JPH07304623A - 成形用歯科組成物 - Google Patents

成形用歯科組成物

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JPH07304623A
JPH07304623A JP6099563A JP9956394A JPH07304623A JP H07304623 A JPH07304623 A JP H07304623A JP 6099563 A JP6099563 A JP 6099563A JP 9956394 A JP9956394 A JP 9956394A JP H07304623 A JPH07304623 A JP H07304623A
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melting
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Itzhak Shoher
アイザック・ショハー
Aharon Whiteman
アーロン・ホワイトマン
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯科コーピング、歯冠または充填物を形成す
るための成形性の良好な歯科組成物の提供。 【構成】 高熔融温度金属粒子とワックスからなるバイ
ンダーとよりなり、該高熔融粒子は、不規則な非球形幾
何形状および薄い断面平均厚みを有し、該高熔融粒子の
少なくとも50%は、各高熔融粒子の最大2次元平面像
の表面積を測定し、すべての該高熔融粒子の合計表面積
を計算し、平均厚みが1.5ミクロン未満の高熔融粒子
の積算表面積を該計算した合計表面積で除することによ
って決定して1.5ミクロン未満の平均厚みを有する成
形用歯科組成物。 【効果】 歯科コーピング、歯冠または充填物を形成す
るために労せず成形できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形用歯科材料組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】金属コーピングは、歯科医学において、
歯冠および架工義歯の調整で用いられる。金属コーピン
グは歯冠の土台として機能し、通常、見栄えの理由か
ら、セラミックス陶材組成物またはアクリルの焼付コー
ティングで被覆されている。金属コーピングは、該コー
ティングを支持し、修復した歯が咀嚼力に耐えるのに必
要な構造的強度および剛性を供する。
【0003】慣用的プラクティスは、修復すべき歯のワ
ックスまたはプラスチックの型の埋没から金属コーピン
グを鋳造することである。この手法を用いて形成された
修復物は、通常、鋳造金属修復物という。最近、金属コ
ーピングは、蝋形成、埋没または鋳造を必要としない金
属冠に対する陶材を調整するために開発された。コーピ
ングは、1989年10月24日に出願人に発行された
再発行特許第33,099号に詳細に記載されているご
とく、複数の折り畳み可能な切片を持ち、予め折り畳ん
だ形状に配置された予め造形した金属箔から形成され
る。金属箔から歯科コーピングを形成する別の方法は、
1989年8月29日に発行された米国特許第4,86
1,267号において出願人により教示されている。各
場合において、コーピングを形成するための出発物質
は、各々が貴金属の、固体金属層の積層から作成した固
体金属箔である。
【0004】予め造形した金属箔の使用の別法として、
出願人は、米国特許第4,997,694号に開示したご
とき金属材料組成物を開発したが、これは、所望の形状
に成形でき、形成された形状において自己支持的であ
り、かつ加熱処理下で成形された形状を保持する。その
開示を出典明示して本明細書の一部とみなす前記特許で
教示される歯科材料は、予め選択された加熱処理温度を
超える溶融温度を有する高熔融温度金属の粒子と、低熔
融温度の金属粒子とを含み、加熱処理温度におけるかか
る加熱処理の間に実質的に溶融して、溶融した低熔融温
度金属によって結合された高熔融温度金属粒子を有する
多孔性スポンジ様構造を形成する金属組成物よりなる。
出願人は、さらに、米国特許第4,990,394号にお
いて、多孔性スポンジ様構造は20%ないし80%の間
の合計ボイド容量を供すべきことを教示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、歯科
コーピング、歯冠または充填物を形成するために労せず
成形できる歯科組成物の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、高熔融温度金
属粒子およびワックスからなるバインダーよりなり、該
高熔融粒子は、不規則な非球形幾何形状および薄い断面
平均厚みを有し、該高熔融粒子の少なくとも50%は、
各高熔融粒子の最大2次元平面像の表面積を測定し、す
べての該高熔融粒子の合計表面積を計算し、平均厚みが
1.5ミクロン未満の高熔融粒子の積算表面積を該計算
した合計表面積で除することによって決定して1.5ミ
クロン未満の平均厚みを有することを特徴とする成形用
歯科組成物を提供するものである。ワックスを含有する
該組成物は、他の材料で作成された耐火性歯型に対し、
あるいは口腔中において機能し得る材料を形成する。金
属コーピングを形成し、歯科修復物を修復しあるいは歯
を充填する方法は、歯科研究所において、あるいは歯科
医院の歯科医によって容易に実施できる。
【0007】本発明の成形用歯科組成物は、高熔融温度
金属粒子とワックスからなるバインダーとよりなり、該
高溶融粒子は不規則な非球形幾何形状および薄い断面平
均厚みを有し、該粒子の少なくとも50%は、該粒子の
最も大きい2次元像を含む平面中で各高熔融粒子の表面
積を測定し、該高熔融粒子の合計表面積を計算し、平均
厚みが1.5ミクロン未満の高熔融粒子の積算表面積を
該計算した合計表面積で除することによって決定して
1.5ミクロン未満の平均厚みを有する。好ましくは、
該歯科組成物は、該高熔融金属粒子の溶融温度未満の溶
融温度を有する低熔融金属粒子も含有する。好ましく
は、該高熔融粒子の最大寸法は80ミクロンの平均値を
超えるべきでない。
【0008】また、本発明の成形用歯科組成物は、高熔
融温度金属粒子とワックスのバインダーとよりなり、該
高熔融粒子は不規則な非球形幾何形状および薄い断面平
均厚みを有し、ここに、該高熔融金属粒子の少なくとも
30%は当該材料の表面に平行で一方向に配向してい
る。該一方向高溶融フレークは、歯科材料の表面に平行
な積層を形成する。
【0009】本発明の歯科材料は、好ましくは、高およ
び低熔融温度金属および、好ましくはワックス組成のバ
インダーの混合物から形成される成形用組成物である。
好ましくは、バインダーの濃度は、混合物の20容量パ
ーセントと80パーセントの間である。該ワックスバイ
ンダーは、当該材料が加熱処理されて、当該構造全体に
均一に分布した多数のボイドと少なくとも20パーセン
トのボイド容量を有する多孔性スポンジ様構造を形成す
るのを可能とする。該多孔性構造におけるボイドの均一
性および均質性は、充填剤の流動が、ボイド構造全体を
均一に流動することを可能とする望ましい特徴である。
加熱処理材料に形成されるボイドは、容量ベース(「ボ
イド容量」)で20ないし80容量パーセントの範囲と
でき、好ましくは、40および65容量パーセントの間
とできる。加熱処理に際し、バインダーは揮発し、実質
的にほとんどまたは全く収縮のない多孔性金属構造を残
す。
【0010】本発明では、充填材料を該加熱処理多孔性
構造のボイド中に溶融して、最終の歯科修復物を形成す
るための構造を密にする。まず、多孔性金属構造を、充
填材料を添加する前に、歯科修復物を形成するために所
望の形状とする。該充填材料はいずれの適当なセラミッ
クスまたは金属の組成物でもよく、好ましくは、貴金属
組成物である。充填材料の粒子のマトリックスを形成す
るのは、本発明の好ましい具体例であり、これを多孔性
構造を形成するのに使用するバインダー濃度と同様の濃
度でワックス成分と混合する。少なくとも約20容量パ
ーセントの最小ワックス濃度が好ましく、75容量パー
セントまでである。充填粒子は、銀、銅、亜鉛、アルミ
ニウム、マグネシウム、ガリウム、インジウム、いずれ
かの白金族金属および/または充填材料の溶融の間に溶
融勾配を形成して該充填材料粒子が好ましい配列にて溶
融する元素周期表第3または第4族元素からの元素と、
少なくとも50重量パーセントの金との合金であってよ
い。最大7%までの銀および最大10%までの他の元素
が好ましい。また、充填材料には融剤を含有させること
もできる。
【0011】バインダーにおけるワックスは、本発明で
臨界的ではなく、比較的柔軟で付着性のいずれの天然ワ
ックス、鉱物ワックス、または有機ワックス組成物を用
いることもできる。該バインダーは有意な残留物を残す
ことなく比較的きれいに溶融するものとすべきである。
バインダーの溶融温度は、低熔融温度金属粒子の溶融温
度より低く、かつ充填材料についての溶融温度よりも低
くなければならない。さらに、高および低熔融温度金属
粒子は室温でバインダーと容易に結合して、金属粒子と
バインダーが均一に分布した混合物を形成するものとす
べきである。組成物の少なくとも20%はワックスから
なるべきである。直接的な相関がワックス濃度と加熱処
理後における多孔性構造のボイド容量との間に存在す
る。
【0012】高熔融温度金属成分は当該組成物にとって
臨界的であり、好ましくは、0ないし100パーセント
と相互にいずれかの所望の割合の白金およびパラジウム
のごとき貴金属の、単一の金属または金属合金であって
よく、またいずれかの所望の濃度の金を含有させてもよ
い。Ag、Cu、Mg、Al、Zn、および白金族の他
の金属および第3族および第4族元素のごときさらなる
成分を添加することもできる。金、銀、および白金族金
属以外の元素の合計重量%は10パーセントを超えるべ
きでない。低熔融温度金属成分に対する高熔融温度金属
成分の親和性、または低熔融成分の不存在下におけるそ
れ自身に対する親和性を増加させるために、金を高熔融
温度金属成分にいずれかの割合で添加することもでき
る。後者の例において、金は高熔融金属組成物の主要成
分であり、その濃度に依存して、高熔融成分の溶融温度
を900−950℃までと低下させるであろう。
【0013】高熔融粒子を後記するごとくに適当な幾何
形状およびサイズに選択する場合、当該組成物は高熔融
金属粒子のみに限定される。すなわち、低熔融金属粒子
は組成物から排除され得る。しかしながら、好ましい組
成物は、加熱処理の間の高熔融粒子の濡れを促進するた
めに低熔融金属粒子を包含するであろう。低熔融温度金
属の粒子は、好ましくは、金または金合金からなり、金
が主要成分である。金を低熔融成分の主成分として選択
するのは、その公知の作業性、生体適合性、非酸化特性
および色彩の特徴に基づく。もちろん、低熔融金属粒子
は高熔融金属粒子のそれよりも低い溶融温度を有しなけ
ればならない。
【0014】高熔融金属粒子の形状は、加熱処理の間に
高熔融粒子の間で形成されるボイドに対する寸法制御を
維持するのに重要であることが判明した。フレークの形
態の、すなわち、小プレートの形態の不規則形状粒子が
最良に機能する。不規則なフレーク様粒子のサイズおよ
び寸法は重要な機能を果す。事実、高熔融粒子が実質的
にすべて不規則幾何形状であって好ましい厚みおよび/
または配向である場合、後記するごとく、成形用歯科組
成物は低熔融金属粒子を排除し得ることが判明した。高
熔融粒子の非常に薄い小プレートは相互に挿入されて、
低熔融粒子の存在なくして加熱処理間に多孔性構造を形
成するのに十分な機械的一体性を供し、また最小の収縮
しか伴わない加熱処理の後にその構造を保持する。低熔
融粒子がなくても、加熱処理操作により、加熱処理後に
おける多孔性構造の構造的一体性を維持する局所的自己
結合が形成されることが想定される。しかしながら、当
該組成物の一部として低熔融粒子を使用して形成された
多孔性構造が好ましい。小プレートの幾何形状および挿
入を図5〜7に示す。
【0015】高熔融粒子の少なくとも50%は、各高熔
融粒子の最大2次元像の表面積を測定し、該高熔融粒子
の合計表面積を計算し、平均厚みが1.5ミクロン未満
の高熔融粒子の積算表面積を該計算した合計表面積で除
することによって決定して1.5ミクロン未満の薄い断
面平均厚みを有すべきである。表面積の計算は、各粒子
の最大2次元像を含有する平坦な平面表面を囲む領域の
単純な2次元測定である。粒子の面幾何形状が長方形で
ある場合、表面積は単純に長さ×幅となろうう。5μ
(長さ)×10μ(幅)×3ミクロン厚みのフレーク幾
何形状を例としよう。最大2次元表面積は5μ×10μ
である。第2の例として、20μ(長さ)×5μ(幅)
×1μ(厚み)の幾何形状を挙げよう。再度、最大2次
元表面積は20μ×5μである。第3の例として、直径
20ミクロンを有するボールのフレーク幾何形状を挙げ
よう。2次元に投影した像は表面積π2またはπ100
を有する球となろう。最大2次元表面の投影像を得る必
要性は、表面積の計算を複雑化するフレーク表面におけ
る起伏および不規則性に基づく。すべての粒子の累積的
合計表面積は、好ましくは、統計解析によって決定す
る。粒子の表面積を計算するために使用でき、入手可能
な商業的解析装置および技術がある。好ましくは、ほと
んどの粒子は約1.5ミクロン未満の非常に薄い断面厚
みを有するであろう。しかしながら、大きな粒子を多く
の小さい粒子に砕くことができるので、当該組成物にお
ける高熔融粒子の合計集団の少なくとも50%が適当な
厚みであるかを決定するのに表面積測定を行う必要があ
る。
【0016】前記したごとく、高熔融粒子の幾何形状お
よびサイズの適当な選択によって、低熔融粒子は組成物
から全く排除され得る。低熔融粒子のない組成物は、架
工義歯の仕事で支台を形成するのに望ましいであろう。
しかしながら、低熔融粒子の使用が一般に好ましく、最
良の結果が、高熔融粒子が所望の幾何形状およびサイズ
を有して、ワックスバインダー中に高および低熔融粒子
を双方の混合物を用いて達成される。金属粒子の混合物
を用いる場合、当該組成物中の低熔融金属粒子の相対的
容量パーセントは、ほとんどの適用につき、約40ない
し約65容量%の範囲であるべきであり、好ましくは4
2および55容量%の間であるべきである。一般に、特
に、高溶融温度の高熔融成分につき、組成物中の高熔融
成分の容量パーセントが大き過ぎると、加熱処理間の高
熔融粒子間の適当な濡れはなく、高熔融成分の容量パー
セントが小さすぎると、大きすぎる濡れが起こり、構造
が破壊される。すなわち、密になり過ぎる。合計組成中
の高熔融粒子の平均厚みが1.5ミクロン未満まで減少
するにつれ、前記範囲内の低熔融成分の容量パーセント
は特に0.5ミクロン未満の厚みにつき増大する。
【0017】一般に、最大寸法は、好ましくは、約80
ミクロンの平均値を超えるべきではなく、好ましくは、
2ないし50ミクロンの範囲であるべきであり、平均最
短寸法は好ましくは1および25ミクロン長の間の範囲
である。これらの寸法の絶対値は特に重要ではないが。
高熔融粒子は低熔融粒子よりもサイズが長くあるいはそ
れと同等であってよい(低熔融粒子は一般に球形である
ので、低熔融粒子は好ましくはその直径によって測定さ
れる)。
【0018】高熔融金属粒子がフレーク様幾何形状を保
有し、かつ非常に薄い場合、それは、図6および7に示
すように、重なって粒子の格子ネットワークを形成す
る。これは、組成物をフレーク化することなく歯縁近く
で薄くしたときさえ、適当な強度を保証する。また、薄
いフレークは、密で、均一多孔度の開孔構造を保証し、
これは、加熱処理構造中のボイドに対する寸法制御の大
きな信頼性も保証する。しかしながら、加熱処理構造の
強度は、高熔融粒子がワックスバインダー中にランダム
に配向していない場合に、改善される。好ましくは、高
熔融粒子の少なくとも30%は、相互に平行で一方向に
配向して、当該材料の表面と平行な方向、すなわち、歯
科材料の長手方向軸に平行な方向の積層を形成すべきで
ある。薄い断面厚みの高熔融フレークのこの好ましい配
向があると、低熔融成分は全く省くことができるか、あ
るいは低濃度とすることができる。この特別の場合につ
いては、熱処理構造の一体性は、一義的には、高熔融粒
子の重なった層の形成に依存する。また、当該組成物に
は、低熔融粒子が省かれたか否かには関係無く、比較的
微粉砕化した好ましくは活性炭の炭素質粒子を典型的に
は0.005および1.0重量%の間の濃度で包含させる
のが望ましい。
【0019】図6−8は、当該粒子の形状および配向を
示し、また図9は当該粒子の断面厚みを示す。ボイド、
すなわち、毛管状ボイドネットワークの形状および分布
は、前記したフレーク幾何形状および寸法を用いてかな
り容易に制御される。その多孔性における均質性に対す
る実質的制御をもって、本発明の組成物については、ボ
イド容量とワックスバインダーの濃度との間には実質的
で直接的な対応がある。
【0020】当該組成物は、好ましくは、残留物を残す
ことなく、ワックスバインダーを除去するであろう温度
で加熱処理すべきであり、低熔融粒子を融解させて、均
一に分布したボイドマトリックスをもつ多孔性金属構造
を形成させる。
【0021】本発明の好ましい方法において、ワックス
と高および低熔融温度金属粒子とのベース混合物は、円
筒状およびロッド様形状を含めたいずれの幾何形状にも
形成することができるが、図1に示すごとく、長方形シ
ートの形態の密な圧縮片(10)に圧縮させる。該シー
トの厚みは、具体的適用に応じて50および1000ミ
クロンの間とすることができ、100ないし500ミク
ロンの間の厚みが歯科コーピングを形成するのに好まし
い。充填材料およびワックスは、ベース混合物から形成
される多孔性構造の適用容易性のため、同様に、密とし
た切片または他の幾何形状とする。
【0022】異なる金属−ワックス混合物を用いて具体
的適用のための積層を形成することができ、そこでは、
例えば、加熱処理後に形成される多孔性構造に特徴があ
るボイド容量に変更を持たせるのが好ましい。例えば、
密とした2層からなる切片(10)は、図2に示すごと
く形成でき、1層は他層の2倍程度のワックスを有す
る。この結果、内部または外部が高濃度のワックスを有
するか否かに応じて、その外部または内部におおざっぱ
に言って2倍のボイド容量を有する多孔性構造が得られ
る。さらに、層の厚みは変更することができおよび/ま
たは異なる金属合金組成物を用いて各層を形成すること
もできる。該切片(10)の層の数、その組成、配置、
および厚みを用いて多孔性構造の特性を予め決定するこ
とができる。
【0023】また、充填材料−ワックス組成物は密な切
片とすることができるか(示さず)、あるいは図2と同
様に、ベース材料の切片(10)の上に積層することも
できる。それを予め装着させても、加熱処理は、充填材
料を融解させることなく多孔性構造を形成する第1の温
度で行うことがなお必須である。しかしながら、各層に
おけるワックス組成は揮発するか、あるいは溶融により
除去される。しかる後、加熱処理温度を上昇させて、充
填材料を多孔性構造のボイド中に溶融させることができ
る。充填材料はベース材料の焼結プロセスを溶融させた
り乱すべきでないが、融剤、バインダー等の充填材料の
成分は、事実、この最初の加熱処理の間に多孔性構造中
に溶熔し得る。
【0024】多孔性スポンジ様構造がベース材料の独立
した切片(10)から形成されると、充填材料は、ベー
ス材料中の低熔融温度金属粒子の焼結温度のそれ以上ま
たはそれ以下の焼結温度を有し得る。
【0025】ベース材料の切片(10)からコーピング
を形成するには、該切片(10)は、好ましくは、ピー
ス物または切片に切断し、これを歯型の表面に適用す
る。該ピースは、圧力により、接着剤を用いあるいは用
いることなく、手で成形される。接着剤は溶媒を含んだ
ワックスよりなるものでよく、他の接着剤、融剤等のご
とき他の成分を包含させることができる。手での成形
は、スパチュラまたは他の手動器具の助けを借りて行
う。ベース金属−ワックス材料の好ましい形状への彫刻
は模型上で行うことができ、次いで、加熱処理のため
に、取り出すか、あるいはいずれかの他の方法で支持さ
せる。加熱処理は炉中または炎下で行う。ベース材料の
ための通常の加熱処理温度範囲は800℃および120
0℃の間である。加熱処理は高熔融金属粒子の溶融温度
未満の温度で行わなければならない。充填材料の加熱処
理も炉中または炎下で行うことができる。
【0026】ワックス切片(10)のピース物は、たい
した労力なく、図3に示すごとく、容易にいずれの所望
の形状とでき、あるいは彫刻でき、専門的技術を要しな
い。ワックスコーピングはいずれの厚みを有することも
できる。加熱処理は歯型に対して直接的に行うことがで
き、ワックスは歯型に吸収され、図4に示すごとく、ス
ポンジ様構造を残す。温度を焼結温度に上昇させるにつ
れ、ワックスは消失し、焼結プロセスによりスポンジ構
造が形成される。次いで、充填材料を該多孔性構造に添
加し、加熱処理して、図5に示すごとく、密な固体コー
ピングが形成される。
【0027】本発明の歯科材料は修復作業に用いること
ができ、あるいは隣接面間にて2つの修復物を接合する
のに使用することができることが理解されるべきであ
る。該修復作業は、予め形成した金属修復物のものとす
ることができ、あるいは鋳造した金属修復物のものとす
ることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明により、歯科コーピング、歯冠ま
たは充填物を形成するために労せず成形できる歯科組成
物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の歯科組成物から形成された密な切片
の斜視図である。
【図2】 2層から形成された密な切片の斜視図であ
る。
【図3】 調製した歯型に対して手で成形したワックス
処理コーピングの一部切断斜視図であり、コーピングは
示した厚みに対して開かれている。
【図4】 加熱処理後における図3の歯型に成形された
金属コーピングの斜視図である。
【図5】 歯型から取り出すに際しての図4の仕上げた
歯科コーピングの斜視図である。
【図6】 加熱処理前であって、ワックスを揮発させた
後の、本発明の歯科組成物の構造を示す500倍倍率の
図面代用顕微鏡写真である。
【図7】 加熱処理前であってワックスを揮発させた後
におけるもう1つの歯科組成物の構造を示す200倍倍
率の図面代用顕微鏡写真である。
【図8】 粒子の厚みを説明するための当該組成物に対
して直角方向にとった図6の組成物の構造を示す100
00倍倍率のもう1つの図面代用顕微鏡写真である。
【図9】 最大寸法を含む平面表面に対するその幾何形
状および厚みを見えるように示すための、典型的な高熔
融金属粒子のエッジの構造を示すさらにもう1つの図面
代用顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アイザック・ショハー イスラエル、テル・アビブ、ショロモ・ハ メレック・ストリート50番 (72)発明者 アーロン・ホワイトマン イスラエル、ペタック・テイクバ、ジェ イ・エル・ペレズ・ストリート13番

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高熔融温度金属粒子とワックスからなる
    バインダーとよりなり、該高熔融粒子は、不規則な非球
    形幾何形状および薄い断面平均厚みを有し、該高熔融粒
    子の少なくとも50%は、各高熔融粒子の最大2次元平
    面像の表面積を測定し、すべての該高熔融粒子の合計表
    面積を計算し、平均厚みが1.5ミクロン未満の高熔融
    粒子の積算表面積を該計算した合計表面積で除すること
    によって決定して1.5ミクロン未満の平均厚みを有す
    ることを特徴とする成形用歯科組成物。
  2. 【請求項2】 該組成物が、さらに、該高熔融粒子の溶
    融温度未満の溶融温度を有する低熔融温度金属粒子より
    なる請求項1記載の成形用歯科組成物。
  3. 【請求項3】 該高熔融温度金属粒子の最長寸法が約8
    0ミクロン以下である請求項2記載の成形用歯科組成
    物。
  4. 【請求項4】 該高熔融金属粒子の少なくとも30%
    が、当該材料の長手方向軸に平行で一方向に配向して、
    加熱処理に際して層構造を形成する請求項3記載の成形
    用歯科組成物。
  5. 【請求項5】 該低熔融温度金属成分が、該組成物の4
    0ないし65容量パーセントの間である請求項2または
    3記載の成形用歯科組成物。
  6. 【請求項6】 該多孔性構造のボイド容量が35ないし
    65パーセントの間である請求項5記載の成形用歯科組
    成物。
  7. 【請求項7】 各粒子の該最長寸法が2ないし80ミク
    ロンの間の範囲である請求項6記載の成形用歯科組成
    物。
  8. 【請求項8】 各粒子の最短寸法が1および25ミクロ
    ンの間の範囲である請求項7項記載の成形用歯科組成
    物。
  9. 【請求項9】 さらに、加熱処理に際して形成される多
    孔性金属構造を密とするための第2の組成物よりなり、
    該第2の組成物が、該高熔融金属粒子およびワックスの
    溶融温度未満の溶融温度を有する充填材料の粒子の混合
    物よりなり、該ワックスが、該第2の組成物の少なくと
    も約30容量%の濃度である請求項1〜8いずれか1項
    に記載の成形用歯科組成物。
  10. 【請求項10】 該第2の組成物が金であるか、あるい
    は少なくとも50重量%の金と、銀、銅、亜鉛、アルミ
    ニウム、マグネシウム、ガリウム、インジウムのごとき
    他の金属、またはいずれかの白金族金属および/または
    元素の周期表の第3族または第4族からの元素よりなる
    群から選択される金属との合金である請求項9項記載の
    成形用歯科組成物。
  11. 【請求項11】 さらに融剤からなる請求項10記載の
    成形用歯科組成物。
  12. 【請求項12】 該高熔融金属粒子の平均サイズが低熔
    融金属粒子の平均サイズと同等またはそれよりも大きい
    請求項11記載の成形用歯科組成物。
  13. 【請求項13】 高および低熔融温度金属およびワック
    スの該混合物が50ないし1000ミクロンの間の厚み
    を有する密な切片の形態である請求項4記載の成形用歯
    科組成物。
  14. 【請求項14】 該厚みが、該切片からの歯科金属コー
    ピングを形成するために、150ないし500ミクロン
    の間である請求項13記載の成形用歯科組成物。
  15. 【請求項15】 該混合物が1を超える層を有する切片
    に形成され、各層が異なるワックス濃度を有する請求項
    14記載の成形用歯科組成物。
  16. 【請求項16】 該第2の組成物が密な切片の形態であ
    る請求項9記載の成形用歯科組成物。
  17. 【請求項17】 高熔融温度金属粒子とワックスからな
    るバインダーとよりなり、該高熔融粒子が不規則な非球
    形幾何形状および薄い断面平均厚みを有し、該高熔融金
    属粒子の少なくとも30%が当該材料の表面に対して平
    行で一方向に配向している成形用歯科組成物。
  18. 【請求項18】 さらに、0.005および1.0重量%
    の間の濃度の好ましくは活性炭の炭素質粒子からなる請
    求項17記載の成形用歯科組成物。
  19. 【請求項19】 該組成物が、さらに、低熔融温度金属
    粒子よりなる請求項18記載の成形用歯科組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015042191A (ja) * 2013-08-25 2015-03-05 順一 田代 歯科用ワックス

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