JP4358919B2 - 口腔内速溶性固形物の製造方法 - Google Patents

口腔内速溶性固形物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、口腔内速溶性製剤等の口腔内速溶性固形物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、高齢者や小児などの嚥下能力が低い患者のために新規の剤形が求められている。例えば、口腔内崩壊性製剤、ゼリー状製剤、ペースト状製剤が取り上げられており、特に、口腔内崩壊性製剤は水なしで服用することも可能であり、場所や時間を問わず適宜容易に服用でき、高齢者、小児などに適した剤形と成り得る。
【0003】
一般に、錠剤の崩壊性と錠剤の硬度とは相反する関係にある。すなわち、錠剤の崩壊性を向上させ崩壊速度を高めると、錠剤硬度を低下させることにつながる。しかし、ある程度の錠剤硬度は、製造工程での運搬や包装工程、製品の流通過程、さらには患者が錠剤を服用時に包装物から取り出す際などにおいて重要な要素であり、錠剤の硬度が不十分であれば、上記各工程等において錠剤が形状を保持できず型崩れを起こしてしまうこととなる。
【0004】
このような事情から、今までに口腔内速溶性製剤の製造技術として以下のような種々の手段が提案されている。
【0005】
例えば、特公昭58-24419号には、錠剤内容物を錠剤内容物に対して不活性な凍結する溶剤と混合し、この際、溶剤を不活性冷却媒体中に入れることにより固化させ、溶剤の凍結点より低い温度で圧縮して錠剤とし、さらに凍結乾燥または自然乾燥等により溶剤を揮発させて崩壊性の良好な多孔性錠剤を製造する方法が記載されている。
【0006】
さらに、外国ではR. P Scherer社(イギリス)のZydis(商品名)などが商品化されている。これは薬効成分、ポリマー、糖類等を配合し、溶解後凍結乾燥することにより製造されている。
【0007】
その他にも、特開平5-271054「口腔内溶解型錠剤およびその製造法」、特開平8-291051「速溶解性錠剤の製造方法及び該製造方法により製造した速溶解性錠剤」、特開平8-333243「口腔内感触の良好な錠剤」、特開平9-48726「口腔内速崩壊性製剤およびその製法」などが挙げられる。
【0008】
上記各公報並びに資料に開示された技術では、崩壊速度が不十分であったり、迅速な崩壊性を有するものの十分な機械的強度が得られなかったり、完成状態での吸湿性が高く通常の取り扱いが困難であるなどの問題を残している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年、錠剤などの固形製剤の成形工程では、一般にロータリー式打錠機が使用されているが、この打錠機を用いる場合、半固形状態あるいは湿潤状態にある錠剤材料は供給材料の流動性不足や加圧時における材料の加圧部材への付着などの障害が発生する。
【0010】
また、錠剤の硬度を上げるためには水溶性結合剤(例:ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチンなど)が使用されている。さらに、崩壊速度を速くするために低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチ、アルギン酸などの崩壊剤が使用されている。しかし、以上のような水溶性結合剤や崩壊剤は使用量が多くなると口腔内で崩壊した際、粘ついたり、味が悪くなるなどの欠点を有す。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる従来技術の問題を解決すべく種々検討した結果、エリスリトールに薬物等を混合し、適度の水分を添加し、2軸エクストルーダーで練合した後成形し、減圧乾燥することにより得られる製剤は、口腔内において極めて短時間で溶解又は崩壊し、かつ十分な硬度を有することを見出し本発明を完成した。
【0012】
本発明は、エリスリトールを含有してなる組成物に、2軸エクストルーダーを用いて、組成物の固形分当たり1〜20%の水分が含まれるように加圧下に練合した後成形し得られた成形物を減圧乾燥し、固形物の硬度を調整することを特徴とする、硬度が10〜20.4kgである口腔内速溶性固形物の製造方法である。
本発明で得られる固形物は多孔性の硬い構造(固形物の硬度が約3kg以上、好ましくは約10kg以上)を有し、かつ口腔内で短時間に溶解又は崩壊する性質を有する。
【0013】
本発明に係る口腔内速溶性固形物の製造方法は、通常、エリスリトールと薬物を含有してなる口腔内速溶性製剤、特に口腔内速溶錠の製造方法であることが望ましい。また、本発明に係る口腔内速溶性固形物の製造方法は、製剤以外に食品などの製造方法にも利用できる。例えば、エリスリトールと所望により甘味料、香料、着色料、ビタミン、酸味料などよりなる口腔内速溶性の固形甘味剤、錠菓(タブレット菓子)等の食品の製造方法として利用できる。
【0014】
本発明で得られる口腔内速溶性固形物がエリスリトールと薬物を含有してなる口腔内速溶性製剤である場合、薬物としては、エリスリトールと不都合な反応を起こさないもので経口投与可能なものであればいずれも使用できる。具体的には、老人性痴ほう薬、解熱鎮痛消炎剤、鎮咳剤、ビタミン剤、向精神病薬、鎮うん剤、催眠鎮静薬、胃腸薬、不整脈薬、血圧降下薬等が挙げられる。
但し、極端な苦み或は渋み等を有する薬物においては、薬物(微粒子)を不溶性あるいは腸溶性高分子で被覆する等の方法でマスキングを施した後使用することが好ましい。
【0015】
本発明においては、エリスリトールと薬物以外に製剤技術分野で汎用されている医薬品添加物を添加することができる。かかる医薬品添加物としては、例えば、白糖、乳糖、キシリトール、D−マンニトール、マルチトール、ラクチトール、デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素の他、各種界面活性剤、香料、着色料、甘味料、酸味料等があげられる。
これらの医薬品添加物は、本発明の製剤における崩壊性と成形性を損なわない範囲であれば、適宜、任意の量を単独あるいは混合して使用することができる。
【0016】
また、本発明で得られる口腔内速溶性固形物が固形甘味剤、錠菓等の食品である場合は、エリスリトールを主成分とし、所望により他の食品又は食品添加物を含有することができる。具体的には、アスパルテーム、ステビア甘味料(ステビオサイド、レバウディオサイド、酵素処理ステビア)、サッカリンナトリウム、アセスルファムKなどの高甘味度甘味料、又はソルビトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、還元澱粉糖化物等の糖アルコール類、砂糖、ブドウ糖、果糖、マルトース、異性化糖、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖等の糖類、レモン、オレンジ、シナモン、ローズマリー、メントール等の香料、食用黄色5合、食用赤色2合等の着色料、ビタミンA、B1、2、6、12、C、E等のビタミン、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などの酸味料、ブドウ、柑橘類などの果汁類、ココアパウダー、粉末コーヒー、カルシウム粉末などが使用できる。
【0017】
本発明では、エリスリトールを含有してなる口腔内速溶性固形物中にしめる薬物、医薬品添加物、食品添加物等の添加物合計の割合は、特に限定されないが、通常、固形物100重量%に対して添加物合計が60重量%以下、好ましくは0.1〜20重量%含まれていればよい。また、本発明では、添加物を加えることなくエリスリトールのみからなる口腔内速溶性の錠菓、固形甘味剤とすることもできる。
【0018】
以下に本発明に係る口腔内速溶性固形物の製造方法を更に具体的に述べる。
製造の際に使用されるエリスリトール及び薬物、医薬品添加物、食品添加物等の添加物は、通常、微粒子の形態で、好ましくは平均粒子径200μm以下、特に好ましくは100μm以下の形態で用いられる。微粒子を用いることにより得られた錠剤等の口腔内速溶性固形物は口腔内で崩壊する際にザラツキを感じない服用感に優れたものとなる。
【0019】
本発明で、組成物に適度な水分が含まれるように加圧下に練合するとは、薬物等の添加物及びエリスリトールを含有してなる組成物の固形分当たり、1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の水分が含まれるように2軸エクストルーダー等で練合することであり、練合により組成物全体が湿潤状態となり、エリスリトールの一部が溶解状態になれば良い。通常、組成物に水又はエタノール、メタノール等のアルコール系有機溶媒と水との混合溶液、好ましくはエタノール水溶液を水分として添加し、加圧下に練合することにより行われる。
【0020】
成形する際には打錠機のような高い圧力を必要とせず、湿潤状態で成形性が保たれるように成形すれば良い。具体的には、押し出し成形機(エクストルーダー等)で成形し成形物を得ることができる。
本発明でエクストルーダー(2軸エクストルーダーが好ましい)とは、通常難溶性薬物の溶解性や吸収性の改善法の一つとして個体分散体を得る目的で使用されている成形機で、エリスリトールと薬物等との混合物に一定速度で水分を添加し、加圧下に混合、練合、所望により更に成形を同時に行うことができる機械である。エクストルーダーを用いた場合、練合物は加圧下の練合により加温又は加熱された状態で排出口(ダイ)より一定サイズの棒状の練合物として排出される。この棒状の練合物をダイの出口にて特殊カッターにより必要な長さにカットすることで成形物を得ることができる。この成形物は所望により更に他の成形機にて形を整えることもできる。また、エクストルーダーから搬出される練合物を別の成形機にて成形し成形物を得ることもできる。
【0021】
2軸エクストルーダー(栗本鐵工製等)を用いる場合は、通常の練合機(万能混合機)で練合する場合に比べて、練合の効率がよくエリスリトールが水に溶解する比率が増加し、減圧乾燥の際の再結晶化が増加するため、得られる固形物の硬度が上昇し、崩壊時間が長くなる。このため、エクストルーダーで練合する場合は、通常、エタノール等の有機溶媒と水との混合溶液、好ましくは、エタノールを約25〜85重量%含有するエタノール水溶液が使用される。
更に、2軸エクストルーダーで練合する場合、エリスリトールを含有してなる組成物(混合物)の供給量(速度)、水分の供給量、軸の回転速度及び搬出口(ダイ)の口径等を変化させることにより、装置内の練合物の練合状態を種々変化させることができ、得られる口腔内速溶性固形物の硬度及び崩壊性を一定の範囲で色々と変化させることができる。
【0022】
本発明では成形物の乾燥は、通常の減圧乾燥機によって成形物が充分乾燥するまで行われる。通常、減圧度10mmHg以下で、3時間以上減圧乾燥される。この減圧乾燥工程で、一部水又はエタノール水溶液に溶解したエリスリトールが再結晶化又は固化し、エリスリトールの粒子どうしが結合することにより成形物の硬度が上昇し、充分な硬度(約3kg以上、好ましくは10kg以上)を有する錠剤等の口腔内速溶性固形物が得られる。得られた固形物は、多孔性の構造を有している。しかしながら、常圧乾燥では水分の除去が不十分となり、薬物等の安定性に支障を生ずる場合がある上、再結晶化又は固化によるエリスリトールの粒子どうしの結合が不十分となって高い硬度が得られなくなる。
【0023】
以下、参考例、実施例及び試験例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。
参考例1
エリスリトール84g、アスコルビン酸10gを練合機(万能混合機、三栄製作所)に取り、水10gを加えて練合後、熱風乾燥機(60℃)で乾燥し、16メッシュの網で整粒した。顆粒に低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5g及びステアリン酸カルシウム1g添加し、混合後打錠機(畑鉄工所HT-AP12SS-II)を用いて、10mmφ碁石型200mg錠を得た。
【0024】
参考例2
エリスリトール84g、アスコルビン酸10gを練合機(万能混合機、三栄製作所)に取り、ヒドロキシプロピルセルロース5gを水10gに溶解した溶液を加えて練合後、熱風乾燥機(60℃)で乾燥し、16メッシュの網で整粒した。顆粒にステアリン酸カルシウム1g添加し、混合後打錠機(畑鉄工所HT-AP12SS-II)を用いて、10mmφ碁石型200mg錠を得た。
【0025】
参考例3
アスコルビン酸1.4gとエリスリトール74.1g、ブドウ糖23.2gを乳鉢中で粉砕した後、ステアリン酸カルシウム0.9gを加え混合した。混合粉砕末200mgを直径8mmの凹型に成形したPTPのポケットに入れ、約1kg/杵の圧力で圧縮した後、25℃、90%RH下で24時間保存した。その後、60℃で2時間減圧乾燥することにより錠剤を得た。
【0026】
参考例4
アスコルビン酸21.4gとエリスリトール71.4g、白糖7.2gを混合後、乳鉢中で粉砕した。粉砕末210mgを直径10mmの鋳型に入れ、約100kg/杵の圧力を加えた。これを30℃、89%RHの加温、加湿下に18時間保存した。その後、60℃で3時間乾燥することにより錠剤を得た。
【0027】
実施例1
(a)エリスリトール270g、クエン酸30gを混合した後、2軸エクストルーダーを用いて、回転数を150rpmとし、混合物を供給速度40g/分、水を4g/分の供給速度で供給し、直径15mmのダイ(排出口)より練合物を10mmの長さに切断して取り出すことにより柱状の成形物を得た。続いて得られた成形物を減圧乾燥機にて16時間乾燥し、錠剤(口腔内速溶錠)を得た。
(b)水を4g/分の供給速度で供給する代わりに、25重量%、50重量%又は75重量%のエタノール水溶液をそれぞれ4g/分の供給速度で供給すること以外は(a)と同様にして錠剤(口腔内速溶錠)を得た。
【0028】
試験例1
参考例1〜参考例4及び実施例1で得られた錠剤を用い、錠剤の硬度、崩壊時間及び口溶け時間を測定し、その結果を表1に示した。なお、錠剤硬度の測定には木屋式錠剤硬度計(参考例で得られた錠剤の測定に使用)又はテクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems社製)(実施例で得られた錠剤の測定に使用)を用い、崩壊時間の測定には日本薬局方崩壊試験器(試験液:水37℃)を使用し、各6回の測定を行った。さらに、口溶け時間は健康な成人男子(3人)の口腔内の唾液で錠剤が完全に溶解又は崩壊するまでの時間を測定した。
【0029】
【表1】
Figure 0004358919
【0030】
表1から明かなように、通常の製造方法でエリスリトールを用いて錠剤を製造した場合(参考例1及び参考例2)、得られた錠剤は、崩壊剤を用いる方法(参考例1)では、崩壊性は良いが十分な硬度が得られず、また、水溶性結合剤を用いる方法(参考例2)では、硬度は高くなるが崩壊性が悪くなった。さらに、賦形剤として使用した崩壊剤は口腔内でザラツキ感が残った。また、特開平9−48726号の方法と同様の方法で、薬物とエリスリトールとブドウ糖を加湿成形し乾燥することにより製造した錠剤(参考例3、参考例4)は、崩壊性が十分でなく、更に、乾燥を常圧下で行ったものは硬度が極めて不十分であった。しかしながら、実施例1の方法で製造した錠剤は何れも十分な硬度を有し、更にエタノール水溶液を用いて加圧下に練合することにより得られた錠剤は何れも短時間に崩壊又は溶解した(崩壊時間20秒以内、口溶け時間30秒以内)。
【0031】
実施例2
エリスリトール270g、クエン酸30gを混合した後、2軸エクストルーダーを用いて、回転数を150rpmとし、混合物を供給速度40g/分、水を4g/分の供給速度で供給し、直径12mmのダイより練合物を10mmの長さに切断して取り出すことにより柱状の成形物を得た。続いて得られた成形物を減圧乾燥機にて16時間乾燥し、錠剤(口腔内速溶錠)を得た。
得られた錠剤は硬度が13.8kgで崩壊時間が8.8秒であった。
【0032】
実施例3
水の供給を供給速度3.0、4.0又は5.0g/分で供給すること以外は実施例1(a)と同様に処理して口腔内速溶錠を得た。
得られた錠剤の硬度と崩壊時間を表2に示した。
【0033】
【表2】
Figure 0004358919
【0034】
実施例4
混合物を供給速度30、40又は50g/分で供給すること以外は実施例1(a)と同様に処理して口腔内速溶錠を得た。
得られた錠剤の硬度と崩壊時間を表3に示した。
【0035】
【表3】
Figure 0004358919
【0036】
実施例5
回転数を250rpmで行うこと以外は実施例1(a)と同様に処理して口腔内速溶錠を得た。得られた錠剤は、硬度が14.4kgで崩壊時間が41.7秒であった。
【0037】
実施例6
クエン酸の代わりにテオフィリン30gを用い、水の代わりに50重量%エタノール水溶液を4g/分の供給速度で供給すること以外は実施例1(a)と同様にして口腔内速溶錠を得た。得られた錠剤は、硬度が20.4kgで崩壊時間が28.8秒であった。
【0038】
実施例7
エリスリトール298g、アスパルテーム1.0g及び糖転移ステビア1.0gを混合した後、2軸エクストルーダーを用いて、回転数を150rpmとし、混合物を供給速度40g/分、水を4g/分の供給速度で供給し、直径12mmの穴(ダイ)より練合物を10mmの長さに切断して取り出すことにより柱状の成形物を得た。続いて得られた成形物を減圧乾燥機にて16時間乾燥し、口腔内速溶性の固形甘味剤を製造した。
【0039】
実施例8
エリスリトール240g、ラクチトール2水和物45g、ビタミンC15g及びレモンの香料少量を混合した後、2軸エクストルーダーを用いて、回転数を150rpmとし、混合物を供給速度40g/分、50%エタノール水溶液を4g/分の供給速度で供給し、直径15mmの穴(ダイ)より練合物を10mmの長さに切断して取り出すことにより柱状の成形物を得た。続いて得られた成形物を減圧乾燥機にて16時間乾燥し、口腔内速溶性の錠菓を製造した。
【0040】
【発明の効果】
本発明の方法で得た口腔内速溶性固形物は、製造工程あるいは流通過程において十分な硬度を有し、しかも水の存在下で直ちに崩壊する特徴を有する。しかも、本発明ではエクストルーダーへの原料の供給量(速度)、水又はエタノール水溶液の供給量(速度)及びエタノール水溶液の場合はその濃度、さらにはエクストルーダーの回転速度、ダイ(排出口)の口径等を調整することにより、得られる固形物の硬度と崩壊時間を一定の範囲内で自由に調整することが可能となる。このため、得られる固形物が錠剤の場合は、十分な硬度を有し取扱が容易であるうえ口腔内で短時間に崩壊し水なしでも容易に服用可能な優れた性質を有する。しかも、エリスリトールは冷涼感のある甘味を有し、非う蝕性でカロリー0であるので、これを使用した場合、糖尿病患者、あるいは老人、小児にも抵抗なく投与できるという利点も併せ有する。

Claims (7)

  1. エリスリトールを含有してなる組成物に、2軸エクストルーダーを用いて、組成物の固形分当たり1〜20%の水分が含まれるように加圧下に練合した後成形し得られた成形物を減圧乾燥し、固形物の硬度を調整することを特徴とする、硬度が10〜20.4kgである口腔内速溶性固形物の製造方法。
  2. 水分として組成物の固形分当たり5〜20%のエタノール水溶液が含まれるように調製することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 水分としてエタノールを25〜85%含有するエタノール水溶液を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
  4. エリスリトールを含有してなる組成物がエリスリトールと薬物を含有してなる組成物であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の口腔内速溶性固形物の製造方法。
  5. 口腔内速溶性固形物が錠剤であることを特徴とする請求項記載の製造方法。
  6. 口腔内速溶性固形物が甘味剤又は錠菓であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項記載の製造方法にて得られた口腔内速溶性固形物。
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