(第一実施形態)
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した第一実施形態を図1〜図7に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。また、前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく発光演出を行う装飾ランプ16が設けられている。また、上球皿15には、各種音声(効果音)を出力し、音声出力に基づく音声演出を行うスピーカ17が設けられている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器Hを備えた表示装置20が配設されている。可変表示器Hでは、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるようになっている。そして、可変表示器Hでは、表示演出に関連して、複数種類の図柄を複数列(例えば、3列)で変動させて表示する図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。遊技者は、可変表示器Hに表示された各列の図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することができる。例えば、全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせから大当りを認識できる。
また、表示装置20の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う開閉羽根を備えた始動入賞口21が配設されている。始動入賞口21の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサが設けられている。前記図柄組み合わせゲームは、始動入賞口21に入賞した遊技球が始動口センサによって検知されたことを契機に行われる。また、始動入賞口21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う大入賞口扉を備えた大入賞口22が配設されている。大入賞口22は、図柄組み合わせゲームが大当りとなって、大当り遊技状態が生起されたことに関連して大入賞口扉が開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。大当り遊技状態が生起されると、大入賞口扉の開閉動作により大入賞口22が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
遊技盤13の遊技領域13aの右下には、図2に示すような、パチンコ機10(主制御基板27のメインCPU27a)が動作していることを報知するための動作確認ランプ31が配設されている。この動作確認ランプ31は、複数の7セグメントLED(本実施形態では、2つの7セグメントLED31a,31b)から構成されており、パチンコ機10に電源が投入された状態において、通常「On」と発光表示するようになっている。より詳しくは、左側の7セグメントLED31aにおいて、最上段の発光ダイオード101a、左上段の発光ダイオード102a、右上段の発光ダイオード103a、左下段の発光ダイオード105a、右下段の発光ダイオード106a、最下段の発光ダイオード107aを発光させて「O」と発光表示させている。また、右側の7セグメントLED31bにおいて、中段の発光ダイオード104b、左下段の発光ダイオード105b、右下段の発光ダイオード106bを発光させて「n」と発光表示させている。なお、パチンコ機10に電源が投入された状態において、左側の7セグメントLED31aにおいて中段の発光ダイオード104a、及び右側の7セグメントLED31bにおいて、最上段の発光ダイオード101b、左上段の発光ダイオード102b、右上段の発光ダイオード103b、最下段の発光ダイオード107bは発光していない。図2では、斜線を付すことにより発光する発光ダイオード101a〜107a,101b〜107bを表現している。本実施形態の動作確認ランプ31は、パチンコ機10(主制御基板27のメインCPU27a)の動作中に発光する発光手段となる。
一方、パチンコ機10の機裏側には、遊技場の電源(例えば、AC24V)が供給される電源基板26、パチンコ機10全体を制御するために各種制御信号を出力するメイン制御装置としての主制御基板27が装着されている。また、パチンコ機10の機裏側には、図柄組み合わせゲームを行うために表示装置20の可変表示器Hの表示内容を制御(表示制御)する表示制御基板28、装飾ランプ16の点灯(点滅)・消灯を制御(発光制御)する発光制御基板29、スピーカ17からの音声出力を制御(音声制御)するための音声制御基板30が装着されている。
そして、このように構成されたパチンコ機10において、主制御基板27は、表示制御基板28、発光制御基板29及び音声制御基板30に対し、所定の制御(表示制御、発光制御、音声制御)を指示するための各種制御信号を出力するようになっている。従って、本実施形態の前記各基板28〜30は、主制御基板27から出力された制御信号を入力して、該制御信号に基づきパチンコ機10を部分的(専門的)に制御するサブ制御装置となる。即ち、表示制御基板28であれば表示装置20、発光制御基板29であれば装飾ランプ16、音声制御基板30であればスピーカ17というように制御対象が各別に定められ、前記各基板28〜30は、該制御対象に対して専門的に制御を行うようになっている。また、本実施形態のパチンコ機10は、電源が遮断した時に、その時点での遊技状態(遊技内容)が記憶保持される所謂バックアップ機能を備えている。
次に、電源基板26、主制御基板27、表示制御基板28、発光制御基板29及び音声制御基板30の具体的な構成及び接続態様を図4に基づき詳細に説明する。
前記電源基板26は、遊技場の電源をパチンコ機10への供給電圧として電源電圧V1(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路32を備えている。また、電源回路32には、主制御基板27、表示制御基板28、発光制御基板29及び音声制御基板30が接続されている。そして、電源回路32は、変換処理された後の電源電圧V1を前記各基板27〜30に各別に対応して供給すべき所定の電源電圧V2〜V5にさらに変換処理し、その変換後の電源電圧V2〜V5を前記各基板27〜30に供給するようになっている。
また、電源回路32には電源断監視回路33が接続されており、該電源断監視回路33は電源回路32から供給された電源電圧V1の電圧値を監視するようになっている。即ち、電源断監視回路33は、電源から供給された電源電圧V1が予め定められた所定の電圧V(例えば、DC20V)に降下したか否かを判定している。なお、この電圧Vは、遊技に支障をきたすことなくパチンコ機10を動作させるために最低限必要な電圧とされている。
ここで、電源電圧V1が電圧Vに降下するのは、例えば、電源断(電源OFF)時や停電時の場合である。この場合、パチンコ機10に電源が供給されなくなってしまうため、電源電圧V1から電圧Vに降下する。これとは逆に、電源投入(電源ON)時や復電(復旧電源)時の場合は、パチンコ機10に電源が供給されるので、電圧が上昇して電源電圧V1となる。
また、電源断監視回路33にはリセット信号回路34が接続されている。そして、電源断監視回路33は、その判定結果が肯定(即ち、電源電圧V1≦電圧V)である場合に、主制御基板27及びリセット信号回路34に対して電源電圧V1が電圧Vに降下したことを示す電源断信号Sを出力するようになっている。また、リセット信号回路34は、電源供給の開始時(電源投入時或いは復電時)又は電源断信号Sの入力時に、前記各基板27〜30に対してリセット信号Reを出力し、前記各基板27〜30の動作を規制するようになっている。
また、電源基板26は、例えば、電気二重層コンデンサからなるバックアップ用電源35を備えている。そして、バックアップ用電源35は、電源回路32に接続されており、該電源回路32から電源電圧が供給されるようになっている。また、電源基板26は、主制御基板27(RAM27c)に記憶保持され、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種制御情報(記憶内容)を消去したい場合に操作されるRAMクリアスイッチ36を備えている。そして、RAMクリアスイッチ36には、該RAMクリアスイッチ36の操作を受けて、記憶保持された記憶内容の消去(初期化処理)を指示する初期化指示信号を、主制御基板27に出力するためのRAMクリアスイッチ回路37が接続されている。本実施形態では、RAMクリアスイッチ36は、遊技店の店員のみの操作が許容されるように機裏側に設けられており、該RAMクリアスイッチ36を操作しながら(操作と同時に)電源を投入すると、RAMクリアスイッチ回路37から初期化指示信号が出力されるようになっている。従って、本実施形態のRAMクリアスイッチ36とRAMクリアスイッチ回路37は、遊技機の電源投入時に初期化処理の実行を指示する初期化指示手段となる。
次に、主制御基板27の具体的な構成及びその処理内容を中心に説明する。
前記主制御基板27は、パチンコ機10全体を制御するメインCPU27aを備えており、該メインCPU27aにはROM27b及びRAM27cが接続されている。ROM27bは、パチンコ機10を制御するための各種制御プログラム(メイン処理プログラム、割込み処理プログラム、電源断処理プログラムなど)を記憶保持している。また、RAM27cは、電源基板26のバックアップ用電源35が接続されており、電源電圧V1(電源)の遮断時(電圧Vへの降下時)において、バックアップ用電源35から供給された電源電圧VB(例えば、DC5V)に基づき各種制御情報を記憶保持するようになっている。これにより、電源遮断時における遊技状態(遊技内容)がバックアップされる。
また、メインCPU27aには、電源基板26の電源断監視回路33が接続されており、該電源断監視回路33の判定結果が肯定(電源電圧V1≦電圧V)である場合に電源断信号Sが入力されるようになっている。そして、電源断信号Sを入力したメインCPU27aは、RAM27cに記憶保持した各種制御情報を電源の遮断後に記憶保持させるためのバックアップ処理を実行するようになっている。また、メインCPU27aにはリセット入力回路27dが接続されており、該リセット入力回路27dは、電源基板26のリセット信号回路34から出力されたリセット信号Reを入力すると、メインCPU27aに対して所定の規制時間の間(例えば、400ms〜1800ms)、リセット信号Reを継続して出力するようになっている。そして、メインCPU27aは、リセット入力回路27dからのリセット信号Reを入力している間、その動作が規制されるようになっている。なお、リセット入力回路27dは、所定の規制時間が経過すると、メインCPU27aに対するリセット信号Reの出力を停止する。従って、本実施形態のメインCPU27aとリセット入力回路27dは、外部からのリセット信号を入力するリセット信号入力手段となる。
また、主制御基板27(メインCPU27a)は、駆動回路41を介して動作確認ランプ31と接続されている。そして、主制御基板27(メインCPU27a)は、パチンコ機10の動作中、駆動回路41に対して制御信号を常に出力して、動作確認ランプ31の発光態様を制御している。
駆動回路41は、図5に示すように、コモンドライバ41aとセグメントドライバ41bから構成されている。コモンドライバ41aには、主制御基板27(メインCPU27a)からCOM信号が常に入力され、セグメントドライバ41bには、主制御基板27(メインCPU27a)からSEG信号(セグメント信号)が入力されるようになっている。そして、駆動回路41は、入力されたCOM信号及びSEG信号に基づき、ダイナミック駆動方式(ダイナミック点灯方式)にて動作確認ランプ31を発光表示させるようになっている。
具体的には、メインCPU27aは、動作確認ランプ31を発光表示させるために、第1COM信号と第2COM信号の2種類のCOM信号と、第1〜第7SEG信号の7種類のSEG信号を出力(ハイレベルの状態に)するようになっている。第1COM信号は、7セグメントLED31aを指定する信号であり、第2COM信号は、7セグメントLED31bを指定する信号である。第1SEG信号は、7セグメントLED31aの発光ダイオード101a又は7セグメントLED31bの発光ダイオード101bを指定する信号である。第2SEG信号は、7セグメントLED31aの発光ダイオード102a又は7セグメントLED31bの発光ダイオード102bを指定する信号である。第3SEG信号は、7セグメントLED31aの発光ダイオード103a又は7セグメントLED31bの発光ダイオード103bを指定する信号である。第4SEG信号は、7セグメントLED31aの発光ダイオード104a又は7セグメントLED31bの発光ダイオード104bを指定する信号である。第5SEG信号は、7セグメントLED31aの発光ダイオード105a又は7セグメントLED31bの発光ダイオード105bを指定する信号である。第6SEG信号は、7セグメントLED31aの発光ダイオード106a又は7セグメントLED31bの発光ダイオード106bを指定する信号である。第7SEG信号は、7セグメントLED31aの発光ダイオード107a又は7セグメントLED31bの発光ダイオード107bを指定する信号である。
そして、メインCPU27aは、第1COM信号の出力中に、7セグメントLED31aにて「O」を発光表示させるように、第1〜第3SEG信号及び第5〜第7SEG信号をセグメントドライバ41bに出力するようになっている。一方、メインCPU27aは、第2COM信号の出力中に、7セグメントLED31bにて「n」を発光表示させるように、第4〜第6SEG信号をセグメントドライバ41bに出力するようになっている。そして、メインCPU27aは、第1COM信号と第2COM信号を所定の周期毎(本実施形態では8ms毎)に交互に繰り返し出力すると共に、第1COM信号と第2COM信号の出力に伴って第1〜第7SEG信号を切り換えて出力するようになっている。
図3を使用して詳しく説明する。メインCPU27aは、第1COM信号をHレベル(ハイレベル)の状態とし、第2COM信号をLレベル(ローレベル)の状態としている間(本実施形態では、4ms)に、第1SEG信号をHレベルの状態にする(時点T1〜時点T2参照)。この状態において、発光ダイオード101aが発光する。続いて、メインCPU27aは、第1COM信号を切り換えてLレベルの状態とすると共に第2COM信号を切り換えてHレベルの状態としている間(本実施形態では、4ms)に、第4SEG信号をHレベルの状態にする(時点T2〜時点T3参照)。この状態において、発光ダイオード104bが発光する。
続いて、メインCPU27aは、第1COM信号をHレベルの状態とし、第2COM信号をLレベルの状態としている間に、第2SEG信号をHレベルの状態にする(時点T3〜時点T4参照)。この状態において、発光ダイオード102aが発光する。続いて、メインCPU27aは、第1COM信号をLレベルの状態とし、第2COM信号をHレベルの状態としている間に、第5SEG信号をHレベルの状態にする(時点T4〜時点T5参照)。この状態において、発光ダイオード105bが発光する。続いて、メインCPU27aは、第1COM信号をHレベルの状態とし、第2COM信号をLレベルの状態としている間に、第3SEG信号をHレベルの状態にする(時点T5〜時点T6参照)。この状態において、発光ダイオード103aが発光する。
続いて、メインCPU27aは、第1COM信号をLレベルの状態とし、第2COM信号をHレベルの状態としている間に、第6SEG信号をHレベルの状態にする(時点T6〜時点T7参照)。この状態において、発光ダイオード106bが発光する。続いて、メインCPU27aは、第1COM信号をHレベルの状態とし、第2COM信号をLレベルの状態としている間に、第5SEG信号をHレベルの状態にする(時点T7〜時点T8参照)。この状態において、発光ダイオード105aが発光する。続いて、メインCPU27aは、第1COM信号をLレベルの状態とし、第2COM信号をHレベルの状態としている間に、全てのSEG信号をLレベルの状態にする(時点T8〜時点T9参照)。この状態において、全ての発光ダイオード101a〜107a,101b〜107bが消灯する。
続いて、メインCPU27aは、第1COM信号をHレベルの状態とし、第2COM信号をLレベルの状態としている間に、第6SEG信号をHレベルの状態にする(時点T9〜時点T10参照)。この状態において、発光ダイオード106aが発光する。続いて、メインCPU27aは、第1COM信号をLレベルの状態とし、第2COM信号をHレベルの状態としている間に、全てのSEG信号をLレベルの状態にする(時点T10〜時点T11参照)。この状態において、全ての発光ダイオード101a〜107a,101b〜107bが消灯する。続いて、メインCPU27aは、第1COM信号をHレベルの状態とし、第2COM信号をLレベルの状態としている間に、第7SEG信号をHレベルの状態にする(時点T11〜時点T12参照)。この状態において、発光ダイオード107aが発光する。この後、メインCPU27aは、時点T1〜時点T12の間におけるCOM信号とSEG信号の出力切り換えを繰り返す。
そして、このような短い時間の間に発光を繰り返すことで人間の目には、残像現象により、動作確認ランプ31が「On」と発光表示しているように見える。本実施形態において、第1COM信号は、一定の周期を有する常時信号となり、メインCPU27aは、第1COM信号(常時信号)を出力する信号出力手段となる。
以下、主制御基板27のメインCPU27aが実行する処理内容を説明する。
まず、割込み処理プログラムについて説明する。
割込み処理プログラムにてメインCPU27aは、各種処理(入力処理、乱数処理、図柄組み合わせゲーム開始処理、出力処理など)を実行する。入力処理にてメインCPU27aは、始動口センサから始動入賞口21に遊技球が入賞したことを示す入賞検知信号を入力すると、始動保留球の記憶数を書き換えると共に、大当り判定用乱数の値を取得し、その値を始動保留球の記憶数に対応付けてRAM27cの所定の記憶領域に記憶する。
また、乱数処理にてメインCPU27aは、割込み処理プログラムを実行する毎(4ms毎)に、大当り判定用乱数の値を更新する。より詳しく説明すると、メインCPU27aは、大当り判定用乱数を、予め定めた数値範囲内(例えば、0〜319の全320通りの整数)の数値を取り得るように数値を+1ずつ更新する。即ち、メインCPU27aは、大当り判定用乱数を、「0」→「1」→…→「318」→「319」というように割込み処理プログラムを実行する毎に更新する。そして、メインCPU27aは、大当り判定用乱数の値を「0」から「319」に達するまでを大当り判定用乱数の1周期として大当り判定用乱数の値を順次更新する。このため、メインCPU27aは、大当り判定用乱数の値が最後に更新される数値(終期値)である「319」に達すると、再び初期値である「0」から「319」まで大当り判定用乱数の値を+1ずつ更新する。
また、図柄組み合わせゲーム開始処理にてメインCPU27aは、大当り判定を行う。大当り判定は、図柄組み合わせゲームの開始直前に行われる。大当り判定にてメインCPU27aは、入力処理で取得した大当り判定用乱数の値をRAM27cから読み出し、該値とROM27bに記憶されている所定の大当り判定値(例えば、「7」)を比較し、前記両値が一致するか否かを判定する。大当り判定値は、大当り判定用乱数が取り得る数値範囲内から予め定められている。そして、メインCPU27aは、前記大当り判定の判定結果が肯定の場合(両値が一致する場合)、大当りを決定し、大当りの図柄組み合わせが表示される図柄組み合わせゲームの終了後に大当り遊技状態を付与する。
また、出力処理にてメインCPU27aは、動作確認ランプ31を発光させるために駆動回路41に対してCOM信号とSEG信号を出力する。従って、COM信号とSEG信号は、割込み処理プログラムの実行周期(タイミング)に合わせてLレベル(ローレベル)からHレベル(ハイレベル)へ、又はHレベルからLレベルへ切り替わる。
次に、電源断処理プログラムについて説明する。
主制御基板27(メインCPU27a)は、電源断監視回路33から電源断信号Sを入力すると、電源断処理プログラムに基づき、バックアップ処理を実行する。即ち、メインCPU27aは、電源断信号Sの入力を契機に電源断処理プログラムを実行し、電源断信号Sを入力していない場合には電源断処理プログラムを実行しない(バックアップ処理を実行しない)。
バックアップ処理にてメインCPU27aは、RAM27cに記憶保持されている大当り判定用乱数の値などの各種制御情報に加えて、新たにレジスタ及びスタックポインタなどの制御情報をRAM27cに記憶保持させる。また、メインCPU27aは、RAM27cにバックアップフラグ(電源投入時にRAM27cに記憶保持されている制御情報が正しいか否かを判定するためのフラグ)を設定する。その後、メインCPU27aは、RAM27cへのアクセスを禁止し、リセット入力回路27d(リセット信号回路34)からのリセット信号Reが入力されるまで待機する。そして、リセット信号Reを入力すると、メインCPU27aの動作は規制される。
次に、メイン処理プログラムについて説明する。
主制御基板27のリセット入力回路27dは、電源供給の開始に伴いリセット信号回路34から出力されたリセット信号Reを入力すると、メインCPU27aに対して所定の規制時間の間、リセット信号Reを継続出力する。そして、リセット入力回路27dがリセット信号Reの出力を停止すると、メインCPU27aは起動し、メイン処理プログラム(図6参照)を実行する。
メイン処理プログラムにてメインCPU27aは、遊技中、所定周期(本実施形態では4ms)毎に実行する割込み処理プログラムの割込みを禁止に設定し、該割込み処理プログラムの実行を待機状態とする(ステップM1)。そして、メインCPU27aは、レジスタ、ポートなどの各種デバイスの初期設定を行う(ステップM2)。続いて、メインCPU27aは、RAM27cに記憶保持された各種制御情報(大当り判定用乱数の値、バックアップフラグなど)の消去を指示する初期化指示信号を入力したか否かを判定する(ステップM3)。そして、この判定結果が肯定の場合、即ち、初期化指示信号を入力していた場合、メインCPU27aは、RAM27cに記憶保持された各種制御情報を消去(クリア)する(ステップM4)。
次に、メインCPU27aは、RAM27cに対して遊技を開始させるための各種初期値を設定することにより、RAM27cを初期化する(ステップM5)。続いて、メインCPU27aは、スタックポインタを初期設定する(ステップM6)。ステップM5の処理により、大当り判定用乱数の値には、初期値として「0(零)」が設定されることとなる。従って、本実施形態のステップM4とステップM5の処理は初期化処理となる。そして、メインCPU27aは、RAM27cを初期化したことに基づく各種制御信号(初期化信号)を表示制御基板28、発光制御基板29及び音声制御基板30に対して夫々出力する(ステップM7)。ステップM7の処理では、例えば、表示制御基板28に対して初期図柄を表示させるための制御コマンド(制御信号)が出力される。
次に、メインCPU27aは、割込み処理プログラムの実行周期(本実施形態では、4ms)を設定する(ステップM8)。そして、メインCPU27aは、前記ステップM1で禁止した割込み処理プログラムの割込みを許可に設定する(ステップM9)。続いて、メインCPU27aは、大当りに直接関与しない乱数(例えば、はずれ図柄乱数、変動パターン振分乱数など)の更新処理を実行し(ステップM10)、前記ステップM9に移行する。以降、メインCPU27aは、割込み処理プログラムの割込みが発生するまでステップM9とステップM10の処理を繰り返し実行する。その後、割込み処理プログラムの割込みが発生すると、メインCPU27aは、メイン処理プログラムから割込み処理プログラムに移行し、該割込み処理プログラムに基づきパチンコ機10の遊技を制御する。
一方、前記ステップM3の判定結果が否定、即ち、初期化指示信号を入力していない場合、メインCPU27aは、RAM27cに記憶保持された制御情報(記憶内容)が異常であるか否かを判定する(ステップM11)。このとき、メインCPU27aは、電源断時に実行される電源断処理プログラムにおいてRAM27cに設定されたバックアップフラグ(バックアップ実行情報)を確認することで、RAM27cに記憶保持された制御情報が正常な情報であるか否か判定する。そして、その判定結果が肯定、即ち、RAM27cに記憶保持された制御情報に異常がある場合、メインCPU27aはステップM4に移行してステップM5の処理で、RAM27cを初期化する。これ以降、メインCPU27aは、ステップM6〜ステップM10の処理を実行する。従って、RAM27cに記憶保持された制御情報が異常である場合、RAM27cは初期値が設定されて、初期化されることとなる。
なお、ステップM11の判定結果が肯定となる場合としては、電源断時に電源断処理プログラムを実行したものの、バックアップ処理が正常に行われなかった場合がある。さらに、ステップM11の判定結果が肯定となる場合としては、電源が遮断されていない時に、メインCPU27aがリセット信号Reを入力し、メイン処理プログラムを最初(ステップM1)から実行した場合(即ち、メインCPU27aが再起動した場合)がある。メインCPU27aが再起動する要因としては、電源基板26のリセット信号回路34の誤動作か、又はリセット信号Reと同様の機能(役割)を果たす類似の信号(以下、この信号を「不正リセット信号Re1」と示す)が不正に取り付けられた不正基板から出力されたことが考えられる。
メイン処理プログラムの説明に戻り、ステップM11の判定結果が否定、即ち、RAM27cに記憶保持された制御情報が正常である場合、メインCPU27aは制御情報として記憶保持されているスタックポインタを復帰設定する(ステップM12)。また、メインCPU27aは、RAM27cに記憶保持されているバックアップフラグをクリアする(ステップM13)。そして、メインCPU27aは、割込み処理プログラムの戻り番地としてRAM27cに記憶保持されている制御情報に基づき電源断前の戻り番地を設定し、該戻り番地から割込み処理プログラムに基づきパチンコ機10の遊技を制御する(ステップM14)。
ここで、メインCPU27aは、ステップM5の処理を実行し、大当り判定用乱数の値として初期値「0」をRAM27cに設定した場合、起動後に割込み処理プログラムを実行すると、大当り判定用乱数の更新を初期値「0」から開始する。一方、メインCPU27aは、メイン処理プログラムのステップM11を否定判定し、ステップM12〜M14の処理を実行した場合、起動後に割込み処理プログラムを実行すると、大当り判定用乱数の更新をバックアップ(記憶保持)されていた値から開始する。例えば、大当り判定用乱数の値として「5」がバックアップされていた場合には、「5」の値から更新を開始する。
本実施形態においてメインCPU27aは、大当り判定用乱数を一定周期で更新する乱数更新手段、RAM27cの記憶内容を初期化する初期化実行手段、及びバックアップ処理を実行するバックアップ手段となる。また、本実施形態においてRAM27cは、大当り判定用乱数の値を記憶保持する記憶手段となる。
次に、発光制御基板29の具体的な構成について説明する。
発光制御基板29は、図5に示すように、主制御基板27から入力した制御信号に基づく発光制御を実行するための発光制御情報を演算処理するサブCPU29aを備えている。なお、発光制御情報とは、サブCPU29aが実行する発光制御の具体的な処理内容であって、当該発光制御情報には、発光装飾用の動作パターンが示されている。また、サブCPU29aには、ROM29bが接続されている。そして、ROM29bには、発光制御情報の演算処理など各種制御を実行するための制御プログラムや、複数種類の発光制御情報が記憶保持されている。また、サブCPU29aにはRAM29cが接続されており、当該RAM29cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種制御情報などが記憶保持される。また、サブCPU29aにはリセット入力回路29dが接続されており、該リセット入力回路29dは電源基板26のリセット信号回路34から入力したリセット信号Reを所定時間の間だけサブCPU29aに継続して出力するようになっている。そして、サブCPU29aは、リセット入力回路29dを介して入力されたリセット信号Reによりその動作(起動時の動作など)が規制されるようになっている。
また、サブCPU29aには、信号監視回路42が接続されており、該信号監視回路42には主制御基板27(メインCPU27a)からCOM信号(本実施形態では第1COM信号)が入力されるようになっている。信号監視回路42は、主制御基板27(メインCPU27a)からの第1COM信号の入力状態を監視するようになっている。そして、信号監視回路42は、該第1COM信号の入力が途切れた場合、(即ち、所定の時間を経過しても第1COM信号がLレベルからHレベルへ立ち上がらない場合)、サブCPU29aに対して制御信号としての報知信号を出力するようになっている。なお、本実施形態の信号監視回路42は、一般的なウオッチドックタイマ回路の回路原理を利用して構成されている。
より詳しく説明すると、図7に示すように、信号監視回路42は、時間経過に従って(正比例して)、第1COM信号の入力周期(間隔)を監視するための監視電圧を高くする(上げる)ようになっている。そして、信号監視回路42は、第1COM信号が入力する又は監視電圧が所定の閾値に達する毎に、監視電圧をLレベルに立ち下げ、その後再び時間経過に従って監視電圧を高くするようになっている。前記所定の閾値は、信号監視回路42が第1COM信号の周期の変化を検知して、第1COM信号の入力が途切れたことを検知できるように設定されている。具体的には、第1COM信号を入力してから所定の許容時間(本実施形態では、第1COM信号の3周期分に相当する時間である24ms)が経過しても再び第1COM信号が入力されないときにおける監視電圧の値を所定の閾値として設定している。なお、所定の許容時間を第1COM信号の3周期分に相当する時間としたのは、ノイズ等により第1COM信号の入力周期が一瞬乱れた(途切れた)場合のことを考慮したためである。そして、信号監視回路42は、所定の閾値に達すると、サブCPU29aに対して報知信号を出力するようになっている。この報知信号を出力した場合、信号監視回路42は、所定の停止時間が経過した後に、再び監視電圧を上昇開始させるようになっている。なお、報知信号の出力後から再び監視電圧が上昇し始めるまでの停止時間は、リセット信号Reの入力に基づくリセット入力回路27dによるメインCPU27aの規制時間と略同時間に設定されている。また、報知信号を入力したサブCPU29aは、所定の報知時間の間(本実施形態では、30秒間)、所定の発光態様(例えば、激しく点滅させるなど)で装飾ランプ16を発光させるようになっている。
本実施形態の信号監視回路42は、第1COM信号(常時信号)を入力する信号入力手段となる。また、本実施形態の信号監視回路42は、第1COM信号(常時信号)の入力が途切れたか否かを監視する監視手段となる。また、本実施形態の装飾ランプ16は、報知手段となる。
前述のように構成されたパチンコ機10のメインCPU27aは、動作中(電源が遮断されていない時)に不正基板からの不正リセット信号Re1(リセット信号Re)を入力すると、その動作が規制される。そして、所定の規制時間の経過後に、メインCPU27aは起動(再起動)し、メイン処理プログラム(図6参照)を実行する。このとき、メインCPU27aは、電源断処理プログラムによってバックアップ処理が実行されていないので、ステップM3を否定判定すると共にステップM11を肯定判定し、ステップM4以降の処理を実行する。即ち、メインCPU27aは、RAM27cに予め定められた初期値(大当り判定用乱数の場合には「0」)を設定して、初期化する。その後、メインCPU27aは、割込み処理プログラムを実行することにより、大当り判定用乱数の値を含む各種乱数の値を初期値から順次更新する。
そこで、本実施形態のパチンコ機10では、その動作中に不正リセット信号Re1(リセット信号Re)がメインCPU27aに入力されると、当該不正リセット信号Re1が入力されたことを外部に報知(以下、リセット報知と示す)するように構成されている。即ち、メインCPU27aは、その動作中に不正リセット信号Re1を入力すると、その動作が規制されるため、パチンコ機10の動作中に常に出力していたCOM信号とSEG信号の出力を停止する。このため、駆動回路41のコモンドライバ41aには、COM信号(第1COM信号、第2COM信号)が入力されなくなり、動作確認ランプ31の発光表示がされなくなる。また、同様に信号監視回路42には、第1COM信号が入力されなくなる。
一方、信号監視回路42は、第1COM信号が入力されなくなったことにより、監視電圧が高くなる。その後、信号監視回路42は、監視電圧が閾値を超えると、第1COM信号の入力が途切れたことを検知し、報知信号をサブCPU29aに出力する。報知信号を入力したサブCPU29aは、装飾ランプ16を制御し、リセット報知を行わせる。
なお、メインCPU27aは、不正リセット信号Re1(リセット信号Re)を入力すると、その入力から割込み処理プログラムを実行するまでの間(少なくともリセット入力回路27dによるメインCPU27aの規制時間(400ms〜1800ms)の間)、COM信号の出力を停止することとなる。そして、割込み処理プログラムの実行を開始したメインCPU27aは、COM信号の出力を再開する。この結果、信号監視回路42には、再びCOM信号が入力される。
以下、パチンコ機10の動作中に、不正リセット信号Re1の入力による不正行為が行われた場合に、リセット報知が行われる態様を図7のタイミングチャートを用いて説明する。
パチンコ機10が動作している間、メインCPU27aは、常に、一定周期で第1COM信号をコモンドライバ41a及び信号監視回路42に出力する(時点A〜時点Bの間参照)。そして、パチンコ機10の動作中、メインCPU27aは、不正リセット信号Re1を入力すると、その動作を所定の規制時間(400ms〜1800ms)停止する。即ち、メインCPU27aは、第1COM信号の出力を所定の規制時間(400ms〜1800ms)の間、停止する(時点B参照)。そして、第1COM信号の出力が停止すると、信号監視回路42における監視電圧が上がり続け、所定の閾値に達する。監視電圧が所定の閾値に達すると、信号監視回路42は、第1COM信号の入力が途切れたことを検知して、監視電圧をLレベルに立ち下げると共に、サブCPU29aに対して報知信号を出力する(時点C参照)。
当該報知信号を入力したサブCPU29aは、装飾ランプ16を所定の発光態様で発光させ、リセット報知を開始させる(時点C参照)。このため、遊技店側に不正リセット信号Re1が入力されたことを知らせることができる。所定の規制時間が経過すると、メインCPU27aは、起動し、メイン処理プログラムを実行し、その後、割込み処理プログラムを実行する。割込み処理プログラムを実行すると、メインCPU27aは、第1COM信号の出力を再開する(時点D参照)。一方、報知信号を出力した後の信号監視回路42は、所定の停止時間(メインCPU27aの規制時間と略同時間)の間、監視電圧を上昇させない(Lレベルの状態のまま)。そして、停止時間の経過後、再び監視電圧が上昇し始める(時点E参照)。また、サブCPU29aは、装飾ランプ16によるリセット報知を開始させてから所定の報知時間(30秒間)が経過した後、装飾ランプ16によるリセット報知を終了させる(時点F参照)。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)メインCPU27aは、不正リセット信号Re1を入力する迄の間、第1COM信号を常に出力し、サブCPU29aは、該第1COM信号の入力が途切れたか否かを信号監視回路42で監視するようにした。これにより、サブCPU29aは、メインCPU27aに不正リセット信号Re1が入力されたか否かを把握できる。即ち、サブCPU29aは、第1COM信号を入力している場合、主制御基板27が通常の制御を実行していることを把握できる一方で、第1COM信号の入力が途切れた場合、メインCPU27aの制御が一時的に停止した後に再開(再起動)したことを把握できる。従って、メインCPU27aからサブCPU29aに制御信号(例えば、報知を指示する信号など)を入力しなくても、サブCPU29aでは、第1COM信号が途切れたことを契機に装飾ランプ16にリセット報知を行わせるので、不正リセット信号Re1の入力による不正行為を確実に報知することができる。
(2)第1COM信号を一定の周期(入力周期)を有する信号としたことにより、第1COM信号の周期に変化が生じた場合(即ち、第1COM信号を入力してから所定の許容時間を経過しても新たな第1COM信号を入力しなかった場合)、サブCPU29aは、第1COM信号の入力が途切れたことを把握できる。即ち、サブCPU29aは、第1COM信号を一定の周期で入力できている場合、メインCPU27aが通常の制御を実行していることを把握できる。その一方で、サブCPU29aは、第1COM信号の周期が変化した場合(一定の周期ではない場合)、不正リセット信号Re1の入力によってメインCPU27aの制御が一時的に停止した後に再開(再起動)したことを把握できる。従って、不正リセット信号Re1の入力を契機にリセット報知を装飾ランプ16に行わせることができる。
(3)メインCPU27aは、パチンコ機10の動作中に不正リセット信号Re1を入力すると、第1COM信号の出力を停止し、メイン処理プログラムを実行して大当り判定用乱数の更新を予め定められた初期値から開始する。このため、信号監視回路42が第1COM信号の入力を監視することにより、サブCPU29aは、メインCPU27aが大当り判定用乱数の更新を予め定められた初期値から開始したか否かを把握することができる。すなわち、サブCPU29aは、装飾ランプ16に、メインCPU27aが大当り判定用乱数の更新を予め定められた初期値から開始したことを報知させることができる。
(4)メインCPU27aは、パチンコ機10の動作中に不正リセット信号Re1を入力すると、第1COM信号の出力を停止して、メイン処理プログラムを実行して、RAM27cの記憶内容を初期化して、大当り判定用乱数の更新を初期値から開始する。このため、信号監視回路42が第1COM信号の入力を監視することにより、サブCPU29aは、メインCPU27aが大当り判定用乱数の更新を予め定められた初期値から開始したか否かとともに、RAM27cの記憶内容が初期化されたことを把握することができる。すなわち、サブCPU29aは、装飾ランプ16に、メインCPU27aが大当り判定用乱数の更新を予め定められた初期値から開始したことと共に、RAM27cの記憶内容が初期化されたことを報知させることができる。
(5)パチンコ機10の動作中に発光させる動作確認ランプ31の駆動回路41に出力する第1COM信号を、常時信号として信号監視回路42に出力するようにした。このため、リセット報知を行わせるためだけに、常時信号として第1COM信号を出力する新たな装置を備える必要がない。すなわち、主制御基板27に備えられている装置をリセット報知と動作確認の両方を行うために兼用することができる。従って、リセット報知をさせるためだけに、主制御基板27を設計し直す必要がなく、設計の手間やコストを低減することができる。
(6)信号監視回路42は、第1COM信号の周期(本実施形態では第1COM信号がHレベルに立ち上がってから再びHレベルに立ち上がるまでの時間間隔(入力間隔))が、第1COM信号の入力遅延などを考慮して予め定めた許容時間(本実施形態では第1COM信号の3周期分に相当する時間)を越えた場合に肯定判定する。そして、信号監視回路42は、第1COM信号の周期が変化したと判定する。すなわち、第1COM信号の入力が途切れたと判定する。このため、ノイズなどにより第1COM信号の入力周期が一瞬乱れた(途切れた)場合の誤作動を防止できる。
(第二実施形態)
次に、本発明を具体化した第二実施形態を説明する。尚、第一実施形態と同様の構成は、第一実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。本実施形態のパチンコ機10の制御構成は、第一実施形態の制御構成と基本的に同じであり、図4に示すとおりである。
本実施形態において、動作確認ランプ91は、1個の発光ダイオード91aから構成されている(図1の破線で囲まれた動作確認ランプ91参照)。また、その1個の発光ダイオード91aからなる動作確認ランプ91をパチンコ機10の動作中発光させるために、主制御基板27(メインCPU27a)は、パチンコ機10の動作中(割込み処理プログラム実行中)、常時信号として常にHレベルを維持する作動信号を動作確認ランプ91に対して出力するようになっている。そして、当該作動信号がHレベルに維持されている限り、動作確認ランプ91は、発光するようになっている。
そして、信号監視回路42は、当該作動信号を入力して、作動信号の入力を監視するようになっている。信号監視回路42は、当該作動信号の入力が途切れた場合(すなわち、所定の時間を経過しても作動信号がLレベルのままである場合)、サブCPU29aに報知信号を出力するようになっている。より詳しく説明すると、図8に示すように、信号監視回路42は、時間経過に従って(正比例して)、作動信号の入力を監視するための監視電圧を高くする(上げる)ようになっている。そして、信号監視回路42は、作動信号が入力されると、又は監視電圧が所定の閾値に達すると、監視電圧をLレベルに立ち下げ、その後再び時間経過に従って監視電圧を高くするようになっている。本実施形態では、作動信号は継続して信号監視回路42に入力されるため、作動信号が信号監視回路42に入力している間、監視電圧はLレベルに維持されることとなる。また、前記所定の閾値は、信号監視回路42が作動信号の入力が途切れたことを検知できるように設定されている。具体的には、作動信号を入力してから所定の許容時間(本実施形態では、24msとしている)経過しても作動信号が入力されないときにおける監視電圧の値を所定の閾値として設定している。なお、所定の許容時間を設定したのは、作動信号がノイズなどにより一瞬乱れた(途切れた)場合を考慮しているからである。そして、信号監視回路42は、所定の閾値に達すると、サブCPU29aに対して報知信号を出力するようになっている。この報知信号を出力した場合、信号監視回路42は、所定の停止時間が経過した後に、再び監視電圧を上昇開始させるようになっている。なお、報知信号の出力後から再び監視電圧が上昇し始めるまでの停止時間は、リセット信号Reの入力に基づくリセット入力回路27dによるメインCPU27aの規制時間と略同時間に設定されている。そして、報知信号を入力したサブCPU29aは、所定の報知時間の間(本実施形態では、30秒間)、所定の発光態様(例えば、激しく点滅させるなど)で装飾ランプ16を発光させるようになっている。
以下、パチンコ機10の動作中に不正リセット信号Re1の入力による不正行為が行われた場合に、リセット報知が行われる態様を図8のタイミングチャートを用いて説明する。
パチンコ機10が動作している間、メインCPU27aは、常に、作動信号を動作確認ランプ91に出力する(時点F〜時点Gの間参照)。そして、パチンコ機10の動作中、メインCPU27aは、不正リセット信号Re1を入力すると、その動作を所定の規制時間(400ms〜1800ms)停止する。すなわち、メインCPU27aからの作動信号の出力を停止する(時点G参照)。そして、作動信号の出力が停止すると、信号監視回路42における監視電圧が上がり続け、所定の閾値に達する。監視電圧が所定の閾値に達すると、信号監視回路42は、作動信号の入力が途切れたことを検知して、監視電圧をLレベルに立ち下げると共に、サブCPU29aに対して報知信号を出力する(時点H参照)。報知信号出力後、信号監視回路42は、所定の停止時間(メインCPU27aの規制時間と略同時間)の間、監視電圧を上昇させない(時点K参照)。そして、停止時間経過後、信号監視回路42は、再び監視電圧の上昇を開始する。
一方、報知信号を入力したサブCPU29aは、装飾ランプ16を所定の発光態様で発光させ、リセット報知を開始させる(時点H参照)。そして、所定の規制時間(400ms〜1800ms)が経過すると、メインCPU27aは、起動し、メイン処理プログラムを実行し、その後、割込み処理プログラムを実行する。割込み処理プログラムを実行すると、メインCPU27aは、作動信号の出力を再開する(時点I参照)。これにより、信号監視回路42は、停止時間経過後、再び監視電圧の上昇を開始しても、作動信号を常に入力して監視電圧をLレベルに維持することとなり、報知信号をサブCPU29aに対して出力しなくなる。また、サブCPU29aは、装飾ランプ16によるリセット報知を開始させてから所定の報知時間(30秒間)が経過した後、装飾ランプ16によるリセット報知を終了させる(時点J参照)。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(7)信号監視回路42は、作動信号の入力が途切れた時間が予め定めた許容時間を越えた場合に肯定判定する。このため、ノイズなどにより、作動信号の入力が一瞬途切れた場合の誤作動を防止できる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
○上記第一実施形態では、第1COM信号を常時信号としているが、主制御基板27(メインCPU27a)からパチンコ機10の動作中に常に出力され、且つ、一定の周期を有する信号ならば、第1COM信号に限らない。例えば、第一実施形態では、動作確認ランプ31は、常に「On」と発光表示しているため、第5SEG信号又は第6SEG信号も、第1COM信号と同様に、パチンコ機10の動作中に常に出力され、且つ、一定の周期を有する信号である。このため、第一実施形態において、第5SEG信号又は第6SEG信号を常時信号としても良い。また、第2COM信号を常時信号としても良い。
○上記各実施形態では、装飾ランプ16にリセット報知を行わせたが、装飾ランプ16以外の装置にリセット報知を行わせても良い。例えば、スピーカ17に所定の音声出力を行わせること(「不正信号入力」などの音声を出力させる)によりリセット報知を行わせても良い。また、表示装置20の可変表示器Hに所定の画像表示(「不正信号入力」などの文字列を表示させる)を行わせることによりリセット報知を行わせても良い。この場合、表示制御基板28又は音声制御基板30に信号監視回路を設け、当該信号監視回路に常時信号(COM信号など)を入力して、常時信号の入力を監視させることとなる。
○上記第一実施形態では、2つの7セグメントLED31a,31bにて動作確認ランプ31を構成したが7セグメントLEDの数はこれに限定しない。例えば、3つの7セグメントLEDにて動作確認ランプ31を構成しても良い。また、動作確認ランプ31に「On」と発光表示させていたが、「On」以外の文字列(例えば、数字など)を発光表示させても良い。また、パチンコ機10の動作中、動作確認ランプ31の発光表示を変更するようにしてもよい。例えば、数字を遊技時間に合わせてカウントアップするようにしてもよい。
○上記第一実施形態の動作確認ランプ31は、パチンコ機10が動作しているか否かを示していたが、払い出されるべき賞球残数を表示する賞球残数表示器を備えたパチンコ機であれば、賞球残数表示器を制御する信号を常時信号としても良い。なお、賞球残数は、始動入賞口21や大入賞口22へ遊技球が入賞することにより、払い出される賞球数が累積加算され、賞球を払い出す毎にその払い出した個数が減算されるようになっている。また、賞球残数表示器は、RAM27cに記憶されている賞球残数を表示するものであり、払い出すべき賞球が存在しない場合、「0(零)」を常に表示するようになっている。また、メインCPU27aは、常時信号(COM信号又は作動信号)を、動作確認ランプ31以外のランプであって、パチンコ機10の動作中、常に発光するランプに対して出力してもよい。
○上記第一実施形態において、監視電圧の閾値を設定するために用いられる所定の許容時間を、第1COM信号の3周期分に相当する時間(24ms)としたが、3周期分に相当する時間以上ならば、これに限らない。例えば、第1COM信号の4周期分に相当する時間を所定の許容時間としてもよい。
○上記実施形態において、メインCPU27aは、電源が遮断されたときにバックアップ処理を行っていたが、行わなくても良い。即ち、バックアップ機能を搭載していないパチンコ機に具体化しても良い。このようなパチンコ機の場合、メインCPU27aは、電源を投入すると、各種乱数の更新を必ず初期値(大当り判定用乱数であれば「0(零)」)から開始することとなる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)遊技機の動作中に発光する発光手段を有し、前記常時信号は、前記発光手段を制御するために用いられる一定の周期を有する信号である請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ロ)前記監視手段は、前記常時信号の入力が途切れた時間が予め定めた許容時間を越えた場合に肯定判定する請求項1に記載の遊技機。
(ハ)前記監視手段は、前記常時信号の入力間隔が予め定めた許容時間を越えた場合に肯定判定する請求項2に記載の遊技機。
(ニ)遊技機の電源投入時に前記初期化処理の実行を指示する初期化指示手段を有し、前記メイン制御装置は、遊技機の電源遮断時に前記記憶手段の記憶内容を記憶保持させるバックアップ処理を実行するバックアップ手段と、前記リセット信号の入力時に、前記記憶手段に前記バックアップ処理が実行されたことを示すバックアップ実行情報が記憶されているか否かの記憶判定と前記初期化指示手段から前記初期化処理の実行を指示する初期化指示信号を入力しているか否かの初期化判定を行い、前記両判定の判定結果が肯定の場合又は前記記憶判定の判定結果が否定の場合に前記初期化処理を実行する初期化実行手段とを備えた請求項4に記載の遊技機。
10…パチンコ遊技機(遊技機)、16…装飾ランプ(報知手段)、27…主制御基板(メイン制御装置)、27a…メインCPU(リセット信号入力手段、信号出力手段、乱数更新手段、バックアップ手段、初期化実行手段)、27c…RAM(記憶手段)、28…表示制御基板、29…発光制御基板(サブ制御装置)、29a…サブCPU、30…音声制御基板、31…動作確認ランプ、32…電源回路、33…電源断監視回路、34…リセット信号回路、31a、31b…7セグメントLED、36…RAMクリアスイッチ(初期化指示手段)、41…駆動回路、41a…コモンドライバ、41b…セグメントドライバ、42…信号監視回路(信号入力手段、監視手段)。