張弁EV2、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第1冷媒ガス配管351、第2冷媒ガス配管353、および冷媒液配管352を有している。
蓄熱用熱交換器341は、蓄熱槽342に蓄えられている蓄熱材(例えば、ポリエチレングリコール、トレイトール、パラフィン、酢酸ナトリウム3水和物、硫酸ナトリウム10水和物など)と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
第1開閉機構OC1は、開閉可能な第1電磁弁SV1および第1逆止弁361を有している。この第1開閉機構OC1では、第1電磁弁SV1と第1逆止弁361とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第1逆止弁361は、各ユニット31,34,37が接続された状態において第2ガス側閉鎖弁332から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第2開閉機構OC2は、開閉可能な第2電磁弁SV2および第2逆止弁362を有している。この第2開閉機構OC2では、第2電磁弁SV2と第2逆止弁362とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第2電磁弁SV2は第1BL接続点BC1側に、第2逆止弁362は第2BL接続点BC2側に配置される。また、この第2逆止弁362は、各ユニット31,34,37が接続された状態において第1ガス側閉鎖弁331から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
そして、この蓄熱ユニット34は、このような構成を採用することによって、暖房兼温蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器341を流れるガス冷媒の温熱を蓄熱材に蓄積させ、暖房兼デフロスト運転時には蓄熱用熱交換器341を流れる液冷媒に蓄熱材に蓄積される温熱を供給することによってその液冷媒を蒸発させることが可能となっている。なお、この蓄熱材は、融点がおよそ30℃から40℃であり、潜熱として温熱を蓄積することが可能となっている。
(3)室外ユニット
室外ユニット31は、主に、四路切換弁313、圧縮機311、室外熱交換器312、膨張回路314、第1冷媒ガス配管321、第2冷媒ガス配管323、および冷媒液配管322を有している。
圧縮機311は、吸入管325を流れる低圧のガス冷媒を吸入して圧縮した後、吐出管326に吐出するための機器である。本実施形態において、圧縮機311は、スクロール式やロータリ式等の容積式の圧縮機である。
四路切換弁313は、各運転に対応して、冷媒の流れ方向を切り換えるための弁であり、冷房運転時、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には圧縮機311の吐出管326と室外熱交換器312のガス側とを接続するとともに圧縮機311の吸入管325と第2ガス側閉鎖弁332とを介して接続し、暖房運転時および暖房兼温蓄熱運転時には圧縮機311の吐出管326と第2ガス側閉鎖弁332とを接続するとともに圧縮機311の吸入管325と室外熱交換器312のガス側とを接続することが可能である。
室外熱交換器312は、冷房運転時において、圧縮機311から吐出された高圧のガス冷媒を空調室外の空気を熱源として凝縮させることが可能であり、暖房運転時には室内熱交換器371から戻る液冷媒を、暖房兼温蓄熱運転時には室内熱交換器371および蓄熱用熱交換器341から戻る液冷媒を蒸発させることが可能である。
膨張回路314は、液側閉鎖弁333と室外熱交換器312との間に接続され、室内熱交換器371と室外熱交換器312との間を流れる冷媒を減圧するための回路であり、ブリッジ回路73と、ブリッジ回路73に接続される連絡回路75とから構成されている。ブリッジ回路73は、本実施形態において、4つの逆止弁74a〜74dから構成されており、冷房運転時、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には、熱源側熱交換器312側からの冷媒を連絡回路75に流入させた後、液側閉鎖弁333側に流通させることが可能であり、暖房運転時および暖房兼温蓄熱運転時には、液側閉鎖弁333側からの冷媒を連絡回路75に流入させた後、室外熱交換器312側に流通させることが可能である。また、連絡回路75には、液冷媒を一時的に溜めることが可能なレシーバ71と、弁開度の調節が可能な電動膨張弁EV1とが配備されている。
[空気調和装置の動作]
空気調和装置3の運転動作について、図8および図9を用いて説明する。この空気調和装置3は、上述したように冷房運転、暖房運転、暖房兼温蓄熱運転、デフロスト運転、および暖房兼デフロスト運転を行うことが可能である。
(1)冷房運転
冷房運転時は、四路切換弁113が図8の実線で示される状態、すなわち、圧縮機311の吐出管326が室外熱交換器312のガス側に接続され、かつ、圧縮機311の吸入管325が第2ガス側閉鎖弁332側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は過熱度制御(以下、SH制御という)され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器371のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器371の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2はOFFされて閉状態とされる(図9参照)。そして、液側閉鎖弁333、第1ガス側閉鎖弁331、および第2ガス側閉鎖弁332は開状態とされる。
この冷媒回路30の状態で、圧縮機311を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機311に吸入されて圧縮された後、吐出管326、四路切換弁313、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器312に送られ、室外熱交換器312において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、膨張回路314に送られる。この膨張回路314に送られた液冷媒は、ブリッジ回路73の逆止弁74bを介して連絡回路75に送られて、レシーバ71で一時的に溜められる。このレシーバ71で溜められた液冷媒は、第1電動膨張弁EV1で減圧された後、ブリッジ回路73の逆止弁74c、液側閉鎖弁333、および第1HL接続点HC1を経由して室内熱交換器371に供給される。
そして、室内熱交換器371に供給された液冷媒は、室内熱交換器371において室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁332、および四路切換弁313を経由して、再び、圧縮機311に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
(2)暖房運転
暖房運転時は、四路切換弁313が図8の破線で示される状態、すなわち、圧縮機311の吐出側が第2ガス側閉鎖弁332に接続され、かつ、圧縮機311の吸入側が室外熱交換器312のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSH制御され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSH制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室外熱交換器312のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器312の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第2電磁弁SV2は、OFFされて閉状態とされる(図9参照)。そして、液側閉鎖弁333、第1ガス側閉鎖弁331、および第2ガス側閉鎖弁332は開状態とされる。
この冷媒回路30の状態で、圧縮機311を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機311に吸入されて圧縮された後、吐出管326、四路切換弁313、第2ガス側閉鎖弁332、第2HL接続点HC2、第1逆止弁361、および第2BL接続点BC2を経由して、室内熱交換器371に供給される。
そして、そのガス冷媒は、室内熱交換器371において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1HL接続点HC1および液側閉鎖弁333を経由して膨張回路314に送られる。この膨張回路314に送られた液冷媒は、ブリッジ回路73の逆止弁74aを介して、連絡回路75に送られてレシーバ71で一時的に溜められる。このレシーバ71で溜められた液冷媒は、第1電動膨張弁EV1で減圧された後、ブリッジ回路73の逆止弁74dを介して、室外熱交換器312に送られ、室外熱交換器312において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第1BL接続点BC1、および四路切換弁313を経由して、吸入管325に戻り、再び、圧縮機311に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
(3)暖房兼温蓄熱運転
暖房兼温蓄熱運転時は、四路切換弁313が図8の破線で示される状態、すなわち、圧縮機311の吐出側が第2ガス側閉鎖弁332に接続され、かつ、圧縮機311の吸入側が室外熱交換器312のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSH制御され、第2電動膨張弁EV2は所定の開度を維持する状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSH制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室外熱交換器312のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器312の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第2電磁弁SV2はOFFされて閉状態とされる(図9参照)。そして、液側閉鎖弁333、第1ガス側閉鎖弁331、および第2ガス側閉鎖弁332は開状態とされる。
この冷媒回路30の状態で、圧縮機311を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機311に吸入されて圧縮された後、吐出管326、四路切換弁313、および第2ガス側閉鎖弁332を経由して第2HL接続点HC2に至る。そして、第2HL接続点HC2に至ったガス冷媒は、その後、第1逆止弁361および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器371に向かう経路である第1経路と、蓄熱用熱交換器341に向かう経路である第2経路とに分配される。
第1経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器371において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1HL接続点HC1に至る。
一方、第2経路に分配されたガス冷媒は、蓄熱用熱交換器341において蓄熱材を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この際、蓄熱材は、固相から液相に相転移し、ガス冷媒から供給される温熱を主に潜熱として蓄積する。その後、この液冷媒は、第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1に送られる。
そして、室内熱交換器371から第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、第2電動膨張弁EV2を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点において合流した後、液側閉鎖弁333を経由して膨張回路314に送られる。この膨張回路314に送られた液冷媒は、ブリッジ回路73の逆止弁74aを介して、連絡回路75に送られてレシーバ71で一時的に溜められる。このレシーバ71で溜められた液冷媒は、第1電動膨張弁EV1で減圧された後、ブリッジ回路73の逆止弁74dを介して、室外熱交換器312に送られ、室外熱交換器312において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第1BL接続点BC1、および四路切換弁313を経由して、吸入管325に戻り、再び、圧縮機311に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
なお、この暖房兼温蓄熱運転は、主に、空気調和装置3の起動時に行われ、蓄熱槽342に設けられている蓄熱材の温度検出用の温度センサの値が所定値以上になると自動的に暖房運転に切り換わるようになっている。
(4)デフロスト運転
デフロスト運転時は、四路切換弁313が図8の実線で示される状態、すなわち、圧縮機311の吐出管326が室外熱交換器312のガス側に接続され、かつ、圧縮機311の吸入管325が第2ガス側閉鎖弁332側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は所定の開度を維持する状態とされ、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。また、第1電磁弁SV1はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2はOFFされて閉状態とされる(図9参照)。そして、液側閉鎖弁333、第1ガス側閉鎖弁331、および第2ガス側閉鎖弁332は開状態とされる。
この冷媒回路30の状態で、圧縮機311を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機311に吸入されて圧縮された後、吐出管326、四路切換弁313、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器312に送られ、室外熱交換器312の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、膨張回路314に送られる。この膨張回路314に送られた液冷媒は、ブリッジ回路73の逆止弁74bを介して連絡回路75に送られて、レシーバ71で一時的に溜められる。このレシーバ71で溜められた液冷媒は、第1電動膨張弁EV1で減圧された後、ブリッジ回路73の逆止弁74c、液側閉鎖弁333、および第1HL接続点HC1を経由して室内熱交換器371に供給される。
そして、室内熱交換器371に供給された液冷媒は、室内熱交換器371の周囲の空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。なお、この際、空調室内を積極的に冷房しないように、室内ファンが駆動しないように制御される。
そして、このガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁332、および四路切換弁313を経由して、再び、圧縮機311に吸入される。
なお、このデフロスト運転は、室外熱交換器112の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、室内熱交換器171に霜が付着しないように、暖房運転などとの間で間欠的に行われる。
(5)暖房兼デフロスト運転
暖房兼デフロスト運転時は、四路切換弁313が図8の実線で示される状態、すなわち、圧縮機311の吐出管326が室外熱交換器312のガス側に接続され、かつ、圧縮機311の吸入管325が第2ガス側閉鎖弁332側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は所定の開度を維持する状態とされ、第2電動膨張弁EV2はSH制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がSH制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、蓄熱用熱交換器341の第2HL接続点HC2側における冷媒の温度から蓄熱用熱交換器341の第2電動膨張弁EV2側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1はOFFされて閉状態とされ、第2電磁弁SV2はONされて開状態とされる(図9参照)。そして、液側閉鎖弁333、第1ガス側閉鎖弁331、および第2ガス側閉鎖弁332は開状態とされる。
この冷媒回路30の状態で、圧縮機311を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機311に吸入されて圧縮された後、吐出管326および四路切換弁313を経由して第1BL接続点BC1に至る。そして、第1BL接続点BC1に至ったガス冷媒は、その後、第1ガス側閉鎖弁331、第2切換機構OC2、および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器371に向かう経路である第3経路と、室外熱交換器312に向かう経路である第4経路とに分配される。
第3経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器371において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1HL接続点HC1に至る。
一方、第4経路に分配されたガス冷媒は、室外熱交換器312の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となった後、膨張回路314に送られる。この膨張回路314に送られた液冷媒は、ブリッジ回路73の逆止弁74bを介して連絡回路75に送られて、レシーバ71で一時的に溜められる。このレシーバ71で溜められた液冷媒は、第1電動膨張弁EV1で減圧された後、ブリッジ回路73の逆止弁74cおよび液側閉鎖弁333を経由して第1HL接続点HC1に至る。
そして、室内熱交換器371から第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、ブリッジ回路73の逆止弁74cおよび液側閉鎖弁333を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点HC1において合流し、第2電動膨張弁EV2で減圧された後、蓄熱用熱交換器341に送られ、蓄熱用熱交換器341において温熱を蓄積している蓄熱材によって蒸発されてガス冷媒となる。その後、そのガス冷媒は、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁332、および四路切換弁313を経由して、吸入管325に戻り、再び、圧縮機311に吸入される。
なお、この冷媒回路30には、暖房兼デフロスト運転時において室外熱交換器312に液冷媒が溜まるように冷媒が充填されている。このため、他の運転時においては冷媒が余剰となるが、この余剰冷媒は、主に、レシーバ71に貯留される。
また、この暖房兼デフロスト運転は、室外熱交換器312の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、所定時間(例えば、10分間)継続して行われる。
[空気調和装置の特徴]
(1)
第3実施形態に係る空気調和装置3では、暖房兼温蓄熱運転において圧縮機311から吐出されたガス冷媒(以下、吐出冷媒という)が室内熱交換器371と蓄熱用熱交換器341とに分配され、暖房兼デフロスト運転において吐出冷媒が室内熱交換器371と室外熱交換器312とに分配される。このため、この空気調和装置3では、暖房兼温蓄熱運転において室内熱交換器371と蓄熱用熱交換器341とに、暖房兼デフロスト運転において室内熱交換器371と室外熱交換器312とに適切な熱量を分配するのに、冷媒の分配比のみを考慮すればよい。したがって、この空気調和装置3では、比較的な簡単な制御により暖房兼温蓄熱運転および暖房兼デフロスト運転を行うことができる。
(2)
第3実施形態に係る空気調和装置3では、暖房兼温蓄熱運転において、室内熱交換器371から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器341から流出した冷媒とが合流して室外熱交換器312を通って圧縮機311に吸入される。また、暖房兼デフロスト運転において、室内熱交換器371から流出した冷媒と室外熱交換器312から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器341を通って圧縮機311に吸入される。このため、この空気調和装置3では、暖房兼温蓄熱運転において室内熱交換器371から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器341から流出した冷媒とを室外熱交換器312で一括して蒸発させることができ、暖房兼デフロスト運転において室内熱交換器371から流出した冷媒と室外熱交換器312から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器341で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置3では、冷媒回路30の構成をシンプルにすることができる。
(3)
第3実施形態に係る空気調和装置3では、冷媒回路30が、四路切換弁313および第1電磁弁SV1を有する。このため、この空気調和装置3では、暖房兼温蓄熱運転と暖房兼デフロスト運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(4)
第3実施形態に係る空気調和装置3では、冷媒回路30が、第1開閉機構OC1および第2開閉機構OC2により冷房運転にも切換可能であり、第2電磁弁SV2を有する。このため、この空気調和装置3では、暖房兼デフロスト運転と冷房運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(5)
第3実施形態に係る空気調和装置3では、冷媒回路30に、暖房兼デフロスト運転において室外熱交換器312に液状冷媒が溜まるように、冷媒が充填されている。このため、この空気調和装置3では、暖房兼デフロスト運転において、室内熱交換器371へ流れる吐出冷媒の凝縮温度および凝縮圧力の低下を抑えることができる。したがって、この空気調和装置3では、暖房兼デフロスト運転における室内熱交換器371の暖房能力の低下を抑えることができる。
[変形例]
(A)
第3実施形態に係る空気調和装置3の主冷媒回路3aに配置される第1開閉機構OC1は、第1実施形態の変形例(A)に示されるように、双方向電磁弁に置換されてもかまわない。
(B)
第3実施形態に係る空気調和装置3の主冷媒回路3aに配置される第1開閉機構OC1および第2開閉機構OC2は、第1実施形態の変形例(B)に示されるように、四路切換弁およびキャピラリーチューブに置換されてもかまわない。
<第4実施形態>
[空気調和装置の構成]
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置3Aの概略冷媒回路30Aを図10に示す。
この空気調和装置3Aは、冷房運転および暖房運転のみならずデフロスト運転、暖房兼温蓄熱運転、および暖房兼デフロスト運転も可能な空気調和装置(冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地向けの空気調和装置)であって、主冷媒回路30a、バイパスライン30b、蓄熱ライン30c、およびガス抜きライン30dから構成される冷媒回路30Aを備えている。
主冷媒回路30aには主に、圧縮機311、四路切換弁313、室外熱交換器312、第1電動膨張弁EV1、室内熱交換器371、および第1開閉機構OC1が配備されており、各機器は、図10に示されるように、冷媒配管を介して接続されている。
バイパスライン30bは、一端が四路切換弁313と室外熱交換器312のガス側とを接続する冷媒配管(以下、第1室外側冷媒ガス配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と室内熱交換器371のガス側とを接続する冷媒配管(以下、室内側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路30aと接続されている。なお、以下、バイパスライン30bと第1室外側冷媒ガス配管との接続点を第1BL接続点BC1といい、バイパスライン30bと室内側冷媒ガス配管との接続点を第2BL接続点BC2という。そして、このバイパスライン30bには、第2開閉機構OC2が配備されている。
蓄熱ライン30cは、一端が第1電動膨張弁EV1と室内熱交換器371とを接続する冷媒配管(以下、室内側冷媒液配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と四路切換弁313とを接続する冷媒配管(以下、第2室外側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路30aと接続されている。なお、以下、蓄熱ライン30cと室内側冷媒液配管との接続点を第1HL接続点HC1といい、蓄熱ライン30cと第2室外側冷媒ガス配管との接続点を第2HL接続点HC2という。そして、この蓄熱ライン30cには第3開閉機構OC3、蓄熱用熱交換器341、モジュレータ343、および第2電動膨張弁EV2が配備されており、各機器が第2HL接続点HC2から第1HL接続点HC1に向かって上記の順に冷媒配管を介して接続されている。
ガス抜きライン30dは、一端がモジュレータ343の上部に、他端が第3開閉機構OC3と第2HL接続点HC2とを接続する冷媒配管(以下、ガス管側バイパス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路30aおよび蓄熱ライン30cと接続されている。なお、以下、ガス抜きライン30dとガス管側バイパス配管との接続点をGL接続点GCという。そして、このガス抜きライン30dには、キャピラリーチューブ364が配備されている。
また、本実施形態では、空気調和装置3Aは、分離型の空気調和装置であって、室内熱交換器371、冷媒ガス配管381、および冷媒液配管382を主に有する室内ユニット37aと、蓄熱用熱交換器341、蓄熱槽342、第2電動膨張弁EV2、モジュレータ343、キャピラリーチューブ364、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第3開閉機構OC3、第1冷媒ガス配管351、第2冷媒ガス配管353、および冷媒液配管352を主に有する蓄熱ユニット34Aと、圧縮機311、四路切換弁313、室外熱交換器312、第1電動膨張弁EV1、第1冷媒ガス配管321、第2冷媒ガス配管323、および冷媒液配管322を主に有する室外ユニット31Aと、室内ユニット37aの冷媒液配管382と蓄熱ユニット34Aの冷媒液配管352とを接続する第1冷媒連絡配管387と、室内ユニット37aの冷媒ガス配管381と蓄熱ユニット34Aの冷媒ガス配管351とを接続する第2冷媒連絡配管386と、蓄熱ユニット34Aの冷媒液配管352と室外ユニット31Aの冷媒液配管322とを接続する第3冷媒連絡配管337と、蓄熱ユニット34Aの第1冷媒ガス配管351と室外ユニット31Aの第1冷媒ガス配管321とを接続する第4冷媒連絡配管336と、蓄熱ユニット34Aの第2冷媒ガス配管353と室外ユニット31Aの第2冷媒ガス配管323とを接続する第5冷媒連絡配管335とから構成されているともいえる。なお、室外ユニット31Aの冷媒液配管322と第3冷媒連絡配管337とは室外ユニット31Aの液側閉鎖弁333を介して、室外ユニット31Aの第1冷媒ガス配管321と第4冷媒連絡配管336とは室外ユニット31Aの第2ガス側閉鎖弁332を介して、室外ユニット31Aの第2冷媒ガス配管323と第5冷媒連絡配管335とは室外ユニット31Aの第1ガス側閉鎖弁331を介してそれぞれ接続されている。
なお、このように本実施形態にかかる空気調和装置3Aをユニット単位で見た場合、第1BL接続点BC1は室外ユニット31Aに属し、第2BL接続点BC2、第1HL接続点HC1、第2HL接続点HC2、GL接続点GCは蓄熱ユニット34Aに属する。
(1)室内ユニット
室内ユニット37aは、主に、室内熱交換器371、室内ファン(図示せず)、冷媒ガス配管381、および冷媒液配管382を有している。
室内熱交換器371は、空調室内の空気である室内空気と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
室内ファンは、ユニット37a内に空調室内の空気を取り込み、室内熱交換器371を介して冷媒と熱交換した後の空気である調和空気を再び空調室内への送り出すためファンである。
そして、この室内ユニット37aは、このような構成を採用することによって、冷房運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器371を流れる液冷媒とを熱交換させて調和空気(冷気)を生成し、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、および暖房兼デフロスト運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器371を流れるガス冷媒とを熱交換させて調和空気(暖気)を生成することが可能となっている。
(2)蓄熱ユニット
蓄熱ユニット34Aは、主に、蓄熱用熱交換器341、蓄熱槽342、第2電動膨張弁EV2、モジュレータ343、キャピラリーチューブ364、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第3開閉機構OC3、第1冷媒ガス配管351、第2冷媒ガス配管353、および冷媒液配管352を有している。
蓄熱用熱交換器341は、蓄熱槽342に蓄えられている蓄熱材(例えば、ポリエチレングリコール、トレイトール、パラフィン、酢酸ナトリウム3水和物、硫酸ナトリウム10水和物など)と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
モジュレータ343は、余剰冷媒を貯留するための器である。この冷媒回路30Aには、暖房兼デフロスト運転時において室外熱交換器312に液冷媒が溜まるように冷媒が充填されている。このため、他の運転時においては冷媒が余剰となる。この余剰冷媒を貯留するのが本モジュレータ343の役目である。
第1開閉機構OC1は、開閉可能な第1電磁弁SV1および第1逆止弁361を有している。この第1開閉機構OC1では、第1電磁弁SV1と第1逆止弁361とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第1逆止弁361は、各ユニット31a,34A,37aが接続された状態において第2ガス側閉鎖弁332から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第2開閉機構OC2は、開閉可能な第2電磁弁SV2および第2逆止弁362を有している。この第2開閉機構OC2では、第2電磁弁SV2と第2逆止弁362とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第2電磁弁SV2は第1BL接続点BC1側に、第2逆止弁362は第2BL接続点BC2側に配置される。また、この第2逆止弁362は、各ユニット31a,34A,37aが接続された状態において第1ガス側閉鎖弁331から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第3開閉機構OC3は、開閉可能な第3電磁弁SV3および第3逆止弁363を有している。この第3開閉機構OC3では、第3電磁弁SV3と第3逆止弁363とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第3逆止弁363は、GL接続点GCから蓄熱用
熱交換器341に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
そして、この蓄熱ユニット34Aは、このような構成を採用することによって、暖房兼温蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器341を流れるガス冷媒の温熱を蓄熱材に蓄積させ、また、暖房兼デフロスト運転時には蓄熱用熱交換器341を流れる液冷媒に蓄熱材に蓄積される温熱を供給することによってその液冷媒を蒸発させることが可能となっている。なお、この蓄熱材は、融点がおよそ30℃から40℃であり、潜熱として温熱を蓄積することが可能となっている。
(3)室外ユニット
室外ユニット31Aは、主に、四路切換弁313、圧縮機311、室外熱交換器312、第1電動膨張弁EV1、第1冷媒ガス配管321、第2冷媒ガス配管323、および冷媒液配管322を有している。
圧縮機311は、吸入管325を流れる低圧のガス冷媒を吸入して圧縮した後、吐出管326に吐出するための機器である。本実施形態において、圧縮機311は、スクロール式やロータリ式等の容積式の圧縮機である。
四路切換弁313は、各運転に対応して、冷媒の流れ方向を切り換えるための弁であり、冷房運転時、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には圧縮機311の吐出管326と室外熱交換器312のガス側とを接続するとともに圧縮機311の吸入管325と第2ガス側閉鎖弁332とを接続し、暖房運転時および暖房兼温蓄熱運転時には圧縮機311の吐出管326と第2ガス側閉鎖弁332とを接続するとともに圧縮機311の吸入管325と室外熱交換器312のガス側とを接続することが可能である。
室外熱交換器312は、冷房運転時において、圧縮機311から吐出された高圧のガス冷媒を空調室外の空気を熱源として凝縮させることが可能であり、暖房運転時には室内熱交換器371から戻る液冷媒を、暖房兼温蓄熱運転時には室内熱交換器371および蓄熱用熱交換器341から戻る液冷媒を蒸発させることが可能である。
[空気調和装置の動作]
空気調和装置3Aの運転動作について、図10および図11を用いて説明する。この空気調和装置3Aは、上述したように冷房運転、暖房運転、暖房兼温蓄熱運転、デフロスト運転、および暖房兼デフロスト運転を行うことが可能である。
(1)冷房運転
冷房運転時は、四路切換弁313が図10の実線で示される状態、すなわち、圧縮機311の吐出管326が室外熱交換器312のガス側に接続され、かつ、圧縮機311の吸入管325が第2ガス側閉鎖弁332側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は過熱度制御(以下、SH制御という)され、第2電動膨張弁EV2は全開状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSH制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器371のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器371の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2および第3電磁弁SV3はOFFされて閉状態とされる(図11参照)。そして、液側閉鎖弁333、第1ガス側閉鎖弁331、および第2ガス側閉鎖弁332は開状態とされる。
この冷媒回路30Aの状態で、圧縮機311を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機311に吸入されて圧縮された後、吐出管326、四路切換弁313、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器312に送られ、室外熱交換器312において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に液側閉鎖弁333および第1HL接続点HC1を経由して室内熱交換器371に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁332、および四路切換弁313を経由して、再び、圧縮機311に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
(2)暖房運転
暖房運転時は、四路切換弁313が図10の破線で示される状態、すなわち、圧縮機311の吐出側が第2ガス側閉鎖弁332に接続され、かつ、圧縮機311の吸入側が室外熱交換器312のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSH制御され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSH制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室外熱交換器312のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器312の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第2電磁弁SV2、および第3電磁弁SV3は、OFFされて閉状態とされる(図11参照)。そして、液側閉鎖弁333、第1ガス側閉鎖弁331、および第2ガス側閉鎖弁332は開状態とされる。
この冷媒回路30Aの状態で、圧縮機311を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機311に吸入されて圧縮された後、吐出管326、四路切換弁313、第2ガス側閉鎖弁332、第2HL接続点HC2、第1逆止弁361、および第2BL接続点BC2を経由して、室内熱交換器371に供給され、室内熱交換器371において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1HL接続点HC1および液側閉鎖弁333を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室外熱交換器312に送られ、室外熱交換器312において蒸発されてガス冷媒となる。そのガス冷媒は、第1BL接続点BC1および四路切換弁313を経由して、吸入管325に戻り、再び、圧縮機311に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
(3)暖房兼温蓄熱運転
暖房兼温蓄熱運転時は、四路切換弁313が図10の破線で示される状態、すなわち、圧縮機311の吐出側が第2ガス側閉鎖弁332に接続され、かつ、圧縮機311の吸入側が室外熱交換器312のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSH制御され、第2電動膨張弁EV2は所定の開度を維持する状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSH制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室外熱交換器312のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器312の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第2電磁弁SV2、および第3電磁弁SV3は、OFFされて閉状態とされる(図11参照)。そして、液側閉鎖弁333、第1ガス側閉鎖弁331、および第2ガス側閉鎖弁332は開状態とされる。
この冷媒回路30Aの状態で、圧縮機311を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機311に吸入されて圧縮された後、吐出管326、四路切換弁313、および第2ガス側閉鎖弁332を経由して第2HL接続点HC2に至る。そして、第2HL接続点HC2に至ったガス冷媒は、その後、第1逆止弁361および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器371に向かう経路である第1経路と、GC接続点GCおよび第3逆止弁363を経由して蓄熱用熱交換器341に向かう経路である第2経路とに分配される。
第1経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器371において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1HL接続点HC1に至る。
一方、第2経路に分配されたガス冷媒は、蓄熱用熱交換器341において蓄熱材を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この際、蓄熱材は、固相から液相に相転移し、ガス冷媒から供給される温熱を主に潜熱として蓄積する。その後、その液冷媒は、モジュレータ343を経由して第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1に送られる。
そして、室内熱交換器371から第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、第2電動膨張弁EV2を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点において合流した後、液側閉鎖弁333を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室外熱交換器312に送られ、室外熱交換器312において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第1BL接続点BC1、四路切換弁313を経由して、吸入管325に戻り、再び、圧縮機311に吸入される。
なお、この暖房兼温蓄熱運転は、主に、空気調和装置3Aの起動時に行われ、蓄熱槽342に設けられている蓄熱材の温度検出用の温度センサの値が所定の閾値以上になると自動的に暖房運転に切り換わるようになっている。
(4)デフロスト運転
デフロスト運転時は、四路切換弁313が図10の実線で示される状態、すなわち、圧縮機311の吐出管326が室外熱交換器312のガス側に接続され、かつ、圧縮機311の吸入管325が第2ガス側閉鎖弁332側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1および第2電動膨張弁EV2は所定の開度を維持する状態とされる。また、第1電磁弁SV1はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2および第3電磁弁SV3はOFFされて閉状態とされる(図11参照)。そして、液側閉鎖弁333、第1ガス側閉鎖弁331、および第2ガス側閉鎖弁332は開状態とされる。
この冷媒回路30Aの状態で、圧縮機311を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機311に吸入されて圧縮された後、吐出管326、四路切換弁313、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器312に送られ、室外熱交換器312の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。
そして、室外熱交換器312で凝縮された液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に液側閉鎖弁333および第1HL接続点HC1を経由して室内熱交換器371に供給され、室内熱交換器371の周囲の空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。なお、この際、空調室内を積極的に冷房しないように、室内ファンは駆動しないように制御される。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁332、および四路切換弁313を経由して、再び、圧縮機311に吸入される。
なお、このデフロスト運転は、室外熱交換器312の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、室内熱交換器371に霜が付着しないように、暖房運転などとの間で間欠的に行われる。
(5)暖房兼デフロスト運転
暖房兼デフロスト運転時は、四路切換弁313が図10の実線で示される状態、すなわち、圧縮機311の吐出管326が室外熱交換器312のガス側に接続され、かつ、圧縮機311の吸入管325が第2ガス側閉鎖弁332側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は所定の開度を維持する状態とされ、第2電動膨張弁EV2はSH制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がSH制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、蓄熱用熱交換器341のガス側における冷媒の温度から蓄熱用熱交換器341の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1はOFFされて閉状態とされ、第2電磁弁SV2および第3電磁弁SV3はONされて開状態とされる(図11参照)。そして、液側閉鎖弁333、第1ガス側閉鎖弁331、および第2ガス側閉鎖弁332は開状態とされる。
この冷媒回路30Aの状態で、圧縮機311を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機311に吸入されて圧縮された後、吐出管326および四路切換弁313を経由して第1BL接続点BC1に至る。そして、第1BL接続点BC1に至ったガス冷媒は、その後、第1ガス側閉鎖弁331、第2切換機構OC2、および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器371に向かう経路である第3経路と、室外熱交換器312に向かう経路である第4経路とに分配される。
第3経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器371において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1HL接続点HC1に至る。
一方、第4経路に分配されたガス冷媒は、室外熱交換器312の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に液側閉鎖弁333を経由して第1HL接続点HC1に至る。
そして、室内熱交換器371から第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点HC1において合流した後、第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後にモジュレータ343を経由して蓄熱用熱交換器341に送られ、蓄熱用熱交換器341において温熱を蓄積している蓄熱材によって蒸発されてガス冷媒となる。その後、そのガス冷媒は、第3電磁弁SV3、GL接続点GC、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁332、および四路切換弁313を経由して、吸入管325に戻り、再び、圧縮機311に吸入される。
なお、この暖房兼デフロスト運転は、室外熱交換器312の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、所定時間(例えば、10分間)継続して行われる。
[空気調和装置の特徴]
(1)
第4実施形態に係る空気調和装置3Aでは、暖房兼温蓄熱運転において圧縮機311から吐出されたガス冷媒(以下、吐出冷媒という)が室内熱交換器371と蓄熱用熱交換器341とに分配され、暖房兼デフロスト運転において吐出冷媒が室内熱交換器371と室外熱交換器312とに分配される。このため、この空気調和装置3Aでは、暖房兼温蓄熱運転において室内熱交換器371と蓄熱用熱交換器341とに、暖房兼デフロスト運転において室内熱交換器371と室外熱交換器312とに適切な熱量を分配するのに、冷媒の分配比のみを考慮すればよい。したがって、この空気調和装置3Aでは、比較的な簡単な制御により暖房兼温蓄熱運転および暖房兼デフロスト運転を行うことができる。
(2)
第4実施形態に係る空気調和装置3Aでは、暖房兼温蓄熱運転において、室内熱交換器371から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器341から流出した冷媒とが合流して室外熱交換器312を通って圧縮機311に吸入される。また、暖房兼デフロスト運転において、室内熱交換器371から流出した冷媒と室外熱交換器312から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器341を通って圧縮機311に吸入される。このため、この空気調和装置3Aでは、暖房兼温蓄熱運転において室内熱交換器371から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器341から流出した冷媒とを室外熱交換器312で一括して蒸発させることができ、暖房兼デフロスト運転において室内熱交換器371から流出した冷媒と室外熱交換器312から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器341で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置3Aでは、冷媒回路30Aの構成をシンプルにすることができる。
(3)
第4実施形態に係る空気調和装置3Aでは、冷媒回路30Aが、四路切換弁313および第1電磁弁SV1を有する。このため、この空気調和装置3Aでは、暖房兼温蓄熱運転と暖房兼デフロスト運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(4)
第4実施形態に係る空気調和装置3Aでは、冷媒回路30Aが、第1開閉機構OC1および第2開閉機構OC2により冷房運転にも切換可能であり、第2電磁弁SV2を有する。このため、この空気調和装置3Aでは、暖房兼デフロスト運転と冷房運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(5)
第4実施形態に係る空気調和装置3Aでは、冷媒回路30Aに、暖房兼デフロスト運転において室外熱交換器312に液状冷媒が溜まるように、冷媒が充填されている。このため、この空気調和装置3Aでは、暖房兼デフロスト運転において、室内熱交換器371へ流れる吐出冷媒の凝縮温度および凝縮圧力の低下を抑えることができる。したがって、この空気調和装置3Aでは、暖房兼デフロスト運転における室内熱交換器371の暖房能力の低下を抑えることができる。
[変形例]
(A)
第4実施形態に係る空気調和装置3Aの主冷媒回路30aに配置される第1開閉機構OC1は、第1実施形態の変形例(A)に示されるように、双方向電磁弁に置換されてもかまわない。
(B)
第4実施形態に係る空気調和装置3Aの主冷媒回路30aに配置される第1開閉機構OC1および第2開閉機構OC2は、第1実施形態の変形例(B)に示されるように、四路切換弁およびキャピラリーチューブに置換されてもかまわない。
<第5実施形態>
[空気調和装置の構成]
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置4の概略冷媒回路40を図12に示す。
この空気調和装置4は、冷房運転および暖房運転のみならず氷蓄熱運転、氷蓄熱利用冷房運転、デフロスト運転、暖房兼温蓄熱運転、および暖房兼デフロスト運転も可能な空気調和装置(冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地向けの空気調和装置)であって、主冷媒回路4a、バイパスライン4b、蓄熱ライン4c、利用ライン4d、およびガス抜きライン4eから構成される冷媒回路40を備えている。
主冷媒回路4aには主に、圧縮機411、四路切換弁413、室外熱交換器412、第1電動膨張弁EV1、第5開閉機構OC5、室内熱交換器471、および第1開閉機構OC1が配備されており、各機器は、図12に示されるように、冷媒配管を介して接続されている。
バイパスライン4bは、一端が四路切換弁413と室外熱交換器412のガス側とを接続する冷媒配管(以下、第1室外側冷媒ガス配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と室内熱交換器471のガス側とを接続する冷媒配管(以下、室内側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路4aと接続されている。なお、以下、バイパスライン4bと第1室外側冷媒ガス配管との接続点を第1BL接続点BC1といい、バイパスライン4bと室内側冷媒ガス配管との接続点を第2BL接続点BC2という。そして、このバイパスライン4bには、第2開閉機構OC2が配備されている。
蓄熱ライン4cは、一端が室内熱交換器471の液側と第5開閉機構OC5とを接続する冷媒配管(以下、室内側冷媒液配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と四路切換弁413とを接続する冷媒配管(以下、第2室外側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路4aと接続されている。なお、以下、蓄熱ライン4cと室内側冷媒液配管との接続点を第1HL接続点HC1といい、蓄熱ライン4cと第2室外側冷媒ガス配管との接続点を第2HL接続点HC2という。そして、この蓄熱ライン4cには第3開閉機構OC3、蓄熱用熱交換器441、モジュレータ443、および第2電動膨張弁EV2が配備されており、各機器が第2HL接続点HC2から第1HL接続点HC1に向かって上記の順に冷媒配管を介して接続されている。
利用ライン4dは、一端が第1電動膨張弁EV1と第5開閉機構OC5とを接続する冷媒配管(以下、室外側冷媒液配管という)に、他端が第3開閉機構OC3と蓄熱用熱交換器441とを接続する冷媒配管(以下、第1ガス管側バイパス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路4aおよび蓄熱ライン4cと接続されている。なお、以下、利用ライン4dと室外側冷媒液配管との接続点を第1IL接続点IC1といい、利用ライン4dと第1ガス管側バイパス配管との接続点を第2IL接続点IC2という。そして、この利用ライン4dには、第4開閉機構OC4が配備されている。
ガス抜きライン4eは、一端がモジュレータ443の上部に、他端が第3開閉機構OC3と第2HL接続点HC2とを接続する冷媒配管(以下、第2ガス管側バイパス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路4aおよび蓄熱ライン4cと接続されている。なお、以下、ガス抜きライン4eと第2ガス管側バイパス配管との接続点をGL接続点GCという。そして、このガス抜きライン4eには、キャピラリーチューブ464が配備されている。
また、本実施形態では、空気調和装置4は、分離型の空気調和装置であって、室内熱交換器471、冷媒ガス配管481、および冷媒液配管482を主に有する室内ユニット47と、蓄熱用熱交換器441、蓄熱水槽442、第2電動膨張弁EV2、モジュレータ443、キャピラリーチューブ464、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第3開閉機構OC3、第4開閉機構OC4、第5開閉機構OC5、第1冷媒ガス配管451、第2冷媒ガス配管453、および冷媒液配管452を主に有する氷蓄熱ユニット44と、圧縮機411、四路切換弁413、室外熱交換器412、第1電動膨張弁EV1、第1冷媒ガス配管421、第2冷媒ガス配管423、および冷媒液配管422を主に有する室外ユニット41と、室内ユニット47の冷媒液配管482と氷蓄熱ユニット44の冷媒液配管452とを接続する第1冷媒連絡配管487と、室内ユニット47の冷媒ガス配管481と氷蓄熱ユニット44の冷媒ガス配管451とを接続する第2冷媒連絡配管486と、氷蓄熱ユニット44の冷媒液配管452と室外ユニット41の冷媒液配管422とを接続する第3冷媒連絡配管437と、氷蓄熱ユニット44の第1冷媒ガス配管451と室外ユニット41の第1冷媒ガス配管421とを接続する第4冷媒連絡配管436と、氷蓄熱ユニット44の第2冷媒ガス配管453と室外ユニット41の第2冷媒ガス配管423とを接続する第5冷媒連絡配管435とから構成されているともいえる。なお、室外ユニット41の冷媒液配管422と第3冷媒連絡配管437とは室外ユニット41の液側閉鎖弁433を介して、室外ユニット41の第1冷媒ガス配管421と第4冷媒連絡配管436とは室外ユニット41の第2ガス側閉鎖弁432を介して、室外ユニット41の第2冷媒ガス配管423と第5冷媒連絡配管435とは室外ユニット41の第1ガス側閉鎖弁431を介してそれぞれ接続されている。
なお、このように本実施形態にかかる空気調和装置4をユニット単位で見た場合、第1BL接続点BC1は室外ユニット41に属し、第2BL接続点BC2、第1HL接続点HC1、第2HL接続点HC2、第1IL接続点IC1、第2IL接続点IC2、GL接続点GCは氷蓄熱ユニット44に属する。
(1)室内ユニット
室内ユニット47は、主に、室内熱交換器471、室内ファン(図示せず)、冷媒ガス配管481、および冷媒液配管482を有している。
室内熱交換器471は、空調室内の空気である室内空気と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
室内ファンは、ユニット47内に空調室内の空気を取り込み、室内熱交換器471を介して冷媒と熱交換した後の空気である調和空気を再び空調室内への送り出すためファンである。
そして、この室内ユニット47は、このような構成を採用することによって、冷房運転時および氷蓄熱利用冷房運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器471を流れる液冷媒とを熱交換させて調和空気(冷気)を生成し、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、および暖房兼デフロスト運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器471を流れるガス冷媒とを熱交換させて調和空気(暖気)を生成することが可能となっている。
(2)氷蓄熱ユニット
氷蓄熱ユニット44は、主に、蓄熱用熱交換器441、蓄熱水槽442、第2電動膨張弁EV2、モジュレータ443、キャピラリーチューブ464、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第3開閉機構OC3、第4開閉機構OC4、第5開閉機構OC5、第1冷媒ガス配管451、第2冷媒ガス配管453、および冷媒液配管452を有している。
蓄熱用熱交換器441は、蓄熱水槽442に蓄えられている蓄熱用水と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
モジュレータ443は、余剰冷媒を貯留するための器である。この冷媒回路40には、暖房兼デフロスト運転時において室外熱交換器412に液冷媒が溜まるように冷媒が充填されている。このため、他の運転時においては冷媒が余剰となる。この余剰冷媒を貯留するのが本モジュレータ443の役目である。
第1開閉機構OC1は、開閉可能な第1電磁弁SV1および第1逆止弁461を有している。この第1開閉機構OC1では、第1電磁弁SV1と第1逆止弁461とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第1逆止弁461は、各ユニット41,44,47が接続された状態において第2ガス側閉鎖弁432から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第2開閉機構OC2は、開閉可能な第2電磁弁SV2および第2逆止弁462を有している。この第2開閉機構OC2では、第2電磁弁SV2と第2逆止弁462とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第2電磁弁SV2は第1BL接続点BC1側に、第2逆止弁462は第2BL接続点BC2側に配置される。また、この第2逆止弁462は、各ユニット41,44,47が接続された状態において第1ガス側閉鎖弁431から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第3開閉機構OC3は、開閉可能な第3電磁弁SV3および第3逆止弁463を有している。この第3開閉機構OC3では、第3電磁弁SV3と第3逆止弁463とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第3逆止弁463は、GL接続点GCから蓄熱用
熱交換器441に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第4開閉機構OC4は、開閉可能な第4電磁弁SV4および第4逆止弁464を有している。この第4開閉機構OC4では、第4電磁弁SV4と第4逆止弁464とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第4電磁弁SV4は第1IL接続点IC1側に、第4逆止弁464は第2IL接続点IC2側に配置される。また、この第4逆止弁464は、第1IL接続点IC1から第2IL接続点IC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第5開閉機構OC5は、開閉可能な第5電磁弁SV5および第5逆止弁465を有している。この第5開閉機構OC5では、第5電磁弁SV5と第5逆止弁465とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第5逆止弁465は、第1HL接続点HC1から第1IL接続点IC1に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
そして、この氷蓄熱ユニット44は、このような構成を採用することによって、氷蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器441を流れる液冷媒の冷熱を蓄熱用水に蓄積させ、氷蓄熱利用運転時には蓄熱用熱交換器441を流れるガス状または気液二相状態の冷媒にその冷熱を供給することによってそのガス状または気液二相状態の冷媒を凝縮させ、暖房兼温蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器441を流れるガス冷媒の温熱を蓄熱用水に蓄積させ、また、暖房兼デフロスト運転時には蓄熱用熱交換器441を流れる液冷媒に蓄熱用水に蓄積される温熱を供給することによってその液冷媒を蒸発させることが可能となっている。なお、この蓄熱用水は、氷蓄熱運転時には液相から固相に相転移して液冷媒から供給される冷熱を主に潜熱として蓄積し、暖房兼温蓄熱運転時にはガス冷媒から供給される温熱を顕熱として蓄積する。
(3)室外ユニット
室外ユニット41は、主に、四路切換弁413、圧縮機411、室外熱交換器412、第1電動膨張弁EV1、第1冷媒ガス配管421、第2冷媒ガス配管423、および冷媒液配管422を有している。
圧縮機411は、吸入管425を流れる低圧のガス冷媒を吸入して圧縮した後、吐出管426に吐出するための機器である。本実施形態において、圧縮機411は、スクロール式やロータリ式等の容積式の圧縮機である。
四路切換弁413は、各運転に対応して、冷媒の流れ方向を切り換えるための弁であり、冷房運転時、氷蓄熱運転時、氷蓄熱利用冷房運転時、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には圧縮機411の吐出管426と室外熱交換器412のガス側とを接続するとともに圧縮機411の吸入管425と第2ガス側閉鎖弁432とを接続し、暖房運転時および暖房兼温蓄熱運転時には圧縮機411の吐出管426と第2ガス側閉鎖弁432とを接続するとともに圧縮機411の吸入管425と室外熱交換器412のガス側とを接続することが可能である。
室外熱交換器412は、冷房運転時、氷蓄熱運転時、および氷蓄熱利用冷房運転時において、圧縮機411から吐出された高圧のガス冷媒を空調室外の空気を熱源として凝縮させることが可能であり、暖房運転時には室内熱交換器471から戻る液冷媒を、暖房兼温蓄熱運転時には室内熱交換器471および蓄熱用熱交換器441から戻る液冷媒を蒸発させることが可能である。
[空気調和装置の動作]
空気調和装置4の運転動作について、図12および図13を用いて説明する。この空気調和装置4は、上述したように冷房運転、氷蓄熱運転、氷蓄熱利用冷房運転、暖房運転、暖房兼温蓄熱運転、デフロスト運転、および暖房兼デフロスト運転を行うことが可能である。
(1)冷房運転
冷房運転時は、四路切換弁413が図12の実線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出管426が室外熱交換器412のガス側に接続され、かつ、圧縮機411の吸入管425が第2ガス側閉鎖弁432側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は過熱度制御(以下、SH制御という)され、第2電動膨張弁EV2は全開状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSH制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器471のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器471の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされる(図13参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426、四路切換弁413、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器412において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に液側閉鎖弁433、第1IL接続点IC1、第5電磁弁SV5、および第1HL接続点HC1を経由して室内熱交換器471に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁432、および四路切換弁413を経由して、再び、圧縮機411に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
(2)氷蓄熱運転
氷蓄熱運転時は、四路切換弁413が図12の実線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出管426が室外熱交換器412のガス側に接続され、かつ、圧縮機411の吸入管425が第2ガス側閉鎖弁432側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は全開状態とされ、第2電動膨張弁EV2はSH制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がSH制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、蓄熱用熱交換器441の第2IL接続点IC側における冷媒の温度から蓄熱用熱交換器441のモジュレータ443側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第4電磁弁SV4は、OFFされて閉状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされる(図13参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426、四路切換弁413、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器412において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1、液側閉鎖弁433、第1IL接続点IC1、第5電磁弁SV5、第1HL接続点HC1を経由して第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後にモジュレータ443を経由して蓄熱用熱交換器441に供給され、蓄熱用水を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。この際、蓄熱用水は、液相から固相に相転移し、液冷媒から供給される冷熱を主に潜熱として蓄積する。
そして、そのガス冷媒は、第2IL接続点IC2、第3電磁弁SV3、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁432、および四路切換弁413を経由して、再び、圧縮機411に吸入される。このようにして、氷蓄熱運転が行われる。
(3)氷蓄熱利用冷房運転
氷蓄熱利用冷房運転時は、四路切換弁413が図12の実線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出管426が室外熱交換器412のガス側に接続され、かつ、圧縮機411の吸入管425が第2ガス側閉鎖弁432側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は全開状態とされ、第2電動膨張弁EV2はSH制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がSH制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、室内熱交換器471のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器471の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第4電磁弁SV4はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はOFFされて閉状態とされる(図13参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426、四路切換弁413、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器412において凝縮されて液状または気液二相の冷媒となる。
そして、この液状または気液二相の冷媒は、第1電動膨張弁EV1、液側閉鎖弁433、第1IL接続点IC1、第4開閉機構OC4、および第2IL接続点IC2を経由して蓄熱用熱交換器441に送られ、蓄熱用熱交換器441において蓄熱用水に蓄積された冷熱によりさらに低温の液冷媒または液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、モジュレータ443を経由して第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1を経由して室内熱交換器471に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁432、および四路切換弁413を経由して、再び、圧縮機411に吸入される。このようにして、氷蓄熱利用冷房運転が行われる。
(4)暖房運転
暖房運転時は、四路切換弁413が図12の破線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出側が第2ガス側閉鎖弁432に接続され、かつ、圧縮機411の吸入側が室外熱交換器412のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSH制御され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSH制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室外熱交換器412のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器412の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、第4電磁弁SV4、および第5電磁弁SV5は、OFFされて閉状態とされる(図13参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426、四路切換弁413、第2ガス側閉鎖弁432、第2HL接続点HC2、第1逆止弁461、および第2BL接続点BC2を経由して、室内熱交換器471に供給され、室内熱交換器471において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1HL接続点HC1、第5逆止弁465、第1IL接続点IC1、および液側閉鎖弁433を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器412において蒸発されてガス冷媒となる。そのガス冷媒は、第1BL接続点BC1および四路切換弁413を経由して、吸入管425に戻り、再び、圧縮機411に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
(5)暖房兼温蓄熱運転
暖房兼温蓄熱運転時は、四路切換弁413が図12の破線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出側が第2ガス側閉鎖弁432に接続され、かつ、圧縮機411の吸入側が室外熱交換器412のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSH制御され、第2電動膨張弁EV2は所定の開度を維持する状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSH制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室外熱交換器412のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器412の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、第4電磁弁SV4、および第5電磁弁SV5は、OFFされて閉状態とされる(図13参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426、四路切換弁413、および第2ガス側閉鎖弁432を経由して第2HL接続点HC2に至る。そして、第2HL接続点HC2に至ったガス冷媒は、その後、第1逆止弁461および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器471に向かう経路である第1経路と、GC接続点GC、第3逆止弁463、および第2IL接続点IC2を経由して蓄熱用熱交換器441に向かう経路である第2経路とに分配される。
第1経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器471において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1HL接続点HC1に至る。
一方、第2経路に分配されたガス冷媒は、蓄熱用熱交換器441において蓄熱用水を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この際、蓄熱用水は、ガス冷媒から供給される温熱を顕熱として蓄積する。その後、その液冷媒は、モジュレータ443を経由して第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1に送られる。
そして、室内熱交換器471から第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、第2電動膨張弁EV2を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点において合流した後、第5逆止弁465、第1IL接続点IC1、および液側閉鎖弁433を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器412において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第1BL接続点BC1、四路切換弁413を経由して、吸入管425に戻り、再び、圧縮機411に吸入される。
なお、この暖房兼温蓄熱運転は、主に、空気調和装置4の起動時に行われ、蓄熱水槽442に設けられている蓄熱用水の温度検出用の温度センサの値が所定の閾値以上になると自動的に暖房運転に切り換わるようになっている。
(6)デフロスト運転
デフロスト運転時は、四路切換弁413が図12の実線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出管426が室外熱交換器412のガス側に接続され、かつ、圧縮機411の吸入管425が第2ガス側閉鎖弁432側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1および第2電動膨張弁EV2は所定の開度を維持する状態とされる。また、第1電磁弁SV1および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされる(図13参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426、四路切換弁413、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器412の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。
そして、室外熱交換器412で凝縮された液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に液側閉鎖弁433、第1IL接続点IC1、第5電磁弁SV5、および第1HL接続点HC1を経由して室内熱交換器471に供給され、室内熱交換器471の周囲の空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。なお、この際、空調室内を積極的に冷房しないように、室内ファンは駆動しないように制御される。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁432、および四路切換弁413を経由して、再び、圧縮機411に吸入される。
なお、このデフロスト運転は、室外熱交換器412の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、室内熱交換器471に霜が付着しないように、暖房運転などとの間で間欠的に行われる。
(7)暖房兼デフロスト運転
暖房兼デフロスト運転時は、四路切換弁413が図12の実線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出管426が室外熱交換器412のガス側に接続され、かつ、圧縮機411の吸入管425が第2ガス側閉鎖弁432側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は所定の開度を維持する状態とされ、第2電動膨張弁EV2はSH制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がSH制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、蓄熱用熱交換器441の第2IL接続点IC2側における冷媒の温度から蓄熱用熱交換器441のモジュレータ443側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされる(図13参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426および四路切換弁413を経由して第1BL接続点BC1に至る。そして、第1BL接続点BC1に至ったガス冷媒は、その後、第1ガス側閉鎖弁431、第2切換機構OC2、および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器471に向かう経路である第3経路と、室外熱交換器412に向かう経路である第4経路とに分配される。
第3経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器471において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1HL接続点HC1に至る。
一方、第4経路に分配されたガス冷媒は、室外熱交換器412の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に液側閉鎖弁433、第1IL接続点IC1、および第5電磁弁SV5を経由して第1HL接続点HC1に至る。
そして、室内熱交換器471から第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、液側閉鎖弁433、第1IL接続点IC1、および第5電磁弁SV5を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点HC1において合流した後、第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後にモジュレータ443を経由して蓄熱用熱交換器441に送られ、蓄熱用熱交換器441において温熱を蓄積している蓄熱用水によって蒸発されてガス冷媒となる。その後、そのガス冷媒は、第1IL接続点IC1、第3電磁弁SV3、GL接続点GC、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁432、および四路切換弁413を経由して、吸入管425に戻り、再び、圧縮機411に吸入される。
なお、この暖房兼デフロスト運転は、室外熱交換器412の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、所定時間(例えば、10分間)継続して行われる。
[空気調和装置の特徴]
(1)
第5実施形態に係る空気調和装置4では、暖房兼温蓄熱運転において圧縮機411から吐出されたガス冷媒(以下、吐出冷媒という)が室内熱交換器471と蓄熱用熱交換器441とに分配され、暖房兼デフロスト運転において吐出冷媒が室内熱交換器471と室外熱交換器412とに分配される。このため、この空気調和装置4では、暖房兼温蓄熱運転において室内熱交換器471と蓄熱用熱交換器441とに、暖房兼デフロスト運転において室内熱交換器471と室外熱交換器412とに適切な熱量を分配するのに、冷媒の分配比のみを考慮すればよい。したがって、この空気調和装置4では、比較的な簡単な制御により暖房兼温蓄熱運転および暖房兼デフロスト運転を行うことができる。
(2)
第5実施形態に係る空気調和装置4では、暖房兼温蓄熱運転において、室内熱交換器471から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器441から流出した冷媒とが合流して室外熱交換器412を通って圧縮機411に吸入される。また、暖房兼デフロスト運転において、室内熱交換器471から流出した冷媒と室外熱交換器412から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器441を通って圧縮機411に吸入される。このため、この空気調和装置4では、暖房兼温蓄熱運転において室内熱交換器471から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器441から流出した冷媒とを室外熱交換器412で一括して蒸発させることができ、暖房兼デフロスト運転において室内熱交換器471から流出した冷媒と室外熱交換器412から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器441で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置4では、冷媒回路40の構成をシンプルにすることができる。
(3)
第5実施形態に係る空気調和装置4では、冷媒回路40が、四路切換弁413および第1電磁弁SV1を有する。このため、この空気調和装置4では、暖房兼温蓄熱運転と暖房兼デフロスト運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(4)
第5実施形態に係る空気調和装置4では、冷媒回路40が、第1開閉機構OC1および第2開閉機構OC2により冷房運転にも切換可能であり、第2電磁弁SV2を有する。このため、この空気調和装置4では、暖房兼デフロスト運転と冷房運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(5)
第5実施形態に係る空気調和装置4では、冷媒回路40に、暖房兼デフロスト運転において室外熱交換器412に液状冷媒が溜まるように、冷媒が充填されている。このため、この空気調和装置4では、暖房兼デフロスト運転において、室内熱交換器471へ流れる吐出冷媒の凝縮温度および凝縮圧力の低下を抑えることができる。したがって、この空気調和装置4では、暖房兼デフロスト運転における室内熱交換器471の暖房能力の低下を抑えることができる。
(6)
第5実施形態に係る空気調和装置4では、蓄熱ユニットとして氷蓄熱ユニット44が採用されているため、氷蓄熱運転および氷蓄熱利用冷房運転を行うことができる。このため、この空気調和装置4では、夏季など、冷房運転が必要となる環境において、電力ピークを調節することができる。
[変形例]
(A)
第5実施形態に係る空気調和装置4の主冷媒回路4aに配置される第1開閉機構OC1は、第1実施形態の変形例(A)に示されるように、双方向電磁弁に置換されてもかまわない。また、第3開閉機構OC3および第5開閉機構OC5についても、同様に双方向電磁弁に置換されてもかまわない。
(B)
第5実施形態に係る空気調和装置4の主冷媒回路4aに配置される第1開閉機構OC1および第2開閉機構OC2は、第1実施形態の変形例(B)に示されるように、四路切換弁およびキャピラリーチューブに置換されてもかまわない。
(C)
第5実施形態に係る空気調和装置4に代えて、図14に示されるような空気調和装置4Aを採用しても本発明の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
第5実施形態に係る空気調和装置4では、冷媒回路40を構成する主冷媒回路4aにおいて第1HL接続点HC1と第1IL接続点IC1との間に第5開閉機構OC5が配置され、冷媒回路40を構成する利用ライン4dにおいて第4開閉機構OC4が配置された。これに対し、本変形例に係る空気調和装置4Aでは、主冷媒回路4Aaと利用ライン4dとの接続点に四路切換弁444およびキャピラリーチューブ445が配置される。なお、この四路切換弁444およびキャピラリーチューブ445は、氷蓄熱ユニット44Aに属することとなる。また、この冷媒回路40Aにおいて、四路切換弁444は、冷房運転時、氷蓄熱運転時、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には図14の実線で示される状態にされ、氷蓄熱利用冷房運転時には図14の破線で示される状態にされる。
<第6実施形態>
[空気調和装置の構成]
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置5の概略冷媒回路50を図15に示す。
この空気調和装置5は、冷房運転および暖房運転のみならず氷蓄熱運転、第1氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークカット運転)、第2氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークシフト運転)、温蓄熱運転、温蓄熱利用暖房運転、暖房兼温蓄熱運転、デフロスト運転、および暖房兼デフロスト運転も可能な空気調和装置(冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地向けの空気調和装置)であって、主冷媒回路5a、蓄熱ライン5b、利用ライン5c、および連絡ライン5dから構成される冷媒回路50を備えている。
主冷媒回路5aは、切換回路50a、室外側ガス側冷媒ライン50b、室外熱交換器512、液側冷媒ライン50c、室内熱交換器571、低圧ガス側冷媒ライン50d、および高圧ガス側冷媒ライン50eから構成されている。
切換回路50aには、主に、圧縮機511、四路切換弁513、キャピラリーチューブ538、および気液分離器514が配備されており、各機器は、図15に示されるように、冷媒配管を介して接続されている。すなわち、圧縮機511の吐出側と四路切換弁513の第1ポートとが接続され、四路切換弁513の第3ポートと気液分離器514の入口とが接続され、気液分離器514の出口と圧縮機511の吸入側とが接続され、四路切換弁513の第4ポートとキャピラリーチューブ538の一端が接続される。また、キャピラリーチューブ538の他端は、四路切換弁513の第3ポートと気液分離器514の入口とを接続する冷媒配管(以下、第1低圧ガス側冷媒配管という)に配管接続される。なお、以下、キャピラリーチューブ538の他端と第1低圧ガス側冷媒配管との接続点をCL接続点CCという。
室外側ガス側冷媒ライン50bは、四路切換弁513の第2ポートと室外側熱交換器512のガス側とを接続する。
液側冷媒ライン50cは、一端が室外熱交換器512の液側に、他端が室内熱交換器571の液側に接続される。そして、この液側冷媒ライン50cには第6開閉機構OC6および第1電動膨張弁EV1が配備されており、各機器が室外熱交換器512から室内熱交換器571に向かって上記の順に冷媒配管を介して接続されている。
低圧ガス側冷媒ライン50dは、一端が室内熱交換器571のガス側に、他端がCL接続点CCと気液分離器514の入口とを接続する冷媒配管(以下、第2低圧ガス側冷媒配管という)に接続されている。なお、以下、低圧冷媒ライン50cと第2低圧ガス側冷媒配管との接続点をLPL接続点LPCという。そして、この低圧ガス側冷媒ライン50dには第1電磁弁SV1’が配備されている。
高圧ガス側冷媒ライン50eは、一端が室内熱交換器571のガス側と第1電磁弁SV1’とを接続する冷媒配管(以下、室内側低圧ガス側冷媒主管という)に、他端が圧縮機511と四路切換弁513の第1ポートとを接続する冷媒配管(以下、高圧ガス側冷媒配管という)に接続されている。なお、以下、高圧ガス側冷媒ライン50eと室内側低圧ガス側冷媒主管との接続点を第1HPL接続点HPC1といい、高圧ガス側冷媒ライン50eと高圧ガス側冷媒配管との接続点を第2HPL接続点HPC2という。そして、この高圧ガス側冷媒ライン50eには、第2電磁弁SV2’が配備されている。
蓄熱ライン5bは、一端が第1電動膨張弁EV1と第6開閉機構OC6とを接続する冷媒配管(以下、室内側液側冷媒主管という)に、他端が第1電磁弁SV1’とLPL接続点LPCとを接続する冷媒配管(以下、室外側低圧ガス側冷媒主管という)に配管接続されることによって主冷媒回路5aと接続されている。なお、以下、蓄熱ライン5bと室内側液側冷媒主管との接続点を第1HL接続点HC1といい、蓄熱ライン5bと室外側低圧ガス側冷媒主管との接続点を第2HL接続点HC2という。そして、この蓄熱ライン5bには第3電磁弁SV3’、蓄熱用熱交換器541、および第2電動膨張弁EV2が配備されており、各機器が第2HL接続点HC2から第1HL接続点HC1に向かって上記の順に冷媒配管を介して接続されている。
利用ライン5cは、一端が室外熱交換器512の液側と第6開閉機構OC6とを接続する冷媒配管(以下、室外側液側冷媒主管という)に、他端が第2電磁弁SV2’と第2HPL接続点HPC2とを接続する冷媒配管(以下、室外側高圧ガス側冷媒主管という)に配管接続されることによって主冷媒回路5aと接続されている。なお、以下、利用ライン5cと室外側液側冷媒主管との接続点を第1IL接続点IC1といい、利用ライン5cと室外側高圧ガス側冷媒主管との接続点を第2IL接続点IC2という。そして、この利用ライン5cには、第4電磁弁SV4’および第5開閉機構OC5が配備されており、各機器が第2IL接続点IC2から第1IL接続点IC1に向かって上記の順に冷媒配管を介して接続されている。
連絡ライン5dは、一端が第3電磁弁SV3’と蓄熱用熱交換器541とを接続する冷媒配管(以下、低圧ガス側冷媒主管側バイパス配管という)に、他端が第4電磁弁SV4’と第5開閉機構OC5とを接続する冷媒配管(以下、高圧ガス側冷媒主管側バイパス配管という)に配管接続されることによって蓄熱ライン5bと利用ライン5cとを接続している。なお、以下、連絡ライン5dと低圧ガス側冷媒主管側バイパス配管との接続点を第1NL接続点NC1といい、連絡ライン5dと高圧ガス側冷媒主管側バイパス配管との接続点を第2NL接続点NC2という。
また、本実施形態では、空気調和装置5は、分離型の空気調和装置であって、室内熱交換器571、第1電動膨張弁EV1、低圧ガス側冷媒主管581、および液側冷媒主管582を主に有する室内ユニット57と、蓄熱用熱交換器541、蓄熱水槽542、第2電動膨張弁EV2、第1電磁弁SV1’、第2電磁弁SV2’、第3電磁弁SV3’、第4電磁弁SV4’、第5開閉機構OC5、第6開閉機構OC6、低圧ガス側冷媒主管551、高圧ガス側冷媒主管553、および液側冷媒主管552を主に有する氷蓄熱ユニット54と、圧縮機511、四路切換弁513、室外熱交換器512、気液分離器514、キャピラリーチューブ538、低圧ガス側冷媒主管521、高圧ガス側冷媒主管523、および液側冷媒主管522を主に有する室外ユニット51と、室内ユニット57の液側冷媒主管582と氷蓄熱ユニット54の液側冷媒主管552とを接続する第1冷媒連絡配管587と、室内ユニット57の低圧ガス側冷媒主管581と氷蓄熱ユニット54の低圧ガス側冷媒主管551とを接続する第2冷媒連絡配管586と、氷蓄熱ユニット54の液側冷媒主管552と室外ユニット51の液側冷媒主管522とを接続する第3冷媒連絡配管537と、氷蓄熱ユニット54の低圧ガス側冷媒主管551と室外ユニット51の低圧ガス側冷媒主管521とを接続する第4冷媒連絡配管536と、氷蓄熱ユニット54の高圧ガス側冷媒主管553と室外ユニット51の高圧ガス側冷媒主管523とを接続する第5冷媒連絡配管535とから構成されているともいえる。なお、室外ユニット51の液側冷媒主管522と第3冷媒連絡配管537とは室外ユニット51の液側閉鎖弁533を介して、室外ユニット51の低圧ガス側冷媒主管521と第4冷媒連絡配管536とは室外ユニット51の第2ガス側閉鎖弁532を介して、室外ユニット51の高圧ガス側冷媒主管523と第5冷媒連絡配管535とは室外ユニット51の第1ガス側閉鎖弁531を介してそれぞれ接続されている。
なお、このように本実施形態にかかる空気調和装置5をユニット単位で見た場合、CL接続点CC、LPL接続点LPC、および第2HPL接続点HPC2は室外ユニット51に属し、第1HPL接続点HPC1、第1HL接続点HC1、第2HL接続点HC2、第1IL接続点IC1、第2IL接続点IC2、第1NL接続点NC1、および第2NL接続点NC2は氷蓄熱ユニット54に属する。
(1)室内ユニット
室内ユニット57は、主に、室内熱交換器571、室内ファン(図示せず)、第1電動膨張弁EV1、低圧ガス側冷媒主管581、および液側冷媒主管582を有している。
室内熱交換器571は、空調室内の空気である室内空気と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
室内ファンは、ユニット57内に空調室内の空気を取り込み、室内熱交換器571を介して冷媒と熱交換した後の空気である調和空気を再び空調室内への送り出すためファンである。
そして、この室内ユニット57は、このような構成を採用することによって、冷房運転時、第1氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークカット運転)時、および第2氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークシフト運転)時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器571を流れる液冷媒とを熱交換させて調和空気(冷気)を生成し、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、温蓄熱利用暖房運転時、および暖房兼デフロスト運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器571を流れるガス冷媒とを熱交換させて調和空気(暖気)を生成することが可能となっている。
(2)氷蓄熱ユニット
氷蓄熱ユニット54は、主に、蓄熱用熱交換器541、蓄熱水槽542、第2電動膨張弁EV2、第1電磁弁SV1’、第2電磁弁SV2’、第3電磁弁SV3’、第4電磁弁SV4’、第5開閉機構OC5、第6開閉機構OC6、低圧ガス側冷媒主管551、高圧ガス側冷媒主管553、および液側冷媒主管552を有している。
蓄熱用熱交換器541は、蓄熱水槽542に蓄えられている蓄熱用水と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
第5開閉機構OC5は、開閉可能な第5電磁弁SV5’および第5逆止弁565を有している。この第5開閉機構OC5では、第5電磁弁SV5’と第5逆止弁565とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第5電磁弁SV5’は第1IL接続点IC1側に、第5逆止弁565は第2NL接続点NC2側に配置される。また、この第5逆止弁565は、第1IL接続点IC1から第2NL接続点NC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第6開閉機構OC6は、開閉可能な第6電磁弁SV6’および第6逆止弁566を有している。この第6開閉機構OC6では、第6電磁弁SV6’と第6逆止弁566とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第6逆止弁566は、第1HL接続点HC1から第1IL接続点IC1に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
そして、この氷蓄熱ユニット54は、このような構成を採用することによって、氷蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器541を流れる液冷媒の冷熱を蓄熱用水に蓄積させ、第1氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークカット運転)時および第2氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークシフト運転)時には蓄熱用熱交換器541を流れるガス状または気液二相状態の冷媒にその冷熱を供給することによってそのガス状または気液二相状態の冷媒を凝縮させ、温蓄熱運転時および暖房兼温蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器441を流れるガス冷媒の温熱を蓄熱用水に蓄積させ、また、温蓄熱利用暖房運転時および暖房兼デフロスト運転時には蓄熱用熱交換器541を流れる液冷媒に蓄熱用水に蓄積される温熱を供給することによってその液冷媒を蒸発させることが可能となっている。なお、この蓄熱用水は、氷蓄熱運転時には液相から固相に相転移して液冷媒から供給される冷熱を主に潜熱として蓄積し、温蓄熱運転時および暖房兼温蓄熱運転時にはガス冷媒から供給される温熱を顕熱として蓄積する。
(3)室外ユニット
室外ユニット51は、主に、四路切換弁513、圧縮機511、室外熱交換器512、気液分離器514、キャピラリーチューブ538、低圧ガス側冷媒主管521、高圧ガス側冷媒主管523、および液側冷媒主管522を有している。
圧縮機511は、吸入管525を流れる低圧のガス冷媒を吸入して圧縮した後、吐出管526に吐出するための機器である。本実施形態において、圧縮機511は、スクロール式やロータリ式等の容積式の圧縮機である。
四路切換弁513は、各運転に対応して、冷媒の流れ方向を切り換えるための弁であり、冷房運転時、氷蓄熱運転時、第1氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークカット運転)時、第2氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークシフト運転)時、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には圧縮機511の吐出管526と室外熱交換器512のガス側とを接続し、暖房運転時、温蓄熱運転時、温蓄熱利用暖房運転時、および暖房兼温蓄熱運転時には圧縮機511の吸入管525と室外熱交換器512のガス側とを接続することが可能である。
室外熱交換器512は、冷房運転時、氷蓄熱運転時、第1氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークカット運転)時、および第2氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークシフト運転)時において、圧縮機511から吐出された高圧のガス冷媒を空調室外の空気を熱源として凝縮させることが可能であり、暖房運転時には室内熱交換器571から戻る液冷媒を、温蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器541から戻る液冷媒を、暖房兼温蓄熱運転時には室内熱交換器571および蓄熱用熱交換器541から戻る液冷媒を蒸発させることが可能である。
[空気調和装置の動作]
空気調和装置5の運転動作について、図15および図16を用いて説明する。この空気調和装置5は、上述したように冷房運転、氷蓄熱運転、第1氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークカット運転)、第2氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークシフト運転)、暖房運転、温蓄熱利用暖房運転、暖房兼温蓄熱運転、デフロスト運転、および暖房兼デフロスト運転を行うことが可能である。
(1)冷房運転
冷房運転時は、四路切換弁513が図15の実線で示される状態、すなわち、圧縮機511の吐出管526が室外熱交換器512のガス側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は過冷却度制御(以下、SC制御という)され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室外熱交換器512のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器512の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1’、第3電磁弁SV3’、および第6電磁弁SV6’はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2’、第4電磁弁SV4’、および第5電磁弁SV5’はOFFされて閉状態とされる(図16参照)。そして、液側閉鎖弁533、第1ガス側閉鎖弁531、および第2ガス側閉鎖弁532は開状態とされる。
この冷媒回路50の状態で、圧縮機511を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機511に吸入されて圧縮された後、吐出管526、第2HPL接続点HPC2、および四路切換弁513を経由して室外熱交換器512に送られ、室外熱交換器512において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、液側閉鎖弁533、第1IL接続点IC1、第6電磁弁SV6’、および第1HL接続点HC1を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室内熱交換器571に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。そのガス冷媒は、第1HPL接続点HPC1、第1電磁弁SV1’、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁532、LPL接続点LPC、および気液分離器514を経由して、再び、圧縮機511に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
(2)氷蓄熱運転
氷蓄熱運転時は、四路切換弁513が図15の実線で示される状態、すなわち、圧縮機511の吐出管526が室外熱交換器512のガス側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は全閉状態とされ、第2電動膨張弁EV2はSC制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がSC制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、室外熱交換器512のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器512の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1’、第3電磁弁SV3’、および第6電磁弁SV6’は、ONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2’、第4電磁弁SV4’、および第5電磁弁SV5’はOFFされて閉状態とされる(図16参照)。そして、液側閉鎖弁533、第1ガス側閉鎖弁531、および第2ガス側閉鎖弁532は開状態とされる。
この冷媒回路50の状態で、圧縮機511を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機511に吸入されて圧縮された後、吐出管526、第2HPL接続点HPC2、および四路切換弁513を経由して室外熱交換器512に送られ、室外熱交換器512において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、液側閉鎖弁533、第1IL接続点IC1、第6電磁弁SV6’、および第1HL接続点HC1を経由して第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に蓄熱用熱交換器541に供給され、蓄熱用水を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。この際、蓄熱用水は、液相から固相に相転移し、液冷媒から供給される冷熱を主に潜熱として蓄積する。
そして、そのガス冷媒は、第1NL接続点NC1、第3電磁弁SV3’、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁532、LPL接続点LPC、および気液分離器514を経由して、再び、圧縮機511に吸入される。このようにして、氷蓄熱運転が行われる。
(3)第1氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークカット運転)
第1氷蓄熱利用冷房運転時は、四路切換弁513が図15の実線で示される状態、すなわち、圧縮機511の吐出管526が室外熱交換器512のガス側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は高圧制御(以下、HP制御という)され、第2電動膨張弁EV2は全開状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がHP制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、圧縮機511の吐出圧力が所定値以上となるように調節される。また、第1電磁弁SV1’、第4電磁弁SV4’、および第6電磁弁SV6’はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2’、第3電磁弁SV3’、および第5電磁弁SV5’はOFFされて閉状態とされる(図16参照)。そして、液側閉鎖弁533、第1ガス側閉鎖弁531、および第2ガス側閉鎖弁532は開状態とされる。
この冷媒回路50の状態で、圧縮機511を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機511に吸入されて圧縮された後、吐出管526を経由して第2HPL接続点HPC2に至る。そして、第2HPL接続点HPC2に至ったガス冷媒は、その後、第1ガス側閉鎖弁531、第2IL接続点IC2、第4電磁弁SV4’、第2NL接続点NC2、第1NL接続点NC1を経由して蓄熱用熱交換器541に向かう経路である第1経路と、四路切換弁513を経由して室外熱交換器512に向かう経路である第2経路とに分配される。
第1経路に分配されたガス冷媒は、蓄熱用熱交換器541において蓄熱用水に蓄積された冷熱により凝縮されて液冷媒となる。その後、その液冷媒は、第2電動膨張弁EV2を経由して第1HL接続点HC1に至る。
第2経路に分配されたガス冷媒は、室外熱交換器512において凝縮されて液状または気液二相の冷媒となり、液側閉鎖弁533、第1IL接続点IC1、および第6開閉機構OC6を経由して第1HL接続点HC1に至る。
そして、第2電動膨張弁EV2を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、液側閉鎖弁533、第1IL接続点IC1、および第6開閉機構OC6を経由して第1HL接続点HC1に至った液状または気液二相の冷媒とは、第1HL接続点HC1において合流した後、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室内熱交換器571に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。
そして、そのガス冷媒は、第1HPL接続点HPC1、第1電磁弁SV1’、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁532、LPL接続点LPC、および気液分離器514を経由して、再び、圧縮機511に吸入される。このようにして、第1氷蓄熱利用冷房運転が行われる。
(4)第2氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークシフト運転)
第2氷蓄熱利用冷房運転時は、四路切換弁513が図15の実線で示される状態、すなわち、圧縮機511の吐出管526が室外熱交換器512のガス側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1はSC制御され、第2電動膨張弁EV2は全開状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、蓄熱用熱交換器541の第1NL接続点NC1側における冷媒の温度から蓄熱用熱交換器541の第1電動膨張弁EV1側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1’および第5電磁弁SV5’はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2’、第3電磁弁SV3’、第4電磁弁SV4’、および第6電磁弁SV6’はOFFされて閉状態とされる(図16参照)。そして、液側閉鎖弁533、第1ガス側閉鎖弁531、および第2ガス側閉鎖弁532は開状態とされる。
この冷媒回路50の状態で、圧縮機511を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機511に吸入されて圧縮された後、吐出管526、第2HPL接続点HPC2、および四路切換弁513を経由して室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器512において凝縮されて液状または気液二相の冷媒となる。
そして、この液状または気液二相の冷媒は、液側閉鎖弁533、第1IL接続点IC1、第5開閉機構OC5、第2NL接続点NC2、および第1NL接続点NC1を経由して蓄熱用熱交換器541に送られ、蓄熱用熱交換器541において蓄熱用水に蓄積された冷熱によりさらに低温の液冷媒または液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、第2電動膨張弁EV2および第1HL接続点HC1を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室内熱交換器571に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。
そして、そのガス冷媒は、第1HPL接続点HPC1、第1電磁弁SV1’、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁532、LPL接続点LPC、および気液分離器514を経由して、再び、圧縮機511に吸入される。このようにして、第2氷蓄熱利用冷房運転が行われる。
(5)暖房運転
暖房運転時は、四路切換弁513が図15の破線で示される状態、すなわち、圧縮機511の吸入側が気液分離器514を介して室外熱交換器512のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSC制御され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器571のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器571の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1’、第4電磁弁SV4’、第5電磁弁SV5’、および第6電磁弁SV6’はOFFされて閉状態とされ、第2電磁弁SV2’および第3電磁弁SV3’はONされて開状態とされる(図16参照)。そして、液側閉鎖弁533、第1ガス側閉鎖弁531、および第2ガス側閉鎖弁532は開状態とされる。
この冷媒回路50の状態で、圧縮機511を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機511に吸入されて圧縮された後、吐出管526、第2HPL接続点HPC2、第1ガス側閉鎖弁531、第2IL接続点IC2、第2電磁弁SV2’、および第1HPL接続点HPC1を経由して、室内熱交換器571に供給され、室内熱交換器571において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1、第6逆止弁566、第1IL接続点IC1、および液側閉鎖弁533を経由して室外熱交換器512に送られ、室外熱交換器512において蒸発されてガス冷媒となる。そのガス冷媒は、四路切換弁513、CL接続点CC、LPL接続点LPC、および気液分離器514を経由して、吸入管525に戻り、再び、圧縮機511に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
(6)温蓄熱運転
温蓄熱運転時は、四路切換弁513が図15の破線で示される状態、すなわち、圧縮機511の吸入側が気液分離器514を介して室外熱交換器512のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1は全閉状態とされ、第2電動膨張弁EV2はSC制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がSC制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、蓄熱用熱交換器541の第1NL接続点NC1側における冷媒の温度から蓄熱用熱交換器541の第2電動膨張弁EV2側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1’および第4電磁弁SV4’はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2’、第3電磁弁SV3’、第5電磁弁SV5’、および第6電磁弁SV6’はOFFされて閉状態とされる(図16参照)。そして、液側閉鎖弁533、第1ガス側閉鎖弁531、および第2ガス側閉鎖弁532は開状態とされる。
この冷媒回路50の状態で、圧縮機511を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機511に吸入されて圧縮された後、吐出管526、第2HPL接続点HPC2、第1ガス側閉鎖弁531、第2IL接続点IC2、第4電磁弁SV4’、第2NL接続点NC2、および第1NL接続点NC1を経由して、蓄熱用熱交換器541に供給され、蓄熱用熱交換器541において蓄熱用水を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。
そして、その液冷媒は、第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1、第6逆止弁566、第1IL接続点IC1、および液側閉鎖弁533を経由して室外熱交換器512に送られ、室外熱交換器512において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、四路切換弁513、CL接続点CC、LPL接続点LPC、および気液分離器514を経由して、吸入管525に戻り、再び、圧縮機511に吸入される。このようにして、温蓄熱運転が行われる。
(7)暖房兼温蓄熱運転
暖房兼温蓄熱運転時は、四路切換弁513が図15の破線で示される状態、すなわち、圧縮機511の吸入側が気液分離器514を介して室外熱交換器512のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSC制御され、第2電動膨張弁EV2は所定の開度を維持する状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器571のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器571の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1’、第3電磁弁SV3’、第5磁弁SV5’、および第6電磁弁SV6’はOFFされて閉状態とされ、第2磁弁SV2’および第4電磁弁SV4’はONされて開状態とされる(図16参照)。そして、液側閉鎖弁533、第1ガス側閉鎖弁531、および第2ガス側閉鎖弁532は開状態とされる。
この冷媒回路50の状態で、圧縮機511を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機511に吸入されて圧縮された後、吐出管526、第2HPL接続点HPC2、および第1ガス側閉鎖弁531を経由して第2IL接続点IC2に至る。そして、第2IL接続点IC2に至ったガス冷媒は、その後、第2電磁弁SV2’および第1HPL接続点HPC1を経由して室内熱交換器571に向かう経路である第3経路と、第4電磁弁564、第2NL接続点NC2、および第1NL接続点NC1を経由して蓄熱用熱交換器541に向かう経路である第4経路とに分配される。
第3経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器571において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1に送られる。
一方、第4経路に分配されたガス冷媒は、蓄熱用熱交換器541において蓄熱用水を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この際、蓄熱用水は、ガス冷媒から供給される温熱を顕熱として蓄積する。その後、その液冷媒は、第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1に送られる。
そして、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に送られた液冷媒と、第2電動膨張弁EV2を経由して第1HL接続点HC1に送られた液冷媒とは、第1HL接続点において合流した後、第6逆止弁566、第1IL接続点IC1、および液側閉鎖弁433を経由して室外熱交換器512に送られ、室外熱交換器512において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、四路切換弁513、CL接続点CC、LPL接続点LPC、および気液分離器514を経由して、吸入管525に戻り、再び、圧縮機511に吸入される。
なお、この暖房兼温蓄熱運転は、主に、空気調和装置5の起動時に行われ、蓄熱水槽542に設けられている蓄熱用水の温度検出用の温度センサの値が所定の閾値以上になると自動的に暖房運転に切り換わるようになっている。
(8)温蓄熱利用暖房運転
温蓄熱利用暖房運転時は、四路切換弁513が図15の破線で示される状態、すなわち、圧縮機511の吸入側が気液分離器514を介して室外熱交換器512のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSC制御され、第2電動膨張弁EV2はSH制御される。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器571のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器571の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第2電動膨張弁EV2が過熱度制御(以下、SH制御という)されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、蓄熱用熱交換器541の第1NL接続点NC1側における冷媒の温度から蓄熱用熱交換器541の第1電動膨張弁EV1側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1’、第4電磁弁SV4’、第5磁弁SV5’、および第6電磁弁SV6’はOFFされて閉状態とされ、第2磁弁SV2’および第3電磁弁SV3’はONされて開状態とされる(図16参照)。そして、液側閉鎖弁533、第1ガス側閉鎖弁531、および第2ガス側閉鎖弁532は開状態とされる。
この冷媒回路50の状態で、圧縮機511を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機511に吸入されて圧縮された後、吐出管526、第2HPL接続点HPC2、第1ガス側閉鎖弁531、第2IL接続点IC2、第2電磁弁SV2’、および第1HPL接続点HPC1を経由して室内熱交換器571に送られ、室内熱交換器571において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1に送られる。
そして、第1HL接続点HC1に至った液冷媒は、その後、第6逆止弁566、第1IL接続点IC1、および液側閉鎖弁533を経由して室外熱交換器512に向かう経路である第5経路と、第2電動膨張弁EV2に向かう経路である第6経路とに分配される。
第5経路に分配された液冷媒は、室外熱交換器512において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、四路切換弁513およびCL接続点CCを経由してLPL接続点LPCに至る。
一方、第6経路に分配された液冷媒は、第2電動膨張弁EV2において減圧された後に蓄熱用熱交換器541に送られ、蓄熱用水に蓄積された温熱により蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第1NL接続点NC1、第3電磁弁SV3’、第2HL接続点HC2、および第2ガス側閉鎖弁532を経由してLPL接続点LPCに至る。
そして、四路切換弁513およびCL接続点CCを経由してLPL接続点LPCに至ったガス冷媒と、第1NL接続点NC1、第3電磁弁SV3’、第2HL接続点HC2、および第2ガス側閉鎖弁532を経由してLPL接続点LPCに至ったガス冷媒とは、LPL接続点LPCにおいて合流した後、気液分離器514を経由して、吸入管525に戻り、再び、圧縮機511に吸入される。このようにして、温蓄熱利用暖房運転が行われる。
(9)デフロスト運転
デフロスト運転時は、四路切換弁513が図15の実線で示される状態、すなわち、圧縮機511の吐出管526が室外熱交換器512のガス側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は所定の開度を維持する状態とされ、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。また、第1電磁弁SV1’、第3電磁弁SV3’、および第6電磁弁SV6’はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2’、第4電磁弁SV4’、および第5電磁弁SV5’はOFFされて閉状態とされる(図16参照)。そして、液側閉鎖弁533、第1ガス側閉鎖弁531、および第2ガス側閉鎖弁532は開状態とされる。
この冷媒回路50の状態で、圧縮機511を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機511に吸入されて圧縮された後、吐出管526、第2HPL接続点HPC1、および四路切換弁513を経由して室外熱交換器512に送られ、室外熱交換器512の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。
そして、室外熱交換器512で凝縮された液冷媒は、液側閉鎖弁533、第1IL接続点IC1、第6電磁弁SV6’、および第1HL接続点HC1を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室内熱交換器571に供給され、室内熱交換器571の周囲の空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。なお、この際、空調室内を積極的に冷房しないように、室内ファンは駆動しないように制御される。
そして、そのガス冷媒は、第1HPL接続点HPC1、第1電磁弁SV1’、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁532、LPL接続点LPC、および気液分離器514を経由して、再び、圧縮機511に吸入される。
なお、このデフロスト運転は、室外熱交換器512の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、室内熱交換器571に霜が付着しないように、暖房運転などとの間で間欠的に行われる。
(10)暖房兼デフロスト運転
暖房兼デフロスト運転時は、四路切換弁513が図15の実線で示される状態、すなわち、圧縮機511の吐出管526が室外熱交換器512のガス側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は全開状態とされ、第2電動膨張弁EV2はHP制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がHP制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、圧縮機511の吐出圧力が所定値以上となるように調節される。また、第1電磁弁SV1’、第4電磁弁SV4’、および第5電磁弁SV5’はOFFされて閉状態とされ、第2電磁弁SV2’、第3電磁弁SV3’、および第6電磁弁SV6’はONされて開状態とされる(図16参照)。そして、液側閉鎖弁533、第1ガス側閉鎖弁531、および第2ガス側閉鎖弁532は開状態とされる。
この冷媒回路50の状態で、圧縮機511を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機511に吸入されて圧縮された後、吐出管526を経由して第2HPL接続点HPC2に至る。そして、第2HPL接続点HPC2に至ったガス冷媒は、その後、第1ガス側閉鎖弁531、第2IL接続点IC2、第2電磁弁SV2’、および第1HPL接続点HPC1を経由して室内熱交換器571に向かう経路である第7経路と、四路切換弁513を経由して室外熱交換器512に向かう経路である第8経路とに分配される。
第7経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器571において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に至る。
一方、第8経路に分配されたガス冷媒は、室外熱交換器512の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。その液冷媒は、液側閉鎖弁533、第1IL接続点IC1、および第6電磁弁SV6’を経由して第1HL接続点HC1に至る。
そして、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、液側閉鎖弁533、第1IL接続点IC1、および第6電磁弁SV6’を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点HC1において合流した後、第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に蓄熱用熱交換器541に送られ、蓄熱用熱交換器541において温熱を蓄積している蓄熱用水によって蒸発されてガス冷媒となる。その後、そのガス冷媒は、第1NL接続点NC1、第3電磁弁SV3’、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁532、LPL接続点LPC、および気液分離器514を経由して、吸入管525に戻り、再び、圧縮機511に吸入される。
なお、この冷媒回路50には、暖房兼デフロスト運転時において室外熱交換器512に液冷媒が溜まるように冷媒が充填されている。このため、他の運転時においては冷媒が余剰となるが、この余剰冷媒は、主に、気液分離器514に貯留される。
なお、この暖房兼デフロスト運転は、室外熱交換器512の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、所定時間(例えば、10分間)継続して行われる。
[空気調和装置の特徴]
(1)
第6実施形態に係る空気調和装置5では、暖房兼温蓄熱運転において圧縮機511から吐出されたガス冷媒(以下、吐出冷媒という)が室内熱交換器571と蓄熱用熱交換器541とに分配され、暖房兼デフロスト運転において吐出冷媒が室内熱交換器571と室外熱交換器512とに分配される。このため、この空気調和装置5では、暖房兼温蓄熱運転において室内熱交換器571と蓄熱用熱交換器541とに、暖房兼デフロスト運転において室内熱交換器571と室外熱交換器512とに適切な熱量を分配するのに、冷媒の分配比のみを考慮すればよい。したがって、この空気調和装置5では、比較的な簡単な制御により暖房兼温蓄熱運転および暖房兼デフロスト運転を行うことができる。
(2)
第6実施形態に係る空気調和装置5では、暖房兼温蓄熱運転において、室内熱交換器571から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器541から流出した冷媒とが合流して室外熱交換器512を通って圧縮機511に吸入される。また、暖房兼デフロスト運転において、室内熱交換器571から流出した冷媒と室外熱交換器512から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器541を通って圧縮機511に吸入される。このため、この空気調和装置5では、暖房兼温蓄熱運転において室内熱交換器571から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器541から流出した冷媒とを室外熱交換器512で一括して蒸発させることができ、暖房兼デフロスト運転において室内熱交換器571から流出した冷媒と室外熱交換器512から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器541で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置5では、冷媒回路50の構成をシンプルにすることができる。
(3)
第6実施形態に係る空気調和装置5では、冷媒回路50が、四路切換弁513および第4電磁弁SV4’を有する。このため、この空気調和装置5では、暖房兼温蓄熱運転と暖房兼デフロスト運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(4)
第6実施形態に係る空気調和装置5では、冷媒回路50が、冷房運転にも切換可能であり、第2電磁弁SV2’を有する。このため、この空気調和装置5では、暖房兼デフロスト運転と冷房運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(5)
第1実施形態に係る空気調和装置5では、冷媒回路50に、暖房兼デフロスト運転において室外熱交換器512に液状冷媒が溜まるように、冷媒が充填されている。このため、この空気調和装置5では、暖房兼デフロスト運転において、室内熱交換器571へ流れる吐出冷媒の凝縮温度および凝縮圧力の低下を抑えることができる。したがって、この空気調和装置5では、暖房兼デフロスト運転における室内熱交換器571の暖房能力の低下を抑えることができる。
(6)
第6実施形態に係る空気調和装置5では、蓄熱ユニットとして氷蓄熱ユニット54が採用されているため、氷蓄熱運転、第1氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークカット運転)、および第2氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークシフト運転)を行うことができる。このため、この空気調和装置2では、夏季など、冷房運転が必要となる環境において、電力ピークを調節することができる。
[変形例]
(A)
第6実施形態に係る空気調和装置5に代えて、図17に示されるような空気調和装置5Aを採用しても本発明の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
第6実施形態に係る空気調和装置5では、冷媒回路50を構成する主冷媒回路5aにおいて低圧ガス側冷媒ライン50dに第1電磁弁SV1’が配置され、高圧ガス側冷媒ライン50eに第2電磁弁SV2’が配置された。これに対し、本変形例に係る空気調和装置5Aでは、冷媒回路50Aの主冷媒回路5Aaを構成する低圧ガス側冷媒ライン50dと高圧ガス側冷媒ライン50eとの接続点に四路切換弁545およびキャピラリーチューブ546が配置される。なお、この四路切換弁545およびキャピラリーチューブ546は、氷蓄熱ユニット54Aに属することとなる。また、この冷媒回路50Aにおいて、四路切換弁545は、には図17の実線で示される状態にされ、には図17の破線で示される状態にされる。
また、第6実施形態に係る空気調和装置5では、冷媒回路50を構成する蓄熱ライン5bに第3電磁弁SV3’が配置され、利用ライン5cに第4電磁弁4’が配置された。これに対し、本変形例に係る空気調和装置5Aでは、蓄熱ライン5bと利用ライン5cとの接続点に四路切換弁543およびキャピラリーチューブ544が配置される。なお、この四路切換弁543およびキャピラリーチューブ544は、氷蓄熱ユニット54Aに属することとなる。また、この冷媒回路50Aにおいて、四路切換弁543は、第1氷蓄熱利用冷房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、および温蓄熱運転には図17の実線で示される状態にされ、冷房運転時、氷蓄熱運転時、第2氷蓄熱利用冷房運転時、暖房運転時、温蓄熱利用暖房運転、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には図17の破線で示される状態にされる。
また、第6実施形態に係る空気調和装置5では、冷媒回路50を構成する主冷媒回路5aにおいて第1HL接続点HC1と第1IL接続点IC1との間に第6開閉機構OC6が配置され、冷媒回路50を構成する利用ライン5cにおいて第5開閉機構OC5が配置された。これに対し、本変形例に係る空気調和装置5Aでは、主冷媒回路5Aaと利用ライン5cとの接続点に四路切換弁547およびキャピラリーチューブ548が配置される。なお、この四路切換弁547およびキャピラリーチューブ548は、氷蓄熱ユニット54Aに属することとなる。また、この冷媒回路50Aにおいて、四路切換弁547は、冷房運転時、氷蓄熱運転時、第1氷蓄熱利用冷房運転時、暖房運転時、温蓄熱利用暖房運転、デフロスト運転時、暖房兼温蓄熱運転時、暖房兼デフロスト運転時、および温蓄熱運転には図17の実線で示される状態にされ、第2氷蓄熱利用冷房運転時には図17の破線で示される状態にされる。
<第7実施形態>
[空気調和装置の構成]
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置6の概略冷媒回路60を図18に示す。
空気調和装置6は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の屋内の冷暖房に使用される装置である。また、この空気調和装置6は、室外熱交換器612に付着する霜を除去するためのデフロスト運転を行うことが可能な仕様になっており、冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地への設置に適する。
空気調和装置6は、主として、1台の室外ユニット61と、複数(本実施形態では、3台)の室内ユニット67a,67b,67cと、1台の蓄熱ユニット64と、各室内ユニット67a,67b,67cおよび蓄熱ユニット64に接続される接続ユニット69a,69b,69c,69dと、接続ユニット69a,69b,69c,69dを介して室外ユニット61と室内ユニット67a,67b,67cおよび蓄熱ユニット64とを接続する冷媒連絡配管691,692,693とを備えており、例えば、ある空調空間については冷房運転を行いつつ他の空調空間については暖房運転を行う等のように、室内ユニット67a,67b,67cが設置される屋内の空調空間の要求に応じて、冷暖同時運転が可能になるように構成されている。すなわち、本実施形態の空気調和装置6の蒸気圧縮式の冷媒回路60は、室外ユニット61と、室内ユニット67a,67b,67cと、蓄熱ユニット64と、接続ユニット69a,69b,69c,69dと、冷媒連絡配管691,692,693とが接続されることによって構成されている。
(1)室内ユニット
室内ユニット67a,67b,67cは、ビル等の屋内の天井に埋め込みや吊り下げ等、または、屋内の壁面に壁掛け等により設置されている。室内ユニット67a,67b,67cは、冷媒連絡配管691,692,693および接続ユニット69a,69b,69cを介して室外ユニット61に接続されており、冷媒回路60の一部を構成している。
次に、室内ユニット67a,67b,67cの構成について説明する。なお、室内ユニット67aと室内ユニット67b,67cとは同様の構成であるため、ここでは、室内ユニット67aの構成のみ説明し、室内ユニット67b,67cの構成については、各部の説明を省略する。
室内ユニット67aは、主として、冷媒回路60の一部を構成しており、室内側冷媒回路68a(室内ユニット67b,67cでは、それぞれ、室内側冷媒回路68b,68c)を備えている。この室内側冷媒回路68aは、主として、室内側膨張弁EV1aおよび室内熱交換器671aを備えている。本実施形態において、室内側膨張弁EV1aは、室内側冷媒回路68a内を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、室内熱交換器671aの液側に接続された電動膨張弁である。本実施形態において、室内熱交換器671aは、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷媒と屋内空気との熱交換を行うための機器である。本実施形態において、室内ユニット67aは、ユニット内に屋内空気を吸入して、熱交換した後に、供給空気として屋内に供給するための送風ファン(図示せず)を備えており、屋内空気と室内熱交換器671aを流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。
また、室内ユニット67aには、各種のセンサが設けられている。室内熱交換器671aの液側には液冷媒の温度を検出する液側温度センサ(図示せず)が設けられており、室内熱交換器671aのガス側にはガス冷媒の温度を検出するガス側温度センサ(図示せず)が設けられている。さらに、室内ユニット67aには、ユニット内に吸入される屋内空気の温度を検出するRA吸入温度センサ(図示せず)が設けられている。また、室内ユニット67aは、室内ユニット67aを構成する各部の動作を制御する室内側制御部(図示せず)を備えている。そして、室内側制御部は、室内ユニット67aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、室外ユニット61との間で制御信号等のやりとりを行ったりすることができるようになっている。
(2)蓄熱ユニット
蓄熱ユニット64は、ビル等の屋内等に設置されている。蓄熱ユニット64は、冷媒連絡配管691,692,693および接続ユニット69dを介して室外ユニット61に接続されており、冷媒回路60の一部を構成している。
次に、蓄熱ユニット64の構成について説明する。蓄熱ユニット64は、主として、冷媒回路60の一部を構成しており、蓄熱冷媒回路65を備えている。この蓄熱冷媒回路65は、主として、蓄熱用熱交換器641および蓄熱用膨張弁EV2を備えている。本実施形態において、蓄熱用膨張弁EV2は、蓄熱冷媒回路65内を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、蓄熱用熱交換器641の液側に接続された電動膨張弁である。本実施形態において、蓄熱用熱交換器641は、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷媒と蓄熱槽642に貯留されている蓄熱材(例えば、ポリエチレングリコール、トレイトール、パラフィン、酢酸ナトリウム3水和物、硫酸ナトリウム10水和物など)との熱交換を行うための機器である。
また、蓄熱ユニット64には、各種のセンサが設けられている。蓄熱用熱交換器641の液側には液冷媒の温度を検出する液側温度センサ(図示せず)が設けられており、蓄熱用熱交換器641のガス側にはガス冷媒の温度を検出するガス側温度センサ(図示せず)が設けられている。さらに、蓄熱槽642には、蓄熱材の温度を検出する蓄熱温度センサ(図示せず)が設けられている。また、蓄熱ユニット64は、蓄熱ユニット64を構成する各部の動作を制御する蓄熱制御部(図示せず)を備えている。そして、蓄熱制御部は、蓄熱ユニット64の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、室外ユニット61との間で制御信号等のやりとりを行ったりすることができるようになっている。
(3)室外ユニット
室外ユニット61は、ビル等の屋上等に設置されており、接続ユニット69a,69b,69c,69dおよび冷媒連絡配管691,692,693を介して室内ユニット67a,67b,67cおよび蓄熱ユニット64に接続されており、室内ユニット67a,67b,67cおよび蓄熱ユニット64の間で冷媒回路60を構成している。
次に、室外ユニット61の構成について説明する。室外ユニット61は、主として、冷媒回路60の一部を構成しており、室外側冷媒回路6aを備えている。この室外側冷媒回路6aは、主として、圧縮機611、四路切換弁613、室外熱交換器612、気液分離器614、減圧回路60a、液側閉鎖弁631、高圧ガス側閉鎖弁633、および低圧ガス側閉鎖弁632を備えている。
圧縮機611は、本実施形態において、インバータ制御により運転容量を可変することが可能な容積式圧縮機である。本実施形態において、圧縮機611は、1台のみであるが、これに限定されず、室内ユニットの接続台数等に応じて、2台以上の圧縮機が並列に接続されたものであってもよい。
室外熱交換器612は、冷媒の蒸発器および冷媒の凝縮器として機能させることが可能な熱交換器であり、本実施形態において、空気を熱源として冷媒と熱交換するクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室外熱交換器612は、そのガス側が四路切換弁613に接続され、その液側が液側閉鎖弁631に接続されている。
液側閉鎖弁631、高圧ガス側閉鎖弁633、および低圧ガス側閉鎖弁632は、外部の機器・配管(具体的には、冷媒連絡配管691,692,693)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁631は、室外熱交換器612に接続されている。高圧ガス側閉鎖弁633は、圧縮機611の吐出管626に接続されている。低圧ガス側閉鎖弁632は、気液分離器614を介して圧縮機611の吸入側に接続されている。
減圧回路60aは、キャピラリーチューブ638を有しており、四路切換弁613および気液分離器614に接続されている。
また、室外ユニット61には、各種のセンサが設けられている。具体的には、室外ユニット61は、圧縮機611の吸入圧力を検出する吸入圧力センサ(図示せず)と、圧縮機611の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ(図示せず)と、圧縮機構611の吐出側の冷媒の吐出温度を検出する吐出温度センサ(図示せず)とが設けられている。また、室外ユニット61は、室外ユニット61を構成する各部の動作を制御する室外側制御部(図示せず)を備えている。そして、室外側制御部は、室外ユニット61の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、室内ユニット67a,67b,67cの室内側制御部との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
(4)接続ユニット
接続ユニット69a,69b,69c,69dは、ビル等の屋内に室内ユニット67a,67b,67cおよび蓄熱ユニット64とともに設置されている。接続ユニット69a,69b,69c,69dは、冷媒連絡配管691,692,693とともに、室内ユニット67a,67b,67cおよび蓄熱ユニット64と室外ユニット61との間に介在しており、冷媒回路60の一部を構成している。
次に、接続ユニット69a,69b,69c,69dの構成について説明する。なお、接続ユニット69aと接続ユニット69b,69cとは同様の構成であるため、ここでは、接続ユニット69aの構成のみ説明し、接続ユニット69b,69cの構成については、各部の説明を省略する。接続ユニット69dも接続ユニット69a,69b,69cと同様の構成であるが、本実施形態においては接続対象67a,64が異なるため、接続ユニット69dについは接続ユニット69aと併せて説明する。
接続ユニット69a,69dは、主として、冷媒回路60の一部を構成しており、接続側冷媒回路699a,699d(接続ユニット69b,69cでは、それぞれ、接続側冷媒回路699b,699c)を備えている。この接続側冷媒回路699a,699dは、主として、液接続管691a,691d、ガス接続管695a,695d、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1d、および低圧ガス開閉弁SV2a,SV2dを有している。
本実施形態において、液接続管691a,691dは、液冷媒連絡配管691と室内側冷媒回路68aの室内側膨張弁EV1aおよび蓄熱冷媒回路65の蓄熱膨張弁EV2とを接続している。ガス接続管695a,695dは、高圧ガス冷媒連絡配管693に接続された高圧ガス接続管693a,693dと、低圧ガス冷媒連絡配管692に接続された低圧ガス接続管692a,692dと、高圧ガス接続管693a,693dと低圧ガス接続管692a,692dとを合流させる合流ガス接続管694a,694dとを有している。合流ガス接続管694a,694dは、室内側冷媒回路68aの室内熱交換器671aのガス側および蓄熱冷媒回路65の蓄熱用熱交換器641のガス側に接続されている。そして、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1dは、本実施形態において、高圧ガス接続管693a,693dに接続されており、冷媒の流通および遮断が可能な電磁弁である。低圧ガス開閉弁SV2a,SV2dは、本実施形態において、低圧ガス接続管692a,692dに接続されており、冷媒の流通および遮断が可能な電磁弁である。これにより、接続ユニット69aは、室内ユニット67aが冷房運転を行う際には、高圧ガス開閉弁SV1aを閉止し、かつ、低圧ガス開閉弁SV2aを開けた状態にして、液冷媒連絡配管691を通じて液接続管691aに流入する冷媒を室内側冷媒回路68aの室内側膨張弁EV1aに送り、室内側膨張弁EV1aで減圧され室内熱交換器671aにおいて蒸発された後に、合流ガス接続管694aおよび低圧ガス接続管692aを通じて低圧ガス冷媒連絡配管692に戻すように機能することができる。また、接続ユニット69aは、室内ユニット67aが暖房運転を行う際には、低圧ガス開閉弁SV2aを閉止し、かつ、高圧ガス開閉弁SV1aを開けた状態にして、高圧ガス冷媒連絡配管693を通じて高圧ガス接続管693aおよび合流ガス接続管694aに流入する冷媒を室内側冷媒回路68aの室内熱交換器671aのガス側に送り、室内熱交換器671aにおいて凝縮され室内側膨張弁EV1aで減圧された後に、液接続管691aを通じて液冷媒連絡配管691に戻すように機能することができる。また、接続ユニット69dは、蓄熱ユニット64が温蓄熱運転(後述)を行う際には、低圧ガス開閉弁SV2dを閉止し、かつ、高圧ガス開閉弁SV1dを開けた状態にして、高圧ガス冷媒連絡配管693を通じて高圧ガス接続管693dおよび合流ガス接続管694dに流入する冷媒を蓄熱冷媒回路65の蓄熱用熱交換器641のガス側に送り、蓄熱用熱交換器641において凝縮され(この際に蓄熱材に温熱が主に潜熱として蓄積される)蓄熱用膨張弁EV2で減圧された後に、液接続管691dを通じて液冷媒連絡配管691に戻すように機能することができる。また、接続ユニット69dは、本空気調和装置6がデフロスト運転(後述)を行う際には、高圧ガス開閉弁SV1dを閉止し、かつ、低圧ガス開閉弁SV2dを開けた状態にして、液冷媒連絡配管691を通じて液接続管691dに流入する冷媒を蓄熱冷媒回路65の蓄熱用膨張弁EV2に送り、蓄熱用膨張弁EV2で減圧され蓄熱用熱交換器641において蒸発させた後に(この際に蓄熱材から温熱が放出され、冷媒を蒸発させる)、合流ガス接続管694dおよび低圧ガス接続管692dを通じて低圧ガス冷媒連絡配管692に戻すように機能することができる。
また、接続ユニット69a,69dは、接続ユニット69a,69dを構成する各部の動作を制御する接続側制御部(図示せず)を備えている。そして、接続側制御部は、接続ユニット69a,69dの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、室内ユニット67aの室内側制御部および蓄熱ユニット64の蓄熱制御部との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
以上のように、室内側冷媒回路68a,68b,68c、蓄熱冷媒回路65、室外側冷媒回路6a、冷媒連絡配管691,692,693、および接続側冷媒回路699a,699b,699c,699dが接続されて、空気調和装置6の冷媒回路60が構成されている。そして、本実施形態の空気調和装置6では、例えば、室内ユニット67a,67bが冷房運転を行いつつ、室内ユニット67cが暖房運転を行う等の、いわゆる、冷暖同時運転を行うことが可能になっている。
[空気調和装置の動作]
次に、本実施形態の空気調和装置6の動作について説明する。
本実施形態の空気調和装置6の運転は、蓄熱ユニット64を利用しない蓄熱ユニット非利用運転と蓄熱ユニット64を利用する蓄熱ユニット利用運転とに大別される。以下、蓄熱ユニット非利用運転と蓄熱ユニット利用運転とに分けて本空気調和装置6の運転について説明する。
(1)蓄熱ユニット非利用運転
蓄熱ユニット非利用運転は、各室内ユニット67a,67b,67cの空調負荷に応じて、室内ユニット67a,67b,67cの全て暖房運転を行う暖房運転、室内ユニット67a,67b,67cの全てが冷房運転を行う冷房運転、および室内ユニット67a,67b,67cの一部が冷房運転を行いつつ他の室内ユニットが暖房運転を行う冷暖房同時運転にさらに分けることができる。また、冷暖同時運転については、室内ユニット67a,67b,67c全体の空調負荷により、室外ユニット61の室外熱交換器612を蒸発器として機能させて運転している場合(蒸発運転状態)と、室外ユニット61の室外熱交換器612を凝縮器として機能させて運転している場合(凝縮運転状態)とに分けることができる。なお、本空気調和装置6が蓄熱ユニット非利用運転を行う場合は、接続ユニット69dの高圧ガス開閉弁SV1dおよび低圧ガス開閉弁SV2dはともに閉止された状態とされ、蓄熱ユニット64の蓄熱用膨張弁EV2は全開状態とされる。
(A)暖房運転
暖房運転時は、四路切換弁613が図18の破線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器612が蒸発器として機能するとともに、高圧ガス冷媒連絡配管693を通じて室内ユニット67a,67b,67cに圧縮機611において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒が供給されるようになる。接続ユニット69a,69b,69cにおいては、低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cが閉止するとともに高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1cが開くことによって、室内ユニット67a,67b,67cの室内熱交換器671a,671b,671cが凝縮器として機能する状態になる。室内ユニット67a,67b,67cにおいては、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cは、例えば、室内熱交換器671a,671b,671cの過冷却度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの暖房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路60の構成において、圧縮機611で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高圧ガス側閉鎖弁633を通じて、高圧ガス冷媒連絡配管693に送られる。
そして、高圧ガス冷媒連絡配管693に送られた高圧のガス冷媒は、3つに分岐されて、各接続ユニット69a,69b,69cの高圧ガス接続管693a,693b,693cに送られる。接続ユニット69a,69b,69cの高圧ガス接続管693a,693b,693cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1cおよび合流ガス接続管694a,694b,694cを通じて、室内ユニット67a,67b,67cの室内熱交換器671a,671b,671cに送られる。
そして、室内熱交換器671a,671b,671cに送られた高圧のガス冷媒は、室内ユニット67a,67b,67cの室内熱交換器671a,671b,671cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって凝縮される。一方、屋内の空気は、加熱されて屋内に供給される。室内熱交換器671a,671b,671cにおいて凝縮された冷媒は、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cを通過した後、接続ユニット69a,69b,69cの液接続管691a,691b,691cに送られる。
そして、液接続管691a,691b,691cに送られた冷媒は、液冷媒連絡配管691に送られて合流する。
そして、液冷媒連絡配管691に送られて合流した冷媒は、室外ユニット61の液側閉鎖弁631を通じて、室外熱交換器612に送られ、室外熱交換器612において蒸発されて低圧のガス冷媒になる。このガス冷媒は、四路切換弁613および気液分離器614を経由して、圧縮機611の吸入側に戻される。このようにして、暖房運転が行われる。
(B)冷房運転
冷房運転時は、四路切換弁613が図18の実線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器612が凝縮器として機能するようになっている。接続ユニット69a,69b,69cにおいては、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1cが閉止するとともに低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cが開くことによって、室内ユニット67a,67b,67cの室内熱交換器671a,671b,671cが蒸発器として機能するとともに、室内ユニット67a,67b,67cの室内熱交換器671a,671b,671cと室外ユニット61の圧縮機611の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡配管692を介して接続された状態になっている。室内ユニット67a,67b,67cにおいては、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cは、例えば、室内熱交換器671a,671b,671cの過熱度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの冷房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路60の構成において、圧縮機611で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁613を通じて、室外熱交換器612に送られる。そして、室外熱交換器612に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器612において凝縮され液冷媒となる。その液冷媒は、液側閉鎖弁631を通じて、液冷媒連絡配管691に送られる。
そして、液冷媒連絡配管691に送られた液冷媒は、3つに分岐されて、各接続ユニット69a,69b,69cの液接続管691a,691b,691cに送られる。そして、接続ユニット69a,69b,69cの液接続管691a,691b,691cに送られた冷媒は、室内ユニット67a,67b,67cの室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cに送られる。
そして、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cに送られた冷媒は、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cによって減圧された後、室内熱交換器671a,671b,671cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって蒸発されて低圧のガス冷媒となる。一方、屋内の空気は、冷却されて屋内に供給される。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット69a,69b,69cの合流ガス接続管694a,694b,694cに送られる。
そして、合流ガス接続管694a,694b,694cに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cおよび低圧ガス接続管692a,692b,692cを通じて、低圧ガス冷媒連絡配管692に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡配管692に送られて合流した低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁632および気液分離器614を経由して、圧縮機611の吸入側に戻される。このようにして、冷房運転が行われる。
(C)冷暖同時運転(蒸発負荷)
室内ユニット67a,67b,67cのうち、例えば、室内ユニット67aを冷房運転し、かつ、室内ユニット67b,67cを暖房運転する冷暖同時運転モードであって、室内ユニット67a,67b,67c全体の空調負荷に応じて、室外ユニット61の室外熱交換器612を蒸発器として機能させる運転(蒸発運転)について説明する。この際、上述の暖房運転モードと同様に、四路切換弁613が図18の破線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器612が蒸発器として機能するとともに、高圧ガス冷媒連絡配管693を通じて室内ユニット67b,67cに圧縮機611において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒が供給されるようになる。接続ユニット69aにおいては、高圧ガス開閉弁SV1aが閉止するとともに低圧ガス開閉弁SV2aが開くことによって、室内ユニット67aの室内熱交換器671aを蒸発器として機能させるとともに、室内ユニット67aの室内熱交換器671aと室外ユニット61の圧縮機611の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡配管692を介して接続された状態になっている。室内ユニット67aにおいては、室内側膨張弁EV1aは、例えば、室内熱交換器671aの過熱度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、室内ユニットの冷房負荷に応じて開度調節されている。接続ユニット69b,69cにおいては、低圧ガス開閉弁SV2b,SV2cが閉止するとともに高圧ガス開閉弁SV1b,SV1cが開くことによって、室内ユニット67b,67cの室内熱交換器671b,671cが凝縮器として機能するようになっている。室内ユニット67b,67cにおいては、室内側膨張弁EV1b,EV1cは、例えば、室内熱交換器671b,671cの過冷却度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの暖房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路60の構成において、圧縮機611で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高圧ガス側閉鎖弁633を通じて、高圧ガス冷媒連絡配管693に送られる。
そして、高圧ガス冷媒連絡配管693に送られた高圧のガス冷媒は、2つに分岐されて、各接続ユニット69b,69cの高圧ガス接続管693b,693cに送られる。接続ユニット69b,69cの高圧ガス接続管693b,693cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁SV1b,SV1cおよび合流ガス接続管694b,694cを通じて室内ユニット67b,67cの室内熱交換器671b,671cに送られる。
そして、室内熱交換器671b,671cに送られた高圧のガス冷媒は、室内ユニット67b,67cの室内熱交換器671b,671cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって凝縮される。一方、屋内の空気は、加熱されて屋内に供給される。室内熱交換器671b,671cにおいて凝縮された冷媒は、室内側膨張弁EV1b,EV1cを通過した後、接続ユニット69b,69cの液接続管691b,691cに送られる。
そして、液接続管691b,691cに送られた冷媒は、液冷媒連絡配管691に送られて合流する。
そして、液冷媒連絡配管691に送られて合流した冷媒の一部は、接続ユニット69aの液接続管691aに送られる。そして、接続ユニット69aの液接続管691aに送られた冷媒は、室内ユニット67aの室内側膨張弁EV1aに送られる。
そして、室内側膨張弁EV1aに送られた冷媒は、室内側膨張弁EV1aによって減圧された後、室内熱交換器671aにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって蒸発されて低圧のガス冷媒となる。一方、屋内の空気は、冷却されて屋内に供給される。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット69aの合流ガス接続管694aに送られる。
そして、合流ガス接続管694aに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁SV2aおよび低圧ガス接続管692aを通じて、低圧ガス冷媒連絡配管692に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡配管692に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁632および気液分離器614を経由して、圧縮機611の吸入側に戻される。
一方、液冷媒連絡配管691から接続ユニット69aおよび室内ユニット67aに送られた冷媒を除いた残りの冷媒は、室外ユニット61の液側閉鎖弁631を通じて室外熱交換器612に送られ、室外熱交換器612において蒸発されて低圧のガス冷媒になる。このガス冷媒は、四路切換弁613および気液分離器614を経由して、圧縮機構21の吸入側に戻される。このようにして、冷暖同時運転(蒸発負荷)が行われている。
(D)冷暖同時運転(凝縮負荷)
室内ユニット67a,67b,67cのうち、例えば、室内ユニット67a,67bを冷房運転し、かつ、室内ユニット67cを暖房運転する冷暖同時運転モードであって、室内ユニット67a,67b,67c全体の空調負荷に応じて、室外ユニット61の室外熱交換器612を凝縮器として機能させる運転(凝縮運転)について説明する。この際、四路切換弁613が図18の実線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器612が凝縮器として機能するとともに、高圧ガス冷媒連絡配管693を通じて室内ユニット67cに圧縮機611において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒が供給されるようになる。接続ユニット69a,69bにおいては、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1bが閉止するとともに低圧ガス開閉弁SV2a,SV2bが開くことによって、室内ユニット67a,67bの室内熱交換器671a,671bが蒸発器として機能するとともに、室内ユニット67a,67bの室内熱交換器671a,671bと室外ユニット61の圧縮機611の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡配管692を介して接続された状態になっている。室内ユニット67a,67bにおいては、室内側膨張弁EV1a,EV1bは、例えば、室内熱交換器671a,671bの過熱度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの冷房負荷に応じて開度調節されている。接続ユニット69cにおいては、低圧ガス開閉弁SV2cが閉止するとともに高圧ガス開閉弁SV1cが開くことによって、室内ユニット67cの室内熱交換器671cが凝縮器として機能するようにしている。室内ユニット67cにおいては、室内側膨張弁EV1cは、例えば、室内熱交換器671cの過冷却度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、室内ユニットの暖房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路60の構成において、圧縮機611で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁613を通じて室外熱交換器612に送られるとともに、高圧ガス側閉鎖弁633を通じて高圧ガス冷媒連絡配管693にも送られる。
室外熱交換器612に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器612において凝縮され、液冷媒となる。そして、その液冷媒は、液側閉鎖弁631を通じて、液冷媒連絡配管691に送られる。
また、高圧ガス冷媒連絡配管693に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット69cの高圧ガス接続管693cに送られる。接続ユニット69cの高圧ガス接続管693cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁SV1cおよび合流ガス接続管694cを通じて室内ユニット67cの室内熱交換器671cに送られる。
そして、室内熱交換器671cに送られた高圧のガス冷媒は、室内ユニット67cの室内熱交換器671cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって凝縮される。一方、屋内の空気は、加熱されて屋内に供給される。室内熱交換器671cにおいて凝縮された冷媒は、室内側膨張弁EV1cを通過した後、接続ユニット69cの液接続管691cに送られる。
そして、液接続管691cに送られた冷媒は、液冷媒連絡配管691に送られて、液側閉鎖弁631を通じて液冷媒連絡配管691に送られた冷媒に合流される。
そして、この液冷媒連絡配管691を流れる冷媒は、2つに分岐されて、各接続ユニット69a,69bの液接続管691a,691bに送られる。そして、接続ユニット69a,69bの液接続管691a,691bに送られた冷媒は、室内ユニット67a,67bの室内側膨張弁EV1a,EV1bに送られる。
そして、室内側膨張弁EV1a,EV1bに送られた冷媒は、室内側膨張弁EV1a,EV1bによって減圧された後、室内熱交換器671a,671bにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって蒸発されて低圧のガス冷媒となる。一方、屋内の空気は、冷却されて屋内に供給される。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット69a,69bの合流ガス接続管694a,694bに送られる。
そして、合流ガス接続管694a,694bに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁SV2a,SV2bおよび低圧ガス接続管692a,692bを通じて、低圧ガス冷媒連絡配管692に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡配管692に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁632および気液分離器614を経由して、圧縮機611の吸入側に戻される。このようにして、冷暖同時運転(凝縮負荷)が行われている。
(2)蓄熱ユニット利用運転
蓄熱ユニット利用運転は、蓄熱材に温熱を蓄積させる温蓄熱運転と、温蓄熱運転により蓄熱材に蓄積された温熱を利用して個々の室内機67a,67b,67cの運転状態を維持したまま室外熱交換器612のデフロストを行うデフロスト運転とにさらに分けることができる。また、この蓄熱ユニット利用運転は、主に、複数の室内ユニット67a,67b,67cのほとんど又は全てが暖房運転される状況(つまり、室外熱交換器612に高い蒸発負荷がかかる状況)において利用される。このため、ここでは、室内ユニット67a,67b,67cの全てが暖房運転している状況を代表例として、以下、温蓄熱運転およびデフロスト運転の説明を行う。
(A)温蓄熱運転
温蓄熱運転時は、四路切換弁613が図18の破線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器612が蒸発器として機能するとともに、高圧ガス冷媒連絡配管693を通じて室内ユニット67a,67b,67cおよび蓄熱ユニット64に圧縮機611において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒が供給されるようになる。接続ユニット69a,69b,69c,69dにおいては、低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2c,SV2dが閉止するとともに高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1c,SV1dが開くことによって、室内ユニット67a,67b,67cの室内熱交換器671a,671b,671cおよび蓄熱ユニット64の蓄熱用熱交換器641が凝縮器として機能する状態になる。室内ユニット67a,67b,67cにおいては、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cが、例えば、室内熱交換器671a,671b,671cの過冷却度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの暖房負荷に応じて開度調節されている。また、蓄熱ユニット64においては、蓄熱用膨張弁EV2が、例えば、蓄熱用熱交換器641の過冷却度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等されている。
このような冷媒回路60の構成において、圧縮機611で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高圧ガス側閉鎖弁633を通じて、高圧ガス冷媒連絡配管693に送られる。
そして、高圧ガス冷媒連絡配管693に送られた高圧のガス冷媒は、4つに分岐されて、各接続ユニット69a,69b,69c,69dの高圧ガス接続管693a,693b,693c,693dに送られる。接続ユニット69a,69b,69c,69dの高圧ガス接続管693a,693b,693c,693dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1c,SV1dおよび合流ガス接続管694a,694b,694c,694dを通じて、室内ユニット67a,67b,67cの室内熱交換器671a,671b,671cおよび蓄熱ユニット64の蓄熱用熱交換器641に送られる。
そして、室内熱交換器671a,671b,671cに送られた高圧のガス冷媒は、室内ユニット67a,67b,67cの室内熱交換器671a,671b,671cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって凝縮される。一方、屋内の空気は、加熱されて屋内に供給される。室内熱交換器671a,671b,671cにおいて凝縮された冷媒は、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cを通過した後、接続ユニット69a,69b,69cの液接続管691a,691b,691cに送られる。
一方、蓄熱用熱交換器641に送られた高圧のガス冷媒は、蓄熱ユニット64の蓄熱用熱交換器641において、蓄熱槽642に貯留される蓄熱材を加熱するとともに凝縮される。この際、蓄熱材は、固相から液相に相転移し、ガス冷媒から供給される温熱を主に潜熱として蓄積する。蓄熱用熱交換器641において凝縮された冷媒は、蓄熱用膨張弁EV2を通過した後、接続ユニット69dの液接続管691dに送られる。
そして、液接続管691a,691b,691c,691dに送られた冷媒は、液冷媒連絡配管691に送られて合流する。
そして、液冷媒連絡配管691に送られて合流した冷媒は、室外ユニット61の液側閉鎖弁631を通じて、室外熱交換器612に送られ、室外熱交換器612において蒸発されて低圧のガス冷媒になる。このガス冷媒は、四路切換弁613および気液分離器614を経由して、圧縮機611の吸入側に戻される。このようにして、温蓄熱運転が行われる。
(B)デフロスト運転
デフロスト運転時は、四路切換弁613が図18の実線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器612が凝縮器として機能するとともに、高圧ガス冷媒連絡配管693を通じて室内ユニット67cに圧縮機611において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒が供給されるようになる。接続ユニット69a,69b,69cにおいては、低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cが閉止するとともに高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1cが開くことによって、室内ユニット67a,67b,67cの室内熱交換器671a,671b,671cが凝縮器として機能するようにしている。一方、接続ユニット69dにおいては、高圧ガス開閉弁SV1dが閉止するとともに低圧ガス開閉弁SV2dが開くことによって、蓄熱ユニット64の蓄熱用熱交換器641が蒸発器として機能するとともに、蓄熱ユニット64の蓄熱用熱交換器641と室外ユニット61の圧縮機611の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡配管692を介して接続された状態になっている。なお、この際、蓄熱材には、所定期間(例えば、10分間)、全ての室内ユニット67a,67b,67cにおける最大凝縮負荷の総和を相殺する以上の蒸発負荷を蓄熱用熱交換器612に与えるだけの温熱が蓄積されている。室内ユニット67a,67b,67cにおいては、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cが、例えば、室内熱交換器671a,671b,671cの過冷却度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの暖房負荷に応じて開度調節されている。また、蓄熱ユニット64においては、蓄熱用膨張弁EV2が、例えば、蓄熱用熱交換器641の過熱度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等されている。
このような冷媒回路60の構成において、圧縮機611で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁613を通じて室外熱交換器612に送られるとともに、高圧ガス側閉鎖弁633を通じて高圧ガス冷媒連絡配管693にも送られる。
室外熱交換器612に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器612の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。そして、その液冷媒は、液側閉鎖弁631を通じて、液冷媒連絡配管691に送られる。
また、高圧ガス冷媒連絡配管693に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット69a,69b,69cの高圧ガス接続管693a,693b,693cに送られる。接続ユニット69a,69b,69cの高圧ガス接続管693a,693b,693cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1cおよび合流ガス接続管694a,694b,694cを通じて室内ユニット67a,67b,67cの室内熱交換器671a,671b,671cに送られる。
そして、室内熱交換器671a,671b,671cに送られた高圧のガス冷媒は、室内ユニット67a,67b,67cの室内熱交換器671a,671b,671cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって凝縮される。一方、屋内の空気は、加熱されて屋内に供給される。室内熱交換器671a,671b,671cにおいて凝縮された冷媒は、室内側膨張弁EV1a,EV1b,EV1cを通過した後、接続ユニット69a,69b,69cの液接続管691a,691b,691cに送られる。
そして、液接続管691a,691b,691cに送られた冷媒は、液冷媒連絡配管691に送られて、液側閉鎖弁631を通じて液冷媒連絡配管691に送られた冷媒に合流される。
そして、この液冷媒連絡配管691を流れる冷媒は、接続ユニット69dの液接続管691dに送られる。そして、接続ユニット69dの液接続管691dに送られた冷媒は、蓄熱ユニット64の蓄熱用膨張弁EV2に送られる。
そして、蓄熱用膨張弁EV2に送られた冷媒は、蓄熱用膨張弁EV2によって減圧された後、蓄熱用熱交換器641において、蓄熱材に蓄積されている温熱によって蒸発されて低圧のガス冷媒となる。この際、蓄熱材は、蓄熱していた温熱を徐々に放出していき、その温度が凝固点に達すると(潜熱分を使い切ると)、液相から固相に相転移することとなる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット69dの合流ガス接続管694dに送られる。
そして、合流ガス接続管694dに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁SV2dおよび低圧ガス接続管692dを通じて、低圧ガス冷媒連絡配管692に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡配管692に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁632および気液分離器614を経由して、圧縮機611の吸入側に戻される。
なお、このデフロスト運転は、室外熱交換器612の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。
[空気調和装置の特徴]
(1)
第7実施形態に係る空気調和装置6では、温蓄熱運転において圧縮機611から吐出されたガス冷媒(以下、吐出冷媒という)が室内熱交換器671a,671b,671cと蓄熱用熱交換器641とに分配され、デフロスト運転において吐出冷媒が室内熱交換器671a,671b,671cと室外熱交換器612とに分配される。このため、この空気調和装置6では、温蓄熱運転において室内熱交換器671a,671b,671cと蓄熱用熱交換器641とに、デフロスト運転において室内熱交換器671a,671b,671cと室外熱交換器612とに適切な熱量を分配するのに、冷媒の分配比のみを考慮すればよい。したがって、この空気調和装置1では、比較的な簡単な制御により温蓄熱運転およびデフロスト運転を行うことができる。
(2)
第7実施形態に係る空気調和装置6では、温蓄熱運転において、室内熱交換器671a,671b,671cから流出した冷媒と蓄熱用熱交換器641から流出した冷媒とが合流して室外熱交換器612を通って圧縮機611に吸入される。また、デフロスト運転において、室内熱交換器671a,671b,671cから流出した冷媒と室外熱交換器612から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器641を通って圧縮機611に吸入される。このため、この空気調和装置6では、温蓄熱運転において室内熱交換器671a,671b,671cから流出した冷媒と蓄熱用熱交換器641から流出した冷媒とを室外熱交換器612で一括して蒸発させることができ、デフロスト運転において室内熱交換器671a,671b,671cから流出した冷媒と室外熱交換器612から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器641で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置6では、冷媒回路60の構成をシンプルにすることができる。
(3)
第7実施形態に係る空気調和装置6では、冷媒回路60が、四路切換弁613、高圧ガス開閉弁SV1d、および低圧ガス開閉弁SV2dを有する。このため、この空気調和装置6では、温蓄熱運転とデフロスト運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
[変形例]
第7実施形態に係る空気調和装置6では、蓄熱ユニット64が1台しか設けられなかったが、蓄熱ユニット64は、複数台設けられてもかまわない。
<第8実施形態>
[空気調和装置の構成]
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置7の概略冷媒回路70を図19に示す。
空気調和装置7は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の屋内の冷暖房に使用される装置である。また、この空気調和装置7は、室外熱交換器712に付着する霜を除去するためのデフロスト運転を行うことが可能な仕様になっており、冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地への設置に適する。
空気調和装置7は、主として、1台の室外ユニット71と、複数(本実施形態では、3台)の室内ユニット77a,77b,77cと、1台の氷蓄熱ユニット74と、各室内ユニット77a,77b,77cおよび氷蓄熱ユニット74に接続される接続ユニット79a,79b,79c,79dと、室外ユニット71と氷蓄熱ユニット74とを直接接続する冷媒連絡配管798と、接続ユニット79a,79b,79c,79dを介して室外ユニット71と室内ユニット77a,77b,77cおよび氷蓄熱ユニット74とを接続する冷媒連絡配管792,793と、接続ユニット79a,79b,79cを介して室内ユニット77a,77b,77cと氷蓄熱ユニット74とを接続する冷媒連絡配管791とを備えており、例えば、ある空調空間については冷房運転を行いつつ他の空調空間については暖房運転を行う等のように、室内ユニット77a,77b,77cが設置される屋内の空調空間の要求に応じて、冷暖同時運転が可能になるように構成されている。すなわち、本実施形態の空気調和装置7の蒸気圧縮式の冷媒回路70は、室外ユニット71と、室内ユニット77a,77b,77cと、氷蓄熱ユニット74と、接続ユニット79a,79b,79c,79dと、冷媒連絡配管791,792,793,798とが接続されることによって構成されている。
(1)室内ユニット
室内ユニット77a,77b,77cは、ビル等の屋内の天井に埋め込みや吊り下げ等、または、屋内の壁面に壁掛け等により設置されている。室内ユニット77a,77b,77cは、冷媒連絡配管791,792,793,798、接続ユニット79a,79b,79c、および氷蓄熱ユニット74を介して室外ユニット71に接続されており、冷媒回路70の一部を構成している。
次に、室内ユニット77a,77b,77cの構成について説明する。なお、室内ユニット77aと室内ユニット77b,77cとは同様の構成であるため、ここでは、室内ユニット77aの構成のみ説明し、室内ユニット77b,77cの構成については、各部の説明を省略する。
室内ユニット77aは、主として、冷媒回路70の一部を構成しており、室内側冷媒回路78a(室内ユニット77b,77cでは、それぞれ、室内側冷媒回路78b,78c)を備えている。この室内側冷媒回路78aは、主として、室内側膨張弁EV1aおよび室内熱交換器771aを備えている。本実施形態において、室内側膨張弁EV1aは、室内側冷媒回路78a内を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、室内熱交換器771aの液側に接続された電動膨張弁である。本実施形態において、室内熱交換器771aは、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷媒と屋内空気との熱交換を行うための機器である。本実施形態において、室内ユニット77aは、ユニット内に屋内空気を吸入して、熱交換した後に、供給空気として屋内に供給するための送風ファン(図示せず)を備えており、屋内空気と室内熱交換器771aを流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。
また、室内ユニット77aには、各種のセンサが設けられている。室内熱交換器771aの液側には液冷媒の温度を検出する液側温度センサ(図示せず)が設けられており、室内熱交換器771aのガス側にはガス冷媒の温度を検出するガス側温度センサ(図示せず)が設けられている。さらに、室内ユニット77aには、ユニット内に吸入される屋内空気の温度を検出するRA吸入温度センサ(図示せず)が設けられている。また、室内ユニット77aは、室内ユニット77aを構成する各部の動作を制御する室内側制御部(図示せず)を備えている。そして、室内側制御部は、室内ユニット77aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、室外ユニット71との間で制御信号等のやりとりを行ったりすることができるようになっている。
(2)氷蓄熱ユニット
氷蓄熱ユニット74は、ビル等の屋内等に設置されている。氷蓄熱ユニット74は、冷媒連絡配管792,793,798および接続ユニット79dを介して室外ユニット71に接続されており、冷媒回路70の一部を構成している。
次に、氷蓄熱ユニット74の構成について説明する。氷蓄熱ユニット74は、主として、冷媒回路70の一部を構成しており、蓄熱冷媒回路75を備えている。この蓄熱冷媒回路75は、主として、液ライン75a、蓄熱ライン75b、および利用ライン75cから構成されている。
液ライン75aは、後述する接続ユニット79dの液接続管791dおよび冷媒連絡配管798に接続されるラインであり、第3開閉機構OC3を有している。本実施形態において、第3開閉機構OC3は、開閉可能な第3開閉弁SV3および第3逆止弁763を有している。この第3開閉機構OC3では、第3開閉弁SV3と第3逆止弁763とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第3逆止弁763は、接続ユニット79dの液接続管791d用の接続ポート(図示せず)から冷媒連絡配管798用の接続ポート(図示せず)に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。なお、以下、液ライン75aのうち冷媒連絡配管798用の接続ポートと第3開閉機構OC3との間に位置する液ライン75aを第1液ライン76aといい、液ライン75aのうち接続ユニット79dの液接続管791d用の接続ポートと第3開閉機構OC3との間に位置する液ライン75aを第2液ライン76bという。
蓄熱ライン75bは、一端が後述する接続ユニット79dの合流ガス接続管794dに、他端が第2液ライン76bに接続されるラインであり、蓄熱用熱交換器741および蓄熱用膨張弁EV2を有している。なお、この蓄熱ライン75dでは、蓄熱用交換器741が合流ガス接続管794d用の接続ポート(図示せず)側に、蓄熱用膨張弁EV2が第2液ライン76bとの接続点側に配備されている。本実施形態において、蓄熱用膨張弁EV2は、蓄熱冷媒回路75内を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、蓄熱用熱交換器741の液側に接続された電動膨張弁である。本実施形態において、蓄熱用熱交換器741は、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、冷媒と蓄熱水槽742に貯留されている蓄熱用水との熱交換を行うための機器である。なお、以下、蓄熱ラインのうち合流ガス接続管794d用の接続ポートと蓄熱用熱交換器741との間に位置する蓄熱ライン75bを合流ガス側蓄熱ライン76cという。
利用ライン75cは、一端が合流ガス側蓄熱ライン76cに、他端が第1液ライン76aに接続されるラインであり、第4開閉機構OC4を有している。本実施形態において、第4開閉機構OC4は、開閉可能な第4開閉弁SV4および第4逆止弁764を有している。この第4開閉機構OC4では、第4開閉弁SV4と第4逆止弁764とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第4開閉弁SV4は第1液ライン76a側に、第4逆止弁764は合流ガス側蓄熱ライン76c側に配置される。また、この第4逆止弁764は、第1液ライン76aから合流ガス側蓄熱ライン76cに向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
また、氷蓄熱ユニット74には、各種のセンサが設けられている。蓄熱用熱交換器741の液側には液冷媒の温度を検出する液側温度センサ(図示せず)が設けられており、蓄熱用熱交換器741のガス側にはガス冷媒の温度を検出するガス側温度センサ(図示せず)が設けられている。さらに、蓄熱水槽742には、蓄熱用水の温度を検出する蓄熱温度センサ(図示せず)が設けられている。また、氷蓄熱ユニット74は、氷蓄熱ユニット74を構成する各部の動作を制御する氷蓄熱制御部(図示せず)を備えている。そして、氷蓄熱制御部は、氷蓄熱ユニット74の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、室外ユニット71との間で制御信号等のやりとりを行ったりすることができるようになっている。
(3)室外ユニット
室外ユニット71は、ビル等の屋上等に設置されており、接続ユニット79dおよび冷媒連絡配管792,793,798を介して氷蓄熱ユニット74に接続され、接続ユニット79a,79b,79c、冷媒連絡配管791,792,793,798、および蓄熱ユニット74を介して室内ユニット77a,77b,77cに接続されており、室内ユニット77a,77b,77cおよび氷蓄熱ユニット74の間で冷媒回路70を構成している。
次に、室外ユニット71の構成について説明する。室外ユニット71は、主として、冷媒回路70の一部を構成しており、室外側冷媒回路7aを備えている。この室外側冷媒回路7aは、主として、圧縮機711、四路切換弁713、室外熱交換器712、気液分離器714、減圧回路70a、液側閉鎖弁731、高圧ガス側閉鎖弁733、および低圧ガス側閉鎖弁732を備えている。
圧縮機711は、本実施形態において、インバータ制御により運転容量を可変することが可能な容積式圧縮機である。本実施形態において、圧縮機711は、1台のみであるが、これに限定されず、室内ユニットの接続台数等に応じて、2台以上の圧縮機が並列に接続されたものであってもよい。
室外熱交換器712は、冷媒の蒸発器および冷媒の凝縮器として機能させることが可能な熱交換器であり、本実施形態において、空気を熱源として冷媒と熱交換するクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室外熱交換器712は、そのガス側が四路切換弁713に接続され、その液側が液側閉鎖弁731に接続されている。
液側閉鎖弁731、高圧ガス側閉鎖弁733、および低圧ガス側閉鎖弁732は、外部の機器・配管(具体的には、冷媒連絡配管792,793,798)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁731は、室外熱交換器712に接続されている。高圧ガス側閉鎖弁733は、圧縮機711の吐出管726に接続されている。低圧ガス側閉鎖弁732は、気液分離器714を介して圧縮機711の吸入側に接続されている。
減圧回路70aは、キャピラリーチューブ738を有しており、四路切換弁713および気液分離器714に接続されている。
また、室外ユニット71には、各種のセンサが設けられている。具体的には、室外ユニット71は、圧縮機711の吸入圧力を検出する吸入圧力センサ(図示せず)と、圧縮機711の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ(図示せず)と、圧縮機構711の吐出側の冷媒の吐出温度を検出する吐出温度センサ(図示せず)とが設けられている。また、室外ユニット71は、室外ユニット71を構成する各部の動作を制御する室外側制御部(図示せず)を備えている。そして、室外側制御部は、室外ユニット71の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、室内ユニット77a,77b,77cの室内側制御部との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
(4)接続ユニット
接続ユニット79a,79b,79c,79dは、ビル等の屋内に室内ユニット77a,77b,77cおよび氷蓄熱ユニット74とともに設置されている。接続ユニット79a,79b,79c,79dは、冷媒連絡配管791,792,793とともに、室内ユニット77a,77b,77cおよび氷蓄熱ユニット74と室外ユニット71との間に介在しており、冷媒回路70の一部を構成している。
次に、接続ユニット79a,79b,79c,79dの構成について説明する。なお、接続ユニット79aと接続ユニット79b,79cとは同様の構成であるため、ここでは、接続ユニット79aの構成のみ説明し、接続ユニット79b,79cの構成については、各部の説明を省略する。接続ユニット79dも接続ユニット79a,79b,79cと同様の構成であるが、本実施形態においては接続対象77a,74が異なるため、接続ユニット79dについは接続ユニット79aと併せて説明する。
接続ユニット79a,79dは、主として、冷媒回路70の一部を構成しており、接続側冷媒回路799a,799d(接続ユニット79b,79cでは、それぞれ、接続側冷媒回路799b,799c)を備えている。この接続側冷媒回路799a,799dは、主として、液接続管791a,791d、ガス接続管795a,795d、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1d、および低圧ガス開閉弁SV2a,SV2dを有している。
本実施形態において、液接続管791a,791dは、液冷媒連絡配管791と室内側冷媒回路78aの室内側膨張弁EV1aおよび蓄熱冷媒回路75の第2液ライン76bとを接続している。ガス接続管795a,795dは、高圧ガス冷媒連絡配管793に接続された高圧ガス接続管793a,795dと、低圧ガス冷媒連絡配管792に接続された低圧ガス接続管792a,792dと、高圧ガス接続管793a,793dと低圧ガス接続管792a,792dとを合流させる合流ガス接続管794a,794dとを有している。合流ガス接続管794a,794dは、室内側冷媒回路78aの室内熱交換器771aのガス側および蓄熱冷媒回路75の合流ガス側蓄熱ライン76cに接続されている。そして、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1dは、本実施形態において、高圧ガス接続管793a,793dに接続されており、冷媒の流通および遮断が可能な電磁弁である。低圧ガス開閉弁SV2a,SV2dは、本実施形態において、低圧ガス接続管792a,792dに接続されており、冷媒の流通および遮断が可能な電磁弁である。これにより、接続ユニット79aは、室内ユニット77aが冷房運転を行う際には、高圧ガス開閉弁SV1aを閉止し、かつ、低圧ガス開閉弁SV2aを開けた状態にして、液冷媒連絡配管791を通じて液接続管791aに流入する冷媒を室内側冷媒回路78aの室内側膨張弁EV1aに送り、室内側膨張弁EV1aで減圧され室内熱交換器771aにおいて蒸発された後に、合流ガス接続管794aおよび低圧ガス接続管792aを通じて低圧ガス冷媒連絡配管792に戻すように機能することができる。また、接続ユニット79aは、室内ユニット77aが暖房運転を行う際には、低圧ガス開閉弁SV2aを閉止し、かつ、高圧ガス開閉弁SV1aを開けた状態にして、高圧ガス冷媒連絡配管793を通じて高圧ガス接続管793aおよび合流ガス接続管794aに流入する冷媒を室内側冷媒回路78aの室内熱交換器771aのガス側に送り、室内熱交換器771aにおいて凝縮され室内側膨張弁EV1aで減圧された後に、液接続管791aを通じて液冷媒連絡配管791に戻すように機能することができる。また、接続ユニット79dは、氷蓄熱ユニット74が温蓄熱運転(後述)を行う際には、低圧ガス開閉弁SV2dを閉止し、かつ、高圧ガス開閉弁SV1dを開けた状態にして、高圧ガス冷媒連絡配管793を通じて高圧ガス接続管793dおよび合流ガス接続管794dに流入する冷媒を蓄熱冷媒回路75の蓄熱用熱交換器741のガス側に送り、蓄熱用熱交換器741において凝縮され(この際に蓄熱用水に温熱が主に顕熱として蓄積される)蓄熱用膨張弁EV2で減圧された後に、液ライン75aを通じて液冷媒連絡配管798に戻すように機能することができる(なお、この場合、蓄熱冷媒回路75において、第3開閉弁SV3および第4開閉弁SV4は閉止された状態とされる)。また、接続ユニット79dは、本空気調和装置7がデフロスト運転(後述)を行う際には、高圧ガス開閉弁SV1dを閉止し、かつ、低圧ガス開閉弁SV2dを開けた状態にして、液冷媒連絡配管798を通じて蓄熱冷媒回路75の第2液ライン76bに流入する冷媒を蓄熱用膨張弁EV2に送り、蓄熱用膨張弁EV2で減圧され蓄熱用熱交換器741において蒸発された後に(この際に蓄熱用水から温熱が放出される)、合流ガス接続管794dおよび低圧ガス接続管792dを通じて低圧ガス冷媒連絡配管792に戻すように機能することができる(なお、この場合、蓄熱冷媒回路75において、第3開閉弁SV3は開けた状態とされ、第4開閉弁SV4は閉止された状態とされる)。また、接続ユニット79dは、氷蓄熱ユニット74が氷蓄熱運転(後述)を行う際には、高圧ガス開閉弁SV1dを閉止し、かつ、低圧ガス開閉弁SV2dを開けた状態にして、液冷媒連絡配管798を通じて蓄熱冷媒回路75の第2液ライン76bに流入する冷媒を蓄熱用膨張弁EV2に送り、蓄熱用膨張弁EV2で減圧され蓄熱用熱交換器741において蒸発された後に(この際に蓄熱用水に冷熱が主に潜熱として蓄積される)、合流ガス接続管794dおよび低圧ガス接続管792dを通じて低圧ガス冷媒連絡配管792に戻すように機能することができる(なお、この場合、蓄熱冷媒回路75において、第3開閉弁SV3は開けた状態とされ、第4開閉弁SV4は閉止された状態とされる)。また、接続ユニット79dは、本空気調和装置7が第1氷蓄熱利用冷房運転(後述)を行う際には、低圧ガス開閉弁SV2dを閉止し、かつ、高圧ガス開閉弁SV1dを開けた状態にして、高圧ガス冷媒連絡配管793を通じて高圧ガス接続管793dおよび合流ガス接続管794dに流入する冷媒を蓄熱冷媒回路75の蓄熱用熱交換器741のガス側に送り、蓄熱用熱交換器741において凝縮され(この際に蓄熱用水から冷熱が放出される)、蓄熱用膨張弁EV2および液接続管791dを通じて液冷媒連絡配管791に移るように機能することができる(なお、この場合、蓄熱冷媒回路75において、第3開閉弁SV3は開けた状態とされ、第4開閉弁SV4は閉止された状態とされる)。また、接続ユニット79dは、本空気調和装置7が第2氷蓄熱利用冷房運転(後述)を行う際には、高圧ガス開閉弁SV1dおよび低圧ガス開閉弁SV2dを閉止した状態にして、液冷媒連絡配管798を通じて蓄熱冷媒回路75の利用ライン75cに流入する冷媒を蓄熱用熱交換器741のガス側に送り、蓄熱用熱交換器741において凝縮され又はさらに冷却され(この際に蓄熱用水から冷熱が放出される)、蓄熱用膨張弁EV2および液接続管791dを通じて液冷媒連絡配管791に移るように機能することができる(なお、この場合、蓄熱冷媒回路75において、第3開閉弁SV3は閉止された状態とされ、第4開閉弁SV4は開けた状態とされる)。
また、接続ユニット79a,79dは、接続ユニット79a,79dを構成する各部の動作を制御する接続側制御部(図示せず)を備えている。そして、接続側制御部は、接続ユニット79a,79dの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、室内ユニット77aの室内側制御部および氷蓄熱ユニット74の氷蓄熱制御部との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
以上のように、室内側冷媒回路78a,78b,78c、蓄熱冷媒回路75、室外側冷媒回路7a、冷媒連絡配管791,792,793,798、および接続側冷媒回路799a,799b,799c,799dが接続されて、空気調和装置7の冷媒回路70が構成されている。そして、本実施形態の空気調和装置7では、例えば、室内ユニット77a,77bが冷房運転を行いつつ、室内ユニット77cが暖房運転を行う等の、いわゆる、冷暖同時運転を行うことが可能になっている。
[空気調和装置の動作]
次に、本実施形態の空気調和装置7の動作について説明する。
本実施形態の空気調和装置7の運転は、氷蓄熱ユニット74を利用しない氷蓄熱ユニット非利用運転と氷蓄熱ユニット74を利用する氷蓄熱ユニット利用運転とに大別される。以下、氷蓄熱ユニット非利用運転と氷蓄熱ユニット利用運転とに分けて本空気調和装置7の運転について説明する。
(1)氷蓄熱ユニット非利用運転
氷蓄熱ユニット非利用運転は、各室内ユニット77a,77b,77cの空調負荷に応じて、室内ユニット77a,77b,77cの全て暖房運転を行う暖房運転、室内ユニット77a,77b,77cの全てが冷房運転を行う冷房運転、および室内ユニット77a,77b,77cの一部が冷房運転を行いつつ他の室内ユニットが暖房運転を行う冷暖房同時運転にさらに分けることができる。また、冷暖同時運転については、室内ユニット77a,77b,77c全体の空調負荷により、室外ユニット71の室外熱交換器712を蒸発器として機能させて運転している場合(蒸発運転状態)と、室外ユニット71の室外熱交換器712を凝縮器として機能させて運転している場合(凝縮運転状態)とに分けることができる。なお、本空気調和装置7が氷蓄熱ユニット非利用運転を行う場合は、接続ユニット79dの高圧ガス開閉弁SV1dおよび低圧ガス開閉弁SV2dはともに閉止された状態とされる。また、氷蓄熱ユニット74の蓄熱用膨張弁EV2は全開状態とされ、第4開閉弁SV4は閉止された状態とされる。また、氷蓄熱ユニット74の第3開閉弁SV3は、冷房運転時および冷暖同時運転(凝縮運転状態)時には開けた状態とされ、暖房運転時および冷暖同時運転(蒸発運転状態)時には閉止された状態とされる。
(A)暖房運転
暖房運転時は、四路切換弁713が図19の破線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器712が蒸発器として機能するとともに、高圧ガス冷媒連絡配管793を通じて室内ユニット77a,77b,77cに圧縮機711において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒が供給されるようになる。接続ユニット79a,79b,79cにおいては、低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cが閉止するとともに高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1cが開くことによって、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cが凝縮器として機能する状態になる。室内ユニット77a,77b,77cにおいては、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cは、例えば、室内熱交換器771a,771b,771cの過冷却度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの暖房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路70の構成において、圧縮機711で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高圧ガス側閉鎖弁733を通じて、高圧ガス冷媒連絡配管793に送られる。
そして、高圧ガス冷媒連絡配管793に送られた高圧のガス冷媒は、3つに分岐されて、各接続ユニット79a,79b,79cの高圧ガス接続管793a,793b,793cに送られる。接続ユニット79a,79b,79cの高圧ガス接続管793a,793b,793cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1cおよび合流ガス接続管794a,794b,794cを通じて、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cに送られる。
そして、室内熱交換器771a,771b,771cに送られた高圧のガス冷媒は、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって凝縮される。一方、屋内の空気は、加熱されて屋内に供給される。室内熱交換器771a,771b,771cにおいて凝縮された冷媒は、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cを通過した後、接続ユニット79a,79b,79cの液接続管791a,791b,791cに送られる。
そして、液接続管791a,791b,791cに送られた冷媒は、液冷媒連絡配管791に送られて合流する。
そして、液冷媒連絡配管791に送られて合流した冷媒は、接続ユニット79dの液接続管791d、蓄熱冷媒回路75の液ライン75a、液冷媒連絡配管798、および室外ユニット71の液側閉鎖弁731を通じて、室外熱交換器712に送られ、室外熱交換器712において蒸発されて低圧のガス冷媒になる。このガス冷媒は、四路切換弁713および気液分離器714を経由して、圧縮機711の吸入側に戻される。このようにして、暖房運転が行われる。
(B)冷房運転
冷房運転時は、四路切換弁713が図19の実線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器712が凝縮器として機能するようになっている。接続ユニット79a,79b,79cにおいては、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1cが閉止するとともに低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cが開くことによって、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cが蒸発器として機能するとともに、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cと室外ユニット71の圧縮機711の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡配管792を介して接続された状態になっている。室内ユニット77a,77b,77cにおいては、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cは、例えば、室内熱交換器771a,771b,771cの過熱度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの冷房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路70の構成において、圧縮機711で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁713を通じて、室外熱交換器712に送られる。そして、室外熱交換器712に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器712において凝縮され液冷媒となる。その液冷媒は、液側閉鎖弁731、液冷媒連絡配管798、蓄熱冷媒回路75の液ライン75a、接続ユニット79dの液接続管791dを通じて、液冷媒連絡配管791に送られる。
そして、液冷媒連絡配管791に送られた液冷媒は、3つに分岐されて、各接続ユニット79a,79b,79cの液接続管791a,791b,791cに送られる。そして、接続ユニット79a,79b,79cの液接続管791a,791b,791cに送られた冷媒は、室内ユニット77a,77b,77cの室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cに送られる。
そして、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cに送られた冷媒は、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cによって減圧された後、室内熱交換器771a,771b,771cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって蒸発されて低圧のガス冷媒となる。一方、屋内の空気は、冷却されて屋内に供給される。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット79a,79b,79cの合流ガス接続管794a,794b,794cに送られる。
そして、合流ガス接続管794a,794b,794cに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cおよび低圧ガス接続管792a,792b,792cを通じて、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られて合流した低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁732および気液分離器714を経由して、圧縮機711の吸入側に戻される。このようにして、冷房運転が行われる。
(C)冷暖同時運転(蒸発負荷)
室内ユニット77a,77b,77cのうち、例えば、室内ユニット77aを冷房運転し、かつ、室内ユニット77b,77cを暖房運転する冷暖同時運転モードであって、室内ユニット77a,77b,77c全体の空調負荷に応じて、室外ユニット71の室外熱交換器712を蒸発器として機能させる運転(蒸発運転)について説明する。この際、上述の暖房運転モードと同様に、四路切換弁713が図19の破線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器712が蒸発器として機能するとともに、高圧ガス冷媒連絡配管793を通じて室内ユニット77b,77cに圧縮機711において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒が供給されるようになる。接続ユニット79aにおいては、高圧ガス開閉弁SV1aが閉止するとともに低圧ガス開閉弁SV2aが開くことによって、室内ユニット77aの室内熱交換器771aを蒸発器として機能させるとともに、室内ユニット77aの室内熱交換器771aと室外ユニット71の圧縮機711の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡配管792を介して接続された状態になっている。室内ユニット77aにおいては、室内側膨張弁EV1aは、例えば、室内熱交換器771aの過熱度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、室内ユニットの冷房負荷に応じて開度調節されている。接続ユニット79b,79cにおいては、低圧ガス開閉弁SV2b,SV2cが閉止するとともに高圧ガス開閉弁SV1b,SV1cが開くことによって、室内ユニット77b,77cの室内熱交換器771b,771cが凝縮器として機能するようになっている。室内ユニット77b,77cにおいては、室内側膨張弁EV1b,EV1cは、例えば、室内熱交換器771b,771cの過冷却度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの暖房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路70の構成において、圧縮機711で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高圧ガス側閉鎖弁733を通じて、高圧ガス冷媒連絡配管793に送られる。
そして、高圧ガス冷媒連絡配管793に送られた高圧のガス冷媒は、2つに分岐されて、各接続ユニット79b,79cの高圧ガス接続管793b,793cに送られる。接続ユニット79b,79cの高圧ガス接続管793b,793cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁SV1b,SV1cおよび合流ガス接続管794b,794cを通じて室内ユニット77b,77cの室内熱交換器771b,771cに送られる。
そして、室内熱交換器771b,771cに送られた高圧のガス冷媒は、室内ユニット77b,77cの室内熱交換器771b,771cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって凝縮される。一方、屋内の空気は、加熱されて屋内に供給される。室内熱交換器771b,771cにおいて凝縮された冷媒は、室内側膨張弁EV1b,EV1cを通過した後、接続ユニット79b,79cの液接続管791b,791cに送られる。
そして、液接続管791b,791cに送られた冷媒は、液冷媒連絡配管791に送られて合流する。
そして、液冷媒連絡配管791に送られて合流した冷媒の一部は、接続ユニット79aの液接続管791aに送られる。そして、接続ユニット79aの液接続管791aに送られた冷媒は、室内ユニット77aの室内側膨張弁EV1aに送られる。
そして、室内側膨張弁EV1aに送られた冷媒は、室内側膨張弁EV1aによって減圧された後、室内熱交換器771aにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって蒸発されて低圧のガス冷媒となる。一方、屋内の空気は、冷却されて屋内に供給される。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット79aの合流ガス接続管794aに送られる。
そして、合流ガス接続管794aに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁SV2aおよび低圧ガス接続管792aを通じて、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁732および気液分離器714を経由して、圧縮機711の吸入側に戻される。
一方、液冷媒連絡配管791から接続ユニット79aおよび室内ユニット77aに送られた冷媒を除いた残りの冷媒は、接続ユニット79dの液接続管791d、蓄熱冷媒回路75の液ライン75a、液冷媒連絡配管798、および室外ユニット71の液側閉鎖弁731を通じて室外熱交換器712に送られ、室外熱交換器712において蒸発されて低圧のガス冷媒になる。このガス冷媒は、四路切換弁713および気液分離器714を経由して、圧縮機構21の吸入側に戻される。このようにして、冷暖同時運転(蒸発負荷)が行われている。
(D)冷暖同時運転(凝縮負荷)
室内ユニット77a,77b,77cのうち、例えば、室内ユニット77a,77bを冷房運転し、かつ、室内ユニット77cを暖房運転する冷暖同時運転モードであって、室内ユニット77a,77b,77c全体の空調負荷に応じて、室外ユニット71の室外熱交換器712を凝縮器として機能させる運転(凝縮運転)について説明する。この際、四路切換弁713が図19の実線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器712が凝縮器として機能するとともに、高圧ガス冷媒連絡配管793を通じて室内ユニット77cに圧縮機711において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒が供給されるようになる。接続ユニット79a,79bにおいては、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1bが閉止するとともに低圧ガス開閉弁SV2a,SV2bが開くことによって、室内ユニット77a,77bの室内熱交換器771a,771bが蒸発器として機能するとともに、室内ユニット77a,77bの室内熱交換器771a,771bと室外ユニット71の圧縮機711の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡配管792を介して接続された状態になっている。室内ユニット77a,77bにおいては、室内側膨張弁EV1a,EV1bは、例えば、室内熱交換器771a,771bの過熱度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの冷房負荷に応じて開度調節されている。接続ユニット79cにおいては、低圧ガス開閉弁SV2cが閉止するとともに高圧ガス開閉弁SV1cが開くことによって、室内ユニット77cの室内熱交換器771cが凝縮器として機能するようにしている。室内ユニット77cにおいては、室内側膨張弁EV1cは、例えば、室内熱交換器771cの過冷却度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、室内ユニットの暖房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路70の構成において、圧縮機711で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁713を通じて室外熱交換器712に送られるとともに、高圧ガス側閉鎖弁733を通じて高圧ガス冷媒連絡配管793にも送られる。
室外熱交換器712に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器712において凝縮され、液冷媒となる。そして、その液冷媒は、液側閉鎖弁731、液冷媒連絡配管798、蓄熱冷媒回路75の液ライン75a、接続ユニット79dの液接続管791dを通じて、液冷媒連絡配管791に送られる。
また、高圧ガス冷媒連絡配管793に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット79cの高圧ガス接続管793cに送られる。接続ユニット79cの高圧ガス接続管793cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁SV1cおよび合流ガス接続管794cを通じて室内ユニット77cの室内熱交換器771cに送られる。
そして、室内熱交換器771cに送られた高圧のガス冷媒は、室内ユニット77cの室内熱交換器771cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって凝縮される。一方、屋内の空気は、加熱されて屋内に供給される。室内熱交換器771cにおいて凝縮された冷媒は、室内側膨張弁EV1cを通過した後、接続ユニット79cの液接続管791cに送られる。
そして、液接続管791cに送られた冷媒は、液冷媒連絡配管791に送られて、液側閉鎖弁731、液冷媒連絡配管798、蓄熱冷媒回路75の液ライン75a、接続ユニット79dの液接続管791dを通じて液冷媒連絡配管791に送られた冷媒に合流される。
そして、この液冷媒連絡配管791を流れる冷媒は、2つに分岐されて、各接続ユニット79a,79bの液接続管791a,791bに送られる。そして、接続ユニット79a,79bの液接続管791a,791bに送られた冷媒は、室内ユニット77a,77bの室内側膨張弁EV1a,EV1bに送られる。
そして、室内側膨張弁EV1a,EV1bに送られた冷媒は、室内側膨張弁EV1a,EV1bによって減圧された後、室内熱交換器771a,771bにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって蒸発されて低圧のガス冷媒となる。一方、屋内の空気は、冷却されて屋内に供給される。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット79a,79bの合流ガス接続管794a,794bに送られる。
そして、合流ガス接続管794a,794bに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁SV2a,SV2bおよび低圧ガス接続管792a,792bを通じて、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁732および気液分離器714を経由して、圧縮機711の吸入側に戻される。このようにして、冷暖同時運転(凝縮負荷)が行われている。
(2)氷蓄熱ユニット利用運転
氷蓄熱ユニット利用運転は、蓄熱用水に温熱を蓄積させる温蓄熱運転、温蓄熱運転により蓄熱用水に蓄積された温熱を利用して個々の室内機77a,77b,77cの運転状態を維持したまま室外熱交換器712のデフロストを行うデフロスト運転、蓄熱用水に冷熱を蓄積させる氷蓄熱運転、ならびに氷蓄熱運転により蓄熱用水に蓄積された冷熱を利用して電力ピークを調節するための第1氷蓄熱利用運転(電力ピークカット運転)および第2氷蓄熱利用運転(電力ピークシフト運転)にさらに分けることができる。これらの運転のうち、温蓄熱運転およびデフロスト運転は、主に、複数の室内ユニット77a,77b,77cのほとんど又は全てが暖房運転される状況(つまり、室外熱交換器712に高い蒸発負荷がかかる状況)において利用される。このため、温蓄熱運転およびデフロスト運転については、室内ユニット77a,77b,77cの全てが暖房運転している状況を代表にとって説明を行う。また、氷蓄熱運転は、主に、深夜など、室内ユニット77a,77b,77cが停止されている状況で行われる。このため、氷蓄熱運転については、室内ユニット77a,77b,77cの全てが停止している状況を代表にとって説明を行う。また、第1氷蓄熱利用運転および第2氷蓄熱利用運転は、主に、複数の室内ユニット77a,77b,77cのほとんど又は全てが冷房運転される状況(つまり、室外熱交換器712に高い凝縮負荷がかかる状況)において利用される。このため、第1氷蓄熱利用運転および第2氷蓄熱利用運転については、室内ユニット77a,77b,77cの全てが冷房運転している状況を代表にとって説明を行う。
(A)温蓄熱運転
温蓄熱運転時は、四路切換弁713が図19の破線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器712が蒸発器として機能するとともに、高圧ガス冷媒連絡配管793を通じて室内ユニット77a,77b,77cおよび蓄熱ユニット74に圧縮機711において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒が供給されるようになる。接続ユニット79a,79b,79c,79dにおいては、低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2c,SV2dが閉止するとともに高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1c,SV1dが開くことによって、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cおよび蓄熱ユニット74の蓄熱用熱交換器741が凝縮器として機能する状態になる。室内ユニット77a,77b,77cにおいては、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cが、例えば、室内熱交換器771a,771b,771cの過冷却度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの暖房負荷に応じて開度調節されている。また、蓄熱ユニット74においては、第3開閉弁SV3および第4開閉弁SV4が閉止された状態とされ、蓄熱用膨張弁EV2が例えば蓄熱用熱交換器741の過冷却度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等されている。
このような冷媒回路70の構成において、圧縮機711で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、高圧ガス側閉鎖弁733を通じて、高圧ガス冷媒連絡配管793に送られる。
そして、高圧ガス冷媒連絡配管793に送られた高圧のガス冷媒は、4つに分岐されて、各接続ユニット79a,79b,79c,79dの高圧ガス接続管793a,793b,793c,793dに送られる。接続ユニット79a,79b,79c,79dの高圧ガス接続管793a,793b,793c,793dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1c,SV1dおよび合流ガス接続管794a,794b,794c,794dを通じて、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cおよび蓄熱ユニット74の蓄熱用熱交換器741に送られる。
そして、室内熱交換器771a,771b,771cに送られた高圧のガス冷媒は、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって凝縮される。一方、屋内の空気は、加熱されて屋内に供給される。室内熱交換器771a,771b,771cにおいて凝縮された冷媒は、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cおよび接続ユニット79a,79b,79cの液接続管791a,791b,791cを通過した後、液冷媒連絡配管791に送られて合流する。
一方、蓄熱用熱交換器741に送られた高圧のガス冷媒は、蓄熱ユニット74の蓄熱用熱交換器741において、蓄熱槽742に貯留される蓄熱材を加熱するとともに凝縮される。この際、蓄熱材は、固相から液相に相転移し、ガス冷媒から供給される温熱を主に潜熱として蓄積する。蓄熱用熱交換器741において凝縮された冷媒は、蓄熱用膨張弁EV2を通過した後、蓄熱冷媒回路75の第2液ライン76bに送られる。
そして、液冷媒連絡配管791に送られて合流した冷媒は、蓄熱冷媒回路75の第2液ライン76bに送られて蓄熱用熱交換器741において凝縮された冷媒と合流する。
そして、蓄熱冷媒回路75の第2液ライン76bにおいて合流した冷媒は、蓄熱冷媒回路75の第1液ライン76a、液冷媒連絡配管798、および室外ユニット71の液側閉鎖弁731を通じて、室外熱交換器712に送られ、室外熱交換器712において蒸発されて低圧のガス冷媒になる。このガス冷媒は、四路切換弁713および気液分離器714を経由して、圧縮機711の吸入側に戻される。このようにして、温蓄熱運転が行われる。
(B)デフロスト運転
デフロスト運転時は、四路切換弁713が図19の実線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器712が凝縮器として機能するとともに、高圧ガス冷媒連絡配管793を通じて室内ユニット77cに圧縮機711において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒が供給されるようになる。接続ユニット79a,79b,79cにおいては、低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cが閉止するとともに高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1cが開くことによって、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cが凝縮器として機能するようにしている。一方、接続ユニット79dにおいては、高圧ガス開閉弁SV1dが閉止するとともに低圧ガス開閉弁SV2dが開くことによって、蓄熱ユニット74の蓄熱用熱交換器741が蒸発器として機能するとともに、蓄熱ユニット74の蓄熱用熱交換器741と室外ユニット71の圧縮機711の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡配管792を介して接続された状態になっている。なお、この際、蓄熱材には、所定期間(例えば、10分間)、全ての室内ユニット77a,77b,77cにおける最大凝縮負荷の総和を相殺する以上の蒸発負荷を蓄熱用熱交換器712に与えるだけの温熱が蓄積されている。室内ユニット77a,77b,77cにおいては、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cが、例えば、室内熱交換器771a,771b,771cの過冷却度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの暖房負荷に応じて開度調節されている。また、蓄熱ユニット74においては、第3開閉弁SV3が開けた状態とされ、第4開閉弁SV4が閉止された状態とされ、蓄熱用膨張弁EV2が例えば蓄熱用熱交換器741の過熱度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等されている。
このような冷媒回路70の構成において、圧縮機711で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁713を通じて室外熱交換器712に送られるとともに、高圧ガス側閉鎖弁733を通じて高圧ガス冷媒連絡配管793にも送られる。
室外熱交換器712に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器712の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。そして、その液冷媒は、液側閉鎖弁731および液冷媒連絡配管798を通じて、蓄熱冷媒回路75の第2液ライン76bに送られる。
また、高圧ガス冷媒連絡配管793に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット79a,79b,79cの高圧ガス接続管793a,793b,793cに送られる。接続ユニット79a,79b,79cの高圧ガス接続管793a,793b,793cに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1cおよび合流ガス接続管794a,794b,794cを通じて室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cに送られる。
そして、室内熱交換器771a,771b,771cに送られた高圧のガス冷媒は、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって凝縮される。一方、屋内の空気は、加熱されて屋内に供給される。室内熱交換器771a,771b,771cにおいて凝縮された冷媒は、室内側膨張弁EV1a,EV1b,EV1cを通過した後、接続ユニット79a,79b,79cの液接続管791a,791b,791cに送られる。
そして、液接続管791a,791b,791cに送られた冷媒は、液冷媒連絡配管791を通じて蓄熱冷媒回路75の第2液ライン76bに送られ、液側閉鎖弁731および液冷媒連絡配管798を通じて蓄熱冷媒回路75の第2液ライン76bに送られた冷媒に合流される。
そして、この蓄熱冷媒回路75の第2液ライン76bを流れる冷媒は、蓄熱用膨張弁EV2に送られる。
そして、蓄熱用膨張弁EV2に送られた冷媒は、蓄熱用膨張弁EV2によって減圧された後、蓄熱用熱交換器741において、蓄熱材に蓄積されている温熱によって蒸発されて低圧のガス冷媒となる。この際、蓄熱材は、蓄熱していた温熱を徐々に放出していき、その温度が凝固点に達すると(潜熱分を使い切ると)、液相から固相に相転移することとなる。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット79dの合流ガス接続管794dに送られる。
そして、合流ガス接続管794dに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁SV2dおよび低圧ガス接続管792dを通じて、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁732および気液分離器714を経由して、圧縮機711の吸入側に戻される。
なお、このデフロスト運転は、室外熱交換器712の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。
(C)氷蓄熱運転
氷蓄熱運転時は、四路切換弁713が図19の実線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器712が凝縮器として機能するようになっている。接続ユニット79a,79b,79cにおいては、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1c,SV1dおよび低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cが閉止され、低圧ガス開閉弁SV2dが開くことによって、氷蓄熱ユニット74の蓄熱用熱交換器741が蒸発器として機能するとともに、氷蓄熱ユニット74の蓄熱用熱交換器741と室外ユニット71の圧縮機711の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡配管792を介して接続された状態になっている。氷蓄熱ユニット74においては、第3開閉弁SV3が開けた状態とされ、第4開閉弁SV4が閉止された状態とされ、蓄熱用膨張弁EV2が例えば蓄熱用熱交換器741の過熱度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等されている。
このような冷媒回路70の構成において、圧縮機711で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁713を通じて、室外熱交換器712に送られる。そして、室外熱交換器712に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器712において凝縮され液冷媒となる。その液冷媒は、液側閉鎖弁731、液冷媒連絡配管798、および蓄熱冷媒回路75の第2液ライン76bを通じて、蓄熱用膨張弁EV2に送られる。
そして、蓄熱用膨張弁EV2に送られた液冷媒は、蓄熱用膨張弁EV2によって減圧された後、蓄熱用熱交換器741において、蓄熱用水を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。この際、蓄熱用水は、液相から固相に相転移し、液冷媒から供給される冷熱を主に潜熱として蓄積する。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット79dの合流ガス接続管794dに送られる。
そして、合流ガス接続管794dに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁SV2dおよび低圧ガス接続管792dを通じて、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られる。
そして、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁732および気液分離器714を経由して、圧縮機711の吸入側に戻される。このようにして、氷蓄熱運転が行われる。
(D)第1氷蓄熱利用運転(電力ピークカット運転)
第1氷蓄熱利用運転時は、四路切換弁713が図19の実線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器712が凝縮器として機能するようになっている。接続ユニット79a,79b,79cにおいては、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1cが閉止するとともに低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cが開くことによって、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cが蒸発器として機能するとともに、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cと室外ユニット71の圧縮機711の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡配管792を介して接続された状態になっている。室内ユニット77a,77b,77cにおいては、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cは、例えば、室内熱交換器771a,771b,771cの過熱度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの冷房負荷に応じて開度調節されている。接続ユニット79dにおいては、低圧ガス開閉弁SV2dが閉止するとともに高圧ガス開閉弁SV1dが開くことによって、氷蓄熱ユニット74の蓄熱用熱交換器741が凝縮器として機能するようにしている。氷蓄熱ユニット74においては、第3開閉弁SV3が開けた状態とされ、第4開閉弁SV4が閉止された状態とされ、蓄熱用膨張弁EV2が全開状態とされる。
このような冷媒回路70の構成において、圧縮機711で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁713を通じて、室外熱交換器712に送られるとともに、高圧ガス側閉鎖弁733を通じて高圧ガス冷媒連絡配管793にも送られる。
室外熱交換器712に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器712において凝縮され、液冷媒となる。そして、その液冷媒は、液側閉鎖弁731、液冷媒連絡配管798、および第1液ライン76aを通じて、蓄熱冷媒回路75の第2液ライン76bに送られる。
また、高圧ガス冷媒連絡配管793に送られた高圧のガス冷媒は、接続ユニット79dの高圧ガス接続管793dに送られる。接続ユニット79dの高圧ガス接続管793dに送られた高圧のガス冷媒は、高圧ガス開閉弁SV1dおよび合流ガス接続管794dを通じて氷蓄熱ユニット74の蓄熱用熱交換器741に送られる。
そして、蓄熱用熱交換器741に送られた高圧のガス冷媒は、氷蓄熱ユニット74の蓄熱用熱交換器741において、蓄熱用水に蓄積された冷熱により凝縮されて液冷媒となる。蓄熱用熱交換器741において凝縮された冷媒は、蓄熱用膨張弁EV2を通過した後、第2液ライン76bに送られる。
そして、第2液ライン76bに送られた冷媒は、液側閉鎖弁731、液冷媒連絡配管798、および第1液ライン76aを通じて第2液ライン76bに送られた冷媒に合流される。
そして、第2液ライン76bに送られて合流した冷媒は、接続ユニット79dの液接続管791dを通じて、液冷媒連絡配管791に送られる。
そして、液冷媒連絡配管791に送られた液冷媒は、3つに分岐されて、各接続ユニット79a,79b,79cの液接続管791a,791b,791cに送られる。そして、接続ユニット79a,79b,79cの液接続管791a,791b,791cに送られた冷媒は、室内ユニット77a,77b,77cの室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cに送られる。
そして、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cに送られた冷媒は、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cによって減圧された後、室内熱交換器771a,771b,771cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって蒸発されて低圧のガス冷媒となる。一方、屋内の空気は、冷却されて屋内に供給される。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット79a,79b,79cの合流ガス接続管794a,794b,794cに送られる。
そして、合流ガス接続管794a,794b,794cに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cおよび低圧ガス接続管792a,792b,792cを通じて、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られて合流した低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁732および気液分離器714を経由して、圧縮機711の吸入側に戻される。このようにして、第1氷蓄熱利用運転が行われる。
(E)第2氷蓄熱利用運転(電力ピークシフト運転)
第2氷蓄熱利用運転時は、四路切換弁713が図19の実線で示される状態に切り換えられることによって、室外熱交換器712が凝縮器として機能するようになっている。接続ユニット79a,79b,79cにおいては、高圧ガス開閉弁SV1a,SV1b,SV1cが閉止するとともに低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cが開くことによって、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cが蒸発器として機能するとともに、室内ユニット77a,77b,77cの室内熱交換器771a,771b,771cと室外ユニット71の圧縮機711の吸入側とが低圧ガス冷媒連絡配管792を介して接続された状態になっている。室内ユニット77a,77b,77cにおいては、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cは、例えば、室内熱交換器771a,771b,771cの過熱度(具体的には、液側温度センサで検出される冷媒温度とガス側温度センサで検出される冷媒温度との温度差)に基づいて開度調節する等、各室内ユニットの冷房負荷に応じて開度調節されている。接続ユニット79dにおいては、高圧ガス開閉弁SV1dおよび低圧ガス開閉弁SV2dが閉止する。氷蓄熱ユニット74においては、第3開閉弁SV3が閉止された状態とされ、第4開閉弁SV4が開けた状態とされ、蓄熱用膨張弁EV2が全開状態とされる。
このような冷媒回路70の構成において、圧縮機711で圧縮され吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁713を通じて、室外熱交換器712に送られる。そして、室外熱交換器712に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器712において凝縮され液状または気液二相状態の冷媒となる。その液状または気液二相状態の冷媒は、液側閉鎖弁731、液冷媒連絡配管798、および利用ライン75cを通じて、蓄熱用熱交換器741に送られる。
そして、蓄熱用熱交換器741に送られた液状または気液二相状態の冷媒は、蓄熱用熱交換器741において、蓄熱用水に蓄積された冷熱により凝縮されて液冷媒となるか又はさらに冷却される。その液冷媒は、蓄熱用膨張弁EV2を通過した後、第2液ライン76bおよび接続ユニット79dの液接続管791dを通じて液冷媒連絡配管791に送られる。
そして、液冷媒連絡配管791に送られた液冷媒は、3つに分岐されて、各接続ユニット79a,79b,79cの液接続管791a,791b,791cに送られる。そして、接続ユニット79a,79b,79cの液接続管791a,791b,791cに送られた冷媒は、室内ユニット77a,77b,77cの室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cに送られる。
そして、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cに送られた冷媒は、室内側膨張弁EV1a,Ev1b,EV1cによって減圧された後、室内熱交換器771a,771b,771cにおいて、屋内空気と熱交換を行うことによって蒸発されて低圧のガス冷媒となる。一方、屋内の空気は、冷却されて屋内に供給される。そして、低圧のガス冷媒は、接続ユニット79a,79b,79cの合流ガス接続管794a,794b,794cに送られる。
そして、合流ガス接続管794a,794b,794cに送られた低圧のガス冷媒は、低圧ガス開閉弁SV2a,SV2b,SV2cおよび低圧ガス接続管792a,792b,792cを通じて、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られて合流する。
そして、低圧ガス冷媒連絡配管792に送られて合流した低圧のガス冷媒は、低圧ガス側閉鎖弁732および気液分離器714を経由して、圧縮機711の吸入側に戻される。このようにして、第2氷蓄熱利用運転が行われる。
[空気調和装置の特徴]
(1)
第8実施形態に係る空気調和装置7では、温蓄熱運転において圧縮機711から吐出されたガス冷媒(以下、吐出冷媒という)が室内熱交換器771a,771b,771cと蓄熱用熱交換器741とに分配され、デフロスト運転において吐出冷媒が室内熱交換器771a,771b,771cと室外熱交換器712とに分配される。このため、この空気調和装置7では、温蓄熱運転において室内熱交換器771a,771b,771cと蓄熱用熱交換器741とに、デフロスト運転において室内熱交換器771a,771b,771cと室外熱交換器712とに適切な熱量を分配するのに、冷媒の分配比のみを考慮すればよい。したがって、この空気調和装置7では、比較的な簡単な制御により温蓄熱運転およびデフロスト運転を行うことができる。
(2)
第8実施形態に係る空気調和装置7では、温蓄熱運転において、室内熱交換器771a,771b,771cから流出した冷媒と蓄熱用熱交換器741から流出した冷媒とが合流して室外熱交換器712を通って圧縮機711に吸入される。また、デフロスト運転において、室内熱交換器771a,771b,771cから流出した冷媒と室外熱交換器712から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器741を通って圧縮機711に吸入される。このため、この空気調和装置7では、温蓄熱運転において室内熱交換器771a,771b,771cから流出した冷媒と蓄熱用熱交換器741から流出した冷媒とを室外熱交換器712で一括して蒸発させることができ、デフロスト運転において室内熱交換器771a,771b,771cから流出した冷媒と室外熱交換器712から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器741で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置7では、冷媒回路70の構成をシンプルにすることができる。
(3)
第8実施形態に係る空気調和装置7では、冷媒回路70が、四路切換弁713、高圧ガス開閉弁SV1d、および低圧ガス開閉弁SV2dを有する。このため、この空気調和装置7では、温蓄熱運転とデフロスト運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(4)
第8実施形態に係る空気調和装置7では、蓄熱ユニットとして氷蓄熱ユニット74が採用されているため、氷蓄熱運転、第1氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークカット運転)、および第2氷蓄熱利用冷房運転(電力ピークシフト運転)を行うことができる。このため、この空気調和装置6では、夏季など、冷房運転が必要となる環境において、電力ピークを調節することができる。
[変形例]
(A)
第8実施形態に係る空気調和装置7では、氷蓄熱ユニット74が1台しか設けられなかったが、氷蓄熱ユニット74は、複数台設けられてもかまわない。
(B)
第8実施形態に係る空気調和装置7の蓄熱冷媒回路75に配置される第3開閉機構OC3は、第1実施形態の変形例(A)に示されるように、双方向電磁弁に置換されてもかまわない。
(C)
第8実施形態に係る空気調和装置7の蓄熱冷媒回路75に配置される第3開閉機構OC3および第4開閉機構OC4は、第2実施形態の変形例(C)に示されるように、四路切換弁およびキャピラリーチューブに置換されてもかまわない。
本発明に係る空気調和装置は、比較的な簡単な制御により暖房兼蓄熱運転および暖房兼デフロスト運転を行うことができるという特徴を有し、冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地向けの空気調和装置として有用である。
本発明の第1実施形態に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第1実施形態に係る空気調和装置の各運転時における電動膨張弁および電磁弁の状態を示す表。 第1実施形態の変形例(A)に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 第1実施形態の変形例(B)に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第2実施形態に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第2実施形態に係る空気調和装置の各運転時における電動膨張弁および電磁弁の状態を示す表。 第2実施形態の変形例(C)に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第3実施形態に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第3実施形態に係る空気調和装置の各運転時における電動膨張弁および電磁弁の状態を示す表。 本発明の第4実施形態に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第4実施形態に係る空気調和装置の各運転時における電動膨張弁および電磁弁の状態を示す表。 本発明の第5実施形態に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第5実施形態に係る空気調和装置の各運転時における電動膨張弁および電磁弁の状態を示す表。 第5実施形態の変形例(A)に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第6実施形態に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第6実施形態に係る空気調和装置の各運転時における電動膨張弁および電磁弁の状態を示す表。 第6実施形態の変形例(A)に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第7実施形態に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第8実施形態に係る空気調和装置の概略冷媒回路。
1,1A,1B,2,2A,3,3A,4,4A,5,5A,6,7 空気調和装置
10,10A,10B,20,20A,30,30A,40,40A,50,50A,60,70 冷媒回路
111,211,311,411,511,611,711 圧縮機
112,212,312,412,512,612,712 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
113,213,313,413,513,613,713 四路切換弁(第1制御弁)
141,241,341,441,541,641,741 蓄熱用熱交換器
143 四路切換弁(第2制御弁、第3制御弁)
171,271,371,471,571,671a,671b,671c,771a,771b,771c 室内熱交換器(利用側熱交換器)
SV1,SV1A 第1電磁弁(第2制御弁)
SV1d 高圧ガス開閉弁(第2制御弁)
SV2,SV2’ 第2電磁弁(第3制御弁)
SV4’ 第4電磁弁(第2制御弁)

Claims (4)

  1. 圧縮機(511)と、
    熱源側熱交換器(512)と、
    利用側熱交換器(571)と、
    蓄熱材と熱交換を行う蓄熱用熱交換器(541)と、
    前記利用側熱交換器および前記蓄熱用熱交換器を凝縮器として機能させ前記熱源側熱交換器を蒸発器として機能させる暖房兼蓄熱状態と、前記利用側熱交換器および前記熱源側熱交換器を凝縮器として機能させ前記蓄熱用熱交換器を蒸発器として機能させる暖房兼デフロスト状態と、前記利用側熱交換器を凝縮器として機能させ前記熱源側熱交換器および前記蓄熱用熱交換器を蒸発器として機能させる蓄熱利用暖房状態とを切換可能である切換機構と、
    を有する冷媒回路(50,50A)を備え、
    前記暖房兼蓄熱状態では、前記圧縮機から吐出された冷媒である吐出冷媒が前記利用側熱交換器と前記蓄熱用熱交換器とに分配され、前記利用側熱交換器から流出した冷媒と前記蓄熱用熱交換器から流出した冷媒とが合流して前記熱源側熱交換器を通って前記圧縮機に吸入され、
    前記暖房兼デフロスト状態では、前記吐出冷媒が前記利用側熱交換器と前記熱源側熱交換器とに分配され、前記利用側熱交換器から流出した冷媒と前記熱源側熱交換器から流出した冷媒とが合流して前記蓄熱用熱交換器を通って前記圧縮機に吸入され、
    前記蓄熱利用暖房状態では、前記吐出冷媒が前記利用側熱交換器に送られ、前記利用側熱交換器において凝縮した冷媒が前記熱源側熱交換器と前記蓄熱用熱交換器とに分配され、前記熱源側熱交換器から流出した冷媒と前記蓄熱用熱交換器から流出した冷媒とが合流して前記圧縮機に吸入される、
    空気調和装置(5,5A)。
  2. 前記切換機構は、前記暖房兼蓄熱状態および前記蓄熱利用暖房状態において前記吐出冷媒が前記熱源側熱交換器に直接流入しないようにするための第1制御弁(513)と、前記暖房兼デフロスト状態および前記蓄熱利用暖房状態において前記吐出冷媒が前記蓄熱用熱交換器に直接流入しないようにするための第2制御弁(SV4’)とを有する、
    請求項に記載の空気調和装置。
  3. 前記切換機構は、前記熱源側熱交換器を凝縮器として機能させ前記利用側熱交換器を蒸発器として機能させる冷房状態にも切換可能であり、前記冷房状態において前記吐出冷媒が前記利用側熱交換器に直接流入しないようにし且つ前記暖房兼デフロスト状態および前記蓄熱利用暖房状態において前記吐出冷媒が前記利用側熱交換器に流入するようにするための第3制御弁(SV2’)をさらに有する、
    請求項1または2に記載の空気調和装置。
  4. 前記冷媒回路には、前記暖房兼デフロスト状態において前記熱源側熱交換器に液状冷媒が溜まるように、冷媒が充填されている、
    請求項1から3のいずれかに記載の空気調和装置。
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