JP4365670B2 - から揚げ用衣液、から揚げ及びその製造法 - Google Patents

から揚げ用衣液、から揚げ及びその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、一般に竜田揚げと称される白い粉が吹いたような外観を呈するから揚げを、工業的生産においても容易に、且つ高い生産効率において製造することが可能なから揚げ用衣液、該衣液等を用いて得られるから揚げ、更には、従来のから揚げとは衣の外観が相違し、食欲をそそる多数の白い粉が吹いたような竜田揚げ様のから揚げ及びその製造法に関する。
近年、惣菜売り場等で販売される調理した揚げ物食品や、揚げ物冷凍食品等の簡単に食される惣菜製品の販売量が増大している。このような揚げ物食品は、一般に衣の種類から、素揚げ、から揚げ、天ぷら、フライに分類される。
素揚げは、ポテトや小魚等の食材をそのまま油ちょうしたものであり、食材の味が強調され、また、食材に焦げ色や焦げ味が付き易い。
から揚げは、通常、肉や魚等の食材に、澱粉や小麦粉を粉のまま付けて油ちょうしたものであり、食材の水分を保持した状態で旨味や香りを維持することができる。中でも、片栗粉等の澱粉を付けて油ちょうし、白い粉が吹いたような外表面を有するから揚げは、一般に竜田揚げと呼ばれている。
天ぷらは、通常、小麦粉と水を混ぜた天ぷら用衣液を食材に付けて油ちょうしたものであり、から揚げに比べて衣に多量の水分が含まれる。従って、通常、天ぷら用衣液の水分量は50質量%以上必要である。
フライは、各種食材にフライ用バッター液を付着させた後、更にパン粉を付着させて油ちょうしたものであり、通常、パン粉に焦げ色が付与される。
このように揚げ物は、衣の種類等に応じて食感、風味が異なるものであり、通常、それ専用の衣材が使用される。また、このような揚げ物を大量生産する場合には、衣の外観や食感がなるべく均一になることが望まれ、しかも高い生産効率が要望される。しかし、例えば、食材の最外表面に粉を付着させ油ちょうするから揚げの生産においては、油ちょう時に粉が揚げ油中に脱落して油を劣化させ易く、また脱落した粉が堆積するために該脱落した粉を除去する作業等が必要で製造工程が煩雑になり易い。
そこで、特許文献1には、具材への付着が良好で揚げ油中の揚げかすの発生が少ないから揚げ粉が提案されている。
また、特許文献2には、油ちょう後に衣が食材から剥がれることを防止するために、食材にダマ粉を打ち粉した後に、バッター液を付けて油ちょうし竜田揚げを製造する方法が提案されている。この文献に開示されたバッター液は、タピオカ澱粉、コーンスターチ、食塩、グルタミン酸ナトリウム、濃口醤油、みりん、色素及び水からなり、打ち粉として澱粉を主成分とするダマ粉が使用されているが、得られる竜田揚げの外観は、通常の白い粉を吹いたような衣ではなく、黄色度が強いものである。更に、ダマ粉をバッター液で被覆しているので衣が食材に強固に付着している反面、衣の食感がゴツゴツして固さが強調され易いものになっている。
一方、特許文献3には、油ちょう後のから揚げ等の揚げ物が時間経過した場合や、油ちょう後の揚げ物を冷凍保存し、更に電子レンジにより再加熱した際に、衣のサクサクとした食感が劣化することを防止するために、食用油脂、大豆蛋白質、乳化剤、澱粉及び水を含むバッターを具材に付着させ、次いで、水不溶性多糖類及び水溶性多糖類を含むブレッダー用ミックス粉を付着させ、油ちょうするから揚げ等の製造方法が記載されている。
この文献に記載された製造方法により得られるから揚げは、食用油脂を含むバッターにより具材からの水分がブレッダー層に移行するのを防止できるが、白い粉が吹いたような外観を有するから揚げは得られない。
ところで、フライの衣は、前述のとおりバッター及びパン粉により形成されるため、前記特許文献3に記載された衣のサクサク感の劣化を抑制するために、バッターとして、例えば、特許文献4及び5に記載されるように、食用油脂を含むバッターが多数提案されている。
しかし、このようなフライ用バッターは、具材とパン粉によるブレッダー層との間に付着させた態様で使用する必要があるため、パン粉による衣のサクサク感を維持することはできるが、竜田揚げのような白い粉を吹いたような外観を形成することはできない。
特開平6−237723号公報 特開2001−54370号公報 特開2003−135014号公報 特開平10−271951号公報 特開2002−291434号公報
本発明の課題は、白い粉を吹いたような竜田揚げ風の外観を有するから揚げを、工業的に大量生産する場合であっても安定的に、しかも油ちょう時に通常のから揚げに使用される澱粉の脱落による揚げ油の劣化や汚れを抑制することができ、且つ均一な液状態を保持して生産ラインにおける衣液の澱粉の沈澱を十分に抑制しうるから揚げ用衣液、該衣液を用いたから揚げ及びその製造法を提供することにある。
本発明の別の課題は、多孔質構造で、且つ白い粉を吹いたような竜田揚げ風の外観の白さが際立った食欲をそそる従来にない衣を有するから揚げ、該から揚げを大量生産であっても安定的に得ることができる製造法及び該から揚げの衣を形成するためのから揚げ用衣液を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、従来、から揚げの製造に多く用いられている小麦粉や澱粉を粉のまま具材に付着させて油ちょうするのではなく、澱粉と、食用油脂と、乳化剤及び/又は起泡剤と、水とを含む特定組成のから揚げ用衣液を、油ちょう前のから揚げ用具材の最外表面に用いることにより、特に、食用油脂が作用して竜田揚げ風の白い粉を吹いたような外観が安定的に得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、油ちょう前のから揚げ用具材の最外表面に付着させるためのから揚げ用衣液であって、澱粉40〜51質量%と、食用油脂0.5質量%以上15質量%未満と、乳化剤及び/又は起泡剤0.1〜5.0質量%と、水40〜50質量%とを含み、20℃における粘度が0.2〜12.0Pa・sであることを特徴とするから揚げ用衣液が提供される。
また本発明によれば、食用油脂の含有割合が2〜10質量%であることを特徴とする上記から揚げ用衣液が提供される。
更に本発明によれば、前記から揚げ用衣液をから揚げ用具材の最外表面に付着させ、油ちょうして得たことを特徴とするから揚げが提供される。
更にまた本発明によれば、から揚げ用具材と、該具材表面を被覆する衣とを備えるから揚げであって、澱粉40〜51質量%、食用油脂2〜10質量%、乳化剤0.1〜5.0質量%及び水を含み、20℃における粘度が0.2〜12.0Pa・sであることを特徴とするから揚げ用衣液をから揚げ用具材の最外表面に付着させ、油ちょうして得た、前記衣が、表面孔径100〜2000μmの孔を1cm2あたり10〜30個有する多孔質構造を少なくとも有し、かつ色彩色差計により測定したL*a*b*表色系におけるL*が67〜80、a*が−3〜3及びb*が0〜16である衣を含むことを特徴とするから揚げが提供される。
更に本発明によれば、から揚げ用具材を準備する工程(A)と、から揚げ用具材に味付け用調味液を付着させる工程(B)と、少なくとも前記工程(B)を実施した後のから揚げ用具材の最外表面に前記から揚げ用衣液を付着させる工程(C)と、衣液を付着させたから揚げ用具材を油ちょうする工程(D)とを含むことを特徴とするから揚げの製造法が提供される。
本発明のから揚げ用衣液は、油ちょう前のから揚げ用具材の最外表面に付着させるためのものであって、澱粉と、食用油脂と、乳化剤及び/又は起泡剤と、水とを含む特定粘度の衣液であるので、白い粉を吹いたような竜田揚げ風の外観を有するから揚げを、工業的に大量生産する場合であっても安定的に得ることができる。また、この衣液は液状であり、特定の粘度を有するので、油ちょう時に通常のから揚げに使用される澱粉の脱落による揚げ油の劣化や汚れが抑制され、また、均一な液状態が保持できるので、生産ラインにおける澱粉の沈澱等を抑制でき、均一製品の生産に有効である。更に、食用油脂量を調整することにより、多孔質構造で、且つ白い粉を吹いたような竜田揚げ風の外観の白さが際立った食欲をそそる従来にない衣を有するから揚げを得ることができる。
また本発明のから揚げは、本発明のから揚げ用衣液を用いて製造するか、若しくは特定の多孔質構造及び外観色の両方を兼ね備えるので、白い粉を吹いたような竜田揚げ風の外観を有し、衣のサクサク感と具材の柔らかさがマッチしており、更には、多孔質構造で、且つ白い粉を吹いたような竜田揚げ風の外観の白さが際立った従来にない衣を有するので、特に視覚的に食欲及び購買意欲がそそられる。
更に本発明の製造法では、特に、本発明のから揚げ用衣液を油ちょうする前の最外表面に付着させる工程を行うので、本発明のから揚げを大量生産する場合であっても安定的に得ることができる他、油ちょう時に通常のから揚げに使用される澱粉の脱落による揚げ油の劣化や汚れが抑制され、また、衣液における澱粉の沈澱が抑制され、揚げ油の清浄化等の煩雑な工程を少なくでき、高い生産効率で本発明のから揚げを得ることができる。
以下本発明を更に詳細に説明する。
本発明のから揚げ用衣液は、油ちょう前のから揚げ用具材の最外表面に付着させ、白い粉が吹いたような竜田揚げ風の外観を安定的に付与等するためのものであって、必須成分として、澱粉と、食用油脂と、乳化剤及び/又は起泡剤と、水とを含む。
前記澱粉としては、例えば、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、サゴ澱粉、更には、これらを酸化、エステル化、エーテル化、架橋、酵素処理等した加工澱粉等が挙げられる。また、食用油脂を含む油脂加工澱粉を用いることができる。使用に際しては単独若しくは2種以上の混合物として用いることができる。中でも、本発明の所望の効果をより向上させるために、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、これらを酸化、エステル化、エーテル化、架橋、酵素処理等した加工澱粉、これらを食用油脂で加工した油脂加工澱粉を用いることが好ましい。
油脂加工澱粉を用いる場合には、含有される油脂量を後述する食用油脂の含有量に含める必要がある。従って、本発明のから揚げ用衣液は、油脂加工澱粉を含む場合、その油脂含有量によっては単独配合する食用油脂を含まない場合も含む。
本発明のから揚げ用衣液において、澱粉の配合割合は、衣液全量基準で通常40〜51質量%である。
澱粉の配合割合が40質量%未満では、得られる衣液の粘度が下降して具材への付着力が劣り、一方、60質量%を超える場合には、得られる衣液の粘度が上昇して取扱いが困難となり大量生産性に劣るので好ましくない。
前記食用油脂としては、例えば、アマニ油、桐油、サフラワー油、カヤ油、クルミ油、ケシ油、ヒマワリ油、綿実油、ナタネ油、大豆油、カラシ油、カポック油、米糠油、ゴマ油、トウモロコシ油、落花生油、オリーブ油、ツバキ油、茶油、ヒマシ油、ヤシ油、パーム油等の植物油脂、牛脂、魚油、鯨油、豚油、羊油等の動物油脂、これらをエステル交換した油や硬化油、分別油、水添油又はこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
食用油脂としては、前述の油脂加工澱粉を用いた場合、必ずしも例示したような液状油脂を配合する必要はないが、本発明の所望の効果をより向上させるためには液状油脂を配合することが好ましい。
本発明のから揚げ用衣液において、食用油脂の配合割合は、衣液全量基準で15質量%未満であり、その下限値は本発明の所望の効果を損なわない範囲であれば良く、0.5質量%以上が好ましい。また、後述する特定の多孔質構造と特定の外観色とを兼ね備える従来にない衣を調製することができる食用油脂の配合割合は、好ましくは2〜10質量%、特に好ましくは4〜6質量%である。
食用油脂の配合割合が15質量%以上の場合、白い粉を吹いたような外観は得られるが、得られる衣の油分が多くなり呈味及び食感が著しく低下する。
前記乳化剤としては、例えば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、これらの2種以上の混合物等が挙げられる。
前記起泡剤としては、例えば、モノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の脂肪酸系乳化剤を配合調製した起泡乳化剤、起泡乳化油脂組成物等が挙げられる。
本発明のから揚げ用衣液において、乳化剤及び/又は起泡剤の配合割合は、本発明の所望の効果を損なわない範囲であれば良く、衣液全量基準で通常0.1〜5.0質量%、好ましくは2〜3質量%である。
乳化剤及び/又は起泡剤の配合割合が0.1質量%未満では、衣液の安定性が低下し、製造時の衣液の管理が煩雑になり易く、また、得られる衣において白い粉を吹いたような外観がまばらになり易いので好ましくなく、一方、5.0質量%を超えると、衣が脆くなり易いので好ましくない。
本発明のから揚げ用衣液において、水の配合割合は、衣液全量基準で通常40〜50質量%である。
水の配合割合が22質量%未満では、衣液の粘度を後述する範囲に調整することが困難であり、59.4質量%を超えると、本発明の所望の効果が安定して得られない恐れがあるので好ましくない。
本発明のから揚げ用衣液は、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、更に他の効果を得るために、前記必須成分以外の、例えば、食塩等の調味料等の添加剤を適宜配合することもできる。
本発明のから揚げ用衣液は、TVC-5系粘度計(東機産業(株)製)により測定した20℃における粘度が0.2〜12.0Pa・s、好ましくは1.0〜6.0Pa・sとなるように上記各成分を混合して調製する必要がある。
前記衣液の20℃における粘度が0.2Pa・s未満では、から揚げ製造時に衣液の具材への付着量が十分とならず、また、油ちょう時に付着した衣液が揚げ油中に脱落し、油を劣化させる。一方、該粘度が12.0Pa・sを超える場合には、粘度が高くなり過ぎ衣液の取り扱いが困難である。
本発明の衣液を調製するには、上記各成分が略均一になるように混合すれば良いが、好ましくは、食用油脂と、乳化剤及び/又は起泡剤と、水とを含む液を予め調製した後に澱粉を混合撹拌することが好ましい。
本発明のから揚げは、上記本発明のから揚げ用衣液をから揚げ用具材の最外表面に付着させ、油ちょうして得たものであるか、若しくは衣が、後述する特定の多孔質構造及び外観色の両方を兼ね備えた衣部分を有するから揚げである。
から揚げ用具材としては、通常、から揚げ、特に竜田揚げに使用される具材であれば特に限定されず、肉類、魚類等が挙げられる。
本発明において、前記特定の多孔質構造及び外観色の両方を兼ね備えた衣部分を有するから揚げは、から揚げ用具材と、該具材表面を被覆する衣とを備え、該衣が、多孔質構造として、表面孔径100〜2000μm、好ましくは200〜1000μmの孔を1cm2あたり10〜30個、好ましくは15〜25個有する多孔質構造を少なくとも有する。
ここで、表面孔径及び1cm2あたりの特定径の孔の個数とは、衣における1cm2以上の多孔質構造を有する部分の1cm2における表面に現れた孔の径を、デジタルマイクロスコープにより測定し、前記範囲に入る孔の個数を目視により測定したものを意味する。尚、孔の形状は真円でないことが多いので、この場合には最大長径を測定値とする。
また、前記衣は、前記多孔質構造に加えて、衣の外観色が、色彩色差計により測定したL*a*b*表色系におけるL*が67〜80、a*が−3〜3及びb*が0〜16である必要がある。ここで、L*a*b*表色系の測定は、衣における上記多孔質構造に相当する部分を切り取り、色彩色差計により測定した値を意味する。
本発明のから揚げにおいて、このような特定の多孔質構造と外観色とを兼ね備える衣は、例えば、本発明のから揚げ用衣液において、食用油脂の配合割合が2〜10質量%であり、乳化剤を含む特定組成のものを具材の最外表面に付着させて油ちょうする方法等により得られる。
従って、前記衣は、本発明のから揚げ用衣液の如何なるものを用いても得られるというものではない。また、従来のから揚げの衣においては、外観色については、上記L*、a*及b*の範囲を満たすもの、若しくは上記特定の多孔質構造を満たすものは存在するが、これらを兼ね備える衣は知られていない。このような衣は、多孔質構造で、且つ白い粉を吹いたような竜田揚げ風の外観の白が際立った食欲をそそる衣であり、更に、その食感もサクサクとしたから揚げの衣として好ましいものである。本発明のから揚げは、このような衣を衣の少なくとも一部に有しておれば良いが、その割合が高い方がより好ましい。
本発明のから揚げにおいて、上記特定の多孔質構造と外観色とを兼ね備える衣、若しくはこのような構造とは異なるが本発明のから揚げ用衣液を用いて調製したから揚げは、例えば、以下に示す本発明のから揚げの製造法等により得られる。
本発明のから揚げの製造法では、まず、から揚げ用具材を準備する工程(A)を行う。
工程(A)においては、から揚げ用具材の種類に応じて適宜下処理及びカットを公知の方法等により行うことができる。
本発明の製造法では、次に、通常、から揚げの製造において実施される味付けとして、から揚げ用具材に味付け用調味液(ピックル)を付着させる工程(B)を行う。
工程(B)において、味付け用調味液は、から揚げ用具材の種類や所望する味付けに応じて適宜選択することができる。また、該調味液を付着させる方法は特に限定されず、具材に下味が付与されれば良い。
本発明の製造法では、前記工程(B)を実施した後のから揚げ用具材の最外表面に上述の本発明のから揚げ用衣液を付着させる工程(C)を行う。
本発明の製造法では、前記工程(B)の直後に工程(C)を行っても良いが、工程(B)の後、所望に応じて打ち粉付け工程等の他の工程を行うこともできる。
工程(C)は、後述する油ちょう工程(D)の前に、から揚げ用具材の最外表面に上述の本発明のから揚げ用衣液を付着させる工程であって、上述のとおり、衣液中の特に食用油脂の配合割合を調整することにより、本発明のから揚げにおける上述の特定の多孔質構造と外観色とを兼ね備える衣を有するから揚げを得ることができる。
工程(C)において衣液を付着させるには、該衣液が具材の最外表面に均一に付着する方法であれば特に限定されない。工程(C)においては、液状である衣液を用いるので、通常のから揚げに使用される澱粉等の粉の管理や次の油ちょう時に具材から脱落し、揚げ油の劣化や汚れを効率良く抑制することができ、大量生産においても油ちょうを高効率で行うことができる。また、最外表面に付着させる衣液が上述の特定粘度を有する液状物であるので、衣の付着量及び付着状態が均一化し易く、安定的に所望の衣を有するから揚げを得ることができる。更には、得られるから揚げの衣の付着状態も良好で、輸送時等において衣の脱落も十分抑制することができる。
本発明の製造法では、工程(C)の後、衣液を付着させたから揚げ用具材を油ちょうする工程(D)を行うことにより、所望のから揚げを得ることができる。
工程(D)に供するから揚げ用具材は、工程(C)で得られる具材をそのまま供することが好ましいが、本発明の所望の効果を損なわない範囲において他の工程を行うこともできる。この際、例えば、工程(C)終了後、具材に片栗粉等を粉の状態で付着させると、本発明のから揚げ用衣液の所望の効果が低減し、付着した粉の部分が白くならず、黄色等に変色する傾向にある。従って、工程(D)に供する具材は、工程(C)終了直後のものが好ましい。
工程(D)において油ちょうは、通常、170〜190℃程度で行うことができ、油ちょう時間は具材の種類、大きさ等に応じて適宜選択することができる。また、油ちょうは、1度で行う他、最初は低温で2度目は高温で2度揚げ等することも可能である。
本発明の製造法では、前記工程(D)の後、得られたから揚げを冷凍する工程(E)を行うことにより冷凍から揚げを得ることもできる。
工程(E)において、冷凍は公知の条件から適宜選択して行うことができる。
工程(E)を行った冷凍から揚げは、前記工程(D)を再度行って油ちょうすることにより所望のから揚げを得ることができる。
本発明の製造法では、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、上記工程以外の工程を行うこともできる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1〜2及び比較例1〜3
表1に示す組成及び性状のから揚げ用衣材を、実施例1では起泡させながら混合し、実施例2では混合乳化させて、比較例2及び3では混合してそれぞれ調製した。また、水10質量部、醤油3.80質量部、リン酸塩0.50質量部、砂糖0.70質量部及び練り生姜5.00質量部を混合して下味付け用の調味液を調製した。
鶏肉を略同じ形状で1個あたり約24gとなるように切断した。得られたカット鶏肉を、上記で調製した調味液に30分間浸漬して下味を付けた後、該鶏肉の外表面全面に表1に示す実施例1、2及び比較例1のから揚げ用衣材を各々均等に付着させた。続いて、180℃の揚げ用油で3分間油ちょうし竜田揚げ風の鶏のから揚げを各衣材毎に10個製造した。
得られた各から揚げの外表面の衣材において、多孔質構造を有する部分を、デジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製 VH-7000)により観察し、表面孔径100〜2000μmの範囲に入る孔の1cm2あたりの個数を測定した。結果を各から揚げ10個の平均値として表2に示す。
また、得られた各から揚げの衣の外表面の衣材において、実施例1及び2においては上記で測定した多孔質構造部分の衣材を、比較例1においてはなるべく白色度が強いと目視的に感じられる箇所の衣材をカッターで5g剥ぎ取り、黒色台紙に平らに並べ、色彩色差計CR-200(コニカミノルタホールディング社製)の色彩色差計を用い、衣に直接接触させてL*a*b*表色系を測定した。結果を表2に示す。
更に、表1に示す実施例1、2及び比較例2、3のから揚げ用衣材をビーカーに入れ、12時間保存した。その結果、実施例1では若干の沈澱が認められ、実施例2では沈澱物はほとんど認められなかったが、比較例2及び3のから揚げ用衣材は、共に沈澱物が多く観察され、衣液の安定性に問題があることがわかった。
Figure 0004365670
比較例4
タピオカ澱粉5.05質量部、コーンスターチ20.0質量部、食塩0.70質量部、グルタミン酸ナトリウム1.70質量部、濃口醤油9.00質量部、みりん0.60質量部、パプリカ色素0.10質量部及び水120質量部を混合してバッターを調製した。また、水10質量部、醤油3.80質量部、リン酸塩0.50質量部、砂糖0.70質量部及び練り生姜5.00質量部を混合して下味付け用の調味液を調製した。更に、タピオカ澱粉48.0質量部、コーンスターチ51.2質量部及びベーキングパウダー0.8質量部を混合して打ち粉を調製した。
次いで、上記で調製したバッター40質量部と打ち粉60質量部とを混合し、続いて、金網の目(3mm)を通しダマ粉にし、該ダマ粉に対して0.2質量%の乾燥卵白を均一混合してダマ粉を調製した。
次に、鶏肉を略同じ形状で1個あたり約24gとなるように切断した。得られたカット鶏肉を、上記で調製した調味液に30分間浸漬して下味を付けた後、該鶏肉の外表面全面に上記で調製したダマ粉を均一に付着させた後、更に、上記で調製したバッターを付着させた。続いて、180℃の揚げ用油で1分間油ちょうし竜田揚げ風の鶏のから揚げを10個製造した。
得られたから揚げについて、実施例1と同様に衣の多孔質構造とL*a*b*表色系を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004365670
参考例1
実施例2で調製したから揚げ用衣材を実施例2と同様に下味を付けた鶏肉の外表面全面に均等に付着させた後、更に馬鈴薯澱粉を粉の状態で付着させ、続いて、180℃の揚げ用油で3分間油ちょうし竜田揚げ風の鶏のから揚げを10個製造した。
得られたから揚げについて目視観察したところ、最後に付着させた馬鈴薯澱粉が黄色に変色している状態が観察できた。
実施例3及び4
実施例1及び2で調製したから揚げを、−30℃で凍結後、180℃の揚げ用油で3分間油ちょうし竜田揚げ風の鶏のから揚げを製造した。得られたから揚げについて実施例1及び2と同様に衣の多孔質構造とL*a*b*表色系を測定した。その結果、実施例1及び2の結果と略同様な結果が得られた。

Claims (6)

  1. 油ちょう前のから揚げ用具材の最外表面に付着させるためのから揚げ用衣液であって、
    澱粉40〜51質量%と、食用油脂0.5質量%以上15質量%未満と、乳化剤及び/又は起泡剤0.1〜5.0質量%と、水40〜50質量%とを含み、20℃における粘度が0.2〜12.0Pa・sであることを特徴とするから揚げ用衣液。
  2. 食用油脂の含有割合が2〜10質量%であることを特徴とする請求項1記載のから揚げ用衣液。
  3. 請求項1又は2記載のから揚げ用衣液をから揚げ用具材の最外表面に付着させ、油ちょうして得たことを特徴とするから揚げ。
  4. から揚げ用具材と、該具材表面を被覆する衣とを備えるから揚げであって、
    請求項記載のから揚げ用衣液をから揚げ用具材の最外表面に付着させ、油ちょうして得た、前記衣が、表面孔径100〜2000μmの孔を1cm2あたり10〜30個有する多孔質構造を少なくとも有し、かつ色彩色差計により測定したL*a*b*表色系におけるL*が67〜80、a*が−3〜3及びb*が0〜16である衣を含むことを特徴とするから揚げ。
  5. から揚げ用具材を準備する工程(A)と、から揚げ用具材に味付け用調味液を付着させる工程(B)と、少なくとも前記工程(B)を実施した後のから揚げ用具材の最外表面に請求項1又は2記載のから揚げ用衣液を付着させる工程(C)と、衣液を付着させたから揚げ用具材を油ちょうする工程(D)とを含むことを特徴とするから揚げの製造法。
  6. 少なくとも工程(D)を実施した後、から揚げを冷凍する工程(E)を更に含む請求項記載の製造法。
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