JP4367206B2 - 視角制御素子、液晶表示装置、電子機器 - Google Patents

視角制御素子、液晶表示装置、電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP4367206B2
JP4367206B2 JP2004109214A JP2004109214A JP4367206B2 JP 4367206 B2 JP4367206 B2 JP 4367206B2 JP 2004109214 A JP2004109214 A JP 2004109214A JP 2004109214 A JP2004109214 A JP 2004109214A JP 4367206 B2 JP4367206 B2 JP 4367206B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
viewing angle
crystal cell
angle control
display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004109214A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005292586A (ja
Inventor
治 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2004109214A priority Critical patent/JP4367206B2/ja
Publication of JP2005292586A publication Critical patent/JP2005292586A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4367206B2 publication Critical patent/JP4367206B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、視角制御素子、液晶表示装置、電子機器に関し、特に広視角、狭視角の切り
替えが可能な視角制御素子、およびこれを備えた液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、従来から視角が狭いという課題を有しており、広い視角特性が求めら
れている。特に、多人数で表示を見るテレビジョンやカーナビゲーション、デジタルカメ
ラなどを用途とするものがそうである。一方、使用者が一人で表示を見ているときに他人
には覗かれたくないという要求もあり、その場合は、逆に狭い視角特性が求められている
。例えば公共の場で使用するノートパソコンや携帯電話などを用途とするものがそうであ
る。近年、例えばノートパソコンでテレビ番組を見たり、携帯電話でゲームをしたりとい
うように、同じ機器であっても使い方によって視角の広/狭を切り替えたいという要求が
高まってきた。
このような要求に対して、表示用液晶素子に加えて位相差制御用液晶素子を備え、位相
差制御用液晶素子に印加する電圧を制御することによって視角特性を変化させようとする
ものが提案されている(例えば下記の特許文献1)。この特許文献1では、位相差制御用
液晶素子で用いる液晶モードとして、カイラルネマチック液晶、ホモジニアス液晶、ラン
ダム配向のネマチック液晶などが例示されている。
特開平11−174489号公報
上記特許文献1では、位相差制御用液晶素子を用いることによって視角の広/狭を切り
替え可能であると述べているが、その効果は充分とは言えなかった。例えば特許文献1の
図4にはコントラスト比が10:1の等コントラスト曲線が示されており、狭視角化時に
は確かに広視角方向のコントラストが低下している。しかしながら、この程度の変化では
隣にいる人から表示が充分に視認されてしまう。一般に、コントラスト比が2:1まで低
下しても充分に表示を視認できるからである。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、広視角、狭視角の切り
替え効果の高い視角制御素子、およびこれを用いることにより様々な使用環境や用途に適
応可能な液晶表示装置、電子機器を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の視角制御素子は、任意の表示装置に隣接配置して用いられ、前記表示装置の視角を制御する視角制御素子であって、一対の透光性基板と、前記一対の透光性基板間に挟持された液晶層と、前記液晶層に電界を印加するための一対の電極とを有する視角制御用液晶セルを備え、前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極において、当該電極の前記表示装置の有効表示領域に対応する領域がパターニングされ、電極が存在する部分と存在しない部分を有し、前記一対の電極からの印加電圧によって前記パターニングされた電極が存在する部分の前記液晶層の配向状態を変化させ、前記パターニングされた電極が存在する部分および存在しない部分のいずれか一方に視角の狭い領域を形成することで前記表示装置の視角を制御することを特徴とする。また、本発明の視角制御素子は、前記パターニングされた電極が存在する部分および存在しない部分いずれか一方法線方向から外れた斜め方向に対して暗い領域を形成し、他方法線方向から外れた斜め方向に対して明るい領域を形成し明るい領域と暗い領域とが近接していることを特徴とする。


液晶セルを用いて視角制御を行う技術は、上記特許文献1のように既に知られている。
しかしながら、本発明の視角制御素子においては、視角制御用液晶セルの液晶層に電界を
印加するための一対の電極を、表示装置の有効表示領域に対応する領域の全面にベタ状に
形成するのではなく、一対の電極のうちの少なくとも一方の電極側は表示装置の有効表示
領域に対応する領域内でパターニングしたものである。
この構成によれば、電極が存在する部分と存在しない部分を有しているため、電極に対して電圧を印加しても液晶層にとっては電界が印加される箇所と印加されない箇所ができることになる。そのため、明るい領域と暗い領域が近接することになり、人間の目にはこのような視角制御用液晶セルを通してその背面側にある表示を視認するのが困難になる。これにより狭視角化が可能となり、電極に対して電圧を印加しなければ広視角化が可能となる。
また、上記の電極が存在する部分と存在しない部分は、略等しい面積とすることが望ま
しい。
その理由は、明るい領域の面積が小さすぎると、暗い領域を通して背面側の表示が暗く
はなるものの透けて見えることになり、逆に明るい領域の面積が大きすぎると、背面側の
表示が直接見えてしまい、視角制限効果が得られないからである。
また、電極が存在する部分と存在しない部分とは、交互に規則的に配列することが望ま
しい。この配列には、例えばチェッカーフラグ型、ストライプ型などを例示することがで
きる。また、その配列ピッチは、2mm以上、20mm以下であることが望ましい。
上述したように、明るい領域の面積が小さすぎたり、大きすぎたりすると、視角制限効
果が薄れるため、配列ピッチに関しても最適値があるが、上の数値が望ましいという具体
的な根拠については後述する。
あるいは、他の具体例を挙げると、有効表示領域に対応する領域において、パターニン
グされた電極が複数の領域に分割され、分割された個々の電極に対して個別に電圧が印加
可能とされた構成を挙げることができる。
この構成によれば、分割された複数の電極に対して個別に電圧を印加できるので、液晶
層に対する印加電界を場所によって変えることができる。そのため、明るい領域と暗い領
域が近接するように制御することが可能となり、人間の目にはこのような視角制御用液晶
セルを通してその背面側にある表示を視認するのが困難になる。これにより狭視角、広視
角の切り替えが可能となる。
また、分割された個々の電極は、略等しい面積を有することが望ましい。
その理由は、上と同様、明るい領域の面積が小さすぎると、暗い領域を通して背面側の
表示が透けて見えることになり、逆に明るい領域の面積が大きすぎると、背面側の表示が
直接見えてしまい、視角制限効果が得られないからである。
本発明の液晶表示装置は、上記本発明の視角制御素子と、前記視角制御素子に隣接配置
された表示用液晶セルとを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、本発明の視角制御素子を表示用液晶セルに隣接配置したことにより
広視角、狭視角の切り替え効果の高い表示が得られ、様々な使用環境や用途に適応可能な
液晶表示装置を実現することができる。
また、本発明の液晶表示装置は、前記表示用液晶セルの前記視角制御用液晶セルが配置
された側と反対側の外面に設けられた第1の偏光板と、前記視角制御用液晶セルの前記表
示用液晶セルが配置された側と反対側の外面に設けられた第2の偏光板と、前記表示用液
晶セルと前記視角制御用液晶セルとの間に設けられた第3の偏光板とを備えた構成とする
ことができる。なお、本明細書において液晶セルや基板の「外面」、「内面」という表現
を用いるが、「内面」とは各基板の主面のうち、液晶層側に向く面のことであり、「外面
」とはそれと反対側の面のことである。
この構成によれば、第1の偏光板と第2の偏光板とが表示用液晶セルを挟持することに
なり、これら偏光板が表示用液晶セルの偏光子と検光子として機能する。さらに、第2の
偏光板と第3の偏光板とが視角制御用液晶セルを挟持することになり、これら偏光板の光
軸配置を最適化することでより効果的な視角制限効果を得ることができる。
あるいは、本発明の液晶表示装置は、前記表示用液晶セルの前記視角制御用液晶セルが
配置された側と反対側の外面に設けられた第1の偏光板と、前記視角制御用液晶セルの前
記表示用液晶セルが配置された側と反対側の外面に設けられた第2の偏光板とを備えた構
成とすることができる。
この構成によれば、上記の構成と比べて偏光板が1枚少ない分だけ表示が明るくなり、
装置全体が薄型化できるという効果がある。それに加えて、表示用液晶セルと視角制御用
液晶セルとの間に偏光板がないことにより、2つの液晶セルの相互作用によって上記の構
成とは異なる作用、効果が得られ、より狭い範囲に視角を制限することもできる。これに
ついては後の実施の形態の項で詳述する。
本発明の電子機器は、上記本発明の液晶表示装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、広視角、狭視角の切り替え効果の高い液晶表示部を有し、様々な使
用環境や用途に適応可能な電子機器を実現することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図9を参照して説明する。
本実施形態の液晶表示装置は、表示用液晶セルに視角制御用液晶セルを積層したもので
あるが、視角制御用液晶セルを用いて表示用液晶セルの視角特性を狭い角度範囲に制限す
るものであるから、表示用液晶セルは元来広視角の液晶モードであるVAN(Vertical A
ligned Nematic、垂直配向)、IPS(In-Plain Switching)等のモードを採用すること
が望ましい。ここでは、VANを例に取り、説明する。また、表示用液晶セルには、画素
スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode, 以下、TFDと略記する)
を用いたアクティブマトリクス方式の透過型液晶表示装置の例を挙げる。なお、各図にお
いて、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮
尺を異ならせてある。
図1は、本実施形態の液晶表示装置100の表示用液晶セルについての等価回路を示し
ている。この液晶表示装置100は、走査信号駆動回路110およびデータ信号駆動回路
120を含んでいる。液晶表示装置100には、信号線、すなわち複数の走査線13と、
走査線13と交差する複数のデータ線9とが設けられ、走査線13は走査信号駆動回路1
10により駆動され、データ線9はデータ信号駆動回路120により駆動される。そして
、各画素領域150において、走査線13とデータ線9との間にTFD素子40と液晶表
示要素160(液晶層)とが直列に接続されている。なお、図1では、TFD素子40が
走査線13側に接続され、液晶表示要素160がデータ線9側に接続されているが、これ
とは逆にTFD素子40をデータ線9側に、液晶表示要素160を走査線13側に設ける
構成としても良い。
次に、図2に基づいて、本実施形態の液晶表示装置100の表示用液晶セルにおける電
極の平面構造(画素構造)について説明する。
図2に示すように、本実施形態の表示用液晶セルは、走査線13にTFD素子40を介
して接続された画素電極31がマトリクス状に設けられており、紙面の垂直方向に画素電
極31と対向するように対向電極9が短冊状(ストライプ状)に設けられている。対向電
極9は上述したデータ線のことであり、走査線13と交差する形のストライプ形状を有し
ている。本実施の形態において、各画素電極31が形成された個々の領域が1つのドット
領域であり、マトリクス状に配置された各ドット領域毎にTFD素子40が具備され、ド
ット領域毎に表示が可能な構造になっている。図2では簡易的に各画素電極を略矩形状に
図示したが、実際には後述するように島状部と連結部とを有している。ここで、TFD素
子40は走査線13と画素電極31とを電気的に接続するスイッチング素子であって、T
FD素子40は、Taを主成分とする第1導電膜と、第1導電膜の表面に形成され、Ta
を主成分とする絶縁膜と、絶縁膜の表面に形成され、Crを主成分とする第2導電
膜とを含むMIM(Metal-Insulator-Metal)構造を具備して構成されている。そして、
TFD素子40の第1導電膜が走査線13に接続され、第2導電膜が画素電極31に接続
されている。
次に、図3、図4に基づいて、本実施の形態の液晶表示装置100の画素構成について
説明する。図3は表示用液晶セルの画素構成、特に画素電極31の平面構成を示す模式図
である。図4は視角制御用液晶セルを含む液晶表示装置全体の断面図であり、図3のA−
A’線に沿う断面図である。
本実施の形態の液晶表示装置100は、図3に示したように、データ線9および走査線
13等により囲まれた領域の内側に画素電極31を備えてなるドット領域を有している。
このドット領域内には、図3に示すように、1つのドット領域に対応して3原色のうちの
異なる色の1つの着色層が配設され、隣接する3つのドット領域(D1,D2,D3)で
各着色層16B(青色),16G(緑色),16R(赤色)を含む1つの画素を形成して
いる。
本実施の形態の液晶表示装置100は、図4に示すように、上側(使用者側)から見て
表示用液晶セル1、視角制御用液晶セル2、バックライト15がこの順に積層されている
。図4では表示用液晶セル1、視角制御用液晶セル2、バックライト15をそれぞれ離し
て図示しているが、実際には任意の手段を用いて密着させることが望ましい。
まず、表示用液晶セル1について説明する。
表示用液晶セル1においては、上基板(対向基板)25とこれに対向配置された下基板
(素子基板)10との間に、初期配向状態が垂直配向を呈する、誘電異方性が負の液晶材
料からなる液晶層50が挟持されている。なお、透過率向上のため、液晶層50にカイラ
ル剤を添加しても良い。
上基板25は、ガラス、石英等の透光性材料からなる基板本体25Aの内面(基板本体
25Aの液晶層側)に、赤色着色層16R、緑色着色層16G、青色着色層16Bを有す
るカラーフィルタ16が設けられている。図4では図示を省略したが、各着色層16R,
16B,16Gの周囲は金属クロム等からなるブラックマトリクスBMで囲まれ、ブラッ
クマトリクスBMにより各ドット領域D1,D2,D3の境界が形成されている(図3参
照)。カラーフィルタ16上には、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、IT
Oと略記する)等の透明導電膜からなる対向電極9が形成され、対向電極9上にはポリイ
ミド等からなる配向膜(図示略)が形成されている。配向膜は液晶分子を膜面に対して垂
直に配向させる垂直配向膜として機能するものであり、ラビングなどの配向処理は施され
ていない。なお、図4において対向電極9は、紙面横方向に延びる形のストライプ状に形
成されており、紙面横方向に並ぶ複数のドット領域に共通の電極として機能する。また、
対向電極9上には、後述する配向制御手段としての突起43が液晶層50に向けて突出す
るように形成されている。突起43は樹脂等で形成されており、円錐状、円錐台状、多角
錐状、多角錐台状、あるいはこれらに丸みを加えた半球状等の形状をしている。
下基板10は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体10Aの内面に、ITO
等の透明導電膜からなる画素電極31と、ポリイミド等からなる垂直配向機能を持つ配向
膜(図示略)とが形成されている。なお、図4ではTFD素子や走査線等の図示は省略し
ている。特に本実施の形態では、図3に示すように、画素電極31は複数の島状部31a
,31b,31cを含んで構成されており、各島状部31a,31b,31c同士が連結
部39を介して電気的に接続されて画素電極31を構成している。つまり、本実施形態で
は、各ドット領域D1,D2,D3を、略同じ形状の複数(図3では3つ)のサブドット
領域S1,S2,S3に分割して構成している。つまり、下基板10側の画素電極31が
、複数(図3では3つ)の島状部31a,31b,31cと、隣接する各島状部を互いに
電気的に接続する連結部39,39とを含んで構成されており、各島状部31a,31b
,31cがそれぞれサブドット領域S1,S2,S3を構成している。
通常、カラー液晶表示装置では、1つのドット領域の縦横比が約3:1となるので、本
実施形態のように、1つのドット領域D1,D2,D3に3つのサブドット領域S1,S
2,S3を設けると、1つのサブドット領域の形状が略円形や略多角形となる。各サブド
ット領域S1,S2,S3(島状部31a,31b,31c)の形状は、図3では略正八
角形状であるが、これに限らず、例えば円形状、その他の多角形状のものとすることがで
きる。そして、画素電極31の正八角形状の各島状部31a,31b,31cの中央に、
前述した上基板25側の突起43が配置されている。液晶層50の液晶分子50Bは非選
択電圧印加(電圧オフ)時に垂直配向しているが、選択電圧印加(電圧オン)時にはこの
突起43による形状効果と画素電極31の島状部の持つフリンジ電界効果とが相俟って、
液晶分子50Bは360°全方位に倒れることになる。このような配向制御を行うことに
より、広視角化が図れる。あるいは、突起43に代えて、対向電極9をパターニングして
多角形または円形の開口部を設けても、同様の配向制御効果が得られる。
次に、視角制御用液晶セル2について説明する。
視角制御用液晶セル2においては、上基板61とこれに対向配置された下基板62との
間に、誘電異方性が正のネマチック液晶材料からなる液晶層65が挟持されている。上基
板61は、ガラス等の透光性材料からなる基板本体61Aの内面に、ITO等の透明導電
膜からなる上電極63が形成されている。同様に、下基板62側も、ガラス等の透光性材
料からなる基板本体62Aの内面に、ITO等の透明導電膜からなる下電極64が形成さ
れている。視角制御用液晶セル2においては、これら上電極63、下電極64はともにド
ット領域毎には分割されていないが、その平面形状が異なっている。上電極63は、上基
板61の内面に全面ベタ状に設けられている。一方、下電極64は、図5に示すように、
表示用液晶セル1の有効表示領域内において下基板62の内面にチェッカーフラグ状にパ
ターニングされている。すなわち、正方形状の電極が存在する部分と存在しない部分が縦
横に交互に配置されており、本実施形態では繰り返しピッチP(電極が存在する部分と存
在しない部分の寸法の和)が8mmに設定されている。またこの例では、チェッカーフラ
グパターンの縦横の配列方向は、表示用液晶セルの画素の縦横の配列方向と一致している
。なお、表示用液晶セル1の有効表示領域とは、実際に表示に寄与するドット領域D1,
D2,D3がマトリクス状に配列された箇所のことをいう。
液晶層65は、初期状態で液晶分子65Bが180°ツイストしたものである。このよ
うな初期配向状態は、例えば上基板61の上電極63上および下基板62の下電極64上
に水平配向用ポリイミド膜を塗布、焼成してラビング処理することによって得られる。そ
して、上電極63、下電極64間に電圧を印加することにより液晶層65の液晶分子を基
板面にほぼ垂直に立たせることができる。上述したように、液晶層65には誘電異方性が
正のネマチック液晶材料を用い、その複屈折率Δnと液晶層厚dとの積Δn・dを1.5
μmと設定する。
また、表示用液晶セル1の上基板25の外面側に第1の偏光板17が設けられ、視角制
御用液晶セル2の下基板62の外面側に第2の偏光板66が設けられ、表示用液晶セル1
の下基板10と視角制御用液晶セル2の上基板61との間に第3の偏光板19が設けられ
ている。第2の偏光板66と第3の偏光板19とは、図6に示すように、互いの吸収軸方
向が平行になるように配置され、表示画面を正面から見たときに画面の上下方向(12時
−6時方向)に一致するように配置されている。また、第2の偏光板66および第3の偏
光板19の吸収軸と、視角制御用液晶セル2の法線方向から見た液晶層65の遅相軸の方
向とが平行になるように配置されている。視角制御用液晶セル2の液晶層65の遅相軸の
方向は視角制御用液晶セル2のラビング方向に一致するので、言い換えると、第2の偏光
板66および第3の偏光板19の吸収軸と視角制御用液晶セル2の上基板61のラビング
方向および下基板62のラビング方向とが平行に設定されている。よって、上基板61の
ラビング方向は、図6に示すように、画面の上下方向であって、12時から6時に向かう
方向とするか、あるいは6時から12時に向かう方向とする。なお、第1の偏光板17の
吸収軸は第2の偏光板66および第3の偏光板19の吸収軸と直交しており、表示用液晶
セルがノーマリーブラックの構成となっている。さらに、視角制御用液晶セル2の外面側
の第2の偏光板66の外側には、透過表示用光源となるバックライト15が設けられてい
る。
上記構成の液晶表示装置においては、180°ツイスト配向を呈する液晶層65を持つ
視角制御用液晶セル2が備えられたことによって、選択電圧印加(電圧オン)時に表示用
液晶セル1が本来持つ視角を狭め、視角制限効果を発揮することができる。
その作用について以下、説明する。
すなわち、視角制御用液晶セル2のΔn・dが十分に大きいため、非選択電圧印加(電
圧オフ)時には旋光性が生じる。したがって、第2の偏光板66を透過した直線偏光は1
80°旋光して第3の偏光板19を透過する。一方、十分に高い電圧、例えば±10V、
100Hzの矩形波交流電圧を印加(電圧オン)すると、液晶が基板面に対してほぼ垂直
に立ち上がって複屈折性を失うため、やはり第2の偏光板66を透過した直線偏光は第3
の偏光板19を透過する。したがって、観察者がパネルの法線方向から見る限りにおいて
は、液晶層65に電圧を印加した場合と印加しない場合の区別が付かない。ということは
、電圧オン時にパネル法線方向から見た場合には、視角制御用液晶セル2のパターニング
された下電極64が存在する箇所と存在しない箇所との見分けが付かないことになる。と
ころが、液晶が基板面に対してほぼ垂直に立ち上がった状態においては、パネル法線方向
から外れた斜め方向から入射した光は位相差を感じることになるため、第2の偏光板66
を透過した直線偏光が第3の偏光板19を透過する成分が減り、暗くなる。したがって、
電圧オン時に斜め方向からは見た場合には、視角制御用液晶セル2のパターニングされた
下電極64が存在する箇所と存在しない箇所との区別が付くことになる。すなわち、明る
い領域と暗い領域が交互に近接して存在することになり、人間の目にはこのような視角制
御用液晶セル2を通して表示用液晶セル1の表示を視認するのが困難になる。これにより
狭視角化が可能となり、電極に対して電圧を印加しなければ広視角化が可能となる。
本実施形態における視角制御用液晶セルと第2の偏光板、第3の偏光板だけを用いて視
角特性を測定した結果を図7,図8に示す。図7は電圧オフ時、図8は電圧オン時(印加
電圧:±10V、周波数:100Hzの矩形波交流電圧印加時)の等透過率曲線を示して
おり、縦軸、横軸は液晶セル法線方向に対する極角(°)である。ただし、これはあくま
でも視角制御用液晶セルのみの視角特性であるから、液晶表示装置全体の視角特性はこれ
に表示用液晶セルの視角特性を掛け合わせたものになる。
電圧オフ時には、図7に示すように、全ての視角領域で透過率が42〜50%、すなわ
ち一方の直線偏光をほとんど透過するため、表示用液晶セルの広い視角特性がそのまま保
持されることになる。その一方、電圧オン時には、図8に示すように、透過率が低い領域
ができ、特に左右方向(3時−9時方向)で透過率0〜30%程度の領域が大きく生じる
ため、左右方向からの覗き見を効果的に防止することができる。
また、図9は図7,図8における左右方向(3時−9時方向)の透過率を示すグラフで
ある。図9における横軸は極角(°)、縦軸は透過率(%)である。極角50°付近で透
過率がパネル法線方向透過率(極角0°における透過率)の1割以下まで低下しており、
表示が認識しにくくなっている。ところが、極角が40°程度になると、透過率がパネル
法線方向透過率(極角0°における透過率)の5割程度になるため、表示が認識できてし
まう。本実施の形態においては、視角制御用液晶セル2の下電極64をパターニングして
いるため、明るい領域と暗い領域とが近接してできることになる。そのコントラストは極
角40°では高々2しかないが、暗い領域の隣に明るい領域があり、その面積も等しいた
めに、暗い領域を通して表示用液晶セル1の表示を見ることが困難になる。なお、明るい
領域の面積が小さすぎると、暗い領域を通して背面側の表示が透けて見えることになり、
逆に明るい領域の面積が大きすぎると、背面側の表示が直接見えてしまうので、視角制限
効果が得られなくなる。一方、パネル法線方向からは、電圧が印加された部分も印加され
ない部分もほぼ同じ透過率であるから、視角制御用液晶セル2のオン/オフは表示用液晶
セル1の表示に影響を及ぼさない。
次に、本発明者は、視角制御用液晶セルのチェッカーフラグパターンのピッチを様々に
変化させ、3時方向の極角が40°の方向から表示用液晶セルの表示が認識できるか否か
を、8人の被験者に5点法で採点させた。その結果を図10に示す。図10の横軸はチェ
ッカーフラグパターンのピッチ(mm)、縦軸は見やすさである。表示パターンにはテキ
スト(文字列)を使用し、テキストのフォントの大きさは、高さ3mmと5mmの2種類
を用意した。見やすさの指標は、5点:「全て認識できる」、4点:「見にくいが認識で
きる」、3点:「所々認識できないがテキストの要旨は読み取れる」、2点:「所々認識
できるがテキストの要旨は読み取れない」、1点:「全く認識できない」、である。被験
者はこの5段階で採点し、図10の縦軸の見やすさの値は8人の点数の平均値を採った。
図10に示すように、ピッチが2mmよりも小さい領域では、明るい領域と暗い領域と
が混じり合って、表示が多少薄暗くグレーになるだけで表示の認識には支障がなくなる。
一方、ピッチが20mmよりも大きい領域では、明るい領域が広くなってその部分のテキ
ストが読み取れるようになるとともに、暗い領域が明るい領域との対比で十分に暗くなっ
て見えなくなるため、表示が認識できてしまう。フォントの大きさはピッチが大きい領域
では多少影響するが、視角制限に対して最も効果があるピッチは、フォントの大きさに関
係なく、2mm以上、20mm以下(見やすさの平均値が2以下となる領域)であること
が判った。
なお、本実施形態では、視角制御用液晶セル2の下電極64をチェッカーフラグ状にパ
ターニングし、チェッカーフラグパターンの縦横の配列を表示用液晶セルの画素の縦横の
配列と一致させたが、パターン形状はこれに限るものではない。
例えば、図11に示す電極64aのように、同じチェッカーフラグパターンであっても
、表示用液晶セルの画素の縦横に対してチェッカーフラグパターンが斜めになるように配
置しても良い。この場合、視角制限効果は本実施形態と変わらないが、特にピッチが小さ
い場合に表示用液晶セルの画素とモアレが生じにくくなるという効果がある。
あるいは、図12に示す電極64bのように、ストライプ状のパターンとしても良い。
この場合も横書きのテキストに対する視角制限効果は変わらない。したがって、デザイン
上の要求があれば、選択しても良いパターンである。図11,図12のパターンの最適な
ピッチは、本実施形態と同様、2mm以上、20mm以下である。
あるいは、図13に示す電極64cのように、より複雑なパターン、例えばテキスト等
を採用しても良い。この場合、視角制御用液晶セルのテキストと表示用液晶セルのテキス
トとが混ざり合って、より認識しにくくなるという効果が得られる。
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態を図14を参照しつつ説明する。
本実施形態の液晶表示装置は、表示用液晶セル、視角制御用液晶セルの構成自体は第1
の実施の形態と同様であり、偏光板の構成が第1の実施の形態と異なるのみである。図1
4は本実施の形態の液晶表示装置の断面図であるが、図14において図4と共通の構成要
素には同一の符号を付し、説明は省略する。
本実施の形態の液晶表示装置においては、図14に示すように、表示用液晶セル1の上
基板25の外面側に第1の偏光板17が設けられ、視角制御用液晶セル2の下基板62の
外面側に第2の偏光板66が設けられている。第1の実施の形態では表示用液晶セル1の
下基板10と視角制御用液晶セル2の上基板61との間に第3の偏光板19が設けられて
いたが、本実施の形態では第3の偏光板19が設けられていない。よって、本実施の形態
においては、表示用液晶セルの下基板と視角制御用液晶セルの上基板とを接着したり、1
枚の基板で兼用することも可能である。そうすれば、液晶表示装置の薄型化や部品点数の
削減を図ることができる。
このように、第3の偏光板19を使用しない場合も、視角制御用液晶セル2の電圧オン
/オフに係わらず、視角制御用液晶セル2を透過したバックライト光は直線偏光になって
いるため、法線方向の表示特性を損なうことがない。しかしながら、視角制御用液晶セル
2と表示用液晶セル1との相互作用によって、第1の実施の形態とは異なる作用、効果が
現れる。すなわち、本実施の形態では第3の偏光板19による検光がなされないため、第
1の実施の形態において視角制御用液晶セル2で暗くなった視角範囲、例えば図9におけ
る左右方向の極角50°付近において表示のポジネガ反転が起こる。つまり、視角制御用
液晶セル2の下電極64が存在する部分と存在しない部分(液晶層65に電圧が印加され
る部分と印加されない部分)とが、明暗のコントラストではなく、表示のポジネガのコン
トラストになるため、より表示が認識しにくくなる、という効果が生じる。さらに、本実
施の形態の場合、偏光板が1枚少ない分だけ、表示が明るくなり、装置の薄型化、部品点
数の削減が図れるという効果もある。
[第3の実施の形態]
以下、本発明の第3の実施の形態を図15〜図18を参照しつつ説明する。
本実施形態の液晶表示装置は、表示用液晶セルの構成は第1の実施の形態と同様であっ
て、視角制御用液晶セルの液晶層および電極パターンが第1の実施の形態と異なるのみで
ある。図15は本実施の形態の液晶表示装置の断面図であるが、図15において図4と共
通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
本実施形態の液晶表示装置の特徴は、視角制御用液晶セルにハイブリッド液晶セルを用
いたことと、下電極のパターニング形状を変えたことである。
本実施形態の視角制御用液晶セル2Aにおいては、図15に示すように、上基板61と
下基板62との間に、初期配向状態がハイブリッド配向を呈する、誘電異方性が負の液晶
材料からなる液晶層75が挟持されている。液晶層75は、上基板61側界面でほぼ水平
配向、下基板62側界面でほぼ垂直配向を呈し、その間で液晶分子75Bのチルト角が連
続的に変化するハイブリッド配向を取っている。このような初期配向状態は、例えば上基
板61の上電極63上に水平配向用ポリイミド膜を塗布、焼成してラビング処理する一方
、下基板62の下電極64上に垂直配向用ポリイミド膜を塗布、焼成することによって得
られる。そして、上電極63、下電極64間に電圧を印加することにより液晶層65の液
晶分子75Bを基板面にほぼ平行に倒すことができる。なお、本実施の形態とは逆に、上
基板61側界面でほぼ垂直配向、下基板62側界面でほぼ水平配向を呈するようにしても
良い。上述したように、液晶層65には誘電異方性が負の液晶材料を用い、その複屈折率
Δnと液晶層厚dとの積Δn・dを6.0μmと設定する。
上基板61の内面の上電極63は、基板61A上に全面ベタ状に形成されている。一方
、下基板62の内面の下電極74は、図16に示すように、複数の正方形パターンに分割
されるようにパターニングされている。そして、図中縦方向に並ぶ正方形パターンは1個
おきに接続されるとともに、横方向に隣接する正方形パターン列同士は分離され、さらに
1列おきに位置する正方形パターン列同士は接続されている。この構成により、図16に
おいて異なるハッチングを施した2つのチェッカーフラグパターンを有する第1電極74
a、第2電極74bに対して異なる電圧が印加可能となっている。第1電極74a,第2
電極74bのピッチPは15mmである。
また、表示用液晶セル1の上基板25の外面側に第1の偏光板17が設けられ、視角制
御用液晶セル2Aの下基板62の外面側に第2の偏光板66が設けられ、表示用液晶セル
1の下基板10と視角制御用液晶セル2Aの上基板61との間に第3の偏光板19が設け
られている。第2の偏光板66と第3の偏光板19とは、図17に示すように、互いの吸
収軸方向が平行になるように配置され、表示画面を正面から見たときに画面の上下方向(
12時−6時方向)に一致するように配置されている。また、第2の偏光板66および第
3の偏光板19の吸収軸と、視角制御用液晶セル2Aの法線方向から見た液晶層65の遅
相軸の方向とが平行になるように配置されている。視角制御用液晶セル2Aの液晶層65
の遅相軸の方向は視角制御用液晶セル2Aの上基板61側のラビング方向に一致するので
、言い換えると、第2の偏光板66および第3の偏光板19の吸収軸と視角制御用液晶セ
ル2Aの上基板61のラビング方向が平行に設定されている。よって、上基板61のラビ
ング方向は、図17に示すように、画面の上下方向であって、12時から6時に向かう方
向とするか、あるいは6時から12時に向かう方向とする。
上記構成の液晶表示装置においては、ハイブリッド配向を呈する液晶層75を持つ視角
制御用液晶セル2Aが備えられたことによって、非選択電圧印加(電圧オフ)時に表示用
液晶セル1が本来持つ視角を狭め、視角制限効果を発揮することができる。
例えば、図17に示す光軸配置において、視角制御用液晶セル2Aの法線方向からハイ
ブリッド配向の液晶層75を見ると、液晶分子75Bの遅相軸方向が液晶層75の上層か
ら下層まで直線上に重なって見える。これに対して、前記法線方向に対して斜めにハイブ
リッド配向の液晶層75を見ると、液晶分子75Bの遅相軸方向が液晶層65上層から下
層にかけて90°ねじれて見える。このことは、視角制御用液晶セル2Aの法線方向に対
して斜めに入射する光にとっては液晶層75が見かけ上90°ツイスト配向していること
を意味する。すなわち、斜めに入射する光には旋光性が生じ、バックライト15から射出
された後、第2の偏光板66を透過した直線偏光が旋光し、第3の偏光板19の吸収軸に
より吸収される。したがって、平行ニコルの下で、斜めから見たときにはあたかもノーマ
リーブラック型のTNモードのように表示が暗くなる一方、正面から見たときには旋光性
が生じないので表示用液晶セル1の表示の明るさが維持される。この効果は、後述する図
18から明らかなように第1の実施形態よりも大きい。
一方、選択電圧印加(電圧オン)時にはハイブリッド配向状態が崩れ、液晶層75に誘
電異方性が負の液晶材料を用いているので、全ての液晶分子が基板面に対してほぼ水平に
倒れる。このときは、視角制御用液晶セル2Aの法線方向の光は勿論のこと、斜めに入射
する光にとっても旋光性が生じない。したがって、ほぼ全ての視角範囲にわたって表示用
液晶セル1の表示の明るさが維持される。
すなわち、本実施の形態においては、第1電極74a、第2電極74bをともに電圧オ
ンとすれば、視角を広げることができる。一方、第1電極74a、第2電極74bのいず
れか一方を電圧オン、他方を電圧オフとすれば、視角を狭めることができる。後者の場合
、視角制御用液晶セル2Aの電圧オン領域も電圧オフ領域も、セル法線方向の透過率は変
わらないため、視角制御用液晶セル2Aの電極パターンはセル法線方向から観察する人に
は認識されない。一方、斜め横方向から覗き見ようとする人にとっては、白黒のチェッカ
ーフラグパターンが重なって見えるため、著しく表示を認識し難くする、という効果が得
られる。また、本実施の形態では、分割された第1電極74aと第2電極74bとは略等
しい面積となっているため、十分な視角制限効果を得ることができる。明るい領域の面積
が小さすぎると、暗い領域を通して背面側の表示が透けて見えることになり、逆に明るい
領域の面積が大きすぎると、背面側の表示が直接見えてしまい、視角制限効果が得られな
いからである。
本実施の形態における視角制御用液晶セルと第2の偏光板、第3の偏光板だけを用いて
3時−9時方向の透過率(視角特性)を測定した結果を図18に示す。電圧オフ時、電圧
オン時(印加電圧:±10V、周波数:100Hzの矩形波交流電圧印加時)のそれぞれ
の透過率を示しており、横軸は極角(°)、縦軸は透過率(%)である。ただし、これは
視角制御用液晶セルのみの視角特性であるから、液晶表示装置全体の視角特性はこれに表
示用液晶セルの視角特性を掛け合わせたものになる。さらに、ここでは複屈折率Δnと液
晶層厚dとの積Δn・dを変えており、Δn・dを1.5μm(実線)、3.0μm(破
線)、4.5μm(1点鎖線)、6.0μm(2点鎖線)としている。例えばΔn・dが
6.0μm(2点鎖線)の場合、極角40°付近で透過率がパネル法線方向透過率(極角
0°における透過率)の1割まで低下しており、これ以上極角が大きい視角方向からは表
示が認識しにくい。また、Δn・dの変化に伴って透過率特性も変化し、Δn・dが大き
くなる程、視角制限効果が大きい傾向を示す。したがって、視角制御用液晶セルの設計に
あたっては、用途に応じて最適なΔn・dの値を選択することで視角制限効果の度合を適
宜調整することができる。なお、第2の実施形態のように、第3の偏光板19を用いない
構成も可能である。その場合、第3の偏光板19を用いる場合よりも視角制御用液晶セル
のΔn・dの値を小さく、例えばΔn・d=1μm程度に設定した方が、ポジネガのコン
トラストがはっきりして表示がより認識し難くなる。
[電子機器]
次に、本発明の上記実施の形態の液晶表示装置を備えた電子機器の具体例について説明
する。
図19は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図19において、符号1000は携
帯電話本体を示し、符号1001は上記液晶表示装置を用いた表示部を示している。この
ような携帯電話等の電子機器の表示部に、上記実施の形態の液晶表示装置を用いた場合、
広視角、狭視角の切り替え効果の高い液晶表示部を有し、様々な使用環境や用途に適応可
能な電子機器を実現することができる。その他の電子機器として、電子ブック、パーソナ
ルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモ
ニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電
卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを
備えた機器等々に好適に用いることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施の形態で
は、視角制御用液晶セルを、使用者側から見て表示用液晶セルの背面側(バックライト側
)に配置したが、表示用液晶セルの前面側(使用者側)に配置しても良い。その場合には
表示に奥行き感が生じてしまうが、同様の視角制限効果は得られる。また、上記実施の形
態では表示用液晶セルに透過型液晶表示装置を用いたが、反射型液晶表示装置、半透過反
射型液晶表示装置を用いることもできる。特にこれらの液晶表示装置では視差防止のため
に反射板を表示用液晶セルに内蔵することが多いため、視角制御用液晶セルを表示用液晶
セルの前面側(使用者側)に配置することが望ましい。また、本発明の視角制御素子は、
液晶表示装置のみならず、CRT(ブラウン管)、EL(エレクトロルミネッセンス)デ
ィスプレイ、PDP(プラズマディスプレイパネル)等に組み合わせて用いることができ
る。
本発明の第1の実施形態の液晶表示装置の等価回路図である。 同、液晶表示装置のドット領域の構造を示す平面図である。 同、液晶表示装置の1つの画素を示す平面図である。 図3のA−A’線に沿う断面図である。 同、液晶表示装置の視角制御用液晶セルの下電極のパターンを示す平面図である。 同、液晶表示装置における各偏光板とラビング方向との関係を示す図である。 同、液晶表示装置の電圧オフ時の視角特性を示す図である。 同、液晶表示装置の電圧オン時の視角特性を示す図である。 同、液晶表示装置の左右(3時−9時)方向の透過率を示す図である。 電極パターンのピッチと表示の見やすさとの関係を示すグラフである。 同、電極パターンの他の例を示す図である。 同、図である。 同、図である。 本発明の第2の実施形態の液晶表示装置の断面図である。 本発明の第3の実施形態の液晶表示装置の断面図である。 同、液晶表示装置の視角制御用液晶セルの下電極のパターンを示す平面図である。 同、液晶表示装置の各偏光板とラビング方向との関係を示す図である。 同、液晶表示装置の左右(3時−9時)方向の透過率を示す図である。 本発明の電子機器の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1…表示用液晶セル、2,2A…視角制御用液晶セル、17…第1の偏光板、19…第
3の偏光板、61…上基板、62…下基板、63…上電極、64,74…下電極、65,
75…液晶層、65B,75B…液晶分子、66…第2の偏光板。

Claims (8)

  1. 任意の表示装置に隣接配置して用いられ、前記表示装置の視角を制御する視角制御素子であって、
    一対の透光性基板と、前記一対の透光性基板間に挟持された液晶層と、前記液晶層に電界を印加するための一対の電極とを有する視角制御用液晶セルを備え、
    前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極において、当該電極の前記表示装置の有効表示領域に対応する領域がパターニングされ、電極が存在する部分と存在しない部分を有し、前記一対の電極からの印加電圧によって前記パターニングされた電極が存在する部分の前記液晶層の配向状態を変化させ、前記パターニングされた電極が存在する部分および存在しない部分のいずれか一方に視角の狭い領域を形成することで前記表示装置の視角を制御することを特徴とする視角制御素子。
  2. 前記パターニングされた電極が存在する部分および存在しない部分いずれか一方法線方向から外れた斜め方向に対して暗い領域を形成し、他方法線方向から外れた斜め方向に対して明るい領域を形成し、暗い領域と明るい領域とが近接していることを特徴とする請求項1に記載の視角制御素子。
  3. 前記パターニングされた電極が存在する部分と存在しない部分とが略等しい面積とされたことを特徴とする請求項1に記載の視角制御素子。
  4. 前記パターニングされた電極が存在する部分と存在しない部分とが交互に規則的に配列され、その配列ピッチが2mm以上、20mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の視角制御素子。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の視角制御素子と、前記視角制御素子に隣接配置された表示用液晶セルとを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  6. 前記表示用液晶セルの前記視角制御用液晶セルが配置された側と反対側の外面に設けられた第1の偏光板と、前記視角制御用液晶セルの前記表示用液晶セルが配置された側と反対側の外面に設けられた第2の偏光板と、前記表示用液晶セルと前記視角制御用液晶セルとの間に設けられた第3の偏光板とが備えられたことを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
  7. 前記表示用液晶セルの前記視角制御用液晶セルが配置された側と反対側の外面に設けられた第1の偏光板と、前記視角制御用液晶セルの前記表示用液晶セルが配置された側と反対側の外面に設けられた第2の偏光板とが備えられたことを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
  8. 請求項5ないしのいずれか一項に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
JP2004109214A 2004-04-01 2004-04-01 視角制御素子、液晶表示装置、電子機器 Expired - Fee Related JP4367206B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004109214A JP4367206B2 (ja) 2004-04-01 2004-04-01 視角制御素子、液晶表示装置、電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004109214A JP4367206B2 (ja) 2004-04-01 2004-04-01 視角制御素子、液晶表示装置、電子機器

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008221030A Division JP4450097B2 (ja) 2008-08-29 2008-08-29 視角制御素子、液晶表示装置、電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005292586A JP2005292586A (ja) 2005-10-20
JP4367206B2 true JP4367206B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=35325553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004109214A Expired - Fee Related JP4367206B2 (ja) 2004-04-01 2004-04-01 視角制御素子、液晶表示装置、電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4367206B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012105067A1 (ja) 2011-02-01 2012-08-09 凸版印刷株式会社 液晶表示用基板及び液晶表示装置
CN110187527A (zh) * 2019-02-27 2019-08-30 上海天马微电子有限公司 一种液晶显示装置及其驱动方法

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8094103B2 (en) 2004-08-31 2012-01-10 Sharp Kabushiki Kaisha Viewing-angle control device, display apparatus, method for controlling viewing-angle control device, viewing-angle control program, and storage medium storing the program
WO2006027995A1 (ja) 2004-09-07 2006-03-16 Sharp Kabushiki Kaisha 表示装置、視野角制御装置、および電子機器
WO2006030702A1 (ja) 2004-09-15 2006-03-23 Sharp Kabushiki Kaisha 表示装置、視野角制御装置、および電子機器
US8031273B2 (en) 2004-09-17 2011-10-04 Sharp Kabushiki Kaisha Display device, viewing angle control device, and electronic device
US8184145B2 (en) 2004-10-04 2012-05-22 Sharp Kabushiki Kaisha Display device and electronic apparatus
KR101205652B1 (ko) * 2005-04-01 2012-11-27 샤프 가부시키가이샤 휴대 정보 단말 장치 및 표시 단말 장치
US7486350B2 (en) 2005-12-23 2009-02-03 Sharp Kabushiki Kaisha Display device, viewing angle control device, electronic display device, and multiple image display device
JP4945128B2 (ja) * 2005-12-28 2012-06-06 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法
US7667809B2 (en) 2005-12-28 2010-02-23 Lg. Display Co., Ltd. FFS mode liquid crystal display device and method of fabricating the same
KR101109517B1 (ko) 2005-12-29 2012-01-31 엘지디스플레이 주식회사 시야각 제어시스템
JP2007199366A (ja) * 2006-01-26 2007-08-09 Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd 液晶表示装置
JP4572888B2 (ja) * 2006-10-30 2010-11-04 ソニー株式会社 液晶装置及び電子機器
WO2008129890A1 (ja) * 2007-04-17 2008-10-30 Sharp Kabushiki Kaisha 表示装置およびこれを備えた電子機器
CN101526703B (zh) 2008-03-04 2011-08-17 上海天马微电子有限公司 透射反射液晶显示装置
CN101526702B (zh) 2008-03-04 2012-02-22 上海天马微电子有限公司 视角可控的液晶显示装置及其驱动方法
US9341872B2 (en) 2008-03-04 2016-05-17 Shanghai Tianma Micro-electronics Co., Ltd. Liquid crystal display device with controllable viewing angle and driving method thereof
WO2023193132A1 (zh) * 2022-04-06 2023-10-12 昆山龙腾光电股份有限公司 宽窄视角可切换的显示面板及驱动方法、显示装置
WO2024031296A1 (zh) * 2022-08-08 2024-02-15 昆山龙腾光电股份有限公司 宽窄视角可切换的显示面板及驱动方法、显示装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012105067A1 (ja) 2011-02-01 2012-08-09 凸版印刷株式会社 液晶表示用基板及び液晶表示装置
CN110187527A (zh) * 2019-02-27 2019-08-30 上海天马微电子有限公司 一种液晶显示装置及其驱动方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005292586A (ja) 2005-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4285350B2 (ja) 視角制御素子およびその製造方法、液晶表示装置、電子機器
JP4367206B2 (ja) 視角制御素子、液晶表示装置、電子機器
US20060050212A1 (en) Liquid crystal display device and electronic apparatus
JP2001221995A (ja) 液晶装置および電子機器
US20050225696A1 (en) Liquid crystal display device and electronic apparatus
JP4450097B2 (ja) 視角制御素子、液晶表示装置、電子機器
JP2007058007A (ja) 液晶装置および電子機器
US7397528B2 (en) Liquid crystal display device and electronic apparatus
JP3858882B2 (ja) 液晶表示装置および電子機器
JP3915792B2 (ja) 液晶表示装置および電子機器
JP2009192865A (ja) 液晶装置及び電子機器
JP2005055595A (ja) 液晶表示装置、及びその駆動方法、並びに電子機器
JP4930469B2 (ja) 液晶表示装置及び電子機器
JP2006058734A (ja) 液晶表示装置及び電子機器
US11150520B2 (en) Liquid crystal display device
US20050117098A1 (en) Liquid crystal display and electronic device
JP4483477B2 (ja) 液晶表示装置及び電子機器
JP2007233015A (ja) 半透過型液晶表示装置及びその製造方法
JP2004004938A (ja) 液晶表示装置および電子機器
JP4067026B2 (ja) 液晶表示装置および電子機器
JP4001154B2 (ja) 液晶表示装置および電子機器
JP3607286B2 (ja) 端末装置及び携帯端末装置
JP2006098482A (ja) 液晶表示装置、液晶表示装置の駆動方法および電子機器
JP2005148136A (ja) 液晶表示装置および電子機器
JP4656112B2 (ja) 液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060425

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080701

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090804

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090817

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130904

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees