JP4358957B2 - Agent for scavenging or reducing free radicals or active oxygen - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリーラジカル又は活性酸素を消去もしくは低減する剤に関する。
【０００２】
【従来の技術】
抗酸化剤には、食品、飼料および化粧品に添加し、その品質を保持する目的で使用されるものと、その抗酸化剤を生体に投与することにより、生体内酸化により発生する活性酸素、フリーラジカル及び過酸化脂質を消去または低減し、つまり生体内酸化を防止または低減する目的で使用されるものがある。
【０００３】
食品、飼料または化粧品に含まれる油脂類、色素、その他の有効成分が保存中に酸化されると、製品の樹脂化、異臭発生、着色、変色、毒性物質の生成または栄養価の低下を引き起こす。このため、食品、飼料および化粧品には品質保持のための抗酸化剤が含有されていることが多い。このような抗酸化効果は、油脂の酸化抑制効果および色素退色抑制効果を試験することにより測定される。
【０００４】
このような目的で、従来主として食品、化粧品あるいは医薬品などの分野で用いられている抗酸化剤としては、例えば、トコフェロール（ビタミンＥ）、アスコルビン酸（ビタミンＣ）等の天然抗酸化剤や、ブチルヒドロキシアニソール（ＢＨＡ）、ジブチルヒドロキシトルエン（ＢＨＴ）などのフェノール系合成抗酸化剤が知られている。トコフェロールは油脂の抗酸化剤としてよく用いられるが、水に溶けにくいため用途が限られ、また肝心の抗酸化力があまり高くないためほかの抗酸化剤と併用するなどの必要があった。アスコルビン酸は、水溶性の抗酸化剤として用いられ油脂へは使用しにくく、また食品に用いる場合にその酸味が付与されることから食品の味を変えてしまい、また合成抗酸化剤と比較してその抗酸化力が劣るという欠点があった。一方、ＢＨＡやＢＨＴのような合成抗酸化剤は、その抗酸化力は強いが、その発ガン性や肺・肝臓への悪影響が指摘されていること等、安全性が疑問視されるようになった。このようなことから、抗酸化力の強い、汎用性の高い、天然の抗酸化剤の開発が望まれてきた。
【０００５】
従来、天然の抗酸化剤として以下のようなものが報告されている。ミカン科植物果皮の水または含水アルコール抽出物を有効成分として含有する抗酸化性組成物（特開平８−２５９９４５号公報）、ミカン科コブミカンの葉の抽出物を有効成分とする抗酸化剤組成物（特開平１１−１９９４２７号公報）、緑色植物の緑葉から抽出した抗酸化活性画分を配合した飲食品類（特開平１１−１２３０７１号公報）、成熟前期の麦類の緑葉に水に可溶性またはｎ−ヘキサンに不溶性で且つ含水率が８０％以下の含水エタノールに可溶性の画分であって、２−Ｏ−グルコシル−イソビテキシンを含有することを特徴とする麦類の緑葉の抗酸化活性画分（特開平５−６５４８０号公報）、ヤマモモ科ヤマモモ属植物から炭素数１から５までの脂肪族アルコール系有機溶媒および／またはその他の有機溶媒の１種以上を用いて抽出した抗酸化剤（特開平５−１５６２４９号公報）、冬葵子の溶媒抽出物を含む食品および化粧品（特開平９−５９１２７号公報）、クフェア属植物に含有される抗酸化性物質を極性溶媒で抽出、採取することを特徴とする抗酸化性物質の製造法（特開平６−２１２１５４号公報）、オリーブ植物溶媒抽出物の加水分解物を有効成分としてなる抗酸化剤（特開平９−７８０６１号公報）等が報告されている。また、ローズマリー抽出物、ヒマワリ種子抽出物、茶抽出物、ヤマモモ抽出物等が、この用途で上市されている。
【０００６】
従来一般に、抗酸化剤とは食品、飼料、化粧品などの酸化を防止する保存料であるととらえられていた。しかし、近年になって、これまで食品に用いられてきた抗酸化剤に、生体内酸化により発生するフリーラジカル、活性酸素及び過酸化脂質を消去または低減する抗酸化効果を有するものがあることが明らかになり、また生体内抗酸化力が強い天然抽出物の探索（Food & Food Ingredients Journal of Japan, 163, 19-29 (1995)、New Food Industry, 39(3), 17-24 (1997)、月刊フードケミカル1998-8, P.33-41）が行われるようになった。
【０００７】
生体内酸化により生成するフリーラジカルや活性酸素には様々なものが知られている。フリーラジカルは不対電子を持つ分子種の総称であるため、様々な生体内フリーラジカルが存在するが、活性酸素でもあるフリーラジカルとしてスーパーオキシドアニオン、ヒドロキシルラジカルが知られている。また、フリーラジカルではない活性酸素には、過酸化水素および一重項酸素が知られている。これらの中で一般に生体内抗酸化効果の指標として測定されるものは、１，１−ジフェニル−２−ピクリルヒドラジル（ＤＰＰＨ）を用いたラジカル消去活性、スーパーオキシドアニオン消去活性、ヒドロキシルラジカルの消去活性および過酸化脂質生成抑制活性であり、一般にこれらの活性を有するものを生体内抗酸化力のある抗酸化剤と位置づけている（月刊フードケミカル1998-8, P.33-41）。
【０００８】
最近では、臨床レベルで食品による老化防止の可能性を評価する際に、遺伝子レベルにおける酸化的障害を測定する方法が研究されている。なかでも、生体内脂質過酸化反応の結果生じた活性酸素によるＤＮＡ中の核酸塩基（デオキシグアノシン）に対する攻撃の結果、８−ヒドロキシデオキシグアノシン（８−ＯＨｄＧ）が生成し、このＤＮＡ中に生じた８−ＯＨｄＧは、通常はＤＮＡ修復酵素により切り取られ、血中を経て最終的には尿中に排出されることが明らかになった。従って、血液や尿中の８−ＯＨｄＧ量を測定することにより老化防止効果を測定することができるが、この測定には免疫化学的な手法であるＥＬＩＳＡ法を用い、この方法はまだコストが高く、一般的な方法として確立されているわけではない。従って、現状では、生体内抗酸化効果の指標として、通常は前述のフリーラジカル消去活性および活性酸素消去活性等の測定を行っている。
【０００９】
現在、生体内酸化により引き起こされると考えられている疾患として、以下のものが知られている。脳・神経系疾患としては、脳浮腫、外傷性てんかん、脳虚血、パーキンソン病、脊髄損傷等が、目の疾患としては、白内障、網膜変性、未熟児網膜症等が、呼吸器系疾患としては、気管支喘息、肺気腫、肺繊維症、成人呼吸窮迫症候群（ＡＲＤＳ）、未熟児呼吸窮迫症候群（ＩＲＤＳ）等が、循環器系疾患としては、動脈硬化、心筋梗塞等が、消化器系疾患としては、潰瘍性大腸炎、ストレス性胃潰瘍、すい炎、消化管粘膜障害等が、皮膚疾患としては、紫外線障害、アトピー性皮膚炎、火傷、凍傷、床ずれ等が、腎臓疾患としては、腎炎、腎不全等が、その他の疾患としては、ガン、糖尿病、膠原病、リウマチ、アルツハイマー病、自己免疫疾患、ベーチェット病等が挙げられる。また、老化、老化による皮膚のしわや痴呆症も、生体内酸化によると考えられている。生体内酸化を防止又は低減する抗酸化剤は、このような疾患の予防・治療につながると考えられ、機能性食品あるいは健康食品として注目されるようになった。
【００１０】
このような用途の抗酸化剤としては、ハンタイカイを水または含水有機溶媒で抽出して得られる抽出物を有効成分として含有する活性酸素消去剤（特開平８−２０５４４号公報）、植物種子又は胚芽類を焙煎した後、酵素処理したものに植物種子を加えて得られる組成物を非極性溶媒で洗浄し、その後不溶物を極性溶媒で抽出してなることを特徴とする抗活性酸素作用組成物（特開平４−１３９１３２号公報）、オウギより抽出したアスチルビンを含有することを特徴とする活性酸素消去剤（特開平６−６５０７４号公報）、キハダ果実を水、メタノール等の溶媒で抽出してなる抗酸化作用を有するエキス（特開平１０−１７４８５号公報）、新規ミント交配種のエッセンスからなる、活性酸素消去剤（特開平１０−６６４６５号公報）、植物繊維成分を含有する培地を用いて担子菌及び／又は子嚢菌の菌糸体を培養し、この培養物から抽出して得られた糖質、蛋白質、水溶性リグニンを主成分とすることを特徴とする生体の抗酸化機能増強剤（特開平１１−２２８４４１号公報）、アカミノキ、ウヤク、ウワウルシ、ジコッピ、シソ、テンチャ、ハス、ラベンダーから選ばれる１種以上の植物抽出物を含有することを特徴とする活性酸素消去剤（特開平１１−２７９０６９号公報）、カプサンチン又はその脂肪酸エステルを有効成分とする抗酸化剤（特開平１０−１９５４３３号公報）、ごまの植物体から誘導された増殖性細胞の培養物の溶媒抽出由来のスーパーオキシドディスムターゼ様活性物質（特開平４−２７５２２６号公報）等が報告されている。また、ルイボスティー抽出物、イチョウ葉乾燥エキス等が上市されている。
【００１１】
また、品質保持用の抗酸化効果と生体内抗酸化効果の両方を持つ抗酸化剤としては、香辛料植物の一種であるフェンネルの葉と茎から極性溶媒で抽出して得られた物質を有効成分とする抗酸化剤（特開平６−２９９１５１号公報）、ユキノシタ科のユキノシタ植物抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗酸化剤（特開平１０−４６１４２号公報）等が報告されている。また、茶抽出物、ブドウ種子抽出物等が上市されている。
【００１２】
また、近年の抗酸化剤に関する様々な研究により、ゴマ種子、菜種、小麦、大豆、ピーナツ、インゲン豆、レモン、プルーン、ユーカリ、セージ、ターメリック、シナモン等、様々な植物に抗酸化物質が含有されていることが報告されているが、多種の用途に対する抗酸化効果を確認しているものは少ない。
【００１３】
また、植物のうちサトウキビ関連の抗酸化剤として、沖縄産黒糖に５種類の抗酸化物質が存在することが報告されている（Biosci. Biotech. Biochem., 60(10), 1714-1716 (1996)）。また、黒糖のアセトンまたは塩化メチレンの抽出物の抗酸化効果も報告されている。しかし、これらの抗酸化力はリノール酸酸化に対して確認されているのみで他の抗酸化力に関しては確認されておらず、また黒糖以外の甘蔗抽出物の抗酸化力に関しては報告されていない。
【００１４】
【発明が解決しようとする課題】
従来報告されてきた品質保持用の抗酸化剤には、合成品と天然抽出物がある。合成品は安全性に問題があることから、天然で安全性の高い抗酸化剤が求められているが、天然の抗酸化剤にも様々な問題点があり、改善が求められている。
【００１５】
例えばハーブに属する植物の抽出物はハーブ独特の臭いが強く、製品に添加した場合にその臭いが製品についてしまうため、使用範囲が限られていた。また、トコフェロール、ゴマの抽出物、ヒマワリ種子抽出物のように基本的に脂溶性である抗酸化剤は、水溶系の製品に用いる場合にそのままでは使用しにくく、水溶性の抗酸化剤は油脂類には使用しにくいという欠点があった。また、特有の味や風味を有する抗酸化剤は、製品の味や風味に影響を与えるため使用範囲が限られていた。従って、広範囲の食品、飼料および化粧品に付与される味や臭いが許容される範囲内であり、わずかな投与量で酸化防止効果を示す天然の抗酸化剤が望まれている。
【００１６】
またこれまで知られている生体内抗酸化剤に関しても、様々な問題が存在する。従来、漢方やハーブまたは民間薬として知られているような植物の抽出物は、抗酸化効果以外の薬効を有し、その薬効による副作用が発現することがあった。このようなことから、従来より食品として扱われてきた、安全な植物由来の天然抗酸化剤が望まれている。
【００１７】
また、従来の天然抗酸化剤は、抗酸化剤の抽出目的で栽培され、使用されるため、コストが高いという問題もあった。
【００１８】
また従来の技術でも述べたように、抗酸化効果には油脂に対するもの、色素に対するもの、活性酸素以外のフリーラジカルに対するもの、フリーラジカルの活性酸素に対するもの、非ラジカルの活性酸素に対するものなど、様々な種類があるが、どの効果を有するのかにより、その用途は異なっている。従来の報告では、これらの効果の一部しか持たないため用途が限られていたり、効果の確認が不十分であったり、また効果と用途が適応していなかったりするものがあり、これらの効果を複合的に併せ持つことが確認されている、用途の広い抗酸化剤が望まれている。
【００１９】
また、黒糖中に存在する抗酸化物質が研究されているが、分離同定した５種類の抗酸化物質および溶媒抽出物の抗酸化力は油脂の酸化抑制効果を確認したのみで、他の抗酸化効果は確認していない。またこの物質は黒糖から微量成分として分離されるものであり、黒糖の製造工程で生成するものであるのか甘蔗自体にそもそも含有される成分であるのかも明らかになっていない。従って、これまでに甘蔗自体に抗酸化力を有する成分が存在することは明らかになっていなかった。
【００２０】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、以上の問題点に鑑み、ヒトあるいは動物に安全な、低コストで製造できる、用途の広い抗酸化剤について鋭意検討を重ねてきたが、古来より食品として使用されている甘蔗を処理して得られるエキスが、フリーラジカル又は活性酸素を消去もしくは低減することを見いだし、本発明を完成した。
【００２１】
すなわち本発明は、甘蔗由来のエキスを有効成分とする、フリーラジカル又は活性酸素を消去もしくは低減する剤である。
本発明の剤は、甘蔗汁、甘蔗由来の糖蜜および甘蔗の溶媒抽出液より選ばれる原料を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより得られる画分である甘蔗由来のエキスを含む。
【００２２】
甘蔗は本来蔗糖を得るためにその原料植物として栽培されるが、本発明はカラムクロマトグラフィーにより甘蔗汁、甘蔗由来の糖蜜および甘蔗の溶媒抽出液より選ばれる原料からエキスを抽出するため、本発明のエキスを抽出しても蔗糖は従来と変わらない収率で甘蔗汁から回収することができ、従来の蔗糖製造を妨げることはない。つまり、本発明のエキスは甘蔗から蔗糖を除いた部分から得ることができるため、低コストで製造することができる。
【００２３】
本明細書において、「抗酸化効果」とは、食品、飼料あるいは化粧品、またはその原料の酸化を抑制・防止する、品質保持のための抗酸化効果と、その抗酸化剤をヒトあるいは動物に投与した際に、生体内で発生するフリーラジカルや活性酸素を消去または低減する、生体内酸化防止効果を包含する。「抗酸化剤」とはこのような抗酸化効果を有する剤である。
【００２４】
また、本発明における甘蔗汁は、甘蔗（サトウキビ）を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を水で浸出して得られる浸出汁、または原糖製造工場における石灰処理をした清浄汁、濃縮汁を包含する。
【００２５】
本発明における甘蔗由来の糖蜜とは、結晶化工程で得られた砂糖結晶と母液の混合物を遠心分離にかけ、砂糖結晶と分離してえられる振蜜を意味し、たとえば、原糖製造工場における1番蜜、2番蜜、原糖廃蜜、および精製糖製造工場における洗糖蜜、1〜7番蜜、精糖廃蜜等が挙げられる。また、これらの糖蜜を原料としてアルコール発酵を行った分離液のように、糖蜜を脱糖処理したものも同様に用いることができる。
【００２６】
本発明における甘蔗の溶媒抽出液とは、甘蔗を汎用の有機溶媒で抽出した抽出液を濃縮、乾固後、水に再溶解した抽出液等を意味する。直上の有機溶媒としては、たとえばメタノールやエタノールなどのアルコール類が挙げられ、これらを単独でも組み合わせて使用しても良い。
【００２７】
本発明において、甘蔗由来のエキスとは、甘蔗を原料として得られたエキスである。
【００２８】
甘蔗由来のエキスは、甘蔗汁、甘蔗由来の糖蜜および甘蔗の溶媒抽出液より選ばれる原料（以下で、単に原料ということがある）を固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理して得られる画分である。更に好ましくは、原料を、固定担体としての合成吸着剤が充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出することによって得られる画分、あるいは原料を、固定担体としてのイオン交換樹脂が充填されたカラムでの親和力の差を利用したカラムクロマトグラフィー処理により分離し、得られる画分のうち波長４２０ｎｍの光を吸収する画分であることが好ましい。
【００２９】
従来、甘蔗由来の原料、中間製品および製品の色価の評価は、波長４２０ｎｍの光の吸光度により行われている。この吸光度は、サンプルのｐＨにより若干影響されるので、通常、ｐＨを中性付近に調整してから吸光度を測定している。本発明において、吸光度は、サンプルのｐＨを６〜８の範囲に調整した後に測定されたものとする。実施例にあるように、得られた画分の凍結乾燥粉末０．２５ｇを０．５ｍＭリン酸バッファー（ｐＨ７．５）で溶解して全量を１００ｍｌにし、１ｃｍセルを用いて波長４２０ｎｍでの吸光度を測定したとき、吸光度が０．８以上の画分に本発明の高い効果が認められる。しかし、波長４２０ｎｍの吸光度は甘蔗由来の色素の量を示す値であって有効成分自体の量を示す値であるかどうかは不明であること、また原料となる甘蔗の産地や種類により甘蔗自体に含まれる色素の絶対量が異なることから、異なる甘蔗に由来する種々のエキスの間で効果と吸光度が必ずしも比例関係にあるわけではない。１つの原料から得られる複数の画分の吸光度を測定し、相対的に吸光度が高い画分が本発明の画分である。
【００３０】
固定担体として合成吸着剤をカラムに充填してカラムクロマトグラフィーを行う場合は、本発明の効果の有効成分の合成吸着剤に対する親和性が非常に高いため、原料をカラムに通液したとき有効成分が合成吸着剤に吸着される。その後、溶媒で溶出を行うと、合成吸着剤に吸着された成分が脱着されて溶出される。一方、固定担体としてイオン交換樹脂を用いた場合には、本発明の効果の有効成分と樹脂との親和性は吸着ほど強いわけではない。有効成分とその他の成分のイオン交換樹脂に対する親和性の強さに差がある。原料をカラムに供給し、その後溶離液として水を流すことにより、有効成分とその他の成分の溶出速度の違いに基づいて両者を分離することができるのである。
【００３１】
このような甘蔗由来のエキスは、より具体的には例えば次のようにして得ることができる。
【００３２】
甘蔗汁、甘蔗由来の糖蜜または甘蔗の溶媒抽出液（以下、単に原料ということがある）を、固定担体を充填したカラムに通液する。上記原料は、そのまま、または水で任意の濃度に調整して、用いることができる。なお、異物除去のために、カラムで処理する前に、原料をろ過することが望ましい。ろ過の手法は特に限定されず、食品工業で広く使用されているスクリーンろ過、ケイソウ土ろ過、精密ろ過、限外ろ過等の手段を好ましく使用できる。
【００３３】
固定担体としては、合成吸着剤及びイオン交換樹脂が好ましい。
まず、固定担体として合成吸着剤を用いる方法の好ましい態様は、以下の通りである。
【００３４】
合成吸着剤としては、好ましくは有機系樹脂を用いることができ、例えば、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、アクリロニトリル脂肪族系樹脂等が使用できる。さらに好ましくは芳香族系樹脂であり、特に無置換基型の芳香族系樹脂が使用できる。合成吸着剤として、例えばスチレン−ジビニルベンゼン系樹脂の芳香族系樹脂等が使用でき、芳香族系樹脂としては、例えば疎水性置換基を有する芳香属系樹脂、無置換基型の芳香族系樹脂、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂等の多孔性樹脂が使用できる。より好ましくは無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂が使用できる。そのような合成吸着剤は市販されており、例えばダイヤイオン（商標）HP-10、HP-20、HP-21、HP-30、HP-40、HP-50（以上、無置換基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製）；SP-825、SP-800、SP-850、SP-875、SP-70、SP-700（以上、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製）；SP-900（芳香族系樹脂、商品名、三菱化学株式会社製）；アンバーライト（商標）XAD-2、XAD-4、XAD-16、XAD-2000（以上、芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製）；ダイヤイオン（商標）SP-205、SP-206、SP-207（以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製）；HP-2MG、EX-0021（以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社）；アンバーライト（商標）XAD-7、XAD-8（以上、アクリル酸系エステル樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製）；ダイヤイオン（商標）HP1MG、HP2MG（以上、アクリル酸系メタクリル樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製）；セファデックス（商標）LH20、LH60（以上、架橋デキストランの誘導体、いずれも商品名、ファルマシア バイオテク株式会社製）などが挙げられる。中でも、SP-850が特に好ましい。
【００３５】
固定担体の量は、カラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類などによって変化する。原料（甘蔗汁、甘蔗由来の糖蜜および甘蔗の溶媒抽出液から選ばれる）の固形分に対して、０．０１〜5倍湿潤体積量が好ましい。
【００３６】
原料（甘蔗汁、甘蔗由来の糖蜜および甘蔗の溶媒抽出液から選ばれる）を上記カラムに通すことにより、原料中の抗酸化効果を有する成分は固定担体に吸着され、蔗糖、グルコース、フラクトース及び無機塩類の大部分がそのまま流出する。
【００３７】
固定担体に吸着された成分を、溶媒により溶出する。ここで、抗酸化効果を有する成分を効率良く溶出するには、その前に残留する蔗糖、グルコース、フラクトースおよび無機塩類を水洗により充分に洗い流すことが好ましい。これにより、吸着されている抗酸化効果を有する成分をより効率良く回収することができる。溶出溶媒は、水、メタノール、エタノール及びこれらの混合物から選ばれる。溶出溶媒は水とアルコールの混合溶媒、特にエタノール−水混合溶媒が好ましく、さらに、室温において効率良く抗酸化効果を有する成分を溶出できるので、５０／５０〜６０／４０（体積／体積）エタノール−水混合溶媒が好ましい。さらに、カラム温度を上げることにより、エタノール−水混合溶媒のエタノール混合比を減らすことができ、目的とする抗酸化効果を有する成分を溶出することができる。この場合、カラム内は常圧もしくは加圧された状態である。このように、本発明の効果を有する成分は、前記溶媒で溶出される画分に存在する。溶出速度はカラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類等によって変化するので特に限定されないが、SV=0.1〜10ｈｒ−１が好ましい。なお、SV（Space Velocity、空間速度）は、１時間当たり樹脂容量の何倍量の液体を通液するかという単位である。
【００３８】
前記抗酸化効果を有する成分は、好ましくは次のようにして得ることができ、しかし下記に限定されない。すなわち、原料の固形分に対して０．０１〜5倍湿潤体積量の無置換基型の芳香族系樹脂を充填したカラムに、カラム温度６０〜９７℃にて原料を通液した後、カラム内を水洗し、ついでカラムに吸着されている成分を、カラム温度２０〜４０℃にて５０／５０〜６０／４０（体積／体積）エタノール−水混合溶媒で溶出させ、溶出開始時点から集めた溶出液の量が前記樹脂の４倍湿潤体積量以内に溶出する画分を回収する。
【００３９】
一方、固定担体としてイオン交換樹脂を用いる方法の好ましい態様は、以下の通りである。
【００４０】
イオン交換樹脂は、イオン交換の性質の観点から、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とに分類されるが、本発明では好ましくは陽イオン交換樹脂が使用できる。さらに好ましくは強酸性型のナトリウムイオン型またはカリウムイオン型の陽イオン交換樹脂が使用できる。またイオン交換樹脂は、樹脂の形態の観点からは、ゲル型樹脂と、ポーラス型、マイクロポーラス型などの多孔性樹脂とに分類されるが、本発明では好ましくはゲル型のイオン交換樹脂が使用できる。さらに好ましくは、強酸性型、ナトリウムイオン型またはカリウムイオン型であるゲル型の陽イオン交換樹脂が使用できる。そのようなイオン交換樹脂は市販されており、例えばダイヤイオン（商標）としてＳＫ１Ｂ、ＳＫ104、ＳＫ110、ＳＫ112、ＳＫ116（いずれも商品名、三菱化学株式会社）、ＵＢＫ530、ＵＢＫ550（クロマト分離用、いずれも商品名、三菱化学株式会社）、アンバーライト（商標）系として、アンバーライトＩＲ120Ｂ、ＩＲ120ＢＮ、ＩＲ124、ＸＴ1006、ＩＲ118、アンバーリスト31、クロマトグラフ用アンバーライトＣＧ120、ＣＧ6000（いずれも商品名、オルガノ株式会社）、ダウエックス（商標）として、ＨＣＲ-Ｓ、ＨＣＲ-Ｗ2、ＨＧＲ-Ｗ2、モノスフィアー650Ｃ、マラソンＣ600、50Ｗ×2、50Ｗ×4、50Ｗ×8（いずれも商品名、ダウ・ケミカル日本株式会社）、ムロマック50ＷＸ（商品名、室町化学工業株式会社）、ピュロライト（商標）として、Ｃ-100Ｅ、Ｃ-100、Ｃ-100×10、Ｃ-120Ｅ、ＰＣＲ433、ＰＣＲ563Ｋ、ＰＣＲ822、ＰＣＲ833、ＰＣＲ866、ＰＣＲ883、ＰＣＲ892、ＰＣＲ945（いずれも商品名、エイエムピー・アイオネクス株式会社）等が挙げられる。中でも、ＵＢＫシリーズが特に好ましい。
【００４１】
固定担体の量は、カラムの大きさ、固定担体の種類等によって変化する。原料の固形分に対して、好ましくは２〜１０，０００倍、より好ましくは5〜５００倍湿潤体積量である。
【００４２】
原料を上記カラムに通し、次に溶離液として水を用いてクロマトグラフィー処理し、得た多数の画分のうち波長４２０ｎｍの光を吸収する画分を分取して目的とするエキスを得ることができる。以下において、この方法をイオンクロマト分離ということがある。
【００４３】
通液条件は、原料の組成および固定担体の種類等によって変化する。溶離液として脱気処理した水を用い、単塔式回分分離法の場合、流速はＳＶ＝０．３〜１．０ｈｒ−１、サンプルの供与量は樹脂の１〜２０％、温度は４０〜７０℃が好ましい。この分離法により得た画分の夫々について、波長４２０ｎｍでの吸収、電気伝導度（塩分の量の尺度）、蔗糖、グルコースおよびフラクトースの濃度を分析し、時系列的にグラフに表すと、波長４２０ｎｍでの光吸収のピーク、電気伝導度のピーク、蔗糖および還元糖のピークの順にピークが現れる。後記の図１における画分３〜8を包含する非蔗糖画分全体（画分１〜9と画分１８〜３０を合わせたもの）は、有効成分の濃度はより低いが、同様にこれを本発明のエキスとして使用することができる。擬似移動床式連続分離法の場合、原料液供給量、溶離液流量、各画分抜き出し流量を、原料の組成、固定担体の種類、樹脂量に合わせて設定するため、一般的な通液条件を示すことができない。
【００４４】
原糖工場において２番蜜を原料として擬似移動床式連続分離法により得られる本画分の組成は、原料の種類およびイオン交換樹脂の分離能により変化するが、固形分当たりの蔗糖が６％以下、非糖分が９０％以上、見掛純糖率が１０％である。見掛純糖率は、固形分（ブリックス：Ｂｘ．）当たりの糖度（検糖計で測定した純蔗糖規定量に対する直接旋光度）の百分率である。
【００４５】
また、単塔式回分分離法により得られる本画分は、２番蜜を原料として得られた画分の場合、固形分（凍結乾燥固形分）当たりのポリフェノール量が約５％、電気伝導度塩分が約４４．７％、糖分は約５％である。
【００４６】
抗酸化効果の有効成分である物質は、波長４２０ｎｍの吸収のピーク部分の画分に多く含まれることは明らかであるが、有効成分自体が４２０ｎｍの吸収を持つかどうかは現在のところ明らかではない。
【００４７】
上記のように、甘蔗からカラムクロマトグラフィー処理により得られたエキスを、慣用の手段（減圧下での溶媒除去、凍結乾燥など）により濃縮して、本発明の効果を有する成分を得ることができる。このようにして得られた本発明の効果を有する成分は、固形分２０％以上に濃縮した液状または粉末状で保存することができる。保存は、特に液状の場合、冷蔵保存が好ましい。
【００４８】
本発明の甘蔗由来のエキスは、食品、飼料および化粧品の成分の酸化を防止する、保存料としての酸化防止剤であるだけではなく、ヒトや動物の体内で起こる酸化により生成するフリーラジカルや活性酸素を消去または低減する、生体内抗酸化効果も有する。
【００４９】
本発明の甘蔗由来のエキスは、後述の実施例１、２、および実施例６〜１７に示すように、色素の退色防止効果および脂質の自動酸化抑制効果を示した。これらの効果は、食品、飼料および化粧品の酸化防止剤としての代表的な効果であり、これらの効果を有する抗酸化剤は食品の酸化防止剤として有効である。
【００５０】
また、本発明の甘蔗由来のエキスは、後述の実施例２〜５に示すように、ヒドロキシルラジカル消去効果、スーパーオキシドディスムターゼ（ＳＯＤ）様活性、ＤＰＰＨ法によるラジカル消去効果および脂質の自動酸化抑制効果という、生体内ラジカルおよび活性酸素消去効果を示した。これらの効果を有する抗酸化剤は、生体内抗酸化剤として有効である。
【００５１】
本発明の甘蔗由来のエキスは、食品に添加することにより、その酸化を防止することができる。このような食品としては、例えば油脂類として、コーン油、菜種油、綿実油、大豆油、サフラワー油、ヒマワリ油、ごま油、小麦胚芽油、ひまし油、コーヒー油、カシューナッツ油、カカオビーンズ油、ピーナツ油、魚油、パーム油、パーム核油、ラード、牛脂、鶏油等の動植物油脂やこれらの動植物油脂類の部分水素添加油脂または完全水素添加油脂、オレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の不飽和脂肪酸およびそのエステルまたはその不飽和アルコールに対して使用できるばかりか、バター、マーガリン、ショートニング、ドレッシング等の油脂加工食品に使用することができる。また、油脂を多く含む食品、例えば、ドーナツ、油揚げ、油揚げ菓子、チョコレート、即席ラーメン等に添加使用することができる。
【００５２】
その他食品としては、おかき、せんべい、おこし、まんじゅう、飴等の和菓子、クッキー、ビスケット、クラッカー、パイ、スポンジケーキ、カステラ、ドーナツ、ワッフル、プリン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、チョコレート、チョコレート菓子、キャラメル、キャンディー、チューインガム、ゼリー、ホットケーキ、パン等の各種洋菓子、ポテトチップス等のスナック菓子、アイスクリーム、アイスキャンディー、シャーベット等の氷菓、乳酸飲料、乳酸菌飲料、濃厚乳性飲料、果汁飲料、無果汁飲料、果肉飲料、健康飲料、透明炭酸飲料、果汁入り炭酸飲料、果汁着色炭酸飲料等の清涼飲料水、緑茶、紅茶、インスタントコーヒー、ココア、缶コーヒー、業務用コーヒー等の嗜好飲料、発酵乳、加工乳、チーズ等の乳製品、豆乳などの大豆加工食品、マーマレード、ジャム、果実のシロップ漬け等の果実加工食品、フラワーペースト、ピーナツペースト、フルーツペースト等のペースト類、漬物類、ハム、ソーセージ、ベーコン、ドライソーセージ、ビーフジャーキー等の畜肉製品、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、蒲鉾、竹輪、はんぺん、てんぷら、ウニやイカの塩辛、魚の干物、魚の燻製品、鰹、鯖、鮪等の節類等の魚介類製品、海苔、小魚、貝類、スルメ、山菜、茸、昆布等で作られる佃煮類、即席カレー、レトルトカレー、缶詰カレー等のカレー類、固形ブイヨン、蛎油、焼肉のたれ、カレールー、シチュールー、スープの素、だしなどの各種調味料類、油脂を有する各種レンジ食品および冷凍食品などの各種食品に使用することができる。
【００５３】
また本発明のエキスを添加することにより、飼料の酸化を防止することができる。そのような飼料としては、例えばドッグフード、キャットフード等のペット用飼料、家畜用飼料、養殖魚介類用飼料などが挙げられる。
【００５４】
また本発明のエキスを添加することにより、化粧品の酸化を防止することができる。そのような化粧品としては、化粧水、乳液、ローション、クリーム、美容液、ローション、オイル、パック、リップクリームなどの基礎化粧料、ヘアートニック、ヘアーリキッド等の整髪料、育毛・養毛料等の頭髪化粧品、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、アイブロウライナー等のメークアップ化粧料等に使用することができる。
【００５５】
本発明の抗酸化剤は、ヒトの生体内酸化により発生する活性酸素やフリーラジカルを消去または低減する、生体内抗酸化剤として使用することができる。このような用途での本発明の抗酸化剤は、活性酸素およびフリーラジカル消去剤として投与されるが、その摂取方法としては、機能性食品の形で経口摂取するか、あるいは化粧品の形で皮膚から摂取する。このような機能性食品としては、一般食品に本発明のエキスを添加した機能性食品、およびカプセル状、粉末状、顆粒状、固形状、ゲル状（ゼリー）、ドリンク状等の健康食品が挙げられる。また、皮膚から摂取する場合の化粧品としては、化粧水、乳液、ローション、クリーム、美容液、オイル、パック、リップクリームなどの基礎化粧品、ヘアートニック、ヘアーリキッド等の整髪料、育毛・養毛料等の頭髪化粧品等の、皮膚に直接塗布する化粧品に使用できる。
【００５６】
本発明の抗酸化剤の添加量および投与量は、品質保持のための酸化防止剤として用いる場合と、生体内で発生するフリーラジカルや活性酸素を消去・低減する生体内抗酸化剤として用いる場合とで異なり、また甘蔗由来のエキスの精製度、形態等によって異なるので特に限定されない。また、品質保持のための酸化防止剤として用いる場合には、添加する食品、飼料および化粧品に含まれる油脂や色素等の酸化する物質の種類や量、また他の抗酸化剤と併用して使用する場合にはその配合比により、添加量は影響される。しかし、製造例１〜４で得た甘蔗由来のエキス粉末を他の抗酸化剤と併用しないで添加する場合の、通常の添加量としては０．０００２〜2重量％であり、好ましくは０．００２〜０．０５％である。また、生体内抗酸化剤として用いる場合には、製造例１〜４で得た甘蔗由来のエキス粉末を用いる場合には、成人において、通常の投与量としては１日当たり２５０〜２０００ｍｇであり、好ましくは５００〜１０００ｍｇである。
【００５７】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に解説するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【００５８】
製造例1
原料製造工場の製造工程にて得られた甘蔗の圧搾汁（固形分１８．６％）約１０００リットルを、ジュースヒーターで８０℃に加温し、管型限外ろ過（ＭＨ−２５型、有効膜面積２ｍ２×３本、分画分子量１０万、ダイセル化学工業株式会社製）でろ過処理して、約７５０リットルの処理液を得た。
合成吸着剤ＳＰ−８５０（商品名、三菱化学株式会社）１５リットルを、ウォータージャケット付きのカラム（カラムサイズ：内径１７．０ｃｍ、高さ１００ｃｍ）に充填し、これに前記の圧搾汁ろ過処理液を、流速７５リットル／時間（ＳＶ＝５ｈｒ−１）の速度で通液した。なお、圧搾汁ろ過処理液通液中は、ウォータージャケットに、６５℃の水を常に循環させた。次に、４５リットルのイオン交換水を、流速３０リットル／時間（ＳＶ＝２ｈｒ−１）でカラムに通液して洗浄した。イオン交換水で洗浄後、カラムから溶出した画分についての糖類の検出を行ったところ、ハンドレフブリックス（Ｂｘ．）計（アタゴ株式会社製、Ｎ−１Ｅ型）において、Ｂｘ．が約０になっているのが確認された。その後、溶出溶媒として３０リットルの５５％エタノール水溶液（エタノール／水＝５５／４５（体積／体積））を流速３０リットル／時間（ＳＶ＝２ｈｒ−１）にてカラムに通液して、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。その後イオン交換水を３０リットル／時間（ＳＶ＝２ｈｒ−１）で通液した。なお、溶出溶媒およびその後のイオン交換水通液中は、ウォータージャケットに、２５℃の水を常に循環させた。５５％エタノール水溶液でカラムから溶出した溶出液および、その後のイオン交換水を２０分間流して得られた溶出液を混合し、濃縮機にて約２０倍に減圧濃縮した後、１晩凍結乾燥して、茶色の粉末（甘蔗由来のエキス）４３５ｇを得た。
【００５９】
製造例2
原糖製造工場の製造工程にて得られた清浄汁（固形分１１．５％）約６２０リットルを限外ろ過処理せずにそのまま使用した以外は製造例１と同様にして、カラム処理を行った。得られた溶出液を濃縮機にて約２０倍に減圧濃縮した後、１晩凍結乾燥して、茶褐色の粉末（甘蔗由来のエキス）２１０ｇを得た。
【００６０】
製造例3
原糖工場において、結晶缶にて２回蔗糖結晶を回収し、遠心分離により結晶を除いた振蜜である２番蜜を原料として、陽イオン交換樹脂を充填した分離糖を用いた擬似移動床式連続分離法により、イオン交換カラムクロマト分離を行った。原料の調製からイオン交換クロマト分離までの工程は連続的に行われるため、各工程の液の固形分濃度や組成は時間と共に若干変動するが、以下の濃度や組成は定常運転における測定値である。
２番蜜はブリックス（Ｂｘ．）が約８５であった。この濃度はカラムクロマト処理を行うには高いため、ブリックス約５０に希釈した。これに消石灰、炭酸ソーダを添加して不純物を凝集させ、ケイソウ土ろ過を行った。得られたろ液は、ブリックス４７．３、糖度（Ｐｏｌ．）２３．６、純糖率（Ｐｕｒｉｔｙ）４９．９、還元糖分２．５％であった。
ろ液をイオン交換クロマトグラフィーの原料として用いた。
陽イオン交換樹脂としてＵＢＫ５３０（三菱化学株式会社）を用いた擬似移動床式連続分離法によるイオン交換クロマトグラフィーを行った。樹脂を充填した分離塔は８分割されており、１塔当たりの樹脂量は６．５ｍ３である。原料液と溶離液（水）の供給、および蔗糖画分と非蔗糖画分の抜き出し位置を一定時間毎に切り替えることにより、連続的に供給、抜き出しを行った。定常時の既定値は、供給流量３ｍ３／時間、溶離水流量１３．５ｍ３／時間、非蔗糖画分抜き出し流量１２．１３ｍ３／時間、蔗糖画分抜き出し流量４．３７ｍ３／時間、切り替え時間２６７秒であった。このクロマトグラフィー処理により、蔗糖画分と非蔗糖画分が分離された。これらは夫々、後述の図１における画分１０〜１７、および画分１〜９と画分１８〜３０とを合わせたものに相当する。蔗糖画分は蔗糖が固形分当たり約８７％（ＨＰＬＣ分析による）でブリックスは約３５であり、この画分を、清浄汁と混合して製糖本工程に戻し、再び蔗糖を回収する操作を行った。また、得られた非蔗糖画分は、蔗糖分が約０．３％（ＨＰＬＣ分析による）でブリックスが約８であった。この非蔗糖画分を濃縮缶により濃縮し、ブリックス４０．０、糖度（Ｐｏｌ．）２．３、純糖率（Ｐｕｒｉｔｙ）５．８、還元糖分５．４％とした。この非蔗糖画分を、後の試験に用いるため、１晩凍結乾燥処理に付した。得られた凍結乾燥粉末０．２５ｇを０．５ｍＭリン酸バッファー（ｐＨ７．５）で１００ｍｌ溶液にし、波長４２０ｎｍでの吸光度を測定した。吸光度は１．１１であった。
【００６１】
製造例４
原糖工場で得られた２番蜜処理液を原料として、単塔式回分分離法によるイオン交換カラムクロマトグラフィー処理を行った。
原料として使用した２番蜜処理液は、２番蜜を希釈後、炭酸ソーダによる清浄処理、ケイソウ土ろ過を行ったものである。この原料液の分析値は、ブリックス４７．４、糖度（Ｐｏｌ．）２３．２、純糖率（Ｐｕｒｉｔｙ）４８．９、還元糖分３．２％であった。
この原料を用いて、ＦＰＬＣシステム（ファルマシア株式会社製）を用いた単塔式回分分離法によるイオン交換クロマトグラフィーによる分画分離を行った。カラムにゲル型の強酸性陽イオン交換樹脂ＵＢＫ５３０、ナトリウムイオン型（商品名、三菱化学株式会社）５００ｍｌを充填した。カラムは内径２６ｍｍ、高さ１０００ｍｍで、フローアダプター付きであった。通液条件は、溶離液として脱気した蒸留水を用い、流速ＳＶ＝０．５ｈｒ−１（４．１７ｍｌ／分）、温度６０℃で行った。
約２５ｍｌの原料をカラムに供与した。分画条件は、原料供与３０分後から溶出液の回収を開始し、試験管１本当たり３．６分間（約１５ｍｌ／本）回収し、全部で３０本回収した。
得られた３０画分についての波長４２０ｎｍの吸光度、電気伝導度、および糖濃度を測定し、図１に示した。ここで、吸光度測定のためには、０．５ｍＭリン酸バッファー（ｐＨ７．５）２ｍｌに各画分０．１ｍｌを加えて試料とした。電気伝導度測定のためには、各画分を蒸留水で０．５％に希釈して試料とした。糖濃度はＨＰＬＣにより測定された。
各ピークと抗酸化効果の関係を調べるため、波長４２０ｎｍの吸光ピーク部分を４つに、また蔗糖のピーク部分を３つに、蔗糖のピーク以降を１つにまとめた。すなわち、画分３および４を合わせてサンプル１に、画分５および６を合わせてサンプル２に、画分７および８を合わせてサンプル３に、画分９および１０を合わせてサンプル４に、画分１１および１２を合わせてサンプル５に、画分１３および１４を合わせてサンプル６に、画分１５および画分１６を合わせてサンプル７に、画分１７〜３０を合わせてサンプル８とした。画分１および２は溶出される成分がほとんどないため、廃棄した。各サンプルを１晩凍結乾燥して、粉末とした。得られた凍結乾燥粉末０．２５ｇを０．５ｍＭリン酸バッファー（ｐＨ７．５）に溶解して、１００ｍｌとし、波長４２０ｎｍでの吸光度を測定した。また、凍結乾燥固形分の分配比率、電導度灰分（塩分）、蔗糖、グルコースおよびフラクトース含量、ポリフェノール量も測定した。電導度灰分は、電気伝導度と既知の硫酸灰分の関係の検量線から係数を求め算出したもの、蔗糖、グルコースおよびフラクトース含量はＨＰＬＣ分析により求めたものを、それぞれ各サンプルの固形分重量に対する比（％）として示した。ポリフェノール含量は、カテキン水溶液を標準溶液として検量線を引き、フェノール試薬で反応させて波長７６５ｎｍの吸光度を測定するフォリン−チオカルト法により測定し、カテキン換算の値として示した。また、凍結乾燥固形分の分配比率は、全サンプルの固形分重量の合計に対する各サンプルの固形分重量の比（％）である。
各サンプルの分液結果を以下の表１に示した。また、イオン交換樹脂によるクロマトグラフィーチャートを図1に示す。
サンプル８の吸光度は０．８６と比較的高かったが、これはテーリングした成分を集めたものだからである。他のサンプルは２画分ずつを一緒にしたものであるのに対し、サンプル８は１４画分を合わせたものである。従って、４２０ｎｍの吸光度は高いが、この画分だけを本効果の画分として回収するのは効率が悪い。
糖分含量から、サンプル１〜3が非蔗糖分画分に相当し、サンプル４〜８が蔗糖分画分に相当することがわかる。
【００６２】
【表１】
製造例1で得られたエキス粉末を使用して、ラットを用いた単回経口投与毒性試験を行った。Sprauge-Dawley系ＳＰＦラット（Crj:CD(SD)）の雌雄各１６匹を５週令で入手し、約１週間検疫・馴化飼育した後、健康な動物を選び、６週令で試験に供した。投与時の体重範囲は雄で１５７〜１７１ｇ、雌で１２３〜１３３ｇであった。
飼育条件は、動物は温度２３±３℃、相対湿度５０±２％、換気回数１時間１０〜１５回、照明１日１２時間の飼育室で、固形飼料（ＣＦＲ−１（商品名）、オリエンタル酵母株式会社）および飲料水を自由に摂取させて飼育した。
投与前１晩（約１６時間）絶食させたラットに、一定の投与容量１０ｍｌ／ｋｇ体重にて、所定濃度の甘蔗由来のエキス粉末を１回強制経口投与した。対照群の動物には滅菌蒸留水のみを同様に投与した。なお、絶食後の再給餌は投与６時間後に実施した。
投与量は、２００ｍｇ／ｋｇおよび１０００ｍｇ／ｋｇの２用量とし、これに対照群を加えて計３群を使用した。１群の動物数は雌雄共５匹とした。
結果を以下の表２に示す。
【００６３】
【表２】
飼育中いずれのラットにおいても異常は認められず、さらに各被検液投与群の雌雄の体重は、対照群とほぼ同等であった。また、いずれのラットにおいても、解剖学的検査の結果、体外表、頭部、胸部および腹部の器官・組織に異常は見られなかった。
以上の結果から、製造例１で得られたエキス粉末をラットに単回経口投与毒性試験を行ったときの毒性は極めて弱いものと考えられる。
【００６４】
実施例１（色素の退色抑制試験）
本発明の有効成分の色素の退色抑制試験を、β−カロチンの光による劣化退色を測定することより調べた。
まず、異性化糖２０．０％、クエン酸２水和物０．４３％、クエン酸ナトリウム２水和物１．２３％、β−カロチン６．５６ppmの水溶液（カロチンモデルジュース）を調製した。β−カロチン試薬は水に溶けにくいため、水溶性バイオカロチン０２（商品名、協和醗酵工業（株）製）を用い、これを上記のβ−カロチン濃度になるように添加した。これに、製造例１または３で製造したエキスを、２５０ppmまたは５００ppm添加した。陽性対照としてビタミンＣ、カテキンを１００ppm、２５０ppm添加したものも用意した。また、ブランクとして、抗酸化剤を添加しない系も用意した。調製した抗酸化剤添加または無添加のモデルジュースを３６℃、１５０００ルクスで保存し、保存開始時、保存３日後、４日後、６日後、７日後の波長４６０ｎｍにおける吸光度を測定し、その経時変化を調べた。色素残存率は、保存開始時の吸光度の値を１００％とし、ブランクの吸光度の下限値を０％とした、吸光残存率で示した。
結果を以下の表３及び図２に示した。
【００６５】
【表３】
【００６６】
実施例２（脂質の過酸化抑制試験）
本発明の有効成分の脂質の過酸化抑制効果を、特開平８−２０５４４号公報より引用したA.Jitoeらの方法（Journal of Agricultural and Food Chemistry, Vol.40, pp.1337-1340 (1992)）を一部改変した方法により調べた。脂質としてはリノール酸を用い、チオシアン酸法により調べた。本法は、リノール酸の過酸化物により、第一鉄イオンが第二鉄イオンに酸化されることを利用し、生成した第二鉄イオンをチオシアン錯塩として比色する方法である。
９９．５重量％エタノール４ｍｌ、９９．５重量％エタノールに溶解した２．５３重量％リノール酸溶液４．１０４ｍｌ、５０ｍＭリン酸バッファー（ｐＨ７．０）８ｍｌおよび蒸留水３．８９６ｍｌに、製造例１または３で得た本発明の有効成分を添加した反応混合液を、スクリューキャップ付きの５０ｍｌ容量のバイアル中に入れ、暗黒化６０℃のインキュベーター中に放置した。陽性対照として、本発明のエキスの代わりにビタミンＣ、カテキンまたはα−トコフェロールを添加したものを用意した。
４日後、各反応液０．１ｍｌに、７５重量％エタノール−水混合液９．７ｍｌおよび３０重量％チオシアン酸アンモニウム水溶液０．１ｍｌを加えた。これに、０．０２Ｍ塩化第一鉄になるよう３．５％塩酸で溶解した液０．１ｍｌを加えて、正確に３分後の５００ｎｍにおける吸光度（Ｍ）を測定した。さらに、対照として、本発明の有効成分または陽性対照の成分を添加しない場合の吸光度（Ｎ）を測定して、次式：
脂質過酸化抑制率（％）＝（Ｍ−Ｎ）／Ｍ×１００
より各成分の脂質過酸化抑制率を計算した。
結果を表４に示した。
【００６７】
【表４】
【００６８】
実施例３（ヒドロキシルラジカル（ＯＨ・）消去試験）
本発明の有効成分のヒドロキシルラジカル消去効果を、特開平８−２０５４４号公報より引用したB. Halliwellらのデオキシリボース法（Analytical Biochemistry，Vol.165, pp.215-219 (1987)）を一部改変した方法により調べた。本法は、フェントン試薬（過酸化水素と鉄（II）塩を混合した酸化呈色試薬）より発生するヒドロキシルラジカルとデオキシリボースとの反応により生じるマロンジアルデヒド（ＭＤＡ）を、チオバルビツール酸（ＴＢＡ）と反応させることにより赤色反応物を生成させ、この生成量を５３２ｎｍにおける吸光度（ＴＢＡ値）を測定することによって求めるものである。この系にヒドロキシルラジカル消去効果を有する物質が存在すると、ＭＤＡの生成量が減少し、ＴＢＡ値が減少するので、本発明の有効成分無添加時のＴＢＡ値に対する本発明の有効成分添加時のＴＢＡ値から、ＭＤＡ生成阻害率を求め、本発明の有効成分のヒドロキシルラジカル消去率とした。
２００ｍＭＫＨ２ＰＯ４−ＫＯＨバッファー（ｐＨ７．４）０．２ｍｌ、２８ｍＭデオキシリボース水溶液０．２ｍｌ、１０ｍＭＨ２Ｏ２０．２ｍｌ、1ｍＭＦｅＣｌ３水溶液０．２ｍｌ、１ｍＭアスコルビン酸水溶液０．２ｍｌ、１．０４ｍＭＥＤＴＡ水溶液０．２ｍｌ、精製水０．６ｍｌおよび検体溶液（製造例１または３で得たエキスを、反応液中の最終濃度が後記表５に示す濃度になるように水で希釈した溶液）０．２ｍｌからなる混合液を、３７℃で１時間反応させた後、２０％トリクロル酢酸水溶液２ｍｌおよび０．６７％ＴＢＡ水溶液１ｍｌを加え、沸騰水浴中で１０分間加熱した。放冷後、５３２ｎｍにおける吸光度（Ｅ）を測定し、ＴＢＡ値を求めた。検体混合液のブランクとして、１０ｍＭＨ２Ｏ２の代わりに精製水を加えた混合液を用いて同様に吸光度（Ｆ）を測定した。さらに、対照として検体溶液の代わりに精製水を加えた場合の吸光度（Ｇ）、また対照のブランクとして検体溶液の代わりに精製水を加えかつ１０ｍＭＨ２Ｏ２の代わりに精製水を加えた場合の吸光度（Ｈ）を測定して、次式：
ヒドロキシルラジカル消去率（％）＝[（Ｇ−Ｈ）−（Ｅ−Ｆ）]／（Ｇ−Ｈ）×１００より本発明の有効成分のヒドロキシルラジカル消去率を計算した。
以上の結果を表５に示した。
【００６９】
【表５】
【００７０】
実施例４（スーパーオキシドディスムターゼ（ＳＯＤ）様活性測定試験）
ＳＯＤは、スーパーオキシドアニオン（Ｏ ２ − ・）を基質として２Ｏ ２ − ・＋２Ｈ２→Ｈ２Ｏ２＋Ｏ２の反応を触媒する酵素であるが、酵素以外のもの（ＳＯＤ様物質）がこのスーパーオキシドアニオン消去活性を有する場合にはＳＯＤ様活性と示す。
本実施例では、ＳＯＤ様活性をＳＯＤテストワコー（商品名、和光純薬工業株式会社製）を用いて測定した。この方法はＮＢＴ還元法と言われ、その原理は以下の通りである。キサンチンにキサンチンオキシダーゼが作用するとスーパーオキシドアニオンが生成し、生成したスーパーオキシドアニオンは共存するニトロブルーテトラゾリウム（ＮＢＴ）を還元し、ジホルマザンを形成するが、反応液中にＳＯＤあるいはＳＯＤ様物質が存在すると、スーパーオキシドアニオンの一部は過酸化水素と酸素（Ｏ２）に不均化され、ジホルマザン形成が減少する。このジホルマザン形成の減少の程度を、阻害率として求め、また標準ＳＯＤで阻害率の検量線を作成することにより、試料のＳＯＤ様活性として算出することができる。
キットの構成は、発色試薬：０．１Ｍリン酸バッファー（ｐＨ８．０）、０．４０ｍＭキサンチン溶液、０．２４ｍＭニトロブルーテトラゾリウム溶液、酵素液：０．０４９Ｕ／ｍｌキサンチンオキシダーゼ−０．１Ｍリン酸バッファー（ｐＨ８．０）、ブランク液：０．１Ｍリン酸バッファー（ｐＨ８．０）、反応停止液：６９ｍＭドデシル硫酸ナトリウムである。測定方法としては、まず検体として、本発明のエキス（製造例１〜４のエキス）水溶液０．１ｍｌに発色試薬１．０ｍｌ、酵素液１．０ｍｌを添加し、３７℃で正確に２０分間インキュベートし、反応停止液２．０ｍｌを添加し反応を停止させた。この反応液を良く振り混ぜた後、波長５６０ｎｍの吸光度を測定し、この値をＥＳとした。次に、ブランクとしてエキスの溶液の代わりに蒸留水０．１ｍｌを用い、同様に吸光度を測定した値をＥＢとした。また、検体ブランクとして、検体と同濃度のエキス溶液０．１ｍｌを用い、酵素液の代わりにブランク液を添加した系で検体と同様の反応をおこない、吸光度を測定した値をＥＳＢとした。試薬ブランクとして、検体ブランク測定の系のエキス溶液の代わりに蒸留水０．１ｍｌを用い、検体ブランクと同様の測定を行った値をＥＢＢとした
。次式：
阻害率（％）＝［（ＥＢ−ＥＢＢ）−（ＥＳ−ＥＳＢ）］／（ＥＢ−ＥＢＢ）×１００
よりジホルマザン形成阻害率を求めた。
また、標準ＳＯＤを用いて、ジホルマザン形成阻害率とＳＯＤ活性の検量線を作成し、これより本発明のエキスのＳＯＤ様活性を算出した。
以上の結果を表６に示した。
【００７１】
【表６】
表６からわかるように、本発明のエキスはＳＯＤ様活性を示すことが明らかである。
【００７２】
実施例５（ＤＰＰＨ法によるラジカル消去試験）
ＤＰＰＨラジカルは溶液中で安定なラジカルとして知られており、抗酸化剤との反応性をラジカルの減少量や減少速度から調べる方法に用いられる。ＤＰＰＨラジカルは、活性酸素ではないので、この方法により活性酸素以外のラジカル消去能があるのかどうかを調べることができる。ＤＰＰＨラジカルは波長５１７ｎｍの吸収を持ち、ＤＰＰＨラジカルが還元されＤＰＰＨ−Ｈになるとこの吸収が減少する。本実施例では、ＤＰＰＨラジカル消去活性を、Yamaguchiらの方法（Biosci. Biotechnol. Biochem., 62(6), 1201-1204,1998）を参考にして測定した。
【００７３】
本発明のエキスを５００ｍｇ／リットル、３００ｍｇ／リットル、２００ｍｇ／リットル、１００ｍｇ／リットル、５０ｍｇ／リットルになるように１００ｍＭＴｒｉｓ−ＨＣｌバッファー（ｐＨ７．４）に溶解したものを検液とした。この検液２ｍｌに５００μＭＤＰＰＨ−エタノール溶液を２ｍｌ添加し、激しく攪拌した。２０分間暗所に放置し、波長５１７ｎｍの吸光度を測定した。ブランクとして、検液の代わりに１００ｍＭＴｒｉｓ−ＨＣｌバッファーを用いた系でも同様に吸光度を測定し、得られた吸光度の値を１００％とした。ブランクの吸光度の５０％の値を示す抗酸化剤の濃度を求めた。
結果を以下の表７に示した。
【００７４】
【表７】
以上のことから、本発明のエキスはＤＰＰＨラジカル消去効果を示すことが明らかである。
【００７５】
実施例６（品質保持目的、芋かりんとう）
材料
干し甘藷 ４Ｋｇ
揚げ油（菜種油） １．８リットル
衣がけ白蜜
上白糖 ２Ｋｇ
水 ８００ｍｌ
水飴 １００ｇ
食塩 １０ｇ
製造例１または３のエキス １ｇ
上白糖、水、水飴、食塩、本発明のエキスを一緒に煮詰め、１１０℃に煮詰まったら火を弱め、８０℃で保温する。浅底の鍋に油を入れ、１８０℃で干し甘藷を狐色になるまで揚げた。次に攪拌鍋を弱火にかけ、余熱のあるうちに揚げた芋を入れ、作っておいた白蜜を徐々にかけてゆっくり攪拌し、蜜が充分乾かないうちに天板にあげ、乾きはじめたら１本ずつバラバラにほぐし、完全にさまして仕上げた。また、比較としてエキスを添加しないものも同様に製造した。得られた芋かりんとうを種類別にポリプロピレン製の袋に入れ、１袋に１つずつ５ｇ個包装のシリカゲル（新越化成工業（株）製）を入れ、３カ月保存した後、エキス添加のものと無添加のものの味質を比較した。
その結果、本発明のエキスを添加しない芋かりんとうは過酸化物に由来する異臭がするが、エキスを添加したものは、異臭がしなかった。
【００７６】
実施例７（品質保持目的、バタースカッチ）
材料
グラニュー糖 １４０ｇ
水飴 １００ｇ
バター ２０ｇ
水 ４０ｇ
食塩 ０．６ｇ
香料（曽田香料（株）バターフレーバーCA-01282） ０．３ｍｌ
製造例１または３のエキス ０．０５ｇ
香料以外の材料を全部合わせ、常圧下で１５０℃まで煮詰めた。香料を添加して均一に混合し、厚さ７ｍｍに伸ばし、完全に冷える前に１．５ｃｍ×２．５ｃｍに切り分けた。
また、比較のためにエキスを添加しないものも同様に製造した。得られたバタースカッチを種類別にポリプロピレンの袋に入れ、3ヵ月保存した後、エキス添加のものと無添加のものの味質を比較した。
その結果、本発明のエキスを添加しない芋かりんとうは過酸化物に由来する異臭がするが、エキスを添加したものは異臭がしなかった。
【００７７】
実施例８（品質保持目的、アイスクリーム）
材料
牛乳 ３００ｇ
生クリーム ７５ｇ
全卵 １１２．５ｇ
グラニュー糖 １１２．５ｇ
製造冷１または３のエキス ０．３ｇ
香料（曽田香料（株）メープルエッセンス93H-839） ４５μｌ
全卵をボールに割りほぐし、生クリームを合わせて良く混合し、これを▲１▼とした。牛乳にグラニュー糖を入れ、加温しながら溶解し、これを▲２▼とした。▲１▼と▲２▼を混合して漉し、急冷し、これをアイスクリーマー（（株）愛工舎製作所製）に注ぎ入れ、攪拌羽が止まるまで（約９０分間）冷却・攪拌を続けた。カップに注ぎ入れ、−３０℃の冷凍庫で硬化させた。また、比較のためエキスを添加しないものを同様に製造した。アイスクリームが硬化していることを確認したら、−２０℃の冷凍庫に移し、６ヶ月間保存し、エキスを添加したものと添加しないものの味質の違いを確認した。
その結果、エキスを添加しないアイスクリームは過酸化物に由来する異臭がするが、エキスを添加したものは、異臭を感じなかった。
【００７８】
実施例９（品質保持、中華クッキー：杏仁酥）
材料
薄力粉 １６０ｇ
ベーキングパウダー ２ｇ
ショートニング ７０ｇ
上白糖 ７０ｇ
全卵 ３５ｇ
重曹 １ｇ
水 ７．５ｇ
アーモンドスライス １０ｇ
製造例１または３のエキス ０．１ｇ
つや出し用卵 １７．５ｇ
粒アーモンド １６粒
小麦粉、ベーキングパウダー、本発明のエキスを合わせて篩にかけた。ボールにショートニングを入れ、泡だて器でクリーム状になるまで良く混ぜ、砂糖を加えて良くすり混ぜた。全卵を少しずつ加えて混ぜ、ふんわりしてきたら水で溶いた重曹を入れ、薄力粉、アーモンドスライスを加えてさっくり混ぜ合わせ、生地とした。打ち粉をした台に生地を取り出して、軽くまとめ細長い棒状にし、１６等分した。一つずつ丸めた後手のひらで平たくのばし、天板に分量外のサラダオイルを塗って並べ、中心を指でへこませてつや出し用溶き卵を塗った。中央に粒アーモンドをのせた。１７０℃に熱したオーブンに入れ、充分膨れて細かいひび割れが生じ、狐色に焼けるまで（約１２分間）焼いた。また、比較のためエキスを添加しない系でも同様に製造を行った。得られた杏仁酥を種類ごとにポリプロピレン製チャック付き袋に入れ、一袋に１つずつ５ｇ個包装のシリカゲル（新越化成工業（株）製）を入れ、1ヵ月間保存し、エキスを添加したものと添加していないものの味質の比較を行った。
その結果、エキス無添加のものは過酸化物に由来する異臭があり、また油くさい味がしたが、エキス添加のものは異臭が無く、油くささも感じなかった。
【００７９】
実施例１０（品質保持、さつま揚げ）
材料
たら 正味３００ｇ
木綿豆腐 ２００ｇ
ａ
しょうが １０ｇ
全卵 ２５ｇ
醤油 １８ｇ
味噌 １８ｇ
酒 １５ｇ
上白糖 ２７ｇ
片栗粉 ２０ｇ
製造例１または３のエキス ０．３ｇ
サラダオイル ２リットル
たらは三枚に卸して骨を取り、２ｃｍに切った。豆腐はさっと茹で、布巾に包んで水気を絞った。クッキングカッター（東芝（株）製、ＣＱ−２２型）に、茹でた豆腐、たら、ａの材料を加え、５０秒ほど混ぜ、ボールにあけ、３．５ｃｍ×５ｃｍ×７ｍｍ（短径×長径×厚さ）程度の小判形に成形し、サラダオイルで揚げた。また比較のため、エキスを添加しない系でも同様に製造した。得られたさつま揚げを１つずつポリ塩化ビニリデン製のラップに包み、種類ごとにポリエチレン製チャック付き袋に入れ、−２０℃で3カ月間保存した後取り出し、解凍後、においと味質の評価を行った。
その結果、本発明のエキスを添加しないさつま揚げは油やけ臭があったが、エキスを添加したさつま揚げは油やけ臭を感じなかった。
【００８０】
実施例１１（品質保持、ハンバーグ生地）
材料
牛豚合びき肉 ２００ｇ
刻み玉ねぎ ６０ｇ
玉ねぎ炒め用サラダオイル ６ｇ
生パン粉 ２０ｇ
牛乳 ４０ｍｌ
全卵 ２５ｇ
食塩 １．３ｇ
製造例１または３のエキス ０．１５ｇ
玉ねぎは熱した油でしっとりするまで炒め、広げて冷まし、▲１▼とした。パン粉に牛乳をかけ、湿らせ、▲２▼とした。ひき肉に食塩を加え混ぜ合わせ、さらに卵、▲１▼および▲２▼を加え、良く練り混ぜ合わせた。これを４等分し、厚さ１ｃｍの丸型に整え、ポリ塩化ビニリデン製のラップに１つずつ包み、ポリエチレン製チャック付き袋に入れて−２０℃で冷凍した。また比較のため、エキスを添加しない系でも同様に製造を行い、−２０℃で同様に冷凍した。そのまま−２０℃で１ヵ月間保存し、解凍後、生地のにおいを比較した。
その結果、エキスを添加しないものは肉の脂が酸化したことによる異臭があったが、エキスを添加したものは異臭を感じなかった。
【００８１】
実施例１２（品質保持、乳化タイプドレッシング）
材料
サラダオイル ８６ｇ
玉ねぎのおろし汁 ５ｇ
レモン汁 ７．５ｇ
りんご酢 ５０ｇ
食塩 ２．６ｇ
白こしょう ０．７ｇ
グルタミン酸ナトリウム ０．１５ｇ
コハク酸ナトリウム ０．０７ｇ
グルコース ０．７５ｇ
上白糖 １．８ｇ
水 １０ｍｌ
乳化剤：サンソフトQ-182S（商品名、太陽化学（株）製） ０．５ｇ
レシチン：サンレシチンA-1（商品名、太陽化学（株）製） ０．４５ｇ
増粘多糖類：ネオソフトXO（商品名、太陽化学（株）製） ０．０４５ｇ
製造例１または３のエキス ０．０５ｇ
ボールに乳化剤（サンソフト）を入れ、１０ｍｌの水で良く溶かしておいた。これに、玉ねぎのおろし汁、レモン汁、りんご酢、食塩、白こしょう、グルタミン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、グルコース、上白糖、レシチン、増粘多糖類、本発明のエキスを順にハンドミキサーで攪拌しながら添加していった。均一になったら、ハンドミキサーで攪拌しながら、サラダオイルを徐々に添加し、乳化させ、２００ｍｌ容のドレッシング用ペットボトルに入れた。また比較のため、エキスを添加しないドレッシングを同様に製造した。得られたドレッシングを５℃の冷蔵庫に２ヵ月間保存し、保存期間中、蓋を開け、閉め、ビンを良く振るという操作を３日に１回行った。保存後に、エキス添加・無添加のドレッシングの味質とにおいの比較を行った。
その結果、エキスを添加したものは異味・異臭を感じなかったが、エキス無添加のものは過酸化物由来の異臭と玉ねぎ臭が混ざり合った異臭があった。
【００８２】
実施例１３（品質保持、煮干ふりかけ）
材料
煮干 ４０ｇ
ごま塩（丸美屋食品工業（株）製） ７０ｇ
製造例１または３のエキスの１０％水溶液 ４ｍｌ
煮干を浅皿にいれ、５００Ｗの電子レンジで９０秒間加熱、乾燥させた。これをクッキングカッター（東芝（株）製、ＣＱ−２２型）に入れ、エキスの水溶液４ｍｌをまわしかけ、１分間ほぼ均一になる程度まで粉砕した。これをボールに開け、ごま塩と混ぜ、ポリエチレン製チャック付き袋に入れ、５ｇ個包装のシリカゲル（新越化成工業（株）製）を1袋に１つ入れ、室温保存した。また比較のため、本発明のエキスを添加しない系でも同様に製造を行い、同様に保存した。２週間保存後、ふりかけの味質、においの評価を行った。
その結果、エキスを添加しないものは魚臭さ、油やけの異臭があったが、エキスを添加したものは異臭を感じなかった。
【００８３】
実施例１４（品質保持、化粧水）
配合
Ａ エタノール ８ｇ
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 ０．５ｇ
酢酸トコフェロール ０．０１ｇ
メチルパラベン ０．２ｇ
Ｂ 精製水 ８３ｇ
製造例1または3のエキス ０．００２ｇ
クエン酸 ０．０５ｇ
クエン酸ナトリウム ０．１ｇ
グリセリン ４ｇ
１、３−ブチレングリコール ４ｇ
Ａに示す成分をエタノールに混合・溶解し、これをエタノール相とした。またＢに示す成分を精製水に混合・溶解し、水相とした。その後、エタノール相と水相とをホモミキサー（（株）日本精機製作所製）に入れ混合し、化粧水を得た。また比較のため、エキスを添加しない系でも同様に化粧水を製造した。得られた化粧水をそれぞれ２等分しガラス瓶に詰め、それぞれ一本は４０℃で、残り１本は０℃で１ヵ月間保存し、０℃保存のものは変質がほとんどないと考え、０℃保存したものと４０℃保存したもののにおいの差を保存による変化として評価した。
その結果、エキスを添加していない化粧水の場合、４０℃保存のものは明らかに異臭があり、０℃保存のものと差があったが、エキスを添加した化粧水は４０℃で保存したものと０℃保存のものとの間に、差が感じられなかった。
【００８４】
実施例１５（品質保持、クリーム）
Ａ 精製水 ６０ｇ
製造例１または３のエキス ０．０５ｇ
１、３−ブチレングリコール １０ｇ
グリセリン １０ｇ
ヒアルロン酸ナトリウム ０．１ｇ
Ｂ セトステアリルアルコール ７ｇ
スクワラン ８０ｇ
蜜ロウ ６ｇ
還元ラノリン １０ｇ
エチルパラベン ０．６ｇ
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート ４ｇ
ステアリン酸モノグリセリド ４ｇ
Ａの成分を加温しながら精製水に溶解し、すべて溶解したら７５℃に保ち、これを水相とした。Ｂの成分を加熱溶解し、すべて溶解したら７５℃に保ち、これを油相とした。両相を７５℃に保ったまま、水相に油相を徐々に加えながら、ホモミキサー（（株）日本精機製作所製）で攪拌し、均一に乳化した後、かき混ぜながら３０℃まで冷却してクリームを得た。また比較のため、エキスを添加しないクリームも同様に製造した。クリームは５０ｇずつ５０ｍｌ容バイアル瓶に入れ、エキス添加・無添加それぞれの１本を４０℃で保存し、もう１本を０℃で保存し、保存後のクリームのにおいの評価を行った。０℃保存のクリームは品質にほとんど変化が無いものとし、０℃保存のものと４０℃保存のものとの差を保存による差と考え比較した。
その結果、エキス無添加のクリームは４０℃保存により明らかに変質し、酸化による異臭が感じられたが、エキスを添加したクリームは４０℃保存によっても品質の変化はほとんど感じられなかった。
【００８５】
実施例１６（品質保持、ヘアトニック）
配合
Ａ エタノール １１０ｇ
ポリオキシエチレン（８）オレイルエーテル ４ｇ
天然ビタミンE ０．１ｇ
Ｂ 精製水 ７５ｇ
製造例1または3のエキス ０．０２ｇ
グリセリン １０ｇ
Ａの成分をエタノールに添加し、均一になるまで溶解し、これをエタノール相とした。また、Ｂの成分を精製水に添加し、均一になるまで溶解し、これを水相とした。エタノール相と水相をホモミキサー（（株）日本精機製作所製）に入れ混合し、ヘアトニックを得た。また比較のためエキスを添加しない系でも同様にヘアトニックを製造した。得られたヘアトニックは７０ｍｌずつ１００ｍｌ容のバイアル瓶に分注し、エキス添加のものと無添加のもののそれぞれ１本を４０℃で保存し、他の１本を０℃で保存した。保存開始から1ヵ月後に、０℃保存のものと４０℃保存のもののにおいを評価した。０℃保存では品質の変化はほとんど無いと考え、０℃保存のものと４０℃保存のもののにおいの差を保存による差とした。
その結果、エキスを添加しないヘアトニックの４０℃保存したものは、０℃保存のものと比較して酸化による異臭が認められたが、エキスを添加したものは、４０℃保存のものと０℃保存のものとではほとんど差が認められなかった。
【００８６】
実施例１７（品質保持、養魚用飼料）
配合
北洋魚粉 ６３０ｇ
魚肝末 ５０ｇ
カゼイン １００ｇ
溶性デンプン １５０ｇ
ビタミン混合物１） ３０ｇ
主要ミネラル混合物２） ４０ｇ
コーン油 ５０ｇ
製造例１または３のエキス １ｇ
１）改変ハルバー処方、２）高知大学処方を使用
配合成分を混合し、押し出し造粒機（不二パウダル（株）、商品名：スパルタンリューザーＲＭＯ-2Ｈ）で顆粒化後、５０℃で乾燥し、養魚用飼料を調製した。比較のためエキスを添加していない飼料を同様に調製した。得られた飼料をポリエチレン製チャック付き袋に入れ、３５℃で２ヵ月間保存し、保存後の飼料のにおいを評価した。
その結果、エキスを添加していない飼料は酸化による異臭が感じられたが、エキスを添加したものは異臭を感じなかった。
以下に、生体内酸化によリ発生する活性酸素およびラジカル消去剤としての製剤例を挙げる。
【００８７】
製剤例１（カプセル剤）
配合 重量部
製造例１または３のエキス ２０
コーンスターチ １５
タルク ８
ステアリン酸マグネシウム ３
上記成分を混合し、６０メッシュの篩を通して粒度を調製した後、ゼラチンカプセル（日本薬局方＃０）に３００ｍｇずつ充填してカプセル剤を製造した。
【００８８】
製剤例２（散剤）
配合 重量部
製造例１または３のエキス １
バレイショデンプン １
乳糖 ２
上記成分を混合し、一包当たり５００ｍｇの散剤を製造した。
【００８９】
製剤例３（錠剤）
配合 重量部
製造例１または３のエキス １６０
Ｄ−マンニトール ９０
結晶セルロース ５０
バレイショデンプン ３０
カルボキシメチルセルロースカルシウム １６
タルク ５
ステアリン酸マグネシウム ３
上記成分を混合し、６０メッシュの篩を通して粒度を調整した後、打錠機を用いて１錠当り５００ｍｇの錠剤を製造した。
【００９０】
製剤例４（グミ）
配合
製造例１または３のエキス １０．６ｇ
グラニュー糖・水飴溶液１） １９５ｇ
ゼラチン溶液２） ４８．８ｇ
水 １１ｇ
１）水飴は、酵素糖化水飴(Bx.88.4)を用い、糖固形分比でグラニュー糖：水飴＝４：６になるように加熱溶解により糖液を作成し、Bx.90に調整したもの。
２）ゼラチン（新田ゼラチン（株）製、商品名：AP-250）を用い、ゼラチン重量の１．３倍量の水でゼラチンを６０℃で加熱溶解したもの。
グラニュー糖・水飴溶液を９０℃まで冷却した。これにエキスを添加・溶解し、ゼラチン溶液を添加・混合し、均一になるまで混合した。１４０℃で２時間乾燥後デシケーターで放冷したコーンスターチで作ったモールディングスターチへ充填し、２０℃、相対湿度５０％で２４時間固化させた後、型からはずし、グミを得た。
【００９１】
製剤例５（ドリンク剤）
配合 重量部
製造例1または3のエキス ０．５
異性化糖 ５
蜂蜜 ５
クエン酸 ０．０３
ＤＬ−リンゴ酸 ０．０２
精製水 ５０
上記成分を水に溶解し、５０ｍｌ容バイアル瓶に入れ１１５℃、５分間のオートクレーブ殺菌を行った。
【００９２】
製剤例６（バニシングクリーム）
配合 重量部
Ａ 製造例１または３のエキス １
プロピレングリコール ２．５
硫酸マグネシウム ０．２
メチルパラベン ０．２
精製水 ３１．７
Ｂ ワセリン ３０
流動パラフィン ２０
パラフィン ７
ラノリン ４
セスキオレイン酸ソルビタン ４
上記成分のＡを７５℃に、Ｂを７３℃にそれぞれ加温溶解し、Ａ成分をＢ成分へ攪拌しながら徐々に加え、ホモミキサー（（株）日本精機製作所製）で乳化し、攪拌しながら急冷してクリームを得た。
【００９３】
製剤例７（パック）
配合 重量部
ポリビニルアルコール １５
Ａ 製造例１または３のエキス ５
精製水 ６６．５
グリセリン ５
プロピレングリコール ４
Ｂ エタノール ８
ポリオキシエチレン（15）オレイルエーテル １
メチルパラベン ０．２
精製水にエキスを溶解し、ここに残りのＡ成分を入れ、室温で均一に溶解した後、ポリビニルアルコールを徐々に加えて分散させ、８０℃に加熱し、溶解した。これを冷却し、あらかじめＢ成分を混合し，均一にしたものを加えて混合し、パックを製造した。
【００９４】
製剤例８（ヘアトニック）
配合 重量部
Ａ エタノール １１０
ポリオキシエチレン（8）オレイルエーテル ４
天然ビタミンE ０．１
Ｂ 精製水 ７５
製造例1または3のエキス ７
グリセリン １０
Ａの成分をエタノールに添加し、均一になるまで溶解し，これをエタノール相とした。
また、Ｂの成分を精製水に添加し、均一になるまで溶解し、これを水相とした。エタノール相と水相をホモミキサー(（株）日本精機製作所製)に入れ混合し、ヘアトニックを得た。
【００９５】
製剤例９（入浴剤）
配合 重量部
製造例１または３のエキス ５
炭酸水素ナトリウム ５１
硫酸ナトリウム ３１
塩化ナトリウム １４
上記成分を混合し、入浴剤を得た。
【００９６】
【発明の効果】
本発明によれば、甘蔗由来のエキスを食品、飼料、化粧品および生体内の酸化を防止または抑制する抗酸化剤として使用することができる。しかも、甘蔗由来のエキスは植物由来であり、古来より生甘蔗あるいは黒糖などの含蜜糖として食してきた天然物であるため、ヒトおよび動物の健康を害することなく安全で、しかも甘蔗栽培の本来の目的である砂糖の生産と並行して行うことができるため低コストで生産することができる。また、天然物であるにもかかわらずその抗酸化効果は高く、少量で作用し、また汎用性が高いため産業上非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図１】製造例４で行ったイオン交換樹脂を用いた分離により得た画分の吸光度、電気伝導度および糖濃度を示すグラフ。
【図２】実施例１の色素の退色抑制試験における吸光度の残存率の経時変化を示すグラフ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present inventionAgent for scavenging or reducing free radicals or active oxygenAbout.
[0002]
[Prior art]
Antioxidants are added to foods, feeds and cosmetics and used for the purpose of maintaining their quality, and free of active oxygen generated by in vivo oxidation by administering the antioxidant to the body, free Some are used for the purpose of eliminating or reducing radicals and lipid peroxides, that is, preventing or reducing in vivo oxidation.
[0003]
Oxidation of fats, pigments and other active ingredients in foods, feeds or cosmetics during storage causes resinification of the product, generation of off-flavors, coloring, discoloration, production of toxic substances or reduction in nutritional value. For this reason, foods, feeds and cosmetics often contain antioxidants for maintaining quality. Such an antioxidant effect is measured by testing the oxidation inhibition effect and dye fading inhibition effect of fats and oils.
[0004]
For such purposes, antioxidants conventionally used mainly in the fields of food, cosmetics and pharmaceuticals include, for example, natural antioxidants such as tocopherol (vitamin E) and ascorbic acid (vitamin C), and butyl Phenolic synthetic antioxidants such as hydroxyanisole (BHA) and dibutylhydroxytoluene (BHT) are known. Tocopherol is often used as an antioxidant for fats and oils, but its use is limited because it is difficult to dissolve in water, and the essential antioxidant power is not so high, so it has been necessary to use it together with other antioxidants. Ascorbic acid is used as a water-soluble antioxidant and is difficult to use for oils and fats, and when used in foods, its acidity is imparted, changing the taste of the food, and compared with synthetic antioxidants. As a result, its antioxidant power is inferior. On the other hand, synthetic antioxidants such as BHA and BHT have strong antioxidant power, but their safety is questioned, such as their carcinogenicity and adverse effects on the lungs and liver. became. For these reasons, it has been desired to develop a natural antioxidant having strong antioxidant power and high versatility.
[0005]
Conventionally, the following are reported as natural antioxidants. Antioxidant composition containing water or water-containing alcoholic extract of citrus fruit peel as an active ingredient (Japanese Patent Laid-Open No. 8-259945), antioxidant composition comprising extract of citrus komikankan leaf as active ingredient (Japanese Patent Laid-Open No. 11-199427), foods and drinks containing an antioxidant activity fraction extracted from green leaves of a green plant (Japanese Patent Laid-Open No. 11-123071), soluble in water in green leaves of early maturity or n -Antioxidant activity fraction of green leaves of wheat, which is a fraction insoluble in hexane and soluble in water-containing ethanol having a water content of 80% or less, and containing 2-O-glucosyl-isovitexin ( Japanese Patent Laid-Open No. 5-65480), one or more aliphatic alcoholic organic solvents having 1 to 5 carbon atoms and / or other organic solvents from the plant of the genus Dendrobates are used. Extracted antioxidants (Japanese Patent Laid-Open No. 5-156249), foods and cosmetics containing a solvent extract of winter eggplant (Japanese Patent Laid-Open No. 9-59127), and antioxidant substances contained in Kufa plants A method for producing an antioxidant substance characterized by extraction and collection with a polar solvent (JP-A-6-212154), an antioxidant comprising a hydrolyzate of an olive plant solvent extract (JP-A-9 -78061) and the like have been reported. In addition, rosemary extract, sunflower seed extract, tea extract, bayberry extract and the like are marketed for this purpose.
[0006]
Conventionally, antioxidants have been regarded as preservatives that prevent oxidation of food, feed, cosmetics and the like. However, in recent years, some antioxidants that have been used in foods so far have an antioxidant effect that eliminates or reduces free radicals, active oxygen, and lipid peroxide generated by in vivo oxidation. Search for natural extracts that have become clear and have strong antioxidant power in vivo (Food & Food Ingredients Journal of Japan, 163, 19-29 (1995), New Food Industry, 39 (3), 17-24 (1997) Monthly Food Chemical 1998-8, P.33-41).
[0007]
Various free radicals and active oxygen generated by in vivo oxidation are known. Since free radicals are a general term for molecular species having unpaired electrons, there are various in vivo free radicals. Superoxide anions and hydroxyl radicals are known as free radicals that are also active oxygen. Hydrogen peroxide and singlet oxygen are known as active oxygens that are not free radicals. Among them, those generally measured as an index of in vivo antioxidant effect are radical scavenging activity using 1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl (DPPH), superoxide anion scavenging activity, hydroxyl radical scavenging activity, These are scavenging activity and lipid peroxide production inhibitory activity, and those having these activities are generally regarded as antioxidants having in vivo antioxidant power (Monthly Food Chemical 1998-8, P.33-41).
[0008]
Recently, methods for measuring oxidative damage at the genetic level have been studied in assessing the potential of food aging prevention at the clinical level. Among them, 8-hydroxydeoxyguanosine (8-OHdG) was generated as a result of the attack on the nucleobase (deoxyguanosine) in DNA by active oxygen generated as a result of in vivo lipid peroxidation. It was revealed that 8-OHdG is usually excised by a DNA repair enzyme, and finally excreted in blood after passing through blood. Therefore, the anti-aging effect can be measured by measuring the amount of 8-OHdG in blood or urine. For this measurement, an ELISA method, which is an immunochemical method, is used, and this method is still expensive. Is not established as a general method. Therefore, at present, the above-mentioned free radical scavenging activity and active oxygen scavenging activity are usually measured as indicators of the in vivo antioxidant effect.
[0009]
Currently, the following are known as diseases considered to be caused by in vivo oxidation. Brain and nervous system diseases include cerebral edema, traumatic epilepsy, cerebral ischemia, Parkinson's disease, spinal cord injury, etc. Eye diseases include cataract, retinal degeneration, retinopathy of prematurity, etc. as respiratory diseases Is bronchial asthma, emphysema, pulmonary fibrosis, adult respiratory distress syndrome (ARDS), premature infant respiratory distress syndrome (IRDS), etc., and cardiovascular diseases such as arteriosclerosis and myocardial infarction are digestive diseases Ulcerative colitis, stress gastric ulcer, pancreatitis, gastrointestinal mucosal disorder, etc., skin diseases include ultraviolet rays, atopic dermatitis, burns, frostbite, bed sores, etc., kidney diseases include nephritis, kidney Other diseases such as insufficiency include cancer, diabetes, collagen disease, rheumatism, Alzheimer's disease, autoimmune disease, Behcet's disease and the like. Aging, skin wrinkles and dementia due to aging are also considered to be due to in vivo oxidation. Antioxidants that prevent or reduce in-vivo oxidation are thought to lead to the prevention and treatment of such diseases, and have attracted attention as functional foods or health foods.
[0010]
Antioxidants for such uses include active oxygen scavengers (JP-A-8-20544), plant seeds or germs containing an extract obtained by extracting hantaikai with water or a water-containing organic solvent as an active ingredient. Anti-oxidative oxygen action composition characterized in that after roasting potatoes, the composition obtained by adding plant seeds to the enzyme-treated one is washed with a nonpolar solvent, and then insoluble matter is extracted with a polar solvent. Product (JP-A-4-139132), active oxygen scavenger (JP-A-6-65074) characterized in that it contains astilbine extracted from Japanese ogi, and yellowfin fruit is extracted with a solvent such as water or methanol. An active oxygen scavenger (Japanese Patent Laid-Open No. 10-66465), planting comprising an extract having an antioxidant action (Japanese Patent Laid-Open No. 10-17485), a novel mint hybrid essence It is characterized by culturing mycelia of basidiomycetes and / or ascomycetes using a medium containing a fiber component, and having as a main component a saccharide, protein, and water-soluble lignin obtained by extraction from this culture. An anti-oxidant function enhancer for living body (Japanese Patent Laid-Open No. 11-228441), containing one or more plant extracts selected from Akaminoki, Uyaku, Uwaurushi, Zicopi, Perilla, Tencha, Lotus, Lavender Active oxygen scavenger (Japanese Patent Laid-Open No. 11-279069), an antioxidant containing capsanthin or a fatty acid ester thereof (Japanese Patent Laid-Open No. 10-195433), proliferating cells derived from sesame plants A superoxide dismutase-like active substance derived from solvent extraction of a culture (JP-A-4-275226) has been reported. In addition, rooibos tea extract, dried ginkgo biloba extract, etc. are on the market.
[0011]
In addition, as an antioxidant that has both an antioxidant effect for maintaining quality and an in vivo antioxidant effect, the active ingredient is a substance obtained by extracting with a polar solvent from leaves and stems of fennel, which is a kind of spice plant Antioxidants (Japanese Patent Laid-open No. Hei 6-299151), antioxidants characterized by using a plant extract of the family of Saxifragaceae (Japanese Patent Laid-Open No. 10-46142), and the like have been reported. . In addition, tea extract, grape seed extract, etc. are on the market.
[0012]
In addition, various studies on antioxidants in recent years have included antioxidants in various plants such as sesame seeds, rapeseed, wheat, soybeans, peanuts, kidney beans, lemons, prunes, eucalyptus, sage, turmeric, cinnamon, etc. However, few have confirmed the antioxidant effect for various uses.
[0013]
In addition, it has been reported that five types of antioxidants exist in Okinawan brown sugar as an antioxidant related to sugarcane among plants (Biosci. Biotech. Biochem., 60 (10), 1714-1716 (1996). )). The antioxidant effect of brown sugar acetone or methylene chloride extract has also been reported. However, these antioxidant powers have only been confirmed against linoleic acid oxidation, other antioxidant powers have not been confirmed, and the antioxidant power of sweet potato extracts other than brown sugar has not been reported .
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
Conventionally reported antioxidants for maintaining quality include synthetic products and natural extracts. Synthetic products have safety problems, so natural and highly safe antioxidants are required. However, natural antioxidants also have various problems and are required to be improved.
[0015]
For example, plant extracts belonging to herbs have a strong odor peculiar to herbs, and when added to a product, the odor is attached to the product, so the range of use is limited. Antioxidants that are basically fat-soluble, such as tocopherol, sesame extract, and sunflower seed extract, are difficult to use as they are in water-based products. There was a drawback that it was difficult to use. Moreover, since the antioxidant which has a peculiar taste and flavor influences the taste and flavor of a product, the use range was limited. Accordingly, a natural antioxidant that has an antioxidant effect within a small dosage within a range where the taste and smell imparted to a wide range of foods, feeds and cosmetics is acceptable is desired.
[0016]
There are also various problems with in vivo antioxidants known so far. Conventionally, plant extracts such as those known as Kampo, herbs, or folk medicines have medicinal effects other than antioxidant effects, and side effects due to the medicinal effects sometimes occur. For these reasons, safe plant-derived natural antioxidants that have been conventionally treated as foods are desired.
[0017]
In addition, conventional natural antioxidants are cultivated and used for the purpose of extracting antioxidants, and thus have a problem of high cost.
[0018]
In addition, as described in the prior art, the antioxidant effect is various for oils and fats, for pigments, for free radicals other than active oxygen, for free radical active oxygen, for non-radical active oxygen, etc. There are various types, but their uses differ depending on which effect they have. Conventional reports have only a part of these effects, so the applications are limited, the confirmation of the effects is insufficient, and the effects and applications are not adapted. Therefore, it is desired to have a versatile antioxidant that has been confirmed to have a combination of these.
[0019]
Antioxidants present in brown sugar have been studied, but the antioxidant activity of the five types of antioxidants and solvent extracts that have been identified and identified has been confirmed only by their antioxidative effects on fats and oils. The effect has not been confirmed. In addition, this substance is separated from brown sugar as a minor component, and it is not clear whether it is produced in the manufacturing process of brown sugar or a component contained in sweet potato itself. Therefore, it has not been clarified so far that a sweet potato itself has an antioxidant component.
[0020]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above problems, the present inventors have made extensive studies on a versatile antioxidant that is safe for humans or animals and can be produced at low cost. Extract obtained by processingEliminate or reduce free radicals or active oxygenAnd the present invention was completed.
[0021]
That is, the present invention uses an extract derived from sweet potato as an active ingredient., An agent that eliminates or reduces free radicals or active oxygenIt is.
The present inventionAgentIs a fraction obtained by treating a raw material selected from sweet potato juice, molasses derived from sweet potato and a solvent extract of sweet potato by column chromatography using a fixed carrier.Contains an extract derived from sweet potato.
[0022]
Although sweet potato is originally cultivated as a raw material plant to obtain sucrose, the present invention extracts the extract from the raw material selected from sweet potato juice, sweet potato-derived molasses and sweet potato solvent extract by column chromatography. Even if the extract is extracted, the sucrose can be recovered from the sweet potato juice in the same yield as before and does not interfere with the conventional sucrose production. That is, since the extract of the present invention can be obtained from a part obtained by removing sucrose from sweet potato, it can be produced at low cost.
[0023]
In this specification, the term “antioxidant effect” refers to an antioxidant effect for maintaining quality that inhibits or prevents the oxidation of food, feed or cosmetics, or its raw materials, and its antioxidant is administered to humans or animals. It includes an in vivo antioxidant effect that eliminates or reduces free radicals and active oxygen generated in vivo. An “antioxidant” is an agent having such an antioxidant effect.
[0024]
In addition, the sweet potato soup in the present invention is a squeezed juice obtained by squeezing sugar cane, a leached juice obtained by leaching the sweet potato with water, or a lime-treated clean juice or concentrated juice in a raw sugar manufacturing factory. Includes.
[0025]
The molasses derived from sweet potato in the present invention means treacle obtained by centrifuging a mixture of sugar crystals and mother liquor obtained in the crystallization process and separating them from the sugar crystals. Examples include honey, honey, raw sugar honey, and sugar-washed honey, 1-7 honey, and refined sugar honey in a refined sugar manufacturing plant. Moreover, the thing which desugared molasses like the isolation | separation liquid which performed alcoholic fermentation using these molasses as a raw material can be used similarly.
[0026]
The solvent extract of sweet potato in the present invention means an extract obtained by concentrating and drying an extract obtained by extracting sweet potato with a general-purpose organic solvent, and redissolving it in water. Examples of the organic solvent directly above include alcohols such as methanol and ethanol, and these may be used alone or in combination.
[0027]
In the present invention, the sweet potato-derived extract is an extract obtained from sweet potato as a raw material.
[0028]
An extract derived from sweet potato is an image obtained by treating a raw material selected from sweet potato juice, molasses derived from sweet potato and a solvent extract of sweet potato (hereinafter sometimes simply referred to as a raw material) by column chromatography using a fixed carrier. Minutes. More preferably, the raw material is passed through a column packed with a synthetic adsorbent as a fixed carrier, and the components adsorbed on the synthetic adsorbent are eluted with a solvent selected from water, methanol, ethanol and a mixture thereof. The fraction obtained by the above process or the raw material is separated by column chromatography using the difference in affinity in a column packed with an ion exchange resin as a fixed carrier, and light having a wavelength of 420 nm is obtained from the obtained fraction. The fraction that absorbs is preferable.
[0029]
Conventionally, the evaluation of the color values of raw materials, intermediate products and products derived from sweet potato is performed by the absorbance of light having a wavelength of 420 nm. Since this absorbance is slightly affected by the pH of the sample, the absorbance is usually measured after adjusting the pH to near neutral. In the present invention, the absorbance is measured after adjusting the pH of the sample to a range of 6-8. As in the Examples, 0.25 g of the lyophilized powder obtained was dissolved in 0.5 mM phosphate buffer (pH 7.5) to make a total volume of 100 ml, and the absorbance at a wavelength of 420 nm using a 1 cm cell. When measuring the above, the high effect of the present invention is recognized in the fraction having an absorbance of 0.8 or more. However, it is unknown whether the absorbance at a wavelength of 420 nm is a value indicating the amount of pigment derived from sweet potato and indicating the amount of the active ingredient itself, and depending on the production area and type of the sweet potato as a raw material, Since the absolute amounts of the pigments contained are different, the effect and absorbance are not necessarily in a proportional relationship between various extracts derived from different sweet potatoes. The absorbance of a plurality of fractions obtained from one raw material is measured, and the fraction having a relatively high absorbance is the fraction of the present invention.
[0030]
When performing column chromatography with a synthetic adsorbent packed in a column as a fixed carrier, the affinity of the effective ingredient of the present invention for the synthetic adsorbent is very high. Is adsorbed on the synthetic adsorbent. Thereafter, when elution is performed with a solvent, the components adsorbed on the synthetic adsorbent are desorbed and eluted. On the other hand, when an ion exchange resin is used as a fixed carrier, the affinity between the effective component of the effect of the present invention and the resin is not as strong as the adsorption. There is a difference in the strength of affinity between the active ingredient and other ingredients for the ion exchange resin. By supplying the raw material to the column and then flowing water as an eluent, both can be separated based on the difference in elution rate between the active ingredient and the other ingredients.
[0031]
More specifically, such a sweet potato-derived extract can be obtained as follows, for example.
[0032]
A sugar cane juice, molasses derived from sweet potato or a solvent extract of sweet potato (hereinafter sometimes simply referred to as a raw material) is passed through a column packed with a fixed carrier. The raw materials can be used as they are or after adjusting to an arbitrary concentration with water. In order to remove foreign substances, it is desirable to filter the raw material before processing with the column. The filtration method is not particularly limited, and means such as screen filtration, diatomaceous earth filtration, microfiltration, and ultrafiltration that are widely used in the food industry can be preferably used.
[0033]
As the fixed carrier, a synthetic adsorbent and an ion exchange resin are preferable.
First, a preferred embodiment of a method using a synthetic adsorbent as a fixed carrier is as follows.
[0034]
As the synthetic adsorbent, an organic resin can be preferably used. For example, an aromatic resin, an acrylic acid-based methacrylic resin, an acrylonitrile aliphatic resin, or the like can be used. An aromatic resin is more preferable, and an unsubstituted aromatic resin can be used. As the synthetic adsorbent, for example, an aromatic resin such as a styrene-divinylbenzene resin can be used. Examples of the aromatic resin include an aromatic resin having a hydrophobic substituent and an unsubstituted aromatic resin. A porous resin such as an aromatic resin obtained by subjecting an unsubstituted group to a special treatment can be used. More preferably, an aromatic resin obtained by subjecting an unsubstituted type to a special treatment can be used. Such synthetic adsorbents are commercially available, for example Diaion ™ HP-10, HP-20, HP-21, HP-30, HP-40, HP-50 (above, unsubstituted fragrance Family resins, all trade names, manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation); SP-825, SP-800, SP-850, SP-875, SP-70, SP-700 (above, special treatment for non-substituent type SP-900 (aromatic resin, trade name, manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation); Amberlite (trademark) XAD-2, XAD-4 , XAD-16, XAD-2000 (above, aromatic resins, all trade names, manufactured by Organo Corporation); Diaion (trademark) SP-205, SP-206, SP-207 (above, hydrophobic substituents) HP-2MG, EX-0021 (above, aromatic resins having hydrophobic substituents, both trade names, Mitsubishi Chemical Corporation) ; Amberlite (trademark) XAD-7, XAD-8 (above, acrylic ester resin, both trade names, manufactured by Organo Co., Ltd.); Diaion (trademark) HP1MG, HP2MG (above, acrylic methacrylate methacrylate resins, both trade names, Mitsubishi) Chemical Co., Ltd.); Sephadex (trademark) LH20, LH60 (above, derivatives of crosslinked dextran, both trade names, manufactured by Pharmacia Biotech Co., Ltd.) and the like. Among these, SP-850 is particularly preferable.
[0035]
The amount of the fixed carrier varies depending on the column size, the type of solvent, the type of fixed carrier, and the like. The wet volume is preferably 0.01 to 5 times the solid content of the raw material (selected from sweet potato juice, molasses derived from sweet potato and solvent extract of sweet potato).
[0036]
By passing the raw material (selected from sweet potato juice, molasses derived from sweet potato and solvent extract of sweet potato) through the above-mentioned column, the component having an antioxidant effect in the raw material is adsorbed to the fixed carrier, and sucrose, glucose, fructose and inorganic Most of the salt flows out.
[0037]
The component adsorbed on the fixed carrier is eluted with a solvent. Here, in order to efficiently elute components having an antioxidative effect, it is preferable to sufficiently wash away residual sucrose, glucose, fructose and inorganic salts before washing. Thereby, the component which has the antioxidant effect adsorbed | sucked can be collect | recovered more efficiently. The elution solvent is selected from water, methanol, ethanol and a mixture thereof. The elution solvent is preferably a mixed solvent of water and alcohol, particularly an ethanol-water mixed solvent. Further, since the components having an antioxidant effect can be efficiently eluted at room temperature, 50 / 50-60 / 40 (volume / volume) ethanol- A water mixed solvent is preferred. Furthermore, by raising the column temperature, it is possible to reduce the ethanol mixing ratio of the ethanol-water mixed solvent and to elute the component having the desired antioxidant effect. In this case, the inside of the column is at normal pressure or under pressure. Thus, the component which has the effect of this invention exists in the fraction eluted with the said solvent. The elution rate is not particularly limited because it varies depending on the column size, the type of solvent, the type of fixed carrier, etc., but SV = 0.1 to 10 hr-1Is preferred. In addition, SV (Space Velocity, space velocity) is a unit of how many times the amount of liquid passes through the resin volume per hour.
[0038]
The component having the antioxidant effect can be preferably obtained as follows, but is not limited to the following. That is, after passing a raw material at a column temperature of 60 to 97 ° C. through a column packed with an unsubstituted aromatic resin having a wet volume of 0.01 to 5 times the solid content of the raw material, The inside was washed with water, and then the components adsorbed on the column were eluted with 50 / 50-60 / 40 (volume / volume) ethanol-water mixed solvent at a column temperature of 20-40 ° C. and collected from the elution start time. The fraction that elutes within 4 times wet volume of the resin is collected.
[0039]
On the other hand, a preferred embodiment of a method using an ion exchange resin as a fixed carrier is as follows.
[0040]
Ion exchange resins are classified into cation exchange resins and anion exchange resins from the viewpoint of ion exchange properties. In the present invention, cation exchange resins can be preferably used. More preferably, a strongly acidic sodium ion type or potassium ion type cation exchange resin can be used. The ion exchange resin is classified into a gel type resin and a porous resin such as a porous type and a microporous type from the viewpoint of the form of the resin. In the present invention, a gel type ion exchange resin is preferably used. it can. More preferably, a gel type cation exchange resin which is a strongly acidic type, a sodium ion type or a potassium ion type can be used. Such ion exchange resins are commercially available, for example, SK1B, SK104, SK110, SK112, SK116 (all trade names, Mitsubishi Chemical Corporation), UBK530, UBK550 (for chromatographic separation, both for Diaion (trademark) Amberlite IR120B, IR120BN, IR124, XT1006, IR118, Amberlyst 31, Amberlite CG120 for chromatograph, CG6000 (both trade names, Organo Corporation) ), Dowex (trademark), HCR-S, HCR-W2, HGR-W2, Monosphere 650C, Marathon C600, 50W × 2, 50W × 4, 50W × 8 (all trade names, Dow Chemical Japan Co., Ltd.) Company), Muromac 50WX (trade name, Muromachi Chemical Co., Ltd.), Purolite (trademark), C-100E, -100, C-100 × 10, C-120E, PCR433, PCR563K, PCR822, PCR833, PCR866, PCR883, PCR892, PCR945 (all trade names, Eiemupi-Aionekusu Co., Ltd.), and the like. Of these, the UBK series is particularly preferable.
[0041]
The amount of the fixed carrier varies depending on the size of the column, the type of the fixed carrier, and the like. The solid content of the raw material is preferably 2 to 10,000 times, more preferably 5 to 500 times wet volume.
[0042]
The raw material is passed through the above column and then chromatographed using water as the eluent, and the fraction that absorbs light with a wavelength of 420 nm is fractionated from the obtained many fractions to obtain the desired extract. Can do. Hereinafter, this method is sometimes referred to as ion chromatography separation.
[0043]
Liquid passing conditions vary depending on the composition of the raw materials and the type of the fixed carrier. In the case of single-column batch separation using degassed water as the eluent, the flow rate is SV = 0.3 to 1.0 hr.-1The sample donation amount is preferably 1 to 20% of the resin, and the temperature is preferably 40 to 70 ° C. For each of the fractions obtained by this separation method, the absorption at a wavelength of 420 nm, the electrical conductivity (a measure of the amount of salt), the concentration of sucrose, glucose and fructose are analyzed, and the time series shows the wavelength. Peaks appear in the order of light absorption peak at 420 nm, electrical conductivity peak, sucrose and reducing sugar. The whole non-sucrose
[0044]
The composition of this fraction obtained by the simulated moving bed continuous separation method using the second honey at the raw sugar factory varies depending on the type of raw material and the separation ability of the ion exchange resin, but the sucrose per solid content is 6%. Hereinafter, the non-sugar content is 90% or more, and the apparent pure sugar ratio is 10%. The apparent pure sugar rate is a percentage of the sugar content (direct optical rotation with respect to the specified amount of pure sucrose measured with a saccharimeter) per solid content (Brix: Bx.).
[0045]
In addition, this fraction obtained by the single-column batch separation method has a polyphenol content of about 5% per solid content (freeze-dried solid content) in the case of a fraction obtained from No. 2 honey, and electric conductivity. The salt content is about 44.7% and the sugar content is about 5%.
[0046]
It is clear that many substances that are active ingredients of the antioxidant effect are contained in the fraction of the absorption peak at a wavelength of 420 nm, but it is not clear at present whether the active ingredient itself has an absorption of 420 nm. .
[0047]
As described above, the extract obtained from the sweet potato by column chromatography can be concentrated by conventional means (solvent removal under reduced pressure, freeze-drying, etc.) to obtain a component having the effects of the present invention. . The component having the effect of the present invention thus obtained can be stored in a liquid or powder form concentrated to a solid content of 20% or more. The storage is preferably refrigerated storage, particularly when it is liquid.
[0048]
The sweet potato-derived extract of the present invention is not only an antioxidant as a preservative that prevents the oxidation of food, feed and cosmetic ingredients, but also free radicals and activities generated by oxidation occurring in humans and animals. It also has an in vivo antioxidant effect that eliminates or reduces oxygen.
[0049]
As shown in Examples 1 and 2 and Examples 6 to 17 described later, the sweet potato-derived extract of the present invention exhibited a pigment fading prevention effect and a lipid autooxidation inhibition effect. These effects are typical effects as antioxidants for foods, feeds and cosmetics, and antioxidants having these effects are effective as antioxidants for foods.
[0050]
In addition, as shown in Examples 2 to 5 described later, the sweet potato-derived extract of the present invention has hydroxyl radical scavenging effect, superoxide dismutase (SOD) -like activity, radical scavenging effect by DPPH method, and lipid autoxidation inhibiting effect. It showed the effect of scavenging in vivo radicals and active oxygen. Antioxidants having these effects are effective as in vivo antioxidants.
[0051]
The sweet potato-derived extract of the present invention can be prevented from being oxidized by being added to food. Examples of such foods include fats and oils such as corn oil, rapeseed oil, cottonseed oil, soybean oil, safflower oil, sunflower oil, sesame oil, wheat germ oil, castor oil, coffee oil, cashew nut oil, cacao bean oil, peanut oil, Animal and vegetable oils and fats such as fish oil, palm oil, palm kernel oil, lard, beef tallow and chicken oil, and partially or fully hydrogenated oils and fats of these animal and plant oils and fats, unsaturated fatty acids such as oleic acid, eicosapentaenoic acid and docosahexaenoic acid And its esters or unsaturated alcohols thereof, and can be used for processed oils and fats such as butter, margarine, shortening, and dressing. Moreover, it can be used by adding to foods rich in fats and oils, such as donuts, fried chicken, fried confectionery, chocolate, instant ramen and the like.
[0052]
Other foods include Japanese confectionery such as rice crackers, rice crackers, rice cakes, manju, and rice cakes, cookies, biscuits, crackers, pies, sponge cakes, castella, donuts, waffles, pudding, butter cream, custard cream, cream puffs, chocolate, chocolate confectionery, Various confectionery such as caramel, candy, chewing gum, jelly, hot cake, bread, snack confectionery such as potato chips, ice confectionery such as ice cream, ice candy, sherbet, lactic acid beverage, lactic acid bacteria beverage, concentrated milk beverage, fruit juice beverage, no fruit juice Soft drinks such as beverages, pulp drinks, health drinks, transparent carbonated drinks, carbonated drinks with fruit juice, and fruit colored carbonated drinks, taste drinks such as green tea, tea, instant coffee, cocoa, canned coffee, commercial coffee, fermented milk, Processed milk, chi Dairy products such as soy milk, soy processed foods such as soy milk, marmalade, jam, fruit processed food such as pickled fruit, pastes such as flower paste, peanut paste, fruit paste, pickles, ham, sausage, bacon, dry Fish products such as sausages, beef jerky, fish ham, fish sausages, salmon, bamboo rings, hampen, tempura, salted sea urchin and squid, fish dried fish, fish salmon products, seafood products such as salmon, salmon, salmon , Seaweed, small fish, shellfish, sea bream, wild vegetables, sea bream, kelp made with seafood, instant curry, retort curry, canned curry and other curry, solid bouillon, salmon oil, grilled meat sauce, curry roux, stew roux, It can be used for various foods such as various seasonings such as soup stock and soup stock, various range foods with oils and fats, and frozen foods.
[0053]
Moreover, the oxidation of feed can be prevented by adding the extract of the present invention. Examples of such feed include pet feed such as dog food and cat food, livestock feed, and feed for cultured fish and shellfish.
[0054]
Moreover, the oxidation of cosmetics can be prevented by adding the extract of this invention. Such cosmetics include skin lotions, milk lotions, lotions, creams, beauty liquids, lotions, oils, packs, lip balms and other basic cosmetics, hair styling products such as hair nicks and hair liquids, and hair for hair growth and hair restoration. It can be used for makeup cosmetics such as cosmetics, foundations, lipsticks, blushers, eye shadows, eyeliners, mascaras, eyebrow liners and the like.
[0055]
The antioxidant of the present invention can be used as an in vivo antioxidant that eliminates or reduces active oxygen and free radicals generated by human in vivo oxidation. The antioxidant of the present invention for such use is administered as an active oxygen and free radical scavenger, and can be ingested orally in the form of functional food or in the form of cosmetics for the skin. Take from. Examples of such functional foods include functional foods obtained by adding the extract of the present invention to general foods, and health foods such as capsules, powders, granules, solids, gels (jellys), and drinks. It is done. Cosmetics for ingestion from the skin include skin lotions, emulsions, lotions, creams, beauty liquids, oils, packs, lip balms, and other basic cosmetics, hair styling products such as hair nicks, hair liquids, hair growth and hair restorations, etc. It can be used for cosmetics applied directly to the skin, such as hair cosmetics.
[0056]
The addition amount and dosage of the antioxidant of the present invention are used as an antioxidant for maintaining quality, and as an in vivo antioxidant that eliminates or reduces free radicals and active oxygen generated in vivo. And is not particularly limited because it differs depending on the degree of purification and form of the sweet potato-derived extract. In addition, when used as an antioxidant for maintaining quality, it is used in combination with other antioxidants as well as the type and amount of substances to be oxidized such as fats and pigments contained in foods, feeds and cosmetics to be added. In this case, the addition amount is affected by the blending ratio. However, when adding the sweet potato-derived extract powder obtained in Production Examples 1 to 4 without using it together with other antioxidants, the usual addition amount is 0.0002 to 2% by weight, preferably 0. 002 to 0.05%. In addition, when used as an in vivo antioxidant, when using the sweet potato-derived extract powder obtained in Production Examples 1 to 4, the usual dose in adults is 250 to 2000 mg per day, preferably Is 500-1000 mg.
[0057]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example is given and this invention is demonstrated more concretely, this invention is not limited to these Examples.
[0058]
Production Example 1
About 1000 liters of sweet potato press (solid content 18.6%) obtained in the manufacturing process of the raw material manufacturing plant is heated to 80 ° C. with a juice heater, and tube type ultrafiltration (MH-25 type, effective) Membrane area 2m2× 3, fractional molecular weight 100,000, manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.) to obtain a treatment liquid of about 750 liters.
A synthetic adsorbent SP-850 (trade name, Mitsubishi Chemical Co., Ltd.) 15 liters is packed in a water jacketed column (column size: inner diameter 17.0 cm, height 100 cm), and the above-mentioned pressed juice filtration treatment liquid At a flow rate of 75 liters / hour (SV = 5 hr)-1). In addition, 65 degreeC water was always circulated through the water jacket during the passage of the pressed juice filtration treatment liquid. Next, 45 liters of ion exchange water was added at a flow rate of 30 liters / hour (SV = 2 hr).-1) And passed through the column for washing. After washing with ion-exchanged water, saccharides in the fraction eluted from the column were detected. In a hand reflex Brix (Bx.) Meter (Atago Co., Ltd., N-1E type), Bx. Was confirmed to be about 0. Thereafter, 30 liters of 55% ethanol aqueous solution (ethanol / water = 55/45 (volume / volume)) was used as an elution solvent at a flow rate of 30 liters / hour (SV = 2 hr).-1) Was passed through the column to elute the components adsorbed on the synthetic adsorbent. After that, ion-exchanged water was added at 30 liters / hour (SV = 2 hr).-1). In addition, 25 degreeC water was always circulated through the water jacket in the elution solvent and the subsequent ion exchange water flow. The eluate eluted from the column with 55% ethanol aqueous solution and the eluate obtained by flowing subsequent ion-exchanged water for 20 minutes were mixed, concentrated under reduced pressure about 20 times with a concentrator, and then freeze-dried overnight. Thus, 435 g of a brown powder (an extract derived from sweet potato) was obtained.
[0059]
Production Example 2
Column treatment was performed in the same manner as in Production Example 1 except that about 620 liters of purified juice (solid content 11.5%) obtained in the production process of the raw sugar production factory was used as it was without being subjected to ultrafiltration treatment. It was. The obtained eluate was concentrated under reduced pressure about 20 times with a concentrator and then freeze-dried overnight to obtain 210 g of brown powder (an extract derived from sweet potato).
[0060]
Production Example 3
In the raw sugar factory, sucrose crystals are collected twice in a crystal can and simulated moving bed using separated saccharide filled with cation exchange resin from 2nd honey, which is the honey removed from the crystals by centrifugation. Ion exchange column chromatographic separation was performed by a continuous type separation method. Since the steps from raw material preparation to ion-exchange chromatography separation are performed continuously, the solids concentration and composition of the liquid in each step vary slightly with time, but the following concentrations and compositions are measured values in steady operation. .
The second honey had a Brix (Bx.) Of about 85. Since this concentration is high for column chromatography, it was diluted to about 50 Brix. Slaked lime and sodium carbonate were added to this to agglomerate impurities, and diatomaceous earth filtration was performed. The obtained filtrate had Brix 47.3, sugar content (Pol.) 23.6, pure sugar ratio (Purity) 49.9, and reducing sugar content 2.5%.
The filtrate was used as a raw material for ion exchange chromatography.
Ion exchange chromatography was performed by a simulated moving bed continuous separation method using UBK530 (Mitsubishi Chemical Corporation) as a cation exchange resin. The separation tower filled with resin is divided into 8 parts, and the amount of resin per tower is 6.5 m.3It is. By supplying the raw material solution and the eluent (water) and switching the extraction position of the sucrose fraction and the non-sucrose fraction at regular intervals, the supply and extraction were performed continuously. The default value for regular operation is a supply flow rate of 3 m.3/ Hour, elution water flow 13.5m3/ Hour, non-sucrose fraction extraction flow rate 12.13m3/ Hour, sucrose fraction extraction flow rate 4.37m3/ Hour, switching time was 267 seconds. By this chromatography treatment, a sucrose fraction and a non-sucrose fraction were separated. These correspond to the
[0061]
Production Example 4
Using the second honey treatment liquid obtained at the raw sugar factory as a raw material, ion-exchange column chromatography treatment by a single tower batch separation method was performed.
The No. 2 honey treatment liquid used as a raw material is obtained by diluting No. 2 honey, followed by cleaning with sodium carbonate and diatomaceous earth filtration. The analytical values of this raw material solution were Brix 47.4, sugar content (Pol.) 23.2, pure sugar rate (Purity) 48.9, and reducing sugar content 3.2%.
Using this raw material, fractional separation was performed by ion exchange chromatography using a single-column batch separation method using an FPLC system (manufactured by Pharmacia). The column was packed with gel type strongly acidic cation exchange resin UBK530 and sodium ion type (trade name, Mitsubishi Chemical Corporation) 500 ml. The column had an inner diameter of 26 mm, a height of 1000 mm, and a flow adapter. As the flow-through conditions, degassed distilled water was used as an eluent, and a flow rate SV = 0.5 hr.-1(4.17 ml / min) at a temperature of 60 ° C.
About 25 ml of raw material was donated to the column. As for the fractionation conditions, collection of the eluate was started 30 minutes after the supply of the raw material, and 3.6 minutes (about 15 ml / tube) was collected per test tube, and a total of 30 tubes were collected.
The obtained 30 fractions were measured for absorbance at a wavelength of 420 nm, electrical conductivity, and sugar concentration, and are shown in FIG. Here, for absorbance measurement, 0.1 ml of each fraction was added to 2 ml of 0.5 mM phosphate buffer (pH 7.5) to prepare a sample. For the measurement of electrical conductivity, each fraction was diluted to 0.5% with distilled water and used as a sample. Sugar concentration was measured by HPLC.
In order to investigate the relationship between each peak and the antioxidant effect, the absorption peak part at a wavelength of 420 nm was combined into four, the sucrose peak part into three, and the sucrose peak and subsequent parts into one. That is,
The results of liquid separation for each sample are shown in Table 1 below. Further, FIG. 1 shows a chromatography chart using an ion exchange resin.
The absorbance of
From the sugar content, it can be seen that
[0062]
[Table 1]
Using the extract powder obtained in Production Example 1, a single oral dose toxicity test was conducted using rats. 16 male and female Sprauge-Dawley SPF rats (Crj: CD (SD)) were obtained at 5 weeks of age, quarantined and acclimatized for about 1 week, healthy animals were selected, and the test was conducted at 6 weeks of age. did. The body weight range at the time of administration was 157 to 171 g for males and 123 to 133 g for females.
As for the breeding conditions, the animal is a breeding room with a temperature of 23 ± 3 ° C., a relative humidity of 50 ± 2%, a ventilation rate of 1 to 10 to 15 times, and a lighting time of 12 hours in a solid feed (CFR-1 (trade name), Oriental Yeast Co., Ltd.) and drinking water were bred freely.
Rats fasted overnight (about 16 hours) prior to administration were once orally gavaged with a predetermined concentration of sweet potato-derived extract powder at a constant dose volume of 10 ml / kg body weight. A control group of animals was similarly administered only sterile distilled water. Refeeding after fasting was performed 6 hours after administration.
Two doses of 200 mg / kg and 1000 mg / kg were used, and a total of 3 groups were used by adding a control group thereto. The number of animals in one group was 5 for both sexes.
The results are shown in Table 2 below.
[0063]
[Table 2]
No abnormality was observed in any of the rats during breeding, and the weights of males and females in each test solution administration group were almost the same as those in the control group. In any rat, as a result of anatomical examination, no abnormality was found in the organs / tissues of the external surface, head, chest and abdomen.
From the above results, it is considered that the toxicity when the extract powder obtained in Production Example 1 is subjected to a single oral administration toxicity test in rats is extremely weak.
[0064]
Example 1 (Dye fading suppression test)
The fading suppression test of the pigment of the active ingredient of the present invention was examined by measuring the degradation fading due to light of β-carotene.
First, an aqueous solution (carotene model juice) containing 20.0% isomerized sugar, 0.43% citric acid dihydrate, 1.23% sodium citrate dihydrate, and 6.56 ppm β-carotene was prepared. Since β-carotene reagent is hardly soluble in water, water-soluble biocarotene 02 (trade name, manufactured by Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd.) was used and added so as to have the above β-carotene concentration. To this, 250 ppm or 500 ppm of the extract produced in Production Example 1 or 3 was added. As positive controls, vitamin C and catechin added at 100 ppm and 250 ppm were also prepared. Moreover, the system which does not add an antioxidant as a blank was also prepared. The prepared model juice with or without antioxidant was stored at 36 ° C. and 15000 lux, and the absorbance at a wavelength of 460 nm was measured at the start of storage, 3 days, 4 days, 6 days, and 7 days after storage, and the change with time. I investigated. The dye residual ratio was indicated by the residual absorbance ratio, with the absorbance value at the start of storage being 100% and the lower limit of the blank absorbance being 0%.
The results are shown in Table 3 below and FIG.
[0065]
[Table 3]
[0066]
Example 2 (lipid peroxidation inhibition test)
The lipid peroxidation inhibitory effect of the active ingredient of the present invention was determined by the method of A. Jitoe et al. (Journal of Agricultural and Food Chemistry, Vol. 40, pp. 1337-1340 (1992) cited from JP-A-8-20544). ) Was examined by a partially modified method. As the lipid, linoleic acid was used and examined by the thiocyanic acid method. This method utilizes the fact that ferrous ions are oxidized to ferric ions by the peroxide of linoleic acid, and is a method of colorimetrically forming the ferric ions as thiocyanate complex.
Preparation Example 1 4 ml of 99.5 wt% ethanol, 4.104 ml of 2.53 wt% linoleic acid solution dissolved in 99.5 wt% ethanol, 8 ml of 50 mM phosphate buffer (pH 7.0) and 3.896 ml of distilled water Alternatively, the reaction mixture obtained by adding the active ingredient of the present invention obtained in 3 was placed in a 50 ml capacity vial with a screw cap and left in a darkened 60 ° C. incubator. As a positive control, vitamin C, catechin or α-tocopherol added in place of the extract of the present invention was prepared.
Four days later, 9.7 ml of a 75 wt% ethanol-water mixture and 0.1 ml of a 30 wt% ammonium thiocyanate aqueous solution were added to 0.1 ml of each reaction solution. To this, 0.1 ml of a solution dissolved in 3.5% hydrochloric acid so as to become 0.02M ferrous chloride was added, and the absorbance (M) at 500 nm after 3 minutes was measured accurately. Further, as a control, the absorbance (N) when the active ingredient of the present invention or the positive control ingredient is not added is measured, and the following formula:
Lipid peroxidation inhibition rate (%) = (MN) / M × 100
From these, the lipid peroxidation inhibition rate of each component was calculated.
The results are shown in Table 4.
[0067]
[Table 4]
[0068]
Example 3 (Hydroxyl radical (OH ·) elimination test)
A part of the deoxyribose method (Analytical Biochemistry, Vol. 165, pp. 215-219 (1987)) of B. Halliwell et al. Cited from Japanese Patent Application Laid-Open No. H8-20544 as the hydroxyl radical scavenging effect of the active ingredient of the present invention. Investigated by a modified method. In this method, malondialdehyde (MDA) produced by the reaction of hydroxyl radical generated from Fenton reagent (oxidation color reagent mixed with hydrogen peroxide and iron (II) salt) and deoxyribose is converted to thiobarbituric acid ( A red reactant is produced by reacting with (TBA), and the amount produced is determined by measuring the absorbance (TBA value) at 532 nm. If a substance having a hydroxyl radical scavenging effect is present in this system, the amount of MDA produced decreases and the TBA value decreases. Therefore, the TBA when the active ingredient of the present invention is added to the TBA value when no active ingredient of the present invention is added. From the value, the MDA production inhibition rate was determined and used as the hydroxyl radical elimination rate of the active ingredient of the present invention.
200 mM KH2PO4-0.2 ml of KOH buffer (pH 7.4), 0.2 ml of 28 mM deoxyribose aqueous solution, 10 mM H2O20.2 ml, 1 mM FeCl30.2 ml of aqueous solution, 0.2 ml of 1 mM ascorbic acid aqueous solution, 0.2 ml of 1.04 mM EDTA aqueous solution, 0.6 ml of purified water, and sample solution (the final concentration in the reaction solution of the extract obtained in Production Example 1 or 3 is described later. 5 ml of a solution diluted with water so that the concentration shown in FIG. 5 is reacted at 37 ° C. for 1 hour, 2 ml of 20% aqueous trichloroacetic acid solution and 1 ml of 0.67% TBA aqueous solution are added, Heated in a boiling water bath for 10 minutes. After standing to cool, the absorbance (E) at 532 nm was measured to determine the TBA value. 10 mMH as a blank for the sample mixture2O2Absorbance (F) was measured in the same manner using a mixed solution to which purified water was added instead of. Further, absorbance (G) when purified water was added instead of the sample solution as a control, and purified water was added instead of the sample solution as a control blank and 10 mM H2O2Measure the absorbance (H) when purified water is added instead of
Hydroxyl radical scavenging rate (%) = [(GH)-(EF)] / (GH) × 100 The hydroxyl radical scavenging rate of the active ingredient of the present invention was calculated.
The results are shown in Table 5.
[0069]
[Table 5]
[0070]
Example 4 (Superoxide Dismutase (SOD) -like Activity Measurement Test)
SOD is a superoxide anion (O 2 − ・) As a substrate2O 2 − ・+ 2H2→ H2O2+ O2However, when an enzyme other than the enzyme (SOD-like substance) has this superoxide anion scavenging activity, it is shown as SOD-like activity.
In this example, SOD-like activity was measured using SOD Test Wako (trade name, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.). This method is called NBT reduction method, and its principle is as follows. When xanthine oxidase acts on xanthine, a superoxide anion is produced, and the produced superoxide anion reduces coexisting nitroblue tetrazolium (NBT) to form diformazan. However, if there is an SOD or SOD-like substance in the reaction solution Some superoxide anions are hydrogen peroxide and oxygen (O2), And diformazan formation is reduced. The degree of decrease in the formation of diformazan can be calculated as the SOD-like activity of the sample by obtaining the inhibition rate and creating a calibration curve for the inhibition rate using standard SOD.
The composition of the kit is as follows: Coloring reagent: 0.1 M phosphate buffer (pH 8.0), 0.40 mM xanthine solution, 0.24 mM nitroblue tetrazolium solution, enzyme solution: 0.049 U / ml xanthine oxidase-0.1 M phosphate Buffer (pH 8.0), blank solution: 0.1 M phosphate buffer (pH 8.0), reaction stop solution: 69 mM sodium dodecyl sulfate. As a measuring method, first, as a sample, 1.0 ml of a coloring reagent and 1.0 ml of an enzyme solution are added to 0.1 ml of the aqueous solution of the extract of the present invention (the extract of Production Examples 1 to 4) and incubated at 37 ° C. for exactly 20 minutes. Then, 2.0 ml of a reaction stop solution was added to stop the reaction. After thoroughly shaking this reaction solution, the absorbance at a wavelength of 560 nm was measured, and this value was calculated as ESIt was. Next, 0.1 ml of distilled water was used instead of the extract solution as a blank, and the value obtained by measuring the absorbance in the same manner was defined as E.BIt was. In addition, 0.1 ml of the extract solution having the same concentration as the specimen was used as the specimen blank, and the same reaction as that of the specimen was performed in a system to which the blank liquid was added instead of the enzyme solution, and the value measured for the absorbance was E.SBIt was. As a reagent blank, 0.1 ml of distilled water was used in place of the extract solution of the sample blank measurement system, and the value obtained by performing the same measurement as the sample blank was E.BBWas
. The following formula:
Inhibition rate (%) = [(EB-EBB)-(ES-ESB)] / (EB-EBB) × 100
Thus, the inhibition rate of diformazan formation was determined.
In addition, a standard curve for the inhibition rate of diformazan formation and SOD activity was prepared using standard SOD, and the SOD-like activity of the extract of the present invention was calculated therefrom.
The above results are shown in Table 6.
[0071]
[Table 6]
As can be seen from Table 6, it is clear that the extract of the present invention exhibits SOD-like activity.
[0072]
Example 5 (Radical scavenging test by DPPH method)
The DPPH radical is known as a radical that is stable in a solution, and is used in a method for examining the reactivity with an antioxidant from the amount and rate of radical reduction. Since DPPH radicals are not active oxygen, it is possible to investigate whether this method has the ability to scavenge radicals other than active oxygen. The DPPH radical has absorption at a wavelength of 517 nm, and this absorption decreases when the DPPH radical is reduced to DPPH-H. In this example, DPPH radical scavenging activity was measured with reference to the method of Yamaguchi et al. (Biosci. Biotechnol. Biochem., 62 (6), 1201-1204, 1998).
[0073]
A solution obtained by dissolving the extract of the present invention in 100 mM Tris-HCl buffer (pH 7.4) so as to be 500 mg / liter, 300 mg / liter, 200 mg / liter, 100 mg / liter, 50 mg / liter was used as a test solution. 2 ml of 500 μM DPPH-ethanol solution was added to 2 ml of this test solution and vigorously stirred. The absorbance at a wavelength of 517 nm was measured after being left in a dark place for 20 minutes. As a blank, the absorbance was similarly measured in a system using 100 mM Tris-HCl buffer instead of the test solution, and the obtained absorbance value was taken as 100%. The concentration of the antioxidant showing a value of 50% of the absorbance of the blank was determined.
The results are shown in Table 7 below.
[0074]
[Table 7]
From the above, it is clear that the extract of the present invention exhibits a DPPH radical scavenging effect.
[0075]
Example 6 (quality preservation purpose, Kaorin Kaoru)
material
4kg of dried sweet potato
Fried oil (rapeseed oil) 1.8 liters
White honey
Super white sugar 2Kg
800ml water
Minamata 100g
10g of salt
1 g of extract of production example 1 or 3
Boil sucrose, water, starch syrup, salt and the extract of the present invention together. When boiled to 110 ° C, heat is reduced and kept at 80 ° C. Oil was put into a shallow pan and dried at 180 ° C until the sweet potato was fried. Next, heat the stirrer pan over low heat, put the fried rice cake while there is still heat, slowly stir the white honey that you made, slowly lift the honey to the top plate before it dries enough, and when it begins to dry, one piece at a time Loosen and finished completely. Moreover, the thing which does not add an extract as a comparison was manufactured similarly. Put the obtained potato or garlic into a polypropylene bag for each type, put 5g of silica gel (made by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) into each bag, store for 3 months, and then add the extract. The taste qualities of the additive-free ones were compared.
As a result, the persimmon garlic without the extract of the present invention has a bad odor derived from peroxide, but the one with the extract added did not have a bad odor.
[0076]
Example 7 (quality preservation purpose, butterscotch)
material
140g of granulated sugar
Minamata 100g
20g butter
40g of water
0.6g of salt
Fragrance (Iwata Fragrance Co., Ltd. Butter Flavor CA-01282) 0.3ml
0.05 g of extract of Production Example 1 or 3
All ingredients except the fragrance were combined and boiled to 150 ° C. under normal pressure. Fragrance was added and mixed uniformly, stretched to a thickness of 7 mm, and cut into 1.5 cm × 2.5 cm before completely cooling.
For comparison, a product without an extract was produced in the same manner. The obtained butterscotch was put into a polypropylene bag according to type and stored for 3 months, and then the taste quality of the one with and without the extract was compared.
As a result, the potato garlic without the extract of the present invention has a bad odor derived from the peroxide, but the one with the extract added has no bad odor.
[0077]
Example 8 (quality maintenance purpose, ice cream)
material
300g milk
Fresh cream 75g
112.5g of whole eggs
Granulated sugar 112.5g
Fragrance (Iwata Fragrance Co., Ltd. Maple Essence 93H-839) 45μl
The whole egg was broken into balls, and the fresh cream was mixed and mixed well. Granulated sugar was added to milk and dissolved while heating, and this was designated as (2). Mixing {circle around (1)} and {circle around (2)}, cooling rapidly, pouring this into an ice creamer (manufactured by Aikosha Seisakusho), and continuing cooling and stirring until the stirring blades stopped (about 90 minutes). It was poured into a cup and cured in a -30 ° C freezer. Moreover, the thing which does not add an extract was similarly manufactured for the comparison. When it was confirmed that the ice cream was cured, it was transferred to a -20 ° C. freezer and stored for 6 months, and the difference in taste between those with and without the extract was confirmed.
As a result, the ice cream to which no extract was added had a strange odor derived from peroxide, but the one to which the extract was added did not feel a bad odor.
[0078]
Example 9 (quality preservation, Chinese cookie: Anjin)
material
160g soft flour
Baking powder 2g
Shortening 70g
70g white sugar
Whole egg 35g
1g baking soda
7.5g of water
Almond slice 10g
0.1 g of extract of production example 1 or 3
17.5g of egg for polishing
16 grains almonds
Wheat flour, baking powder and the extract of the present invention were combined and sieved. Put a shortening in the bowl, mix well with a whisk until creamed, add sugar and mix well. Add whole eggs little by little, and when soft, add baking soda dissolved in water, add flour and almond slices and mix thoroughly to make dough. The dough was taken out on a powdered table, gathered lightly into an elongated bar, and divided into 16 equal parts. After rolling one by one, spread it flat with the palm, apply the salad oil on the top plate and line it up, dent it in the center with your fingers, and apply the melting egg for baking. I put a grain almond in the center. It was baked in an oven heated to 170 ° C. until it was sufficiently swollen to form fine cracks and burnt amber (about 12 minutes). For comparison, the same production was carried out in a system to which no extract was added. Place the resulting Anjinji in a bag with a polypropylene chuck for each type, put 5g of silica gel (made by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) into each bag, store for one month, and add the extract A comparison was made between the taste and the non-added.
As a result, the one without the extract had a strange odor derived from the peroxide and had an oily taste, but the one with the extract did not have a bad odor and did not feel oily.
[0079]
Example 10 (quality preservation, deep-fried sweet potato)
material
Tara net 300g
200g cotton tofu
a
10g ginger
Whole egg 25g
18g soy sauce
18g miso
Sake 15g
Super white sugar 27g
20g of starch
Extract of Production Example 1 or 3 0.3g
2 liters of salad oil
I took the bones out of 3 pieces and took them 2cm. The tofu was quickly boiled, wrapped in a cloth and squeezed. Cooked cutter (Toshiba Corp., CQ-22 type), boiled tofu, tart, add a material, mix for about 50 seconds, open in a bowl, 3.5cm x 5cm x 7mm (minor axis x major axis x It was formed into a small size (thickness) and fried with salad oil. In addition, for comparison, a system without an extract was produced in the same manner. Wrap the obtained fish cakes one by one in polyvinylidene chloride wraps, put each type in a bag with polyethylene chuck, store at -20 ° C for 3 months, take it out, defrost it, and evaluate the odor and taste. went.
As a result, the sweet potato fry without the extract of the present invention had oily and odors, but the sweet potato fried with the extract did not feel oily and odors.
[0080]
Example 11 (quality preservation, hamburger dough)
material
200g beef pork meat
60g chopped onion
6g salad oil for fried onions
20g of raw bread crumbs
40ml of milk
Whole egg 25g
1.3g of salt
0.15 g of extract of production example 1 or 3
The onion was fried with hot oil until moist, spread and cooled, and set to (1). Milk was applied to the bread crumbs and moistened to make (2). Salt was added to the minced meat and mixed, and eggs, (1) and (2) were further added, and kneaded well. This was divided into four equal parts, arranged in a 1 cm-thick round shape, wrapped in polyvinylidene chloride wraps one by one, placed in a bag with polyethylene chuck, and frozen at -20 ° C. For comparison, the same production was carried out even in a system to which no extract was added, and the mixture was similarly frozen at -20 ° C. It was stored as it was at -20 ° C for 1 month, and after thawing, the odor of the dough was compared.
As a result, there was an unpleasant odor due to oxidation of meat fat when the extract was not added, but no unpleasant odor was felt when the extract was added.
[0081]
Example 12 (quality preservation, emulsification type dressing)
material
86g salad oil
Onion grated soup 5g
Lemon juice 7.5g
Apple vinegar 50g
2.6g salt
0.7 g white pepper
0.15 g sodium glutamate
Sodium succinate 0.07g
Glucose 0.75g
Super white sugar 1.8g
10 ml of water
Emulsifier: Sunsoft Q-182S (trade name, manufactured by Taiyo Chemical Co., Ltd.) 0.5g
Lecithin: Sanlecithin A-1 (trade name, manufactured by Taiyo Kagaku Co., Ltd.) 0.45 g
Thickening polysaccharide: Neosoft XO (trade name, manufactured by Taiyo Chemical Co., Ltd.) 0.045g
0.05 g of extract of Production Example 1 or 3
An emulsifier (Sunsoft) was placed in the bowl and dissolved well with 10 ml of water. While stirring onion grated juice, lemon juice, apple vinegar, salt, white pepper, sodium glutamate, sodium succinate, glucose, white sucrose, lecithin, thickening polysaccharide, extract of the present invention in this order with a hand mixer It was added. When uniform, salad oil was gradually added while emulsifying with a hand mixer, emulsified, and placed in a 200 ml PET bottle for dressing. For comparison, a dressing to which no extract was added was produced in the same manner. The obtained dressing was stored in a refrigerator at 5 ° C. for 2 months, and during the storage period, the operation of opening and closing the lid and shaking the bottle well was performed once every 3 days. After storage, the taste and odor of dressings with and without extracts were compared.
As a result, the one with the extract added did not feel an unpleasant taste or odor, while the one without the extract had a strange odor mixed with peroxide-derived odor and onion odor.
[0082]
Example 13 (quality maintenance, boiled and dried)
material
Niboshi 40g
Sesame salt (manufactured by Marumiya Food Industry Co., Ltd.) 70g
4 ml of 10% aqueous solution of the extract of Production Example 1 or 3
Niboshi was placed in a shallow dish and heated and dried in a 500 W microwave oven for 90 seconds. This was put into a cooking cutter (Toshiba Co., Ltd., CQ-22 type), and 4 ml of an aqueous solution of the extract was sprinkled and pulverized until it became almost uniform for 1 minute. This was opened in a bowl, mixed with sesame salt, placed in a polyethylene bag with a zipper, 5 g of silica gel (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) was put in one bag, and stored at room temperature. For comparison, a system without the extract of the present invention was produced in the same manner and stored in the same manner. After storage for 2 weeks, the taste and smell of sprinkles were evaluated.
As a result, the fish to which no extract was added had a fishy odor and a foul odor of oil and soap, but the one to which the extract was added did not feel a bad odor.
[0083]
Example 14 (quality preservation, lotion)
Formulation
A ethanol 8g
Polyoxyethylene (60) hydrogenated castor oil 0.5g
0.01 g of tocopherol acetate
Methylparaben 0.2g
B Purified water 83g
Extract of Production Example 1 or 3 0.002g
Citric acid 0.05g
Sodium citrate 0.1g
Glycerin 4g
1,3-butylene glycol 4g
The component shown in A was mixed and dissolved in ethanol to obtain an ethanol phase. Moreover, the component shown in B was mixed and dissolved in purified water to obtain an aqueous phase. Thereafter, the ethanol phase and the aqueous phase were mixed in a homomixer (manufactured by Nippon Seiki Seisakusho) to obtain a lotion. For comparison, a skin lotion was also produced in the same manner even in a system without an extract. Divide each lotion into two halves and store each in a glass bottle. Each bottle is stored at 40 ° C and the remaining one is stored at 0 ° C for 1 month. Differences in odor between those stored at 40 ° C. and those stored at 40 ° C. were evaluated as changes due to storage.
As a result, in the case of the lotion to which no extract was added, the one stored at 40 ° C. clearly had a different odor and was different from the one stored at 0 ° C. However, the lotion to which the extract was added was stored at 40 ° C. No difference was felt between the sample and the one stored at 0 ° C.
[0084]
Example 15 (quality preservation, cream)
A Purified water 60g
0.05 g of extract of Production Example 1 or 3
1,3-butylene glycol 10g
Glycerin 10g
Sodium hyaluronate 0.1g
B cetostearyl alcohol 7g
Squalane 80g
6g beeswax
Reduced lanolin 10g
Ethylparaben 0.6g
Polyoxyethylene (20) sorbitan monopalmitate 4g
Stearic acid monoglyceride 4g
The component A was dissolved in purified water while heating, and when all of the components were dissolved, the temperature was kept at 75 ° C., and this was used as an aqueous phase. The component B was dissolved by heating, and when all of the components were dissolved, the temperature was kept at 75 ° C. to make an oil phase. While maintaining both phases at 75 ° C., while gradually adding the oil phase to the aqueous phase, stirring with a homomixer (manufactured by Nippon Seiki Seisakusyo Co., Ltd.) and emulsifying uniformly, cooling to 30 ° C. while stirring. A cream was obtained. For comparison, a cream to which no extract was added was also produced. Each 50 g of the cream was placed in a 50 ml vial, one of each with and without the extract was stored at 40 ° C., the other was stored at 0 ° C., and the odor of the cream after storage was evaluated. The cream stored at 0 ° C. had almost no change in quality, and the difference between the one stored at 0 ° C. and the one stored at 40 ° C. was considered as a difference due to storage and compared.
As a result, the cream to which no extract was added was clearly altered by storage at 40 ° C., and an unpleasant odor due to oxidation was felt, but the quality of the cream to which the extract was added was hardly felt even after storage at 40 ° C.
[0085]
Example 16 (quality preservation, hair tonic)
Formulation
A 110g ethanol
Polyoxyethylene (8) oleyl ether 4g
Natural vitamin E 0.1g
B Purified water 75g
Extract of production example 1 or 3 0.02g
Glycerin 10g
The component A was added to ethanol and dissolved until uniform, and this was used as the ethanol phase. Further, the component B was added to purified water and dissolved until uniform, and this was used as an aqueous phase. The ethanol phase and the aqueous phase were mixed in a homomixer (manufactured by Nippon Seiki Seisakusho) to obtain a hair tonic. For comparison, a hair tonic was produced in the same manner even in a system to which no extract was added. 70 ml of the obtained hair tonic was dispensed into 100 ml vials, one with and without extract was stored at 40 ° C., and the other was stored at 0 ° C. One month after the start of storage, the odors of those stored at 0 ° C. and those stored at 40 ° C. were evaluated. Considering that there is almost no change in quality when stored at 0 ° C., the difference in odor between the one stored at 0 ° C. and the one stored at 40 ° C. was taken as the difference due to storage.
As a result, the hair tonic that did not contain the extract was stored at 40 ° C., and an unpleasant odor due to oxidation was observed compared to the one stored at 0 ° C. There was almost no difference from the preserved one.
[0086]
Example 17 (quality maintenance, feed for fish farming)
Formulation
North Sea fish meal 630g
50g fish liver powder
Casein 100g
150g soluble starch
Vitamin mixture 1) 30g
Main mineral mixture 2) 40g
Corn oil 50g
1 g of extract of production example 1 or 3
1) Modified Halber prescription, 2) Kochi University prescription
The blended ingredients were mixed, granulated with an extrusion granulator (Fuji Paudal Co., Ltd., trade name: Spartan Luzer RMO-2H) and dried at 50 ° C. to prepare a feed for fish farming. For comparison, a feed to which no extract was added was similarly prepared. The obtained feed was put in a bag with a polyethylene chuck and stored at 35 ° C. for 2 months, and the smell of the stored feed was evaluated.
As a result, the feed to which no extract was added felt a strange odor due to oxidation, but the feed to which the extract was added did not feel a bad odor.
Examples of preparations as active oxygen and radical scavengers generated by in vivo oxidation are given below.
[0087]
Formulation Example 1 (Capsule)
Mixing parts by weight
Extract of Production Example 1 or 3 20
The above ingredients were mixed and the particle size was adjusted through a 60-mesh sieve, and then 300 mg each was filled into a gelatin capsule (Japanese Pharmacopoeia # 0) to produce a capsule.
[0088]
Formulation Example 2 (Powder)
Mixing parts by weight
The above ingredients were mixed to produce 500 mg of powder per package.
[0089]
Formulation Example 3 (tablet)
Mixing parts by weight
Extract of Production Example 1 or 3 160
D-mannitol 90
Crystalline cellulose 50
After mixing the above ingredients and adjusting the particle size through a 60-mesh sieve, tablets of 500 mg per tablet were produced using a tableting machine.
[0090]
Formulation Example 4 (Gummy)
Formulation
10.6 g of extract of production example 1 or 3
Granulated sugar / syrup solution 1) 195g
Gelatin solution 2) 48.8g
11g of water
1) The starch syrup is prepared by using an enzymatic saccharified starch syrup (Bx.88.4) and preparing a sugar solution by heating and dissolving so that the ratio of sugar solid content is granulated sugar: syrup = 4: 6, and adjusted to Bx.90.
2) Gelatin (manufactured by Nitta Gelatin Co., Ltd., trade name: AP-250), which is obtained by dissolving gelatin at 60 ° C. with water 1.3 times the weight of gelatin.
The granulated sugar / water syrup solution was cooled to 90 ° C. The extract was added / dissolved, the gelatin solution was added / mixed, and mixed until uniform. Molded starch made of corn starch dried at 140 ° C. for 2 hours and then allowed to cool in a desiccator was solidified at 20 ° C. and 50% relative humidity for 24 hours, then removed from the mold to obtain a gummy.
[0091]
Formulation Example 5 (Drink)
Mixing parts by weight
Extract of Production Example 1 or 3 0.5
Citric acid 0.03
DL-malic acid 0.02
Purified water 50
The above components were dissolved in water and placed in a 50 ml vial and autoclaved at 115 ° C. for 5 minutes.
[0092]
Formulation Example 6 (vanishing cream)
Mixing parts by weight
A Extract of Production Example 1 or 3 1
Propylene glycol 2.5
Magnesium sulfate 0.2
Methylparaben 0.2
Purified water 31.7
Ingredients A and B are heated and dissolved at 75 ° C. and 73 ° C., respectively, and the A component is gradually added to the B component while stirring, emulsified with a homomixer (manufactured by Nippon Seiki Seisakusho), and stirred. While cooling, a cream was obtained.
[0093]
Formulation Example 7 (pack)
Mixing parts by weight
A Extract of Production Example 1 or 3 5
Purified water 66.5
Polyoxyethylene (15)
Methylparaben 0.2
The extract was dissolved in purified water, and the remaining component A was added and dissolved uniformly at room temperature. Polyvinyl alcohol was gradually added and dispersed, heated to 80 ° C. and dissolved. This was cooled, the B component was mixed in advance, and the uniform mixture was added and mixed to produce a pack.
[0094]
Formulation Example 8 (hair tonic)
Mixing parts by weight
A Ethanol 110
Polyoxyethylene (8)
Natural vitamin E 0.1
B Purified water 75
Extract from Production Example 1 or 3 7
The component A was added to ethanol and dissolved until uniform, and this was used as the ethanol phase.
Further, the component B was added to purified water and dissolved until uniform, and this was used as an aqueous phase. The ethanol phase and the aqueous phase were placed in a homomixer (manufactured by Nippon Seiki Seisakusho) and mixed to obtain a hair tonic.
[0095]
Formulation Example 9 (Bath bath)
Mixing parts by weight
Extract of Production Example 1 or 3 5
Sodium bicarbonate 51
Sodium sulfate 31
The said component was mixed and the bath agent was obtained.
[0096]
【The invention's effect】
According to the present invention, an extract derived from sweet potato can be used as an antioxidant that prevents or suppresses oxidation in food, feed, cosmetics and living organisms. Moreover, the sweet potato-derived extract is a natural product that has been eaten as a honey-containing sugar such as raw sweet potato or brown sugar since ancient times, so it is safe without harming the health of humans and animals, and is essential for sweet potato cultivation. Therefore, it can be produced at low cost because it can be performed in parallel with the production of sugar. In spite of being a natural product, its antioxidant effect is high, it works in a small amount, and is highly effective in industry because of its versatility.
[Brief description of the drawings]
1 is a graph showing the absorbance, electrical conductivity, and sugar concentration of fractions obtained by separation using an ion exchange resin performed in Production Example 4. FIG.
FIG. 2 is a graph showing the change over time in the residual ratio of absorbance in the fading inhibition test of the dye of Example 1.
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