JP4366115B2 - ウエハホルダおよび電子顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主に電子顕微鏡用のウエハホルダにかかわり,特に半導体素子製造分野における検査観察用の電子顕微鏡用ウエハホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子顕微鏡装置は光学式の顕微鏡と比較し高い倍率を有するため、観察中に試料が振動すると、画像のブレ等を生じて分解能の低下を生じ易い。特に半導体素子製造分野における検査観察用途においては、厚さ数百マイクロメートル程度と薄い円盤状のウエハが観察対象となるため、低振動に保持するための技術が過去に提案されている。例えば、特開2002−42708号公報に記載のものがこれにあたる。
【0003】
特開2002−42708号公報に記載の例では,ウエハを保持するために静電チャックを利用し、機械的にウエハが振動することを防止する構成が示されている。この方法ではウエハ裏面が静電吸着力によりチャックにしっかり固定されるので、ウエハの振動を効果的に低減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電子顕微鏡により半導体素子のパターン側壁などを仔細に観察しようとする場合、電子線を傾斜方向から入射させる必要があり、このような場合に対応するため、傾斜ステージや光学系によるビーム傾斜の方法による傾斜観察機能を備えた電子顕微鏡が用いられる。
【0005】
ところが、半導体用ウエハは、面積に比して厚さが薄いため、面と垂直な方向に振動しやすいという問題がある。図5はウエハの振動と画像振動の関係を示す図である。(A)に示す通り、電子線を面と垂直に入射させた場合には、上記のウエハ振動によって直接的に画像振動は生じないが、(B)に示すような傾斜方向からの入射では、ウエハ20の振動が電子ビーム50と垂直な方向の成分を持つため、画像振動が生じてしまうことが分かる。
【0006】
半導体ウエハ観察用の電子顕微鏡の分解能は通常1から3ナノメートル程度であるため、極めて僅かなウエハの振動によっても有害な画像の乱れが生じ易く、これが傾斜観察機能を持つ電子顕微鏡における課題となっている。
【0007】
特開2002−42708号公報に開示された例では、ウエハを保持するために静電チャックを利用する構成が示されている。加工プロセスを経てきたウエハは表面の残留応力などのために、反りを生じていることが珍しくないが、静電チャックを利用するとウエハ裏面が静電吸着力によりチャック面に密着してしっかり固定されるので、ウエハの振動を効果的に低減することができる。
【0008】
しかしながら、半導体素子の製造工程では、ウエハへの異物付着が素子不良の大きな原因とされており、後に続く製造プロセスにおいて表面への回り込みが考えられるため、近年はウエハ裏面の異物についても極力低減することが求められるようになっている。上記の静電チャックを利用する方式では、ウエハ裏面がチャック面全面に強く押し当てられるため、ウエハ裏面への異物付着の低減が困難であるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は,上記の問題点を解決して,ウエハ裏面への異物付着の低減が可能で、面垂直方向のウエハ振動を防止することのできるウエハホルダを実現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では、ウエハホルダにおいて、ウエハを下方から支持する支持座のうち、少なくとも1個を上下方向に弾性的に移動可能とし、さらにこの可動支持座を上下方向に固定する固定機構を設ける。
【0011】
また、本発明の一形態では、上記のウエハホルダにおいて、ウエハを保持した状態での、ウエハと上記可動支持座との接触力が、ウエハ自重の1/2以下に設定する。
【0012】
また、本発明の別の一形態では、電子顕微鏡において、上記の固定機構を開放する開放機構を設ける。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例であるウエハホルダを示す斜視図であり、図3は同ウエハホルダにウエハを装着した状態を示す図である。ウエハホルダ1上には固定支持座5、可動支持座6、固定ピン11および可動ピン12が設けられている。
【0014】
ウエハ20は固定支持座5および可動支持座6上に載せられ、固定ピン11および可動ピン12によって水平方向の位置が固定される。
【0015】
図3および図4は可動支持座6付近の構造を示す図である。可動支持座6は平行板バネ機構32によって支持された可動ブロック31上に設けられており、上下方向にのみ弾性的に移動可能に支持されている。また、可動ブロック31に近接して板バネ33が設けられ、さらに、車輪A42および車輪B43を備え、支持軸44を中心として回転可能に支持されたアーム機構41が設けられている。車輪B43は板バネ33に接しており、さらに板バネ33を可動ブロック31の方向に変形させるように、圧縮バネ45によってアーム機構41に力が加えられている。
【0016】
これら、板バネ33、アーム機構41、車輪A42、車輪B43、支持軸44および圧縮バネ45が、可動座の固定機構を構成する。図6は固定機構の動作を示す図であり、(A)は可動座が開放である状態、(B)は固定された状態である。
【0017】
図4に示す車輪A42に、圧縮バネ45の圧縮力を打ち消すだけの上向きの力が加わった状態では、板バネ33は可動ブロック31に接触せず、(A)の開放状態となる。車輪A42に加わる力が除かれると圧縮バネ45が発生する圧縮力により、車輪B43が板バネ33を変形させ、板バネ33が可動ブロック31に接触する。板バネ33は厚み方向の変形剛性に比較して、上下方向の剛性が桁違いに大きいので、可動ブロック31および可動支持座6は上下方向に強固に固定される。
【0018】
ウエハ20をウエハホルダ1に載せて固定する際には、上記固定機構を開放状態とし、ウエハの自重の一部によって可動支持座6が弾性的にたわみ変位を生じてウエハの反りにならうようにし、電子ビームによる観察に移行する際には、固定機構を固定状態にすることで,振動の無いウエハ保持が可能になる。
【0019】
本実施例によれば、静電チャックを利用する方式と比較し、ウエハを裏面において接触支持する面積を極めて微小にすることが可能であり、また支持座の材質も自由に選択できるため、摩擦によって発塵の生じにくいフッ素樹脂などを利用することにより、ウエハ裏面への異物付着を防ぐことができる。
【0020】
また、先行するプロセスによって反りを生じているウエハについても、中央部に設けた可動支持座6が上下方向に弾性的に変形するため、固定支持座5、および可動支持座6の全てがウエハ支持に寄与することができ、ウエハの面垂直方向の振動を効果的に低減することが可能である。
【0021】
またこの際、ウエハ自重の1/2よりも小さな力で充分なたわみが得られるように、可動支持座6を弾性的に支持する平行板バネ機構32のバネ剛性を低く取ってあるため、反りのきついウエハであっても、周辺が浮いてしまうようなことが無い。
【0022】
図7は、本発明の別の実施例である電子顕微鏡を示す図である。本実施例は、傾斜テーブル56、Yテーブル55、Xテーブル54からなる傾斜観察機構を備えており、ウエハ20を保持するウエハホルダ1は上記第一の実施例と同一の構造である。傾斜観察の際にも前述の可動支持座の効果によりウエハの振動が生じにくく、その結果としてぶれの少ない良好な画像を得ることができる。
【0023】
図8は真空排気室の構造を示す断面図である。真空チャンバ52の側面に設けられた真空排気室53には、開放機構58が設けられている。図9は可動支持座付近を拡大した図であり、(A)はウエハホルダ1がウエハ交換位置にある状態、(B)は観察位置に向かうため移動を開始した状態を示す。(A)のウエハ交換位置においては、開放機構58が車輪A42を上方に押すことにより、可動支持座6は上下に移動可能な状態にある。ウエハホルダ1が移動を開始すると、(B)のように、車輪A42が開放機構58から外れ、可動支持座6は固定される。
【0024】
本機構により、別途に制御回路等を設けること無しに、可動支持座6の固定開放動作が可能になる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、ウエハ裏面への異物付着を低減させながら、面垂直方向のウエハ振動を防止することのできるウエハホルダを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるウエハホルダを示す斜視図。
【図2】同実施例にウエハを装着した斜視図。
【図3】可動支持座の構造を示す斜視図。
【図4】可動支持座の構造を示す一部断面図。
【図5】ウエハの振動と画像振動の関係を示す図。
【図6】可動支持座押さえ機構の動作を示す図。
【図7】本発明の一実施例である電子顕微鏡を示す図。
【図8】真空排気室の構造を示す図。
【図9】開放機構の動作を示す図。
【符号の説明】
1………ウエハホルダ、5………固定支持座、6………可動支持座、11………固定ピン、12………可動ピン、20………ウエハ、31………可動ブロック、32………平行板バネ機構、33………板バネ、41………アーム機構、42………車輪A、43………車輪B、44………支持軸、45………圧縮バネ、50………電子ビーム、51………電子光学系カラム、52………真空チャンバ、53………真空排気室、54………Xテーブル、55………Yテーブル、56………傾斜テーブル、57………ガイドレール、58………開放機構。
Claims (2)
- 電子顕微鏡の試料室内でウエハを保持するウエハホルダであって、ウエハを下方から支持する複数の支持座を備え、該複数の支持座のうちの少なくとも1個の第1の支持座が、該第1の支持座を上下方向に弾性的に移動可能に支持する機構と、該第1の支持座を上下方向に固定する固定機構とを備え、ウエハを保持した状態において、該ウエハと、前記第1の支持座との接触力が、ウエハ自重の1/2以下であることを特徴とするウエハホルダ。
- 上記請求項1に記載のウエハホルダと、ウエハが導入される真空室と、該真空室を排気する真空排気室とを備え、更に、該真空排気室内に前記固定機構を開放する開放機構を備えたことを特徴とする電子顕微鏡。
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