JP4365463B2 - トランスミッション - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、前進と後進の切換がスムースに行え、無段変速が可能で変速ショックが小さい、コンパクトに構成したトランスミッションの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トラクタやコンバイン等の農業作業車や、舶用の変速装置やバックホーや運搬車等の建設作業車の変速装置には、歯車摺動式変速装置や油圧式無段変速装置や割りプーリー式無段変速装置を使用して、走行速度や作業速度を変更する技術は公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、歯車摺動式変速装置の場合、変速軸上に歯車とスライダが必要であり、この変速歯車に対して従動側の軸と歯車も必要となるため、変速段数が多くなるほどミッションケースも大きくなり、コンパクト化が難しくなっていた。また、油圧式無段変速装置の場合、油圧ポンプと油圧モータを流体接続して、作動油の流量を変化させることによって変速するために、作動油の漏れによって伝動効率が悪く、中立を得るための構造も必要となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
ミッションケース(1)内に互いに平行に配置された入力軸(10)と出力軸(15)との間において、割りプーリー式無段変速装置(2)を構成する駆動プーリー軸(12)と従動プーリー軸(11)とを平行に設け、該従動プーリー軸(11)は前記入力軸(10)と同一軸心上に配置し、該入力軸(10)と従動プーリー軸(11)の間に、遊星ギヤ式減速装置(3)を配置し、該遊星ギヤ式減速装置(3)は、前記入力軸(10)に連結する第一サンギヤ(23)と、前記従動プーリー軸(11)に連結する第二サンギヤ(29)と、該第一サンギヤ(23)と噛合する第一遊星歯車(24)と、第二サンギヤ(29)と噛合する第二遊星歯車(25)を設け、該第一遊星歯車(24)は、歯車(24a)と歯車(24b)の二連に構成し、該一方の歯車(24a)は前記第一サンギヤ(23)と噛合し、該他方の歯車(24b)は前記第二遊星歯車(25)と噛合し、該第一遊星歯車(24)を回転自在に支持する軸(27)と、該第二遊星歯車(25)を回転自在に支持する軸(28)を固定支持するキャリア歯車(26)を設け、該キャリア歯車(26)を前記出力軸(15)に連動連結して構成すると共に、前記入力軸(10)と駆動プーリー軸(12)との間には、「接」とすることにより、前進回転を動力伝達可能な第一クラッチ(4)を設け、前記第一クラッチ(4)が「断」とされているときに、「接」とすることにより、前記従動プーリー軸(11)を前記ミッションケース(1)に固定し、定速度を伝達可能な第二クラッチ(5)を設け、前記第一クラッチ(4)と第二クラッチ(5)の両方が「断」とされているときに、「接」とすることにより、前記入力軸(10)と従動プーリー軸(11)との間に後進回転を動力伝達可能な第三クラッチ(6)を設けたことを特徴とするトランスミッションである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0007】
図1は本発明の第一実施例のトランスミッションのスケルトン図、図2は同じく歯車の噛み合いを示す側面模式図、図3はミッションケースの図2に示すX−X展開断面図である。
【0008】
図4は同じく図2に示すY−Y展開断面図、図5は同じく図2に示すZ−Z展開断面図、図6は遊星ギヤ式減速装置の噛み合いを示す後面略図、図7は本発明の第二実施例のトランスミッションのスケルトン図、図8は同じく歯車の噛み合いを示す側面模式図である。
【0009】
図9はミッションケースの図8に示すU−U展開断面図、図10は同じく図8に示すV−V展開断面図、図11は同じく図8に示すW−W展開断面図、図12は本発明の第三実施例のトランスミッションのスケルトン図、図13は同じくミッションケースの後面断面図である。
【0010】
まず、図1、図2、図3より本発明のトランスミッションの全体構成について説明する。ミッションケース1内に割りプーリー式無段変速装置2と、遊星ギヤ式減速装置3と、複数のクラッチ4・5・6と、デフ装置7が収納されている。該ミッションケース1は左右割りに構成にされて、右側よりケース1a・1b・1c・1dを接合して構成されている。このようにして、ミッションケース1内に無段変速機構と減速機構を収納しているので、外部より塵埃等の侵入がなく耐久性を向上でき、ケース内にコンパクトに収納することができる。
【0011】
前記ミッションケース1の上下左右略中央に入力軸10が横架されて、ケース1aより一側(右方)へ突出され、ケース1a・1bにベアリングを介して回転自在に支持されている。該入力軸10の他側(左側)延長上で同一軸心上に従動プーリー軸11が横架されて、ケース1c・1dにベアリングを介して回転自在に支持されている。また、ミッションケース1には駆動プーリー軸12、ポンプ軸19、後進伝動軸61、前進伝動軸62、カウンター軸14、車軸15L・15Rが横架され、前記前進伝動軸62上に第一クラッチ4が配置され、従動プーリー軸11上に第二クラッチ5が配置され、後進伝動軸61上に第三クラッチ6が配置されている。
【0012】
そして、入力軸10上に固設した歯車20は第三クラッチ6のクラッチケース50に一体的に固設した歯車40と噛合し、該歯車40は第一クラッチ4のクラッチケース21に一体的に固設した歯車22と噛合している。また、後進伝動軸61上には歯車63が固設され、該歯車63は前進伝動軸62上に遊嵌した2連の遊嵌歯車64a・64bと噛合し、該遊嵌歯車64aは後進伝動軸61上に一体的に設けた歯車63と噛合し、遊嵌歯車64bは従動プーリー軸11上に固設した歯車30と噛合している。但し、前記遊嵌歯車64a・64bは図12・図13に示すように、一つの遊嵌歯車64’とし、該遊嵌歯車64’が歯車63と歯車30に噛合する構成とすることも可能であり、構造を簡単にすることも可能である。
【0013】
また、前記前進伝動軸62上に歯車65が一体的に固設され、該歯車65は駆動プーリー軸12上に固設した歯車66と噛合され、割りプーリー式無段変速装置2に動力を伝える構成としている。また、前記歯車20にはポンプ軸19上に一体的に構成した歯車67が噛合され、該ポンプ軸19上にチャージポンプ55が配置されて駆動される構成としている。
【0014】
前記入力軸10と従動プーリー軸11の間に遊星ギヤ式減速装置3が配置され、該従動プーリー軸11上に従動割りプーリー16a・16bと第二クラッチ5が設けられている。また、駆動プーリー軸12上に駆動割りプーリー17a・17bと第一クラッチ4が設けられ、該駆動割りプーリー17a・17bと前記従動割りプーリー16a・16bとの間にベルト37を巻回して動力を伝達するようにしている。
【0015】
こうして第一クラッチ4を「接」とすることによって、前進駆動となり、割りプーリー式無段変速装置2によって変速して遊星ギヤ式減速装置3、デフ装置7を介して車軸15L・15Rに駆動力を伝える。また、第二クラッチ5を「接」とすることによってトップ走行とし、第三クラッチ6を「接」とすることにより後進としている。
【0016】
次に、各部の構成を詳述する。図1〜図6において、前記入力軸10の端部には伝動軸等を介して図示しないエンジンと接続されて動力が入力される。該入力軸10の左右略中央には歯車20が固設され、前記第三クラッチ6のクラッチケースを兼ねて一体的に構成した歯車40と噛合している。
【0017】
また、入力軸10の内側(左側)端部には第一サンギヤ23が形成され、図6に示すように、該第一サンギヤ23は二連の遊星歯車24の一方の歯車24aと噛合している。該遊星歯車24は入力軸10上に回転自在に支持したキャリア歯車26の側面より突出した軸27に回転自在に支持されている。また、遊星歯車24の他方の歯車24bは遊星歯車25と噛合され、該遊星歯車25は前記キャリア歯車26の側面より突出した軸28に回転自在に支持されている。この遊星歯車24・25はキャリア歯車26に複数組(本実施例では三組)配置されている。そして、前記遊星歯車25は前記従動プーリー軸11の内側(右側)端部に形成した第二サンギヤ29と噛合され、このようにして遊星ギヤ式減速装置3が構成されている。
【0018】
前記従動プーリー軸11と入力軸10は同一軸心上で対向して回転自在に支持されており、該従動プーリー軸11上には歯車30が一側の従動割りプーリー16aと一体的に形成され、他方の従動割りプーリー16bは従動プーリー軸11上に摺動自在に外嵌され、該従動プーリー16bのベルト当接面と反対側の面はピストンと兼用されている。即ち、従動プーリー軸11上にはクラッチボス31が嵌合固定され、該クラッチボス31の割りプーリー側面にはシリンダー部が形成され、該シリンダー部に前記従動プーリー16bのピストン部が収納されている。そして、従動プーリー軸11の軸心部には油路11aが穿設され、シリンダー部内と連通され、ポートAより圧油を供給することによってピストン部(従動プーリー16b)が摺動され、プーリー幅を変更できる構成としている。
【0019】
また、前記クラッチボス31の外周とケース1dの内面との間には摩擦板32・33・・・が交互に係合配置され、その一側にはピストン34が配置されて第二クラッチ5を構成し、ケース1dに設けたポートBより圧油を供給することによってピストン34を摺動して第二クラッチ5を「接」として、従動プーリー軸11を固定できるようにしている。
【0020】
そして、前記駆動プーリー軸12上には図5に示すように、一側の駆動割りプーリー17aが駆動プーリー軸12と一体的に構成され、他側の駆動割りプーリー17bは駆動プーリー軸12上に摺動自在に外嵌され、該駆動割りプーリー17bの反対面はピストン部17cに構成され、該ピストン部17cは歯車66に形成されたシリンダー部66aに収納され、該歯車66は駆動プーリー軸12に外嵌固定され、該シリンダー部66aとピストン部17cの間にはバネ36が介装され、駆動割りプーリー17の幅を狭める方向に付勢している。また、シリンダー部66a内は駆動プーリー軸12の軸心部に穿設した油路12aと連通され、該油路12aはケース1cに構成したポートCと連通され、該ポートCより圧油を供給することによって駆動割りプーリー17a・17bの幅を狭くできるようにしている。この駆動割りプーリー17と前記従動割りプーリー16の間にベルト37が巻回されている。
【0021】
このようにして、ポートAより圧油を供給することによって従動割りプーリー16の幅が狭くなり、ベルト37が接する半径が大きくなり、駆動割りプーリー17がベルト37と接する半径は小さくなって、従動プーリー軸11の回転数は減少される。また、ポートCより圧油を供給すると、駆動割りプーリー17の幅が狭められ、ベルト37が接する半径が大きくなり、従動割りプーリー16とベルト37と接する半径は小さくなり、従動プーリー軸11の回転数は増加されるのである。前記駆動プーリー軸12の右側には前記ポンプ軸19が回転自在に支持され、該ポンプ軸19上にチャージポンプ55が配置されている。
【0022】
また、前進伝動軸62の右側は、図3に示すように、軸端がクラッチケース21内に収納され、該クラッチケース21は歯車22と一体的に構成され、該歯車22は前記歯車67と第三クラッチ6のクラッチケース外周に構成した歯車40と噛合している。該歯車22はケース状に構成されてピストン43が収納され、右端がケース1aにベアリングを介して回転自在に支持されている。また、前記前進伝動軸62の軸端外周とクラッチケース21の内面との間には摩擦板41・42・・・が交互に係合され、前記ピストン43によって摩擦板41・42・・・を押圧可能に配置して第一クラッチ4を構成している。そして、前記歯車22のケース部22aの軸心部にはピストン43の背面に通じる油路22bを形成して、該油路22bには更に前進伝動軸62の軸心部に穿設した油路62aを介してケース1cに設けたポートDと連通して、該ポートDより圧油を供給することによって、摩擦板41・42・・・を圧接して歯車22と前進伝動軸62が一体的に回転できるようにしている。
【0023】
また、前記前進伝動軸62上の左側には二連歯車64がベアリングを介して回転自在に支持され、該一方の歯車64bは前記従動割りプーリー16aに一体的に構成した歯車30と噛合し、他方の歯車64aは図4に示す後進伝動軸61に一体的に構成した歯車63と噛合し、該後進伝動軸61の他端はクラッチケース50に収納され、該クラッチケース50外周に歯車40が形成され、該クラッチケース50に一体的に構成したボス部50bの内面と後進伝動軸61端部外周の間に摩擦板51・52が交互に係合されて、クラッチケース50内にピストン53が収納されて第三クラッチ6が形成されている。
【0024】
そして、前記クラッチケース50にはピストン53に通じる油路50aを形成して、該油路50aには後進伝動軸61の軸心部に穿設した油路61aを介してケース1cに形成したポートEと連通し、該ポートEより圧油を供給することによって摩擦板51・52を押圧して第三クラッチ6を「接」とし、歯車20から歯車40、第三クラッチ6を介して後進伝動軸61に動力を伝える構成としている。
【0025】
そして、前記キャリア歯車26はカウンター軸14上に構成した歯車56と噛合し、該カウンター軸14上に構成した歯車57はデフ装置7のリングギヤ59と噛合している。また、前記ポンプ軸19上にはチャージポンプ55が配設されて、前記ポートA〜Eへ圧油を供給可能としており、該チャージポンプ55とポートB、ポートD・E間にはそれぞれ図示しない切換バルブが配置され、この切換バルブを操作することによってクラッチを断接することができ、また、チャージポンプ55とポートAとポートCの間には比例弁が配置され、この比例弁を操作することによって油圧を調整して、割りプーリーの幅を変更するようにしている。
【0026】
このような構成において、入力軸10が回転し始めても第一、第二、第三クラッチ4・5・6は「断」となっているので、従動プーリー軸11は入力軸10と同速で反転し、キャリア歯車26は回転せず、車軸15L・15Rは停止した状態となっている。即ち、中立状態である。そしてこの時、切換バルブを切り換えてポートDより圧油を供給して第一クラッチ4を「接」としても、従動プーリー軸11は入力軸10と同速で反転し停止状態のままとなるようにしている。そして、ポートAより圧油を供給して従動割りプーリー16a・16bの幅を狭めると、徐々に従動プーリー軸11の回転が上昇して出力軸15L・15Rの回転を無段階に上げることができ前進走行できる。本実施例では中立位置より3速相当の回転数までの範囲で変速できるようにしている。
【0027】
このときの動力伝達経路は、入力軸10に伝えられた動力は第一サンギヤ23より遊星ギヤ式減速装置3に伝えるとともに、入力軸10上に固設した歯車20より歯車40→歯車22→第一クラッチ4→前進伝動軸62→歯車65→歯車66→駆動プーリー軸12→駆動割りプーリー17→ベルト37→従動割りプーリー16→従動プーリー軸11→第二サンギヤ29より遊星ギヤ式減速装置3に伝え、該遊星ギヤ式減速装置3で減速された駆動力がキャリア歯車26より歯車56→カウンター軸14→歯車57→リングギヤ59と伝えてデフ装置7より左右の車軸15L・15Rに伝えるのである。この場合、第一クラッチ4の出力から歯車65・66によって減速してから従動割りプーリー16に動力を伝えるため、第一クラッチ4の容量は小さくすることができるのである。
【0028】
また、トップ走行の場合には、切換バルブを切り換えてポートAより圧油を送油して第二クラッチ5を「接」とする。こうすることによって、従動プーリー軸11はミッションケース1に固定され、また、第一クラッチ4は「断」となっているので前進伝動軸62へは動力が伝えられず、また、第三クラッチ6も「断」となっているので後進伝動軸61にも動力が伝えられず、割りプーリー式無段変速装置2も回転されない。
【0029】
従って、入力軸10から第一サンギヤ23が回転され、第二サンギヤ29が回転されないことによって、図6の矢印で示すように、遊星歯車25が第二サンギヤ29の周囲を回転し、キャリア歯車26が遊星ギヤ式減速装置3で減速されて、前進方向に直接駆動され、定速度で駆動される。よって、ロス馬力を低減でき、また、ベルトも回転されないので、ベルト37の寿命も長くすることができる。
【0030】
また、後進の場合には、切換バルブが切り換えられてポートEより圧油が供給されて第三クラッチ6が「接」となり、入力軸10上の歯車20より歯車40→第三クラッチ6→後進伝動軸61→歯車63→遊嵌歯車64a→遊嵌歯車64b→歯車30→従動プーリー軸11→遊星ギヤ式減速装置3に伝えられて、歯車56・57を介してデフ装置7に伝えられる。このとき、従動プーリー軸11は入力軸10より少し速く反転し、1速の後進状態となる。
【0031】
次に、同じ三つのクラッチ4・5・6及び遊星ギヤ式減速装置3を用いた変速装置の第二実施例の構成を図7〜図11より説明する。なお、同一部品は同じ符号を付して説明は省略する。入力軸10と平行に駆動プーリー軸12と後進伝動軸13とカウンター軸14と出力軸となる車軸15L・15Rとポンプ軸19がミッションケース1に横架されている。但し、このポンプ軸19は駆動プーリー軸12と同一軸心上にない。
【0032】
また、駆動プーリー軸12上に駆動割りプーリー17a・17bと第一クラッチ4が設けられ、該駆動割りプーリー17a・17bと従動プーリー軸11上に設けた従動割りプーリー16a・16bとの間にベルト37が巻回されて動力を伝達するようにしている。前記後進伝動軸13上に第三クラッチ6が設けられ、前記入力軸10上に固設した歯車20は、前記第一クラッチ4のクラッチケース21に固設した歯車22と噛合し、該歯車22は更に第三クラッチ6のクラッチケース50に一体的に固設した歯車40と噛合している。また、前記従動プーリー軸11と入力軸10はそれぞれ対向した軸心部で互いに回転自在に支持されている。
【0033】
前記駆動プーリー軸12上には図10に示すように、一側の駆動割りプーリー17aが駆動プーリー軸12と一体的に構成され、他側の駆動割りプーリー17bは駆動プーリー軸12上に摺動自在に外嵌され、該駆動割りプーリー17bの反対面はピストン部17cに構成され、該ピストン部17cは駆動プーリー軸12に外嵌固定されたシリンダー35に収納され、該シリンダー35とピストン部17cの間にはバネ36が介装され、駆動割りプーリー17の幅を狭める方向に付勢している。また、シリンダー35内は駆動プーリー軸12の軸心部に穿設した油路12aと連通され、該油路12aはケース1cに構成したポートCと連通され、該ポートCより圧油を供給することによって駆動割りプーリー17a・17bの幅を狭くできるようにしている。
【0034】
前記駆動プーリー軸12の右側に第一クラッチ4が構成されており、クラッチケース21の軸心部にはピストン43の背面に通じる油路21aを形成して、ケース1aに設けたポートDより圧油を供給することによって、摩擦板41・42・・・を圧接して歯車22と駆動プーリー軸12が一体的に回転できるようにしている。
【0035】
また、図9に示すように、前記後進伝動軸13上の一側には二連歯車45がベアリングを介して回転自在に支持され、該一方の歯車45aは前記従動割りプーリー16aに一体的に構成した歯車30と噛合し、他方の歯車45bは図11に示すポンプ軸19に一体的に構成した歯車46と噛合し、また、後進伝動軸13の左右中央部には歯車48が一体的に構成され、該歯車48は前記ポンプ軸19上に一体的に構成した歯車47と噛合させている。後進伝動軸13の他端には第三クラッチ6が形成されている。
【0036】
該第三クラッチ6のクラッチケース50と後進伝動軸13の軸端との間にバネ54を介装し、クラッチケース50にはピストン53に通じる油路50aを形成して、ケース1aに形成したポートEより圧油を供給することによって摩擦板51・52を押圧して第三クラッチ6を「接」とし、歯車22から歯車40、第三クラッチ6を介して後進伝動軸13に動力を伝える構成としている。その他遊星ギヤ式減速装置3やデフ装置7等は前記第一実施例と同じ構成としている。
【0037】
以上のような構成において、まず、前進走行の場合、切換バルブを切り換えてポートDより圧油を供給して第一クラッチ4を「接」とする。こうすることによって入力軸10に伝えられた動力は第一サンギヤ23より遊星ギヤ式減速装置3に伝えるとともに、入力軸10上に固設した歯車20より歯車22→第一クラッチ4→駆動プーリー軸12→駆動割りプーリー17→ベルト37→従動割りプーリー16→従動プーリー軸11→第二サンギヤ29より遊星ギヤ式減速装置3に伝え、該遊星ギヤ式減速装置3で減速された駆動力がキャリア歯車26より歯車56→カウンター軸14→歯車57→リングギヤ59と伝えてデフ装置7より左右の車軸15L・15Rに伝えるのである。そしてこの時、前記比例弁を操作することによって、割りプーリー式無段変速装置2が変速されて、走行速度を無段階で変更することができるのである。
【0038】
また、トップ走行の場合には、切換バルブを切り換えてポートAより圧油を送油して第二クラッチ5を「接」とし、前記第一実施例と同様に動力が伝えられるのである。また、後進の場合には、切換バルブが切り換えられてポートEより圧油が供給されて第三クラッチ6が「接」となり、入力軸10上の歯車20より歯車22→歯車40→第三クラッチ6→後進伝動軸13→歯車48→歯車47→ポンプ軸19→歯車46→二連歯車45→歯車30→従動プーリー軸11→遊星ギヤ式減速装置3に伝えられて、歯車56・57を介してデフ装置7に伝えられる。
【0039】
但し、前進時と後進時において、第二サンギヤ29の回転方向は同じであるが、該第二サンギヤ29の回転数を減少させる程、キャリア歯車26の正回転方向の回転数が増加して車軸15L・15Rの回転数を増加することができる。逆に、第二サンギヤ29の回転数を増加させると、遊星歯車25の回転がそれよりも遅れて、キャリア歯車26は逆方向に回転し、車軸15L・15Rは逆方向に回転されて後進することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏する。
請求項1の如く、ミッションケース(1)内に互いに平行に配置された入力軸(10)と出力軸(15)との間において、割りプーリー式無段変速装置(2)を構成する駆動プーリー軸(12)と従動プーリー軸(11)とを平行に設け、該従動プーリー軸(11)は前記入力軸(10)と同一軸心上に配置し、該入力軸(10)と従動プーリー軸(11)の間に、遊星ギヤ式減速装置(3)を配置し、該遊星ギヤ式減速装置(3)は、前記入力軸(10)に連結する第一サンギヤ(23)と、前記従動プーリー軸(11)に連結する第二サンギヤ(29)と、該第一サンギヤ(23)と噛合する第一遊星歯車(24)と、該第二サンギヤ(29)と噛合する第二遊星歯車(25)を設け、該第一遊星歯車(24)は、歯車(24a)と歯車(24b)の二連に構成し、該一方の歯車(24a)は前記第一サンギヤ(23)と噛合し、他方の歯車(24b)は前記第二遊星歯車(25)と噛合し、該第一遊星歯車(24)を回転自在に支持する軸(27)と、該第二遊星歯車(25)を回転自在に支持する軸(28)を固定支持するキャリア歯車(26)を設け、該キャリア歯車(26)を前記出力軸(15)に連動連結して構成すると共に、前記入力軸(10)と駆動プーリー軸(12)との間には、「接」とすることにより、前進回転を動力伝達可能な第一クラッチ(4)を設け、前記第一クラッチ(4)が「断」とされているときに、「接」とすることにより、前記従動プーリー軸(11)を前記ミッションケース(1)に固定し、定速度を伝達可能な第二クラッチ(5)を設け、前記第一クラッチ(4)と第二クラッチ(5)の両方が「断」とされているときに、「接」とすることにより、前記入力軸(10)と従動プーリー軸(11)との間に後進回転を動力伝達可能な第三クラッチ(6)を設けたので、無段変速した後に減速して出力でき、無段変速が可能でありながらトランスミッションをコンパクトに構成することができ、軽量化も図ることができる。
【0041】
また、遊星ギヤによって大きく減速することが可能となり、流体接続を必要としないので、構造が簡単な無段変速機構が得られ、トランスミッションをコンパクトに構成することができ、軽量化も図ることができる。
【0042】
また、クラッチを「断」とした状態では中立の状態であり、入力軸が回転していても出力軸には動力が伝えられず、クラッチを「接」とすることで、前進無段変速が可能となり、クラッチの断接で前後進切換が簡単に行えるようになり、変速時のショックを小さくすることができる。
【0043】
また、前記入力軸と同一軸心でその延長上に従動プーリー軸を設けたので、入力軸及び遊星ギヤ式減速装置をミッションケースの中央に配置することができ、全体的にコンパクトに構成することができ、また、重心を低く構成でき、安定して取り付けることができる。
【0044】
また、前記遊星ギヤ式減速装置を、平行に配置した第一サンギヤと第二サンギヤと、第一サンギヤと第二サンギヤの外周にそれぞれ噛合する第一遊星歯車と第二遊星歯車と、該第一遊星歯車と第二遊星歯車を噛合させて回転自在に支持する軸を有するキャリア歯車とから構成したので、遊星ギヤ式減速装置をコンパクトに構成でき、大きなインターナルギヤを必要とせず、コンパクトでコスト低減化が図れる。
【0045】
また、前記第二サンギヤを従動プーリー軸に固定し、該従動プーリー軸とミッションケースの間にクラッチを設け、該クラッチの作動により第二サンギヤを固定し、定速度段としたので、定速度に容易に切り換えることが可能となり、初速を速くすることも可能である。また、ギヤによる伝達となるので、伝達効率を向上できて馬力ロスが少なくなり、また、定速度段では割りプーリー式無段変速装置を使用しないので、割りプーリー式無段変速装置の寿命を伸ばすことができるのである。
また、ミッションケース1内に無段変速機構と減速機構を収納しているので、外部より塵埃等の侵入がなく耐久性を向上でき、ケース内にコンパクトに収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例のトランスミッションのスケルトン図である。
【図2】 同じく歯車の噛み合いを示す側面模式図である。
【図3】 ミッションケースの図2に示すX−X展開断面図である。
【図4】 同じく図2に示すY−Y展開断面図である。
【図5】 同じく図2に示すZ−Z展開断面図である。
【図6】 遊星ギヤ式減速装置の噛み合いを示す後面略図である。
【図7】 本発明の第二実施例のトランスミッションのスケルトン図である。
【図8】 同じく歯車の噛み合いを示す側面模式図である。
【図9】 ミッションケースの図8に示すU−U展開断面図である。
【図10】 同じく図8に示すV−V展開断面図である。
【図11】 同じく図8に示すW−W展開断面図である。
【図12】 本発明の第三実施例のトランスミッションのスケルトン図である。
【図13】 同じくミッションケースの後面断面図である。
【符号の説明】
2 割りプーリー式無段変速装置
3 遊星ギヤ式減速装置
4 第一クラッチ
5 第二クラッチ
6 第三クラッチ
10 入力軸
11 従動プーリー軸
12 駆動プーリー軸
13 後進伝動軸
15 出力軸
23 第一サンギヤ
24・25 遊星歯車
26 キャリア歯車
29 第二サンギヤ
61 後進伝動軸
62 前進伝動軸
Claims (1)
- ミッションケース(1)内に互いに平行に配置された入力軸(10)と出力軸(15)との間において、割りプーリー式無段変速装置(2)を構成する駆動プーリー軸(12)と従動プーリー軸(11)とを平行に設け、該従動プーリー軸(11)は前記入力軸(10)と同一軸心上に配置し、該入力軸(10)と従動プーリー軸(11)の間に、遊星ギヤ式減速装置(3)を配置し、該遊星ギヤ式減速装置(3)は、前記入力軸(10)に連結する第一サンギヤ(23)と、前記従動プーリー軸(11)に連結する第二サンギヤ(29)と、該第一サンギヤ(23)と噛合する第一遊星歯車(24)と、該第二サンギヤ(29)と噛合する第二遊星歯車(25)を設け、該第一遊星歯車(24)は、歯車(24a)と歯車(24b)の二連に構成し、該一方の歯車(24a)は前記第一サンギヤ(23)と噛合し、他方の歯車(24b)は前記第二遊星歯車(25)と噛合し、該第一遊星歯車(24)を回転自在に支持する軸(27)と、該第二遊星歯車(25)を回転自在に支持する軸(28)を固定支持するキャリア歯車(26)を設け、該キャリア歯車(26)を前記出力軸(15)に連動連結して構成すると共に、前記入力軸(10)と駆動プーリー軸(12)との間には、「接」とすることにより、前進回転を動力伝達可能な第一クラッチ(4)を設け、前記第一クラッチ(4)が「断」とされているときに、「接」とすることにより、前記従動プーリー軸(11)を前記ミッションケース(1)に固定し、定速度を伝達可能な第二クラッチ(5)を設け、前記第一クラッチ(4)と第二クラッチ(5)の両方が「断」とされているときに、「接」とすることにより、前記入力軸(10)と従動プーリー軸(11)との間に後進回転を動力伝達可能な第三クラッチ(6)を設けたことを特徴とするトランスミッション。
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-
1998
- 1998-11-27 JP JP33688598A patent/JP4365463B2/ja not_active Expired - Fee Related
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