JP4364561B2 - 容器体のスタッキング構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器体の蓋体及び容器体に関し、詳しくは、食品やその他の物品の保存や収納に用いられる容器体のスタッキング構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品やその他の物品を保存・収納する際には、容器体が使用されていた。
【0003】
この容器体は、食品やその他の物品を保存・収納する容器本体と、該容器本体の開口部を閉鎖する蓋体とによって構成されており、物品等を収容した容器本体を密閉できるように構成されている。
【0004】
そして、このような容器体は、上段に配置された容器体の底面を下段の容器体の蓋体に載置することで、複数の容器体を重ねて配置できるように構成されており、収納・保存する際には、複数の容器体を上下に積み重ねて保存する様に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の容器体にあっては、上段の容器体と下段の容器体とに滑りが生じ易く、スタッキング性が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、スタッキング性に優れた容器体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の容器体のスタッキング構造にあっては、容器状に形成された容器本体の底面及び前記容器本体の開口部を閉鎖する蓋体の上面に互いに係合する凸部及び凹部からなる位置決め手段を設け、前記凸部の突出量が中心部から外側へ向かうに従って小さくなるように設定するとともに前記凹部の没入量が中心部から外側へ向かうに従って小さくなるように設定した容器体のスタッキング構造であって、前記蓋体の前記上面の周縁部に上方へ向けて突出した折返し部を形成する一方、前記容器本体を前記蓋体に載置し前記凸部と前記凹部とを係合して位置決めした状態で前記蓋体の前記上面に沿った前記容器本体のスライドを許容するスライド代を前記容器体と前記折返し部との間に設定した。
【0008】
すなわち、容器本体及び蓋体からなる容器体を積み重ねる際には、下段の容器体の蓋体上に、上段の容器体の容器本体を載置する。このとき、下段の容器体の蓋体上面及び上段の容器体の容器本体底面には、互いに係合する凸部及び凹部からなる位置決め手段が設けられており、前記凸部と前記凹部とが係合することで横滑りが防止される。
【0009】
加えて、前記蓋体の上面及び前記容器本体の底面に凸部及び凹部からなる位置決め手段を設けたことにより、蓋体及び容器本体の撓みを抑えることができ、強度を向上することができる。
【0010】
具体的に、蓋体にあっては、他の容器体を載置した場合や他の物を載せた際の撓みや変形を防止することができ、容器本体の底面については、収納された物品による底部の撓みや変形を防止することができる。
【0012】
また、上段の容器体と下段の容器体との横滑りを防止する凸部は、その突出量が中心部から外側へ向かうに従って小さくなるように設定されており、前記凹部の没入量は、中心部から外側へ向かうに従って小さくなるように設定されている。
【0013】
このため、いずれかの容器体を平面方向へスライドさせた際には、上下に配置された容器体において、上下へ逃げる方向に力が加えられる。
【0014】
さらに、請求項2の容器体のスタッキング構造では、前記位置決め手段を構成する前記凸部を、中央部が突出した球面状に形成するとともに、前記凹部を、中央部が没入した球面状に形成した。
【0015】
すなわち、容器体を平面方向へスライドさせた際に上下方向へ逃げ力を生じさせる凸部は、中央部が突出した球面状に形成されており、凹部は、中央部が没入した球面状に形成されている。
【0016】
このため、凸部及び凹部に平坦な傾斜面が設定された場合と比較して、容器体の平面方向でのいずれの方向へのスライドも許容される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1には、本実施の形態にかかる容器体1を示す図であり、この容器体1は、物品としての食品などを保存する際に使用されるものである。なお、容器体1の用途としては、食品の保存のみならず、文房具、おもちゃ、その他の物品の収納に利用しても良い。
【0018】
この容器体1は、物品を収容する容器本体11を備えている。該容器本体11は、図2及び図3にも示すように、上方に開口した容器状に形成されており、透明性を有したプラスチックシートが金型によって上下からプレスされて形成されている。
【0019】
該容器本体11は、図1に示したように、対向した短辺21,21及び対向した長辺22,22を有する長方形状の底面23と、該底面23の各辺21,21,22,22に起立する側壁24,・・・で構成された周壁25とによって形成されている。該周壁25の上部には、図2及び図3に示したように、外側へ延出する段部26が全周に渡って形成されており、該段部26より上方には、大径部27が形成されている。該大径部27の上端部には、外側へ折曲した折曲部28が全周に渡って形成されており、該折曲部28の端部からは、下方へ延出した垂下部29が全周に渡って形成されている。これにより、当該容器本体11の上部開口部31の開口縁には、下方へ向けて開口する本体折返し部32が全周に渡って形成されている。
【0020】
前記周壁25を構成する各側壁24,・・・の下縁は、それぞれ中央部が上方へ後退したアーチ状に形成されており、各側壁24,・・・の下縁に連設された前記底面23の各辺21,21,22,22には、両端部が下方へ突出するアーチ状のアーチ部41,・・・が形成されている。これにより、隣接するアーチ部41,41の端部が交差する前記底面23の各角部42,・・・には、下方へ膨出した突出部43,・・・が形成されており、当該容器本体11を載置面44に載置した状態で、該載置面44と前記底面23との間に空気が通流する通流空間45を確保できるように構成されている。
【0021】
前記底面23には、図1に示したように、前記各アーチ部41,・・・で包囲された平坦な長方形状の平坦領域51が形成されており、該平坦領域51の四隅には、円形の凸部52,・・・が形成されている。各凸部52,・・・は、図2及び図3に示したように、その突出量が中心部から外側へ向かうに従って小さくなるように設定されており、下方へ向けて膨出した球面状に形成されている。これらの凸部52によって前記底面23の平坦領域51には、凹凸が形成されている。
【0022】
この容器体1は、図4及び図5に示すように、蓋体61を備えており、該蓋体61によって前記容器本体11の前記上部開口部31を開閉自在に閉鎖できるように構成されている。この蓋体61も前記容器本体11に対応し、対向する短辺62,62と対向する長辺63,63とを有した長方形状に形成されており、透明性を有したプラスチックシートが金型によって上下からプレスされて形成されている。
【0023】
この蓋体61の周縁部には、上方へ起立する内嵌合部としての起立壁71が全周に渡って形成されており、当該蓋体61を、図6にも示すように、前記容器本体11に取り付けた状態で、この起立壁71が前記容器本体11上部の大径部27に内嵌して密着するように構成されている。これにより、前記容器本体11は、気密性及び水密性が維持されるように構成されている。
【0024】
前記起立壁71の端部からは、前記容器本体11の周壁25上部の本体折返し部32を乗り越えて該周壁25の外側へ延出する外方延出部81が全周に渡って形成されており、当該蓋体61を前記容器本体11に取り付けた状態で、この外方延出部81が、前記容器本体11上端部の前記折曲部28に密接するように構成されている。
【0025】
この外方延出部81の周縁からは、下方へ延出する下方延出部91が全周に渡って形成されており、当該蓋体11の外周部には、下方へ開口した蓋側折返し部92が全周に渡って形成されている。これにより、この蓋体61を容器本体11に取り付けた状態で、当該蓋側折返し部92が前記容器本体11の本体折返し部32に外嵌することで、当該蓋体61の不用意な離脱を防止できるように構成されている。
【0026】
この蓋体61の短辺62と長辺63とが交わる角部101には、図4にも示したように、外周部へ延出するタブ102が一体形成されている。該タブ102は、前記外方延出部81から連続して面一に延出した半円形状の延出片103と、該延出片103の縁部より下方に延出する補強部104とによって構成されている。
【0027】
この補強部104の一端は、前記短辺62を構成する前記下方延出部91に連続して形成されており、その他端は、前記長辺63を構成する前記下方延出部91に連続して形成されている。これにより、蓋体61の短辺62を構成する下方延出部91は、前記補強部104を介して、前記長辺63を構成する下方延出部91に連設されており、当該補強部104は、蓋体61の外周部にリング状に形成された前記下方延出部91の一部を構成している。
【0028】
そして、前記蓋体61の中央部には、長方形状に上方へ膨出した平坦な中央膨出部111が形成されており、該中央膨出部111における上面112の四隅には、凹部113,・・・が形成されている。これら凹部113,・・・は、没入量が中心部から外側へ向かうに従って小さくなるように設定されており、下方へ没入した球面状に形成されている。
【0029】
各凹部113,・・・は、前記容器本体11の底面23に形成された凸部52,・・・と合致する位置に設けられており、容器本体11が蓋体61で閉鎖された同一の容器体1を、図6に示したように、積み重ねた状態で、上段の容器体1の容器本体11に形成された凸部52,・・・が、下段の容器体1の蓋体61に形成された凹部113,・・・に位置決めされるように構成されている。これにより、前記凸部52と前記凹部113とによって本発明の位置決め手段が形成されている。
【0030】
以上の構成にかかる本実施の形態において、容器本体11及び蓋体61からなる容器体1を積み重ねる際には、下段の容器体1の蓋体61上に、上段の容器体1の容器本体11を載置する。このとき、下段の容器体1の蓋体61上面112及び上段の容器体1の容器本体11底面23には、互いに係合する凸部52,・・・及び凹部113,・・・からなる位置決め手段が設けられており、前記凸部52,・・・と前記凹部113,・・・とが係合することによって容器体の横滑りを防止することができる。
【0031】
したがって、上段の容器体1と下段の容器体1とに滑りが生じ易かった従来と比較して、スタッキング性を向上することができる。
【0032】
加えて、前記蓋体61の上面112及び前記容器本体11の底面23に凸部52,・・・及び凹部113,・・・を設けたことにより、蓋体61及び容器本体11の撓みを抑えることができ、強度を向上することができる。
【0033】
具体的に、蓋体61にあっては、他の容器体1を載置した場合や他の物を載せた際の撓みや変形を防止することができ、容器本体11の底面23については、収納された物品による底部の撓みや変形を防止することができるという効果を得ることができる。
【0034】
このとき、上段の容器体1と下段の容器体1との横滑りを防止する凸部52,・・・は、その突出量が中心部から外側へ向かうに従って小さくなるように設定されており、前記凹部113の没入量は、中心部から外側へ向かうに従って小さくなるように設定されている。
【0035】
このため、いずれかの容器体1を平面方向へスライドさせた際には、上下に配置された容器体1,1において上下へ逃げる方向に力を生じさせることができる。これにより、上段の容器体1を上動させ、積み重ねられた容器体1,1間に隙間を形成することができるため、取り出し容易性を向上することができる。
【0036】
そして、この凸部52,・・・は、中央部が突出した球面状に形成されており、前記凹部113,・・・は、中央部が没入した球面状に形成されている。
【0037】
このため、前記凸部52,・・・及び凹部113,・・・に平坦な傾斜面が設定された場合と比較して、容器体1の平面方向でのいずれの方向へのスライドも許容し、いずれの方向へスライドさせた場合であっても、積み重ねられた容器体1,1間に隙間を形成することができる。
【0038】
したがって、スライド方向が限定されてしまう場合と比較して、取り出し性のさらなる向上を図ることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1の容器体のスタッキング構造にあっては、下段の容器体の蓋体上に上段の容器体の容器本体を載置した状態で、前記蓋体上面及び前記容器本体底面には、互いに係合する凸部及び凹部からなる位置決め手段が設けられており、前記凸部と前記凹部とが係合することによって容器体の横滑りを防止することができる。
【0040】
したがって、上段の容器体と下段の容器体とに滑りが生じる従来と比較して、スタッキング性を向上することができる。
【0041】
加えて、前記蓋体の上面及び前記容器本体の底面に凸部及び凹部からなる位置決め手段を設けたことにより、蓋体及び容器本体の撓みを抑えることができ、強度を向上することができる。
【0042】
具体的に、蓋体にあっては、他の容器体を載置した場合や他の物を載せた際の撓みや変形を防止することができ、容器本体の底面については、収納された物品による底部の撓みや変形を防止することができるという効果を得ることができる。
【0043】
また、上段の容器体と下段の容器体との横滑りを防止する凸部は、その突出量が中心部から外側へ向かうに従って小さくなるように設定されており、前記凹部の没入量は、中心部から外側へ向かうに従って小さくなるように設定されている。
【0044】
このため、いずれかの容器体を平面方向へスライドさせることによって、上段の容器体を上動させることができる。これにより、積み重ねられた容器体間に隙間を形成することができるため、取り出し容易性を向上することができる。
【0045】
さらに、請求項2の容器体のスタッキング構造では、容器体を平面方向へスライドさせた際に上下方向へ逃げ力を生じさせる凸部は、中央部が突出した球面状に形成されており、凹部は、中央部が没入した球面状に形成されている。
【0046】
このため、凸部及び凹部に平坦な傾斜面が設定された場合と比較して、容器体の平面方向でのいずれの方向へのスライドも許容し、いずれの方向へスライドさせた場合であっても、積み重ねられた容器体間に隙間を形成することができる。
【0047】
したがって、スライド方向が限定されてしまう場合と比較して、取り出し性のさらなる向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の容器本体を示す平面図である。
【図2】 同実施の形態の容器本体の側面を示す一部断面図である。
【図3】 同実施の形態の容器本体の正面を示す一部断面図である。
【図4】 同実施の蓋体を示す平面図である。
【図5】 同実施の形態の蓋体を示す断面図である。
【図6】 同実施の形態の利用形態を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1 容器体
11 容器本体
23 底面
31 上部開口部
52 凸部
61 蓋体
92 蓋側折返し部
112 上面
113 凹部
Claims (2)
- 容器状に形成された容器本体の底面及び前記容器本体の開口部を閉鎖する蓋体の上面に互いに係合する凸部及び凹部からなる位置決め手段を設け、前記凸部の突出量が中心部から外側へ向かうに従って小さくなるように設定するとともに前記凹部の没入量が中心部から外側へ向かうに従って小さくなるように設定した容器体のスタッキング構造であって、
前記蓋体の前記上面の周縁部に上方へ向けて突出した折返し部を形成する一方、
前記容器本体を前記蓋体に載置し前記凸部と前記凹部とを係合して位置決めした状態で前記蓋体の前記上面に沿った前記容器本体のスライドを許容するスライド代を前記容器体と前記折返し部との間に設定したことを特徴とする容器体のスタッキング構造。 - 前記位置決め手段を構成する前記凸部を、中央部が突出した球面状に形成するとともに、前記凹部を、中央部が没入した球面状に形成したことを特徴とする請求項1記載の容器体のスタッキング構造。
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