JP4361343B2 - 対水接触角の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物体の表面の水接触角を制御する方法に関する。また、物体表面の対水接触角を制御することにより各種のパターンを形成する方法にも関する。
本発明によれば、各種センサー材料、環境応答材料、各種スイッチング材料のほか、印刷技術、防曇・防汚技術などの分野に有用な技術を提供することができる。
物体の表面の対水接触角を変化させる技術は古くから知られており、塗料の分野では、たとえば水接触角の低い塗膜を親水性塗料から形成する技術、対水接触角の高い塗膜を疎水性塗料から形成する技術、撥水撥油剤などを塗布する技術などが周知である。これらの技術は、物体の表面を可能なら恒久的に親水性または疎水性のいずれか一方に固定しようとする技術である。
そうした膜の形成以外の方法により物体の表面の対水接触角を変化させる技術としては、たとえば、(1)コロナ放電やプラズマなどのエネルギーを加えて物体の表面に親水性の官能基を形成させる技術(特許文献1)、(2)光を照射することにより表面状態を親水化しうる光触媒性半導体材料(たとえば酸化チタンなど)に光を照射することにより、物体表面を親水化する技術(特許文献2、特許文献3)、(3)熱感受性樹脂の温度を調節することにより対水接触角を変化させる技術(非特許文献1)などが知られている。これらの技術(1)〜(3)も、物体の疎水性の表面を親水化する(対水接触角を低下させる)か、逆に親水性の表面を疎水化する(対水接触角を増大させる)技術である。
物体の表面を外部からエネルギーを加えて表面の対水接触角を親水性と疎水性に交互にする技術も知られている(特許文献4)。この技術は、光触媒性半導体材料(たとえば酸化チタンなど)に光を照射することにより、物体表面を親水化(対水接触角を低下)させたのち、その表面に機械的な刺激(摩擦力)を加えることにより再度疎水化する技術であり、高速で親水性と疎水性とをスイッチングできると記載されている。
特開2000−109580号公報 特許第2756474号明細書 特許第2865065号明細書 特開2001−158606号公報 T.Saitoh et al., Analitical Science 18, 203(2002)
本発明は、物体の改質すべき表面に直接的に外力を加える上記の従来法とは基本的に異なり、物体の表面、特に初期状態が親水性(対水接触角が小さい)の物体表面に直接外力を加えることなく、他所の材料から放出された疎水化物質(対水接触角を増大させる物質)を親水性の表面に接触させて疎水化(対水接触角を増大させる)する方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、上記の方法で疎水化された物体表面を非接触で親水化し、これらを繰り返すことにより、対水接触角を非接触で切り替えることができる制御方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、物体の親水性表面の対水接触角を制御する方法であって、
(1)該物体の親水性表面の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる工程、
(2)放出した対水接触角増大物質を物体の親水性表面に接触させ、該物体表面に対水接触角増大物質を付着させて物体表面の対水接触角を増大させる工程
を含む物体表面の対水接触角の制御方法(第1の発明)に関する。
この対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる手段は、エネルギーを加えることが好ましい。
また本発明は、物体の表面の対水接触角を制御する方法であって、該物体の表面がエネルギーを加えられることにより対水接触角を低下させる能力を有する物質から構成されており、
(1)該物体の表面の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる工程、
(2)放出した対水接触角増大物質を物体の表面に接触させ、該物体表面に対水接触角増大物質を付着させて物体表面の対水接触角を増大させる工程、
(3)対水接触角増大物質が付着した物体にエネルギーを加えて該物体表面の対水接触角を低下させる工程
を含む物体表面の対水接触角の制御方法(第2の発明)に関する。
前記工程(1)〜(3)を繰り返すことにより物体の表面の対水接触角を可逆的に制御できる。
加えるエネルギーとしては、光エネルギー、熱エネルギーまたは電磁波エネルギー、特に光エネルギーが好ましい。
対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料は、対水接触角増大物質単独またはそれを含む液体または固体であってもよい。
エネルギーを親水性表面の所定の領域に選択的に加えて親水性部位と疎水性部位を選択的に設けることもできる。
加えるエネルギーが光エネルギーまたは電磁波エネルギーである場合は、光または電磁波の波長を変化させるか、または加えるエネルギーの量を変化させることによりエネルギーの加え方を選択的にすることができる。
加えるエネルギーが光エネルギーである場合、該光エネルギーを光遮蔽パターンを介して親水性表面の所定の領域に選択的に加えることにより、親水性部位と疎水性部位を選択的に設けることができる。
選択的にエネルギーを加える手段としては、光や電子線の照射が好ましく、光源としてはレーザー発生装置、紫外線ランプ、水銀ランプなどが例示できる。
レーザー光を照射する方法として、たとえば焦点を深度方向に調節する方法を採用することにより、物体の内部のみにエネルギーを加えることも可能になる。
エネルギーを加えることにより対水接触角を低下させる能力を有する物質としては、光触媒作用を有する物質が好ましく、たとえば酸化チタンが好適である。
また対水接触角制御材料としては、対水接触角増大物質を含むポリジメチルシロキサンが好ましい。
対水接触角増大物質としては、親水性表面に付着または沈着、あるいは化学的に結合し得る物質でよいが、具体的には有機ケイ素化合物などがあげられる。
本発明はまた、親水性の表面を有する板状材料に対水接触角の異なるパターン形成する方法であって、
(1)親水性板状材料の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる工程、
(2)放出した対水接触角増大物質を板状材料の表面にマスクパターンを介して接触させ、該材料表面に対水接触角増大物質をパターン状に付着させて対水接触角を増大した部分を形成する工程、
を含むパターン形成方法(第3の発明)に関する。
さらに本発明は、親水性の表面を有する板状材料に対水接触角の異なるパターン形成する方法であって、
(1)親水性板状材料の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料にマスクパターンを介してエネルギーを選択的に加えて対水接触角増大物質を選択的に放出させる工程、
(2)選択的に放出された対水接触角増大物質を板状材料の表面に接触させ、該材料表面に対水接触角増大物質をパターン状に付着させて対水接触角を増大した部分を形成する工程、
を含むパターン形成方法(第4の発明)に関する。
対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる手段としては、エネルギーを加える方法が好ましい。
また本発明は、板状材料の表面がエネルギーを加えることにより対水接触角を低下させる能力を有する物質から構成されており、
(1)板状材料の表面の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる工程、
(2)放出した対水接触角増大物質を板状材料の表面に接触させ、該材料表面に対水接触角増大物質を付着させて対水接触角を増大させる工程、
(3)対水接触角増大物質が付着した板状材料にマスクパターンを介して選択的にエネルギーを加えて、該加えられた表面の対水接触角を低下させて対水接触角の異なるパターンを形成する工程
を含むパターン形成方法(第5の発明)に関する。
加えるエネルギーとしては、光エネルギー、熱エネルギーまたは電磁波エネルギーが好ましい。また、対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料は、対水接触角増大物質単独またはそれを含む液体または固体であることが好ましい。
板状材料としては、表面が親水性であれば特に限定されず、たとえばガラス、または親水化処理された酸化チタン被覆ガラスなどが例示できる。
本発明はまた、上記のパターン形成方法で形成されたパターンを表面に有する物品、さらには生化学分析に用いるセンサチップ基板にも関する。
さらに本発明は、上記パターン形成方法において板状材料が印刷用平版の原材料であり、形成されるパターンが印刷パターンであるパターン形成方法にも関し、このパターン形成方法で形成されたパターンを表面に有する印刷用平版にも関する。
さらにまた本発明は、親水性の表面を有する板状材料に対水接触角の異なるパターン形成する方法であって、
(1)該板状材料の親水性表面と、該板状材料の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料で作製されたパターンとを密着させる工程、
(2)該対水接触角制御材料パターンから対水接触角増大物質を放出させる工程、
(3)放出した対水接触角増大物質を板状材料の表面に付着させて対水接触角を増大したパターンを形成する工程、
を含むパターン形成方法(第6の発明)に関する。
このパターン形成方法においても、対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる手段は、エネルギーを加える方法が好ましい。
またさらに本発明は、エネルギーが加えられることにより対水接触角を低下させる能力を有する物質から構成されている表面を有する板状材料に対水接触角の異なるパターン形成する方法であって、
(1)該板状材料の表面と、該板状材料の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料で作製されたパターンとを密着させる工程、
(2)該対水接触角制御材料パターンを介して板状材料にエネルギーを加える工程、
(3)該エネルギーが加えられた領域の板状材料表面の対水接触角を低下させるとともに、対水接触角制御材料パターンから対水接触角増大物質を放出させ対水接触角制御材料パターンと接する板状材料の表面に対水接触角増大物質を付着させて対水接触角を増大させる工程、
を含むパターン形成方法(第7の発明)に関する。
加えるエネルギーとしては、上記の発明と同様に光エネルギー、熱エネルギーまたは電磁波エネルギーが好ましい。
特に加えるエネルギーが光エネルギーであり、対水接触角を低下させる能力を有する物質が酸化チタンであることが好ましい。
本発明において、「親水性」および「疎水性」という用語は、客観的な対水接触角の数値により規定しているものではなく相対的な概念として使用しており、対水接触角により絶対的に解釈してはならない。すなわち、本発明の対水接触角増大処理を施す前の状態を「親水性」とし、処理後の状態を「疎水性」とする。
本発明によれば、親水化・疎水化を非接触で行なうことができ、また材料を選択することにより、親水化および疎水化の程度を調整することができる。
また、加えるエネルギーや対水接触角増大物質と物体(または板状材料)との距離を選択することにより、疎水化および親水化する領域をミクロ領域からマクロ領域まで選択することができる。
本発明の基本的概念は、被処理表面とは異なる材料から放出された物質で被処理表面を処理することにより、被処理表面の対水接触角を制御することにある。かかる基本概念を具体化したものが上記本発明の第1〜第7の発明である。以下、各発明について説明する。
本発明の第1は、物体の親水性表面の対水接触角を制御する方法であって、
(1)該物体の親水性表面の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる工程(放出工程)、
(2)放出した対水接触角増大物質を物体の親水性表面に接触させ、該物体表面に対水接触角増大物質を付着させて物体表面の対水接触角を増大させる工程(疎水化工程)
を含む物体表面の対水接触角の制御方法(第1の発明)に関する。
被処理物体としては特に制限はなく、被処理表面が親水性のものであれば有機材料でも無機材料でもよい。また、表面処理して親水性の表面部分を有するものでもよい。親水性の程度は、疎水化後の対水接触角や使用目的などより選択すればよいが、目安としては対水接触角として30度以下、さらには20度以下、特に10度以下が好ましい。
第1の発明における放出工程(1)では、物体の親水性表面の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料を使用する。
放出工程(1)で使用する対水接触角増大物質は、物体の親水性表面の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与えるものであれば特に制限されず、有機物質でも無機物質でもよく、また高分子量物質でも低分子量物質でもよく、液体または固体でもよい。また、増大させる対水接触角の程度(対水接触角増大物質が与える表面の対水接触角)も被処理物体の表面の対水接触角や使用目的で適宜選定すればよく、相対的なものである。
この対水接触角増大物質により増大する対水接触角は特に制限されないが、少なくとも5度、好ましくは20度、さらには40度増大させる物質を選択することが、親水性と疎水性の区分けが明確になることから望ましい。
この対水接触角増大物質を含み、かつ対水接触角増大物質を放出させ得る能力を有する材料が対水接触角制御材料である。かかる対水接触角制御材料も対水接触角増大物質の物性との関係で適宜選択する。対水接触角制御材料も有機材料でも無機材料でもよく、また液体でも固体でもよい。
対水接触角制御材料中の対水接触角増大物質の量は、対水接触角増大物質の種類、放出の容易さや放出方法などより異なり、適宜選択すればよい。
対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる方法としては特に制限はなく、振動を与える方法や圧力を与える方法、熱を与える方法などの物理的方法;化学反応による方法や抽出による方法などの化学的方法;光や電磁波を照射する光学的方法などが採用される。特に好ましい放出方法はエネルギーを加える方法である。
加えるエネルギーとしては、非接触で加えることが可能なことから、光エネルギー、熱エネルギーまたは電磁波エネルギー(電子線も含む)が好ましい。
光としては、紫外線(波長200〜420nm)などが例示でき、使用する波長および強度は対水接触角増大物質および対水接触角制御材料との関係で適宜選択するが、特に対水接触角増大物質の放出速度や装置化の容易性の点から紫外線好ましい。この紫外線は紫外線ランプや水銀ランプからの照射でもよいし、レーザー光の形態で照射してもよい。
熱としては、各種の熱源から発せられるものが使用でき、また赤外線の照射によって発生させることも可能である。さらに熱源を対水接触角制御材料中に埋設してもよい。加熱温度や時間は対水接触角増大物質および対水接触角制御材料との関係で適宜選択すればよい。
電磁波としては、マイクロ波、電子線、γ線、X線などが例示できる。これらは、熱の発生を促したり、分子運動を励起したりすることにより、対水接触角増大物質を放出させる。
放出された対水接触角増大物質はつぎの疎水化工程(2)で物体の親水性表面と接触させられ、該表面に付着することにより疎水化(対水接触角の増大)する。
接触させる方法は特に制限されず、拡散、対流などの自然現象を利用してもよいし、強制的に流動させてもよい。また、対水接触角増大物質がイオン化していれば、電圧をかけてもよい。接触時間は使用するエネルギー印加方法や材料、物質、接触方法などにより適宜選択すればよい。
付着量や付着状態も、使用目的や物体の種類、対水接触角増大物質の種類、量などよって異なり一概に言えないが、物体の親水性表面を全て被覆してもよいし、部分的に被覆している状態でもよい。
また、付着領域を任意に選択することにより、親水性部位と疎水性部位を物体表面に選択的に設けることもできる。付着領域の選択は、たとえばマスクパターンを介して対接触角増大物質にエネルギーを照射したり、接触角増大物質と親水性表面の間にマスクパターンを介し接触角増大物質全面にエネルギーを照射したり、固体の必要部分にのみ接触角増大物質を配置したりすればよい。具体的には後述する発明で説明する。
第1の発明の工程を図1に従って模式的に簡単に説明する。図1(a)は放出工程(1)を示す図であり、図1(b)は疎水化工程(2)の完了時の図である。
以下、対水接触角増大物質として疎水性のオルガノシランを用い、対水接触角制御材料としてポリジメチルシロキサン(PDMS)を使用し、エネルギーとして紫外線を使用した場合の実施態様を図面を参照しながら説明するが、本発明はかかる実施態様に限定されるものではなく、材料、物質、印加エネルギーなどを他のものに置き換えても、本発明の思想に従って構成すれば実施可能である。
図1(a)は放出工程(1)を説明するための図であり、1はガラス製の物体である。このガラス表面は親水性であるが、疎水性の物体の場合は、予め親水化処理を施していることが望ましい。
図1(a)において、対水接触角増大物質(オルガノシラン)3を含む対水接触角制御材料(PDMS)2が、物体(ガラス)1の親水性表面に対面するように配置されている。
放出工程(1)はPDMSにエネルギーを加えることにより開始される。加えるエネルギーは特に制限されず、オルガノシランが放出され得るだけのエネルギーを加えられるものであればよい。好ましくは光、熱、電磁波エネルギーである。制御のしやすさから光エネルギー、特に紫外線が好ましい。
エネルギーが加えられた対水接触角制御材料(PDMS)2からはオルガノシラン3が放出されてくる。放出されたオルガノシランは対水接触角制御材料(PDMS)と酸化チタンを含む表面層に接触し、付着し始める。そして疎水性付着層を形成していく(図1(b))。
最終的に図1(b)に示すように物体1の表面が疎水性のオルガノシラン付着層4で部分的または全部が覆われ、物体1の表面を疎水性にする(疎水化工程の完了)。
図1においては、対水接触角制御材料2と被処理物体1を対面させるように配置したが、図2に示すように、対水接触角制御材料2と被処理物体1とを対面させずに位置をずらして配置してもよい。この場合、放出工程(1)と疎水化工程(2)は別の場所で独立して行なうこともできる。したがって、放出工程(1)をヒーター5を用いて加熱することによっても可能になる。また、対水接触角制御材料に液状の材料も使用できる。
またさらに、図示していないが、物体1の表面上にパターン化した遮蔽板などを配置し、対水接触角増大物質3の物体表面への付着を選択的に制限することにより疎水性部位をパターン化できる。これらの方法については後述する発明で詳しく説明する。
被処理物体の非限定的な具体的材料としては、有機材料では、たとえばシリコーン樹脂(たとえばポリオルガノシロキサンなど)、アクリル樹脂(たとえばポリアクリレート、ポリメチルメタクリレートなど)、ポリスチレン、ポリオレフィン(たとえばポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリカーボネト(たとえばポリイソプロピリデンジフェニルカーボネートなど)、フッ素樹脂(たとえばポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレンなど)、ポリヘキサメチレンアジパミドなどの樹脂やシリコーンゴム、フッ素ゴムなどのエラストマーなどが、無機材料では、たとえばガラス、石英、アルミナ、ジルコニアなどがあげられる。
親水化表面処理としては、たとえば親水性物質の塗布、コロナ放電やプラズマなどのエネルギーを直接または酢酸エチルなどの存在下に加えて物体の表面に親水性の官能基を形成させる技術、光を照射することにより表面状態を親水化しうる光触媒性半導体材料(たとえば酸化チタンなど)に光を照射することにより、物体表面を親水化する技術などの方法が知られており、本発明に適用できる。
対水接触角増大物質の非限定的な具体例としては、たとえばジメチルビニル基で末端封止されたジメチルシロキサン(CAS68-08-19-2)、テトラキス(トリメチルシリルオキシ)シラン(3555-47-3)、トリメチルシリル基で末端封止されたジメチルシロキサンとメチルハイドロシロキサン共縮合体(68037-59-2)などの有機ケイ素化合物;エチレングリコール(058-00986)、カテコール(034-13752)、イソ吉草酸アルデヒド(226-00022)などの1分子内に親水基と疎水基を有する有機化合物などがあげられる。
対水接触角制御材料の非限定的な具体例としては、有機物質では、たとえばポリジメチルシロキサンなどの有機ケイ素化合物などがあげられる。
これらは、使用目的、使用条件などによって適宜選択し、組み合わせて使用すればよい。具体的な態様については、後述する発明で説明する。
本発明の第1の発明によれば、非接触でしかも被処理表面に直接エネルギーを加えることなく被処理親水性表面を容易に疎水化できる。
つぎに本発明の第2の発明について説明する。第2の発明は、第1の発明と、被処理物体の表面がエネルギーを加えられることにより対水接触角を低下させる能力を有する物質(対水接触角低下物質)から構成されている点、および疎水化工程(2)の後に、対水接触角増大物質が付着した物体にエネルギーを加えて該物体表面の対水接触角を低下させる工程(再親水化工程(3))を実施する点で異なる。したがって、放出工程(1)および疎水化工程(2)の概念的説明は省略する。
第2の発明において被処理物体の表面を構成する対水接触角低下物質としては、たとえば特許第2756474号明細書や特許第2865065号明細書に記載されているような光エネルギーにより親水化する光触媒性半導体物質のほか、たとえば光エネルギーにより親水化する光感受性樹脂などがあげられる。特に、エネルギーとして光エネルギーを使用する場合は光触媒性半導体物質が好ましく、たとえばアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウムなどがあげられる。これらのうち、再親水化処理(3)が容易な点から酸化チタン、特にアナターゼ型酸化チタンが好ましい。
対水接触角低下物質の表面層を形成する方法としては、たとえば特許第2756474号明細書や特許第2865065号明細書に記載されているようなシリカやシリコーン樹脂などのバインダーに分散させる方法、化学蒸着法、ゾルゲル法などが採用できる。
得られる表面層が親水性(低対水接触角)であればそのまま放出工程(1)を施してもよいが、疎水性の場合は必要に応じて公知の親水化処理を事前に施してもよい(親水化予備処理)。たとえば酸化チタンを用いる場合、表面は疎水性(対水接触角約70度)であるので、予め光エネルギー(特に紫外線または紫外線レーザー)を照射して、対水接触角を低下させておいてもよい。
第2の発明の特徴は、疎水化工程(2)で疎水化された表面を再親水化工程(3)で親水化することにある。
再親水化工程(3)は、疎水化された物体の表面にエネルギーを加えることにより、物体表面を構成する対水接触角低下物質の作用により、表面を再度親水化する工程である。この工程(1)〜(3)を繰り返すことにより、物体の表面を親水性→疎水性、また疎水性→親水性に任意に制御できる。
再親水化工程(3)で加えるエネルギーは放出工程(1)で加えるエネルギーと同じでも異なっていてもよい。というのは、放出工程(1)ではエネルギーは対水接触角制御材料に加えられるからである。たとえば、放出工程(1)では熱エネルギーを加え、再親水化工程(3)では光エネルギーを加えてもよい。
再親水化工程(3)で加えるエネルギーの種類および量は、対水接触角低下物質の種類や使用目的や使用条件などによって適宜選択すればよい。
以下、対水接触角低下物質として酸化チタンを使用し、対水接触角増大物質として疎水性のオルガノシランを用い、対水接触角制御材料としてポリジメチルシロキサン(PDMS)を使用し、エネルギーとして紫外線を使用した場合の実施態様を図面を参照しながら説明するが、本発明はかかる実施態様に限定されるものではなく、材料、物質、印加エネルギーなどを他のものに置き換えても、本発明の思想に従って構成すれば実施可能である。
図3は、親水化予備処理工程(図3(a))、放出工程(図3(b))、疎水化工程(図3(c))および再親水化工程(図3(d))、再親水化工程後(図3(e))を模式的に示す工程図である。
図3(a)において、1はガラス製の物体であり、その表面に酸化チタン6からなる表面層7が形成されている。この表面層は固有的に疎水性であり、要すれば、紫外線を照射して親水化しておく。その方法は特許第2756474号明細書や特許第2865065号明細書に記載されている方法が採用される。
図3(b)は放出工程(1)を説明するための図であり、対水接触角増大物質(オルガノシラン)3を含む対水接触角制御材料(PDMS)2が、物体(ガラス)1の親水性表面に対面するように配置されている。
放出工程(1)はPDMSにエネルギーを加えることにより開始される。加えるエネルギーは特に制限されず、オルガノシランが放出され得るだけのエネルギーを加えられるものであればよい。好ましくは光、熱、電磁波エネルギーである。制御のしやすさから光エネルギー、特に紫外線が好ましい。
エネルギーが加えられた対水接触角制御材料(PDMS)2からはオルガノシランが放出されてくる。放出されたオルガノシランは対水接触角制御材料(PDMS)2と酸化チタンを含む表面層7に接触し、付着して疎水性付着層4を形成していく(図3(b))。
最終的に図3(c)に示すように物体1の表面層7が疎水性のオルガノシラン付着層4で部分的または全部が覆われ、物体1の表面を疎水性にする(疎水化工程の完了)。
疎水化された物体の表面を再度親水化するには、図3(d)に示すように物体の表面層7中の酸化チタン6に、PDMSにエネルギーが加わらないように物体1側から光エネルギー(紫外線を照射)を加えて光触媒作用を発揮させる。酸化チタン6の触媒作用は光分解作用であり、オルガノシラン付着層4を迅速に分解して取り除き、表面層7を親水性の状態に戻す(図3(e))。光エネルギーの照射方法として共焦点レーザー法を採用するときは、レーザーの焦点を表面層7に合わすことができるので、PDMS側から照射してもよい。
この状態(図3(e))に対し、図3(b)ついで図3(c)の工程を施すと再度疎水化を実施できる。表面層7の疎水化は対水接触角増大物質の放出がなくなるまで、繰返し可能である。
図3においては、対水接触角制御材料と被処理物体1を対面させるように配置したが、前記の図2に示すように、対水接触角制御材料と被処理物体1とを対面させずに位置をずらして配置してもよい。この場合、放出工程(1)と疎水化工程(2)は別の場所で独立して行なうこともできる。したがって、放出工程(1)をヒーターを用いて加熱することによっても可能になる。さらに再親水化工程(3)も対水接触角制御材料の存在を気にせずに紫外線などの照射を行なうことができるため、再親水化処理において対水接触角増大物質の望まない放出も回避できる。また、対水接触角制御材料に液状の材料も使用できる。
またさらに、物体の表面層7上にパターン化した遮蔽板などを配置し、対水接触角増大物質3の表面層7への付着を選択的に制限することにより疎水性部位をパターン化でき、また、再親水化工程(3)において紫外線を選択的に照射することにより再親水化部位をパターン化することもできる。これらの方法については後述する発明で詳しく説明する。
第2の発明によれば、親水化と疎水化を交互に繰返し制御でき、たとえば表面防汚などの制御方法として、キャピラリー形状の内部の対水接触角の制御を行なうマイクロピペットなどに有用である。
本発明の第1および第2の発明において、疎水性部位および親水性部位を選択的に形成する方法として、対水接触角増大物質の付着を選択的に制限する方法のほか、対水接触角増大物質の放出を選択的に制限することにより、疎水性部位を選択的に形成する方法もある。
たとえば、エネルギーとして光エネルギーを使用する場合、対水接触角制御材料2(または5)上にパターン化した遮蔽シートを置き、光が照射される領域を選択的に制限して対水接触角増大物質が放出される部分を光照射部分のみに制限し、かつ対水接触角制御材料と物体1の親水性表面とを接近させておけば放出された対水接触角増大物質を選択的に付着させることができる。
本発明の第3の発明は、第1の制御方法の発明を利用したパターン形成方法に関する。
すなわち、親水性の表面を有する板状材料に対水接触角の異なるパターン形成する方法であって、
(1)親水性板状材料の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる工程(放出工程)、
(2)放出した対水接触角増大物質を板状材料の表面にマスクパターンを介して接触させ、該材料表面に対水接触角増大物質をパターン状に付着させて対水接触角を増大した部分を形成する工程(疎水化パターン形成工程)、
を含むパターン形成方法に関する。
第3の発明において、第1の発明における放出工程(1)は上記工程(1)に、また疎水化工程(2)は上記疎水化パターン形成工程にそのまま適用できる。ただし、放出工程(1)の開始前に板状材料の親水性表面の上にマスクパターンを配置する点が異なる。
マスクパターンとしては特に制限されない。パターンも簡単なものでも複雑なものでもよい。また、利用する領域も親水性部位でも疎水性部位でもよい。マスクの材料も疎水性でも親水性でもよいが、放出物質が疎水性であるから、マスク付着する物質の量を低減する点から、親水性材料が好ましい。具体的には親水化処理した銅やアルミなどの金属板などがあげられる。
第3の発明を図4にしたがって簡単に説明する。図4において図1と同じ符号は同じ部分を示すので、詳細は省略する。
図4(a)は、放出工程(1)の前にマスクパターン8を板状材料10の表面に配置した図面である。この状態で図4(b)に示す放出工程を実施すると、放出された対水接触角増大物質3は制御材料2から放出され、マスクパターンおよび板状材料10の表面に接触し付着して、疎水性付着層4を形成する。
その後、マスクパターン8を取り除くと、図4(c)に示すように、板状材料10の表面にマスクパターンに応じた疎水性付着層4のパターンが形成される。板状材料10のマスクパターンで覆われていた部分は親水性表面9のまま残っている。
第3の発明の変形として、マスクパターン8を板状材料10上ではなく、対水接触角制御材料2上に載置し、エネルギー(特に光エネルギー)が加えられる領域を選択的に制御して対水接触角増大物質3の放出をエネルギーが加えられた部分に制御し、選択的に放出された対水接触角増大物質を板状材料10に付着させることによってもパターンを形成することができる。
すなわち本発明の第4の発明は、親水性の表面を有する板状材料に対水接触角の異なるパターン形成する方法であって、
(1)親水性板状材料の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料にマスクパターンを介してエネルギーを選択的に加えて対水接触角増大物質を選択的に放出させる工程(選択的放出工程)、
(2)選択的に放出された対水接触角増大物質を板状材料の表面に接触させ、該材料表面に対水接触角増大物質をパターン状に付着させて対水接触角を増大した部分を形成する工程(選択的疎水化工程)、
を含むパターン形成方法である。
この場合、第3の発明の疎水化パターン形成工程(2)においてマスクパターン8の使用は原則的に不要になるが、パターンをより正確にするのであれば、さらに併用してもよい。また、この変形方法では対水接触角制御材料と板状材料の間隔をコントロールすることにより、放出物質の拡がりを制御することもできる。
第4の発明を図5にしたがって簡単に説明する。図5において図1と同じ符号は同じ部分を示すので、詳細は省略する。
図5(a)は、放出工程(1)の前にマスクパターン8を対水接触角制御材料2の表面に配置した図面である。この状態で対水接触角制御材料2に光を照射するとマスクパターン8の開口部のみに光が照射され、選択的に対水接触角増大物質3が制御材料2から放出され、板状材料10の表面に接触し付着して、パターン化された疎水性付着層4を形成する(図5(b))。
これらの第3の発明および第4の発明によれば、簡単に疎水性および親水性のパターンを形成することができる。そして、たとえば生化学分析用のセンサチップ基板上の反応部位の限定や試料滴下部位の限定、DNAチップやプロテインチップ上のプローブなどのパターンの形成に有効である。
本発明の第5の発明は、第2の制御方法の発明を利用したパターン形成方法に関する。
すなわち、板状材料の表面がエネルギーを加えることにより対水接触角を低下させる能力を有する物質から構成されており、
(1)板状材料の表面の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる工程(放出工程)、
(2)放出した対水接触角増大物質を板状材料の表面に接触させ、該材料表面に対水接触角増大物質を付着させて対水接触角を増大させる工程(疎水化工程)、
(3)対水接触角増大物質が付着した板状材料にマスクパターンを介して選択的にエネルギーを加えて、該加えられた表面の対水接触角を低下させて対水接触角の異なるパターンを形成する工程(再親水化パターン形成工程)
を含むパターン形成方法に関する。
第5の発明において、第2の発明における放出工程(1)および疎水化工程(2)はそのまま適用できる。ただし、再親水化工程(3)の開始前に疎水化付着層上にマスクパターンを配置する点が異なる。
マスクパターンの材料としては再親水化のためのエネルギーを遮蔽する性質を有していれば特に制限されない。パターンも簡単なものでも複雑なものでもよい。また、利用する領域も親水性部位でも疎水性部位でもよい。エネルギーとして光、特に紫外線を使用する場合は、マスクの材料としては具体的には親水化処理した銅やアルミなどの金属板などがあげられる。
第5の発明を図6にしたがって簡単に説明する。図6において図3と同じ符号は同じ部分を示すので、詳細は省略する。
図6において、図6(a)〜図6(c)までは図3(a)〜図3(c)と同じであるから説明を省略する。
図6(c)で得られた疎水性付着層4を有する表面層7上に紫外線を遮蔽し得るマスクパターン11を配置する(図6(d))。この状態で紫外線を表面層7側から照射する。この際、対水接触角制御材料2は取り除いておくことが望ましい。
照射された紫外線はマスク11で遮蔽されていない部分の酸化チタン6を活性化し、その光分解触媒作用により疎水性付着層4を分解し揮散させる。照射線量は付着物質の放出速度、光分解速度、対水接触角制御材料と疎水化部位との距離などによって適宜また実験で確認し選択すればよい。
充分に照射した後マスク11を取り除くと図6(e)に示すように、マスクで遮蔽された部分に疎水性付着物質4が残り、付着物質が揮散した部分は親水性表面9となった板状材料10が得られる。
この第5の発明の利点は、パターンを変える場合、図6(e)で示されるパターン化板状材料の前面に紫外線を照射することにより付着物質を全部取り除き、図6(a)で示す原材料に戻すことができ、再利用ができる点にある。
この第5の発明は、たとえば疎水性部分は疎水性インクと馴染みがよく、親水性部分は疎水性インクをはじくので、平版印刷用の原版の作製に有効に利用できる。
本発明の第6の発明は、マスクパターンを対水接触角制御材料で作製し、物体の親水性表面にマスクパターンを密着させ、対水接触角増大物質を放出かつ直接付着させてパターンを形成する方法(転写法)に関する。
すなわち、親水性の表面を有する板状材料に対水接触角の異なるパターン形成する方法であって、
(1)該板状材料の親水性表面と、該板状材料の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料で作製されたパターンとを密着させる工程、
(2)該対水接触角制御材料パターンから対水接触角増大物質を放出させる工程、
(3)放出した対水接触角増大物質を板状材料の表面に付着させて対水接触角を増大したパターンを形成する工程、
を含むパターン形成方法に関する。
この第6の発明を図7に従って説明する。図7においてこれまでの図面と同じ符号は同じものを示している。また、対水接触角増大物質の放出方法については第3の発明と同じであり、省略する。
第6の発明に使用するマスクパターン12は第1の発明で使用する対水接触角増大物質3を含む対水接触角制御材料と同じ材料であり、それを所望のパターンに形成したものである。このマスクパターン12を板状材料10に密着させて配置する(図7(a))。この状態でマスクパターン12も含めて板状材料10に紫外線などのエネルギーを加えてマスクパターン12から対水接触角増大物質3を板状材料10の表面に直接放出する(図7(a))。
その結果、対水接触角増大物質はマスクパターン12と接触している部分のみに付着し、疎水性付着層4を形成し、マスクパターンで覆われていない部分は親水性表面9を維持している(図7(b))。対水接触角増大物質は一部板状材料10の表面下に浸透する場合もある。
第6の発明においては、マスクパターンを板状材料に密着させることにより、より明確なパターンの形成が可能になる。
第7の発明は板状材料として表面に対水接触角低下物質(酸化チタンなど)の表面層を設けた材料を使用する以外は、工程的には第6の発明と同じである。ただし、第6の発明では板状材料の表面は親水性である必要があったが、この第7の発明では、疎水性付着層の形成と疎水性表面層の親水化を同時に行なうことができる。
すなわち第7の発明は、エネルギーが加えられることにより対水接触角を低下させる能力を有する物質から構成されている表面を有する板状材料に対水接触角の異なるパターン形成する方法であって、
(1)該板状材料の表面と、該板状材料の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料で作製されたパターンとを密着させる工程、
(2)該対水接触角制御材料パターンを介して板状材料にエネルギーを加える工程、
(3)該エネルギーが加えられた領域の板状材料表面の対水接触角を低下させるとともに、対水接触角制御材料パターンから対水接触角増大物質を放出させ対水接触角制御材料パターンと接する板状材料の表面に対水接触角増大物質を付着させて対水接触角を増大させる工程、
を含むパターン形成方法に関する。
第7の発明を図8に従って説明するが、図面中の符号で既出のものは同じものを示している。
図8(a)では表面層(酸化チタンコーティング層)7の表面13は疎水性である。この表面層7上に第6の発明で使用する対水接触角制御材料からなるマスクパターン12を密着させ、板状材料10の前面に酸化チタンの光触媒作用を起こさせる紫外線を照射する。この照射により、マスクパターン12からは対水接触角増大物質3が放出され直接表面層3に付着する。一方、マスクパターン12で覆われていない部分の表面13の酸化チタンは励起され、疎水性であった表面を親水化する。
その結果、マスクを取り除いた後は、図8(b)に示すように疎水性付着層4と親水性表面9がマスクパターンに対応して形成される。
この第7の発明の利点は、板状材料の表面が疎水性であっても1段で疎水性と親水性のパターンを形成できると共に、パターンを変更する場合は図8(b)のパターン全体に紫外線を照射することにより疎水性付着物を酸化チタンの光分解作用により分解除去でき、再利用が可能な点にある。
本発明の第1ないし第7の発明は、たとえば、前記した用途以外に、センサー材料としてDNAチップ、プロテインチップなどへの適用があげられ、その他、環境応答材料、防曇・防汚材料への応用の可能性もある。
つぎに実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
図1に示す実施態様で疎水化実験を行なった。
すなわち、対水接触角制御材料としてつぎのA液とB液とからなる2液型シリコーンエラストマー組成物(ダウ・コーニング社製のSYLGARD184)をA:Bが10:1(重量比)で混合し、24時間放置しまたは恒温槽を用いて70℃で1時間加熱して厚さ3mmのPDMSシートを作製した。
A液:A-1成分:ジメチルビニル基で末端封止されたジメチルシロキサン、
A-2成分:ジメチルビニル化およびトリメチル化されたシリカ
A-3成分:テトラキス(トリメチルシリルオキシ)シラン
B液:B-1成分:トリメチルシリル基で末端封止されたジメチルシロキサンとメチルハ
イドロシロキサン共縮合体
B-2成分:2,4,6,8−テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン
B-3成分:ジメチルビニル化およびトリメチル化されたシリカ(A-2成分と同じ)
B-4成分:ジメチルビニル基で末端封止されたジメチルシロキサン(A-1成分と
同じ)
別途、石英基板に酸化チタンを厚さ500nmに蒸着した酸化チタンコート石英基板に室温(25℃)にて紫外線ランプ(Spectronics corp.製のSpectroline ENF280C)により紫外線(波長254nm、光源8Wのブラックライト)を10分間照射して酸化チタンコート表面を親水化し、対水接触角を接触角計(協和界面科学(株)製の接触角計CA-A)により測定したところ、5度以下であった。
ついで親水化処理された酸化チタンコート石英基板をシャーレに入れ、その基板上に4mmのスペーサを介してPDMSシートを設置した。
このシャーレに上記の紫外線ランプにより波長254nmの紫外線を10分間照射した後、ガラス板を取り出し、上面の対水接触角を接触角計により測定したところ、約20度に増大していた。
なお、使用したPDMSシートのみをガラス試験管内で上記実験と同条件で紫外線照射し、放出される物質をガスクロマトグラフィーで分析したところ、A−1成分およびA−3成分が多量に検出された。
ガスクロマトグラフィーはつぎの条件で行なった。
装置:ガスクロマトグラフ質量分析計GCMS-QP2000GF/GC−14A((株)島津製作所製)
カラム:DB−1(J&W Scientific Inc.製)
測定条件:イオン化電圧70eV(イオン化法:EI)
実施例2
図2に示す実施態様で疎水化実験を行なった。
すなわち、親水性表面を有する板状材料1を直径90mmポリスチレンシャーレに入れ、同じシャーレに対水接触角制御材料(実施例1で使用したシリコーンエラストマー組成物のB液)が100μl入った小さな容器を配置し、シャーレに蓋をした。このシャーレ全体に室温(25℃)にて紫外線ランプにより紫外線(波長254nm)を10分間照射した後、ガラス板を取り出し、上面の対水接触角を接触角計により測定したところ、約50度にまで増大していた。
なお使用した板状材料1はつぎのものである。
板状材料1:スライドグラス(松浪硝子工業(株)製のmatunami S-1111)の表面をエタノールで洗浄し、親水性表面としたもの(対水接触角約30度)。
実施例3
実施例2において、板状材料としてつぎの板状材料2を使用したほかは実施例2と同様にして紫外線を10分間照射したところ、対水接触角は約20度に増大していた。
板状材料2:石英基板に酸化チタンを厚さ500nmに蒸着した酸化チタンコート石英基板に室温(25℃)にて紫外線ランプ(Spectronics corp.製のSpectroline ENF280C)により紫外線(波長254nm)を10分間照射して酸化チタンコート表面を親水化したもの(対水接触角5度以下)。
比較例1
実施例2および3において、B液に紫外線を照射せずに10分間放置したところ、板状材料1および2のいずれも対水接触角は変化していなかった。
比較例2
実施例2および3において、B液をいれずに紫外線を10分間照射したところ、板状材料1および2のいずれも対水接触角は変化していなかった。
実施例4
実施例3において、対水接触角制御材料としてメチルビニル基で末端封止されたジメチルシロキサン(CAS68-08-19-2)、テトラキス(トリメチルシリルオキシ)シラン(3555-47-3)、トリメチルシリル基で末端封止されたジメチルシロキサンとメチルハイドロシロキサン共縮合体(68037-59-2)、エチレングリコール(058-00986)、カテコール(034-13752)およびイソ吉草酸アルデヒド(226-00022)を用い、光照射時間を30分間とした場合の対水接触角の変化を表1に示す。使用した板状材料は板状材料2であり、処理前の対水接触角は5度以下であった。
Figure 0004361343
実施例5
実施例1において、板状材料として親水化処理酸化チタンコート石英基板を用い、紫外線の照射に代えてPDMSシートを恒温槽で温度70℃に10分間加熱して板状材料の疎水化処理を行なったところ、対水接触角は約50度に増大した。
なお、使用したPDMSシートのみをガラス試験管内で上記実験と同条件で加熱処理し、放出される物質をガスクロマトグラフィーで分析したところ、A−1成分が多量に検出された。
実施例6
実施例1で得られた疎水化酸化チタンコート石英基板に紫外線(254nm)を10分間照射して再親水化したところ、対水接触角が5度まで低下し、初期状態に戻った。
再親水化した石英基板を実施例1と同様にしてPDMSシートに紫外線を照射することにより再度疎水化したところ、対水接触角は20度まで増大し、親水化と疎水化を繰り返えさせることができた。
実施例7
実施例3で得られた疎水化酸化チタンコート石英基板に紫外線(254nm)を10分間照射して再親水化したところ、対水接触角が5度まで低下し、初期状態に戻った。
再親水化した石英基板を実施例3と同様にしてシリコーンエラストマー組成物のB液に紫外線を照射し、石英基板を再度疎水化したところ、対水接触角は20度まで増大し、親水化と疎水化を繰り返えさせることができた。
実施例8
実施例1において、図9の形状の光遮蔽シート(50mm角、開口部10×30mm、開口部間隔20mm)をPDMSシート上に載置し、光遮蔽シートを介してPDMSシートに紫外線を30分間照射した。酸化チタンコート石英基板上で開口部13および15の直下に位置する部位の対水接触角は約30度、遮蔽部14の直下に位置する部位の対水接触角は5度以下であった。
本発明の第1の発明の工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の第1の発明の工程を説明するための別の態様の模式的断面図である。 本発明の第2の発明の工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の第3の発明の工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の第4発明の工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の第5の発明の工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の第6の発明の工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の第7の発明の工程を説明するための模式的断面図である。 実施例8で使用した光遮蔽シートの平面図である。
符号の説明
1 物体
2 対水接触角制御材料
3 対水接触角増大物質
4 疎水性付着層
5 ヒーター
6 対水接触角低下物質
7 表面層
8 マスクパターン
9 親水性表面
10 板状材料
11 マスクパターン
12 マスクパターン
13 表面
14 遮蔽部
15 開口部

Claims (29)

  1. 親水性表面を有する板状材料の表面の対水接触角を制御する方法であって、該板状材料の表面がエネルギーを加えられることにより対水接触角を低下させる能力を有する物質から構成されており、
    (1)該板状材料の親水性表面の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる工程、
    (2)放出した対水接触角増大物質を板状材料の表面に接触させ、該板状材料表面に対水接触角増大物質を付着させて板状材料表面の対水接触角を増大させる工程、
    (3)対水接触角増大物質が付着した板状材料にエネルギーを加えて該板状材料表面の対水接触角を低下させる工程
    を含み、
    該対水接触角増大物質が、板状材料の表面の対水接触角よりも少なくとも5度大きな対水接触角を与える物質であり、
    該対水接触角制御材料が、有機ケイ素化合物であり、かつ
    該対水接触角増大物質を放出させる工程が、光エネルギー、熱エネルギーまたは電磁波エネルギーを加える工程である
    ことを特徴とする板状材料表面の対水接触角の制御方法。
  2. 前記工程(1)〜(3)を繰り返すことにより板状材料の表面の対水接触角を可逆的に制御する請求項1記載の制御方法。
  3. 対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料が対水接触角増大物質単独またはそれを含む液体または固体である請求項1または2記載の制御方法。
  4. エネルギーを親水性表面の所定の領域に選択的に加えて親水性部位と疎水性部位を選択的に設ける請求項1〜3のいずれかに記載の制御方法。
  5. 加えるエネルギーが、光エネルギーまたは電磁波エネルギーであり、光または電磁波の波長を変化させることにより選択的にエネルギーを加える請求項4記載の制御方法。
  6. 加えるエネルギーの量を変化させることにより選択的にエネルギーを加える請求項4記載の制御方法。
  7. 加えるエネルギーが光エネルギーであり、該光エネルギーを光遮蔽パターンを介して親水性表面の所定の領域に選択的に加えて親水性部位と疎水性部位を選択的に設ける請求項4記載の制御方法。
  8. 選択的にエネルギーを加える手段が、光の照射である請求項4記載の制御方法。
  9. 光の光源が、レーザー発生装置、紫外線ランプまたは水銀ランプである請求項8記載の制御方法。
  10. 光を照射する方法が、深度方向に焦点を変え得る照射方法である請求項8または9記載の制御方法。
  11. 選択的にエネルギーを加える手段が、電子線の照射である請求項4記載の制御方法。
  12. エネルギーを加えることにより対水接触角を低下させる能力を有する物質が光触媒作用を有する物質である請求項1〜10のいずれかに記載の制御方法。
  13. 光エネルギーの照射により対水接触角を低下させる能力を有する物質が酸化チタンである請求項1〜11のいずれかに記載の制御方法。
  14. 対水接触角制御材料が対水接触角増大物質を含むポリジメチルシロキサンである請求項1〜13のいずれかに記載の制御方法。
  15. 対水接触角増大物質が有機ケイ素化合物である請求項1〜14のいずれかに記載の制御方法。
  16. 対水接触角増大物質が、ジメチルビニル基で末端封止されたジメチルシロキサン、テトラキス(トリメチルシリルオキシ)シラン、トリメチルシリル基で末端封止されたジメチルシロキサンとメチルハイドロシロキサン共縮合体、エチレングリコール、カテコール、および/またはイソ吉草酸アルデヒドである請求項1〜14のいずれかに記載の制御方法。
  17. 親水性の表面を有する板状材料に対水接触角の異なるパターン形成する方法であって、
    (1)親水性板状材料の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる工程、
    (2)放出した対水接触角増大物質を板状材料の表面にマスクパターンを介して接触させ、該材料表面に対水接触角増大物質をパターン状に付着させて対水接触角を増大した部分を形成する工程、
    を含み、
    該対水接触角増大物質が、板状材料の表面の対水接触角よりも少なくとも5度大きな対水接触角を与える物質であり、
    該対水接触角制御材料が、有機ケイ素化合物であり、かつ
    該対水接触角増大物質を放出させる工程が、光エネルギー、熱エネルギーまたは電磁波エネルギーを加える工程である
    ことを特徴とするパターン形成方法。
  18. 親水性の表面を有する板状材料に対水接触角の異なるパターン形成する方法であって、
    (1)親水性板状材料の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料にマスクパターンを介してエネルギーを選択的に加えて対水接触角増大物質を選択的に放出させる工程、
    (2)選択的に放出された対水接触角増大物質を板状材料の表面に接触させ、該材料表面に対水接触角増大物質をパターン状に付着させて対水接触角を増大した部分を形成する工程、
    を含み、
    該対水接触角増大物質が、板状材料の表面の対水接触角よりも少なくとも5度大きな対水接触角を与える物質であり、
    該対水接触角制御材料が、有機ケイ素化合物であり、かつ
    該対水接触角増大物質を選択的に放出させる工程が、光エネルギー、熱エネルギーまたは電磁波エネルギーを選択的に加える工程である
    ことを特徴とするパターン形成方法。
  19. 親水性の表面を有する板状材料の表面がエネルギーを加えることにより対水接触角を低下させる能力を有する物質から構成されており、
    (1)板状材料の親水性表面の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料から対水接触角増大物質を放出させる工程、
    (2)放出した対水接触角増大物質を板状材料の表面に接触させ、該材料表面に対水接触角増大物質を付着させて対水接触角を増大させる工程、
    (3)対水接触角増大物質が付着した板状材料にマスクパターンを介して選択的にエネルギーを加えて、該加えられた表面の対水接触角を低下させて対水接触角の異なるパターンを形成する工程
    を含み、
    該対水接触角増大物質が、板状材料の表面の対水接触角よりも少なくとも5度大きな対水接触角を与える物質であり、
    該対水接触角制御材料が、有機ケイ素化合物であり、
    該対水接触角増大物質を放出させる工程が、光エネルギー、熱エネルギーまたは電磁波エネルギーを加える工程であり、かつ
    該板状材料にマスクパターンを介して選択的にエネルギーを加える工程が、光エネルギー、熱エネルギーまたは電磁波エネルギーを選択的に加える工程である
    ことを特徴とするパターン形成方法。
  20. 対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料が対水接触角増大物質単独またはそれを含む液体または固体である請求項17〜19のいずれかに記載のパターン形成方法。
  21. 板状材料がガラスである請求項17〜20のいずれかに記載のパターン形成方法。
  22. 板状材料が親水化処理された酸化チタン被覆ガラスである請求項17〜20のいずれかに記載のパターン形成方法。
  23. 請求項17〜22のいずれかに記載の形成方法で形成されたパターンを表面に有する物品。
  24. 請求項17〜22のいずれかに記載の形成方法で形成されたパターンを表面に有する生化学分析に用いるセンサチップ基板。
  25. 板状材料が印刷用平版の原材料であり、形成されるパターンが印刷パターンである請求項17〜22のいずれかに記載のパターン形成方法。
  26. 請求項25に記載の形成方法で形成されたパターンを表面に有する印刷用平版。
  27. 親水性の表面を有する板状材料に対水接触角の異なるパターン形成する方法であって、
    (1)該板状材料の親水性表面と、該板状材料の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料で作製されたパターンとを密着させる工程、
    (2)該対水接触角制御材料パターンから対水接触角増大物質を放出させる工程、
    (3)放出した対水接触角増大物質を板状材料の表面に付着させて対水接触角を増大したパターンを形成する工程、
    を含み、
    該対水接触角増大物質が、板状材料の表面の対水接触角よりも少なくとも5度大きな対水接触角を与える物質であり、
    該対水接触角制御材料が、有機ケイ素化合物であり、かつ
    該対水接触角増大物質を放出させる工程が、光エネルギー、熱エネルギーまたは電磁波エネルギーを加える工程である
    ことを特徴とするパターン形成方法。
  28. エネルギーが加えられることにより対水接触角を低下させる能力を有する物質から構成されている親水性表面を有する板状材料に対水接触角の異なるパターン形成する方法であって、
    (1)該板状材料の親水性表面と、該板状材料の対水接触角よりも大きな対水接触角の表面を与える対水接触角増大物質を含む対水接触角制御材料で作製されたパターンとを密着させる工程、
    (2)該対水接触角制御材料パターンを介して板状材料にエネルギーを加える工程、
    (3)該エネルギーが加えられた領域の板状材料表面の対水接触角を低下させるとともに、対水接触角制御材料パターンから対水接触角増大物質を放出させ対水接触角制御材料パターンと接する板状材料の表面に対水接触角増大物質を付着させて対水接触角を増大させる工程、
    を含み、
    該対水接触角増大物質が、板状材料の表面の対水接触角よりも少なくとも5度大きな対水接触角を与える物質であり、
    該対水接触角制御材料が、有機ケイ素化合物であり、かつ
    該板状材料にエネルギーを加える工程が、光エネルギー、熱エネルギーまたは電磁波エネルギーを加える工程である
    ことを特徴とするパターン形成方法。
  29. 加えるエネルギーが光エネルギーであり、対水接触角を低下させる能力を有する物質が酸化チタンである請求項28記載のパターン形成方法。
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