JP4550302B2 - 非線形歪み補償方法及び非線形歪み補償回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線送信機等で用いられる直交変調回路に係り、特にベースバンド信号を直交変調した後に高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する非線形歪み補償方法及び非線形歪み補償回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直交変調回路では、ベースバンド信号を直交変調した後、変調信号を高電力増幅するが、このとき電力効率を向上させるために非線形増幅し、これにより、増幅した変調信号に非線形歪みが発生するため、発生した歪みを補償して入出力特性を線形化することが行われている。このような非線形歪みを補償する従来の方法として、図8に示すようなプリディストーション式の非線形歪み補償方式がある。
【0003】
図8において、ベースバンド信号I,Qは歪み補償演算部1を通って、D/Aコンバータ2、D/Aコンバータ3に入力され、ここでアナログ信号に変換され、直交変調器4に入力される。直交変調器4に入力されたベースバンド信号I,Qは直交変調され、更に、高電力増幅器(HPA)5で高電力増幅されて出力される。
ここで、補償データテーブル7は、高電力増幅器5の増幅時の非線形特性を予め測定した結果を用いて作成された補償データをテーブル化して保持している。
電力計算器6はベースバンド信号I,Qの電力を計算し、得られた電力を補償データテーブル7に出力する。
【0004】
補償データテーブル7はベースバンド信号I,Qの電力に応じてそのテーブルを参照し、対応する補償データを読み出して、歪み補償演算部1に出力する。
これにより、歪み補償演算部1は入力される直交変調する前のベースバンド信号I,Qに高電力増幅器4で生じる非線形歪みをキャンセルさせるような逆特性の歪みを予め加えて、D/Aコンバータ2、3に出力する。このため、高電力増幅器5で高電力増幅された変調信号には非線形歪みが含まれないことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のプリディストーション式の非線形歪み補償方式では、ベースバンド信号の電力に応じてその補償データテーブルを参照するものであるため、高電力増幅器5の特性のバラツキや温度変化などにより回路全体の性能が劣化し易いという欠点があった。
【0006】
そこで、図9に示すように、高電力増幅器5の出力を方向性結合器8で分岐し、この分岐出力信号を直交復調器9で直交復調してから補償データ演算部10にフィードバックさせる方式の回路が提案されている。この回路の補償データ演算部10は前記フィードバック情報に応じた係数を内蔵の補償データテーブル(図8の補償データテーブル7と同様のもの)のデータに乗算して補正をかけて、高電力増幅器5の特性のバラツキや温度変化に依らず、精度の高い補償データを歪み補償演算部1に出力して、上記欠点による影響を低減させようとしている。
【0007】
しかし、上記したいずれの回路も、擬似的な非線形歪みを生成し、これを利用しているので、上記欠点を充分に解決してはおらず、また、上記したいずれの回路も複雑なディジタル演算を行うため、回路規模が大きくなり、その結果、消費電力も大きくなるため、特にバッテリーを電源とする送信機では、動作時間が短縮化されるという問題がある。
これに対して上記問題を解決するために本出願の発明者は、図7に示す非線形歪み補償回路を提案した(特願2000−233631)。この非線形歪み補償回路は、方向性結合器又は分配器19、21、遅延回路又は移相器20、減衰器13、減算器14、直交復調部15、振幅調整器23、24、減算器16、17から構成されている。
【0008】
本非線形歪み補償回路は、直交変調部11と高電力増幅器(HPA)12の間に、方向性結合器又は分配器19を挿入して、直交変調部11から出力される変調信号を分岐し、この分岐した変調信号を遅延回路又は移相器20を通して、その位相を適切にシフトして減衰器13の出力信号の位相に合わせた後、減算器14に入力するようにしている。
【0009】
また、高電力増幅器12の出力も方向性結合器又は分配器21により分岐され、この分岐出力が減衰器13に入力されるように成っている。更に、減算器14から得られる非線形歪み成分も位相調整器22を通して、その位相を調整した後、直交復調部15に入力している。又、直交復調部15により出力されるベースバンドの非線形歪み成分も、振幅調整器23、24を通して、その振幅を適切なものにしてから減算器16、17に入力されている。
【0010】
しかしながら、上記非線形歪み補償回路では、高電力増幅器12側から直交変調部11の入力側へのフィードバック経路上の減算器14から直交復調部15に至る経路の電気長が長くなってしまうと、ここを通る高電力増幅器12による増幅動作によりその出力側に発生し、直交変調部11の入力側にフィードバックされる歪み成分の位相遅延量は、歪み成分の周波数帯域内において低い周波数と高い周波数とで異なってくる。すなわち、ある長さの同一伝送線路上を伝送しても、周波数によって波長が異なるので、低い周波数成分より高い周波数成分の方が、当然、位相の回転量が大きくなってしまう。
【0011】
本出願の発明者が提案した非線形歪み補償回路の原理上、上記したフィードバックされる歪み成分の周波数帯域内におけるいずれの周波数においても、フィードバックして元の送信信号と合成する時点での位相遅延量が等しくなければ、広帯域な変調信号の歪み補償ができないという欠点があった。
フィードバック経路を極力短くすることで、効果的に歪み補償できる周波数帯域をある程度拡げることはできるが、それにも限界がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、広帯域な変調信号の歪み補償を行うことができる非線形歪み補償方法及び非線形歪み補償回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、ベースバンド信号を直交変調した後、非線形高電力増幅する送信機で、前記非線形高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する非線形歪み補償方法において、前記非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出するステップと、該抽出された非線形歪み成分についてその周波数帯域内における位相遅延量を、前記非線形歪み成分を直交復調する直前において等しくするように位相特性を補正するステップと、該補正された歪み成分をベースバンド領域に直交復調するステップと、前記直交復調されて生成されるベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳するステップとを有することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、ベースバンド信号を直交変調した後、非線形高電力増幅する送信機で、前記非線形高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する非線形歪み補償回路において、前記非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出する歪み抽出部と、前記非線形歪み成分についてその周波数帯域内における位相遅延量を、前記非線形歪み成分を直交復調する直前において等しくするように位相特性を補正する位相特性補正部と、前記歪み抽出部から抽出した歪み成分をベースバンド領域に直交復調する直交復調部と、前記直交復調部より出力されるベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳する歪み重畳部とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の非線形歪み補償回路において、前記歪み抽出部から抽出した歪み成分を、その位相を調整してからベースバンド領域に直交復調することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3のいずれかに記載の非線形歪み補償回路において、前記位相特性補正部は、前記歪み抽出部から抽出した歪み成分の周波数帯域を複数の帯域に分割する周波数帯域分割部と、該周波数帯域分割部により分割された前記歪み成分の各周波数帯域において、位相遅延量が等しくなるように位相調整する複数の遅延回路と、該複数の遅延回路の出力を合成する信号合成部とを有することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項2または3のいずれかに記載の非線形歪み補償回路において、前記位相特性補正部は、前記歪み抽出部から抽出した歪み成分の周波数帯域を通過帯域とし、かつ群遅延特性が、周波数が高くなるにつれて小さくなる特性を有するフィルタであることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施の形態に係る非線形歪み補償回路の構成を図1に示す。本実施の形態に係る非線形歪み補償回路は、ベースバンド信号を直交変調した後、非線形高電力増幅する送信機で、前記非線形高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する非線形歪み補償方法において、前記非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出するステップと、該抽出された非線形歪み成分についてその周波数帯域内における位相遅延量を、前記非線形歪み成分を直交復調する直前において等しくするように位相特性を補正するステップと、該補正された歪み成分をベースバンド領域に直交復調するステップと、該直交復調されて生成されるベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳するステップとを有することを特徴とする非線形歪み補償方法を実施するための回路である。
【0018】
図1において、本実施の形態に係る非線形歪み補償回路は、ベースバンド信号を直交変調した後、非線形高電力増幅する送信機において、高電力増幅器(HPA)12により非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出する歪み抽出部と、前記非線形歪み成分についてその周波数帯域内における位相遅延量を、前記非線形歪み成分を直交復調する直前において等しくするように位相特性を補正する位相特性補正部と、前記歪み抽出部から抽出した歪み成分をベースバンド領域に直交復調する直交復調部と、前記直交復調部より出力されるベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳する歪み重畳部とを有している。
【0019】
図1において、歪み抽出部は、方向性結合器又は分配器19、21、遅延回路又は移相器20、減衰器13、及び減算器14より構成されている。また、歪み重畳部は、振幅調整器23、24、減算器16、17から構成されている。位相特性補正部は、位相特性補正回路30に、直交復調部は、直交復調部15にそれぞれ、相当する。また、11は直交変調部、18は、キャリア発生器である。
直交変調部11は、π/2移相器111、乗算器112、113、加算器114から成り、直交復調部15は、π/2移相器151、乗算器152、153から成っている。
【0020】
本実施の形態に係る非線形歪み補償回路が、図7に示す非線形歪み補償回路と構成上、異なるのは減算器14と直交復調部15との間に位相特性補正回路30を新たに設け、かつ図7における位相調整器22の代わりに、位相調整器31(位相調整器22と機能は同じ)を直交復調部15のキャリア信号入力側に設けた点であり、他の構成は図7に示す非線形歪み補償回路と同様である。ただし、位相調整器31は、位相特性補正回路30の直前に設けてもよい。なお、この位相調整器31は、キャリア発生器18の出力であるキャリア、または抽出した非線形歪み成分の位相を調整してから直交復調部15に入力することにより、減算器16、17でベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分が精度良く前記ベースバンド信号に重畳されるように機能している。
【0021】
上記構成において、ベースバンド信号I、Qは、それぞれ減算器16、17で後述する歪み成分e,fが減算されてから直交変調部11に入力される。直交変調部11では、キャリア発生器18で発生されπ/2移相器111でπ/2移相されたキャリアhとベースバンド信号Qが乗算器112で乗算された後、加算器114に入力される。
ベースバンド信号Iは、キャリア発生器18で発生されたキャリアgと乗算器113で乗算された後、更に加算器114に入力され、前記乗算器112の出力信号と加算されて直交変調される。直交変調信号iは、方向性結合器または分配器19により分岐され、一方の分岐出力は高電力増幅器12に、他方の分岐出力は遅延回路または移相回路20にそれぞれ、入力される。
【0022】
高電力増幅器12は直交変調信号を非線形高電力増幅(利得K)して出力するが、その出力信号jは、方向性結合器または分配器21により分岐され、出力信号jの一部は減衰器13に入力されて、高電力増幅器12の増幅利得分減衰(1/K)され、出力信号kとなって減算器14に入力される。
また、遅延回路または移相回路20では、入力された直交変調信号iの分岐出力の位相を適切にシフトして減衰器13の出力信号の変調波位相と合わせた状態で減算器14に入力する。
減算器14では、高電力増幅器12から方向性結合器または分配器21、減衰器13を介して出力され非線形歪みを含んだ信号kから、直交変調部11から方向性結合器または分配器19、遅延回路または移相回路20を介して出力された歪みのない直交変調信号lが減算され、非線形増幅歪み成分aのみが抽出される。
【0023】
この非線形増幅歪み成分aは、位相特性補正回路30に入力され、位相特性補正回路30は、非線形増幅歪み成分aの周波数帯域内における位相遅延量を、前記非線形歪み成分を直交復調する直前において等しくするように位相特性を補正し、直交復調部15の乗算器152、153に出力する。
キャリア発生器18で発生されたキャリアgは、位相調整器31により位相調整された状態で直交復調部15に入力される。
【0024】
直交復調部15では、位相特性補正回路30から出力され位相特性が補正された非線形歪み成分bが、位相調整器31を介して入力されたキャリアmと乗算器152で乗算され、同時に位相調整器31を介して入力され、π/2移相器151でπ/2移相されたキャリアnと乗算器153で乗算されて復調され、振幅調整器23、24を介してベースバンド領域の歪み成分e,fとなって、減算器16、17に入力される。
【0025】
従って、減算器16では、ベースバンド信号Iから高電力増幅器12で増幅動作により生じる歪み成分eが予め減算されることによって、逆歪み成分が重畳されたベースバンド信号Iが直交変調部11に入力される。減算器17では、ベースバンド信号Qから高電力増幅器12で増幅動作により生じる歪み成分fが予め減算されることによって、逆歪み成分が重畳されたベースバンド信号Qが直交変調部11に入力される。
【0026】
即ち、前記減算器16、17では、減算器14で抽出した歪み成分を直交復調することにより生成されるベースバンド領域における逆歪み特性(高電力増幅時に発生する非線形歪み成分をキャンセルする特性)の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳していると言える。従って、前記逆の歪み成分が重畳されたベースバンド信号が直交変調部11により直交変調された後、高電力増幅器12で非線形高電力増幅される時に発生する非線形歪みはキャンセルされる。
【0027】
次に、位相特性補正回路30の一例を図2に示す。同図において、位相特性補正回路30は、減算器14から抽出された歪み成分の周波数帯域を複数(本実施の形態では二つ)の帯域に分割する周波数帯域分割部としての分岐回路301、バンドパスフィルタ302、303と、該周波数帯域分割部により分割された前記歪み成分の各周波数帯域において、位相遅延量が等しくなるように位相調整する複数(本実施の形態では二つ)の遅延回路304、305と、該複数の遅延回路304、305の出力を合成する信号合成部としての合成回路306とを有している。
【0028】
バンドパスフィルタ302、303は、SAW(表面弾性波)フィルタで構成され、図3に示すようにバンドパスフィルタ302は直交変調波のメインローブの中心周波数をf0[Hz]とすると、その通過帯域はf0〜fH[Hz]であり、またバンドパスフィルタ303の通過帯域は、fL〜f0[Hz]である。
また、遅延回路304、305は、SAW遅延線で構成され、それぞれ、入力される信号の周波数に応じて信号の伝搬速度が異なるように設定されており、信号の伝搬速度が低い周波数では比較的速く、高い周波数では比較的遅くなるように設定されている。すなわち、信号の伝搬速度が、遅延回路304では遅く、遅延回路305では速くなるように設定されている。
【0029】
図2において、入力端子300より入力される、減算器14より抽出された周波数帯域fL〜fH[Hz]の歪み成分は、分岐回路301により2系統に分岐され、周波数帯域f0〜fH[Hz]の歪み成分は、バンドパスフィルタ302を通過し、遅延回路304で位相遅延量が少なくなるように調整され、合成回路306に入力される。
また、周波数帯域fL〜f0[Hz]の歪み成分は、バンドパスフィルタ303を通過し、遅延回路305で位相遅延量が大きくなるように調整され、合成回路306に入力される。
この結果、各遅延線回路304、305の出力を合成回路306で合成した時点で、周波数が異なっても位相遅延量が等しい歪み成分が得られ、出力端子307を介して直交復調部15の乗算器152、153に出力される。
【0030】
次に、位相特性補正回路30の他の例を図4に示す。同図において、位相特性補正回路30は、歪み抽出部から抽出した歪み成分の周波数帯域を通過帯域とし、かつ群遅延特性が、周波数が高くなるにつれて小さくなる特性を有するバンドパスフィルタ310により構成されている。
すなわち、例えば、バンドパスフィルタ310は、対象となる信号帯域、すなわち図1において、直交変調器11の入力側にフィードバックされる、高電力増幅器12の出力に含まれる歪み成分の信号帯域fL〜fH[Hz]を通過帯域とするSAWフィルタで、Chirpフィルタが構成され、このフィルタの郡遅延特性を、図5に示すように周波数が高くなるほど小さくなるように設定したものである。
【0031】
SAW・Chirp・Filterの基板上の銅箔パターン例を図6に示す。SAW・Chirp・Filterは通常のSAWフィルタと同様に、一対のIDTより構成されるが、図6に示すように各IDTの電極間隔、電極指の幅が対向する方向に漸減するように電極パターンが基板上に形成されている。
【0032】
歪み抽出部から抽出した歪み成分は、入力端子300を介してバンドパスフィルタ310に入力され、該バンドパスフィルタ310を通過することにより、出力端子307より周波数が異なっても位相遅延量が等しい帰還歪み成分が得られる。ここに、帰還歪み成分とは、直交変調器11の入力側にフィードバックされる、高電力増幅器12の出力に含まれる歪み成分をいう。
本発明の実施の形態に係る非線形歪み補償方法及び非線形歪み補償回路によれば、広帯域な変調信号の歪み補償を行うことができる。
【0033】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、ベースバンド信号を直交変調した後、非線形高電力増幅する送信機で、前記非線形高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する際に、前記非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出し、該抽出された非線形歪み成分についてその周波数帯域内における位相遅延量を、前記非線形歪み成分を直交復調する直前において等しくするように位相特性を補正し、該補正された歪み成分をベースバンド領域に直交復調し、該直交復調されて生成されるベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳するようにしたので、より広帯域な変調信号をする時にも、高電力増幅により生ずる非線形歪みを効果的に補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る非線形歪み補償回路の構成を示すブロック図。
【図2】 図1に示す本発明の実施の形態に係る非線形歪み補償回路における位相特性補正回路の一例の構成を示すブロック図。
【図3】 帰還歪み成分の周波数帯域を示す説明図。
【図4】 図1に示す本発明の実施の形態に係る非線形歪み補償回路におけるの他の例の構成を示すブロック図。
【図5】 図4に示す位相特性補正回路を構成するバンドパスフィルタの群遅延特性を示す特性図。
【図6】 図4に示す位相特性補正回路を構成するバンドパスフィルタをSAWフィルタ構成する場合における基板上の銅箔パターンの一例を示す説明図。
【図7】 既に、本発明者が提案した非線形歪み補償回路の構成を示すブロック図。
【図8】 従来の非線形歪み補償回路の一例の構成を示すブロック図。
【図9】 従来の非線形歪み補償回路の他の例の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
11 直交変調部
12 HPA(高電力増幅器)
13 減衰器
14、16、17 減算器
15 直交復調部
18 キャリア発生器
19、21 方向性結合器又は分配器
20 遅延回路又は移相器
23、24 振幅調整器
30 位相特性補正回路
31 位相調整器
114 加算器
111、151 π/2移相器
112、113、152、153 乗算器
Claims (5)
- ベースバンド信号を直交変調した後、非線形高出力増幅する送信機で、前記非線形高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する非線形歪み補償方法において、
前記非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出するステップと、
前記抽出された非線形歪み成分についてその周波数帯域内における位相遅延量を、前記非線形歪み成分を直交復調する直前において等しくするように位相特性を補正するステップと、
前記補正された歪み成分をベースバンド領域に直交復調するステップと、
前記直交復調されて生成されるベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳するステップと、
を有することを特徴とする非線形歪み補償方法。 - ベースバンド信号を直交変調した後、非線形高電力増幅する送信機で、前記非線形高電力増幅する際に生じる非線形歪みを補償する非線形歪み補償回路において、
前記非線形高電力増幅した変調信号から非線形歪み成分を抽出する歪み抽出部と、
前記非線形歪み成分についてその周波数帯域内における位相遅延量を、前記非線形歪み成分を直交復調する直前において等しくするように位相特性を補正する位相特性補正部と、
前記歪み抽出部から抽出した歪み成分をベースバンド領域に直交復調する直交復調部と、
前記直交復調部より出力されるベースバンド領域の歪み成分の逆位相の歪み成分を前記ベースバンド信号に重畳する歪み重畳部と、
を有することを特徴とする非線形歪み補償回路。 - 前記歪み抽出部から抽出した歪み成分を、その位相を調整してからベースバンド領域に直交復調することを特徴とする請求項2に記載の非線形歪み補償回路。
- 前記位相特性補正部は、前記歪み抽出部から抽出した歪み成分の周波数帯域を複数の帯域に分割する周波数帯域分割部と、
該周波数帯域分割部により分割された前記歪み成分の各周波数帯域において、位相遅延量が等しくなるように位相調整する複数の遅延回路と、
該複数の遅延回路の出力を合成する信号合成部と、
を有することを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の非線形歪み補償回路。 - 前記位相特性補正部は、前記歪み抽出部から抽出した歪み成分の周波数帯域を通過帯域とし、かつ群遅延特性が、周波数が高くなるにつれて小さくなる特性を有するフィルタであることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の非線形歪み補償回路。
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