JP4364429B2 - 新規フォトクロミックピラノ−融合ナフトピラン - Google Patents
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Description
(発明の開示)
本発明は、特定の新規のナフトピラン化合物に関する。特に本発明は、新規フォトクロミックピラノ−融合ナフトピラン化合物、およびこのような新規ナフトピラン化合物を含有する組成物および物品に関する。日光または水銀灯中の紫外線のような、紫外線を含有する電磁放射線に曝されると、多くのフォトクロミック化合物は、可逆的な色の変化を示す。紫外線が停止されると、そのようなフォトクロミック化合物は、元の色または無色の状態に戻る。
【0002】
日光によって誘発される可逆な変色または暗色化が所望される用途に使用するために、種々のフォトクトミック化合物が合成され、提案されている。米国特許第3,567,605号(ベッカー)は、ある種のベンゾピランおよびナフトピランを包含する、一連のピラン誘導体を開示している。これらの化合物は、クロメンの誘導体として記載されており、約−30℃以下の温度で紫外線を照射すると、例えば無色から黄色〜橙色への変色を生じることが報告されている。可視光線によるこれらの化合物の照射、または約0℃以上の温度に昇温することによって、着色を、無色の状態に戻すことが報告されている。
【0003】
米国特許第5,066,818号には、眼用および他の用途に望ましいフォトクロミック特性、即ち、高い着色性や許容される退色を有するものとして、種々の3,3−ジアリール−3H−ナフト[2,1−b]ピランが記載されている。前記第5,066,818号には、比較例として異性体2,2−ジアリール−2H−ナフト[1,2−b]ピランも記載されており、これは活性化後に退色するのに許容できないほど長時間を要することが報告されている。
【0004】
米国特許第3,627,690号は、塩基または弱から中程度の強度の酸のいずれかを少量を含有する、2,2−ジ−置換−2H−ナフト[1,2−b]ピラン組成物を記載している。ナフトピラン組成物に対する酸または塩基のいずれかの付加は、着色したナフトピランの退色速度を増大させ、それによってナフトピランをサングラスのような眼を保護する用途において有用にすることが報告されている。この中にはさらに、前記添加物を含まない2H−ナフト−[1,2−b]ピランの退色速度は、完全に元の状態に戻るまでに数時間からそれ以上の日数かかることも報告されている。
【0005】
米国特許第4,818,096号は、ピラン環の酸素に対してαの位置に、オルトもしくはパラの位置に置換基を含有する窒素を有するフェニル基を有する、紫/青色着色フォトクロミック・ベンゾ−またはナフト−ピランを開示している。米国特許第5,645,767号は、インデノ基の2,1−位がナフトピランのf側と融合している、新規のフォトクロミックのインデノ融合2H−ナフト[1,2−b]ピラン化合物を記載している。
【0006】
米国特許第5,548,814号は、ナフトピランのナフト部分の第5炭素および第6炭素とピラン環の第2位に特定の置換基を有する、フォトクロミック2H−ナフト[1,2−b]ピラン化合物を開示している。これらの化合物は、高い活性化強度および高い着色速度に加えて、許容可能な退色速度を有する。
【0007】
本発明は、置換または非置換のピラン環「S」を有し、その第3、4位がナフトピランのナフト部分のf側と融合されており、そして「T」ピラン環の第2位に特定の置換基を有する、新規の置換ナフトピラン化合物に関する。「T」ピラン環は、可逆的なフォトクロミック変色を提供するために、環の開閉を行う環である。この化合物は、酸または塩基を付加せずに許容可能な退色速度を示し、高い活性化強度、および高い着色速度を有する。
【0008】
(発明の詳細な説明)
近年、フォトクロミックプラスチック材料(特に、光学用途のためのプラスチック材料)は、かなり注目されている。特に、フォトクロミック眼科用プラスチックレンズが、ガラスレンズと比較して、それらが与える重量的な利点によって研究されている。さらに、車および飛行機のような輸送手段におけるフォトクロミック透明性は、そのような透明性が与える潜在的な安全性の特徴のために、関心が高い。
【0009】
本発明に従うと、橙から青までの範囲の活性化された着色、許容可能な退色速度、高い活性化強度および高い着色速度を有する特定の新規のピラノ[3’,4’:3,4]ナフト−[1,2−b]ピランが調製され得ることが、本明細書中で開示されている。これらの化合物は、「T」ピラン環の2位に特定の置換基を有するピラノ−融合[1,2−b]ナフトピランとして記載され得る。特定の置換基は、化合物の第5、第7、第8、第9、第10、第11または第12炭素にも存在し得る。これらの化合物は、以下の式Iによって示される。式I中、aからnまでの文字は、ナフトピランの側面を示し、文字「S」および「T」はピラン環を表し、そして環の内部の数字1から12は、ピラノ−融合されたナフトピランの環原子の連番を表している。式I中に示す置換基の定義において、同じ記号は特に断りのない限り、同じ意味を示す。
【0010】
【化7】
【0011】
式Iにおいて、R1およびR2は合わせてオキソ基を形成し得るか、または、R1およびR2は両方とも水素、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、アリル、フェニル、モノ−置換フェニル、ベンジル、もしくはモノ−置換ベンジルであり得る。フェニルおよびベンジル基の置換基それぞれは、C1〜C6アルキルもしくはC1〜C6アルコキシである。好ましくは、R1およびR2は両方とも水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、フェニル、モノ−置換フェニル、ベンジル、およびモノ−置換ベンジルである。フェニルおよびベンジル基の置換基それぞれが、C1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシである。より好ましくは、R1およびR2は両方とも、水素、C1〜C3アルキル、C3〜C5シクロアルキル、フェニル、モノ−置換フェニル、ベンジル、およびモノ−置換ベンジルから成る群より選択され、フェニルおよびベンジル基置換基のそれぞれが、C1〜C3アルキルもしくはC1〜C3アルコキシである;
【0012】
R3は、水素、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、もしくは基CH(B)B′であり、ここで、BおよびB′は、それぞれ以下からなる群より選択され得る:
(i)非置換、モノ−、ジ−、およびトリ−置換のアリール基、フェニル、およびナフチル;
(ii)非置換、モノ−、およびジ−置換のヘテロ芳香族基ピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラン−4−イル、ジベンゾチエン−4−イル、およびカルバゾール−4−イル。これら部(i)および(ii)中の前記アリールおよびヘテロ芳香族の置換基は、アリール、C1〜C6アルコキシアリール、C1〜C6アルキルアリール、クロロアリール、フルオロアリール、C3〜C7シクロアルキル、C3〜C7シクロアルキルオキシ、アリール(C1〜C6)アルキル、アリール(C1〜C6)アルコキシ、アリールオキシ、C1〜C6アルキルアリール(C1〜C6)アルキル、C1〜C6アルコキシアリール(C1〜C6)アルキル、C1〜C6アルキルアリール(C1〜C6)アルコキシ、C1〜C6アルコキシアリール(C1〜C6)アルコキシ、アミノ、モノ(C1〜C6)アルキルアミノ、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、N−(C1〜C6)アルキルピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、ピリル、C1〜C6アルキル、C1〜C6クロロアルキル、C1〜C6フルオロアルキル、C1〜C6アルコキシ、モノ(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C4)アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、クロロ、およびフルオロから成る群より選択される;
【0013】
(iii)以下の式によって表される基:
【化8】
(式中、Eは、炭素または酸素であり得、そしてDは、酸素または置換された窒素であり得、Dが置換された窒素である場合は、Eは炭素であり、上記の窒素置換基は、水素、C1〜C6アルキルおよびC2〜C6アシルからなる群より選択され;R6はそれぞれ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ、クロロまたはフルオロであり;R7およびR8はそれぞれ、水素またはC1〜C6アルキルであり;そしてqは、整数0、1、もしくは2である。);
(iv)C1〜C6アルキル、C1〜C6クロロアルキル、C1〜C6フルオロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C4)アルキル;ならびに
(v)以下の式によって表される基:
【化9】
(式中、式IIC中のXは水素またはC1〜C4アルキルであり得、そして式IIC中のYは、ナフチル、フェニル、フラニルおよびチエニルから成る群の、非置換、モノ−、およびジ−置換された構成因子から選択されてよく、この部(v)中の基の置換基はそれぞれ、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、フルオロまたはクロロである。)。
【0014】
好ましくは、R3は、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、もしくは基CH(B)B′であり、ここで、BおよびB’は、それぞれ以下からなる群より選択される:(i)フェニル、モノ−置換フェニル、および、ジ−置換フェニル(好ましくは、メタおよび/またはパラ位で置換されたもの);(ii)非置換、モノ−、およびジ−置換のヘテロ芳香族基フラニル、ベンゾフラン−2−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ジベンゾフラン−2−イルおよびジベンゾチエン−2−イル。(i)および(ii)中の上記のフェニルおよびヘテロ芳香族置換基はそれぞれ、アリール、アルールオキシ、アリール(C1〜C3)アルキル、アミノ、モノ(C1〜C3)アルキルアミノ、ジ(C1〜C3)アルキルアミノ、N−(C1〜C3)アルキルピペラジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピリル、C1〜C3アルキル、C1〜C3クロロアルキル、C1〜C3フルオロアルキル、C1〜C3アルコキシ、モノ(C1〜C3)アルコキシ(C1〜C3)アルキル、フルオロ、およびクロロからなる群より選択される;(iii)式IIAおよびIIBによって表される基であって、Eは炭素であり、そしてDは酸素であり、R6はC1〜C3アルキルまたはC1〜C3アルコキシであり、R7およびR8はそれぞれ、水素またはC1〜C4アルキルであり;そしてqは、整数0または1である;(iv)C1〜C4アルキル;ならびに(v)式IICによって表される基であって、Xは水素またはメチルであり、そしてYは、フェニルまたはモノ−置換フェニルであり、上記のフェニル置換基は、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシおよびフルオロからなる群より選択される。
【0015】
より好ましくは、R3は、水素、C1〜C3アルキル、C3〜C6シクロアルキル、または基CH(B)B′であり、ここで、BおよびB′は、それぞれ以下からなる群より選択される:(i)フェニル、モノ−およびジ−置換フェニル;(ii)非置換、モノ−、およびジ−置換ヘテロ芳香族基フラニル、ベンゾフラン−2−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル。(i)および(ii)中の上記フェニルおよびヘテロ芳香族の置換基はそれぞれ、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、アリール、モルホリノ、フルオロ、およびクロロからなる群より選択される;ならびに、(iii)式IIAによって表される基。ここで、Eは、炭素であり、そしてDは酸素であり、R6はC1〜C3アルキルまたはC1〜C3アルコキシであり、R7およびR8はそれぞれ、水素またはC1〜C3アルキルであり;そしてqは、整数0または1である。
【0016】
R4は、水素、C1〜C6アルキル、またはC3〜C7シクロアルキルであり得;好ましくは、水素、C1〜C4アルキル、またはC3〜C6シクロアルキルであり得;そしてより好ましくは、水素、C1〜C3アルキル、またはC3〜C6シクロアルキルであり得る。R5はそれぞれ、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルコキシ、クロロ、およびフルオロからなる群より選択され、そしてmは、整数0、1、または2である。好ましくは、R5はそれぞれ、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、およびフルオロからなる群より選択され、そしてmは、整数0、1、または2である。より好ましくは、R5はそれぞれ、C1〜C3アルキルおよびC1〜C3アルコキシからなる群より選択され、そしてmは、整数0、1、または2である。もちろん、mが0である場合は、炭素原子の原子価要件を満たすために、R5は水素であることが分かる。
【0017】
式Iによって示される化合物は、以下の工程によって調製され得る。式VおよびVAによって示されるベンゾフェノンは、購入されるか、または式IVの適正に置換されたもしくは非置換のベンゾイルクロライドや、市販の式IIIの置換もしくは非置換のベンゼン化合物を用いたフリーデル−クラフツ法によって調製されるかのいずれかである。刊行物フリーデル−クラフツ・アンド・リレイテッド・リアクションズ、ジョージ・エイ・オラー著、インターサイエンス・パブリッシャーズ、1964年、第3巻、第XXXI章(芳香族ケトン合成)、およびイシハラ、ユギら著「1,2,3,4−テトラヒドロキノリンおよび関連する窒素ヘテロ環の部分選択的フリーデル−クラフツ・アシル化:NH保護基および環の大きさに対する影響」、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ、パーキン・トランサクションズ1、3401〜3406頁、1992年を参照のこと。
【0018】
式IIIおよびIVによって示される化合物は、溶媒(例えば、二硫化炭素またはメチレンクロライド)中に溶解され、ルイス酸(例えば、アルミニウムクロライドまたは四塩化スズ)の存在下で反応されて、式V(または反応B中のVA)によって示される対応する置換されたベンゾフェノンを形成する。RおよびR′は、前述したように、潜在的なフェニル置換基を示す。
【0019】
【化10】
【0020】
反応Bにおいては、式VAによって示される置換または非置換のケトン(ここで、BおよびB’は、置換または非置換のフェニル以外の基を表し得る。)は、好適な溶媒(例えば、無水テトラヒドロフラン(THF))中でナトリウムアセチリドと反応されて、式VIによって示される対応するプロパルギルアルコールを形成する。置換および非置換のフェニル以外のBまたはB′基を有するプロパルギルアルコールは、市販のケトンから調製されるか、または例えば、置換または非置換のベンゼン、ナフタレンまたはヘテロ芳香族化合物とアシルハロゲン化物との反応によって調製されたケトンから調製されてよい。式IICによって示されるBまたはB′基を有するプロパルギルアルコールは、米国特許第5,274,132号、第2欄、第40行〜第68行に記載されている方法によって調製されてよい。
【0021】
【化11】
【0022】
式Iのナフトピランの調製において使用される、式XIIによって示されるナフトールは、反応Cにおいて記載されるように調製され得る。反応Cにおいて、式VIIによって示されるメチル置換された芳香族化合物は、ジ−tert−ブチルペルオキシド(DTBP)のような開始剤の存在下で式VIIIによって示される無水マレイン酸と反応される。水性アルカリ(例えば、水酸化ナトリウム)での処理や酸性化から成る調製は、式IXによって示される二酸を生成する。冷濃硫酸での化合物IXの処理は、式Xによって示されるテトラロンの形成を生じる。例えば、苛性カリのアルコール性/水溶液のような、アルカリのアルコール性/水溶液(すなわち、アルコール約50体積%および水50体積%)の存在下での酸素による化合物の酸化、続く例えば、塩酸による酸性化は、式XIによって示されるヒドロキシナフトエ酸をもたらす。アセトン中での、形成された酸を中和するために重炭酸ナトリウムを用いる、ハロゲン化有機物(R″X)(例えば、メチルヨウ化物またはエチレンブロモ酢酸など)と化合物XIとの反応は、式XIIによって示されるナフトールを生成する。
【0023】
【化12】
【0024】
反応Dにおいて、式VIによって示されるプロパルギルアルコールは、(ハロゲン化メチルと式XIによって示される化合物との反応によって調製される)式XIIAによって示されるナフトールとカップリングされて、式XIIIによって示される2H−ナフト[1,2−b]ピランおよび式XIVによって示される4H−ナフト[2,1−c]ピランを形成する。式XIVによって示される所望の化合物は、反応Eで更に処理するために、他の化合物から分離される。
【0025】
【化13】
【0026】
反応Eには、式Iによって示される化合物を調製する方法を記載する。BおよびB′が式XIVのBおよびB′と同じまたは異なっていてよい式VIで示されるプロパルギルアルコールを、式XIVによって示される4H−ナフト[2,1−c]ピランとカップリングすることにより、5位にオキソ基を有するジヒドロ−ピラノ[3’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランを形成する。これは、式XVによって示される。式XVによって示される化合物は、例えば、不活性な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF))中で水酸化リチウムアルミニウム(LAH)を用いて還元して、式XVIによって示される化合物を生成し得る。酸での処理および後続する脱水の後、式XVIによって示される化合物を、式XVIIのピラノ−融合ナフトピランに転化する。
【0027】
式Iによって示される化合物に別々のR1およびR2置換基を取り込むための別の経路は、グリニヤード試薬(R'''MgX)と化合物XVのオキソ基とを反応させて、式XVIIIのイソピラノ−融合ナフトピランを生成することによるものである。
【0028】
【化14】
【0029】
式I、XV、XVII,およびXVIIIによって示される化合物は、光学レンズ(例えば、視力矯正用眼用レンズや平面レンズ)、フェースシールド、ゴーグル、遮光板、カメラのレンズ、窓、自動車のフロントガラス、航空機および自動車用透明物質(例えば、T−ルーフ、側灯およびバックライト)、プラスチックフィルムおよびシート、繊維およびコーティング(塗料のようなコーティング組成物)、および保全書類(例えば、証書の批准または照合が望まれることがある銀行通帳、パスポートおよび自動車免許証のような書類)における照合マークのような、有機フォトクロミック物質が使用され得る用途に使用できるにおいて使用することができる。式I、XV,XVII、およびXVIIIによって示されるイソピラノ−融合ナフトピランは、無色の状態から橙から青までの範囲の色へと色の変化を示す。
【0030】
本発明の範囲において意図されるナフトピラン化合物の例として、以下のものが挙げられる:
(a)2,2−ジフェニル−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−5−オキソ−ピラノ[3’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(b)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−5−オキソ−ピラノ[3’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(c)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−ピラノ[3’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(d)2−フェニル−2−(4−モルホリノフェニル)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−5−オキソ−ピラノ[3’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;および
(e)2−フェニル−2−(4−モルホリノ)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−ピラノ[3’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン。
【0031】
本発明の有機フォトクロミックナフトピランは、単独で、本発明の他のナフトピランと組み合わせて、または1つ以上の他の適切な相補的な有機のフォトクロミック物質(すなわち、約400〜700nmの間の範囲内に少なくとも1つの活性化吸収最大を有する有機のフォトクロミック化合物もしくはそれと同じ基を含有する物質)と組み合わせて使用でき、活性化されると適切な色相に着色するフォトクロミック物品を調製するために使用されるポリマー有機ホスト材料中に取り込むことができる(例えば、溶解または分散され得る)と考えられる。
【0032】
特に示さない限り、本明細書中で使用される波長を示す全ての数字、成分の量、または反応条件は、「約」という用語により、全ての場合において変更されると解されるべきである。
【0033】
相補的な有機フォトクロミック化合物の例として、他のナフトピラン、クロメン、およびオキサジン、置換2H−フェナントロ[4,3−b]ピラン、および3H−フェナントロ[1、2−b]ピラン化合物、ジベンゾ−融合した5員環のヘテロ環式化合物および置換または非置換のヘテロ環式環(例えば、ベンゾピランのベンゼン部位に融合されたベンゾチエノまたはベンゾフラノ環)を含むピラン環の2位に置換基を有するベンゾピラン化合物、スピロ(ベンズインドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)ベンゾピラン、スピロ(インドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)キノピラン、スピロ(インドリン)ピラン、スピロ(インドリン)ナフトキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンゾオキサジン、スピロ(ベンゾインドリン)ピリドベンズオキサジン、スピロ(ベンゾインドリン)ナフトキサジン、スピロ(インドリン)ベンズオキサジン、ならびにこのようなフォトクロミック化合物の混合物が挙げられる。このようなフォトクロミック化合物の多くは、公開された公報;例えば、米国特許第3,562,172号;同第3,567,605号;同第3,578,602号;同第4,215,010号;同第4,342,668号;同第4,816,584号;同第4,818,096号;同第4,826,977号;同第4,880,667号;同第4,931,219号;同第5,066,818号;同第5,238,931号;同第5,274,132号;同第5,384,077号;同第5,405,958号;同第5,129,774号;同第5,458,814号;同第5,466,398号;同第5,514,817号;同第5,552,090号;同第5,552,091号;同第5,565,146号;同第5,573,712号;同第5,578,252号;同第5,645,767号、および特開昭62/195383号公報に記載されている。スピロ(インドリン)ピランはまた、文献、テクニックス・イン・ケミストリー、第III巻、「フォトクロミズム」、第3章、グレン・エイチ・ブラウン編、ジョン・ワイリー・アンドサンズ・インコーポレイテッド、ニューヨーク、1971年にも記載されている。
【0034】
意図される他の相補的なフォトクロミック物質は、フォトクロミックの金属ジチゾナートであり、例えば、水銀ジチゾナート(これは、例えば、米国特許第3,361,706号に記載されている)、フルジドおよびフルジミド(例えば、3−フリルおよび3−チエニルフルジドおよびフルジミド(これは、米国特許第4,931,220号、第20欄、第5行〜第21欄、第38行に記載されている)である。
【0035】
上記の特許公報中のこのようなフォトクロミック化合物に関する開示を、全て、ここに参照として挿入する。本発明のフォトクロミック物品は、所望される場合には、1つのフォトクロミック化合物、またはフォトクロミック化合物の混合物を含有していてよい。
【0036】
本明細書中で記載されるフォトクロミック物質のそれぞれは、フォトクロミック化合物またはフォトクロミック化合物の混合物が適用されるかまたは取り込まれる有機ホスト材料が、所望の色を示す(例えば、フィルターを通さない日光で活性化すると、望ましい結果としての色(例えば、フィルター無しの太陽光で活性化した時に、実質的に無彩色の色(すなわち、活性化されたフォトクロミック化合物に与えられる可能な限り無彩色に近い色)を示すような量(または割合)で使用されてよい。無彩色のグレーかまたは無彩色の茶色が好ましい。
【0037】
無彩色のグレーは、400〜700nmの可視領域に比較的均一な吸収を有するスペクトルを示す。無彩色の茶色は、400〜550nmでの吸収が550〜700nmでの吸収よりも適度に大きいスペクトルを示す。色を記載する別の方法は、その色度座標に関する。これは、その発光因子に加えて色の質(すなわち、その色度)を記載する。CIEシステムにおいては、色度座標は、それらの和に対する三刺激値の比を計算することによって得られる(例えば、x=X/(X+Y+Z)およびy=Y/(X+Y+Z))。CIEシステムで示されるような色は、色度図表(通常は、色度座標xおよびyのプロット)上にプロットすることができる。エフ・ダブリュー・ビルマイヤー・ジュニアおよびマックス・ソルツマン著、プリンシプルズ・オブ・カラー・テクノロジー、第2版、第47〜52頁、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ出版、ニューヨーク(1981年)を参照せよ。本明細書で使用する「無彩色に近い色」とは、上記の色に関する「x」および「y」の色度座標値が以下の範囲内(D65光源):x=0.260〜0.400、y=0.280〜0.400にあることであり、その後、太陽光(気団1または2)への暴露により40%輝度透過率に活性化される。
【0038】
ホスト材料に適用または取り込まれるフォトクロミック物質、またはそのフォトクロミック物質を含有する組成物の量は、活性化の際に裸眼で区別できるフォトクロミック効果を生じるために十分な量が使用されるのであれば、重要ではない。一般的には、このような量は、フォトクロミック量として記載され得る。使用される特定の量は、しばしば、その照射の際の所望される色の強度に依存し、そしてフォトクロミック物質を組み込むかまたは適用するのに使用される放射線や方法に依存することがある。通常、適用されるかまたは組み込まれるフォトクロミック物質が多いほど、特定限度までの色の強度が大きくなる
【0039】
上記のフォトクロミックの化合物の相対的な量は変化し、そして、このような化合物の活性化された種の色の相対的な強度や所望の結果としての色にある程度依存する。一般的には、フォトクロミック光学的ホスト材料中に取り込まれるかまたはそれに適用されるフォトクロミック物質の全量は、フォトクロミック物質が取り込まれるかまたは適用される表面1平方センチメートルあたり0.05〜1.0mg(例えば、0.1〜0.45mg)の範囲であってよい。
【0040】
本発明のフォトクロミック物質は、当該分野で示される種々の方法によって、ポリマー有機ホスト材料のようなホスト材料に適用されても、またはそれに組み込まれてもよい。そのような方法としては、フォトクロミック物質をホスト材料中に溶解するか分散すること(例えば、重合する前にフォトクロミック物質をモノマーホスト材料に加えることによって、それを所定の場所にキャスティングすること);フォトクロミック物質の熱溶液中でのホスト材料の含浸によるかまたは熱転写による、ホスト材料へのフォトクロミック物質の吸収;ホスト材料の隣接する層間に、フォトクロミック物質を別の層として(例えば、ポリマーフィルムの一部として)提供すること;およびフォトクロミック物質をホスト材料の表面に施されたコーティングまたはフィルムの一部として適用することが挙げられる。「吸収」または「吸収する」という用語は、ホスト材料中や、多孔質ポリマー中へのフォトクロミック物質の移動を助ける溶媒中へのフォトクロミック物質のみの浸透、蒸気転移、および他のそのような機構を意味しかつ包含するものである。
【0041】
医療的理由、またはファッション的理由で審美的な結果を得るために、調和した(化学的かつ色的な)青味剤、即ち染料を上記ホスト材料に適用してもよい。選択される特殊染料は、前述の要求および達成しようとする結果によって変化しかつ依存する。1つの態様では、上記染料は、活性化されたフォトクロミック物質から得られる色を補うように、例えば更に無彩色となるように、または入射光の特定波長を吸収するように選択されてもよい。他の態様では、上記染料は、フォトクロミック物質が非活性化状態にある場合に、所望の色相をホストマトリックスに提供するように選択されてもよい。
【0042】
ホスト材料は通常、透過性であるが、半透過性または不透過性であってもよい。ホスト材料は、フォトクロミック物質を活性化する電磁スペクトルのその部分、すなわち、自由な形態のフォトクロミック物質を生成する紫外線(UV)の波長や、そのUV活性化形態(すなわち、自由な形態)のフォトクロミック物質の吸収最大波長を含む可視スペクトルの部分にのみ透過性である必要がある。好ましくは、ホストの色は、活性化形態のフォトクロミック物質の色を隠すものであってはならない。すなわち、それによって、色の変化が、観察者に容易に観察される。より好ましくは、ホスト材料物品は、固体の透明物質のまたは光学的に透明な材料、例えば、平面レンズおよび眼鏡レンズ、窓、ウィンドシールドのような自動車用透明物質、航空機用透明物質、プラスチックシーチング、ポリマーフィルム等のような光学的用途に好適な材料である。
【0043】
本発明のフォトクロミック化合物は、有機溶媒または有機ポリマーホスト中に含まれていてよい。有機溶媒は、ベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン、エタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、N−メチルピロリドン、2−メトキシエチルエーテル、キシレン、シクロヘキサン、3−メチルシクロヘキサノン、エチルアセテート、テトラヒドロフラン、メタノール、メチルプロピオネート、エチレングリコールおよびそれらの混合物から成る群より選択されてよい。好ましくは、有機溶媒は、アセトン、エタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、2−メトキシエチルエーテル、3−メチルシクロヘキサノン、N−メチルピロリドンおよびそれらの混合物から成る群より選択される。
【0044】
好ましくは、有機ポリマーホスト材料は、固体の透明物質のまたは光学的に透明な材料、例えば、平面レンズおよび眼鏡レンズ、窓、ウィンドシールドのような自動車用透明物質、航空機用透明物質、プラスチックシーチング、ポリマーフィルム等のような光学的用途に好適な材料である。
【0045】
ポリマー有機ホスト材料の例としては、以下のグループから選択される個別のモノマーまたはモノマー混合物から調製されるポリマーである。
(a)式IXX:
【化15】
(式中、R9およびR10は、同じまたは異なっていてよく、水素またはメチルであり、Wは(CH2)であり、そしてtは1から20までの整数である。)
によって示されるジアクリレートまたはジメタクリレート化合物;
(b)式XX:
【化16】
(式中、LはCH2CH(R10)または(CH2)pであり、ここでpは、1、3、および4からなる群より選択される整数であり、そしてvは、1から50までの整数である。)
によって示されるジアクリレートまたはジメタクリレート化合物;および
(c)式XXI:
【化17】
によって示されるエポキシ基を有するアクリレートまたはメタクリレート化合物。
【0046】
式IXX、XX、およびXXI中、異なる置換基の定義に関して使用される同様の文字は同じ意味を有する。
【0047】
式IXXによって示されるジアクリレートまたはジメタクリレート化合物(すなわち、ジ(メタ)アクリレート)の例としては、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートおよびノナンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられ、および式XXによって示されるジアクリレートまたはジメタクリレート化合物の例としては、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、およびポリ(オキシアルキレンジメタクリレート)、例えば、ポリエチレングリコール(600)ジメタクリレートが挙げられる。式XXIによって示されるアクリレートまたはメタクリレート化合物の例として、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートが挙げられる。
【0048】
ポリマー有機ホスト材料のさらなる例(これは、本明細書中に記載のフォトクロミック化合物とともに使用され得る)は、式IXX,XX、およびXXIで表されるモノマーおよびモノマー混合物、ビス(アリルカーボネート)モノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートモノマー、エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマー、アルコキシル化多価アルコールポリアクリレートモノマー(例えば、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマー)、ウレタンアクリレートモノマー(例えば、米国特許第5,373,033号に記載のもの)、およびビニルベンゼンモノマー(例えば、米国特許第5,475,074号に記載のものおよびスチレン)のポリマー、すなわち、ホモポリマーおよびコポリマー;多官能(例えば、モノ−、ジ−または多官能の)アクリレートおよび/またはメタクリレートモノマーのポリマー(すなわち、ホモポリマーおよびコポリマー)、ポリ(メチルメタクリレート)のようなポリ(C1〜C12アルキルメタクリレート)、ポリ(アルコキシル化フェニルメタクリレート)、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酪酸セルロース、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリウレタン、熱可塑性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、コポリ(スチレン-メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン-アクリロニトリル)、ポリビニルブチラール、およびジアリリデンペンタエリトリトールのポリマー(すなわち、ホモポリマーおよびコポリマー)、
特に、ポリオール(アリルカーボネート)モノマー(例えば、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート))やアクリレートモノマー(例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート)とのコポリマーが挙げられる。
【0049】
透過性コポリマーおよび透過性ポリマーの混合物も、ホスト材料として好適である。好ましくは、ホスト材料は、熱可塑性ポリカーボネート樹脂、例えばレクサン(LEXAN)という商標で市販されている、ビスフェノールAとホスゲンから誘導されるカーボネート結合樹脂;ポリエステル、例えばマイラー(MYLAR)という商標で市販されている材料;ポリ(メチルメタクリレート)、例えばプレクシグラス(PLEXIGLAS)という商標で市販されている材料;ポリオール(アリルカーボネート)モノマーの重合体(前記モノマーは特に、CR-39という商標で市販されているジエチレングリコールビス(アリルカーボネート))、およびポリオール(アリルカーボネート)(例えば、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート))と他の共重合性モノマー材料とのコポリマー(例えば、酢酸ビニルとのコポリマー)などの重合物、例えば80〜90%のジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)と10〜20%の酢酸ビニルとのコポリマー、特に80〜85%のジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)と15〜20%の酢酸ビニルとのコポリマー、および米国特許第4,360,653号および同第4,994,208号に記載の末端ジアクリレート官能基を有するポリウレタンとのコポリマー;および米国特許第5,200,483号に記載の、末端基にアリルまたはアクリリル官能基を含有する脂肪族ウレタンとのコポリマー;ポリ(酢酸ビニル)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートモノマー、エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール) ビスメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマーおよびエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーからなる群の構成因子のポリマー;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酪酸セルロース、ポリスチレンおよびスチレンとメチルメタクリレート、酢酸ビニルおよびアクリロニトリルとのコポリマー、から調製される光学的に透明な、重合した有機材料である。
【0050】
特に、光学的に透明な重合体を製造するのに使用される光学有機樹脂モノマー(すなわち、平面レンズおよび眼用レンズ、窓および自動車用透明物質のような光学用途に適した材料)を含む本発明のフォトクロミックナフトピランの使用が考えられる。そのような光学的に透明な重合体は、約1.48〜約1.75の範囲(例えば、約1.495〜約1.66)の屈折率を有していてよい。光学樹脂としては、ピー・ピー・ジー・インダストリーズ・インコーポレイテッドから、例えばCR-307やCR-407などのCR−シリーズとして市販されているものが特に挙げられる。
【0051】
多くの変更や修正が当業者に明らかであるため、本発明を、例示の目的のみとしての以下の実施例により更に説明する。
【0052】
実施例1
ステップ1
トルエン1000mL、ヘプタン(すなわち、82〜98℃までの沸点を有するC7蒸留物)(1000mL)、メチレンクロライド(1000mL)、リン酸:溶液の85重量パーセントの20.0g、次亜リン酸5.0g、および3−(エトキシカルボニル)メトキシカルボニル−1−ヒドロキシ−6−メチルナフタレン625.0gを、反応フラスコに添加した。反応フラスコは、上部メカニカルスターラー、温度計、電気マントルヒーター、水よりも重いバレット水トラップ、フリードリッヒ型冷却器および底の出口を取り付けた、5リットルの4つ口丸底反応容器であった。混合物を、加熱して還流させ(〜55℃)、そして約2mLの水を除去した。1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オールの61重量パーセントメチレンクロライド溶液903.25gを反応容器に添加し、そして混合物を還流温度で(〜57℃)約8時間加熱した。熱混合物を濾過して、他の反応生成物から不溶性の所望の生成物を分離した。結晶を、トルエン:ヘプタン:メチレンクロライドの1:1:2混合液1Lで洗浄し、乾燥させて、144gの2−ジフェニルメチル−6−ヒドロキシ−9−メチル−4−オキソ−4H−ナフト[2,1−c]ピランを得た。
【0053】
ステップ2
ステップ1による2−ジフェニルメチル−6−ヒドロキシ−9−メチル−4−オキソ−4H−ナフト[2,1−c]ピラン(2g)を、トルエン50mL中1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オール2gを含有する反応フラスコに添加し、そして混合した。反応混合物を50℃まで加熱し、そしてドデシルベンゼンスルホン酸を、不変な暗赤色が形成するまで滴下した。得られた混合物を、50℃で約3時間保持した。反応混合物を室温まで冷却させた後、溶媒を、ロータリーエヴァポレータによって除去した。得られた残渣を、希釈液としてのヘキサン:酢酸エチルの2:1混合液を使用して、シリカゲル上でクロマトグラフィーに付した。フォトクロミックの画分を混合し、溶媒を蒸発させ、そして所望の生成物を、ジエチルエーテルから結晶化させた。回収した結晶を濾過し、そして乾燥させて、229〜230℃の融点を有する生成物2グラムを得た。NMRスペクトルは、この生成物が、2,2−ジフェニル−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−5−オキソ−ピラノ[3′、4′:3,4]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造を有することを示した。
【0054】
実施例2
ステップ2において、1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オールの代わりに1,1−ジ(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールを使用したこと以外は、実施例1のプロセスに従った。回収した生成物(約2グラム)は、131〜132℃の融点を有することが分かった。NMRスペクトルは、この生成物が、2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−5−オキソ−ピラノ[3’、4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造を有することを示した。
【0055】
実施例3
実施例2で得た2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−5−オキソ−ピラノ[3′、4′:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン約2グラムを、無水窒素を充填した丸底フラスコ中の約50mLの無水テトラヒドロフラン中に溶解させた。少量の水酸化リチウムアルミニウム(すなわち、およそ100mg)を、攪拌している反応混合物に、それ以上の気体の発生が観察されなくなるまで添加した。混合物をさらに1時間攪拌したあと、水を滴下して反応を注意深く停止させた。濃塩酸を、水層のpHが2に達するまで滴下した。得られた混合物を、室温で2時間攪拌した。有機層を分離し、水層をジエチルエーテルで洗浄した。有機性の画分を回収して混合した。溶媒を、ロータリーエヴァポレータによって除去した。残渣を、ヘキサン:酢酸エチルの2:1混合液を使用して、シリカゲルカラム上でクロマトグラフィーに付した。フォトクロミックの画分を合わせて、ロータリーエヴァポレータによって溶媒を蒸発させた。所望の生成物(これは、ジエチルエーテルとヘキサンの混合液から結晶化したもの)を濾過し、そして乾燥させて、154〜156℃の融点の生成物1グラムを得た。NMRスペクトルは、この生成物が、2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−ピラノ[3′、4′:3,4]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造を有することを示した。
【0056】
実施例4
ステップ1
ステップ2において、1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オールの代わりに1−フェニル−1−(4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オールを使用し、50mLのトルエンの代わりに100mLのテトラヒドロフランを使用し、反応混合物を50℃の代わりに40℃まで加熱して、反応混合物を室温まで冷却した後で、反応混合物に希釈水酸化ナトリウム水溶液を添加したことを除いて、実施例1のプロセスに従った。有機層を再び水で洗浄し、分離し、そして残った水分とともに溶媒をロータリーエヴァポレータによって除去した。大部分が2−フェニル−2−(4−モルホリノフェニル)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−5−オキソ−ピラノ[3′、4′:3,4]ナフト[1,2−b]ピランから構成される残渣は、それ以上は精製せずに、75mLの無水テトラヒドロフラン中に溶解させ、そして次のステップに直接使用した。
【0057】
ステップ2
ステップ1の生成物を、無水窒素を充填した丸底フラスコに添加した。少量の水酸化リチウムアルミニウム(すなわち、およそ100ミリグラム)を、攪拌した反応混合物に、それ以上気体の蒸発が観察されなくなるまで添加した。混合物をさらに1時間攪拌したあと、水を滴下して、反応を注意深く停止させた。濃塩酸を、水層のpHが2に達するまで滴下した。得られた混合物を、室温で2時間攪拌した。有機層を分離し、水層のpHを、水酸化ナトリウムの希釈溶液を使用して6まで上昇させた。水層をジエチルエーテルで洗浄した。有機性の画分を合わせて、溶媒をロータリーエヴァポレータで除去した。残渣を、ヘキサン:酢酸エチルの2:1混合液を使用してシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーに付した。フォトクロミックの画分を合わせて、ロータリーエヴァポレータによって溶媒を蒸発させた。所望の生成物(これは、ジエチルエーテルとヘキサンとの混合液から結晶化させたもの)を濾過し、乾燥させて、180〜181℃の融点をの生成物1グラムを得た。NMRスペクトルは、この生成物が、2−フェニル−2−(4−モルホリノフェニル)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−ピラノ[3′、4′:3,4]ナフト[1,2−b]ピランと一致する構造を有することを示した。
【0058】
実施例4
パートA
以下の方法で、実施例1、2、3、および4において調製したフォトクロミック化合物について試験を行った。1.5×10-3モル溶液が得られるように計算した各フォトクロミック化合物の量を、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート(BPA 2EO DMA)4部、ポリ(エチレングリコール)600ジメタクリレート1部、および2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)0.033重量%のモノマー混合物50gを含有するフラスコに添加した。各フォトクロミック化合物を、攪拌および穏やかに加熱することによって、モノマー混合物中に溶解させた。透明な溶液が得られた後で、それを、2.2mm×6インチ(15.24cm)×6インチ(15.24cm)の内径を有する平たいシート鋳型に注入した。鋳型を封入し、それを、5時間かけて40℃から95℃の温度に上昇させ、95℃の温度で3時間保持し、2時間かけて60℃までにそれを低下させ、次いで60℃で16時間保持するようにプログラムされた水平気流型プログラム可能なオーブン中に配置した。鋳型を開いた後、ポリマーシートを、2インチ(5.1cm)の正方形試料にダイヤモンド刃を使用して切断した。
【0059】
パートB
パートAで作成製したフォトクロミック正方形試料を、光学ベンチ上で、フォトクロミック応答について試験した。光学ベンチ上での試験の前に、フォトクロミック正方形試料を、フォトクロミック化合物を活性化するために、365nmの紫外線に約15分間暴露し、次いで、フォトクロミック化合物を漂白または不活化させるために76℃のオーブンの中に約15分間置いた。次いで、正方形試料を、室温まで冷却し、少なくとも2時間蛍光室内光に曝した後、72°F(22.2℃)に維持した光学ベンチ上で試験する前に少なくとも2時間、カバーして放置した。光学ベンチに、150ワットのキセノンアークランプ、リモートコントロール付きシャッター、アークランプ用の熱シンクとして作用する硫酸銅浴、スコットWG−320nmのカットオフフィルター(これは、短い波長の放射線を除去する);中密度フィルターおよびサンプルホルダー(これに、試験される正方形試料が挿入される)を取り付けた。光学ベンチの出力(すなわち、サンプルレンズが曝される光量)は、参照標準として使用したフォトクロミック正方形試料を用いて衡正した。これにより、1平方センチメートルあたり0.15から0.20mW(mW/cm2)までの範囲の出力とした。出力の測定は、UV−A検出器(シリアルNo.22411)またはこれに相当する検出器を備えた、グラスビー(GASEBY)オプトロニクスモデルS−371ポータブル光量計(シリアルNo.21536)を使用して行った。UV−A検出器は、サンプルホルダー内に配置して、光の出力を測定した。出力の調節は、ランプのワット数を増減させるか、あるいは光路内に中密度フィルターを加えるかまたは除去することによって行った。
【0060】
モニタリングした、タングステンランプからの光の平行光線を、正方形試料に対し、垂直より少し小さい角度(約30°)で正方形試料を通過させた。正方形試料を通過した後、タングステンランプからの光を、測定するフォトクロミック化合物の予め決定された可視のλ最大値に設定された、スペクトラル・エナージー・コーポレーション製GM−200モノクロメーターを通過させて検出器に向けた。検出器からの出力シグナルを、線量計によって処理した。
【0061】
光学濃度の変化(ΔOD)は、サンプルホルダー中に脱色状態の正方形試料を挿入し、透過率目盛を100%に調節し、キセノンランプからのシャッターを開いて紫外線を提供して、正方形試料を漂白された状態から活性化状態(すなわち、暗状態)に変化させ、活性化状態における透過率を測定し、以下の式に従って光学濃度の変化を計算することによって決定した。
ΔOD=log(100/%Ta)
(ここで、%Taは、活性化状態における透過率(%)であり、そして底10に対するものである。)
【0062】
正方形試料におけるフォトクロミック化合物の光学的特性を、表1に報告する。ΔOD/分(これは、UV光に対するフォトクロミック化合物の応答感度を示す)を、UV照射の最初の5秒間にわたって測定し、次いで、1分毎に示した。飽和光学濃度(ΔOD@飽和)は、UV照射を15分間継続したことを除いて、ΔOD/分と同一の条件下で測定した。λ最大値(可視)は、正方形試料中で活性化された(着色した)形態のフォトクロミック化合物の最大吸収が起こる、可視スペクトル中の波長(nm)である。λ最大値(可視)波長は、ヴァリアン・キャリー(Varian Cary)3UV−可視分光光度計において、パートAのフォトクロミック正方形試料の重合物を試験することによって決定した。漂白速度(T 1/2)は、正方形試料中のフォトクロミック化合物の活性化された形態の吸収についての、活性化光源の除去後に室温(72°F、22.2℃)で最も高い吸収の二分の一に到達するまでの時間間隔(秒)である。
【0063】
【表1】
表 1
【0064】
表1の結果より、実施例1〜4の化合物を使用して調製した正方形試料が、広範囲の色(492nmでの橙色から592nmでの青色まで)、0.33から0.70までの着色速度(感度)、0.15から1.13までの活性化強度(飽和でのΔOD)、および17〜281秒までの退色または漂白速度を示すことが分かる。
【0065】
本発明は、特定の実施態様の具体的な詳細に関して記載したが、そのような詳細は、請求の範囲に記載されている以外は、本発明の範囲を制限するものであると見なすべきではない。
Claims (22)
- 式:
(a)R1およびR2は合わせてオキソ基を形成するか、または、R1およびR2は両方とも水素、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、アリル、フェニル、モノ−置換フェニル、ベンジル、もしくはモノ−置換ベンジルであり、該フェニルおよびベンジル基置換基のそれぞれが、C1〜C6アルキルもしくはC1〜C6アルコキシであり;
(b)R3は、水素、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、もしくは基CH(B)B’であり、ここで、BおよびB’は、それぞれ下記のものからなる群から選択されるものであり:
(i)非置換、モノ−、ジ−およびトリ−置換のアリール基であって、該アリール基が、フェニルおよびナフチルからなる群から選択され、
(ii)非置換、モノ−およびジ−置換のヘテロ芳香族基であって、該ヘテロ芳香族基が、ピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラン−4−イル、ジベンゾチエン−4−イルおよびカルバゾール−4−イルからなる群から選択され、
(b)の(i)および(ii)の該アリールおよびヘテロ芳香族置換基のそれぞれは、アリール、C1〜C6アルコキシアリール、C1〜C6アルキルアリール、クロロアリール、フルオロアリール、C3〜C7シクロアルキル、C3〜C7シクロアルキルオキシ、アリール(C1〜C6)アルキル、アリール(C1〜C6)アルコキシ、アリールオキシ、C1〜C6アルキルアリール(C1〜C6)アルキル、C1〜C6アルコキシアリール(C1〜C6)アルキル、C1〜C6アルキルアリール(C1〜C6)アルコキシ、C1〜C6アルコキシアリール(C1〜C6)アルコキシ、アミノ、モノ(C1〜C6)アルキルアミノ、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、N−(C1〜C6)アルキルピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、ピリル、C1〜C6アルキル、C1〜C6クロロアルキル、C1〜C6フルオロアルキル、C1〜C6アルコキシ、モノ(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C4)アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、クロロ、およびフルオロからなる群より選択されるものであり、
(iii)以下の式;
によって示される基;
(iv)C1〜C6アルキル、C1C1〜C6クロロアルキル、C1〜C6フルオロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C4)アルキル;ならびに
(v)以下の式:
によって示される基;
(c)R4は、水素、C1〜C6アルキル、またはC3〜C7シクロアルキルであり;そして
(d)それぞれ、R5は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、クロロ、およびフルオロからなる群より選択され、そしてmは、整数0、1、または2である。]
によって示されるナフトピラン化合物。 - 前記式中、
(a)R1およびR2は両方とも、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、フェニル、モノ−置換フェニル、ベンジル、もしくはモノ−置換ベンジルであり、該フェニルおよびベンジル基置換基のそれぞれが、C1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシであり;
(b)R3は、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、もしくは基CH(B)B’であり、ここで、BおよびB’は、それぞれ以下からなる群より選択される:
(i)フェニル、モノ−置換フェニル、および、ジ−置換フェニル;
(ii)非置換、モノ−置換およびジ−置換のヘテロ芳香族基であって、該ヘテロ芳香族基が、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ジベンゾフラン−2−イルおよびジベンゾチエン−2−イルからなる群から選択され、
(b)の(i)および(ii)の該フェニルおよびヘテロ芳香族の置換基はそれぞれ、アリール、アリールオキシ、アリール(C1〜C3)アルキル、アミノ、モノ(C1〜C3)アルキルアミノ、ジ(C1〜C3)アルキルアミノ、N−(C1〜C3)アルキルピペラジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピリル、C1〜C3アルキル、C1〜C3クロロアルキル、C1〜C3フルオロアルキル、C1〜C3アルコキシ、モノ(C1〜C3)アルコキシ(C1〜C3)アルキル、フルオロ、およびクロロからなる群より選択されるものであり;
(iii)以下の式によって表される基:
(iv)C1〜C4アルキル;ならびに
(v)以下の式によって表される基:
(c)R4は、水素、C1〜C4アルキル、またはC3〜C6シクロアルキルであり;そして
(d)それぞれ、R5は、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、およびフルオロからなる群より選択され、そしてmは、整数0、1、または2である
請求項1に記載のナフトピラン。 - 前記式中;
(a)R1およびR2は両方とも、水素、C1〜C3アルキル、C3〜C5シクロアルキル、フェニル、モノ−置換フェニル、ベンジル、もしくはモノ−置換ベンジルであり、該フェニルおよびベンジル基の置換基がそれぞれ、C1〜C3アルキルもしくはC1〜C3アルコキシであり;
(b)R3は、水素、C1〜C3アルキル、C3〜C6シクロアルキル、もしくは基CH(B)B’であり、ここで、BおよびB’は、それぞれ以下からなる群より選択される:
(i)フェニル、モノ−置換フェニル、および、ジ−置換フェニル;
(ii)非置換、モノ−およびジ−置換のヘテロ芳香族基であって、該ヘテロ芳香族基が、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、チエニルおよびベンゾチエン−2−イルからなる群から選択され、
(b)の(i)および(ii)の該フェニルおよびヘテロ芳香族の置換基は、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、アリール、モルホリノ、フルオロ、およびクロロからなる群より選択されるものであり、
(iii)以下の式によって表される基:
(c)R4は、水素、C1〜C3アルキル、またはC3〜C6シクロアルキルであり;そして
(d)R5はそれぞれ、C1〜C3アルキルおよびC1〜C3アルコキシからなる群より選択され、そしてmは、整数0、1、または2である
請求項2に記載のナフトピラン。 - 以下の群:
(a)2,2−ジフェニル−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−5−オキソ−ピラノ[3’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(b)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−5−オキソ−ピラノ[3’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(c)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−ピラノ[3’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(d)2−フェニル−2−(4−モルホリノフェニル)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−5−オキソ−ピラノ[3’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;および
(e)2−フェニル−2−(4−モルホリノ)−7−ジフェニルメチル−10−メチル−2,5−ジヒドロ−ピラノ[3’,4’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン
より選択されるナフトラピン化合物。 - ポリマー有機ホスト材料、および請求項1に記載のナフトピラン化合物のフォトクロミック量を含有する、フォトクロミック物品。
- ポリマー有機ホスト材料が、
ポリ(C1−C12アルキルメタクリレート)、ポリ(オキシアルキレンジメタクリレート)、ポリ(アルコキシル化フェノールメタクリレート)、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、コポリ(スチレン−メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリビニルブチラ−ル、ならびにビス(アリルカーボネート)モノマー、多官能アクリレートモノマー、多官能メタクリレートモノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートモノマー、エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマー、アルコキシル化多価アルコールアクリレートモノマー、スチレンモノマー、ウレタンアクリレートモノマー、グリシジルアクリレートモノマー、グリシジルメタクリレートモノマー、およびジアリリデンペンタエリスリトールモノマーからなる群の構成因子のポリマー
から成る群より選択される請求項5に記載のフォトクロミック物品。 - ポリマー有機ホスト材料が、
ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレングリコールビスメタクリレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリ(酢酸ビニル)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ならびにジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)モノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマーおよびエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーからなる群の構成因子のポリマー
から成る群より選択される固体の透明なポリマーである請求項6に記載のフォトクロミック物品。 - フォトクロミック化合物が、フォトクロミック物質が取り込まれるかまたは塗布される有機ホスト材料の表面1平方センチメートルあたり0.05から1.0mgまでの量で存在する請求項7に記載のフォトクロミック物品。
- 前記透明なポリマーが光学素子である請求項8に記載のフォトクロミック物品。
- 前記光学素子がレンズである請求項9に記載のフォトクロミック物品。
- ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレングリコールビスメタクリレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリ(酢酸ビニル)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ならびにジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)モノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマーおよびエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーからなる群の構成因子のポリマーから成る群より選択されるポリマー有機ホスト材料と、請求項3に記載のナフトピラン化合物のフォトクロミック量とを含有するフォトクロミック物品。
- 光学的な有機樹脂モノマーの重合体と、請求項1に記載のナフトピラン化合物のフォトクロミック量とを含有する、フォトクロミック物品。
- 重合体の屈折率が、1.48〜1.75である請求項12に記載のフォトクロミック物品。
- 重合体の屈折率が、1.495〜1.66である請求項13に記載のフォトクロミック物品。
- 固体の透明なポリマー性有機ホスト材料と、
それぞれフォトクロミック量の(a)請求項1記載のナフトピラン化合物少なくとも1つ、および(b)400〜700nmまでの範囲内に少なくとも1つの活性化吸収最大を有する他の有機のフォトクロミック化合物少なくとも1つ
とを組み合わせて含有するフォトクロミック物品。 - ポリマー有機ホスト材料が、
ポリ(C1−C12アルキルメタクリレート)、ポリ(オキシアルキレンジメタクリレート)、ポリ(アルコキシル化フェノールメタクリレート)、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、コポリ(スチレン−メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリビニルブチラール、ならびにビス(アリルカーボネート)モノマー、多官能アクリレートモノマー、多官能メタクリレートモノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマー、アルコキシル化多価アルコールアクリレートモノマー、スチレンモノマー、ウレタンアクリレートモノマー、グリシジルアクリレートモノマー、グリシジルメタクリレートモノマーおよびジアリリデンペンタエリスリトールモノマーからなる群の構成因子のポリマー
から成る群より選択される請求項15に記載のフォトクロミック物品。 - ポリマー有機ホスト材料が、
ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレングリコールビスメタクリレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリ(酢酸ビニル)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ならびにジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)モノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマーおよびエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーからなる群の構成因子のポリマー
から成る群より選択される固体の透明なホモポリマーまたはコポリマーである請求項16に記載のフォトクロミック物品。 - 有機フォトクロミック化合物(b)が、他のナフトピラン、クロメン、オキサジン、金属−ジチゾナート、フルジドおよびフルジミドからなる群より選択される請求項15に記載のフォトクロミック物品。
- 含まれているフォトクロミック化合物の全量が、フォトクロミック物質が取り込まれるかまたは塗布される有機ホスト材料の表面1平方センチメートルあたり0.05〜1.0mgである請求項18に記載のフォトクロミック物品。
- 前記透明なポリマー有機ホスト材料が光学素子である請求項18に記載のフォトクロミック物品。
- 前記光学素子がレンズである請求項20に記載のフォトクロミック物品。
- ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレングリコールビスメタクリレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリ(酢酸ビニル)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ならびにジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)モノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマーおよびエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーからなる群の構成因子のポリマーから成る群より選択されるポリマー有機ホスト材料と、
それぞれフォトクロミック量の(a)請求項3に記載のナフトピラン化合物少なくとも1つ、および(b)400〜700nmまでの範囲内に少なくとも1つの活性化吸収最大を有する他の有機のフォトクロミック化合物少なくとも1つ
とを組み合わせて含有する、フォトクロミック物品。
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