JP4358164B2 - 穿孔用ビット - Google Patents

Description

本発明は、鉄筋コンクリート構造物の解体時等において、コンクリートの破砕と同時に鉄筋を切断しながら穿孔するのに適した穿孔用ビットに関するものである。

従来から、ビル等の鉄筋コンクリート構造物の解体方法としては、種々の方法が採用されているが、比較的安全な解体方法として、予め、鉄筋コンクリート構造物に所定間隔毎に多数の孔を穿設したのち、これらの孔間に楔等を利用して亀裂を発生させることにより破壊する方法や、連続して多数の孔を穿設したのち、これらの孔で形成される細溝内にワイヤーソーを巻回してブロック状に切出す方法などが知られている。この際、鉄筋コンクリート構造物に孔を穿設するには、コンクリート部分に対しては打撃により破砕し、鉄筋部分に対して切削によって切除しながら穿孔する必要がある。

そのため、このような穿孔ビットとしては、例えば、特許文献１に記載されているように、ロッド（台金）の先端拡大頭部の先端面に、正面十文字形状に形成している断面山形状のカッテングエッジを、少なくともその中心部分を頭部の先端面中心から外周端に向かって60〜170 °の先端角でもって傾斜させた状態で突設し、該先端角によって刃先を振れさせることなく穿孔を可能にすると共に、先端面でコンクリート部分を破砕するように構成した穿孔ビットが知られている。

一方、鉄筋コンクリート構造物用ではなく、高炉の残銑処理作業時における発破孔を穿設するための穿孔ビットであるが、特許文献２に記載されているように、先端面が中間から後方に向かった傾斜した円錐形状の傾斜面に形成されている頭部に、該頭部の直径方向にチップを一文字状に且つ全長に亘って頭部から一定高さ突出させた状態となるように装着し、頭部の中心部に位置するこのチップの中央部先端をチゼルエッジに形成すると共にビットの回転方向に面するチップの角部端縁を切刃に形成してなる穿孔ビットが開発されている。
実公昭６３−６３１３号公報 実公平８−１０５１７号公報

しかしながら、前者の穿孔ビットによれば、十文字形状に形成しているカッテングエッジは、シャフト頭部の先端面から前方に向かって突出しているために、鉄筋コンクリート構造物におけるコンクリート部分を回転させながら打撃することによって穿孔する際に、カッテングエッジがシャフト頭部の先端面に先行して破砕すべきコンクリート面を叩打することになって切刃が短時間で欠損する虞れがあると共に、コンクリート面を強く打撃して破砕するための面積が少なくて穿孔速度が低下するといった問題点があり、また、カッテングエッジは穿孔方向に突出した断面山形状に形成されているため、すくい角が鈍角となって鉄筋を斫ろうとする作用力が弱くなるばかりでなく、斫りによって切削した切り屑を鉄筋表面に押しつけようとする作用を行って鉄筋を円滑に切除することができず、穿孔作業を能率よく行うことができなくなるといった問題点がある。

一方、後者のように、ビットの回転方向に面するチップの角部端縁に切刃を形成しておくと、すくい角を鋭角に形成することができてこれらのビットを鉄筋コンクリート構造物に対する穿孔用に採用した場合には鉄筋部分を効率よく切削することができるが、ビットが一文字形状であるため、鉄筋に当接する切刃の位置が偏位して真っ直ぐに穿孔できない場合が生じる。さらに、チップをビットの頭部先端面から一定高さ、全長に亘って突出させているために、上記特許文献１に記載のカッテングエッジと同様に、コンクリート面を打撃力によって破砕する際にはビットの頭部先端面よりも先に該切刃が破砕すべきコンクリート面に衝突するので、効率のよい破砕ができなくなるばかりでなく、一文字形状では打撃によってコンクリート面に形成された凹部に対する該チップの食い込み量が大きくなって打撃時の反動力でビットは後退しても、その凹部に対してのチップの係止が解かれる時間が長くなってビットを回転させる機構側に大きな負荷がかかり、故障の発生の原因となる等の問題点が生じる。

本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鉄筋コンクリート構造物におけるコンクリート部分の破砕と同時に鉄筋部分の切除を連続的に正確且つ効率よく行いながら鉄筋コンクリート構造物に円滑に穿孔することができる穿孔用ビットを提供するにある。

上記目的を達成するために本発明の穿孔用ビットは、請求項１に記載したように、ロッドへの装着手段を有する台金頭部の周方向の等間隔毎に四方に突出したチップ取付座を形成し、各チップ取付座におけるロッドの回転方向に面した部分に互いに十文字形となるようにチップを固着し、これらのチップにおける回転方向に面した角部に切刃を形成してなる穿孔用ビットにおいて、頭部の直径方向に一文字状に配設している一方の一対のチップを一定の先端角でもって傾斜させた状態で一体に連設して頭部の先端面中心に位置する部分を尖鋭なエッジに形成している一方、これらのチップに直角に交差するように同じ先端角でもって一文字状に配設している他方の一対のチップの内端部を切欠いて該チップの先端切刃の内端を上記尖鋭なエッジに対して離間させていると共にこの切欠部から上記尖鋭端部を前方に向かって突出させてあり、さらに、各チップの先端面を先端切刃から回転方向に対して一定の逃げ角でもって傾斜した逃げ面に形成していると共に上記チップ取付座の先端面を各チップの逃げ面に連続して傾斜した傾斜面に形成し、チップの逃げ面とこの傾斜面とでコンクリートに対する打撃面を形成した構造としている。

このように構成した穿孔用ビットにおいて、請求項２に係る発明は、各チップにおける回転方向に面したすくい面のすくい角を負のすくい角に形成していると共にこのすくい面とチップ先端の逃げ面とのなす角度を鋭角に形成していることを特徴とし、請求項３に係る発明は、上記台金の中心部にネジ孔を設けていると共にこのネジ孔から隣り合うチップ取付座間に形成された各排出溝に開口する注水孔を設けていることを特徴とする。

本発明の穿孔用ビットによれば、台金の頭部に、該頭部の中心から四方に向かって突出したチップ取付座を形成していると共にこれらのチップ取付座におけるロッドの回転方向に面した部分に互いに十文字形となるようにチップを固着し、各チップの先端面を先端切刃から回転方向に対して一定の逃げ角でもって傾斜した逃げ面に形成していると共に上記チップ取付座の先端面を各チップの逃げ面に連続して傾斜した傾斜面に形成し、チップの逃げ面とこの傾斜面とでコンクリートに対する打撃面を形成しているので、頭部の先端面の略全面を打撃面として作用させることができて、コンクリートの破砕が円滑且つ能率よく行うことができると共に孔底面を全面的に均一に叩打しながら真っ直ぐに穿孔することができ、その上、チップの切刃がこの打撃面から突出することなく回転方向に面したチップの角部に形成しているので、コンクリート面を打撃した時の衝撃力が該切刃に集中することがないから、長期の使用に供することができる。

さらに、頭部の直径方向に一文字状に配設している一方の一対のチップと、これらのチップに直角に交差するように一文字状に配設している他方の一対のチップとによって刃先の全体形状を十文字形に形成しているが、上記一文字状に配設している一方の一対のチップを一体に連設して頭部の先端面中心に位置する部分を尖鋭なエッジに形成している一方、他方の一対のチップの内端部を切欠いて該チップの先端切刃の内端を上記尖鋭なエッジに対して離間させていると共にこの切欠部から上記尖鋭端部を前方に向かって突出させているので、鉄筋部分の穿孔時には、まず、該尖鋭なエッジによって鉄筋を切削して穿設すべき孔のセンタリングを行ったのち、四方の切刃により円滑に切削して穿孔していくことができると共に、エッジが鉄筋に突き当たることなく切刃の外周部が鉄筋に当接する場合であっても、切刃が十文字状に形成され且つ回転方向に一定のすくい角でもって対向しているので、四方の切刃のいずれかが常に鉄筋に当接して該鉄筋の所定部分を切削しながら効率よく穿孔することができる。

また、ビットを回転させながらコンクリート部分を打撃した際には、まず、上記尖鋭なエッジがその突出長だけコンクリート面に突入してセンタリングが行え、切刃を含むチップの逃げ面とこの逃げ面に連続して傾斜しているチップ取付座の先端傾斜面とで形成している四面の上記打撃面をコンクリート面に強力な打撃力でもって作用させることができ、破砕能力が増大して能率よく穿孔することができると共に、打撃による反動でビットが後退した時に上記エッジが突入した部分から容易に離脱して係止力を瞬時に解くことができ、従って、ビットの回転機構側に大きな負荷がかかることなく、円滑且つ連続的に穿孔を行うことができる。また、打撃面積の広さから、切刃が負担する打撃力を軽減でき、切刃の破損も防止できる。

請求項２に係る発明によれば、上記各チップにおける回転方向に面したすくい面のすくい角を負のすくい角に形成しているので、耐衝撃性に優れて打撃時の欠損が生じ難くなり、長期の使用に供することができると共に、上記すくい面とチップ先端の逃げ面とのなす角度を鋭角に形成しているので、鉄筋に対する切削能力が優れ、効率よく穿孔することができる。

請求項３に係る発明によれば、上記台金の中心部にネジ孔を設けていると共にこのネジ孔の先端から各排出溝に開口する注水孔を設けているので、鉄筋コンクリート構造物を穿孔中に、この注水孔から圧力水を穿孔内に噴出させながら切削した繰粉やコンクリート破砕物を後方に排出させることができる。

次に本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図１〜図４において、鉄筋コンクリート構造物に孔を穿設するための穿孔用ビットは、図６に示している回転力と打撃力とを伝達するロッドＢへの装着手段を有する、一定長さと一定径を有する台金１の先端部（前端部）に該台金１よりも大径で先端面を中心から外周端に向かって後方に傾斜した円錐形状の傾斜面に形成している拡大頭部２を一体に設け、この頭部２の外周部四方を該頭部２の全長に亘って断面Ｌ字状に切除することにより、頭部２の先端面外周部から台金１の外周面に連通した排出溝３を形成していると共に、この排出溝３を介して周方向に等間隔毎に頭部２の中心から四方に放射状に突出したチップ取付座４を形成している。そして、各チップ取付座４におけるロッドＢの回転方向に面した部分に超硬合金よりなるチップ５を固着し、これらのチップ５におけるロッドＢの回転方向に面した上端角部に切刃5aを形成して、頭部２を前面（先端面）側から見た場合に、これらの切刃5aにより十文字形の切刃を形成してなる構造としている。

このビット構造をさらに詳しく説明すると、上記横断面Ｌ字状の排出溝３は、ロッドＢの回転方向に面した平坦な面3aとこの面3aの内端から該面3aに対して略直角に頭部２の外周面に亘って設けられた平坦な面3bとからなり、上記ロッドＢの回転方向に面した平坦な面3aは頭部２の半径方向の仮想面と略同一面上に一致するように設けられ、この仮想面の半径方向の中間部から該仮想面に対して直角方向に上記他方の平坦な面3bが設けられてなる溝形状に形成されている。従って、この排出溝３における半径方向の面3aによってチップ取付座４におけるロッドＢの回転方向の面が形成され、この面3aに直角な他方の面3bによってチップ取付座４におけるロッド回転方向と反対側の面が形成され、且つ、両面3a、3bが略平行に設けられていてこれらの面3a、3b間の厚みがチップ取付座４と厚みとなっている。

さらに、各チップ取付座４におけるロッド回転方向に面した部分を周方向に一定幅で以て且つ頭部２の中心部を含めて先端面から長さ方向の中央部にまで断面Ｌ字状に切除してロッドの回転方向に面した垂直な取付面6aとこの取付面6aに対して直角な取付底面6bとを有し、且つ、頭部２の中心部において互いに径方向に連通したチップ取付部６を形成している。従って、四方に設けたこれらのチップ取付座４におけるチップ取付部６は、頭部２を先端面側から見た場合に、十文字形状に連通している。

各チップ取付座４にはその取付底面の幅に等しい厚みを有するチップ５、5'がロウ付けによって固着されている。これらのチップ５、5'において、頭部２の直径方向に一文字状に連通している上記チップ取付部６、６に固着したチップ５、５は互いに一体に連設した１枚のチップからなり、頭部２の先端面中心に位置する部分を先端が尖鋭なチゼルエッジ5bに形成していると共にこのチゼルエッジ5bの両端チゼルコーナを一文字状に連設したチップ５、５の切刃5a、5aの内端を連続させている。そして、これらの切刃5a、5aはチゼルエッジ5bを中心として半径方向に直線状に設けられ、且つチゼルエッジ5bから頭部２の外周端に向かって後方に緩やかに傾斜している。なお、これらの切刃5a、5aの先端角αは150 度に形成されている。

一方、一文字状に連続している上記チップ５、５に直角に交差するように一文字状に配設している上記他方の一対のチップ5'、5'は、上記連続しているチップ５、５における上記チゼルエッジ5bのチゼルコーナにそれぞれ対向する内端部を切欠いてこれらのチップ5'、5'の切刃5a、5aの内端をチゼルエッジ5bから小間隔を存して離間させてあり、その離間部に該切欠面とこの切欠によって露出したチゼルエッジ部分の両側壁面間に凹部７、７を形成している。

これらのチップ5'、5'の切刃5a、5aも上記一方のチップ５、５の切刃5a、5aと同一傾斜度角度でもってチゼルエッジ5bを中心として半径方向に向かって後方に傾斜しているが、その内端部を切欠いたことによって、切欠部分、即ち、上記凹部７からチゼルエッジ5b部分をチップ5'、5'の切刃内端と該チゼルエッジ5bの先端との高さの差に相当する長さだけ前方に向かって突出させている。

また、各チップ５、5'における切刃5aを設けている回転方向に面したすくい面5cのすくい角βを図５に示すように数度の正のすくい角に形成していると共に、これらのチップ５、5'の先端面を切刃5aから回転方向に対して一定の逃げ角γでもって傾斜した逃げ面5dに形成してあり、さらに、上記四方のチップ取付座４の先端面をそれぞれのチップ５、5'の逃げ面5dに略同一傾斜角度でもって連続して傾斜した傾斜面4aに形成し、これらのチップ５、5'の逃げ面5dと該逃げ面5dに面一状に連続した傾斜面4aとでコンクリート構造物に対する打撃面８に形成していると共に、上記すくい面5cと逃げ面5dとのなす角度、即ち、切刃5aの刃先の角度を鋭角に形成している。

上記チップ５、5'の逃げ面5dと該逃げ面5dに面一状に連続した傾斜面4aとで形成している打撃面８はその半径方向においても先端中心のチゼルエッジ5bから外周端に向かって切刃5aと同一角度でもっ緩やかに後方に傾斜している。なお、各チップ取付座４の外周面は頭部２の外周面によって円弧状に湾曲した面に形成されてあり、チップ５、5'の外端面をそれぞれチップ取付座４の円弧状外周面に略面一状に連続させているから、僅かに外方に突出させている。そして、頭部２の長さ方向に設けられているチップ５、5'の外端縁は副切刃5eに形成されている。

また、上記台金１の中心部には該台金１の後端面から頭部２に達する長さのネジ孔９が設けられてあり、このネジ孔９の先端から上記隣接するチップ取付座４、４間の排出溝３の溝底に開口した注水孔10を設けている。

このように構成した穿孔用ビットを使用して図６に示すように、鉄筋コンクリート構造物Ａに穿孔するには、まず、台金１のネジ孔９に定尺の中空ロッドＢの先端外周面に形成している雄ネジ部を螺合させて該ロッドＢに台金１を一体に連結したのち、このロッドＢの後端部を回転駆動機構と打撃機構とを備えた装置（図示せず）に接続すると共にこのロッドＢの後端開口部に注水ホース（図示せず）を接続する。この状態にして、ビット先端を鉄筋コンクリート構造物Ａのコンクリート面に押しつけ、ロッドＢを介して回転させながら打撃することによってコンクリート部分に孔Ｃを穿設していく。

この際、頭部の先端中心回りに設けている四方のチップ取付座４に固着しているチップ５、5'の先端逃げ面5dと該チップ取付座４の傾斜先端面4aとが面一状に連続し、これらの四方の先端面によって頭部の先端面全面をコンクリート面に対する打撃面８に形成しているので、穿設すべき孔Ｃの底面が略全面的にこの打撃面８によって打撃されて円滑且つ能率よく穿孔することができると共に、この打撃面８はチップ先端のチゼルエッジ5bを中心としてこのチゼルエッジ5bから四方に放射状に設けられているので、打撃時に該チゼルエッジ5bによってセンタリングされた状態で正確な方向に打撃することができる。

その上、チゼルエッジ5bの両側方に凹部７を設けていてこの凹部７から該チゼルエッジ5bを突設させているので、このチゼルエッジ5bを孔底の中心部に突入させながらその周囲の打撃面８によって孔底面を強く打撃して孔底のコンクリート面を確実に破砕させることができ、一層効率よく穿孔していくことができる。そして、破砕されたコンクリートの粉粒体や小径の塊状物は、四方の排出溝３に開口している注水孔10から噴出する圧力水によって該排出溝３からロッドＢと孔壁との間の隙間を通じて外部に排出される。

次に、こうしてコンクリート部分に穿孔しながら鉄筋に突き当たると、ビットに打撃力を与えることなく、該鉄筋にビット先端面を押し付けながら回転させることによって鉄筋を切断除去する。具体的には、鉄筋に先端チゼルエッジ5bが当接した場合には、まず、該チゼルエッジ5bによって孔底の中心に小径の浅い孔が穿設されてセンタリングされ、しかるのち、このチゼルエッジ5bから四方に半径方向に延びているチップ５、5'の先端切刃5aによって上記小径の孔Ｃを拡径するように鉄筋を斫りながら切除していく。

この際、切刃5aは正のすくい角を有しているが、その角度は数度と極めて小さく、且つ、この切刃5aの刃先の角度を角度を鋭角に形成しているので、該切刃5aによって鉄筋を大きく且つ正確に斫りながら鉄筋を切除していくことができる。斫られた鉄筋屑である繰粉は、コンクリートの破砕物と同様に、四方の排出溝３に開口している注水孔10から噴出する圧力水によって該排出溝３からロッドＢと孔壁との間の隙間を通じて外部に排出される。こうして、鉄筋コンクリート構造物に所定の深さまでビット径に等しい径の孔Ｃを穿設することができる。

本発明の穿孔用ビットの斜視図。 その台金部分を断面した側面図。 側面から周方向に90度、変位した部分である平面図。 正面図。 一部の縦断面図。 穿孔している状態の簡略断面図。

符号の説明

１ 台金
２ 頭部
３ 排出溝
４ チップ取付座
５ チップ
5a 切刃
5b チゼルエッジ
６ 取付部
８ 打撃面

Claims (3)

1. ロッドへの装着手段を有する台金頭部の周方向の等間隔毎に四方に突出したチップ取付座を形成し、各チップ取付座におけるロッドの回転方向に面した部分に互いに十文字形となるようにチップを固着し、これらのチップにおける回転方向に面した角部に切刃を形成してなる穿孔用ビットにおいて、頭部の直径方向に一文字状に配設している一方の一対のチップを一定の先端角でもって傾斜させた状態で一体に連設して頭部の先端面中心に位置する部分を尖鋭なエッジに形成している一方、これらのチップに直角に交差するように同じ先端角でもって一文字状に配設している他方の一対のチップの内端部を切欠いて該チップの先端切刃の内端を上記尖鋭なエッジに対して離間させていると共にこの切欠部から上記尖鋭端部を前方に向かって突出させてあり、さらに、各チップの先端面を先端切刃から回転方向に対して一定の逃げ角でもって傾斜した逃げ面に形成していると共に上記チップ取付座の先端面を各チップの逃げ面に連続して傾斜した傾斜面に形成し、チップの逃げ面とこの傾斜面とでコンクリートに対する打撃面を形成していることを特徴とする穿孔用ビット。
2. 各チップにおける回転方向に面したすくい面のすくい角を負のすくい角に形成していると共にこのすくい面とチップ先端の逃げ面とのなす角度を鋭角に形成していることを特徴とする請求項１に記載の穿孔用ビット。
3. 台金の中心部にネジ孔を設けていると共にこのネジ孔から隣り合うチップ取付座間に形成された各排出溝に開口する注水孔を設けていることを特徴とする請求項１に記載の穿孔用ビット。

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