JP4358476B2 - 単回熱処理において少なくとも2層の複合材料から歯科用コーピングを形成する方法および歯冠を形成するための多層複合材料 - Google Patents

単回熱処理において少なくとも2層の複合材料から歯科用コーピングを形成する方法および歯冠を形成するための多層複合材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも2層を有する複合材料から単回熱処理にて歯科用コーピングを形成する方法、および歯冠または架工義歯(bridge)の形成に用いる交互配置(alternating arrangement)における層状(laminated)複合金属層から形成された複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属コーピング(metal coping)は、歯冠および/または架工義歯の構造にて歯科学において使用される。金属コーピングは、冠の下構造(under structure)として機能し、また審美的な理由のために、セラミック陶材組成物またはポリマーベースの前装用(veneering)材料の焼成コーティングで通常被覆される。金属コーピングは、コーティングを支持し、修復された歯が咀嚼力に耐えるための必要な構造上の強度および剛性を提供する。
【0003】
金属コーピングは、修復されるべき歯のワックスまたは成型パターンの外被から型を取ることができる。ワックス処理、被覆、または型を取る必要がなく、現在、多数の試験従事者(laboratory practitioner)および歯科医によって広範囲に好評を得ている別法の手法は、例えば、米国特許第5,234,343号および米国特許第5,332,622号に各々開示されるごとき、高および低融解温度金属粒子の混合物よりなる成型可能な歯科材料組成物からコーピングを形成することである。これらの特許(その開示を出典明示して本明細書の一部とみなす)に教示されるごとき歯科材料は、熱処理で多孔質構造を形成し、少なくとも20%を超える高い空隙容量(void volume)を有する。熱処理前に、歯科材料は修復されるべき歯の形に成型される。成型された形は自己支持し、歯科用炉中の熱処理で多孔質構造へ本質的にいずれの収縮なくして変換される。熱処理温度は、低融解温度金属粒子を完全または実質的に融解するのに十分であるが、高融解温度金属粒子を融解しないものでなけらばならない。この結果、低融解温度金属粒子は、高融解温度金属粒子を相互連結して、構造物の形に影響することなく、多孔質構造を形成する。該多孔質構造は高空隙容量を有し、次いで、それを充填して、第2の熱処理手順における金属またはセラミックのフィラー材料(filler material)を添加することによってその構造を凝固させる。
【0004】
米国特許第5,593,305号(その開示を出典明示して本明細書の一部とみなす)において、成型可能な歯科材料が高および低融解温度金属粒子およびワックスの義歯床材(basal material)から形成された成型されたストリップ(compacted strip)を形成できることをさらに教示する。また、同様に、該フィラー材料は、フィラー組成物およびワックスの成型されたストリップ中に存在できる。義歯床材のストリップは型の表面上で手で成型され、熱処理され、続いて、第2の熱処理操作にてフィラー材料のストリップにつき同様の手順がなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、少なくとも2層を有する複合材料から単回熱処理にて歯科用コーピングを形成する方法、および歯冠または架工義歯の形成に用いる交互配置における層状複合金属層から形成された複合材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明により、高および低融解温度金属粒子組成物の2以上の重ね合わされた金属層から形成されたコーピングは、手動でまたは自動的のいずれかにて、徐々にまたは段階的に行なわれる熱処理での単回操作において歯科用炉中で熱処理できることを発見した。以前には、フィラー材料を添加する前に、高融解温度金属粒子の義歯床(basal)金属層を、別々に熱処理して、独立した多孔質構造を形成することが必要であった。該フィラー材料を多孔質構造に適用し、別々の熱処理操作を行い、多孔質構造の密度を高めさせた。
【0007】
本発明による歯科用コーピングを形成する方法は、高融解温度金属粒子を含有する義歯床材組成物およびワックス結合剤よりなる第1のシートを形成し;低融解温度金属粒子およびワックス結合剤を含有するフィラー材料組成物の第2のシートを形成し、2つのシートを重ね合わせて、ラミネートを形成し、別々に、あるいは型の表面上のラミネートとしてシートを修復されるべき歯の形に成型し、成型されたラミネートを炉に入れ、次いで、実質的に、該低温度融解粒子の融解温度未満の温度から約1075℃を超えない最大温度に上昇させる。温度が該低融解粒子を該多孔質構造に融解して、密度を高めるのに十分な炉において炉温度が達成される前に、好ましくは、徐々にまたは段階的に、および該高融解温度金属粒子が高融解温度金属の安定な多孔質構造を形成するのを可能とするのに十分な時間にわたって上昇させるべきである。
【0008】
本発明の複合材料は、歯冠または架工義歯を形成するのに用いる交互配置において重ね合わされた金属層から形成される。該材料は、好ましくは、高融解温度金属粒子を含有する義歯床材組成物よりなる少なくとも1つの層を持ち、およびそれに隣接し、低融解温度金属粒子のフィラー材料組成物を含むある他層を持つ少なくとも3層を含むべきであり、それは、該低融解温度金属粒子の融解温度に少なくとも等しいが、該高融解温度金属粒子の融解温度未満である温度の歯科用炉中にて、多層構造を焼成するに際して歯科用コーピングを形成するために交互配置にて配置された該層を持つ。本発明の歯科材料は、義歯床材の層に溶け込ませるフィラー材料の層での熱処理に際して凝固するのに適合する。層の交互配置、層の組成および層の厚さは、義歯床材の(複数の)層へのフィラー材料の拡散の程度を制御する。該拡散は、実質的に、(複数の)該義歯床層の多孔質構造への変換を同時に引き起こす。フィラー材料の(複数の)層は、熱処理中の義歯床材によって形成された多孔質構造に溶け込み、歯科用コーピング中で凝固する。例えば、その硬度のごとき熱処理後の歯科用コーピングの物理的特性は、該層の組成および/または厚さの変更によって修飾できる。また、層の配置およびそれらの組成を変更して、陶材の焼成コーティングに対する表面層の適合性を改善し、および/またはセメント合着(cementation)に対するその適合性を改善できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
ここに、図1および2を引用して、修復されるべき歯に従う外部形を有し、その上に本発明の歯科材料12を成型する断面における歯型10を示す。歯科材料12は、異なる金属粒子組成物の最小の2つの層を有するラミネート構造(laminated structure)であり、それらは以下に「b」および「f」と記載されるが、2または3層が好ましい。図1Bおよび2に示された構造12は、例示の目的のために4層を有し、そのうちの2つが、金属粒子組成物「b」および「f」よりなり、好ましくは、交互になって4層を形成する。組成物「b」を有する層は、義歯床材を構成し、揮発性結合剤を含む凝集混合物中に高融解温度金属粒子を含有する組成物である。揮発性結合剤は、好ましくは、混合物を一緒に保持するワックス組成物である。また、該義歯床材は、低融解温度金属粒子を含有できる。該結合剤の濃度は、広範囲に変更できるが、好ましくは、義歯床材組成物の約20容積%と80容積%までの間で変更できる。結合剤を形成するように比較的柔らかくかつ粘着性であるワックスが選択されるべきであり、いずれかの天然ワックス、ミネラルワックスまたは有機ワックスの組成物から選択できる。該結合剤は、低融解温度金属粒子の融解温度より十分低いか、または少なくとも高くない融解温度にてかなりの残渣を残すことなく、比較的きれいに溶けるべきである。
【0010】
高融解温度金属粒子の義歯床材層「b」は、好ましくは、0ないし100パーセントで相互に対していずれかの所望の比でプラチナおよびパラジウムのごとき貴金属の単一金属または金属合金から選択できる。金、銀、銅、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、インジウム、および周期表の第3、第4あるいは第5族の元素から選択された他の金属のごときさらなる成分を添加できる。金、銀および白金族の金属以外の元素の合計重量パーセントは、10パーセントを超えるべきではない。金は、他の低融解成分の不存在下にて、該低融解温度金属成分またはそれ自体に対する高融解温度金属成分の親和性を増大させるように、高融解温度金属成分に対していずれの比でも添加できる。後者の場合には、金は、高融解金属組成物の主成分を表し、その濃度に依存して、該高融解成分の融解温度を実質的に低下できる。
【0011】
層「f」は、主要成分としての金と共に、好ましくは、金または金合金よりなる低融解温度金属粒子のフィラー材料組成物を構成する。低融解フィラー材料「f」の主要成分としての金に対する好みは、加工性、生物学的適合性、非酸化特性および色彩のその公知の特性に基づいている。フィラー材料の層「f」は、義歯床材組成物中の高融解温度金属粒子のものより下の融解温度を所有しなければならない。
【0012】
【実施例】
図1中および、好ましくは、図1Bに拡大して示されるごとき、層「b」および「f」は、タンデム(tandem)配置の層における成分の外層として選択されたフィラー材料層「f」と交互配置にて相互に隣接して位置して、2つの「b」および2つの「f」層で複合層状配置(composite laminated arrangement)を形成する。しかしながら、2を超えるいずれの数の層も形成できると理解されるべきでる。少なくとも3つの交互の層の配置が好ましい。
【0013】
図1の歯科材料12が、フィラー材料組成物の低融解温度金属粒子の融解温度と少なくとも等しいが、義歯床材組成物中の高融解温度金属粒子の融解温度未満の温度にて、歯科用炉中で熱処理に付される場合、歯科用コーピング15は、図2に示されるごとく形成される。ワックス結合剤は揮発性であって、低融解温度金属粒子の融解温度未満の熱処理中の温度にて蒸発する。図1のフィラー材料層「f」は、熱処理中に義歯床材層を含浸させ、型10から取り出された場合に、単一で凝固した一体化歯科用コーピングを形成する。
【0014】
熱処理中、(複数の)充填材層「f」中の低融解温度金属の粒子は融解して、(複数の)義歯床材層「b」に拡散して、該義歯床材層「b」が、集中するのを可能としなければならない。さらに、これは、構造15が熱処理前の歯科材料12の成型された形に密接に近い形を有するように、構造15中のいずれの大きな収縮なくして生じなければならない。これは、フィラー材料の(複数の)層「f」は、1つの熱処理操作にて義歯床材「b」の(複数の)層に含浸するように各層についての厚さと結合剤の濃度を選択することによって本発明に従って達成される。拡散および含浸の程度に影響する変数は、層における厚さ、材料組成および結合剤濃度に依存する。義歯床材の該層を分離するフィラー材料の濃度は、熱処理に際して義歯床材層への融解したフィラー粒子の拡散を許すのに容積当りにて十分でなければならない。不十分な濃度のフィラー材料が存在するならば、義歯床材の空隙容量は、熱処理中に完全には充填されず、依然として多孔性である構造のままであろう。あるいは、過剰な濃度のフィラー材料の結果、構造は凝固されたフィラー材料のバンドまたは層を有するであろう。両者の状況は、義歯床材の隣接した層の容積に対して、容積当りの不十分または過剰な濃度のいずれかのフィラー材料を有するための層状配置における特定のフィラー材料層「f」を選択することによって本発明により有利に用いることができる。フィラー材料の濃度は、フィラー材料の層の厚さ、および該フィラー材料層中の結合剤の濃度によって変更される。
【0015】
(複数の)義歯床材層中の隣接した(複数の)義歯床材層の相対的な厚さおよび結合剤の濃度は、熱処理に際して、義歯床(base)層の多孔度(porosity)を制御することによってフィラー材料の拡散、すなわち、フィラー材料で含浸させるべきその空隙容量および容量に影響する。従って、該義歯床材層「b」中の結合剤の厚さおよび濃度を変更して、特に、1つの熱処理焼成だけが、該義歯床層「b」がフィラー材料で浸透され、収縮なくして凝固するのを可能とするのを必要とするようにフィラー材料の拡散を適合できる。
【0016】
層の厚さおよび結合剤の濃度を変更するのに加えて、義歯床層「b」もフィラー層「f」のいずれも、同一の組成物となる必要がないこと理解されるべきである。事実、義歯床層「b」の組成、およびフィラー層「f」の組成を変更して、熱処理されたコーピング15の特性を増強でき、ならびに構造15の外部および/または内部の表面が組成および密度において異なるのを可能とできる。
【0017】
さらに、1つの熱処理操作だけが要求されるが、それは、高融解温度層「b」への該層「f」中の低融解金属粒子の拡散および含浸を制御するために手動または自動化のいずれでもよい単一温度設定または1を超える温度設定ならびに段階的な系列にて行うことができる。
【0018】
型10上の歯科材料12の成型は、米国特許第5,593,305号および米国特許第5,730,600号中に説明され、その開示をここに出典明示して本明細書の一部とみなす。しかしながら、本発明に従って、多孔体(porous body)は高融解金属組成物の(複数の)「b」層から形成され、(複数の)層「f」からのフィラー材料で含浸させ、密度を高めて、固体構造15を形成すると理解すべきである。これは、徐々または連続的な焼成段階が熱処理中に必要であり得るが、単回の熱処理中に実質的に同時に生じる。
【0019】
図3ないし6は、本発明の別法の具体例を示す。図3Aは、義歯床材「b」の外部および内部の層を各々持つ3層の薄層とされたボディーを示す。該フィラー材料層「f」の厚さは、図3Bに示されるごとき単回で凝固されたボディー17の形成のために義歯床材層「b」への該フィラー材料の完全な拡散を可能とするフィラー材料の容積を提供するように選択される。また、図4Aは、フィラー材料「f」のはるかに厚い層によって分離された義歯床材「b」の外部および内部の層を持つ3層の薄層とされたボディーを示す。図4Aの配置において、容積当りの過剰なフィラー材料が存在する結果、図4Bに示されるごとき凝固された構造18は、熱処理後に凝固したフィラー材料の層またはバンド19を有する。あるいは、不十分なフィラー材料が存在した場合、凝固されたボディーは、図3Bの構造17より実質的に大きな多孔度で形成されるであろう。しかしながら、未充填または部分的に充填された義歯床材層「b」は、コーピングの外部および内部の表面を、陶材焼成およびセメント合着につきより適合可能とさせることが望ましいかもしれない。図5Aは、フィラー材料組成物「f」よりなる外部および内部の層を持つ5つの交互の層の配置を示す。この配置において、義歯床材層「b」へのフィラー材料の拡散は、義歯床材層「b」の隣接した反対側を介して制御して、図5Bに示されるごとき凝固された構造20の形成におけるフィラー材料のより均質な拡散を引き起こす。図6Aは、まだ、2つの義歯床材層「b」および2つの充填材料層「f」および他の義歯床材層「b」からの異なる義歯床材組成物「b1」を有する5層の層状のボディーの交互配置である。この異なる義歯床材組成物「b1」には、セメント合着のための粗表面を生じるような層「b」中のものからの異なるサイズの高融解温度金属粒子が含まれ、および/またはさらなる金属成分を含み、この目的を達成できる。図6Bに示すごとき凝固された構造22は、残部の該凝固された構造22における物理的特徴とは異なる物理的特徴を有する表面23と共に形成される。
【0020】
歯科材料12は、いずれかの所望の幾何学の成型されたストリップに圧縮された層状のボディーでもう一つの上に一つの層をクラッディングすることによるごときいずれの通常の方法でも、層状のボディーに形成できる。この手順の間、特に、該層がクラッディングされ、圧縮される場合、一つのタイプの層または各タイプの層からの粒子は、圧縮中に他に浸透でき、すなわち、「f」層からの粒子は、例えば、該「b」層に物理的に取り込むことができ、反対に、特にそれらの境界にて、ラミネート構造の異なる層ともう一つのものとの区別を困難とする。他に言及されるように、該層間の境界は、「あいまい」となる。しかしながら、該層は、それらの主要成分を分析することによって相互に常に区別できると理解さるべきである。
【0021】
圧縮された層状のボディーの厚さは、特定の適用に依存して、50と2000ミクロンとの間にあり、歯科用コーピングを形成する場合、100ないし500ミクロンの厚さが好ましい。
【0022】
さらに、歯科用コーピングの形成につき主として意図したが、本発明の歯科材料も修復作業につき用いて、隣接歯間の修復を連結でき、架工義歯構造を形成できる。
【発明の効果】
本発明により、少なくとも2層を有する複合材料から単回熱処理にて歯科用コーピングを形成する方法、および歯冠または架工義歯の形成に用いる交互配置における層状複合金属層から形成された複合材料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は、熱処理前に修復されるべき歯の歯型(dental die)上に成型されたが示された本発明の歯科材料の1つの具体例の断面図である。(B)は、図1の歯科材料の層状の層の拡大図である。
【図2】 図2は、熱処理後だが、鋳型から取り出す前の図1の凝固された歯科材料構造の断面図である。
【図3】 (A)は、熱処理前の本発明の歯科材料の層状の3層複合材の断面図である。(B)は、熱処理後の図3Aの凝固された構造の断面図である。
【図4】 (A)は、熱処理前の本発明の歯科材料の層状の3層複合材の別法の配置の断面図である。(B)は、熱処理後の図4Aの凝固された構造の断面図である。
【図5】 (A)は、熱処理前の本発明の歯科材料の層状の5層複合材の交互配置の断面図である。(B)は、熱処理後の図5Aの凝固された構造の断面図である。
【図6】 (A)は、熱処理前の本発明の歯科材料の層状の5層複合材の交互配置のさらにもう一つの断面図である。(B)は熱処理後の図6Aの凝固された構造の断面図である。

Claims (10)

  1. 高および低融解温度金属粒子ならびに義歯床材層の20容積%および80容積%の間の濃度の揮発性ワックス結合剤を含有する義歯床材組成物「b」よりなる第1の層、および低融解温度金属粒子のフィラー材料「f」の第2の層を、第1の層および第2の層を交互配置にて含む、複数の層を有するラミネート構造から歯科用コーピングを形成する方法であって、
    容積当たりの過剰な濃度のフィラー材料が義歯床材の隣接した層の容量に対して存在して、フィラー材料の層を、低融解温度金属粒子の融解温度と少なくとも等しいが高融解温度金属粒子の融解温度未満の温度にて、単回の熱処理操作で、義歯床材の層に拡散させ、含浸させるように、ワックス結合剤の濃度を変更し、フィラー材料層の厚さを選択し、ここに、ワックス結合剤は、結合剤の蒸発からの義歯床材層中に形成された全ての空隙がフィラー材料で充填されて固体構造を形成するように加熱処理の間に揮発することで特徴付けられる該方法。
  2. 該義歯床材層中の該高融解温度金属粒子が、0ないし100%の相互に対する割合にて、プラチナおよびパラジウムよりなる群から選択される貴金属およびその合金、ならびに金、銀、銅、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、インジウム、および周期律表の第三、第四または第五族からなる他の金属から選択された少なくとも1つのさらなる貴金属または合金を含む組成物である請求項1記載の歯科用コーピングを形成する方法。
  3. 該フィラー材料組成物中の該低融解温度金属粒子が、その優位なまたは少なくとも主要な成分として、金または金合金を含むことを特徴とする請求項2記載の歯科用コーピングを形成する方法。
  4. フィラー材料の該ラミネート層が、各フィラー材料層「f」の厚さが、凝固された構造が熱処理後に残存するフィラー材料の残余の層を有するように存在する容積当たりの過剰のフィラー材料で義歯床層への完全な拡散を提供するように選択されるように、隣接する義歯床材層の厚さに相対した厚さを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1記載の歯科用コーピングを形成する方法。
  5. 温度上昇が、異なる温度での少なくとも2つの連続的な焼成段階を用いて1つの熱処理操作において生じることを特徴とする請求項3または4に記載の歯科用コーピングを形成する方法。
  6. 熱処理温度が、低融解粒子が融解し、高融解層を含浸させるレベルに達するのを可能とする前に、ワックスが義歯床材組成物層から外に揮発するのを可能するのに十分な温度範囲および期間にわたり徐々に熱処理温度を上昇させることを特徴とする、一つだけの熱処理操作を用いる請求項3または4に記載された歯科用コーピングを形成する方法。
  7. 高および低融解温度金属粒子ならびに義歯床材の20容量%と80容量%との間の濃度にて揮発性ワックス結合剤を含有する義歯床材組成物「b」よりなる第1層、ならびに低融解温度金属粒子のフィラー材料「f」の第2層を、第1の層および第2の層を交互配置して含む複数の層を有するラミネート構造よりなる熱処理前の歯科材料を用いて1つの熱処理操作において歯科用コーピングを形成するための歯科材料であって、
    義歯床材の各層のワックス濃度および/またはフィラー材料の各層の厚さが、低融解温度金属粒子の融解温度と少なくとも等しいが、高融解温度金属粒子の融解温度未満の温度での歯科用コーピング加熱処理に際して過剰のフィラー材料が存在するように選択され、ここに、ワックス結合剤が加熱処理中に揮発して、結合剤の揮発からの義歯床材層中に形成された全ての空隙にフィラー材料を十分含浸させて固体構造を形成させることを特徴とする該歯科材料。
  8. 該フィラー材料組成物中の該低融解温度金属粒子が、その優位なまたは少なくとも主要な成分として、金または金合金を含み、該義歯床材組成物中の該高融解温度金属粒子が、0ないし100%の相互に対する割合にて、プラチナおよびパラジウムよりなる群から選択される貴金属およびその合金、ならびに金、銀、銅、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ガリウム、インジウム、および周期律表の第三、第四または第五族からなる他の金属から選択された少なくとも1つのさらなる貴金属または合金を含む請求項7記載の1つの熱処理操作において歯科用コーピングを形成するための歯科材料。
  9. 温度上昇が、異なる温度での少なくとも2つの連続的な焼成段階を用いて1つの熱処理操作において生じる請求項8記載の1つの熱処理操作において歯科用コーピングを形成するための歯科材料。
  10. 熱処理温度が、低融解粒子が融解し、高融解層を含浸させるレベルに達するのを可能とする前に、ワックスが義歯床材組成物層から外に揮発するのを可能とするのに十分な温度範囲および期間にわたり徐々に熱処理温度を上昇させる請求項8記載の1つの熱処理操作において歯科用コーピングを形成するための歯科材料。
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