JP4365543B2 - 二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム - Google Patents

二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼル機関の黒煙除去装置等に適用され、燃料噴射ポンプから高圧燃料通路を経て供給された高圧の燃料と該燃料以外の他の流体とを層状にして燃焼室内に噴射する二流体噴射弁を備えるとともに、排気通路に排ガス中の煤等の固形物を除去する黒煙除去装置を備えた内燃機関における黒煙除去システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関においては、排ガス中における煤等の固形物を除去する手段として、セラミックフイルターにより該固形物を捕捉するようにした黒煙除去装置が広く用いられている。
かかる黒煙除去装置において、セラミックフイルターに貯まった固形排出物を除去して該セラミックフイルターを再生させる手段として、電気ヒーターにより該固形物を焼却する手段、該黒煙除去装置の上流側に触媒層を設けて燃料を供給して温度を上昇させ該固形物を燃焼せしめる触媒燃焼方式等の手段が提供されている。
【0003】
前記のような再生手段においては、セラミックフイルターを含む黒煙除去フイルターの再生効率が低く、固形物を焼却するため排ガス温度が上昇する上、排ガス中のNOxの低減には逆効果になるという問題点を抱えているため、かかる問題点を解決する手段として、燃料中に燃焼触媒を混合する手段が提案されている。
かかる手段において、炭酸カルシウム、酸化セリウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の酸化促進剤からなる燃焼触媒は、黒煙を自然燃焼させるために機関に要求される排ガス温度を低下させる(該燃焼触媒を燃料に添加することにより、自然燃焼開始温度が100℃程度低下する)という知見から、予め燃料中に該燃焼触媒の水溶液を混合し、この燃焼触媒添加燃料を機関の燃焼に供することにより、排ガス中の固形物の燃焼温度を低下せしめ、排ガス温度が低い運転状態においても前記固形物を確実に燃焼させて黒煙除去フイルターの再生を可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記燃焼触媒水溶液を予め燃料中に添加する手段にあっては、燃焼触媒に燃料中への混合量は機関運転の初期段階にて一義的に決まってしまうことから、機関の負荷、回転数、排ガス温度等の機関運転条件によって該燃焼触媒の燃料への混合比率を制御することは不可能となる。このため、前記燃焼触媒を必要としない機関運転状態においても燃焼触媒が継続的に使用されることとなり、燃焼触媒の効率的な使用が阻害され燃焼触媒の使用量が増大する。
【0005】
また、かかる従来技術にあっては、前記燃焼触媒は排ガス中の固形物燃焼用として特化しているため、排ガス中におけるNOxの低減については別個に専用のNOx低減手段を装備することを必要とし、機関附帯設備が大型化する等の問題点を有している。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、燃料と燃焼触媒とを併用するにあたり、燃焼触媒の注入量を自由に制御可能とすることにより燃焼触媒を効率的に使用できて燃焼触媒の使用量を低減可能とするとともに、専用のNOx低減手段を装備することなくNOx低減を可能とした二流体噴射弁付き内燃機関の黒煙除去システム提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、燃料噴射ポンプから高圧燃料通路を経て供給された高圧の燃料と、排気通路に排ガス中の煤等の固形物を除去する黒煙除去装置にて捕捉される前記固形物の燃焼温度を低下せしめる燃焼触媒の水溶液とを、前記燃料噴射ポンプの吐出が開始される前に噴射孔へ通じる燃料通路に層状に満たし、前記燃料噴射ポンプの吐出の開始によって燃焼室内に前記燃料と燃焼触媒水溶液とを順次噴射する二流体噴射弁を備え、前記燃焼触媒水溶液を燃焼触媒供給通路を通して前記二流体噴射弁に供給する燃焼触媒供給手段と、該燃焼触媒供給通路の通路面積を調整する第1の電磁弁と、内燃機関の負荷の検出値が入力され該負荷に基づき前記第1の電磁弁の開度を制御して前記負荷が一定値以上のとき前記二流体噴射弁から燃料及び燃焼触媒水溶液を層状にして噴射せしめるコントローラとを備えてなることを特徴とする二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システムを提案する。
【0008】
請求項2記載の発明は請求項1に加えて、排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排ガス温度を検出して前記コントローラに入力する温度センサを備え、前記コントローラは前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になったとき前記第1の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液を前記二流体噴射弁に供給するように構成されてなることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は請求項2に加えて、前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排ガス圧力を検出して前記コントローラに入力する圧力センサを備え、前記コントローラは前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になり、かつ前記排ガス圧力検出値が一定値以上になったとき前記第1の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液を前記二流体噴射弁に供給せしめるように構成されてなることを特徴とする。
【0010】
また請求項4記載の発明は請求項2に加えて、前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排煙濃度を検出して前記コントローラに入力する排煙濃度検出器または前記黒煙除去装置上流部位の酸素濃度を検出して前記コントローラに入力する酸素濃度検出器の何れか一方を設け、前記コントローラは、前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になり、かつ前記排煙濃度の検出値あるいは前記酸素濃度の検出値が一定値以上になったとき前記第1の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液を前記二流体噴射弁に供給せしめるように構成されてなることを特徴とする。
【0011】
請求項1ないし4記載の発明によれば、コントローラによって、設定された機関負荷と燃焼触媒の噴射タイミング及び噴射量のシーケンスに従い第1の電磁弁の開閉タイミングを制御することにより、燃焼触媒の噴射タイミング及び噴射量を機関の負荷、回転数、排ガス温度等の機関運転条件によって自在に調整することができる。
これにより、燃焼触媒を必要とする機関運転状態にのみ燃焼触媒を供給して、黒煙除去装置にて排ガス中の固形物を低温燃焼させることができ、燃焼触媒を効率的に使用することができる。
【0012】
また、機関の燃焼室内に二流体噴射弁により燃焼触媒水溶液を燃料と層状に噴射するので、かかる燃料と燃焼触媒水溶液の噴射に伴う熱的影響により火炎の温度上昇を抑えることにより、NOxの発生を抑制することができ、従来の燃焼触媒を燃料に混入させて使用する手段のように、別個に専用のNOx低減手段を装備することなく、黒煙除去装置におけて排ガス中の固形物の燃焼とNOxの低減とを、別個に専用のNOx低減手段を装備することなく実現できる。
【0013】
請求項5記載の発明は、燃料噴射ポンプから高圧燃料通路を経て供給された高圧の燃料と、排気通路に排ガス中の煤等の固形物を除去する黒煙除去装置にて捕捉される前記固形物の燃焼温度を低下せしめる燃焼触媒の水溶液と、水とを、前記燃料噴射ポンプの吐出が開始される前に噴射孔へ通じる燃料通路に層状に満たし、前記燃料噴射ポンプの吐出の開始によって燃焼室内に前記燃料と燃焼触媒水溶液と水とを順次噴射する二流体噴射弁を備え、該燃焼触媒水溶液を燃焼触媒供給通路を通して前記二流体噴射弁に供給する燃焼触媒供給手段と、該燃焼触媒供給通路の通路面積を調整する第1の電磁弁と、前記水を水供給通路を通して前記二流体噴射弁に供給する水供給手段と、該水供給通路の通路面積を調整する第2の電磁弁と、内燃機関の負荷の検出値が入力され該負荷に基づき前記第1の電磁弁の開度及び前記第2の電磁弁の開度を制御して前記負荷が一定値以上のとき前記二流体噴射弁から燃料及び燃焼触媒水溶液及び水を層状にして噴射せしめるコントローラとを備えてなることを特徴とする二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システムにある。
【0014】
請求項6記載の発明は請求項5記載の発明に加えて、前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排ガス温度を検出して前記コントローラに入力する温度センサを備え、前記コントローラは前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になったとき前記第1の電磁弁及び第2の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液及び水を前記二流体噴射弁に供給するように構成されてなることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は請求項6記載の発明に加えて、前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排ガス圧力を検出して前記コントローラに入力する圧力センサを備え、前記コントローラは前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になり、かつ前記排ガス圧力検出値が一定値以上になったとき前記第1の電磁弁及び第2の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液及び水を前記二流体噴射弁に供給せしめるように構成されてなる。
【0016】
請求項8記載の発明は請求項6記載の発明に加えて、前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排煙濃度を検出して前記コントローラに入力する排煙濃度検出器または前記黒煙除去装置上流部位の酸素濃度を検出して前記コントローラに入力する酸素濃度検出器の何れか一方を設け、前記コントローラは、前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になり、かつ前記排煙濃度の検出値あるいは前記酸素濃度の検出値が一定値以上になったとき前記第1の電磁弁及び第2の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液及び水を前記二流体噴射弁に供給せしめるように構成されてなることを特徴とする。
【0017】
請求項5ないし8記載の発明によれば、二流体噴射弁からの燃料と水との層状噴射によりNOx量の抑制をなし得るのに加えて、黒煙除去装置の再生を要するときには第1、第2の2つの電磁弁の切換えにより燃焼触媒水溶液を噴射して、該黒煙除去装置に捕捉されている排ガス混入固形物を燃焼せしめることにより該黒煙除去装置を再生でき、NOx量の大幅な低減と黒煙除去装置の再生とを前記2つの電磁弁の切換え操作を行うという簡単な操作でかつ格別な設備を設けることなく実現できる。
【0018】
請求項9記載の発明は、燃料噴射ポンプから高圧燃料通路を経て供給された高圧の燃料と、排気通路に排ガス中の煤等の固形物を除去する黒煙除去装置にて捕捉される前記固形物の燃焼温度を低下せしめる燃焼触媒の水溶液と尿素水とを前記燃料噴射ポンプの吐出が開始される前に噴射孔へ通じる燃料通路に層状に満たし、前記燃料噴射ポンプの吐出の開始によって燃焼室内に前記燃料と燃焼触媒水溶液と尿素水とを順次噴射する二流体噴射弁を備え、前記燃焼触媒水溶液を燃焼触媒供給通路を通して前記二流体噴射弁に供給する燃焼触媒供給手段と、該燃焼触媒供給通路の通路面積を調整する第1の電磁弁と、前記尿素水を尿素水供給通路を通して前記二流体噴射弁に供給する尿素水供給手段と、該尿素水供給通路の通路面積を調整する第3の電磁弁と、内燃機関の負荷の検出値が入力され該負荷に基づき前記第1の電磁弁の開度及び前記第3の電磁弁の開度を制御して前記負荷が一定値以上のとき前記二流体噴射弁から燃料及び燃焼触媒水溶液及び尿素水を層状にして噴射せしめるコントローラとを備えてなることを特徴とする二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システムにある。
【0019】
請求項10記載の発明は請求項9記載の発明に加えて、前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排ガス温度を検出して前記コントローラに入力する温度センサを備え、前記コントローラは前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になったとき前記第1の電磁弁及び第3の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液及び尿素水を前記二流体噴射弁に供給するように構成されてなることを特徴とする。
【0020】
請求項11記載の発明は請求項10記載の発明に加えて、前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排ガス圧力を検出して前記コントローラに入力する圧力センサを備え、前記コントローラは前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になり、かつ前記排ガス圧力検出値が一定値以上になったとき前記第1の電磁弁及び第3の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液及び尿素水を前記二流体噴射弁に供給せしめるように構成されてなることを特徴とする。
【0021】
請求項12記載の発明は請求項10記載の発明に加えて、前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排煙濃度を検出して前記コントローラに入力する排煙濃度検出器または前記黒煙除去装置上流部位の酸素濃度を検出して前記コントローラに入力する酸素濃度検出器の何れか一方を設け、前記コントローラは、前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になり、かつ前記排煙濃度の検出値あるいは前記酸素濃度の検出値が一定値以上になったとき前記第1の電磁弁及び第3の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液及び尿素水を前記二流体噴射弁に供給せしめるように構成されてなることを特徴とする。
【0022】
請求項9ないし12記載の発明によれば、二流体噴射弁からの燃料とNOx発生量の抑制効果が水よりも格段に大きい尿素水との層状噴射によりNOx量の抑制をなし得るのに加えて、黒煙除去装置の再生を要するときには第1、第3の2つの電磁弁の切換えにより燃焼触媒水溶液を噴射して、該黒煙除去装置に捕捉されている排ガス混入固形物を燃焼せしめることにより該黒煙除去装置を再生でき、請求項1ないし8記載の発明よりもNOx量のさらなる大幅な低減と黒煙除去装置の再生とを前記2つの電磁弁の切換え操作を行うという簡単な操作でかつ格別な設備を設けることなく実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0024】
図1は本発明の第1実施例に係るディーゼル機関用黒煙除去装置の構成を示すブロック図、図2はコントローラの制御フローチャートである。図3は本発明の第2実施例に係るディーゼル機関用黒煙除去装置の構成を示すブロック図、図4はコントローラの制御フローチャートである。図5は本発明の第3実施例に係るディーゼル機関用黒煙除去装置の構成を示すブロック図、図6はコントローラの制御フローチャートである。図7は前記各実施例におけるディーゼル機関用二流体噴射弁の縦断面図である。図8は前記二流体噴射弁の噴射タイミング線図(その1)、図9は前記二流体噴射弁の噴射タイミング線図(その2)図10は前記二流体噴射弁の噴射タイミング線図(その3)である。図11は前記二流体噴射弁の噴射タイミング線図(その4)である。
【0025】
図1に示す第1実施例において、100はエンジン(この実施例ではディーゼル機関を示しているが、ガソリン機関、ガスタービン、ボイラー等の熱機関であればよい)、101は該エンジンのピストン、102は燃焼室、103は排気弁、104は該排気弁103により開閉される排気通路である。200は詳細を後述する二流体噴射弁であり、前記燃焼室102内に燃料と他の流体とを層状にして噴射するものである。
301は軽油、重油等の燃料が収容される燃料タンク、300は該燃料タンク301からの燃料を高圧に加圧して前記二流体噴射弁200に圧送する燃料ポンプである。該燃料ポンプ300は公知のジャーク式燃料ポンプが用いられる(詳細な構造説明は省略)。9は該燃料ポンプ300の燃料吐出口と前記二流体噴射弁200の燃料通路213(図7参照)とを接続する燃料通路である。
【0026】
5は燃焼触媒の水溶液が収容される燃焼触媒水溶液タンクである。該燃焼触媒は、従来技術と同様な、炭酸カルシウム、酸化セリウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の酸化促進剤からなる。7は該燃焼触媒水溶液タンクと前記二流体噴射弁200の水通路214(図7参照)とを接続する水溶液供給管である。
8は該水溶液供給管の管路を開閉するとともに該管路の通路面積を調整する第1の電磁弁、10は該第1の電磁弁8を開閉操作する電磁弁ドライバである。
【0027】
1は前記排気通路104に設けられた黒煙除去フィルター(以下フィルターという)で、前記エンジン100からの排ガス中に含有される煤等の排出固形物を捕捉して燃焼せしめるものである。該フィルター1の構造自体は公知であるので、詳細な説明は省略する。
2は前記排気通路104の前記フィルター1上流部位の排ガス圧力を検出する圧力センサ、3は前記排気通路104の前記フィルター1上流部位の排ガス温度を検出する温度センサ、02は前記排気通路104の前記フィルター1上流部位の排煙濃度を検出するスモーク濃度センサ(酸素濃度を検出する酸素濃度センサであってもよい)である。
【0028】
4はコントローラで、前記圧力センサ2から排ガス圧力の検出信号が、前記温度センサ3から排ガス温度の検出信号が、また前記スモーク濃度センサ(あるいは酸素濃度センサ)から排煙濃度の検出信号(あるいは酸素濃度の検出信号)が夫々入力され、これらの検出信号に基づき後述するような演算を行って該演算結果に基づく前記第1の電磁弁8の前記制御信号を前記電磁弁ドライバ10に伝送するものである。
【0029】
前記二流体噴射弁200の詳細を示す図7において、201は弁本体、202はノズルチップ、206は該ノズルチップ202の先端部に複数個穿孔された噴孔、205は該ノズルチップ202内に往復摺動可能に嵌合された針弁、210は該針弁205の開弁圧力P0を設定する針弁ばねである。212は前記針弁205の上部に連設された針弁ばね210の下部ばね受、211は針弁ばね210の上部ばね受である。217は前記針弁205の先端部が臨む油溜めである。204は前記弁本体201とノズルチップ202との間に設けられたスプリングケースである。
【0030】
208は燃料ポンプ300からの燃料油管9に接続される燃料入口継手、213は該燃料入口継手208に接続される弁本体201内の燃料通路である。214は前記燃料通路213に接続されるノズルチップ202内の燃料通路で、出口端が前記油溜め217に接続されている。
209は前記水溶液供給管7の前記第1の電磁弁8出口側に接続される水入口継手である。214は入口端が前記水入口継手209に接続され出口端が前記ノズルチップ202に形成された水平方向の合流路215に接続される水通路である。また該水平方向の合流路215の出口端は前記燃料通路213の前記油溜め217よりも上流部位に合流されている。
216は前記水通路214の前記合流路215との接続部に設けられた逆止弁で、前記水通路214側から合流路215側へ向かう流れのみを許容するようになっている。
【0031】
かかる構成からなる黒煙除去装置を備えたディーゼル機関の運転時において、
前記コントローラには、前記圧力センサ2から排ガス圧力の検出信号が、前記温度センサ3から排ガス温度の検出信号が、また前記スモーク濃度センサ(あるいは酸素濃度センサ)から排煙濃度の検出信号(あるいは酸素濃度の検出信号)が夫々入力されている。
【0032】
そして、前記コントローラ4においては次のような演算及び制御を行う。即ち図2において、前記エンジン100の燃料運転中、該エンジン100の負荷(あるいは出力)Lが予め設定された燃焼触媒使用の基準負荷Lsを超えるとL>Ls(ステップ1)、前記負荷に対する前記燃焼触媒量(燃焼触媒水溶液の量)及び該燃焼触媒水溶液の噴射タイミングに対応する第1の電磁弁8の開弁タイミングについてのシーケンスを選択する(ステップ2)。
次いで、前記温度センサ3からの排ガス温度検出値Tが前記燃焼触媒の作用温度Ts以上になっているか否かを判断する(ステップ3)。
【0033】
次いで前記T>Tsとなったとき、前記圧力センサ2からの排ガス圧力の検出値Pが前記フィルター1に排ガス中の固形物が詰まり該フィルター1の再生を要するフィルター1出入口間差圧に対応する基準圧力Ps以上になっているか否かを判断する(ステップ4)。
そして前記圧力P>Psとなったとき、前記電磁弁ドライバ10を作動させ、前記第1の電磁弁8を前記のようにして選択したシーケンスに従って開く。
【0034】
また、前記排ガス圧力の検出値Pが前記フィルター1に排ガス中の固形物が詰まり該フィルター1の再生を要するフィルター1出入口間差圧に対応する基準圧力Ps以上になっているか否かを判断するのに代えて、前記スモーク濃度センサ02にて検出されたフィルター1上流部位の排煙濃度の検出値Hを前記フィルター1の再生を要する基準排煙濃度H0とを比較して、H>H0のとき前記燃焼触媒を投入することもできる。
【0035】
該第1の電磁弁8の開弁により、前記燃焼触媒水溶液タンク5内の燃焼触媒水溶液がポンプ6により前記二流体噴射弁200の水通路214に送られ、該水通路214の逆止弁216を押し開き、合流路215を通り燃料通路214内に流入する。
前記燃料通路214内の前記合流路215との合流部よりも燃料ポンプ300側にある燃料は該燃料ポンプ300の方向に燃料油管9を通して押し戻される。その結果、前記二流体噴射弁200内には油溜め217及び該油溜め217から前記合流部までの容積分の燃料で満たされ、該合流部の上流側の燃料通路213には所定量の燃焼触媒水溶液が満たされ、さらにその上流側には再び燃料が満たされた層状状態となっている。
【0036】
次いで、前記燃料ポンプ300の吐出が開始されて二流体噴射弁200内の燃料が圧縮され、圧力が上昇して該二流体噴射弁200の針弁205の開弁圧力以上になると、針弁205が開かれ噴射が開始される。該噴射は、前記のように層状状態にある燃料及び燃焼触媒水溶液のうち、先ず燃料が噴射され、着火遅れ期間を経た後、燃焼を開始する。引き続き燃焼触媒水溶液が燃焼中の先行燃料噴霧火炎をめがけて噴射される。このとき噴射される燃焼触媒水溶液も噴霧となってその内部に燃焼室内の空気を取り込んでいるため、先行噴射された燃料に空気を供給する形となって燃焼が活発化される。
そして、最後に残りの燃料が先行した燃焼触媒水溶液噴霧の中に噴射され燃焼する。かかる燃料と燃焼触媒水溶液の噴射に伴う熱的影響により火炎の温度上昇が抑えられ、NOxの発生が抑制される。
【0037】
そして、排気弁103の開弁により、排ガスに混入された前記燃焼触媒は前記フィルター1に導入され、該フィルター1に捕捉されている排ガス混入固形物を低温にて燃焼せしめることにより、該フィルター1を再生させる。これにより、排ガス温度が低い運転状態においても前記固形物を確実に燃焼させ、前記フィルター1再生させることができる。
【0038】
前記燃焼触媒水溶液の噴射タイミングつまり噴射開始時期及び噴射終了時期は、前記コントローラ4により、前記のようにして選択されたシーケンスに従い前記第1の電磁弁8の開閉時期を変化させることによって調整し、該燃焼触媒水溶液の噴射量は前記第1の電磁弁8が開いている期間によって調整する。
図11はかかる第1実施例における前記二流体噴射弁200からの噴射パターンと前記第1の電磁弁8及び後述する第2の電磁弁即ち水側電磁弁15の開閉時期との関係を示すタイミング線図であり、前記のように、燃料、燃焼触媒水溶液、燃料の順に層状に噴射するように前記第1の電磁弁8を開閉する。
尚、図10は前記二流体噴射弁200から燃料のみを噴射する場合の噴射パターンと前記第1の電磁弁8及び後述する第2の電磁弁(水側電磁弁)15の開閉時期との関係を示すタイミング線図であり、この場合は、前記第1の電磁弁8及び後述する第2の電磁弁(水側電磁弁)15とも閉じている。
【0039】
従って、かかる実施例によれば、コントローラ4によって、設定された機関負荷と燃焼触媒水溶液の噴射タイミング及び噴射量のシーケンスに従い前記第1の電磁弁8の開閉タイミングを制御することにより、燃焼触媒水溶液の噴射タイミング及び噴射量を機関の負荷、回転数、排ガス温度等の機関運転条件によって自在に調整することができる。
これにより、燃焼触媒を必要とする機関運転状態にのみ燃焼触媒を供給して、前記フィルター1にて排ガス中の固形物を低温燃焼させることができ、燃焼触媒を効率的に使用することができる。
【0040】
また、機関の燃焼室102内に二流体噴射弁200により燃焼触媒水溶液を燃料と層状に噴射するので、かかる燃料と燃焼触媒水溶液の噴射に伴う熱的影響により火炎の温度上昇を抑えることにより、NOxの発生を抑制することができ、従来の燃焼触媒を燃料に混入させて使用する手段のように、別個に専用のNOx低減手段を装備することなく、前記フィルター1におけて排ガス中の固形物の燃焼とNOxの低減とを、別個に専用のNOx低減手段を装備することなく実現できる。
【0041】
図3に示される第2実施例においては、前記第1実施例に加えて、前記二流体噴射弁200から水を噴射することにより、燃料―燃焼触媒水溶液―水―燃料の層状噴射をなすように構成している。
即ち、図3において、11は水が収容される水タンク、12は該水タンク11と前記二流体噴射弁200の水通路214(図7参照)とを接続する水供給管である。16は前記水供給管12と水溶液供給管7との合流管である。
15は該水供給管12の管路を開閉するとともに該管路の通路面積を調整する第2の電磁弁、14は前記コントローラ4からの制御信号により該第2の電磁弁15を開閉操作する電磁弁ドライバである。
【0042】
かかる第2実施例においては、前記コントローラ4においては次のような演算及び制御を行う。
即ち図4において、前記エンジン100の燃料運転中、該エンジン100の負荷(あるいは出力)Lが予め設定された燃焼触媒使用の基準負荷Lsを超えるとL>Ls(ステップ1)、第2の電磁弁15を開いて水タンク11内の水を水ポンプ13により前記二流体噴射弁200の水通路214に供給する(ステップ2)。
【0043】
次いで、機関の負荷に対する燃焼触媒量(燃焼触媒水溶液の量)及び該燃焼触媒水溶液の噴射タイミングに対応する第1の電磁弁8の開弁タイミング、並びに前記負荷に対する水噴射量及び第2の電磁弁15の開弁タイミングについてのシーケンスを選択する(ステップ3)。
次いで、前記温度センサ3からの排ガス温度検出値Tが前記燃焼触媒の作用温度Ts以上になっているか否かを判断する(ステップ4)。
【0044】
次いで前記T>Tsとなったとき、前記圧力センサ2からの排ガス圧力の検出値Pが前記フィルター1に排ガス中の固形物が詰まり該フィルター1の再生を要するフィルター1出入口間差圧に対応する基準圧力Ps以上になっているか否かを判断する(ステップ5)。
そして前記圧力P>Psとなったとき、前記電磁弁ドライバ14を作動させ、前記第1の電磁弁8を前記のようにして選択したシーケンスに従って開く。
【0045】
該第1の電磁弁8の開弁により、前記燃焼触媒水溶液タンク5内の燃焼触媒水溶液がポンプ6により前記二流体噴射弁200の水通路214に送られる(ステップ6)。
そして、前記第1実施例と同様な過程で以って、該二流体噴射弁200からは、図8に示されるように、燃料―燃焼触媒水溶液―水―燃料の層状噴射がなされる。
前記燃焼触媒水溶液と水の噴射時期は前記第1の電磁弁8及び第2の電磁弁15の開弁タイミングによって調整し、該燃焼触媒水溶液と水の噴射量の割合は、前記第1の電磁弁8と第2の電磁弁15との開弁期間の割合で調整する。
【0046】
次いで、排気弁103が開弁すると、前記第1実施例と同様に、排ガスに混入された前記燃焼触媒は前記フィルター1に導入され、該フィルター1に捕捉されている排ガス混入固形物を低温にて燃焼せしめることにより、該フィルター1を再生させる。
また、前記フィルター1再生の必要がないときには、前記コントローラ4は前記第1の電磁弁8を閉じて前記二流体噴射弁200への燃焼触媒水溶液の供給を遮断する。これにより該二流体噴射弁200からは、図9に示されるように、燃料―水―燃料の層状噴射が継続される。
【0047】
かかる第2実施例によれば、二流体噴射弁200からの燃料と水との層状噴射によりNOx量の抑制をなし得るのに加えて、フィルター1の再生を要するときには前記2つの電磁弁8、15の切換えにより燃焼触媒水溶液を噴射して、該フィルター1に捕捉されている排ガス混入固形物を燃焼せしめることにより該フィルター1を再生でき、NOx量の大幅な低減とフィルター1の再生とを前記2つの電磁弁8、15の切換え操作を行うという簡単な操作でかつ格別な設備を設けることなく実現できる。
【0048】
図5に示される第3実施例においては、前記第2実施例の水に代えて、前記二流体噴射弁200から尿素水を噴射することにより、燃料―燃焼触媒水溶液―尿素水―燃料の層状噴射をなすように構成している。
即ち、図5において、20は尿素水が収容される尿素水タンク、21は該尿素水タンク20と前記二流体噴射弁200の水通路214(図7参照)とを接続する尿素水供給管である。
【0049】
23は該尿素水供給管21の管路を開閉するとともに該管路の通路面積を調整する第3の電磁弁、24は前記コントローラ4からの制御信号により該第3の電磁弁23を開閉操作する電磁弁ドライバである。
25はSCR―NOx触媒(アンモニアを用いた選択還元触媒)で、前記排気通路104の前記フィルター1下流部位に設置されている。
【0050】
かかる第3実施例においては、前記コントローラ4においては次のような演算及び制御を行う。
即ち図6において、前記エンジン100の燃料運転中、該エンジン100の負荷(あるいは出力)Lが予め設定された燃焼触媒使用の基準負荷Lsを超えるとL>Ls(ステップ1)、前記温度センサ3からの排ガス温度検出値Tが前記燃焼触媒の作用温度Ts以上になっているか否かを判断する(ステップ2)。
次いで前記T>Tsとなったとき、第3の電磁弁23を開いて尿素水タンク20内の尿素水を尿素水ポンプ22により前記二流体噴射弁200の水通路214に供給する(ステップ3)。
【0051】
次いで、機関の負荷に対する燃焼触媒量(燃焼触媒水溶液の量)及び該燃焼触媒水溶液の噴射タイミングに対応する第1の電磁弁8の開弁タイミング、並びに前記負荷に対する尿素水噴射量及び第3の電磁弁23の開弁タイミングについてのシーケンスを選択する(ステップ4)。
【0052】
次いで、前記圧力センサ2からの排ガス圧力の検出値Pが前記フィルター1に排ガス中の固形物が詰まり該フィルター1の再生を要するフィルター1出入口間差圧に対応する基準圧力Ps以上になっているか否かを判断する(ステップ5)。
そして前記圧力P>Psとなったとき、前記電磁弁ドライバ10を作動させ、前記第1の電磁弁8を前記のようにして選択したシーケンスに従って開く。
【0053】
該第1の電磁弁8の開弁により、前記燃焼触媒水溶液タンク5内の燃焼触媒水溶液がポンプ6により前記二流体噴射弁200の水通路214に送られる(ステップ6)。
そして、前記第1実施例と同様な過程で以って、該二流体噴射弁200からは、図8の水を尿素水に置き換えて示されるように、燃料―燃焼触媒水溶液―尿素水―燃料の層状噴射がなされる。
前記燃焼触媒水溶液と尿素水の噴射時期は前記第1の電磁弁8及び第3の電磁弁23の開弁タイミングによって調整し、該燃焼触媒水溶液と尿素水の噴射量の割合は、前記第1の電磁弁8と第3の電磁弁23との開弁期間の割合で調整する。
【0054】
次いで、排気弁103が開弁すると、前記第1実施例と同様に、排ガスに混入された前記燃焼触媒は前記フィルター1に導入され、該フィルター1に捕捉されている排ガス混入固形物を低温にて燃焼せしめることにより、該フィルター1を再生させる。
該フィルター1にて固形物が除去された排ガスは、前記SCR―NOx触媒において、NOxの除去処理がなされた後、外部に排出される。この場合、前記フィルター1にて固形物が除去された清浄な排ガスが前記SCR―NOx触媒に導入されるので、該SCR―NOx触媒の触媒層の汚染が回避される。
また、前記フィルター1再生の必要がないときには、前記コントローラ4は前記第1の電磁弁8を閉じて前記二流体噴射弁200への燃焼触媒水溶液の供給を遮断する。これにより該二流体噴射弁200からは、燃料―尿素水―燃料の層状噴射が継続される。
【0055】
かかる第3実施例によれば、二流体噴射弁200からの燃料とNOx発生量の抑制効果が水よりも格段に大きい尿素水との層状噴射によりNOx量の抑制をなし得るのに加えて、フィルター1の再生を要するときには前記2つの電磁弁8、23の切換えにより燃焼触媒水溶液を噴射して、該フィルター1に捕捉されている排ガス混入固形物を燃焼せしめることにより該フィルター1を再生でき、前記2つの実施例よりもNOx量のさらなる大幅な低減とフィルター1の再生とを前記2つの電磁弁8、23の切換え操作を行うという簡単な操作でかつ格別な設備を設けることなく実現できる。
【0056】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1ないし4記載の発明によれば、機関負荷と燃焼触媒の噴射タイミング及び噴射量のシーケンスに従い第1の電磁弁の開閉タイミングを制御することにより、燃焼触媒の噴射タイミング及び噴射量を機関の負荷、回転数、排ガス温度等の機関運転条件によって自在に調整することができる。
これにより、燃焼触媒を必要とする機関運転状態にのみ燃焼触媒を供給して、黒煙除去装置にて排ガス中の固形物を低温燃焼させることができ、燃焼触媒を効率的に使用することができる。
【0057】
また、機関の燃焼室内に二流体噴射弁により燃焼触媒水溶液を燃料と層状に噴射するので、NOxの発生を抑制することができ、従来の燃焼触媒を燃料に混入させて使用する手段のように、別個に専用のNOx低減手段を装備することなく、黒煙除去装置におけて排ガス中の固形物の燃焼とNOxの低減とを、別個に専用のNOx低減手段を装備することなく実現できる。
【0058】
また、請求項5乃至8のように構成すれば、二流体噴射弁からの燃料と水との層状噴射によりNOx量の抑制をなし得るのに加えて、黒煙除去装置の再生を要するときには2つの電磁弁の切換えにより燃焼触媒を噴射して、該黒煙除去装置に捕捉されている排ガス混入固形物を燃焼せしめることにより該黒煙除去装置を再生でき、NOx量の大幅な低減と黒煙除去装置の再生とを前記2つの電磁弁の切換え操作を行うという簡単な操作でかつ格別な設備を設けることなく実現できる。
【0059】
さらに請求項9乃至12のように構成すれば、二流体噴射弁からの燃料とNOx発生量の抑制効果が水よりも格段に大きい尿素水との層状噴射によりNOx量の抑制をなし得るのに加えて、黒煙除去装置の再生を要するときには2つの電磁弁の切換えにより燃焼触媒水溶液を噴射して、該黒煙除去装置に捕捉されている排ガス混入固形物を燃焼せしめることにより該黒煙除去装置を再生でき、請求項1ないし8記載の発明よりもNOx量のさらなる大幅な低減と黒煙除去装置の再生とを前記2つの電磁弁の切換え操作を行うという簡単な操作でかつ格別な設備を設けることなく実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るディーゼル機関用黒煙除去装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 コントローラの制御フローチャートである。
【図3】 本発明の第2実施例に係るディーゼル機関用黒煙除去装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 コントローラの制御フローチャートである。
【図5】 本発明の第3実施例に係るディーゼル機関用黒煙除去装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 コントローラの制御フローチャートである。
【図7】 前記二流体噴射弁の噴射タイミング線図(その1)である。
【図8】 前記二流体噴射弁の噴射タイミング線図(その1)である。
【図9】 前記二流体噴射弁の噴射タイミング線図(その2)である。
【図10】 前記二流体噴射弁の噴射タイミング線図(その3)である。
【図11】 前記二流体噴射弁の噴射タイミング線図(その4)である。
【符号の説明】
1 黒煙除去フィルター
2 圧力センサ
02 スモーク濃度センサ
3 温度センサ
4 コントローラ
5 燃焼触媒水溶液タンク
6 ポンプ
7 水溶液供給管
8 第1の電磁弁
9 燃料通路
10 電磁弁ドライバ
11 水タンク
12 水供給管
012 油溜部
13 燃料タンク
15 第2の電磁弁
20 尿素水タンク
21 尿素水供給管
23 第3の電磁弁
25 SCR―NOx触媒
100 エンジン
102 燃焼室
103 排気弁
200 二流体噴射弁
202 ノズルチップ
205 針弁
206 噴孔
214 水通路
300 燃料ポンプ

Claims (12)

  1. 燃料噴射ポンプから高圧燃料通路を経て供給された高圧の燃料と、排気通路に排ガス中の煤等の固形物を除去する黒煙除去装置にて捕捉される前記固形物の燃焼温度を低下せしめる燃焼触媒の水溶液とを、前記燃料噴射ポンプの吐出が開始される前に噴射孔へ通じる燃料通路に層状に満たし、前記燃料噴射ポンプの吐出の開始によって燃焼室内に前記燃料と燃焼触媒水溶液とを順次噴射する二流体噴射弁を備え、前記燃焼触媒水溶液を燃焼触媒供給通路を通して前記二流体噴射弁に供給する燃焼触媒供給手段と、該燃焼触媒供給通路の通路面積を調整する第1の電磁弁と、内燃機関の負荷の検出値が入力され該負荷に基づき前記第1の電磁弁の開度を制御して前記負荷が一定値以上のとき前記二流体噴射弁から燃料及び燃焼触媒水溶液を層状にして噴射せしめるコントローラとを備えてなることを特徴とする二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム。
  2. 前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排ガス温度を検出して前記コントローラに入力する温度センサを備え、前記コントローラは前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になったとき前記第1の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液を前記二流体噴射弁に供給するように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム。
  3. 前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排ガス圧力を検出して前記コントローラに入力する圧力センサを備え、前記コントローラは前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になり、かつ前記排ガス圧力検出値が一定値以上になったとき前記第1の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液を前記二流体噴射弁に供給せしめるように構成されてなることを特徴とする請求項2記載の二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム。
  4. 前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排煙濃度を検出して前記コントローラに入力する排煙濃度検出器または前記黒煙除去装置上流部位の酸素濃度を検出して前記コントローラに入力する酸素濃度検出器の何れか一方を設け、前記コントローラは、前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になり、かつ前記排煙濃度の検出値あるいは前記酸素濃度の検出値が一定値以上になったとき前記第1の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液を前記二流体噴射弁に供給せしめるように構成されてなることを特徴とする請求項2記載の二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム。
  5. 燃料噴射ポンプから高圧燃料通路を経て供給された高圧の燃料と、排気通路に排ガス中の煤等の固形物を除去する黒煙除去装置にて捕捉される前記固形物の燃焼温度を低下せしめる燃焼触媒の水溶液と、水とを、前記燃料噴射ポンプの吐出が開始される前に噴射孔へ通じる燃料通路に層状に満たし、前記燃料噴射ポンプの吐出の開始によって燃焼室内に前記燃料と燃焼触媒水溶液と水とを順次噴射する二流体噴射弁を備え、該燃焼触媒水溶液を燃焼触媒供給通路を通して前記二流体噴射弁に供給する燃焼触媒供給手段と、該燃焼触媒供給通路の通路面積を調整する第1の電磁弁と、前記水を水供給通路を通して前記二流体噴射弁に供給する水供給手段と、該水供給通路の通路面積を調整する第2の電磁弁と、内燃機関の負荷の検出値が入力され該負荷に基づき前記第1の電磁弁の開度及び前記第2の電磁弁の開度を制御して前記負荷が一定値以上のとき前記二流体噴射弁から燃料及び燃焼触媒水溶液及び水を層状にして噴射せしめるコントローラとを備えてなることを特徴とする二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム。
  6. 前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排ガス温度を検出して前記コントローラに入力する温度センサを備え、前記コントローラは前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になったとき前記第1の電磁弁及び第2の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液及び水を前記二流体噴射弁に供給するように構成されてなることを特徴とする請求項5記載の二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム。
  7. 前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排ガス圧力を検出して前記コントローラに入力する圧力センサを備え、前記コントローラは前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になり、かつ前記排ガス圧力検出値が一定値以上になったとき前記第1の電磁弁及び第2の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液及び水を前記二流体噴射弁に供給せしめるように構成されてなることを特徴とする請求項6記載の二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム。
  8. 前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排煙濃度を検出して前記コントローラに入力する排煙濃度検出器または前記黒煙除去装置上流部位の酸素濃度を検出して前記コントローラに入力する酸素濃度検出器の何れか一方を設け、前記コントローラは、前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になり、かつ前記排煙濃度の検出値あるいは前記酸素濃度の検出値が一定値以上になったとき前記第1の電磁弁及び第2の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液及び水を前記二流体噴射弁に供給せしめるように構成されてなることを特徴とする請求項6記載の二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム。
  9. 燃料噴射ポンプから高圧燃料通路を経て供給された高圧の燃料と、排気通路に排ガス中の煤等の固形物を除去する黒煙除去装置にて捕捉される前記固形物の燃焼温度を低下せしめる燃焼触媒の水溶液と尿素水とを前記燃料噴射ポンプの吐出が開始される前に噴射孔へ通じる燃料通路に層状に満たし、前記燃料噴射ポンプの吐出の開始によって燃焼室内に前記燃料と燃焼触媒水溶液と尿素水とを順次噴射する二流体噴射弁を備え、前記燃焼触媒水溶液を燃焼触媒供給通路を通して前記二流体噴射弁に供給する燃焼触媒供給手段と、該燃焼触媒供給通路の通路面積を調整する第1の電磁弁と、前記尿素水を尿素水供給通路を通して前記二流体噴射弁に供給する尿素水供給手段と、該尿素水供給通路の通路面積を調整する第3の電磁弁と、内燃機関の負荷の検出値が入力され該負荷に基づき前記第1の電磁弁の開度及び前記第3の電磁弁の開度を制御して前記負荷が一定値以上のとき前記二流体噴射弁から燃料及び燃焼触媒水溶液及び尿素水を層状にして噴射せしめるコントローラとを備えてなることを特徴とする二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム。
  10. 前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排ガス温度を検出して前記コントローラに入力する温度センサを備え、前記コントローラは前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になったとき前記第1の電磁弁及び第3の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液及び尿素水を前記二流体噴射弁に供給するように構成されてなることを特徴とする請求項9記載の二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム。
  11. 前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排ガス圧力を検出して前記コントローラに入力する圧力センサを備え、前記コントローラは前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になり、かつ前記排ガス圧力検出値が一定値以上になったとき前記第1の電磁弁及び第3の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液及び尿素水を前記二流体噴射弁に供給せしめるように構成されてなることを特徴とする請求項10記載の二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム。
  12. 前記排気通路の前記黒煙除去装置上流部位の排煙濃度を検出して前記コントローラに入力する排煙濃度検出器または前記黒煙除去装置上流部位の酸素濃度を検出して前記コントローラに入力する酸素濃度検出器の何れか一方を設け、前記コントローラは、前記排ガス温度検出値が前記燃焼触媒の作用温度以上になり、かつ前記排煙濃度の検出値あるいは前記酸素濃度の検出値が一定値以上になったとき前記第1の電磁弁及び第3の電磁弁を開いて前記燃焼触媒水溶液及び尿素水を前記二流体噴射弁に供給せしめるように構成されてなることを特徴とする請求項10記載の二流体噴射弁を備えた内燃機関の黒煙除去システム。
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