JP4362223B2 - 触媒の摩損および不活性化を少なくしたスラリー炭化水素合成方法 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、スラリー炭化水素合成に関する。より詳細には、本発明は、別のガスおよび液体を透過しない性質のトレーに配列され、かつ該トレーを貫通して延設された複数のスロートおよび円錐ガスインジェクタを含むガス分配格子を用いて合成ガスをスラリー中に噴射し、触媒の摩損と不活性化を減少させたスラリー炭化水素合成方法に関する。
【0002】
発明の背景
スラリー炭化水素合成方法は公知である。スラリー炭化水素合成(HCS)方法においては、反応器の中で、水素(H2)と一酸化炭素(CO)の混合物から成る合成ガス(シンガス)を、合成ガスの炭化水素への変換に有効な条件において、炭化水素スラリー液中に固体触媒粒子とガスの泡とを含んで成るスラリーを通して泡立たせることにより、少なくともその一部が前記反応条件において液体である炭化水素に変換し、スラリー液はこれらの液体HCS生成物を含むようになる。触媒としては、好適なフィッシャー・トロプシュ型炭化水素合成触媒が含まれる。また、このような3相スラリーを容れる反応器は、米国特許第5,348,982号に開示されているように、スラリーの「気泡塔」と呼ばれることもある。概して、触媒粒子はスラリーを通って泡立つ合成ガスの上昇作用と水力手段とによって、液体中に分散され懸濁した状態に保たれる。管格子、スラリー中に開口する複数の管、あるいはガスインジェクタが、多孔性または有孔のプレートまたは複数のバブルキャップ、羽口、ライザ、その他のガス噴射手段を、スラリー底部、反応器底部のプリナム空間の上に配設された別のガスおよび液体を透過しない性質の水平金属板またはトレーに配列しかつこれを貫通して延設して成るガス分配格子またはトレーを介してスラリー中で泡立てられる。ガスインジェクタを用いた場合に派生する問題としては、触媒粒子の摩損、インジェクタの詰まり、格子の上に沈殿する触媒およびインジェクタを通って下方のプリナム空間に降下うる触媒の不活性化などがある。摩損は微粉の生成による触媒の損失を生じ、その結果触媒の損失だけでなく反応器の下流にある機器の詰まり等が生じる。従って、このような問題を部分的または完全に解決したガス噴射手段を用いることは、当該技術分野に改良をもたらすものとなろう。
【0003】
発明の概要
本発明は、H2とCOの混合物を含む合成ガス(syngas)をガス分配格子から反応性スラリーの底部に上向きに噴射し、これによって触媒の摩損を減少させるスラリー炭化水素合成(HCS)方法に関する。スラリーは、反応条件下において液状であるHCS反応生成物を含む炭化水素スラリー液の中に粒子状の炭化水素合成触媒と気泡を含んで成る。H2とCOは、炭化水素の形成に有効な条件下において、触媒の存在下で反応して、炭化水素を形成するが、少なくともその一部は前記反応条件下で液体であり、この液体炭化水素生成物は反応器から連続的に除去され、1回またはそれ以上の変換操作により、より価値のある製品へと品質改善される。スラリー底部に配設された別のガスおよび液体を透過しない性質のガス分配格子に複数のスロートおよび円錐ガスインジェクタを配列して成るガス分配格子を用いることにより、触媒の摩損は実質的に減少される。すなわち、ガス分配格子は、複数のスロートおよび円錐ガスインジェクタを、スラリーの底部に位置する別のガスおよび液体を透過しない性質の水平プレートまたはトレーに水平に配列または分散配設し、かつ該プレートまたはトレーを垂直方向に貫通して延設して構成される。一実施形態では、ガスインジェクタの全部または一部を格子の一体部分として形成する。ガスインジェクタはスロート、すなわち両端で開口する中空伸長形の第1ガス膨張領域を含み、その一方の端部がボアを有するガス入口であり、ガスは噴流の外部からこのボアを通過して、ボアの出口であるオリフィスを通ってスロートに入る。また他端部は、上へ外向きに拡大する第2ガス膨張領域中に開口する下流側の端部であり、円錐(コーン)形状としても良い。スロートと円錐との接合部にある内部ショルダが方向変換手段を提供しており、円錐壁に沿って流下するスラリーを半径方向内向きに方向付けて、スロートを出るガス噴流の中に導くことにより、触媒の摩損およびスロートの詰まりを防止する。本発明の典型的インジェクタにおいては、このショルダ内径がスロートの内径と実質的に同じであり、ショルダ外径は円錐底部の内壁周縁において終わっている。従って、より詳細には、本発明の方法は、スラリー中、固体粒状の炭化水素合成触媒、特にフィッシャー・トロプシュ型の炭化水素合成触媒の存在下で、H2とCOガスを、該ガスから炭化水素の形成に有効な反応条件において反応させることにより、前記反応条件において少なくともその一部が液体である炭化水素を形成する工程を含み、前記スラリーは、前記反応によって形成された液体炭化水素からなる炭化水素スラリー液の中に固体粒子状の炭化水素合成触媒と気泡とを含んで成り、H2とCOとの混合物を含む合成ガスは、前記スラリーの底部に配設された、別のガスおよび液体を透過しない性質のプレートに水平に配列されかつ該プレートを垂直に貫通して延設された複数のガスインジェクタを含んで成る、ガス分配格子を介して前記スラリーの底部に噴射される。本発明のインジェクタは、その各々が、両端部で開口している中空伸長形の第1ガス膨張領域(スロート)を含み、前記第1ガス膨張領域の入口端である一端部に減圧ボアを備え、該スロートの下流側他端部は、上へ外向きに膨張してスラリー中に開口している中空の第2ガス膨張領域に開口しており、該第2領域においてガスがスラリーと接触する(円錐)。前記第1領域と第2領域の接合部近傍に、前記第2領域から前記第1領域へと流れる液体を半径方向内向きに導くための方向変換手段が設けられている。本発明の方法は、より一般的に合成されるところの酸素化されていない主としてパラフィン系の炭化水素の合成に加えて、メタン、高級アルコール、ケトン、酢酸、ジメチルエーテル等の酸素化された炭化水素をも合成するスラリー炭化水素合成方法を意図したものである。
【0004】
ショルダ、または方向変換手段がガスインジェクタ内に設けられていない場合、粒子状の触媒固体が摩損により微粒子の大きさとなるという、重大かつ実質的な壊変を生じる場合があることが判明した。これらの微粒子は上に運ばれて反応器から出て塔頂留出物に入ると共に、液体フィルタを通過して下流側の装置にも入る。この結果、触媒が継続的かつ実質的に失われると共に、下流側装置においてスラッジを形成し、該装置の詰まりの原因となり、終には製品から分離する必要が生じる場合もある。ボアを通過する際の圧力低下は、ボアの直径また断面積によって決定されるが、ボアの直径はスロートのそれより小さい。スロートのアスペクト比および直径は、(i)スロートを通って上へ流れる膨張ガス噴流が、スロートを出て円錐に入る前にスロートの内壁と接触するように、またオリフィス直径との組合せにおいて、(ii)ガス噴流がスラリーと接触する円錐において所望のガス速度が得られるように決定する。このようにスロートにおいて壁接触することは、ガス噴流の外周部での速度を十分に伸ばすことにより、円錐に入るガス流の速度プロファイルをより均一にするために、また噴流の外周部での流れの摂動や不規則さを防止するために重要である。これが達成されないと、触媒粒子やその他の固体粒子が下降してスロートに入り、小径のオリフィスを通ってスロートに入って来る高速のガス噴流によって摩損されることになる。スロートの長さ対直径の比(アスペクト比)は、スラリー固体によるスロートの詰まりを防止するために、10:1未満、より好ましくは8:1未満とする。また一方で、このアスペクト比は、膨張ガス噴流の外周部がスロートを出る前にスロート内壁と接触し、より好ましくはスロート出口の上流側一定距離の接触を行い、安全限界(例えばスロート長さの10%以上)を設けるために十分な大きさとする必要もある。ボア、スロート、ショルダ、コ−ン部の長手方向軸は、より好ましくは全て一致させる。円錐内壁の角度は、円錐内にスラリー固体が蓄積するのを防止するために、スラリー固体の息角より大きくするのが好ましい。好ましい実施形態では、ボア、スロート、ショルダ、コア部の全てが、それぞれの長手方向軸に垂直な断面形状が円形となるように構成されているが、その他の断面も必要に応じて採用して良い。スラリーの底部に配設された別のガスおよび液体を透過しない性質の水平プレートまたはトレーを垂直方向に貫通して延設され、かつ水平に配列または配設された複数のガスインジェクタが、合成ガスをHCSスラリー中に均等に分配する働きをする。この時、トレー内の各ガスインジェクタにおいて、ほぼ均等な圧力低下が生じ、それに付随してガスインジェクタを通るガス噴射速度も均等になる。このことは、スラリー内への所要のガス供給量、トレーのインジェクタ数、インジェクタのボアの径、インジェクタボアの上流側のガス圧によって決定される。
【0005】
格子にインジェクタを密に配設することにより、格子表面の平坦な部分が実質的に減少する。別の実施形態では、格子プレートの表面を越して上へ伸びるインジェクタ部分を無くしている。これら2通りの構成は、スラリー固体が沈降する格子のデッドスペースを最小限にするものである。スラリー(HCS)法では、固体の少なくとも一部分がHCS触媒粒子であり、固体の沈降が減ると、その分触媒の不活性化が少なくなる。ガス分配格子は一般的に合成ガスタンクの上、または反応器底部のプリナム域の上に配置される。合成ガスは、圧力緩衝器として作用する格子下のプリナムに送り込まれるが、プリナムによって、ガス噴流の口径と噴流の数とガス圧との組合せにおいて同量の合成ガスが該格子のインジェクタに入るようになる。
【0006】
ガスは、減圧ボアを通過してスロートまたは第1膨張領域に入った後、高速で外向きに膨張するガス噴流としてオリフィスを出る。このガス噴流はスロートを通過し、円錐に入る前に内壁と接触する。この接触が重要であり、その結果、より大きなエネルギーがスロートから出て円錐すなわち第2膨張領域に入る噴流の外周に向かうようになる。このことによって、スロートを出るガス噴流の周辺において十分なガス速度と質量(エネルギー)が得られ、スラリーがスロートの中に漏出し、ボアからスロートに入る比較的高速のガス噴流によって粒状固体が削磨されて微粒子になるのを防止する。また、噴流の外周部と中心部でのガス速度の差が小さくなるため、それによってガスがスラリーと接触する際の粒子の摩損がさらに減少される。ガス噴流がスロートを出る際、環状ショルダがあるために、スロートと円錐の接合部の円錐内壁にこのガス噴流が接触することはない。一実施形態では、ショルダの内周部がスロート出口においてスロート内壁に隣接しており、外径が円錐底部の円錐内壁周辺において終わっている。ショルダは、流下するスラリーに対して半径方向に内向きの方向付けを行うことにより、円錐壁に沿って流下するスラリーの分流器として作用する。円錐内壁に沿って流下するスラリーがショルダに達すると、該ショルダがスラリーに半径方向内向きの力を加えるため、スラリーはここでスロートを出て上に膨張して流れるガス噴流と遭遇し、この噴流によってスラリーは再び上方のスラリー本体の中に還元される。膨張ガス噴流は、円錐を通って上に移動する際にスラリーと接触することにより、分解されて気泡となるが、この気泡の有効上昇速度は、バブルキャップ等を用いた場合より大きくなる。別の実施形態では、円錐またはチャンファ部に開口するオリフィスその他の手段(オリフィスおよびスロートの形状による)を設けることにより、ガス噴流がスロートに入る際に無制限に膨張することを防止し、それによってガスの逆流および渦流の発生を防止する。このような逆流および渦流が発生すると、ガス噴流がスロートを上昇して円錐に入る際に、これが膨張ガス噴流の中に取り込まれて、その外周部に脈動のような摂動、およびその他乱流を生じたり、噴流そのものに変動を生じる場合がある。このようなガス流の摂動は、スラリーがスロート内に流れ落ちて、そこで該スロート内に入って来る高速のガス噴流によって削磨される原因となる場合がある。このように、円錐またはチャンファ部は、膨張ガス噴流を安定させると共に、ガス流の減少によりスロートに溜まった固体を除去するのにも有利であることが分かっている。
【0007】
詳細な説明
フィッシャー・トロプシュ・スラリーHCS法においては、H2とCOとの混合物を含む合成ガスを反応性スラリー中で泡立たせることにより、スラリー中でH2とCOがフィッシャー・トロプシュ型の炭化水素合成触媒の存在下で反応して炭化水素、好ましくは液体炭化水素を形成する。水素対一酸化炭素のモル比は、凡そ約0.5〜4であるが、より一般的には0.7〜2.75の範囲内、好ましくは0.7〜2.5の範囲内とする。フィッシャー・トロプシュHCS反応に関する化学量論的モル比については2.0であるが、当業者に周知のように、化学量論的比率以外の数値を使う理由は多々あるが、これについて論じることは本発明の範囲を超えるものである。スラリーHCS法では、H2対COのモル比を約2.1/1とするのが一般的である。上述のような酸素化生成物とジメチルエーテルの合成においては、1:1により近いモル比を使用する。合成ガスの形成は、無触媒および触媒部分酸化、水蒸気改質、および自熱式改質のような部分酸化と水蒸気改質の併用、例えば米国特許第4,888,131号および5,160,456号に開示されている流動床合成ガス生成(FBSG)法など、当業者に公知の任意の手段を用いて行うことができる。これについてさらに詳しい説明は不要である。
【0008】
上述のように、反応性HCSスラリーは、スラリー液の中に触媒粒子と気泡を含んで成る。スラリー液は、反応条件において液体である合成反応の炭化水素生成物を含む。スラリー内の温度および圧力は、使用する粒状触媒と所望の製品とより大きく異なるが、被支持コバルト成分を含む触媒を使用するスラリーHCS法において大部分がC5+パラフィン類(例えばC5+〜C200)、好ましくはC10+パラフィン類から成る炭化水素を形成するのに有効な一般的条件として、例えば、温度約320〜600°F、圧力約80〜600psi、ガス空間時速は、気体COとH2の混合物(0℃、1atm)の時間あたり、触媒体積あたりの標準量として表すと約100〜40,000V/hr/Vである。合成ガス空間速度は、主として反応器による炭化水素生成によって決定され、スラリー液中に固体触媒粒子を分散するために必要な空間速度より大きいのが普通である。スラリーの触媒固体含有量は、一般的に約10wt.%〜70wt.%、より一般的には約30wt.%〜60wt.%であり、実施形態によっては40wt.%〜55wt.%が好ましい。上述のように、スラリー液は、微量の他の成分と共に反応条件において液体である炭化水素生成物を含む。触媒の粒径は、1ミクロンと小さいものから200ミクロンと大きいものまで多岐に亘るが、一般的な従来型Fe触媒または被支持鉄触媒の平均粒径が約22ミクロンであるのに対し、チタ二アと複合またはチタニア上に支持されているコバルトのような触媒金属を含む触媒の場合、その平均粒径は約63ミクロンである。しかし、このような触媒でも、1ミクロン程度の微粒子も含むし、スラリー中で定常的に触媒粒子を攪拌、混合することにより、削磨による粒径の減少が生じる結果となり、このことによっても、粒径約1〜10ミクロンの微粒子が生成される。微粒子をフィルタで分別することは容易でない。本発明の方法は、微粒子の生成、トレー表面が平坦である結果生じる触媒の不活性化、トレーを通過して下方のプリナム空間に流下するスラリーを減少させる。
【0009】
第1図は、本発明の方法で使用される、第8図に示す本発明のガス分配格子を内蔵したスラリーHCS反応器の略断面図である。第1図において、スラリーHCS反応器100は、スラリー104を容れる円筒形シェル102を含み、該シェル102内部では、第8図に示す本発明のガス分配格子106(但し、本図では簡略化のためガスインジェクタは詳細に示していない)によってスラリー104が支持されている。ガス分配格子は、プリナム空間108上に配設された1つまたはそれ以上の円形金属プレートを含み、この金属プレートがその上にスラリーを支持すると共に、該格子に水平に配列され、かつ該格子を垂直に貫通して伸びる複数のガスインジェクタを内蔵している。格子の外周部が反応器の内側表面との間でシールを形成している。格子の下の中空スペースすなわちプリナム108は、ガス貯蔵スペースとガス送出圧の変動を減らす緩衝器とを兼ねている。供給合成ガスは、供給ライン107を介して反応器のプリナム空間108に入り、格子を貫通して垂直に伸びるガスインジェクタを通ってスラリー104中に分配される。図中、小さな丸は気泡を、黒丸は触媒粒子を表している。ろ過手段は、スラリーに浸漬したボックス110として簡単に図示しているが、このろ過手段が触媒粒子から合成反応による液体炭化水素生成物を分離し、分離された液体はライン112を介して導出されてさらなる処理、品質改善が行われる。反応器上部の液体・固体遊離空間114に炭化水素合成反応の気体生成物と反応しなかった合成ガスを集め、排ガスとして反応器から排出し、ライン116を介して後方の処理工程および製品回収、品質改善工程に回す。一例とし、直径30フィートの反応器に関して、格子のガスインジェクタの数を10,000個とし、各インジェクタの1平方インチあたりの圧力低下を約20ポンドとしているが、これに限定されるものではない。
【0010】
第2図は、本発明のガスインジェクタ10を、部分的に図示されている水平ディスク形スチールプレート32を含んで成るスラリー反応器ガス分配格子30の一体部分として概略的に示す縦断面図である。ガス分配格子は、トレーに水平に配列され、かつ該トレーを垂直に貫通して伸びる複数のガスインジェクタを含むが、ここでは都合上その1つ10だけが図示されている。格子またはプレートの上部と底部をそれぞれ34と36で示している。ガスインジェクタ10はプレートを貫通して伸び、周壁16によって画定される円筒形ボア14を含む。ボア14は該ボアの上端部であるオリフィス12を介してスロート20に開口している。オリフィスはショルダまたはチャンファ18を介してスロート20に開口する。ここでショルダ18は水平、平坦に示されており、換言するとオリフィス12が薄刃オリフィスとして示されているが、一実施例では、後述するように、オリフィスの周辺からスロート内壁22に向かってショルダが上へ外向きに広がるように構成される。後者の場合、オリフィスから斜めに広がる開口部またはチャンファによって、オリフィスから上のスロートへ出るガス噴流が無制限に膨張するのを防止することができる。スロート20は周壁22によって画定される円筒形ボアである。ガスはボア14を通って該ボアの上端部から出た後、第6図に図示し、後述するような円錐形の膨張ガス噴流としてスロート20に入る。ガスがボア内を通過することで減圧されるため、スロート内のガス圧はボア上流(例えば格子の下のプリナム)のガス圧より低くなる。スロートに入るガス噴流は、当業者に周知のように、約10〜20度、より一般的には15〜20度の夾角を有する。膨張ガス噴流の速度は、噴流が第1膨張領域すなわちスロートを通過して上昇するに従って低下する。スロートのアスペクト比すなわち長さ対直径の比は、噴流の減速を所望の程度に行えるように、また同時に、膨張ガス噴流が24においてスロートを出て第2ガス膨張領域すなわち円錐30に入る前にスロートの内周壁22と接触することを保証するように決定される。一般に、膨張ガス噴流がスロート壁と接触するように保証するアスペクト比は、少なくとも2となる。一方、最大アスペクト比は、ガス流が減った時にスラリー固体によってスロートが詰まるのを防ぐために、8または10以下とする。上流ガス圧が低下したり、ガス流が一時的に止まった場合、インジェクタにスラリー固体が充満することになるが、アスペクト比を約8ないし10より大きくすれば、圧力が回復した時にガスが固体を押し出すことにより、インジェクタの詰まり、またそれによる動作不能を防止することができると判断した。また、膨張ガス噴流がスロート出口より十分上流側の壁部と接触するようにして、安全係数をスロート長さの約25%〜約75%の範囲内とするのが望ましい。上述のように、この接触が本発明のガスインジェクタの主要な特徴となっており、これによって、ガス噴流が十分な速度でスロート出口24の壁22に接近し、スラリーが円錐の側部に沿って流下してスロートに入るのを防止することが可能となる。また、こうすることで、スロート上部または出口24での水平ガス速度のプロファイルをより均等にすることもできる。スロート20は、環状ショルダ26として図示した、周辺を取り囲んで水平に設けられた方向変換手段において、半径方向に外向きに上へ広がる第2ガス膨張領域30に開口する。この領域30は円錐状、より詳細にはトレー上部に切り込まれた円錐台形周壁28によって画定される円錐台状である。領域30において、ガス速度がさらに減速されて、触媒粒子を摩損させない程度となるが、それでも固体をスラリー中に懸濁させる程度には高く、またスラリー反応器の場合、所望の反応器出力を達成するのに十分なガス流量を提供できる程度には高い。合成ガスをスラリー炭化水素合成反応器内に噴射する場合、炭化水素合成を効率的に行うために必要なガス流量は、触媒を懸濁させるために必要なガス流量より大きいのが普通である。膨張ガス噴流が領域30においてスラリーと接触し、分解して気泡となってスラリーを通って上昇して行く。円錐内壁28に沿って流下するスラリーはショルダ26に到達し、ショルダ26によって内向きの方向付けと速度が与えられる結果、スラリーはスロート出口24から流出するガス流の中に導かれる。流下して来たスラリーは、このガス流によって上方のスラリー本体の中に還元され、スロートに漏出して摩損するスラリーの量が最小化される。ショルダを用いることで、触媒の摩損を20倍程度減少できることが分かっている。オリフィス、スロートおよび円錐の断面形状として最も有効なのは円形であると考えられるが、場合によってはこの中の1つまたはそれ以上を円形以外の断面形状とすることも可能である。円形以外の断面形状とした場合、直径は、断面積の平方根をπで割った相当径となり、この相当径を用いてスロートのアスペクト比が決定される。
【0011】
第3図に示す本発明の一実施形態は、第2図と同様であるが、ボアとスロートとが一体で、円筒状に形成されて外側に螺子を切ったアセンブリ40として構成され、螺子部58で示されるように、トレーの相螺子付きボアの中に取付けられている点で異なっている。ボア44、ボア壁46、オリフィス42、スロート50、壁52は第2図に示したものと同じである。但し、シリンダ40の上部54の内部がスロートと円錐との接合部において分流ショルダを形成している。アセンブリ40は、円錐底部の環状ショルダ56に当接するまでトレーの中に捻じ込まれる。シリンダ40上部のショルダ56と当接しない部分が、環状の方向変換手段を形成する。このように、この実施形態では、オリフィスとスロートの組立体は、交換が容易なように、トレーに着脱自在に取付けられている。この他の実施形態についても当業者には自明であろうが、例えば第4図等に簡単に示した交換式オリフィスアセンブリ等の例がある。第4図では、交換式オリフィスアセンブリ58がスロート20の底部において噛合いボア14の中に捻じ込まれる。第5図は、さらに別の実施形態を示しており、第2図のボア14がチャンファまたは円錐形状の壁部15を介してスロート20に開口している。この実施形態では、第3図の実施形態と同じく、オリフィス12から出る膨張ガス噴流がオリフィス12に近いスロート壁22に無制限に膨張するのを防止する働きを円錐またはチャンファがしている。これを図解したのが第6(a)図と第6(b)図である。第6(a)図および第6(b)図では、夾角αの2本の波線で示される円錐状に膨張するガス噴流がオリフィス12、12’を出て25でスロート20の円筒形内壁22と接触する。第6(a)図では、薄刃オリフィス12を取り囲む空間11によって、ガス噴流の一部が自由に膨張できるようになっている。第6(b)図の実施形態では、円錐またはチャンファ形状の壁部13によって、オリフィス12’を出たガス噴流が自由に膨張するのを防止している。オリフィス付近に円錐またはチャンファ部が存在することで、膨張ガス噴流外周部でのガス流の摂動が防止されると共に、オリフィス上流のガス圧が低下したりガス供給が停止したりしてスロートに固体が充満した場合でも、ガスによってこれをより容易に吹き出すことができるようになることが観察されている。円錐角は、その都度経験的に決定されるべきであるが、スラリー固体が円錐壁に堆積するのを防止するためには、夾角をスラリー中の固体の息角より小さくする。一般に、夾角は140度未満であり、実施形態によっては90度未満になることもある。
【0012】
次に第7図を参照すると、ここに示される本発明のガスインジェクタも、多くの点で第2図のガスインジェクタと同様であるが、ガス分配格子と一体でない点で異なっている。この実施形態では、ガスインジェクタは別の装置として、図示されない好適な手段(例えば螺子)によってトレーの上から下まで貫通して伸びる係合ボア72に取付けられる。第7図に示されるように、ガスインジェクタ60は、下流側端部にオリフィス64を画定する円筒形ボア62を含む。オリフィス64は、ボア62より径の大きい円筒形ボア66に開口し、該ボア66がスロートまたは第1膨張領域となる。ボア66は、環状ショルダ68を介して中空円錐形の第2膨張領域70に開口する。環状ショルダ68が、スラリーの半径方向の流れを分流する手段となる。円錐の円錐角は、円錐内壁に固体が堆積するのを防止するために、スラリー中の固体の息角より小さく小さくする。本実施形態では、複数のこのようなガスインジェクタをトレー表面に水平に配列した場合でも、各インジェクタについて、円錐の下のトレー32の上に、インジェクタ60に関して74で示されるような環状の平坦面が存在することになる。スラリー固体が上昇ガスと接触していないと不活性化する触媒粒子を含む場合、上部を円錐によって画定される平坦面74上のこの空間と領域76はデッドスペースであり、ここに触媒粒子が堆積して不活性化する。従って,このような場合には、このデッドスペースを遮断する手段、または触媒の堆積を防ぐためのガスを流す手段を別途用いない限り、第2図または第3図のものと同様の実施形態が望ましい。
【0013】
第8(a)図と第8(b)図は、それぞれ、本発明による短円筒形ガス分配格子またはトレーの実施形態の側面図と平面図であり、該格子は第2図と同様に、格子の水平方向に配列され、格子を垂直に貫通して伸びる複数の本発明ガスインジェクタを含んでいる。但し、本実施形態では、格子は2つの別個の円形もしくはディスク形プレート82,84を螺子またはボルト(図示せず)など好適な手段により組立保持して形成されている。格子の上部プレート82は、該プレートを貫通して伸びる複数の円錐形空洞部86を含み、これらの空洞部が各インジェクタの第2ガス膨張領域を構成している。下部プレート84は、簡単に88と90で示すように、それぞれ同心のスロート空洞部およびオリフィス空洞部を含んでおり、これらの空洞部88、90は、図示のように、該下部プレート84を貫通して伸び、各円錐の長手方向軸と同心になるように配設されている。スロートの直径は、上部プレート82の係合円錐形空洞部の底部より小さくなっているため、上部プレートと下部プレートを接合して格子を形成した時に、環状の分流ショルダ92が形成される。第8(b)図と第10図にその平面図をより詳細に示しており、以下に説明する。各円錐が隣接する円錐にどれ位近接しているかに関わり無く、第8(b)図において96で示すように、円錐と円錐の間のトレー表面には必ず平坦な空間が存在する。触媒が堆積して不活性化するこの空間は、第9図の斜視図および第10図の平面図に示すように、弧状ピラミッド形のスペーサ94を設けることにより、容易に減少することができ、また解消することもできる。図示の実施形態では、スペーサ上部がやや平坦になっており、丸頭螺子(図示せず)など好適な手段を用いて平坦面に固定される。第10図は、スペーサとインジェクタの平面図をより詳細に示したものである。
【0014】
HCS法においては、転化条件下または非転化条件下、好ましくは、特に触媒金属がCo、Ruまたはそれらの混合物を含む場合には、水性ガス転化反応がほとんどあるいは全く生じない非転化条件下において、H2とCOの混合物を含む合成ガスを好適なフィッシャー・トロプシュ型触媒と接触させることによって、液体と気体の炭化水素生成物が形成される。好適なフィッシャー・トロプシュ型触媒の例としては、Fe、Ni、Co、Ru、Re等の第VIII族触媒金属を1種またはそれ以上含むものがある。一実施形態では、Coと、Re、Ru、Fe、Ni、Th、Zr、Hf、U、Mg、およびLaのうち1種またはそれ以上とが、好適な無機支持物質上に触媒として有効量支持されて成る触媒であって、耐火酸化金属を1種またはそれ以上含むものが好ましい。Coを含有する触媒に好適な支持体としてチタ二アが挙げられるが、高分子量の主としてパラフィン系の液体炭化水素生成物が要求されるスラリーHCS法を使用する場合は特にチタ二アが好ましい。有用な触媒とその製法については公知であり、実例もあるが、例えば米国特許第4,568,663号、第4,663,305号、第4,542,122号、第4,621,072号、第5,545,674号にもその例が見られるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本発明のHCS法により生成される炭化水素生成物は、一般的に、その全部または一部を分留および/または変換処理にかけることで品質改善されて好適な生成物になる。変換処理とは、1回またはそれ以上の操作で炭化水素の少なくとも一部分の分子構造を変える処理を意味し、非触媒処理(例えば水蒸気分解)と、留分を好適な触媒と接触させる触媒処理との両方を含み、水素その他の共反応物質の存在下で行う場合と、その存在なしで行う場合がある。水素が反応物質として存在する場合、このような処理工程は、一般に水素化変換と呼ばれ、例えば水素異性化、水素化分解、水素化脱ろう、水素化精製、および水素化処理と呼ばれるより厳しい水素化精製などがある。品質改善により形成される好適な生成物を例示的に挙げると、合成原油、液体燃料、オレフィン、溶剤、潤滑油、産業用油、医療用油、含ろう炭化水素、窒素および酸素含有化合物等の1種またはそれ以上があるが、これらに限定されるものではない。液体燃料には、自動車用ガソリン、ディーゼル燃料、ジェット燃料、ケロシンの1種またはそれ以上があるのに対し、潤滑油には例えば自動車オイル、ジェットオイル、タービンオイル、金属加工用オイルなどが含まれる。産業用油としては、削井用流体、農業用油、熱伝導流体等がある。
【0016】
本発明の実施においては、上記以外にも様々な実施形態および変更が可能であるが、これらの実施形態および変更形態については、当業者にとって自明であり、上述の本発明の範囲および精神から逸脱することなく、容易に実行できるものと理解される。従って、本明細書に添付する請求項の範囲を以上の具体的記載によって限定することを意図したものではなく、むしろ、請求項こそ、本発明の係る技術分野における当業者によって等価物として扱われるであろう全ての特徴および実施形態を含めて、本発明に存在する特許可能な新規性の全ての特徴を包含するものと解釈されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は、本発明のガス分配格子を含むスラリー炭化水素合成反応器の略断面図である。
【図2】 第2図は、ガス分配格子の一体部分として構成された本発明のガスインジェクタを示す部分断面図である。
【図3】 第3図は、第2図の実施形態の変更例を示す。
【図4】 第4図、本発明のガスインジェクタ用の交換式オリフィスアセンブリを簡略的に示す。
【図5】 第5図は、ガスインジェクタのスロート底部において円錐またはチャンファ部に開口するオリフィスを概略的に示す。
【図6】 第6(a)図は、オリフィスを出たガス噴流がオリフィス付近に自由膨張領域を有するスロートの壁と接触する状態を示す。
第6(b)図は、第6(a)図の自由膨張領域を無くすために円錐またはチャンファ部に開口しているオリフィスを示す。
【図7】 第7図は、本発明のガスインジェクタおよびガス分配格子の別の実施形態を部分断面で概略的に示す。
【図8】 第8(a)図は、本発明のディスク形ガス分配格子の一実施形態を概略的に示す側面図である。
第8(b)図は、本発明のディスク形ガス分配格子の一実施形態を概略的に示す平面図である。
【図9】 第9図は、格子上部の平坦域を無くすための弧状ピラミッド形スペーサを示す斜視図である。
【図10】 第10図は、格子の一部の平面図であり、ピラミッド形スペーサの位置を示す。
Claims (8)
- (a)H2とCOとの混合物を含む合成ガスを、炭化水素スラリー液の中に固体粒子状の炭化水素合成触媒と気泡とを含んで成るスラリーの中に上向きに噴射する工程であって、
前記合成ガスは、ガスおよび液体を透過しない性質のプレートに水平に配列されかつ該プレートを垂直に貫通して延設された複数のガスインジェクタを含んで成る、前記スラリーの底部に配設されたガス分配格子を介して前記スラリーの底部に上向きに噴射され、前記インジェクタの各々が、両端部で開口している、中空で、伸長した形状の第1ガス膨張領域を含み、前記第1ガス膨張領域の入口端である一端部にボアを備え、前記第1ガス膨張領域の他端部は、外向きに拡大しつつ上へ伸長して両端部で開口している中空の第2ガス膨張領域に開口しており、前記第1ガス膨張領域と第2ガス膨張領域の接合部近傍に、前記第2ガス膨張領域から前記第1ガス膨張領域へと流れる液体を半径方向内向きに導くための方向変換手段が設けられていることを特徴とする工程と、
(b)前記H2とCOを、炭化水素の形成に有効な反応条件において、前記スラリー中、前記触媒の存在下で反応させることにより、少なくともその一部が前記反応条件において液体である炭化水素を形成する工程であって、前記スラリー炭化水素液体が前記合成された液体炭化水素を含む工程と
を含むことを特徴とする炭化水素合成方法。 - 前記触媒がフィッシャー・トロプシュ型触媒を含むことを特徴とする請求項1に記載の炭化水素合成方法。
- 前記ボアの直径が前記第1ガス膨張領域の直径より小さく、前記第1ガス膨張領域のアスペクト比が10:1より小さいことを特徴とする請求項1に記載の炭化水素合成方法。
- 前記第1ガス膨張領域のアスペクト比が2:1より大きいことを特徴とする請求項3に記載の炭化水素合成方法。
- 前記インジェクタの前記オリフィスの長手方向軸と前記第1および第2ガス膨張領域の長手方向軸が全て同心であることを特徴とする請求項4に記載の炭化水素合成方法。
- 前記第2膨張領域が前記上部プレートの表面を越えて延びていないことを特徴とする請求項5に記載の炭化水素合成方法。
- 前記格子上部の平坦面に、平坦スペースを無くすための手段が配設されることを特徴とする請求項6に記載の炭化水素合成方法。
- 前記炭化水素液体が、1回またはそれ以上の水素化変換操作により、より高価値の製品へと品質改善されることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の炭化水素合成方法。
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