JP4361952B2 - 熱交換器 - Google Patents

Description

本発明は、２個のタンクを含み、冷却／加熱される媒体のための複数のチューブがタンクの連結面の間を延在するように配列され、チューブの長手方向に対して斜めに延在するように配列された冷却／加熱を行う媒体のためのダクトがチューブの間に配置されている熱交換器に関するものである。本発明はまた、自動車におけるクーラーなどの上述したような熱交換器の使用にも関するものである。

最大限に有効な熱伝達面積部分を熱交換器に備えることが望ましい。そのような面積部分をより大きくするために、これまでは熱交換器の寸法が必然的に大きくされてきたが、熱交換器の全体寸法を大きくすることなく有効面積部分を大きくすることが望ましい。

特に自動車工業においては、自動車前部で熱交換器のために使用できる空間は極めて限られている。トラックの場合では、その空間はしばしば上方が運転席により、また側方および下方が例えば各種フレームや部材によって制限されている。より大きな熱交換器を収容するために、簡単には自動車を大きく作ればよいのであるが、これは高価格になるだけでなく自動車の大型化をもたらすことになり、このことは幾つかの理由、例えば自動車の最大寸法に係わる規則や、自動車が運転される場所のスペース不足を生じるために望ましくない。

本発明の目的は、全体寸法は同じに保つが、有効熱伝達面積部分を拡大した熱交換器を提供することである。

この目的は、２個のタンクを含み、冷却／加熱される媒体のための複数のチューブがタンクの連結面の間を延在するように配列され、チューブの長手方向に対して斜めに延在するように配列された冷却／加熱を行う媒体のためのダクトがチューブの間に配置された熱交換器であって、冷却／加熱を行う媒体の流れる方向に沿って前記連結面が次第に接近するように配置された熱交換器によって達成される。

この結果、冷却／加熱を行う媒体の流れる方向に見て上流側の熱交換器の面積部分、すなわち冷却／加熱を行う媒体が熱交換器に到達したときに出合う第一の面積部分は大きくなる。この面積部分は、熱伝達にとって最も有効な面積部分である。何故なら、冷却／加熱を行う媒体のための熱交換器ダクトの開口部にちょうど到達したときのその冷却／加熱を行う媒体と、冷却／加熱される媒体との間の温度差がまさしく最大だからである。熱伝達にとって最も有効な面積部分を大きくすることは、同じ全体寸法を保ちながら熱交換器の冷却／加熱能力の増大を可能にする。

冷却／加熱を行う媒体の流れる方向に見て上流側のチューブ部分が、基本的に熱交換器の全幅を横断して延在するように、また、冷却／加熱を行う媒体の流れる方向に見て下流側のチューブ部分が、冷却器／加熱器の幅の一部を横断して延在するように、連結面が次第に接近するように配置されることが好ましく、このことがタンクの寸法を十分な大きさにする。

この結果、熱伝達のために熱交換器の幅を最大限に利用すると同時に、タンクに必要な寸法を与える。

それぞれのタンクに近い領域の流れダクトは他の流れダクトに対して傾けられるが、それぞれの連結面に近い領域の流れダクトほど連結面にますます平行となるように傾けられることが有利である。

このようにして熱交換器を通る最適な空気の流れ状態が得られる。

本発明による熱交換器の製造において無駄を省くために、連結面は基本的にチューブの長手方向に対して４５゜の角度で次第に接近されることが有利である。

このことは、時間をとり、不必要な無駄を生じるさらなる機械加工を行うことなく、異なる方向へ向けることで切断済みチューブのすべてを用意に使用できるようにする。

本発明はまた、上述したように自動車における熱交換器の使用に関する。この熱交換器は、トラックのような周辺部材によって空間を制限されているトラックのような車輌に使用することが特に適している。したがって、この熱交換器は、例えば水冷却器、供給空気冷却器、あるいは空調システムの要素として使用できる。

本発明は添付図面を参照して以下に説明される。

熱交換器１は２個のタンク２，２’を含む。冷却／加熱される媒体のためのチューブ３は、タンク２，２’の連結面４，４’の間を延在するように配置され、また、冷却／加熱を行う媒体のためのダクト５は、チューブ３の長手方向に対して傾いて延在するように配置されている。ダクト５は、チューブ３上に配置されたフランジ６で形成されている。連結面４，４’は、冷却／加熱を行う媒体の流れる方向に向かって互いに接近するように配置されている。冷却／加熱を行う媒体の流れる方向は、図１中に矢印Ｆで表されている。

図１および図２に見られるように、冷却／加熱を行う媒体の流れる方向に見て、上流側のチューブ３の部分７が基本的に熱交換器１の全幅を横断して延在する、すなわち、一方のタンク２のコーナー８から第二のタンク２’の対応するコーナー８’まで延在するようにして、連結面４，４’は次第に接近されている。上流側の部分７は、冷却／加熱する媒体が熱交換器１へ到達したときに出合うチューブ３の最初の部分である。特に冷却／温められる媒体の粘性および他の特性によれば、コーナー８，８’にさらに大きな空間が必要となり、その場合はそれらのコーナーは図１よりもさらに鋭角に形成されることになる。

また、冷却／加熱を行う媒体の流れる方向に見て、チューブ３の下流側の部分９がタンクに十分な寸法を与えることのできる長さである熱交換器の幅の一部を横断して延在するように、連結面４，４’は次第に接近されている。この十分な寸法とは、全体寸法の同じ熱交換器において基本的に連結面の平行なタンクが有する容積と同じ容積をタンクが有していることを一般に意味する。

図面において、連結面４，４’は真っ直ぐであるが、それらの表面が例えば凸面または凹面のような異なる形状を有利に有する応用例もある。タンク２，２’のデザインもまた変化され得る。それらの機能は、冷却／加熱される媒体をチューブ３の間に分配することも含む。したがって、横断面の大きさは、最適な配分を保証するために垂直方向に変化させることができる。

図３に見られるように、それぞれのタンク２，２’に接近した領域の流れダクト５１は冷却／加熱する媒体のための他の流れダクト５２に対して傾いており、それらの領域の流れダクト５１はそれぞれのタンク２，２’に接近して位置するほど、それぞれのタンク２，２’の連結面４，４’との平行状態に近づく。他の流れダクト５２は、基本的に、チューブ３の長手方向に対して直角に延在する。

図４は実施それぞれのタンクに接近した領域のダクト５３が、冷却／加熱する媒体の流れる方向に見て熱交換器の上流側７から下流側９へと、全長を延在していない実施例を概略的に示している。

図３および図４の実施例は、熱交換器を通して冷却／加熱する媒体を最適な流れ状態のもとで流す、すなわち熱交換器の上流側７にてダクト５，５１，５２，５３に流入させ、また熱交換器の下流側にてダクト５，５１，５２，５３から流出させることのできる好ましい実施例を示している。

連結面４，４’は、基本的にチューブ３の長手方向に対して４５゜の角度で次第に接近することが好ましい。これは、熱交換器１の製造時に、切落しによる不必要な無駄を生じることなく、チューブ３を切断できるようにする。何故なら、端部を４５゜の角度で切断されたチューブ３を回転させることで重ねて容易に熱交換器１に使用できるからである。

この熱交換器が自動車、例えばトラックの水冷却器とされる場合、冷却される媒体はラジエータ流体、通常は水／グリコールの混合液であり、冷却する媒体は自動車が運転されるとき、または車輌ファンが回転されているときは、ダクト５に流入される大気である。ラジエータ流体は入口１０を通って一方のタンク２に流入し、入口１１を通って第二のタンク２’から流出する。この熱交換器が他の形式の冷却器または加熱器とされる場合、各種の媒体が意図する冷却器／加熱器に必要とされる。

上述したようなデザインは、熱交換器の全体寸法を大きくすることなく熱交換器の上流側の面積部分を大きくすることを可能にする。上流側の面積部分は冷却／加熱する媒体が最初に出合う面積部分であり、すなわち例えばトラックの前部グリルの裏側に嵌込まれる場合は熱交換器の前面である。この上流側の面積部分は、冷却／加熱される媒体と冷却／加熱する媒体との間の温度差が最も大きい箇所であるので、最も有効な熱伝達面積部分である。熱交換器の所定の全体寸法に関して、本発明はより効果的な熱伝達を行う。

上述は単なる図示例であり、発明の範囲を制限することはない。保護範囲は以下に述べる請求項によってのみ限定される。したがって、この熱交換器は自動車の水冷却器以外の熱交換器とすることができ、例えば、車輌の空調システムの供給空気用冷却器または熱交換器とされることができる。本発明は自動車に限られず、例えば旅客車輌、建設機械および他のいずれかの望ましい乗物、また、車輌構成部分、例えば空調システムなどに応用できる。

本発明の好ましい実施例の熱交換器を上から見て概略的に示している。 本発明の好ましい実施例の熱交換器を前から見て概略的に示している。 本発明の好ましい実施例の熱交換器の上から見た概略横断面図である。 本発明の好ましい実施例の熱交換器の前から見た概略横断面図である。

符号の説明

１ 熱交換器
２，２’ タンク
３ チューブ
４，４’ 連結面
５ ダクト
６ フランジ
７ 上流側
８，８’ コーナー
９ 下流側
１０ 入口
１１ 入口
５１，５２，５３ 流れダクト

Claims (7)

1. ２個のタンク（２，２’）を含み、冷却／加熱される媒体のための複数のチューブ（３）がタンク（２，２’）の連結面（４，４’）の間を延在するように配列され、チューブ（３）の長手方向に対して斜めに延在するように配列された冷却／加熱を行う媒体のためのダクト（５）がチューブ（３）の間に配置され、冷却／加熱を行う媒体の流れる方向に沿って前記連結面（４，４’）が次第に接近するように配置された熱交換器（１）であって、それぞれのタンクに接近した領域の流れダクト（５１）が冷却を行う媒体のための他の流れダクト（５２）に対して斜めに配置され、それぞれの連結面（４，４’）に近い領域の流れダクト（５１）ほど連結面（４，４’）との平行状態に近づいて延在するようになされていることを特徴とする熱交換器（１）。
2. 冷却／加熱を行う媒体の流れる方向に見て上流側のチューブ（３）の部分が基本的に熱交換器（１）の全幅を横断して延在するようにして、連結面（４，４’）が次第に接近するように配置されたことを特徴とする請求項１に記載された熱交換器（１）。
3. 冷却／加熱を行う媒体の流れる方向に見て下流側のチューブ（３）の部分が熱交換器（１）の幅の一部を横断して延在するように、連結面（４，４’）が次第に接近するように配置され、これがタンク（２，２’）の寸法を十分な大きさにする請求項２に記載された熱交換器（１）。
4. 連結面（４，４’）が、基本的に、チューブ（３）の長手方向に対して４５゜の角度で次第に接近することを特徴とする請求項１から請求項４までのいずれか一項に記載された熱交換器（１）。
5. ２個のタンク（２，２’）を含み、冷却／加熱される媒体のための複数のチューブ（３）がタンク（２，２’）の連結面（４，４’）の間を延在するように配列され、チューブ（３）の長手方向に対して斜めに延在するように配列された冷却／加熱を行う媒体のためのダクト（５）がチューブ（３）の間に配置され、冷却／加熱を行う媒体の流れる方向に沿って前記連結面（４，４’）が次第に接近するように配置された熱交換器（１）において熱交換をより効果的に行うようにする方法であって、熱交換器の上流側から延在するダクト（５３）を前記連結面（４，４’）へ向けて配置させ、それらのダクトはそれぞれの連結面に達する前に終端されることを特徴とする方法。
6. それぞれの連結面の直前で終端されるダクト（５３）が、共通の、特にそれぞれの連結面に平行に延在して熱交換器の上流側から下流側へ延在しているダクトで終端するようになされたことを特徴とする請求項５に記載された方法。
7. 請求項１から請求項６までのいずれか一項に記載された熱交換器を、例えば冷却器として自動車に使用すること。

Images