JP4359531B2 - ジルコニウム基酸化物の製造方法及び自動車排ガス浄化用触媒 - Google Patents

ジルコニウム基酸化物の製造方法及び自動車排ガス浄化用触媒 Download PDF

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本発明は、従来法に比べて改良された特性、特に、触媒分野で必要なより高い熱安定性を有するジルコニウム基酸化物の製造方法及びこの製造方法で得られたジルコニウム基酸化物を用いた自動車排ガス浄化用触媒に関する。
特開平8−34614号公報
ジルコニウム基酸化物は自動車の排ガス浄化等の触媒用途に応用されている。ジルコニウム基酸化物は、通常、ジルコニウム塩水溶液にアルカリを添加するか又はその逆に、アルカリ水溶液にジルコニウム塩水溶液を添加する操作によって、生成する沈殿物から製造される。しかし、この既知の方法は、たびたび、ゲル状の沈殿物を作り出す。そして、その沈殿物は、その母液からも存在する多種の対イオンからも切り離すことが難しく、工業的規模で生産されたジルコニウム基酸化物には、SO 4 2- やCl - 等の酸根及びアルカリが不純物として残留し易い。更に、これらの沈殿物は、乾燥、焼成の間に、固く凝集し、使用に適する粉末まで粉砕することが難しくなる。
特許文献1には、組成変動のない易焼結性の高純度イットリウム含有ジルコニア粉体の製造方法に関し、ジルコニウム溶液に過酸化水素水、イットリウム溶液を順次加えた後、沈殿を生成させることなく硫酸アンモニウム溶液を添加し、この混合溶液にアンモニア水を滴下して水酸化物を共沈させる、易焼結性の高純度イットリウム含有ジルコニア粉末の製造方法が開示されている。ここで過酸化水素はZr4+のマスキング剤として用いられ、pH値がおよそ4の近傍で共沈物を得ている。アルカリとしてアンモニア水を用いたのは、過酸化水素をマスキング剤として用いるこの製造方法の場合、苛性ソーダや苛性カリを用いるとNa、Kが残存し、焼結特性を阻害するためであった。
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、pHの低い酸性側条件で過酸化水素を添加しているため、異臭が発生し、作業環境上好ましくない。沈殿させるに際してアンモニアを使用していることから、pHは10.5程度と充分には上がらない為、イットリウム含有ジルコニア粉末を得るに際して、多量の硫酸根(SO4 2-)を含むイットリウム・ジルコニウム共沈物を焼成することとなり、炉を痛め易いというという問題点を有していた。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、硫酸根を実質的に含まず、良好な触媒特性、特に優れた熱安定性を有するジルコニウム基酸化物の、工業的に量産することのできる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために種々の試験研究を重ねた結果、硫酸イオン(SO 4 2- )を所定の割合で含むジルコニウム塩水溶液中に所定の条件下でアルカリを添加して硫酸性ジルコニウム水酸化物を沈殿物として生成せしめ、更に、そのpH値がおよそ13になるまで攪拌下にアルカリを添加して上記硫酸性ジルコニウム水酸化物をジルコニウム水酸化物に変化せしめ、前記ジルコニウム水酸化物を焼成することによって、硫酸根を実質的に含まず、良好な触媒特性、特に優れた熱安定性を有するジルコニウム基酸化物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明のジルコニウム基酸化物の製造方法は、ジルコニウム陽イオン(Zr 4+ )に対して硫酸イオン(SO 4 2- イオン比(SO 4 2- /Zr 4+ )0.3〜1.5の割合で含む15℃未満のジルコニウム塩水溶液中にpH値が2に到達するまでアルカリを添加して硫酸性ジルコニウム水酸化物を生成せしめ、次いで撹拌下pH値が13に到達するまでアルカリを添加して上記硫酸性ジルコニウム水酸化物をジルコニウム水酸化物に変化せしめ、得られたジルコニウム水酸化物を焼成して、硫酸根(SO 4 2- )含有量が0.1質量%以下のジルコニウム基酸化物を形成せしめることを特徴とする。
上記ジルコニウム塩水溶液中には、ジルコニウム陽イオンの1モルにつき0.3〜1.5モルの硫酸イオン(SO4 2-)を含有することが好ましく、ジルコニウム陽イオンの1モルにつき約0.45〜1.25モルの硫酸イオンを含有することがより好ましい。これらのイオンのモル比(イオン比:SO4 2-/Zr4+)の値が小さいとゲル化し易くなり、大きいと生成する粒子が大きくなりやすい。制御された量の硫酸イオンの存在のもとに、アルカリを添加することによって、ジルコニウム塩水溶液からジルコニウム水酸化物を沈殿せしめるに際して、望ましくないゲル状沈殿の生成を回避することができ、生産性を向上させることができ、小粒子径のジルコニウム基酸化物を形成せしめ、良好なジルコニウム基酸化物とすることができる。
触媒の分野では、その触媒反応のために必要とされるジルコニウム基酸化物の特性に加えて、その特性が、使用の間、変化しないことが重要である。使用の間の劣化の主要な原因は、高温での比表面積低下である。そのような劣化に対する安定性は、更には本発明として開示される、ジルコニウム基酸化物の製造方法を通して達成され、下記のドーパントの使用により、更に改善される。
上記硫酸性ジルコニウム水酸化物を、pH値がおよそ2に到達するまでに、沈殿物として生成せしめることが好ましく、pH値がおよそ1.5に到達するまでに、沈殿物として生成せしめることがより好ましい。ジルコニウム塩水溶液中にアルカリを添加する際は、そのpH値がおよそ8になるまで徐々に上げて上記硫酸性ジルコニウム水酸化物をジルコニウム水酸化物に変化せしめ、更にアルカリを撹拌下で添加し、そのpH値がおよそ13になるまで上げ、得られるジルコニウム水酸化物を水洗することが好ましい。
50℃以下の温度にて、硫酸イオンを含むジルコニウム塩水溶液中にアルカリを添加してジルコニウム水酸化物を形成し、沈殿せしめることが好ましい。沈殿温度を制御することで、得られるジルコニウム基酸化物の粒子特性を望ましい方向に改善することができる。
本発明のジルコニウム基酸化物の製造方法において、ジルコニウム塩水溶液中に添加されるアルカリとしては、そのpH値がおよそ13にすることができれば、種々のアルカリを用いることができる。ただし、例えば、アンモニアのみを添加アルカリとして用いた場合、通常はpHが10.5程度に止まり、そのpH値がおよそ13になるまで上げることができないので除かれる。添加するアルカリは水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであることが好ましく、特に水酸化ナトリウムであることが好ましい。
ジルコニウム水酸化物には、最初のジルコニウム塩水溶液に他の金属塩を添加することによって、一つ又はそれ以上の他の金属をドープすることが好ましい。これにより、金属がドープされたジルコニウム基複合酸化物を製造することができる。前記ジルコニウム塩水溶液は、アルカリ土類元素、ランタノイド元素、希土類元素、第一遷移金属元素、珪素、アルミニウム、イットリウム、ランタン、錫、及び鉛、並びにこれらの混合物からなる群から選択された金属元素の金属塩を含むことが好ましい。
上記金属塩は、ジルコニウムが固溶体や複合酸化物を形成するためのドーパントとして機能する。ドーパントの機能としては、「安定化させる」、「促進する」として説明される。
前記ジルコニウム塩水溶液は、ネオジム塩を含むことが好ましく、これにより、ジルコニウム基酸化物として、硫酸根を実質的に含まず、良好な触媒特性、熱安定性を有するジルコニウム−ネオジム複合酸化物を得ることができる。
前記ジルコニウム塩水溶液は、そこに含まれる他のいかなる成分とも反応しない塩を含むことが好ましく、そこに含まれる他のいかなる成分とも反応しない塩として塩化ナトリウムを含むことが好ましい。
塩化ナトリウムなどの、反応して沈殿物を形成しない他の塩の初期の混合物への添加は、反応している溶液の中でイオン強度の改質剤の役をすることによって最終的な粉体特性の改良を促すことができる。そのような塩は、その金属塩の溶解度まで添加することができる。
前記ジルコニウム塩水溶液中の最初の金属元素濃度が低いと本発明の製造方法で得られる最終的なジルコニウム基酸化物の粒子径は大きく、BET比表面積の値は小さくなってしまう。濃度が高すぎても、沈殿後のスラリー粘度が増大して取り扱いが難しい。前記ジルコニウム塩水溶液中の最初の金属元素濃度は、酸化物換算で5質量%以上であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましく、約15質量%であることが特に好ましい。
本発明の製造方法で得られる最終的なジルコニウム基酸化物の粒子径を小さくし、粉体特性を更に最適化するためには、アルカリを添加する直前の前記ジルコニウム塩水溶液の温度は低い方が好ましい。直前の前記ジルコニウム塩水溶液の温度は、50℃以下が好ましく、特に触媒製造のために好ましくは15℃未満がより好ましく、そして、5℃より低いことが特に好ましい。
本発明の製造方法で得られる最終的なジルコニウム基酸化物の粉体特性を特に最適化するためには、前記ジルコニウム塩水溶液中のイオン比(SO 4 2- /Zr 4+ はおよそ0.3〜1.5であることが好ましく、0.45〜1.25であることがより好ましい。
アルカリの濃度及びアルカリの添加速度は、反応混合液を攪拌した状態で、系の均一性が保たれるように、即ちアルカリの添加による系のpHの上昇がスムースに進むように制御される。
これらの制御によって、ジルコニウム塩は、中間の硫酸性ジルコニウム水酸化物を経由して、望ましくないゲル沈殿物の形成なしに、そのジルコニウム水酸化物に変化することができる。
沈殿反応中、又は、沈殿反応の終了時に、過酸化水素を添加することが好ましく、過酸化水素を添加する時のpH値は11.5以上が好ましく、およそ13であることがより好ましい。本発明の製造方法の沈殿物生成過程の最後の部分で過酸化水素を追加的に添加すると、その時点の溶液で一般的なpH(一般にだいたい13である)で形成される金属水酸化物に対して、硫酸イオンよりもより良い配位子として作用することによって、硫酸根(SO4 2-)除去が促進される。
沈殿物生成の後、最終的な酸化物を作り出すための工程として、洗浄、乾燥、水熱処理、及び焼成と粉砕処理を、それぞれ個々に、または組合せて、追加することができる。本発明のジルコニウム基酸化物の製造方法には、追加の水熱処理を含むことが好ましい。
前記ジルコニウム水酸化物を焼成する前に、前記ジルコニウム水酸化物を乾燥する工程を含むことが好ましく、前記ジルコニウム水酸化物をスプレー乾燥する工程を含むことがより好ましい。
最終的に形成されるジルコニウム基酸化物は、自動車触媒用途等の高温環境下での触媒特性の熱安定性を確保するため、1,000℃での加熱の後の比表面積が40m2/g以上であり、1,100℃での加熱の後の比表面積が10m2/g以上であることが好ましい。
最終的に形成されるジルコニウム基酸化物が、30〜100質量%のジルコニアを含むことが好ましい。
本発明の製造方法により最終的に形成されるジルコニウム基酸化物中には実質的に硫酸根を含まない。「実質的に硫酸根を含まない」とは、すなわち、最終的に形成されるジルコニウム基酸化物中のSO4 2-含有量0.1質量%以下であり、0.07質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましい。
本発明のジルコニウム基酸化物は、上記いずれかに記載の本発明のジルコニウム基酸化物の製造方法から得られる。
本発明のジルコニウム基酸化物は、ドーパントを含有することが好ましく、前記ドーパントがアルカリ土類元素、ランタノイド元素、希土類元素、第一遷移金属元素、珪素、アルミニウム、イットリウム、ランタン、錫、及び鉛、並びにこれらの混合物からなる群から選択された金属元素であることが好ましい。
本発明によれば、硫酸根を実質的に含まず、良好な触媒特性、特に優れた熱安定性を有するジルコニウム基酸化物の製造方法を提供することができ、また、この製造方法によって得られた良好な触媒特性、特に優れた熱安定性を有する自動車排ガス浄化用触媒を提供すことができる。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施例1)
Cl/Zrのモル比が2のオキシ塩化ジルコニウム水溶液(19.8質量%-ZrO2)51.64kg、及び硝酸ネオジム水溶液(21.2質量%-Nd2O3)8.38kgを混合し、2.0℃まで冷却した。別に、脱イオン水14.95kg、及び77質量%-硫酸水溶液5.03kg(SO4 2-/Zr4+=0.48/1に相当する)を混合し、1.4℃まで冷却した。この2つの冷却された溶液を混合し、次いでこの混合液中に10質量%-NaOH水溶液を攪拌下に滴下した。pH値がおよそ1.5に到達するまでに、白色沈殿物(硫酸性ジルコニウム水酸化物)が生成した。
次に、引き続き攪拌を継続しながら、また、反応系の温度を40℃以下に維持しながら、10質量%-NaOH水溶液を滴下して、pH値が約8になるまで徐々に上げた。攪拌を継続しながら、この時点で10質量%-NaOH水溶液を28質量%-NaOH水溶液に代えて、pH値が約13になるまで滴下した。pH値が約13に到達した後、攪拌を更に1時間継続した。
このようにして得られた沈殿物を濾過・洗浄し、ジルコニウム−ネオジム複合水酸化物の洗浄ケーキを得た。
得られた洗浄ケーキを乾燥し、次いで850℃で2時間焼成し、その後室温まで放冷して、粉体状のジルコニウム−ネオジム複合酸化物12kgを得た。分析の結果、得られたジルコニウム−ネオジム複合酸化物のSO4 2-は0.01質量%未満であった。
また、得られたジルコニウム−ネオジム複合酸化物の熱安定性を調べるため、850℃、2時間焼成品をそれぞれ1000℃、2時間、及び1100℃、2時間、加熱処理した後、BET比表面積(JIS R 1626)を測定した。結果は、それぞれ54m2/g、及び21m2/gであった。
(変更例1)
脱イオン水17.88kg、及び77質量%-硫酸水溶液2.10kg(SO4 2-/Zr4+=0.20/1に相当する)を混合し、オキシ塩化ジルコニウム水溶液及び硝酸ネオジム水溶液の混合水溶液に混合した以外は、実施例1と同様にして、ジルコニウム−ネオジム複合酸化物粉体の製造を試みた。結果は、生成した沈殿物がゲル状になり、濾過及び洗浄が困難であった。得られた複合酸化物中には遊離の単斜晶相が含まれ、均一な正方晶相とはならなかった。
得られたジルコニウム−ネオジム複合酸化物の熱安定性を調べるため、850℃、2時間焼成品をそれぞれ1000℃、2時間、及び1100℃、2時間、加熱処理した後、BET比表面積(JIS R 1626)を測定した。結果は、それぞれ32m2/g、及び7.7m2/gであった。
(変更例2)
77質量%-硫酸水溶液19.98kg(SO4 2-/Zr4+=1.90/1に相当する)を、オキシ塩化ジルコニウム水溶液及び硝酸ネオジム水溶液の混合水溶液に混合した以外は、実施例1と同様にして、ジルコニウム−ネオジム複合酸化物の製造を試みた。得られた複合酸化物中には遊離の単斜晶相が含まれ、均一な正方晶相とはならなかった。
得られたジルコニウム−ネオジム複合酸化物をそれぞれ、1000℃、2時間、及び1100℃、2時間、加熱処理した後の、BET比表面積(JIS R 1626)は、それぞれ、24m2/g、及び6.1m2/gと低い値を示した。
(変更例3)
オキシ塩化ジルコニウム水溶液及び硝酸ネオジム水溶液の混合水溶液を55℃まで加熱した。別に、脱イオン水及び硫酸水溶液の混合水溶液を55℃まで加熱した。これ以外は実施例1と同様にして、ジルコニウム−ネオジム複合酸化物を製造した。得られたジルコニウム−ネオジム複合酸化物をそれぞれ、1000℃、2時間、及び1100℃、2時間、加熱処理した後の、BET比表面積(JIS R 1626)は、それぞれ、31m2/g、及び4.9m2/gと低い値を示した。
(比較例1)
28質量%-NaOH水溶液の滴下をpHが10に到達した時点で停止した以外は、実施例1と同様にして、ジルコニウム−ネオジム複合酸化物粉体を製造した。分析の結果、850℃、2時間焼成により得られたジルコニウム−ネオジム複合酸化物のSO4 2-は6.4質量%であった。SO4 2-量が非常に高く、触媒として使用できるものではなかった。
(比較例2)
脱イオン水19.98kgのみ(SO4 2-/Zr4+=0/1に相当する)を、オキシ塩化ジルコニウム水溶液及び硝酸イットリウム水溶液の混合液に混合した以外は、実施例1と同様にして、ジルコニウム-イットリウム複合酸化物粉体の製造を試みた。結果は、生成した沈殿物がゲル状になり、濾過および洗浄をすることができず、目的のジルコニウム−ネオジム複合酸化物を製造することができなかった。
本発明の製造方法で得られるジルコニウム基酸化物において重要な粉体特性は、粒子径と粒子径分布であり、細孔径と細孔径分布であり、結晶相の均一性、結晶子径、比表面積、及び比表面積安定性である。
以上のように、本実施例で得られた本発明のジルコニウム基酸化物は、比較例と比べて、濾過、洗浄性などの生産性に優れ、硫酸根(SO4 2-)レベルが極めて低く、高い比表面積安定性を示した。

Claims (17)

  1. ジルコニウム陽イオン(Zr 4+ )に対して硫酸イオン(SO 4 2- イオン比(SO 4 2- /Zr 4+ )0.3〜1.5の割合で含む15℃未満のジルコニウム塩水溶液中にpH値が2に到達するまでアルカリを添加して硫酸性ジルコニウム水酸化物を生成せしめ、次いで撹拌下pH値が13に到達するまでアルカリを添加して上記硫酸性ジルコニウム水酸化物をジルコニウム水酸化物に変化せしめ、得られたジルコニウム水酸化物を焼成して、硫酸根(SO 4 2- )含有量が0.1質量%以下のジルコニウム基酸化物を形成せしめることを特徴とするジルコニウム基酸化物の製造方法。
  2. アルカリが水酸化ナトリウムである請求項1に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  3. 前記ジルコニウム塩水溶液は、アルカリ土類元素、ランタノイド元素、希土類元素、第一遷移金属元素、珪素、アルミニウム、イットリウム、ランタン、錫、及び鉛、並びにこれらの混合物からなる群から選択された金属元素の金属塩を含む請求項1又は2に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  4. 前記金属塩がネオジム塩である請求項3に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  5. 前記ジルコニウム塩水溶液中の金属元素濃度酸化物換算で5質量%以上である請求項1〜4のうちいずれか1項に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  6. 前記ジルコニウム塩水溶液中の金属元素濃度酸化物換算で10〜20質量%である請求項5に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  7. アルカリを添加する直前の前記ジルコニウム塩水溶液の温度5℃より低い請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  8. 前記ジルコニウム塩水溶液のイオン比(SO 4 2- /Zr 4+ )が0.45〜1.25である請求項1〜7のうちいずれか1項に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  9. 追加の水熱処理を含む請求項1〜8のうちいずれか1項に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  10. 前記ジルコニウム水酸化物を焼成する前に、前記ジルコニウム水酸化物を乾燥する工程を含む請求項1〜9のうちいずれか1項に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  11. 前記ジルコニウム水酸化物を焼成する前に、前記ジルコニウム水酸化物をスプレー乾燥する工程を含む請求項10に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  12. 最終的に形成されるジルコニウム基酸化物は、1,000℃での加熱の後の比表面積が40m2/g以上であり、1,100℃での加熱の後の比表面積が10m2/g以上である請求項1〜11のうちいずれか1項に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  13. 最終的に形成されるジルコニウム基酸化物が30〜100質量%のジルコニアを含む請求項1〜12のうちいずれか1項に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  14. 最終的に形成されるジルコニウム基酸化物中のSO4 2-含有量が0.05質量%以下である請求項1〜13のうちいずれか1項に記載のジルコニウム基酸化物の製造方法。
  15. 請求項1〜14のうちいずれか1項に記載の製造方法により得られたジルコニウム基酸化物からなることを特徴とする自動車排ガス浄化用触媒。
  16. ジルコニウム基酸化物がドーパントを含有する請求項15に記載の自動車排ガス浄化用触媒。
  17. 前記ドーパントがアルカリ土類元素、ランタノイド元素、希土類元素、第一遷移金属元素、珪素、アルミニウム、イットリウム、ランタン、錫、及び鉛、並びにこれらの混合物からなる群から選択された金属元素である請求項16に記載の自動車排ガス浄化用触媒。
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