JP4363488B2 - 回路形成用荷電性粉末及びそれを用いた多層配線基板 - Google Patents

回路形成用荷電性粉末及びそれを用いた多層配線基板 Download PDF

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Description

本発明は、回路形成用荷電性粉末及びそれを用いた多層配線基板に関し、特に多層配線基板の回路パターンを形成するにあたって電子写真法により印刷を行なうために使用する回路形成用荷電性粉末(トナー)及びそれを用いた多層配線基板に関する。
従来、多層配線基板を構成する誘電体層に回路パターンを印刷する方法には、金属粉と
接着剤などを混合したものを溶剤で粘度を調整してペーストを作り、これを用いてスクリ
ーン印刷法で誘電体層上に所定の回路パターンを形成する方法があった。しかしながら、
この方法の場合には、回路パターンに対応した専用マスクを用いたスクリーン印刷法を用
いているため、回路パターン毎にマスクが必要であり、このマスクの作成は、原画作成か
ら始まり写真縮小による露光用原板作成、マスク材への感光剤塗布、露光、エッチングと
いった多くの工程と時間とを必要とするという問題があった。
この問題点を解決するために、特許文献1において、通常の電子写真法のように、静電
力を利用して回路形成用荷電性粉末を誘電体層上に所望の回路パターンとして形成する製
造方法が提案されている。また、特許文献2には、この製造方法に使用される回路形成用
荷電性粉末が提案されている。図10に、従来の回路形成用荷電性粉末の断面図を示す。
回路形成用荷電性粉末100は、芯物質となる導電性金属粉末101、例えば平均粒径が
7.5μmの球状の銀粒子と、導電性金属粉末101の周囲に形成された外壁となる熱溶
融性樹脂102、例えば平均粒径が0.4μmのポリメチルメタクリレート樹脂とを備え
、熱溶融性樹脂102の表面に荷電制御剤103、例えば平均粒径が0.6μmのアゾ系
含金属染料の粉末が固着した構造をなす。そして、回路形成用荷電性粉末100の製造方
法としては、まず、導電性金属粉末101と熱溶融性樹脂102の微粒子とを混合し、導
電性金属粉末101に熱溶融性樹脂102の微粒子を静電力により付着させる。次いで、
これに機械的衝撃力を加え、これによって生じる熱によって熱溶融性樹脂102の微粒子
を変形させ、導電性金属粉末101に熱溶融性樹脂102の外壁を形成する。次いで、こ
れを、荷電制御剤103の微粒子と混合し、熱溶融性樹脂102からなる外壁に荷電制御
剤103の微粒子を静電力により付着させた後、機械的衝撃力により荷電制御剤の微粒子
を熱溶融性樹脂102からなる外壁に固着させるものである。
特開平2−257696号公報 特開平4−237062号公報
しかしながら、従来の回路形成用荷電性粉末においては、平均粒径が所望の一定値にな
るように、導電性金属粉末がほぼ一定の粒径しか有していない。したがって、その回路形
成用荷電性粉末を用いて回路パターンを形成する際、回路パターンにおいて導電性金属粉
末の充填が粗になるため、回路パターンのシート抵抗が高く、回路パターンの損失が大き
くなり、高周波領域を対象とした多層配線基板には使用することができないという問題が
あった。
本発明は、このような問題点を解消するためになされたものであり、回路パターンにおいて導電性金属粉末の充填を密にすることができる回路形成用荷電性粉末及びそれを用い
た多層配線基板を提供することを目的とする。
上述する問題点を解決するため本発明の回路形成用荷電性粉末は、電子写真法によってセラミックグリーンシート上に回路パターンを印刷する際に使用される回路形成用荷電性粉末であって、各粉末が、第1導電性金属粉末、前記第1導電性金属粉末より平均粒径が小さい第2導電性金属粉末、荷電制御剤及び接着強化剤が熱溶融性樹脂中に均一に分散してなることを特徴とする。
本発明の多層配線基板は、電子写真法によってセラミックグリーンシート上に回路パターンを印刷し、前記回路パターンが印刷された前記セラミックグリーンシートを積層して形成することを特徴とする。
本発明の回路形成用荷電性粉末によれば、第1導電性金属粉末と、第1導電性金属粉末
より平均粒径が小さい第2導電性金属粉末とを含むため、被印刷物上に回路パターンを形
成する際に、第1導電性金属粉末間にできる隙間に、第1導電性金属粉末より平均粒径が
小さい第2導電性金属粉末が入り込み、回路パターンにおける導電性金属粉末の充填を密
にすることができる。
本発明の多層配線基板によれば、第1導電性金属粉末と、第1導電性金属粉末より平均
粒径が小さい第2導電性金属粉末とを含む回路形成用荷電性粉末を使用して、電子写真法
によって回路パターンをセラミックグリーンシートに印刷し、その後、それらのセラミッ
クグリーンシートを通常の製造方法により積層して形成するため、焼成後、多層配線基板
を構成する回路パターンにおける導電性金属粉末の充填を密にすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1に、本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第1の実施例の断面図を示す。回路形成用荷電性粉末10は、第1導電性金属粉末11、第1導電性金属粉末11より平均粒径が小さい第2導電性金属粉末12、荷電制御剤13及び接着強化剤14を熱溶融性樹脂15中に均一分散させた構造をなす。
ここで、回路形成用荷電性粉末10の具体的な製造方法を説明する。まず、第1導電性金属粉末11である平均粒径が0.8μmの球状の銅粒子と、第2導電性金属粉末12である平均粒径が0.4μmの球状の銅粒子と、荷電制御剤13であるアゾ系金属染料と、接着強化剤14であるシリカと、熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体とを重量比30対50対1対1対18で混合した。
次いで、この混合したものをニーダにより熱溶融混練し、カッターミルによる粗粉砕、及びジェットミルによる微粉砕を行なう。次いで、気流式分級により平均粒径8.0μmの回路形成用荷電性粉末10を得る。
上述の第1の実施例の回路形成用荷電性粉末によれば、第1導電性金属粉末と、第1導電性金属粉末より平均粒径が小さい第2導電性金属粉末とを含むため、被印刷物上に回路パターンを形成する際に、第1導電性金属粉末間にできる隙間に、第1導電性金属粉末より平均粒径が小さい第2導電性金属粉末が入り込み、回路パターンにおける導電性金属粉末の充填を密にすることができる。したがって、回路パターンのシート抵抗を減少させることができるとともに、回路パターンの損失を小さくすることができる。
実際に、第1の実施例の回路形成用荷電性粉末10を用いて、電子写真法で形成した回路パターンの膜厚は2.3〜2.8μm、シート抵抗は4.5〜5.5mΩ/□となり、回路パターンのシート抵抗は、従来の回路形成用荷電性粉末100(図10)の場合に比べ約2分の1となり、スクリーン印刷で得られた回路パターンのシート抵抗とほぼ等しい値になった。
図8に、被印刷物上に回路パターンの形成する際に用いる電子写真システムの構成図を
示す。被印刷物上の回路パターンの形成は、コロナ帯電器81により感光体82の表面を
帯電する帯電工程、矢印Aの方向に回転する感光体82の表面にレーザ光83を照射して
所望の潜像パターン(図示せず)を形成する露光工程、供給手段84により回路形成用荷
電性粉末10(図1)を感光体82の表面の潜像パターンに静電吸着させる現像工程、被印刷物85の背面から転写器86により、回路形成用荷電性粉末10と逆極性の電荷を与え、潜像パターン上に現像された回路形成用荷電性粉末10を被印刷物85上へ転写する転写工程、フラッシュランプ87の照射により被印刷物85上に転写された回路形成用荷電性粉末10を定着させる定着工程、回路形成用荷電性粉末10を構成する熱溶融性樹脂15を飛ばし、被印刷物85上に回路パターン(図示せず)を形成する焼成工程で構成される。
なお、焼成工程の際に、焼成炉などの熱により、回路形成用荷電性粉末10を構成する熱溶融性樹脂15が飛ぶため、回路パターンは第1及び第2導電性金属粉末だけで形成され、第1導電性金属粉末間にできる隙間に、第2導電性金属粉末が入り込むことになる。
図9に、本発明に係る多層配線基板の一実施例の断面図を示す。多層配線基板90は、
第1〜第3のセラミックグリーンシート91a〜91cを備える。そして、第1及び第2
のセラミックグリーンシート91a,91b上に、上述の第1の実施例の回路形成用荷電性粉末10を使用して、図8の電子写真システムによって回路パターン92a,92bを印刷する。次いで、第1〜第3のセラミックグリーンシート91a〜91cを積層して圧力をかけ、一体成形した後焼成する。
なお、第1及び第2のセラミックグリーンシート91a,91b上の回路パターン92
a,92bは、ビアホール93により接続されるが、このビアホール93は既存の技術で
形成される。例えば、導体描画装置を用いてビアホールごとに導体を圧入していく方法な
どがある。この場合には、回路パターン92a,92bを電子写真法で形成した後、ビア
ホール93を形成すると粉体が描画機のノズルを傷める可能性があるため、回路パターン
92a,92bを形成する前にビアホール93を形成しておくことが好ましい。
上述の多層配線基板によれば、第1導電性金属粉末と、第1導電性金属粉末より平均粒
径が小さい第2導電性金属粉末とを含む回路形成用荷電性粉末を使用して、電子写真法に
よって回路パターンをセラミックグリーンシートに印刷し、その後、それらのセラミック
グリーンシートを積層して多層配線基板を形成するため、焼成後、多層配線基板を構成す
る回路パターンにおける導電性金属粉末の充填を密にすることができる。
したがって、多層配線基板を構成する回路パターンのシート抵抗及び損失を小さくする
ことができるため、この回路パターンで構成される多層配線基板を高周波領域に使用する
ことが可能となる。
なお、上記の第1の実施例において、導電性金属粉末に銅を用いる場合について説明したが、金、銀、白金、ニッケル、パラジウム、タングステン及びモリブデンの単体、これらの酸化物、あるいはこれらの2種以上からなる合金を用いても同様の効果が得られる。
また、熱溶融性樹脂にスチレンアクリル共重合体を用いる場合について説明したが、熱
溶融性樹脂は熱可塑性樹脂とも呼ばれ、ポリメチルメタクリレート樹脂、架橋アクリル樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン樹脂及びベン
ゾグアナミン樹脂などの単体あるいはこれらの2種以上の混合物を用いても同様の効果が
得られる。
さらに、荷電制御剤にアゾ系含金属染料を用いる場合について説明したが、マイナス帯
電用の荷電制御剤である塩素系パラフィン、塩素化ポリエステル、酸基過剰のポリエステ
ル、銅フタロシニアニンのスルホニルアミンナフテン酸金属塩、脂肪酸の金属塩及び樹脂
酸石鹸などの単体あるいはこれらの2種以上の混合物を用いても同様の効果が得られる。
また、接着強化剤にガラスであるシリカを用いる場合について説明したが、ホウケイ酸
ガラス、ソーダ石灰、鉛ガラス及びアルミノケイ酸塩ガラスなどの単体あるいはこれらの
2種以上の混合物からなるガラス、あるいはアルミナ、フェライトなどからなるセラミッ
クを用いても同様の効果が得られる。
さらに、第1及び第2導電性金属粉末が複数の第1粉末を凝集してなる第2凝集粉末で
あっても同様の効果が得られる。
<参考例>
図2に、本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第1の参考例の断面図を示す。回路形成用荷電性粉末20は、第1導電性金属粉末11、荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される第1荷電性粉末21と、第2導電性金属粉末12、荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される第2荷電性粉末22とを備える。
そして、第1荷電性粉末21は、第1導電性金属粉末11の周囲に、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23が形成され、その第1樹脂層23の表面に荷電制御剤13が固着される構造をなす。
また、第2荷電性粉末22は、第2導電性金属粉末12の周囲に、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23が形成され、その第1樹脂層23の表面に荷電制御剤13が固着される構造をなす。
ここで、回路形成用荷電性粉末20の具体的な製造方法を説明する。第1荷電性粉末21においては、まず、第1導電性金属粉末11である平均粒径が5.0μmの球状の銅粒子と、接着強化剤14であるシリカ及び熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体を重量比1対18で混合、微粉砕した粒子とを重量比80対19で混合し、第1導電性金属粉末11に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を静電力により付着させる。
次いで、第1導電性金属粉末11に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を付着させたものに、機械的衝撃力を加える処理を行い第1導電性金属粉末11の周囲に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23を形成した中間物を得る。
次いで、第1導電性金属粉末11の周囲に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23を形成した中間物と、荷電制御剤13であるアゾ系金属染料とを重量比99対1で混合した後、機械的衝撃力を加える処理を行い、中間物の表面に荷電制御剤13を固着した平均粒径が11.2μmの第1荷電性粉末21、すなわち第1導電性金属粉末11の周囲に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23を形成し、その表面に荷電制御剤13を固着した第1荷電性粉末21を得る。
一方、第2荷電性粉末22においては、まず、第2導電性金属粉末12である平均粒径が3.0μmの球状の銅粒子と、接着強化剤14であるシリカ及び熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体を重量比1対28で混合、微粉砕した粒子とを重量比70対29で混合し、第2導電性金属粉末12に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を静電力により付着させる。
次いで、第2導電性金属粉末12に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を付着させたものに、機械的衝撃力を加える処理を行い第2導電性金属粉末12の周囲に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23を形成した中間物を得る。
次いで、第2導電性金属粉末12の周囲に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23を形成した中間物と、荷電制御剤13であるアゾ系金属染料とを重量比99対1で混合した後、機械的衝撃力を加える処理を行い、中間物の表面に荷電制御剤13を固着した平均粒径が5.6μmの第2荷電性粉末22、すなわち第2導電性金属粉末12の周囲に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23を形成し、その表面に荷電制御剤13を固着した第2荷電性粉末22を得る。
この際、第1及び第2荷電性粉末21,22の帯電特性である比電荷がともに−15μC/gとなるように、第1荷電性粉末21を構成する第1導電性金属粉末11、荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15の成分比率と、第2荷電性粉末22を構成する第2導電性金属粉末12、荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15の成分比率とをそれぞれ調整し、混合することにより回路形成用荷電性粉末20を得る。
なお、第1及び第2荷電性粉末21,22の比電荷は、その比電荷を測定しながら、第1導電性金属粉末11、荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15の成分比率と、第2導電性金属粉末12、荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15とを調整することにより、所望の値にすることが可能である。
上述の第1の参考例の回路形成用荷電性粉末によれば、第1導電性金属粉末を含む第1荷電性粉末と、第1導電性金属粉末より平均粒径が小さい第2導電性金属粉末を含む第2荷電性粉末とからなるため、第1荷電性粉末と第2荷電性粉末との割合を所望の値にすることにより、第1導電性金属粉末と第2導電性金属粉末との割合を所望の値にすることができる。
したがって、第1導電性金属粉末間にできる隙間にできるだけ多くの第2導電性金属粉末が入り込むように、回路形成用荷電性粉末を設計する段階で第1導電性金属粉末と第2導電性金属粉末との割合を最適にすることができる。
また、回路形成用荷電性粉末が、第1導電性金属粉末を含む第1荷電性粉末と、第1導電性金属粉末より平均粒径が小さい第2導電性金属粉末を含む第2荷電性粉末とからなるため、第1及び第2荷電性粉末を混合するだけで、回路形成用荷電性粉末の中に、平均粒径の異なる第1及び第2導電性金属粉末を含むことができるため、回路形成用荷電性粉末の製造工程が簡略化され、低コスト化が実現する。
さらに、第1及び第2荷電性粉末の表面に荷電制御剤が固着しているため、均一な帯電性を有する回路形成用荷電性粉末を得ることができる。したがって、この回路形成用荷電性粉末を用いることにより、帯電性の制御が容易に行なえ、印刷性が向上し、狭ピッチの回路パターンの形成に対応可能となり、さらに低いシート抵抗を有する回路パターンの形成が可能となる。
また、第1荷電性粉末を構成する第1導電性金属粉末、荷電制御剤、接着強化剤及び熱溶融性樹脂の成分比率と、第2荷電性粉末を構成する第2導電性金属粉末、荷電制御剤、接着強化剤及び熱溶融性樹脂の成分比率とを選択することにより、第1荷電性粉末の比電荷と第2荷電性粉末の比電荷とをほぼ同一にしているため、感光体に形成される一定の電界で、第1及び第2荷電性粉末が選択されることなく感光体に引き寄せられる。したがって、ほぼすべての第1及び第2荷電性粉末を回路パターンの印刷に用いることができるため、被印刷物上に回路パターンを形成する際に、第1導電性金属粉末間にできる隙間により多くの第2導電性金属粉末が入り込み、回路パターンにおける導電性金属粉末の充填をより密にすることができ、回路パターンの比抵抗をさらに減少させることができる。
第1の参考例の回路形成用荷電性粉末20(図2)の具体的な別の製造方法を説明する。第1荷電性粉末21においては、まず、第1導電性金属粉末11である平均粒径が12.0μmの球状の銅粒子と、接着強化剤14であるシリカ及び熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体を重量比1対13で混合、微粉砕した粒子とを重量比85対14で混合し、第1導電性金属粉末11に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を静電力により付着させる。
次いで、第1導電性金属粉末11に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を付着させたものに、機械的衝撃力を加える処理を行い第1導電性金属粉末11の周囲に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23を形成した中間物を得る。
次いで、第1導電性金属粉末11の周囲に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23を形成した中間物と、荷電制御剤13であるアゾ系金属染料とを重量比99対1で混合した後、機械的衝撃力を加える処理を行い、中間物の表面に荷電制御剤13を固着した平均粒径が15.2μmの第1荷電性粉末21、すなわち第1導電性金属粉末11の周囲に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23を形成し、その表面に荷電制御剤13を固着した第1荷電性粉末21を得る。
一方、第2荷電性粉末22においては、まず、第2導電性金属粉末12である平均粒径が5.0μmの球状の銅粒子と、接着強化剤14であるシリカ及び熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体を重量比1対22で混合、微粉砕した粒子とを重量比76対23で混合し、第2導電性金属粉末12に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を静電力により付着させる。
次いで、第2導電性金属粉末12に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を付着させたものに、機械的衝撃力を加える処理を行い第2導電性金属粉末15の周囲に熱溶融性樹脂12からなる第1樹脂層23を形成した中間物を得る。
次いで、第2導電性金属粉末12の周囲に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23を形成した中間物と、荷電制御剤13であるアゾ系金属染料とを重量比99対1で混合した後、機械的衝撃力を加える処理を行い、中間物の表面に荷電制御剤13を固着した平均粒径が11.2μmの第2荷電性粉末22、すなわち第2導電性金属粉末12の周囲に接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第1樹脂層23を形成し、その表面に荷電制御剤13を固着した第2荷電性粉末22を得る。
この場合には、第1及び第2導電性金属粉末の平均粒径を大きくしているため、この回路形成用荷電性粉末20を用いて、電子写真法で形成した回路パターンの膜厚は3.2μmとなり、回路パターンのシート抵抗をさらに減少させることが可能となる。すなわち、第1及び第2導電性金属粉末の平均粒径を大きくすることにより、回路パターンの膜厚を厚くすることができ、それにともない、回路パターンのシート抵抗をさらに減少させることが可能となる。
図3に、本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第2の参考例の断面図を示す。回路形成用荷電性粉末30は、第1の参考例の回路形成用荷電性粉末20と同様に、第1導電性金属粉末11、荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される第1荷電性粉末31と、第2導電性金属粉末12、荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される第2荷電性粉末32とを備える。
そして、第1荷電性粉末31は、第1導電性金属粉末11の周囲に、荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第2樹脂層33が形成される構造をなす。
また、第2荷電性粉末32は、第2導電性金属粉末12の周囲に、荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第2樹脂層33が形成される構造をなす。
ここで、回路形成用荷電性粉末30の具体的な製造方法を説明する。第1荷電性粉末31については、まず、第1導電性金属粉末11である平均粒径が5.0μmの球状の銅粒子と、荷電制御剤13であるアゾ系金属染料、接着強化剤14であるシリカ、及び熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体を重量比1対1対18で混合、微粉砕した粒子とを重量比80対20で混合し、第1導電性金属粉末11に荷電制御剤13、接着強化剤14、及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を静電力により付着させる。
次いで、第1導電性金属粉末11に荷電制御剤13、接着強化剤14、及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を付着させたものに、機械的衝撃力を加える処理を行い第1導電性金属粉末11の周囲に荷電制御剤13、接着強化剤14、及び熱溶融性樹脂15からなる第2樹脂層33を形成した平均粒径が11.2μmの第1荷電性粉末31を得る。
一方、第2荷電性粉末32については、まず、第2導電性金属粉末12である平均粒径が3.0μmの球状の銅粒子と、荷電制御剤13であるアゾ系金属染料、接着強化剤14であるシリカ、及び熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体を重量比1対1対22で混合、微粉砕した粒子とを重量比76対24で混合し、第2導電性金属粉末12に荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を静電力により付着させる。
次いで、第2導電性金属粉末12に荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を付着させたものに、機械的衝撃力を加える処理を行い第2導電性金属粉末12の周囲に荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15からなる第2樹脂層33を形成した平均粒径が5.6μmの第2荷電性粉末32を得る。
この際、第1の参考例の回路形成用荷電性粉末20と同様に、第1及び第2荷電性粉末31,32の帯電特性である比電荷がともに−15μC/gとなるように、第1荷電性粉末31を構成する第1導電性金属粉末11、荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15の成分比率と、第2荷電性粉末32を構成する第2導電性金属粉末12、荷電制御剤13、接着強化剤14及び熱溶融性樹脂15の成分比率とをそれぞれ調整し、混合することにより回路形成用荷電性粉末30を得る。
上述の第2の参考例の回路形成用荷電性粉末によれば、第1導電性金属粉末の周囲に荷電制御剤、接着強化剤及び熱溶融性樹脂からなる第2樹脂層を形成しているため、別の工程により荷電制御剤を第1及び第2荷電性粉末の外周部に固着する必要がなくなり、回路形成用荷電性粉末の製造工程が簡略化できる。したがって、回路形成用荷電性粉末の低コスト化が実現できる。
図4に、本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第3の参考例の断面図を示す。回路形成用荷電性粉末40は、第1導電性金属粉末11の周囲に、第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15からなる第3樹脂層41が形成され、第3樹脂層41の表面に荷電制御剤13が固着される構造をなす。
ここで、回路形成用荷電性粉末40の具体的な製造方法を説明する。まず、第1導電性金属粉末11である平均粒径が3.0μmの球状の銅粒子と、第2導電性金属粉末12である平均粒径が0.5μmの球状の銅粒子及び熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体を重量比15対19で混合、微粉砕した粒子とを重量比65対34で混合し、第1導電性金属粉末11に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を静電力により付着させる。
次いで、第1導電性金属粉末11に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を付着させたものに、機械的衝撃力を加える処理を行い第1導電性金属粉末11の周囲に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15からなる第3樹脂層41を形成した中間物を得る。
次いで、第1導電性金属粉末11の周囲に第3樹脂層41を形成した中間物と、荷電制御剤13であるアゾ系金属染料とを重量比99対1で混合した後、機械的衝撃力を加える処理を行い、中間物の表面に荷電制御剤13を固着した回路形成用荷電性粉末40、すなわち第1導電性金属粉末11の周囲に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15からなる第3樹脂層41を形成し、その表面に荷電制御剤13を固着した回路形成用荷電性粉末40を得る。
上述の第3の参考例の回路形成用荷電性粉末によれば、第1導電性金属粉末の周囲に第2導電性金属粉末及び熱溶融性樹脂からなる第3樹脂層が形成されるため、第1導電性金属粉末の周囲に多くの第2導電性金属粉末が配置されることとなる。したがって、被印刷物上に回路パターンを形成する際に、第1導電性金属粉末間にできる隙間により多くの第2導電性金属粉末が入り込み、回路パターンにおける導電性金属粉末の充填をより密にすることができる。
その結果、回路パターンのシート抵抗及び損失をより小さくすることができるため、この回路パターンで構成される多層配線基板をより高周波領域に使用することが可能となる。
また、回路形成用荷電性粉末の表面に荷電制御剤が固着しているため、均一な帯電性を有する回路形成用荷電性粉末を得ることができる。したがって、この回路形成用荷電性粉末を用いることにより、帯電性の制御が容易に行なえ、印刷性が向上し、狭ピッチの回路パターンの形成に対応可能となり、さらに低いシート抵抗を有する回路パターンの形成が可能となる。
図5に、本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第4の参考例の断面図を示す。回路形成用荷電性粉末50は、第1導電性金属粉末11の周囲に、第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15とからなる第3樹脂層41が形成され、第3樹脂層41の周囲に、熱溶融性樹脂15からなる第4樹脂層51が形成され、第4樹脂層51の表面に荷電制御剤13が固着される構造をなす。
ここで、回路形成用荷電性粉末50の具体的な製造方法を説明する。まず、第1導電性金属粉末11である平均粒径が3.0μmの球状の銅粒子と、第2導電性金属粉末12である平均粒径が0.5μmの球状の銅粒子及び熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体を重量比15対14で混合、微粉砕した粒子とを重量比65対29で混合し、第1導電性金属粉末11に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を静電力により付着させる。
次いで、第1導電性金属粉末11に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を付着させたものに、機械的衝撃力を加える処理を行い第1導電性金属粉末11の周囲に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15からなる第3樹脂層41を形成した第1中間物を得る。
次いで、第1導電性金属粉末11の周囲に第3樹脂層41を形成した第1中間物と、熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体とを重量比94対5で混合し、第1中間物に熱溶融性樹脂15の粒子を静電力により付着させる。
次いで、第1中間物に熱溶融性樹脂15の粒子を付着させたものに、機械的衝撃力を加える処理を行い第1中間物に熱溶融性樹脂15からなる第4樹脂層51を形成した第2中間物を得る。
次いで、第1中間物に第4樹脂層51を形成した第2中間物と、荷電制御剤13であるアゾ系金属染料とを重量比99対1で混合した後、機械的衝撃力を加える処理を行い、第2中間物の表面に荷電制御剤13を固着した回路形成用荷電性粉末50、すなわち導電性金属粉末の第1導電性金属粉末11の周囲に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15からなる第3樹脂層41、並びに熱溶融性樹脂15からなる第4樹脂層51を形成し、その表面に荷電制御剤13を固着した回路形成用荷電性粉末50を得る。
上述の第4の参考例の回路形成用荷電性粉末によれば、第3樹脂層と荷電制御剤との間に熱溶融性樹脂からなる第4樹脂層を形成しているため、導電性金属粉末が回路形成用荷電性粉末の表面に現れることを防止することができる。したがって、導電性金属粉末による帯電性の劣化を防止することができるため、回路形成用荷電性粉末の帯電性を向上させることができ、その結果、印刷性がさらに向上し、より狭ピッチの回路パターンの形成に対応可能となる。
図6に、本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第5の参考例の断面図を示す。回路形成用荷電性粉末60は、第1導電性金属粉末11の周囲に、第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15からなる第3樹脂層41が形成され、第3樹脂層41の周囲に、荷電制御剤13及び熱溶融性樹脂15からなる第5樹脂層61が形成される構造をなす。
ここで、回路形成用荷電性粉末60の具体的な製造方法を説明する。まず、第1導電性金属粉末11である平均粒径が3.0μmの球状の銅粒子と、第2導電性金属粉末12である平均粒径が0.5μmの球状の銅粒子及び熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体を重量比15対14で混合、微粉砕した粒子とを重量比65対29で混合し、第1導電性金属粉末11に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を静電力により付着させる。
次いで、第1導電性金属粉末11に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を付着させたものに、機械的衝撃力を加える処理を行い第1導電性金属粉末11の周囲に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15からなる第3樹脂層41を形成した中間物を得る。
次いで、第1導電性金属粉末11の周囲に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15からなる第3樹脂層41を形成した中間物と、荷電制御剤13であるアゾ系金属染料及び熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体を重量比1対5で混合、微粉砕した粒子とを重量比94対6で混合し、中間物に荷電制御剤13及び熱溶融性樹脂15で構成した粒子を静電力により付着させる。
次いで、中間物に荷電制御剤13及び熱溶融性樹脂15で構成した粒子を付着させたものに、機械的衝撃力を加える処理を行い中間物の周囲に第5の樹脂層61を形成した回路形成用荷電性粉末60、すなわち第1導電性金属粉末11の周囲に第2導電性金属粉末12及び熱溶融性樹脂15からなる第3樹脂層41、並びに荷電制御剤13及び熱溶融性樹脂15からなる第5樹脂層61を形成した回路形成用荷電性粉末60を得る。
上述の第5の参考例の回路形成用荷電性粉末によれば、第3樹脂層の周囲に熱溶融性樹脂と荷電制御剤とからなる第5樹脂層を形成しているため、別の工程により荷電制御剤を回路形成用荷電性粉末の表面に固着する必要がなくなる。したがって、回路形成用荷電性粉末の製造工程が簡略化できるため、回路形成用荷電性粉末の低コスト化が実現できる。
図7に、本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第6の参考例の断面図を示す。回路形成用荷電性粉末70は、第1導電性金属粉末11の周囲に、第2導電性金属粉末12、荷電制御剤13及び熱溶融性樹脂15からなる第6樹脂層71が形成される構造をなす。
ここで、回路形成用荷電性粉末70の具体的な製造方法を説明する。まず、第1導電性金属粉末11である平均粒径が3.0μmの球状の銅粒子と、第2導電性金属粉末12である平均粒径が0.5μmの球状の銅粒子、荷電制御剤13及び熱溶融性樹脂15であるスチレンアクリル共重合体を重量比15対1対19で混合、微粉砕した粒子とを重量比65対35で混合し、第1導電性金属粉末11に第2導電性金属粉末12、荷電制御剤13及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を静電力により付着させる。
次いで、第1導電性金属粉末11に第2導電性金属粉末12、荷電制御剤13及び熱溶融性樹脂15で構成される粒子を付着させたものに、機械的衝撃力を加える処理を行い第1導電性金属粉末11の周囲に第2導電性金属粉末12、荷電制御剤13及び熱溶融性樹脂15からなる第6樹脂層71を形成した回路形成用荷電性粉末70を得る。
上述の第6の参考例の回路形成用荷電性粉末によれば、第1導電性金属粉末の周囲に第2導電性金属粉末と荷電制御剤と熱溶融性樹脂とからなる第6樹脂層のみを形成しているため、1回の工程で第1導電性金属粉末の周囲に第2導電性金属粉末と荷電制御剤とを配設することができる。したがって、回路形成用荷電性粉末の製造工程が簡略化できるため、回路形成用荷電性粉末の低コスト化が実現できる。
なお、上記の第2の参考例においては、第1及び第2荷電性粉末の外周部に荷電制御剤が固着される構造、すなわち荷電制御剤、接着強化剤及び熱溶融性樹脂からなる第2樹脂層の表面に荷電制御剤が固着される構造をなしていても同様の効果が得られる。
また、上記の第3乃至第6の参考例においては、回路形成用荷電性粉末の中に接着強化剤を含んでいない場合について説明したが、第1の実施例、第1および第2の参考例に示したように接着強化剤を含んでいてもよい。特に、回路形成用荷電性粉末の中に接着強化剤を含んでいる場合には、その接着強化剤が、回路パターンを形成したセラミックグリーンシートを焼成する際に、回路パターンを形成する導電性金属粉末と焼成されたセラミックシートとの接着を強化させる役目を担うことになる。したがって、焼成後、焼成されたセラミックシートと回路パターンとの接着強度が向上するため、セラミックシートから回路パターンが剥がれるのを防止することができる。
また、上記の第5及び第6の参考例においては、回路形成用荷電性粉末の外周部にさらに荷電制御剤が固着される構造、すなわち第5樹脂層あるいは第6樹脂層の表面に荷電制御剤がさらに固着される構造をなしていても同様の効果が得られる。
本発明の回路形成用荷電性粉末によれば、第1導電性金属粉末と、第1導電性金属粉末より平均粒径が小さい第2導電性金属粉末とを含むため、回路パターンを形成する際に、第1導電性金属粉末間にできる隙間に、第1導電性金属粉末より平均粒径が小さい第2導電性金属粉末が入り込み、回路パターンにおける導電性金属粉末の充填を密にすることができる。したがって、回路パターンのシート抵抗を減少させることができるとともに、回路パターンの損失を小さくすることができる。
また、本発明の多層配線基板によれば、第1導電性金属粉末と、第1導電性金属粉末より平均粒径が小さい第2導電性金属粉末とを含む回路形成用荷電性粉末を使用して、電子写真法によって回路パターンをセラミックグリーンシートに印刷し、その後、それらのセラミックグリーンシートを積層して多層配線基板を形成するため、焼成後、多層配線基板を構成する回路パターンにおける導電性金属粉末の充填を密にすることができる。したがって、多層配線基板を構成する回路パターンのシート抵抗及び損失を小さくすることができるため、この回路パターンで構成される多層配線基板を高周波領域に使用することが可能となる。
本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第1の実施例の断面図である。 本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第1の参考例の断面図である。 本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第2の参考例の断面図である。 本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第3の参考例の断面図である。 本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第4の参考例の断面図である。 本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第5の参考例の断面図である。 本発明に係る回路形成用荷電性粉末の第6の参考例の断面図である。 被印刷物上に回路パターンの形成する際に用いる電子写真システムの構成図である。 本発明に係る多層配線基板の一実施例の断面図である。 従来の回路形成用荷電性粉末を示す断面図である。
符号の説明
10〜70 回路形成用荷電性粉末
11 第1導電性金属粉末
12 第2導電性金属粉末
13 荷電制御剤
15 熱溶融性樹脂
21 第1荷電性粉末
22 第2荷電性粉末
23 第1樹脂層
33 第2樹脂層
41 第3樹脂層
51 第4樹脂層
61 第5樹脂層
71 第6樹脂層
85 被印刷物
90 多層配線基板
91a〜91c セラミックグリーンシート
92a,92b 回路パターン

Claims (2)

  1. 電子写真法によってセラミックグリーンシート上に回路パターンを印刷する際に使用される回路形成用荷電性粉末であって、各粉末が、第1導電性金属粉末、前記第1導電性金属粉末より平均粒径が小さい第2導電性金属粉末、荷電制御剤及び接着強化剤が熱溶融性樹脂中に均一に分散してなることを特徴とする回路形成用荷電性粉末。
  2. 電子写真法によってセラミックグリーンシート上に回路パターンを印刷し、前記回路パターンが印刷された前記セラミックグリーンシートを積層して形成することを特徴とする請求項1に記載の回路形成用荷電性粉末を用いた多層配線基板。
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