JP4362169B2 - 収納容器の蓋体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣り等に用いる収納容器の蓋体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の収納容器は、内部に断熱材を有し外表面が硬質のプラスチックで形成された箱形の容器本体と、容器本体に取り付けられた蓋体とを有している。この蓋体は、EVA等からなる層とその両面を覆う一対の不織布またはレザーシート層とを有する構造になっている。
【0003】
この種の収納容器は、ドライブや釣りなどのレジャーに用いられ、容器本体内に保冷したいジュースや魚が保冷剤と共に収納される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
釣りを行う場合には、釣竿以外にも、例えば、擬餌,生き餌,錘,針など様々な道具が必要である。しかもこれらは比較的小さいものが多く、整理された状態で収納配置する必要がある。特に、岩場等において釣りを行う場合、これらの小さな釣具を紛失することなく収納しておける適当な収納場所が必要である。一方で、ポケット内などに小さな釣具を収納してしまうと、必要なときに小さな釣具を直ちに取り出して用いることができない。
【0005】
また、長時間にわたって釣りを行う場合、缶ジュースや缶ビールを手に釣りを行うことも多いが、釣り場においては飲みかけのジュース等を配置しておく場所にも事欠く場合がある。
【0006】
本発明の課題は、釣具,缶ジュース等を容易に配置収納可能な収納容器蓋体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1にかかる収納容器蓋体は、魚釣り等に用いられる収納容器の容器本体に取り付けられる蓋体であって、蓋本体と、蓋本体表面に形成され他の物品を配置収納可能な凹入部とを備えている。また、蓋本体は、2つの角部を含む縁部を備える。蓋体は、角部間に設けられ、前記容器本体を蓋体本体に開閉自在に連結する蝶番と、前記凹入部と前記角部とを連通する溝部と、をさらに備える。
【0008】
この収納容器の蓋体では、表面に凹入部が形成されており、この凹入部内に、例えば、釣針や錘,釣糸等を直接配置収納し、または釣針ケースや錘ケース等を収納する。釣りの際に携帯する収納容器蓋体にこれらの比較的小さな釣具を収納できるので、小さな釣り用具を紛失することなく収納できる。また、必要な際にすぐに取り出して用いることができる。
【0009】
なお、凹入部に合致する形状を有する釣針ケースや錘ケース等の収納容器を準備し、これを凹入部に脱着自在にはめ込み可能にしてもよい。
【0010】
発明2にかかる蓋体は、発明1の収納容器蓋体であって、凹入部は円形であり缶ジュース等を配置収納可能なドリンクホルダーである。
【0011】
この場合には、飲みかけの缶ジュース等を安定した状態で収納しておける。
【0012】
発明3にかかる蓋体は、発明1または2の収納容器蓋体であって、凹入部と蓋本体縁部とを連通する溝部をさらに備えている。
【0013】
この場合には、水のかかりやすい場所収納容器を用いても、凹入部には溝部が形成されており、凹入部に溜まった水が容易に排水される。
【0014】
発明4にかかる蓋体は、発明1〜3のいずれかの収納容器蓋体であって、蓋本体は熱可塑性樹脂からなり、蓋本体の周縁が略直角に折り曲げられて蓋本体と一体的に形成されたカバー部をさらに備えている。
【0015】
この場合には、カバー部が収納容器の容器本体上辺部を覆い保護する。ここで、蓋本体とカバー部とが一体的に熱可塑性樹脂から形成されており、接着,縫合部分等が存在せず、水等が蓋体内部に侵入することもなくまた外観にも優れる。さらに、蓋本体とカバー部とは、例えば射出成形等によって一体的に製造でき、製造過程の煩雑さを回避できる。
【0016】
発明5にかかる蓋体は、発明4の収納容器蓋体であって、蓋本体及びカバー部は、ポリプロピレン,ポリエチレン,ABS樹脂からなる群より選択される熱可塑性樹脂からなる合成樹脂板を熱圧加工することにより形成される。
【0017】
この場合には、所定の熱可塑性樹脂からなる矩形板材を加工して蓋本体及びカバー部が一体的に形成される。このため、水等の蓋体内部への侵入を防止でき、外観にも優れる。また、板状を熱圧加工しており簡易な製造工程により容易に製造できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0019】
本発明の第1実施形態を採用した収納容器は、図1〜4に示すように、箱形の 容器本体1と、容器本体1の開口を覆うように配置される内蓋2と、蝶番10によって開閉可能なように容器本体1の上部設けられ内蓋2(図4参照)を内包する蓋体3と、蓋体3を容器本体1に固定する固定部4と、容器本体1に取り付けられ収納容器の運搬時に把持するバンド5とを有している。
【0020】
容器本体1は、図4に詳しく示すように、ポリエチレン等の一対の合成樹脂材11の間にポリウレタン等の発泡樹脂材12が挟み込まれて形成されている。この発泡樹脂材12が容器本体1の断熱性を向上させている。また、合成樹脂材11は外観を布状に似せると共に滑り止め効果を図ってエンボス加工が施されている。容器本体1の上端縁部1aには内蓋2を係止可能なファスナーレール13が背面側を除いて形成されている。また、図1及び図2に示すように、容器本体1の正面1aには釣りに用いる小物等を収納可能なポケット部14が設けられている。ポケット部14の上縁のファスナ14aを開閉することによってポケット部14内に小物を収納可能である。容器本体1の側面底部側にはシート材15がポケット部14も覆うように縫合または接着されている。このシート材15は不織布等の布状部材やPVC等から成る。
【0021】
また、容器本体1の両側面1bの中央付近にはそれぞれレザー製のハンドル16が連結されている。ハンドル16はナイロン繊維等からなる帯状部材であって、容器本体側面1bの底部側部分と高さ方向中央付近との2カ所で容器本体1に縫合されており、この縫合部分間においてユーザがハンドル16を把持可能になっている。また、図2に詳しく示すように、縫合部分間においてその幅は他の部分より小さくなっておりユーザが容易にこの部分を把持できるように工夫されている。このハンドル16は、車内に収納容器を配置した際などにおいて側面方向より収納容器を引っぱり出す際に用いられる。さらに、ハンドル16の上端にはフック16aが連結されており、肩掛けベルト(図示せず)が脱着自在に連結される。
【0022】
内蓋2は、図4に示すように、容器本体1と同様に一対の防水性シート21の間にポリスチレン等の合成樹脂板22が挟み込まれて形成されている。容器本体1の背面側において縫合等によって固定されており、容器本体1上面開口を開閉自在に覆っている。容器本体1に縫合された部分以外の周縁部にはファスナー23が配置されており、容器本体1のファスナーレール13と噛合する。
【0023】
蓋体3は、図5に示すように、ポリプロピレン,ポリエチレン,ABS樹脂等の熱可塑性樹脂から形成される板状部材である。そして、矩形板状の蓋本体31と蓋本体31の周縁が略直角に折り曲げられて蓋本体31と一体的に形成されたカバー部32とを有している。後に詳しく説明するように、蓋本体31とカバー部とは1つの熱可塑性樹脂板から加工されている。この蓋体3は、図3に示すように、蝶番10によって容器本体1の背面側において開閉自在に連結されており、倒伏時において容器本体1の上端周縁をカバー部32が覆うように容器本体1上面に配置されている。そして、倒伏時において容器本体1の正面1a上端側に配置される固定部4によって固定される。なお、図2に示すように、カバー部32の深さは容器本体1の正面側ほど浅く背面側ほど順次深くなるように傾斜して形成されている。
【0024】
また、蓋体3の蓋本体31上には長辺方向に伸びる凸状部31aが形成されている。凸状部31aは、蓋本体31の内面側において外面側に凹入し外面側において凸出している。さらに、蓋本体31の角部付近には円形に凹入したドリンクホルダー33が形成されている。図6に詳しく示すように、ドリンクホルダー33は、缶ジュース等を配置可能な経を有し蓋本体31の表面より窪んで円形に形成されるドリンク台33aと、ドリンク台33aよりさらにもう一段窪んで形成された排水部33bとを有している。排水部33bは蓋本体31の角部へ連続して面一に形成され蓋本体31の外部へ至る排水路33cが併設されており、ドリンクホルダー33内に溜まった水は排水部33b及び排水路33cによって外部に排出される。
【0025】
この蓋体3は、以下のようにして製造される。
【0026】
まず、図7(a)に示すように、所定の熱可塑性樹脂からなる板状部材を用意する。そして、蓋本体31の凸状部31aやカバー部32,ドリンクホルダー33等が型取られた型によって熱圧加工を施す。この熱圧加工によって熱可塑性樹脂板は成型され、図7(b)に示すように、蓋本体31とカバー部32とが一体的に成型された蓋体3が製造される。なお、必要に応じて、図7(c)に示すように、成型した蓋体3にレザーシートや不織布,織物布またはこれらにPVCをコーティングした布材を貼り付けてもよい。布材を貼り付けるのは表面のみでも表裏両面に貼り付けてもよい。
【0027】
このように構成された収納容器では、釣りを行う際に釣場に携帯され、釣人の横に配置される。そして、釣人は釣りをしながら飲む缶ジュースや缶ビールを、ドリンクホルダー33に配置収納する。ドリンクホルダー33には排水部33b及び排水路33cが設けられており、水がかかりまた雨等が溜まった場合にその水を容易に排水できる。また、蓋体3のカバー部32が容器本体1の上辺部分を覆っており、容器本体1内に水やゴミ等が侵入するのを防止すると共に容器本体1を保護している。ここで、蓋体3は熱可塑性樹脂板を熱圧加工して蓋本体31及びカバー部32が一体的に形成されている。このため、水等が蓋体3自身の内部に侵入することもなく、また、蓋本体31とカバー部32との縫合面や連結部分がないため外観にも優れる。
【0028】
[参考形態]
以下、参考形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0029】
参考形態を採用した収納容器の蓋体40は、図8に示すように、矩形板状の蓋本体40aと蓋本体40aの周縁が略直角に折り曲げられて蓋本体40aと一体的に形成されたカバー部40bとを有している。この蓋体40は、第1実施形態と同様に、熱可塑性合成樹脂板材を所定の形状の型内において熱圧加工して形成される。
【0030】
蓋体40の蓋本体40a上には矩形に凹入した凹入部41,42,43が形成されている。凹入部41,43は蓋体40の長辺方向において対象にそれぞれ同様な形状をしており、これら凹入部41,43には蓋本体40aの縁部へ連続して形成され蓋本体40aの外部へ至る排水路41a、43aが併設されている。そして、凹入部41,43内に溜まった水は排水路41a,43aによって外部に排出される。また、凹入部41,43は、それぞれ例えば釣餌ケースPの形状に合致するように形成されており、釣餌ケースPを脱着自在にはめ込んで固定できる。一方、凹入部42は凹入部41,43の間に他の凹入部41,43に比べて小さく形成されている。
【0031】
このように構成された収納容器は、蓋体の表面に凹入部41,42,43が形成されており、この凹入部42内に、例えば、釣針や錘,釣糸等を直接配置収納し、凹入部41,43には釣餌ケースP等を脱着させて収納する。比較的小さな釣り用具を容易に収納できるので、小さな釣り用具を紛失することなく収納できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明にかかる収納容器蓋体によれば、釣り用具,缶ジュース等を容易に配置収納できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を採用した収納容器の正面図。
【図2】 本発明の第1実施形態を採用した収納容器の側面図。
【図3】 本発明の第1実施形態を採用した収納容器の上面図。
【図4】 本発明の第1実施形態を採用した収納容器の部分断面図。
【図5】 本発明の第1実施形態を採用した収納容器の蓋部の断面図。
【図6】 図5の蓋部の角部付近の拡大図。
【図7】 図5の蓋部の製造工程を示した図。
【図8】 本発明の第2実施形態を採用した収納容器の蓋部を示した図。
【符号の説明】
1 容器本体
2 内蓋
3,40 蓋部
4 固定部
5 バンド
31 蓋本体
31a 凸状部
32 カバー部
33 ドリンクホルダー
41,42,43 凹入部
P 釣餌ケース
Claims (5)
- 魚釣り等に用いられる収納容器の容器本体に取り付けられる蓋体であって、
2つの角部を含む縁部を備える蓋本体と、
前記蓋本体表面に形成され他の物品を配置収納可能な凹入部と、
前記角部間に設けられ、前記容器本体に前記蓋体本体を開閉自在に連結する蝶番と、
前記凹入部から前記角部へ連続して形成され、蓋本体の外部へ至る溝部と、
を備えた収納容器の蓋体。 - 前記凹入部は円形であり缶ジュース等を配置収納可能なドリンクホルダーである、請求項1に記載の蓋体。
- 前記蓋本体は熱可塑性樹脂からなり、
前記蓋本体の周縁が略直角に折り曲げられて前記蓋本体と一体的に形成されたカバー部をさらに備えた、請求項1又は2に記載の蓋体。 - 前記カバー部の深さは、前記蝶番の設けられた側ほど深くなるように傾斜して形成されている
請求項3に記載の蓋体。 - 前記蓋本体及びカバー部は、ポリプロピレン,ポリエチレン,ABS樹脂からなる群より選択される熱可塑性樹脂からなる合成樹脂板を熱圧加工することにより形成される、請求項3又は4に記載の蓋体。
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