JP4361847B2 - タイヤ故障原因の定量解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、走行車両に装着されたタイヤに作用する力だけではなく、車両走行速度、走行路面の高低差、カーブ、勾配情報等のタイヤ使用条件の厳しさも考慮して、タイヤ故障原因が、タイヤ自体あるいはタイヤ使用条件の厳しさの問題であるかを定量的に解析することができるタイヤ故障原因の定量解析方法に関するものである。
従来、車両に装着したタイヤが故障し、その故障原因が不明である場合、かかる故障の原因が、タイヤ自体に問題があったのか、あるいは、タイヤ自体の問題ではなく、タイヤ使用条件に問題があったのかを判別する手段がなかった。
タイヤ故障原因としては、例えばタイヤに作用する力が適正範囲を超えて大きい場合等が挙げられる。タイヤに作用する力を測定する手段としては、走行車両に加速度計を装着し、タイヤに作用する力を加速度として測定する方法が有用である。
しかしながら、従来の加速度測定方法は、走行路面の高低差、カーブ、勾配等のタイヤ使用条件の様々な因子を包含しているため、各因子を分離することが難しく、タイヤ故障原因としてタイヤ使用条件が関与する場合には、タイヤ故障原因を明らかにすることは難しい。
加えて、従来の加速度測定方法は、アナログデータを記録装置に一旦取り込んでから、アンプ等で増幅したり、アナログデータをデジタルデータに変換しなければ、得られた任意のデータをグラフ等にして定量的な解析処理ができないという問題もある。
また、走行車両の加速度を、走行車両の位置データや走行距離等のタイヤ使用条件を考慮して計測する方法としては、例えば、走行車両の加速度の測定と同期させて、走行車両の位置データや走行距離等のタイヤ使用条件をGPS(Global Positioning System)を用いて計測する方法が、例えば特許文献1に開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された方法は、路面状態により走行中の滑りやすさを判定する路面状態判定方法であり、タイヤ故障を判別するものではない。
特開2004−175349号公報
本発明の目的は、走行車両に装着されたタイヤに作用する力だけではなく、車両走行速度、走行路面の高低差、カーブ、勾配情報等のタイヤ使用条件の厳しさも考慮して、タイヤ故障原因が、タイヤ自体とタイヤ使用条件の厳しさのいずれにあるのかを定量的に解析することができるタイヤ故障原因の定量解析方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明は、GPSから走行する車両の位置データを受信し、この受信と時刻同期させて、車両に作用する前後、左右および上下方向の3軸加速度を同時に計測し、受信した車両位置データ及び計測した3軸加速度データから、タイヤ使用条件の厳しさを定量的に解析し、解析した結果を表示することを特徴とするタイヤ故障原因の定量解析方法であって、前記車両位置データは、水平面のみを考慮した平面的な位置データ、又は、水平面と鉛直方向の双方を考慮した立体的な位置データであるタイヤ故障原因の定量解析方法である。
また、前記位置データは、水平面と鉛直方向の双方を考慮した立体的な位置データであることが好ましい。
さらに、前記定量解析方法は、前記立体的な車両位置データから、車両走行速度、走行路面の高低差及び勾配情報を算出すること、及び/又は、得られた3軸加速度データから、任意に選択された車両走行区間における加速度の頻度分布を算出することが好ましい。
さらにまた、前記定量解析方法は、車両の全走行軌跡のうち、得られたデータの中から表示したいデータを、所望の車両走行区間で任意に選択して表示させることが可能なプレイヤー機能を有することがより好適である。
なお、タイヤ使用条件の厳しさを、ビード部故障の生じやすさとベルト部故障の生じやすさを算出し、これらを合算した数値によって定量的に解析することが好ましい。
ビード部故障の生じやすさは、タイヤに作用する負荷荷重比率、上下方向と前後方向の加速度、並びに走行路面の勾配の値から算出することが好適である。
トレッド部故障の生じやすさは、タイヤ発熱ファクタと、タイヤに作用する横方向の加速度の値から算出することが好適である。
この発明は、走行車両に装着されたタイヤに作用する力だけではなく、車両走行速度、走行路面の高低差、カーブ、勾配情報等のタイヤ使用条件の厳しさも考慮して、タイヤ故障原因が、タイヤ自体とタイヤ使用条件の厳しさのいずれにあるのかを定量的に解析することができるタイヤ故障原因の定量解析方法の提供が可能になる。
また、この発明の定量解析方法は、ユーザが実際に適用するあるいは将来適用したいタイヤ使用条件で車両を走行させてタイヤ故障、例えばタイヤ故障に大きく影響を与える、タイヤに加わる入力の定量解析を行うことができるため、かかる定量解析の結果に基づいて、タイヤ使用条件の厳しさに耐えうる構造を有するタイヤを開発して、ユーザに対しユーザが実際に適用するタイヤ使用条件に適合したタイヤを提供することが可能になるという効果がある。
以下、本発明の実施形態の具体例について説明する。
この発明のタイヤ故障原因の定量解析方法を具現化するための定量解析システム1は、位置データ受信手段2、加速度計測手段3、データベース部4、データ解析手段5及び表示手段6によって主に構成されている。
位置データ受信手段2は、車両Vに搭載され、GPS(Global Positioning System)からの走行車両の位置データを受信するためのものであって、具体的には、アンテナ一体型GPS受信機が挙げられ、車両装着位置としては、例えば図2及び図3に示すように、車両前方位置にアンテナを装着すればよい。
GPSから得られる位置データとしては、水平面、すなわち、車両が勾配のないフラットな路面に位置する場合を想定したときの、車両の前後方向Lと左右方向Wを含む平面を考慮した平面的な位置データだけでもよいが、特に、この水平面の位置データに加えて、鉛直方向Hの位置データ、すなわち標高についても考慮した立体的な位置データであることが、車両の速度、路面の高低差及び勾配等の他の有益なデータ(情報)を算出できる点で好ましい。
加速度計測手段3は、位置データ受信手段2で受信した前記位置データと時刻同期させて、走行車両に作用する前後、左右および上下方向の3軸加速度を計測するためのものであって、具体的には、3軸加速度を同時に測定できる3軸加速度計が挙げられ、車両装着位置としては、例えば、タイヤに作用する3軸加速度を精度よく計測できる位置、具体的には、車両のサスペンションの緩衝作用が生じない、いわゆるばね下重量位置に装着することが好ましい。なお、図2では、一例として、1台の3軸加速度計を、車両に装着した前後左右輪タイヤのうち、今回の走行条件においてタイヤに作用する力(負荷)が最も過酷であった左前輪タイヤに近い位置に装着した場合を示したが、かかる構成には限定されず、他のタイヤに近い位置に装着したり、あるいは、4台の3軸加速度計を配設してもよく、後者の場合には、各前後左右輪タイヤ近くの位置で、好ましくは各タイヤの配設位置よりも車両内側に配設することが好ましい。
データベース部4は、位置情報受信手段2によって受信した位置データ及び加速度計測手段3によって計測した3軸加速度データを格納するためのものである。
データ解析手段5は、データベース部4に格納された位置データおよび3軸加速度データを処理して、タイヤ使用条件の厳しさを定量的に解析するためのものであって、例えば、PC(パーソナルコンピューター)等のコンピューターが挙げられる。
表示手段6は、データ解析手段によって解析した結果を表示するためのものであって、例えばCRT等のモニターが挙げられる。
また、データ解析手段5は、位置データ受信手段2から得られる位置データが立体的な位置データである場合には、車両走行速度、走行路面の高低差及び勾配情報等の有益なデータ(情報)を算出することができる。
加えて、所定時間(例えば1秒間)ごとに得られた3軸加速度データを、データベース部4に階層数(例えば加速度0.01G)区分ごとに格納しておくこともでき、このようにすれば、その後、データ解析手段5を用いて、階層数区分ごとに格納された加速度データの数をプロットすることも可能であり、これによって、任意に選択された車両走行区間における加速度の頻度分布を算出することもできる。
なお、この発明の定量解析システム1は、車両の全走行軌跡のうち、得られたデータの中から表示したいデータを、所望の車両走行区間で任意に選択して表示させることが可能なプレイヤー機能を有するように構成することが好ましい。
次に、上記構成を有する定量解析システム1を用いてタイヤ故障原因の定量解析を行う方法の一例を説明する。
車両、例えば建設車両Vに装着したタイヤの故障原因を調べるため、ユーザが車両を実際に使用(走行)してタイヤ故障が生じた場所(例えば採鉱場)まで建設車両を移動させる。
そして、位置データ受信手段2であるアンテナ一体型GPS受信機と、加速度計測手段3である3軸加速度計を搭載した建設車両Vを、ユーザが実際に使用しタイヤ故障が生じた場所(路面上)で走行させる。
このとき、GPSからの走行車両Vの位置データを、車両Vに搭載したGPS受信機2によって受信し、この受信したデータから、実際に走行した建設車両Vの軌跡が特定される。尚、GPS受信機2から得られるデータ(情報)としては、例えば、測位日、時差、測位時刻、緯度、経度、海抜高度、データクオリティ、速度、チェックサム等である。
また、GPS受信機2で受信した位置データと時刻同期させて、3軸加速度計3によって走行車両Vに作用する前後、左右および上下方向の3軸加速度も計測する。尚、3軸加速度計で得られるデータ(情報)としては、例えば、測位日、時差、測位時刻、加速度X軸数値、加速度Y軸数値、加速度Z軸数値、チェックサム等である。
次に、GPS受信機2によって受信した位置データ及び加速度計測手段によって所定時間(例えば1秒間)ごとに計測した3軸加速度データをデータベース部4に格納する。
そして、データベース部4に格納された位置データおよび3軸加速度データを用いて、データ解析手段である携帯可能なノート型PC5によって、タイヤ使用条件の厳しさを定量的に解析して、PC5と一体型であるモニター6によってグラフ等で表示させることができる。尚、ここでは、データベース部4、データ解析手段5および表示手段6を有するノート型PC5を車両Vに搭載する構成を採用して、走行終了後、直ちに解析処理を行ったり、あるいは、後日、ノート型PC5を車両Vから取り外して、別の場所で解析処理を行うことを可能としたが、この発明では、この構成だけには限定されず、例えば、車両Vに送信機をさらに搭載すれば、他の場所で位置データおよび3軸加速度データを受信して解析することもまた可能である。
図5は、建設車両に搭載したGPS受信機2により建設車両Vが走行したときの3つのルートA,B,Cを測定したときの平面的な軌跡を示す。なお、図5の下部に示す表示は、2003年12月21日の9時21分16秒から19時21分15秒までの9時間59分59秒の間にわたってデータ計測したことを示しており、また、図5の上部に示す表示は、所望の車両走行区間で任意に選択して表示させることが可能なプレイヤー機能を有すること示す。
図6(a)は、図5に示す3つのルートA,B,Cの中から解析したいルートAだけを抜き出して示したものであり、図6(b)は、プレイヤー機能を用いて、モニターに表示されたルートAの軌跡であるS地点とE地点間で、解析者が解析したい場所である中途位置(M地点)で停止させた状態を示してある。尚、この場合では、S地点で採掘した鉱石を積み込んだ後、上り坂を走行してE地点で停止し、次いで、E地点で鉱石を積み下ろした後、E地点から下り坂を走行してS地点で停止するまでの軌跡(ルートA)を解析することを想定したものである。
図7(a)は、データベース部4に格納されたデータを用い、建設車両VでルートAを3往復したときの、走行時間(走行時間は走行距離としての表示も可能である。)を横軸とし、走行速度を左縦軸、走行路面の標高を右縦軸としてモニターしたときの一例を示すグラフであり、図中の水平線は、カーソル機能を使って移動させることができ、この水平線をグラフのピーク位置に合わせると、各縦軸のデータのピーク値を表示させることもできる。また、図7(b)は、図7(a)に示す3往復分のデータから、所望の1往復分(最初の1往復分)のデータだけをモニター化したときのグラフである。なお、カーソル機能は、水平方向に限らず垂直方向に設定してもよい。
図8(a)は、データベース部に格納されたデータを用い、建設車両でルートAを3往復したときの、走行時間(走行時間は走行距離としての表示も可能である。)を横軸とし、走行速度および車両に作用する横加速度(横Gともいう。)を縦軸としてモニターしたときの一例を示すグラフであり、図中の水平線は、カーソル機能を使って移動させることができ、この水平線をグラフのピーク位置に合わせると、各縦軸のデータのピーク値を表示させることもできる。また、図7(b)は、図7(a)に示す3往復分のデータから、所望の1往復分(最初の1往復分)のデータだけをモニター化したときのグラフである。このグラフは、抜き出したい場所のスタート時間とエンド時間を入力(選択)することによって、簡単に表示させることができる。なお、カーソル機能は、水平方向に限らず垂直方向に設定してもよい。
図9(a)、(b)、(c)は、解析したい特定走行区間での加速度頻度分布を示したものであって、図9(a)は、加速度頻度分布を算出する特定走行区間(ルートA)の軌跡を示したもの、図9(b)、(c)は、横加速度(G)を横軸として特定走行区間での頻度を縦軸として示したものである。なお、図9(b)は、車両の左右方向の加速度(G)を絶対値として処理した場合、図9(c)は、車両の左右方向の横加速度(G)を分離して処理し、左旋回時の横加速度(右方向の横加速度)を正の値、右旋回時の横加速度(左方向の横加速度)を負の値として示してある。また、図9(b)、(c)では、横軸を横加速度とした場合を示したが、走行車両に作用する前後および上下方向の加速度のいずれかを選択すれば、選択した加速度を横軸としてモニターに表示することもできる。なお、上下方向の加速度の値は、重力加速度分を差し引いてから表示されるように設定することが好ましい。
このように特定走行区間での加速度頻度分布、特に横加速度分布がわかれば、横加速度の限界値(例えば0.1G)を設定することによって、かかる限界値を超えた割合(カウント数)が大きいほど、タイヤ使用条件が厳しいことを定量的に明らかにすることができる。
ここで、走行軌跡から抜き出した2地点間での走行路面の平均勾配は、以下の式によって算出する。
平均勾配=H/√(D−H
但し、Hは2地点間の高度差(m)、Dは2地点間の3次元的距離(m)を意味する。
また、走行軌跡から抜き出した2地点間での平均走行速度は、以下の式によって算出する。
平均走行速度=(60×60×D)/(1000×t)
次に、この発明の定量解析方法によって得られた各種データから、実際にタイヤ故障原因を定量解析したので、その一例を以下で説明する。
タイヤ故障は、主に、タイヤ全体(ケース)としての変形に伴うビード部故障と、ベルトを含むトレッド部での発熱に伴うトレッド部故障に大別される。
ビード部故障に影響を与える因子としては、主としてタイヤに作用する負荷荷重比率および上下方向と前後方向の加速度、並びに走行路面の勾配が挙げられる。
ここでいう「タイヤに作用する負荷荷重比率」とは、走行させる建設車両のタイヤ1本当たりにかかる実際の荷重を、TRAやJATMA YEAR BOOKに記載されている最大負荷能力(最大荷重)で除したときの比率であり、この負荷荷重比率が大きいほど、ケース変形は大きくなって、ビード部故障が生じやすくなることを意味する。
また、タイヤに作用する上下方向、前後方向および横(左右)方向の加速度のうち、上下方向および前後方向の加速度は、タイヤのビード部とリムとの間でせん断歪を生じさせる方向に作用するため、ビード部故障に大きな影響を与える。
一方、トレッド部故障に影響を与える因子としては、主としてタイヤ発熱ファクタと、タイヤに作用する横(左右)方向の加速度(横G)が挙げられる。
タイヤ発熱ファクタとしては、具体的には、タイヤ自体が有する理論上の運搬能力(以下「理論運搬能力」という。)に対する、タイヤが実際に運搬したときの運搬能力(以下「実運搬能力」という。)の比で表わされ、この比が1よりも小さい使用条件でタイヤが使用された場合には、発熱に起因したトレッド部故障が理論的には生じないことを意味する。
ここで、実運搬能力は以下の式で算出することができる。
平均タイヤ負荷荷重(トン)=(空車時のタイヤ負荷荷重+積載時のタイヤ負荷荷重)/2
平均走行速度=(往復運搬距離(km))×(往復回数(回))/(走行時間(h))
実運搬能力=(平均タイヤ負荷荷重(トン))×(平均走行速度(km/h))
また、理論運搬能力は、タイヤ限界発熱温度を基準に室内ドラムテストや屋外実車テストによって決定することができ、例えば以下の式で表わされる。
理論運搬能力=タイヤ限界発熱温度以内となる(タイヤ負荷荷重(トン))
×(走行速度(km/h))の値の最大値
なお、ここでいう「タイヤ限界発熱温度」とは、具体的にはベルトコードとコーティングゴムが剥離するときの温度をいい、タイヤ種ごとに決定される。
タイヤに作用する横(左右)方向の加速度(横G)は、トレッド部、特にベルト端部に大きな歪を生じさせてトレッド部故障に影響を与えるが、上下方向、前後方向の加速度は、トレッド部故障に対しては、さほど影響を及ぼさない。
図10は、本発明の定量解析方法によって求めたデータを定量的に解析することによって得られた図であり、ビード部故障の生じやすさを縦軸とし、ベルト部故障の生じやすさを横軸として、タイヤ使用条件の厳しさのレベルを領域ごと(図10では3つの領域)に区画したものである。
ビード部故障の生じやすさは、タイヤに作用する負荷荷重比率、上下方向と前後方向の加速度、並びに走行路面の勾配の値から算出した数値で示してあり、具体的には以下の式により算出される。
例えば、240トン積みトラック(車両重量:120トン)の場合を例にして説明すると、トラックに装着するタイヤは、タイヤサイズが4000R57、タイヤ最大負荷能力(最大許容荷重)W(Std)が60.0トン、5%勾配(積載して登り勾配)時のタイヤ荷重W(grad)が60.7トン、0.1G以上の上下方向加速度の頻度Gverf(0.1)が6.2%、0.1G以上の前後方向加速度の頻度Glonf(0.1)が10.2%であるとし、ビード部故障の生じやすさを示す指数Y(Index)は以下の式によって算出され、この指数Y(Index)が大きいほど、ビード部故障が生じやすいことを意味する。
Y(Index)={(W(grad))/(W(Std))}×(1+Gverf(0.1))×(1+Glonf(0.1))
=(66.7/60.0)×1.062×1.102
=1.301
トレッド部故障の生じやすさは、タイヤ発熱ファクタと、タイヤに作用する横(左右)方向の加速度(横G)の値から算出した数値で示してあり、具体的には以下の式により算出される。
例えば、240トン積みトラック(車両重量:120トン)の場合を例にして説明する。トラックに装着するタイヤは、タイヤサイズが4000R57、理論運搬能力TKPH(Nominal)が940、実運搬能力TKPH(Operating)が1105、0.1G以上の横(左右)加速度の頻度Glatf(0.1)が8.3%であるとし、トレッド部故障の生じやすさを示す指数X(Index)は以下の式によって算出され、この指数X(Index)が大きいほど、トレッド部故障が生じやすいことを意味する。
X(Index)={(TKPH(Operating))/(TKPH(Nominal))}/(1+Glatf(0.1))
=(1105/940)×1.083
=1.273
このように、図10を作成すれば、タイヤ故障の生じる原因が、タイヤ自体にあるのか、あるいは、タイヤ使用条件の厳しさにあるのかを定量的に判断することができる。
上述したところは、この発明の実施形態の代表的な例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
この発明は、走行車両に装着されたタイヤに作用する力だけではなく、車両走行速度、走行路面の高低差、カーブ、勾配情報等のタイヤ使用条件の厳しさも考慮して、タイヤ故障原因が、タイヤ自体とタイヤ使用条件の厳しさのいずれにあるのかを定量的に解析することができるタイヤ故障原因の定量解析方法の提供が可能になる。
また、この発明の定量解析方法は、ユーザが実際に適用するあるいは将来適用したいタイヤ使用条件で車両を走行させてタイヤ故障の定量解析を行うことができるため、かかる定量解析の結果に基づいて、タイヤ使用条件の厳しさに耐えうる構造を有するタイヤを開発して、ユーザに対しユーザが実際に適用するタイヤ使用条件に適合したタイヤを提供することが可能になるという効果がある。
本発明に従う定量解析方法を具現化するための代表的な定量解析システムのフローチャートである。 本発明に従う定量解析方法を具現化する定量解析システムを搭載した建設車両の側面図である。 図2に示す建設車両の正面図である。 図2に示す建設車両の背面図である。 建設車両に搭載したGPS受信機2により建設車両Vが走行したときの3つのルートA,B,Cを測定した平面的な軌跡を、モニター上に表示したときの図である。 図5に示す3つのルートA,B,Cの中から解析したいルートAだけを抜き出して示したものであり、(b)は、プレイヤー機能を用いて、モニターに表示されたルートAの軌跡であるS地点とE地点間で、解析者が解析したい場所である中途位置(M地点)で停止させた状態を示した図である。 (a)は、建設車両VでルートAを3往復したときの、走行時間を横軸とし、走行速度を左縦軸、走行路面の標高を右縦軸としてモニターしたときの一例を示すグラフであり、(b)は、(a)に示す3往復分のデータから、所望の1往復分(最初の1往復分)のデータだけをモニター化したときのグラフである。 (a)は、建設車両でルートAを3往復したときの、走行時間を横軸とし、走行速度および車両に作用する横加速度を縦軸としてモニターしたときの一例を示すグラフであり、(b)は、(a)に示す3往復分のデータから、所望の1往復分(最初の1往復分)のデータだけをモニター化したときのグラフである。 (a)、(b)、(c)は、解析したい特定走行区間での加速度頻度分布を示したものであって、(a)は、加速度頻度分布を算出する特定走行区間(ルートA)の軌跡を示したもの、(b)および(c)は、横加速度(G)を横軸として特定走行区間での頻度を縦軸として示したものであって、(b)は、車両の左右方向の加速度(G)を絶対値として処理した場合、(c)は、車両の左右方向の横加速度(G)を分離して処理した場合である。 ビード部故障の生じやすさを縦軸とし、ベルト部故障の生じやすさを横軸として、タイヤ使用条件の厳しさのレベルを領域ごと(図10では3つの領域)に区画したときの一例を示す概念図である。
符号の説明
1 定量解析システム
2 位置データ受信手段(又はGPS受信機)
3 加速度計測手段(又は3軸加速度計)
4 データベース部
5 データ解析手段(又はコンピューター)
6 表示手段(又はモニター)

Claims (8)

  1. GPSから走行する車両の位置データを受信し、この受信と時刻同期させて、車両に作用する前後、左右および上下方向の3軸加速度を同時に計測し、受信した車両位置データ及び計測した3軸加速度データから、タイヤ使用条件の厳しさを定量的に解析し、解析した結果を表示することを特徴とするタイヤ故障原因の定量解析方法であって、
    前記車両位置データは、水平面のみを考慮した平面的な位置データ、又は、水平面と鉛直方向の双方を考慮した立体的な位置データであるタイヤ故障原因の定量解析方法。
  2. 前記車両位置データは、水平面と鉛直方向の双方を考慮した立体的な位置データである請求項1記載のタイヤ故障原因の定量解析方法。
  3. 前記定量解析方法は、前記立体的な車両位置データから、車両走行速度、走行路面の高低差及び勾配情報を算出する請求項記載のタイヤ故障原因の定量解析方法。
  4. 前記定量解析方法は、得られた3軸加速度データから、任意に選択された車両走行区間における加速度の頻度分布を算出する請求項1〜のいずれか1項記載のタイヤ故障原因の定量解析方法。
  5. 前記定量解析方法は、車両の全走行軌跡のうち、得られたデータの中から表示したいデータを、所望の車両走行区間で任意に選択して表示させることが可能なプレイヤー機能を有する請求項1〜のいずれか1項記載のタイヤ故障原因の定量解析方法。
  6. タイヤ使用条件の厳しさを、ビード部故障の生じやすさとベルト部故障の生じやすさを算出し、これらを合算した数値によって定量的に解析する請求項1〜のいずれか1項記載のタイヤ故障原因の定量解析方法。
  7. ビード部故障の生じやすさは、タイヤに作用する負荷荷重比率、上下方向と前後方向の加速度、並びに走行路面の勾配の値から算出する請求項記載のタイヤ故障原因の定量解析方法。
  8. トレッド部故障の生じやすさは、タイヤ発熱ファクタと、タイヤに作用する横方向の加速度の値から算出する請求項または記載のタイヤ故障原因の定量解析方法。
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