JP4361704B2 - 非線形歪み補償方法及び非線形歪み補償回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線送信機等で用いられる直交変調回路に係り、特にベースバンド信号を直交変調した後に高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する非線形歪み補償方法及び非線形歪み補償回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直交変調回路では、ベースバンド信号を直交変調した後、変調信号を高電力増幅するが、このとき電力効率を向上させるために非線形増幅し、これにより、増幅した変調信号に非線形歪みが発生するため、発生した歪みを補償して入出力特性を線形化することが行われている。このような非線形歪みを補償する従来の方法として、図6に示すようなプリディストーション式の非線形歪み補償方式がある。
【0003】
図6において、ベースバンド信号I,Qは歪み補償演算部1を通って、D/Aコンバータ2、D/Aコンバータ3に入力され、ここでアナログ信号に変換され、直交変調器4に入力される。直交変調器4に入力されたベースバンド信号I,Qは直交変調され、更に、高電力増幅器(HPA)5で高電力増幅されて出力される。
ここで、補償データテーブル7は、高電力増幅器5の増幅時の非線形特性を予め測定した結果を用いて作成された補償データをテーブル化して保持している。電力計算器6はベースバンド信号I,Qの電力を計算し、得られた電力を補償データテーブル7に出力する。
【0004】
補償データテーブル7はベースバンド信号I,Qの電力に応じてそのテーブルを参照し、対応する補償データを読み出して、歪み補償演算部1に出力する。
これにより、歪み補償演算部1は入力される直交変調する前のベースバンド信号I,Qに高電力増幅器4で生じる非線形歪みをキャンセルさせるような逆特性の歪みを予め加えて、D/Aコンバータ2、3に出力する。このため、高電力増幅器5で高電力増幅された変調信号には非線形歪みが含まれないことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のプリディストーション式の非線形歪み補償方式では、ベースバンド信号の電力に応じてその補償データテーブルを参照するものであるため、高電力増幅器5の特性のバラツキや温度変化などにより回路全体の性能が劣化し易いという欠点があった。
【0006】
そこで、図7に示すように、高電力増幅器5の出力を方向性結合器8で分岐し、この分岐出力信号を直交復調器9で直交復調してから補償データ演算部10にフィードバックさせる方式の回路が提案されている。この回路の補償データ演算部10は前記フィードバック情報に応じた係数を内蔵の補償データテーブル(図6の補償データテーブル7と同様のもの)のデータに乗算して補正をかけて、高電力増幅器5の特性のバラツキや温度変化に依らず、精度の高い補償データを歪み補償演算部1に出力して、上記欠点による影響を低減させようとしている。
【0007】
しかし、上記したいずれの回路も、擬似的な非線形歪みを生成し、これを利用しているので、上記欠点を充分に解決してはおらず、また、上記したいずれの回路も複雑なディジタル演算を行うため、回路規模が大きくなり、その結果、消費電力も大きくなるため、特にバッテリーを電源とする送信機では、動作時間が短縮化されるという問題がある。
これに対して上記問題を解決するために本出願の発明者は、図5に示す非線形歪み補償回路を提案した(特願2000−233631)。この非線形歪み補償回路は、方向性結合器又は分配器19、21、遅延回路又は移相器20、減衰器13、減算器14、直交復調部15、位相調整器22、振幅調整器23、24、減算器16、17から構成されている。
【0008】
本非線形歪み補償回路は、直交変調部11と高電力増幅器(HPA)12の間に、方向性結合器又は分配器19を挿入して、直交変調部11から出力される変調信号を分岐し、この分岐した変調信号を遅延回路又は移相器20を通して、その位相を適切にシフトして減衰器13の出力信号の位相に合わせた後、減算器14に入力するようにしている。
【0009】
また、高電力増幅器12の出力も方向性結合器又は分配器21により分岐され、この分岐出力が減衰器13に入力されるように成っている。更に、減算器14から得られる非線形歪み成分も位相調整器22を通して、その位相を調整した後、直交復調部15に入力している。又、直交復調部15により出力されるベースバンドの非線形歪み成分も、振幅調整器23、24を通して、その振幅を適切なものにしてから減算器16、17に入力されている。非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出する非線形歪み抽出部1Aは、方向性結合器または分配器19、21、遅延回路または位相器20、減衰器13、減算器14から構成されている。
【0010】
ところで、上記非線形歪み補償回路では、最も非線形歪みが発生する最大電力出力時に、図5における、可変となっている遅延回路または移相器20と、減衰器13とを調整し、無歪み信号が打ち消しあって最小となり、もっとも精度良く非線形歪み成分のみが減算器14の出力端に現れるようにしたあとは、調整点をそのまま固定にして使用していた。
しかし、出力電力が最大でない時は、最大出力時よりもACPR(Adjacent Channel Power Ratio)が悪化することはないものの、調整点が微妙にずれているので本来のシステム性能が発揮されていないことになる。また、経時変化や大きな周囲温度変化でHPAの特性が微妙に変化することによって、最適調整点がずれる可能性がある。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、経時変化や周囲温度変化に影響されることなく、常時、精度良く、変調信号を高電力増幅することに起因する非線形歪みを上記高電力増幅出力から抽出することが可能な非線形歪み補償方法及び非線形歪み補償回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、ベースバンド信号を直交変調した後、高電力増幅器により非線形高電力増幅する送信機で、前記非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出し、前記非線形歪み成分を位相調整した状態でベースバンド領域に直交復調し、前記ベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳することにより前記非線形高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する非線形歪み補償方法であって、前記高電力増幅器における使用電力出力時に前記高電力増幅器の出力信号を該高電力増幅器の増幅度分だけ減衰させ、該減衰させた前記出力信号から位相調整した該高電力増幅器の入力信号を減算することにより非線形歪み成分のみを抽出する調整を行った後、該非線形歪み成分を直流成分に変換し、該直流成分が最小となるように前記高電力増幅器の出力信号の減衰量を自動的に調整することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、ベースバンド信号を直交変調した後、高電力増幅器により非線形高電力増幅する送信機で、前記非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出する歪み抽出部と、前記非線形歪み成分を位相調整した状態でベースバンド領域に直交復調する直交復調部と、前記ベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳する歪み重畳部とを有し、前記非線形高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する非線形歪み補償回路であって、前記歪み抽出部から出力される非線形歪み成分を直流成分に変換する変換手段と、該変換手段より出力される前記直流成分が最小となるように前記高電力増幅器の出力信号の減衰量を自動的に調整する制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記歪み抽出部は、前記高電力増幅器における使用電力出力時に前記高電力増幅器の出力信号を該高電力増幅器の増幅度分だけ減衰させる減衰器と、前記高電力増幅器における入力信号の位相調整を行う位相調整器と、前記現衰器の出力信号から前記位相調整器の出力信号を減算する減算器とを有し、前記制御手段は、前記変換手段より出力される前記直流成分が最小となるように前記高電力増幅器の出力信号の減衰量を自動的に調整するように前記減衰器を制御することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施の形態に係る非線形歪み補償回路は、ベースバンド信号を直交変調した後、高電力増幅器により非線形高電力増幅する送信機で、前記非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出し、前記非線形歪み成分を位相調整した状態でベースバンド領域に直交復調し、前記ベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳することにより前記非線形高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する非線形歪み補償方法であって、前記高電力増幅器における使用電力出力時に前記高電力増幅器の出力信号を該高電力増幅器の増幅度分だけ減衰させ、該減衰させた前記出力信号から位相調整した該高電力増幅器の入力信号を減算することにより非線形歪み成分のみを抽出する調整を行った後、該非線形歪み成分を直流成分に変換し、該直流成分が最小となるように前記高電力増幅器の出力信号の減衰量を自動的に調整することを特徴とする非線形歪み補償方法を実施するための回路である。
【0016】
本発明の実施の形態に係る非線形歪み補償回路の構成を図1に示す。本実施の形態に係る非線形歪み補償回路が、図5に示す非線形歪み補償回路と構成上、異なるのは図5の非線形歪み抽出部1Aにおける減衰器13の代わりに電子的に制御可能な電圧可変減衰器30を、新たに設け、さらに、減算器14の出力信号を分岐させ、一方の分岐信号である非線形歪み成分を位相調整器22に出力する方向性結合器または分配器40と、方向性結合器または分配器40の他方の分岐信号である非線形歪み成分を直流成分に変換する変換手段としての検波器50と、検波器50の出力信号に基づいて、検波器50より出力される前記直流成分が最小となるように高電力増幅器12の出力信号の減衰量を自動的に調整するように電圧可変減衰器30を制御する制御回路60とを新たに設けた点であり、他の構成は同一であるので、同一の参照符号には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
検波回路50は、例えば、図2に示すように、入力端子500から入力される非線形歪み成分を整流するダイオード501、502からなる整流部と、インダクタンス503及びコンデンサ504からなるローパスフィルタ(LPF)と、ローパスフィルタの出力を直流増幅して出力端子506より制御回路60に出力するオペアンプ505とから構成されている。
【0018】
また、制御回路60は、例えば、図3に示すように、検波器50から出力される直流出力をA/D変換するA/D変換器601と、A/D変換器601の出力を取り込み、検波器50の出力が最小になるように電圧可変減衰器30を制御するための制御電圧を算出するマイクロコンピュータ(またはDSP)602と、マイクロコンピュータ(またはDSP)602の出力をD/A変換するD/A変換器603とから構成されている。なお、検波回路50、制御回路60の構成は上記構成に限定されず、同一の機能を有するものであれば、他の構成によるものでもよい。
【0019】
以下、図1に示した非線形歪み補償回路の動作について説明する。まず、遅延回路または移相器20の位相遅延量及び電圧可変減衰器30の減衰量が、送信周波数に応じて減算器14より非線形高電力増幅する際に生じる非線形歪みのみが抽出されるように最適値に設定された状態について説明する。この状態下では制御回路60は電圧可変減衰器30に対して制御動作を行わない。
【0020】
上記構成において、ベースバンド信号I、Qは、それぞれ減算器16、17で後述する歪み成分e,fが減算されてから直交変調部11に入力される。直交変調部11では、キャリア発生器18で発生されπ/2移相器111でπ/2移相されたキャリアとベースバンド信号Qが乗算器112で乗算された後、加算器114に入力される。
【0021】
ベースバンド信号Iは、キャリア発生器18で発生されたキャリアと乗算器113で乗算された後、更に加算器114に入力され、前記乗算器112の出力信号と加算されて直交変調される。直交変調信号iは、方向性結合器または分配器19により分岐され、一方の分岐出力は高電力増幅器12に、他方の分岐出力は遅延回路または移相器20にそれぞれ、入力される。
【0022】
高電力増幅器12は直交変調信号を非線形高電力増幅(利得K)して出力するが、その出力信号jは、方向性結合器または分配器21により分岐され、出力信号jの一部は電圧可変減衰器30に入力されて、高電力増幅器12の増幅利得分減衰(1/K)され、出力信号kとなって減算器14に入力される。
また、遅延回路または移相器20では、入力された直交変調信号iの分岐出力の位相を適切にシフトして電圧可変減衰器30の出力信号の位相と合わせた状態で減算器14に入力する。
【0023】
減算器14では、高電力増幅器12から方向性結合器または分配器21、電圧可変減衰器30を介して出力され非線形歪みを含んだ信号kから、直交変調部11から方向性結合器または分配器19、遅延回路または移相器20を介して出力された歪みのない直交変調信号lが減算され、非線形増幅歪み成分aのみが抽出される。
【0024】
この非線形増幅歪み成分aは、方向性結合器または分配器40により分岐され、一方の分岐出力は位相調整器22に入力され、他方の分岐出力は検波器50に入力される。
方向性結合器または分配器40の一方の分岐出力は位相調整器22により位相調整された後、直交復調部15の乗算器152、153に入力される。
キャリア発生器18で発生されたキャリアgは、直交復調部15に入力される。
【0025】
直交復調部15では、位相調整器22から出力された非線形歪み成分bが、キャリアgと乗算器152で乗算され、同時にπ/2移相器151でπ/2移相されたキャリアmと乗算器153で乗算されて復調され、振幅調整器23、24を介してベースバンド領域の歪み成分e,fとなって、減算器16、17に入力される。
【0026】
従って、減算器16では、ベースバンド信号Iから高電力増幅器12で増幅動作により生じる歪み成分eが予め減算されることによって、逆歪み成分が重畳されたベースバンド信号Iが直交変調部11に入力される。
また、減算器17では、ベースバンド信号Qから高電力増幅器12で増幅動作により生じる歪み成分fが予め減算されることによって、逆歪み成分が重畳されたベースバンド信号Qが直交変調部11に入力される。
【0027】
即ち、前記減算器16、17では、減算器14で抽出した歪み成分を直交復調することにより生成されるベースバンド領域における逆歪み特性(高電力増幅時に発生する非線形歪み成分をキャンセルする特性)の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳していると言える。従って、前記逆の歪み成分が重畳されたベースバンド信号が直交変調部11により直交変調された後、高電力増幅器12で非線形高電力増幅される時に発生する非線形歪みはキャンセルされる。
【0028】
次に、高電力増幅器12の特性が周囲温度の変化等により変化した場合の制御回路60による制御動作を、図4を参照して説明する。同図において、ステップ100では、非線形歪み抽出部1Aにおいて、減算器14より高電力増幅器12の非線形増幅に起因する非線形歪み成分のみが精度良く出力されるように遅延回路または移相器20、電圧可変減衰器30により最適調整された状態での検波器50の出力である検波電圧をV0、そのときの電圧可変減衰器30に制御回路60より供給されている制御電圧をVc、電圧可変減衰器30に制御回路60より供給されている前前回の制御電圧をVc0、前回の制御電圧をVcp、検波器50の出力の誤差電圧Veの前回の誤差電圧をVep、制御回路60より電圧可変減衰器30に供給する制御電圧の可変幅である制御ステップ電圧をΔV(ΔV>0)とし、Vc0=Vc、Vcp=Vc、Vep=0に制御回路60内のメモリに初期設定する。ここで、誤差電圧Veとは、減算器14より上記非線形歪み成分のみが出力されている時点における検波器50の出力を基準とする検波器50の出力の差電圧をいう。
【0029】
次いで、検波器50の出力である検波電圧VLを読み込み(ステップ101)、検波器50の誤差電圧Ve(Ve=VL−V0)を求める(ステップ102)。次いで、ステップ103で、Ve>Vepであるか否が判定される。すなわち、検波器50の前回の誤差電圧と今回の誤差電圧との大小比較が行われる。ステップ103の判定が肯定された場合、すなわち、特性が劣化したと判定された場合には、ステップ104に進み、ステップ103の判定が否定された場合、すなわち特性が向上したと判定された場合には、ステップ105に進む。
【0030】
ステップ104では、Vcp>Vcoであるか否かが判定される。ステップ104の判定が肯定された場合には、電圧可変減衰器30に供給する制御電圧Vcを、Vc=Vcp−ΔVとする(ステップ106)。また、ステップ104の判定が否定された場合には、電圧可変減衰器30に供給する制御電圧Vcを、Vc=Vcp+ΔVとする(ステップ107)。
【0031】
一方、ステップ105では、Vcp>Vcoであるか否かが判定される。ステップ105の判定が肯定された場合には、電圧可変減衰器30に供給する制御電圧Vcを、Vc=Vcp+ΔVとする(ステップ108)。また、ステップ105の判定が否定された場合には、電圧可変減衰器30に供給する制御電圧Vcを、Vc=Vcp−ΔVとする(ステップ109)。ステップ106、107、108、109の処理の後、ステップ110に移行し、該ステップ110で前前回の制御電圧Vco、前回の制御電圧Vcp、前回の誤差電圧Vepを、それぞれ、Vco=Vcp、Vcp=Vc、Vep=Veに更新し、ステップ101に戻り既述した処理を繰り返す。
【0032】
以上の処理を検波器50の出力電圧のレベルに応じて行うことにより、検波器50の出力電圧が最小になるように、換言すれば、減算器14より非線形歪み成分のみが出力されるように自動的に調整される。
【0033】
本実施の形態に係る非線形歪み補償回路によれば、高電力増幅器における使用電力出力時に該高電力増幅器の出力信号を該高電力増幅器の増幅度分だけ減衰させ、該減衰させた前記出力信号から位相調整した該高電力増幅器の入力信号を減算することにより非線形歪み成分のみを抽出する調整を行った後、該非線形歪み成分を直流成分に変換し、該直流成分が最小となるように前記高電力増幅器の出力信号の減衰量を自動的に調整するようにしたので、時変化や周囲温度変化に影響されることなく、常時、精度良く、変調信号を高電力増幅することに起因する非線形歪みを上記高電力増幅出力から抽出することが可能となる。
【0034】
したがって、高電力増幅器の出力電力が変化したり、同一の出力電力でも経時変化や周囲温度の変動等によって高電力増幅器の特性が変動した場合でも、常に最善の非線形歪み補償機能を発揮することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、高電力増幅器における使用電力出力時に該高電力増幅器の出力信号を該高電力増幅器の増幅度分だけ減衰させ、該減衰させた前記出力信号から位相調整した該高電力増幅器の入力信号を減算することにより非線形歪み成分のみを抽出する調整を行った後、該非線形歪み成分を直流成分に変換し、該直流成分が最小となるように前記高電力増幅器の出力信号の減衰量を自動的に調整するようにしたので、時変化や周囲温度変化に影響されることなく、常時、精度良く、変調信号を高電力増幅することに起因する非線形歪みを上記高電力増幅出力から抽出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る非線形歪み補償回路の構成を示すブロック図。
【図2】 図1における検波回路の具体的構成を示す回路図。
【図3】 図1における制御回路の構成を示すブロック図。
【図4】 図1における制御回路の制御動作を示すフローチャート。
【図5】 既に、本発明者が提案した非線形歪み補償回路の構成を示すブロック図。
【図6】 従来の非線形歪み補償回路の一例の構成を示すブロック図。
【図7】 従来の非線形歪み補償回路の他の例の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1A 非線形歪み抽出部
11 直交変調部
12 HPA(高電力増幅器)
14、16、17 減算器
15 直交復調部
18 キャリア発生器
19、21、40 方向性結合器又は分配器
23、24 振幅調整器
30 電圧可変減衰器
40 可変移相器
50 検波器
60 制御回路
114 加算器
111、151 π/2移相器
112、113、152、153 乗算器
Claims (3)
- ベースバンド信号を直交変調した後、高電力増幅器により非線形高電力増幅する送信機で、前記非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出し、前記非線形歪み成分を位相調整した状態でベースバンド領域に直交復調し、前記ベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳することにより前記非線形高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する非線形歪み補償方法であって、前記高電力増幅器における使用電力出力時に前記高電力増幅器の出力信号を該高電力増幅器の増幅度分だけ減衰させ、該減衰させた前記出力信号から位相調整した該高電力増幅器の入力信号を減算することにより非線形歪み成分のみを抽出する調整を行った後、該非線形歪み成分を直流成分に変換し、該直流成分が最小となるように前記高電力増幅器の出力信号の減衰量を自動的に調整することを特徴とする非線形歪み補償方法。
- ベースバンド信号を直交変調した後、高電力増幅器により非線形高電力増幅する送信機で、前記非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出する歪み抽出部と、前記非線形歪み成分を位相調整した状態でベースバンド領域に直交復調する直交復調部と、前記ベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳する歪み重畳部とを有し、前記非線形高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する非線形歪み補償回路であって、
前記歪み抽出部から出力される非線形歪み成分を直流成分に変換する変換手段と、
該変換手段より出力される前記直流成分が最小となるように前記高電力増幅器の出力信号の減衰量を自動的に調整する制御手段と、
を有することを特徴とする非線形歪み補償回路。 - 前記歪み抽出部は、前記高電力増幅器における使用電力出力時に前記高電力増幅器の出力信号を該高電力増幅器の増幅度分だけ減衰させる減衰器と、
前記高電力増幅器における入力信号の位相調整を行う位相調整器と、
前記現衰器の出力信号から前記位相調整器の出力信号を減算する減算器とを有し、
前記制御手段は、前記変換手段より出力される前記直流成分が最小となるように前記高電力増幅器の出力信号の減衰量を自動的に調整するように前記減衰器を制御することを特徴とする請求項2に記載の非線形歪み補償回路。
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