JP4366884B2 - 固体撮像素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCD(電荷結合素子)カラーリニアセンサに用いて好適な固体撮像素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばカラー対応のファクシミリやプリンタに用いられるラインスキャナには、赤色(R),緑色(G),青色(B)の各色に関する入射光量に応じた信号電荷を蓄積する受光部あるいは電荷蓄積部(画素)を色ごとに一次元的に配列したセンサ列と、これらのセンサ列に対応して各色ごとに信号電荷を出力部へ転送する転送レジスタとを備えた固体撮像素子(3ラインCCDカラーリニアセンサ)が用いられている。
【0003】
この種の3ラインCCDカラーリニアセンサ等においては、受光部における信号電荷の蓄積期間を調整するタイプに関し、各色独立のROG(リードアウトゲート)パルスにより各色の蓄積期間を調整するタイプ(以下、第1のタイプという。)と、各色独立のシャッタゲートパルスにより各色の蓄積期間を調整するタイプ(以下、第2のタイプという。)の2種類がある。
【0004】
図4は、第1のタイプのリニアセンサの駆動タイミングの一例を示している。このタイプの固体撮像素子における各色の蓄積期間の調整は、青色、赤色、緑色の各色独立の3種類のリードアウトゲートパルスφROG(B),φROG(R),φROG(G)で実現され、各色ごとに印加される読出しパルスの印加間隔によって、各色独立に信号電荷の蓄積期間(B),(R),(G)を調整するようにしている。なお図では簡単のために、各色の感度の比がR:G:B=2:3:1の場合を示しており、青色に関する蓄積期間(B)に対して緑色に関する蓄積期間(G)は1/3、赤色に関する蓄積期間(R)は2/3となっている。
【0005】
例えば緑色に関するセンサ列においては、無効期間(G)の間に蓄積された電荷は時刻t0に読み出され、出力部へ向けて転送レジスタを転送されるが、この期間に蓄積された電荷は信号処理には使用されない。これに対し、蓄積期間(G)の間に蓄積された電荷は時刻t1に読み出され、出力部へ向けて転送レジスタを転送されて信号処理に使用される。
【0006】
第1のタイプのリニアセンサでは、赤色、青色に関するセンサ列の蓄積期間(R),(B)は、緑色に関する蓄積期間(G)の2倍、3倍に調整される。また、無効期間(G),(R)に蓄積された電荷を一度読み出して出力部へ送り出すために、最低1ライン分の読出し期間が必要となる。すなわち、このタイプのリニアセンサでは、蓄積期間の調整レンジが大きく、また、蓄積期間が長いという特徴がある。
【0007】
一方、図5は、第2のタイプのリニアセンサの駆動タイミングの一例を示している。このタイプのリニアセンサにおける各色の蓄積期間の調整は、青色、赤色、緑色共通のリードアウトゲートパルスφROGと、各色独立の3種類のシャッタゲートパルスφSHUT(B),φSHUT(R),φSHUT(G)で実現される。このタイプのリニアセンサでは、シャッタゲートパルスがON(Hレベル)になった時点でそれ以前に蓄積された電荷を受光部から掃き捨てる電子シャッタ機能を用いており、時刻t0からt1までの1ラインの期間において各色ごとに任意にシャッタゲートパルスを印加することによって、各色独立に信号電荷の蓄積期間(B),(R),(G)を調整するようにしている。なお図では簡単のために、各色の感度の比がR:G:B=2:3:1の場合を示している。
【0008】
第2のタイプのリニアセンサでは、第1のタイプのリニアセンサと比較して、各色の蓄積期間の調整を1ラインの中で細かく行うことができ、しかも無効期間に蓄積された電荷を読み出す必要はないので電荷蓄積期間を短くできる。その一方で、各色共通のリードアウトゲートパルスと合わせて計4種類のクロックパルスが必要になると共に、シャッタゲートパルスが出力部のアンプ回路に対して影響を与えるという側面をもつ。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のリニアセンサは、信号電荷の蓄積期間の調整の仕方に上記第1のタイプと第2のタイプの何れかしかなく、両タイプの機能を兼ね備えたリニアセンサは存在していなかった。このため、ユーザーにとっては目的や仕様に応じて何れかのタイプのリニアセンサを選択しなければならなず、他方、メーカーにとっては各タイプごとに製造ラインが必要で生産量の調整も困難であった。
【0010】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、各色独立のリードアウトゲートパルスにより各色の蓄積期間を調整するモードと、各色独立のシャッタゲートパルスにより各色の蓄積期間を調整するモードの何れにも対応することができる固体撮像素子を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するに当たり、本発明の固体撮像素子は、各色独立のリードアウトゲートパルス(ROGパルス)により各色の電荷蓄積部における信号電荷の蓄積期間を調整する第1の調整手段と、各色独立のシャッタゲートパルスにより各色の電荷蓄積部における信号電荷の蓄積期間を調整する第2の調整手段と、これら第1,第2の調整手段を選択的に切り替える切替手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明は、第1の調整手段と第2の調整手段とを切替手段の切替により選択することができるように構成されているので、1つの固体撮像素子で、各色独立のリードアウトゲートパルスによる各色の電荷蓄積期間を調整するモードと、各色独立のシャッタゲートパルスによる各色の電荷蓄積期間を調整するモードの双方に対応することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態による固体撮像素子として、3ラインCCDカラーリニアセンサ(以下、リニアセンサという。)1の概略構成を示している。すなわちリニアセンサ1は、赤色(R)に関する電荷蓄積部(画素)のみが一次元的に配列されたセンサ列11Rと、緑色(G)に関する電荷蓄積部のみが一次元的に配列されたセンサ列11Gと、青色(B)に関する電荷蓄積部のみが一次元的に配列されたセンサ列11Bとがそれぞれ並列に配置され、更に各センサ列11R,11G,11Bごとに転送レジスタ12R,12G,12Bが配置されて、各各色ごとに1ライン分ずつ線順次に出力するように構成されている。
【0015】
図2は本実施の形態のリニアセンサ1の詳細を示す回路構成図である。赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)に関する入射光量に応じた信号電荷を蓄積する電荷蓄積部2R,2G,2Bと、各色に対応して配置された転送レジスタ12R,12G,12Bとの間には、リードアウトゲート21R,21G,21Bがそれぞれ配置されている。これらリードアウトゲート21R,21G,21Bが配置される電荷蓄積部2R,2G,2Bの反対側にはシャッタゲート22R,22G,22Bが配置され、これに隣接して信号電荷が掃き捨てられるシャッタドレイン23R,23G,23Bが配置されている。リードアウトゲート21R,21G,21B及びシャッタゲートパルス22R,22G,22Bには、後述するスイッチ回路34を介して所定のリードアウトゲートパルス及びシャッタゲートパルスが印加される。
【0016】
赤色のセンサに関するリードアウトゲートパルスφROG(R)及びシャッタゲートパルスφSHUT(R)は入力端子31Rに入力され、ドライバ33Rを介してスイッチ回路34へ供給される。緑色に関するリードアウトパルスφROG(G)及びシャッタゲートパルスφSHUT(G)は入力端子31Gに入力され、ドライバ33Gを介してスイッチ回路34へ供給される。青色のセンサに関するリードアウトゲートパルスφROG(B)及びシャッタゲートパルスφSHUT(B)は入力端子31Bに入力され、ドライバ33Bを介してスイッチ回路34へ供給される。
【0017】
図示しないタイミング発生器から各入力端子31R,31G,31Bへ供給される上記の各種パルス信号は、リニアセンサ1の電荷蓄積期間の調整モードに応じて接続先がスイッチ回路34により切り替えられる。
【0018】
すなわち、各色独立のリードアウトゲートパルスにより各色の電荷蓄積部における信号電荷の蓄積期間を調整するモード(以下、第1モードという。)時にあっては、各色独立のリードアウトゲートパルスφROG(R),φROG(G),φROG(B)がそれぞれ対応するリードアウトゲート21R,21G,21Bへ供給されることにより、本発明に係る第1の調整手段を構成する。
【0019】
一方、各色独立のシャッタゲートパルスにより各色の電荷蓄積部における信号電荷の蓄積期間を調整するモード(以下、第2モードという。)時にあっては、各色独立のシャッタゲートパルスφSHUT(R),φSHUT(G),φSHUT(B)がそれぞれ対応するシャッタゲート22R,22G,22Bへ供給される。第2モード時における各色共通のリードアウトゲートパルスφROGは入力端子31Fに入力され、ドライバ33Fを介してスイッチ回路34へ供給されることにより、本発明に係る第2の調整手段を構成する。
【0020】
スイッチ回路34は本発明に係る切替手段として構成され、各入力端子31R,31G,31B,31Fに入力される上記のパルス信号の供給先を、第1モード時と第2モード時とで切り替える機能を有する。本実施の形態では、第1モード及び第2モードは、スイッチ端子31Sを介してスイッチ回路34へ供給されるスイッチ信号SWのレベル(L,H)に応じて切り替えられ、スイッチ信号SWがHレベルの時には第1モードが選択され、スイッチ信号SWがLレベルの時には第2モードが選択される。
【0021】
図3にスイッチ回路34の構成例を示す。本実施の形態のスイッチ回路34は、複数のスイッチ回路部34F,34R,34G,34Bから構成される。各スイッチ回路部34F,34R,34G,34Bはそれぞれ同様な構成を有し、ノットゲート36と2つのMOSトランジスタ37,38とからなる。入力端子31Sを介して入力されるスイッチ信号SWはノットゲート36及びMOSトランジスタ38のゲート部に供給されると共に、ノットゲート36により反転されたスイッチ信号SWがMOSトランジスタ37のゲート部に供給される。入力端子31F,31R,31G,31Bを介して各種パルス信号がMOSトランジスタ37,38のソース/ドレイン部に供給され、スイッチ信号SWのレベル(H/L)に応じて何れかのMOSトランジスタ37,38を介してリードアウトゲート21R,21G,21B又はシャッタゲート22R,22G,22Bへ出力される。
【0022】
一方、転送レジスタ12R,12G,12Bの各端部には出力部24R,24G,24Bがそれぞれ配置されている。各出力部24R,24G,24Bは、信号電荷を電圧信号に変換するフローティング・ディフュージョン(FD)25R,25G,25Bと、ソースフォロワ回路等からなる出力バッファ26R,26G,26Bとで構成され、各出力信号Vout(R),Vout(G),Vout(B)が出力端子32R,32G,32Bを介して図示しない信号処理系へそれぞれ供給される。
【0023】
本実施の形態によるリニアセンサ1は以上のように構成され、次に、この作用について説明する。
【0024】
各色独立のリードアウトゲートパルスにより各色の電荷蓄積部2R,2G,2Bにおける信号電荷の蓄積期間を調整する第1モード時、Hレベルのスイッチ信号SWがスイッチ回路34へ供給される。これを受けて、スイッチ回路34の各回路部34F,34R,34G,34Bにおける一方側のMOSトランジスタ38のゲートのみが開放され、入力端子31R,31G,31Bに入力される各色独立のリードアウトゲートパルスφROG(R),φROG(G),φROG(B)が、各リードアウトゲート21R,21G,21Bへそれぞれ供給される。
【0025】
これにより、図4に示した態様で各色の電荷蓄積部2R,2G,2Bにおいて信号電荷の蓄積期間が調整される。なお、この第1モード時においては入力端子31Fへ入力されるパルス信号は発生しない。
【0026】
次に、各色独立のシャッタゲートパルスにより各色の電荷蓄積部2R,2G,2Bにおける信号電荷の蓄積期間を調整する第2モード時では、Lレベルのスイッチ信号SWがスイッチ回路34へ供給される。これを受けて、スイッチ回路34の各回路部34F,34R,34G,34Bにおける他方側のMOSトランジスタ37のゲートのみが開放され、入力端子31R,31G,31Bに入力される各色独立のシャッタゲートパルスφSHUT(R),φSHUT(G),φSHUT(B)が、各シャッタゲート22R,22G,22Bへそれぞれ供給される。
【0027】
これにより、図5に示した態様で各色の電荷蓄積部2R,2G,2Bにおいて信号電荷の蓄積期間が調整される。なお、この第2モード時において入力端子31Fへ入力されるパルス信号は、MOSトランジスタ37を介して各色共通のリードアウトゲートパルスφROG(R,G,B)として、各リードアウトゲート21R,21G,21Bへ供給される。
【0028】
以上のように本実施の形態のリニアセンサ1によれば、簡単な構成で、上記第1モードと第2モードとを容易に切り替えることができるので、1つのリニアセンサで2つの調整モードに対応することが可能となる。
【0029】
したがって、ユーザーにとっては、電荷蓄積期間の調整モードに応じてリニアセンサを選択する手間がなくなり、共通のリニアセンサでもって何れのモードを行わせることができるようになる。また、当該リニアセンサを駆動するセットの共通化を図ることができる。更にメーカーにとっては、製造ラインの共通化が図られ、設備コスト及び生産コストの低減が図れると共に生産量の変動に対しても容易に対応することが可能となる。
【0030】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0031】
例えば、上記第1モード又は第2モードを選択した後これを固定して実施する形態に限らず、制御目的や使用環境の変動に基づいて逐次スイッチ回路34を作動させ、蓄積期間の調整モードを任意に変更して実施することも可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の固体撮像素子によれば、各色の電荷蓄積部における信号電荷の蓄積期間を、各色独立のリードアウトゲートパルスで調整するモードと、各色独立のシャッタゲートパルスで調整するモードの何れのモードにも対応することが可能となる。
【0033】
請求項2の発明によれば、簡単な構成で容易に上記2つのモードを切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による固体撮像素子の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態による固体撮像素子の構成の詳細を示す図である。
【図3】図2におけるスイッチ回路の一構成例を示す図である。
【図4】各色独立のリードアウトゲートパルスで信号電荷の蓄積期間を調整する例を説明する各種パルス信号のタイミングチャートである。
【図5】各色独立のシャッタゲートパルスで信号電荷の蓄積期間を調整する例を説明する各種パルス信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…リニアセンサ(固体撮像素子)、2R,2G,2B…電荷蓄積部、11R,11G,11B…センサ列、12R,12G,12B…転送レジスタ、21R,21G,21B…リードアウトゲート、22R,22G,22B…シャッタゲート、24R,24G,24B…出力部、34…スイッチ回路(切替手段)、φROG(R),φROG(G),φROG(B)…リードアウトゲートパルス、φSHUT(R),φSHUT(G),φSHUT(B)…シャッタゲートパルス。

Claims (1)

  1. 入射光量に応じた量の信号電荷を蓄積する電荷蓄積部であって、リードアウトゲートとシャッタゲートとの間に配置された電荷蓄積部が色ごとに一次元的に配置された複数のセンサ列と、
    前記各センサ列に対応して配置され前記センサ列から読み出した信号電荷を出力部へ転送する転送レジスタと、
    各色独立のリードアウトゲートパルスにより前記各色の電荷蓄積部における信号電荷の蓄積期間を調整する第1の調整手段と、
    各色独立のシャッタゲートパルスにより前記各色の電荷蓄積部における信号電荷の蓄積期間を調整する第2の調整手段と、
    前記リードアウトゲートに対して印加される前記リードアウトゲートパルスと、前記シャッタゲートに対して印加される前記シャッタゲートパルスとを選択的に切り替えることで、前記第1の調整手段と第2の調整手段とを選択的に切り替えるスイッチ回路と
    を具備する固体撮像素子。
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