JP4356099B2 - 超音波電流センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波ファイバを利用することにより、その周辺に流れる電流を感知する超音波電流センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁場の強さを測定する従来の素子としては、半導体のホール効果あるいは磁気抵抗効果を利用するものが挙げられる。これら従来の素子はすでに実用域に達しているが、測定のダイナミックレンジが限定されているという問題点を有する。一方、電流の流れる電線の近傍に発生する磁場の測定のために、光ファイバケーブルを用い磁場の変化に伴う光の伝搬遅延の変化から評価する方法が提案されているが、ケーブルの長さを短縮すること無しに小型化することは難しいという問題点がある。このようにして、磁場の強さを測定する従来の方法は、測定のダイナミックレンジが限定されていること、また、小型化が困難であること等の問題点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、小型軽量でしかも簡便なデバイス構成を実現でき、電流の流れを妨げることなく非破壊的に測定することが可能で、測定のダイナミックレンジを広げることが可能で、高速応答に優れ、低消費電力駆動が可能な超音波電流センサを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の超音波電流センサは、入力用超音波素子群、出力用超音波素子群および超音波ファイバで成る超音波電流センサであって、前記入力用超音波素子群は入力用圧電振動子、前記入力用圧電振動子の一方の端面に設けられた送信用電極、前記入力用圧電振動子のもう一方の端面に設けられた入力用接地電極、および前記入力用接地電極を介して前記入力用圧電振動子に固着された入力用振動板から成り、前記出力用超音波素子群は出力用圧電振動子、前記出力用圧電振動子の一方の端面に設けられた受信用電極、前記出力用圧電振動子のもう一方の端面に設けられた出力用接地電極、および前記出力用接地電極を介して前記出力用圧電振動子に固着された出力用振動板から成り、前記超音波ファイバは、磁歪性遅延線で成り、前記入力用振動板と前記出力用振動板の間に接続されており、前記送信用電極に入力電気信号が印加されることにより前記入力用圧電振動子に弾性振動が励振され、前記弾性振動は、前記超音波ファイバを介して前記出力用圧電振動子に伝搬され、前記受信用電極と前記出力用接地電極の間で遅延電気信号として検出され、前記超音波ファイバの周辺の磁場の強さに応じて前記遅延電気信号が変化することから前記超音波ファイバの周辺に流れる電流が感知される。
【0005】
請求項2に記載の超音波電流センサは、増幅器および周波数カウンタで成る信号分析手段が備えられ、前記増幅器は、前記遅延電気信号を増幅し、増幅された前記遅延電気信号の一部を前記送信用電極に供給し残部を前記周波数カウンタに伝え、前記入力用圧電振動子、前記入力用振動板、前記超音波ファイバ、前記出力用振動板、前記出力用圧電振動子および前記増幅器は遅延線発振器を形成し、前記周波数カウンタは、増幅された前記遅延電気信号の周波数の変化によって前記超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する。
【0006】
請求項3に記載の超音波電流センサは、増幅器および周波数/電圧変換器で成る信号分析手段が備えられ、前記増幅器は、前記遅延電気信号を増幅し、増幅された前記遅延電気信号の一部を前記送信用電極に供給し残部を前記周波数/電圧変換器に伝え、前記入力用圧電振動子、前記入力用振動板、前記超音波ファイバ、前記出力用振動板、前記出力用圧電振動子および前記増幅器は遅延線発振器を形成し、前記周波数/電圧変換器は、前記遅延電気信号の周波数を電圧に変換し、前記電圧の変化によって前記超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する。
【0007】
請求項4に記載の超音波電流センサは、信号発生器および位相比較器で成る信号分析手段が備えられ、前記信号発生器は前記入力電気信号を発生し、前記位相比較器は、前記入力電気信号と前記遅延電気信号との位相差を検出し、前記位相差の変化によって前記超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する。
【0008】
請求項5に記載の超音波電流センサは、前記入力用圧電振動子の前記一方の端面上に前記送信用電極とは絶縁する状態で帰還電極が設けられ、前記帰還電極の前記一方の端面上の面積は前記送信用電極の面積よりも小さく、前記帰還電極と前記入力用接地電極との間の弾性振動は、前記帰還電極と前記入力用接地電極によって圧電性を介して電気信号に変換され、変換された前記電気信号は前記送信用電極に再び印加される。
【0009】
請求項6に記載の超音波電流センサは、測定用および標準用超音波伝搬手段と信号分析手段で成る超音波電流センサであって、前記各超音波伝搬手段は入力用超音波素子群、出力用超音波素子群および超音波ファイバで成り、前記入力用超音波素子群は入力用圧電振動子、前記入力用圧電振動子の一方の端面に設けられた送信用電極、前記入力用圧電振動子のもう一方の端面に設けられた入力用接地電極、および前記入力用接地電極を介して前記入力用圧電振動子に固着された入力用振動板から成り、前記出力用超音波素子群は出力用圧電振動子、前記出力用圧電振動子の一方の端面に設けられた受信用電極、前記出力用圧電振動子のもう一方の端面に設けられた出力用接地電極、および前記出力用接地電極を介して前記出力用圧電振動子に固着された出力用振動板から成り、前記超音波ファイバは、磁歪性遅延線で成り、前記入力用振動板と前記出力用振動板の間に接続されており、前記送信用電極に入力電気信号が印加されることにより前記入力用圧電振動子に弾性振動が励振され、前記弾性振動は、前記超音波ファイバを介して前記出力用圧電振動子に伝搬され、前記受信用電極と前記出力用接地電極の間で遅延電気信号として検出され、前記標準用超音波伝搬手段における前記超音波ファイバは磁場の影響を排除した状態に置かれており、前記測定用超音波伝搬手段における前記遅延電気信号は前記測定用超音波伝搬手段における前記超音波ファイバの周辺の磁場の強さに応じて変化し、前記信号分析手段は前記標準用超音波伝搬手段における前記遅延電気信号と前記測定用超音波伝搬手段における前記遅延電気信号の差から、前記測定用超音波伝搬手段における前記超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する。
【0010】
請求項7に記載の超音波電流センサは、前記超音波ファイバがコイル状を成す。
【0011】
請求項8に記載の超音波電流センサは、前記入力用および出力用圧電振動子が圧電セラミックで成り、その分極軸の方向は厚さ方向に平行である。
【0012】
請求項9に記載の超音波電流センサは、前記入力用および出力用圧電振動子が、厚さ方向に平行な角柱状貫通穴を有する角柱で成り、前記入力用振動板は、前記入力用圧電振動子の前記貫通穴の一方の開口をふさぐように前記入力用圧電振動子に固着され、前記出力用振動板は、前記出力用圧電振動子の前記貫通穴の一方の開口をふさぐように前記出力用圧電振動子に固着されている。
【0013】
請求項10に記載の超音波電流センサは、前記入力用および出力用圧電振動子が、厚さ方向に平行な円柱状貫通穴を有する円柱で成り、前記入力用振動板は、前記入力用圧電振動子の前記貫通穴の一方の開口をふさぐように前記入力用圧電振動子に固着され、前記出力用振動板は、前記出力用圧電振動子の前記貫通穴の一方の開口をふさぐように前記出力用圧電振動子に固着されている。
【0014】
請求項11に記載の超音波電流センサは、前記入力用および出力用圧電振動子が角柱状を成し、前記入力用振動板は、その一部が前記入力用圧電振動子の一方の端面に固着されることにより残部が前記入力用圧電振動子の外部に張り出し、前記出力用振動板は、その一部が前記出力用圧電振動子の一方の端面に固着されることにより残部が前記出力用圧電振動子の外部に張り出している。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の超音波電流センサは、入力用超音波素子群、出力用超音波素子群および超音波ファイバで成る簡単な構造を有する。入力用超音波素子群は入力用圧電振動子、送信用電極、入力用接地電極および入力用振動板から成る。送信用電極は入力用圧電振動子の一方の端面に設けられ、入力用接地電極は入力用圧電振動子のもう一方の端面に設けられている。入力用振動板は入力用接地電極を介して入力用圧電振動子に固着されている。出力用超音波素子群は出力用圧電振動子、受信用電極、出力用接地電極および出力用振動板から成る。受信用電極は出力用圧電振動子の一方の端面に設けられ、出力用接地電極は出力用圧電振動子のもう一方の端面に設けられている。出力用振動板は出力用接地電極を介して出力用圧電振動子に固着されている。超音波ファイバは、磁歪性遅延線で成り、入力用振動板と出力用振動板の間に接続されている。超音波ファイバの形状としてはコイル状のものが効果的である。本発明の超音波電流センサの駆動時、送信用電極に入力電気信号が印加されると入力用圧電振動子に弾性振動が励振される。このとき、入力用圧電振動子として圧電セラミックを採用し、しかもその分極軸の方向が厚さ方向に平行であるものを採用することにより、入力用圧電振動子に効率よく弾性振動が励振される。この弾性振動は、入力用振動板に伝搬された後、超音波ファイバを介して出力用振動板される。出力用圧電振動子として圧電セラミックを採用し、その分極軸の方向が厚さ方向に平行であるものを採用することにより、この弾性振動は、出力用振動板から出力用圧電振動子に効率よく伝搬され、さらに受信用電極と出力用接地電極の間で遅延電気信号として効率よく検出される。もしも、超音波ファイバが磁場の中に置かれれば、遅延電気信号の周波数は磁場の強さに応じて変化する。従って、遅延電気信号の周波数の変化から超音波ファイバの周辺の磁場の強さを、すなわち超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知することが可能になる。
【0016】
本発明の超音波電流センサでは、増幅器および周波数カウンタで成る信号分析手段を備えた構造が可能である。増幅器は、受信用電極と出力用接地電極の間で検出された遅延電気信号を増幅し、増幅した遅延電気信号の一部を送信用電極に再び供給し残部を周波数カウンタに伝える。このようにして、入力用圧電振動子、入力用振動板、超音波ファイバ、出力用振動板、出力用圧電振動子および増幅器は自励発振型の遅延線発振器を構成する。周波数カウンタは、増幅された遅延電気信号の周波数の変化によって超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する。
【0017】
本発明の超音波電流センサでは、増幅器および周波数/電圧変換器で成る信号分析手段を備えた構造が可能である。増幅器は、受信用電極と出力用接地電極の間で検出された遅延電気信号を増幅し、増幅した遅延電気信号の一部を送信用電極に再び供給し残部を周波数/電圧変換器に伝える。このようにして、入力用圧電振動子、入力用振動板、超音波ファイバ、出力用振動板、出力用圧電振動子および増幅器は自励発振型の遅延線発振器を構成する。周波数/電圧変換器は、遅延電気信号の周波数を電圧に変換し、その電圧の変化によって超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する。
【0018】
本発明の超音波電流センサでは、信号発生器および位相比較器で成る信号分析手段を備えた構造が可能である。位相比較器は、受信用電極と出力用接地電極の間で検出された遅延電気信号と、信号発生器によって発生させた入力電気信号との位相差を検出し、その位相差の変化によって超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する。
【0019】
本発明の超音波電流センサでは、入力用圧電振動子の一方の端面上に送信用電極とは絶縁する状態で帰還電極を設けた構造が可能である。このとき、入力用圧電振動子の一方の端面上における帰還電極の面積が送信用電極の面積よりも小さくなるような構造が効果的である。送信用電極に入力電気信号が印加されると入力用圧電振動子に弾性振動が励振されるが、この弾性振動は、入力用振動板に伝搬されるだけでなく、帰還電極および入力用接地電極の間で圧電性を介して電気信号に変換される。この電気信号は送信用電極に再び印加される。このようにして、帰還電極の採用は自励発振を可能にすることから、入力用圧電振動子に連続的で安定な弾性振動を励振することを可能にし、また、駆動時における共振周波数の大きな逸脱を防止する。
【0020】
本発明の超音波電流センサでは、入力用および出力用圧電振動子が、厚さ方向に平行な角柱状貫通穴を有する角柱で成る構造、または厚さ方向に平行な円柱状貫通穴を有する円柱で成る構造が可能である。このような場合、入力用振動板は、入力用圧電振動子の貫通穴の一方の開口をふさぐように入力用圧電振動子に固着され、同様にして、出力用振動板は、出力用圧電振動子の貫通穴の一方の開口をふさぐように出力用圧電振動子に固着される。このような入力用圧電振動子および入力用振動板を含む入力用超音波素子群の採用は、入力用圧電振動子に励振された弾性振動を効率よく入力用振動板に伝搬させ、また、このような出力用圧電振動子および出力用振動板を含む出力用超音波素子群の採用は、出力用振動板における弾性振動を効率よく出力用圧電振動子に伝搬させることを可能にする。
【0021】
本発明の超音波電流センサでは、入力用および出力用圧電振動子が角柱状を成し、入力用振動板は、その一部が入力用圧電振動子の一方の端面に固着されることにより残部が入力用圧電振動子の外部に張り出し、出力用振動板は、その一部が出力用圧電振動子の一方の端面に固着されることにより残部が出力用圧電振動子の外部に張り出した構造が可能である。このような入力用圧電振動子および入力用振動板を含む入力用超音波素子群の採用は、入力用圧電振動子に励振された弾性振動を効率よく入力用振動板に伝搬させ、また、このような出力用圧電振動子および出力用振動板を含む出力用超音波素子群の採用は、出力用振動板における弾性振動を効率よく出力用圧電振動子に伝搬させることを可能にする。
【0022】
本発明のもう1つの超音波電流センサは、測定用および標準用超音波伝搬手段と信号分析手段で成る超音波電流センサである。各超音波伝搬手段は入力用超音波素子群、出力用超音波素子群および超音波ファイバで成る。入力用超音波素子群は入力用圧電振動子、入力用圧電振動子の一方の端面に設けられた送信用電極、入力用圧電振動子のもう一方の端面に設けられた入力用接地電極、および入力用接地電極を介して入力用圧電振動子に固着された入力用振動板から成る。出力用超音波素子群は出力用圧電振動子、出力用圧電振動子の一方の端面に設けられた受信用電極、出力用圧電振動子のもう一方の端面に設けられた出力用接地電極、および出力用接地電極を介して出力用圧電振動子に固着された出力用振動板から成る。超音波ファイバは、磁歪性遅延線で成り、入力用振動板と出力用振動板の間に接続されている。送信用電極に入力電気信号が印加されると入力用圧電振動子に弾性振動が励振され、この弾性振動は、超音波ファイバを介して出力用圧電振動子に伝搬され、受信用電極と出力用接地電極の間で遅延電気信号として検出される。標準用超音波伝搬手段における超音波ファイバは磁場の影響を排除した状態に置かれている。一方、測定用超音波伝搬手段における超音波ファイバはその周辺の磁場の影響を受けることから、遅延電気信号は超音波ファイバの周辺の磁場の強さに応じて変化する。標準用超音波伝搬手段における遅延電気信号と測定用超音波伝搬手段における遅延電気信号の差は信号分析手段から検出される。このようにして、測定用超音波伝搬手段における超音波ファイバの周辺に流れる電流が感知される。
【0023】
【実施例】
図1は本発明の超音波電流センサの第1の実施例を示す構成図である。本実施例は入力用圧電振動子1、送信用電極2、入力用端子3、入力用接地電極4、入力用振動板5、出力用圧電振動子6、受信用電極7、出力用端子8、出力用接地電極9、出力用振動板10、超音波ファイバ11および信号分析手段12から成る。送信用電極2は入力用圧電振動子1の一方の端面に設けられ、入力用接地電極4は入力用圧電振動子1のもう一方の端面に設けられている。入力用振動板5は入力用接地電極4を介して入力用圧電振動子1に固着されている。入力用圧電振動子1、送信用電極2、入力用接地電極4および入力用振動板5は入力用超音波素子群を形成する。受信用電極7は出力用圧電振動子6の一方の端面に設けられ、出力用接地電極9は出力用圧電振動子6のもう一方の端面に設けられている。出力用振動板10は出力用接地電極9を介して出力用圧電振動子6に固着されている。出力用圧電振動子6、受信用電極7、出力用接地電極9および出力用振動板10は出力用超音波素子群を形成する。超音波ファイバ11は、コイル状の磁歪性遅延線で成り、その直径は0.2mmで長さは20cmであって、入力用振動板5と出力用振動板10の間に接続されている。入力用端子3および出力用端子8は信号分析手段12に接続されている。このようにして、図1の超音波電流センサは小型軽量で構造も簡単である。
【0024】
図2は図1の入力用超音波素子群の斜視図である。入力用圧電振動子1は圧電セラミックで成り、その分極軸の方向は厚さ方向に平行である。入力用圧電振動子1は、厚さ方向に平行な円柱状貫通穴を有する円柱で成り、厚さ2.5mm、内径4.5mm、外径8.5mmである。入力用振動板5は、入力用接地電極4を介して、入力用圧電振動子1の貫通穴の一方の開口をふさぐようにして入力用圧電振動子1に固着されている。送信用電極2および入力用接地電極4は、ともにアルミニウム薄膜で成り、それぞれ入力用圧電振動子1の両端面に設けられている。入力用振動板5は、直径5.5mm、厚さ50μmのステンレス製円盤で成る。入力用振動板5の一方の端面は外輪部とその外輪部に囲まれた内円部とで成り、外輪部が入力用接地電極4に固着され、内円部は超音波ファイバ11の一方の先端に固着されている。図1の出力用超音波素子群も入力用超音波素子群と同様な構造を有する。すなわち、出力用圧電振動子6、受信用電極7、出力用接地電極9および出力用振動板10は、それぞれ入力用圧電振動子1、送信用電極2、入力用接地電極4および入力用振動板5と同様な構造を成す。
【0025】
図3は信号分析手段12の第1の実施例を示す構成図である。本実施例では、信号分析手段12は増幅器13および周波数カウンタ14から成る。
【0026】
図3の信号分析手段12を備えた図1の超音波電流センサにおいて、入力電気信号が送信用電極2および入力用接地電極4を介して入力用圧電振動子1に印加されると、入力用圧電振動子1に弾性振動が励振される。入力用圧電振動子1が圧電セラミックで成り、その分極軸の方向が厚さ方向に平行であることから、入力用圧電振動子1に弾性振動が効率よく励振される。また、入力用振動板5が入力用圧電振動子1の貫通穴の一方の開口をふさぐような形状で入力用圧電振動子1に固着されていることから、入力用圧電振動子1に励振された弾性振動は、入力用振動板5に効率よく伝搬され、さらに、超音波ファイバ11を介して出力用振動板10に伝搬される。言い換えれば、超音波ファイバ11において振動変位が起こることにより、弾性振動は入力用振動板5から出力用振動板10に伝搬される。出力用振動板10における弾性振動は出力用圧電振動子6に伝搬され、受信用電極7と出力用接地電極9の間で遅延電気信号として検出される。遅延電気信号は増幅器13によって増幅され、増幅された遅延電気信号の一部は送信用電極2と入力用接地電極4の間に再び印加される。このようにして、入力用圧電振動子1、入力用振動板5、超音波ファイバ11、出力用振動板10、出力用圧電振動子6および増幅器13は自励発振型の遅延線発振器を構成する。一方、増幅された遅延電気信号の残部は周波数カウンタ14に伝えられる。もしも、超音波ファイバ11が磁場の中に置かれれば、遅延電気信号の周波数は磁場の強さに応じて変化する。従って、遅延電気信号の周波数の変化から超音波ファイバ11の周辺の磁場の強さを、すなわち超音波ファイバ11の周辺に流れる電流を感知することが可能になる。このようにして、本発明の超音波電流センサは、たとえば、電線の損傷などによる漏電を検出することなどが可能となる。
【0027】
図4は磁場の影響を受けることにより変化する超音波ファイバ11の遅延電気信号の周波数差と、超音波ファイバ11の周辺の磁束密度との関係を示す特性図である。このとき、周波数差は、磁場の影響下にある超音波ファイバ11の遅延電気信号の周波数と磁場の影響を受けない場合の周波数との差を示し、また、超音波ファイバ11の周辺の磁場は電磁的に引き起こされたものである。図4より、磁束密度が周波数差と相関することが分かる。周波数が変化するのは、ニッケル製の超音波ファイバ11の磁歪効果によるものである。このようにして、超音波ファイバ11の周辺の磁場が、すなわち周辺に流れる電流が、遅延電気信号の周波数によって検出可能となる。
【0028】
図5は磁場の影響を受けることにより変化する超音波ファイバ11の遅延電気信号の周波数差と、超音波ファイバ11の周辺の磁束密度との関係を示す特性図である。このとき、周波数差は、磁場の影響下にある超音波ファイバ11の遅延電気信号の周波数と磁場の影響を受けない場合の周波数との差を示し、また、超音波ファイバ11の周辺の磁場は永久磁石によって引き起こされたものである。図5より、磁束密度が周波数差と相関することが分かる。このようにして、超音波ファイバ11の周辺の磁場、すなわち周辺に流れる電流が、遅延電気信号の周波数によって検出可能となる。
【0029】
図6は信号分析手段12の第2の実施例を示す構成図である。本実施例では、信号分析手段12は増幅器15および周波数/電圧(F/V)変換器16から成る。
【0030】
図6の信号分析手段12を備えた図1の超音波電流センサにおいて、入力電気信号が送信用電極2および入力用接地電極4を介して入力用圧電振動子1に印加されると、入力用圧電振動子1に弾性振動が励振される。弾性振動は入力用振動板5、超音波ファイバ11、出力用振動板10および出力用圧電振動子6に順次伝搬され、受信用電極7と出力用接地電極9の間で遅延電気信号として検出される。遅延電気信号は増幅器15によって増幅され、その一部は送信用電極2と入力用接地電極4の間に再び印加される。このようにして、入力用圧電振動子1、入力用振動板5、超音波ファイバ11、出力用振動板10、出力用圧電振動子6および増幅器15は自励発振型の遅延線発振器を構成する。一方、増幅された遅延電気信号の残部はF/V変換器16に伝えられる。 F/V変換器16において遅延電気信号の周波数は電圧に変換される。もしも、超音波ファイバ11が磁場の中に置かれれば、F/V変換された遅延電気信号の電圧は磁場の強さに応じて変化する。従って、F/V変換された遅延電気信号の電圧の変化から超音波ファイバ11の周辺の磁場の強さを、すなわち超音波ファイバ11の周辺に流れる電流を感知することが可能になる。
【0031】
図7は信号分析手段12の第3の実施例を示す構成図である。本実施例では、信号分析手段12は信号発生器17、減衰器18、位相偏移器19および位相比較器20から成る。
【0032】
図7の信号分析手段12を備えた図1の超音波電流センサにおいて、入力電気信号が送信用電極2および入力用接地電極4を介して信号発生器17から入力用圧電振動子1に印加されると、入力用圧電振動子1に弾性振動が励振される。弾性振動は入力用振動板5、超音波ファイバ11、出力用振動板10および出力用圧電振動子6に順次伝搬され、受信用電極7と出力用接地電極9の間で遅延電気信号として検出される。遅延電気信号の位相は、減衰器18によって減衰された入力電気信号の位相と位相比較器20において比較される。このとき、入力電気信号の位相は、超音波ファイバ11が磁場の影響を受けない場合の遅延電気信号の位相と一致するように位相偏移器19によって予め調整されている。もしも、超音波ファイバ11が磁場の中に置かれれば、入力電気信号の位相と遅延電気信号の位相との位相差は磁場の強さに応じて変化する。従って、入力電気信号の位相と遅延電気信号の位相との位相差から超音波ファイバ11の周辺の磁場の強さを、すなわち超音波ファイバ11の周辺に流れる電流を感知することが可能になる。
【0033】
図8は図2の入力用超音波素子群の代わりに用いられる別の入力用超音波素子群の斜視図である。図8の入力用超音波素子群は、送信用電極2の代わりに送信用電極21および帰還電極22が用いられていることを除いて、図2の入力用超音波素子群と同様な構造を有する。送信用電極21および帰還電極22は電気的に絶縁されており、入力用圧電振動子1の一方の端面上における帰還電極22の面積は送信用電極21の面積よりも小さい。図8の入力用超音波素子群を採用する場合、出力側には図1の出力用超音波素子群が用いられる。
【0034】
図9は図8の入力用超音波素子群に接続される自励発振回路の一実施例を示す構成図である。自励発振回路23はコイルL、トランジスタTr、ダイオードD、負荷抵抗RaおよびRbを含む。もしも、入力電気信号が送信用電極21および入力用接地電極4を介して入力用圧電振動子1に印加されると、入力用圧電振動子1に弾性振動が励振される。この弾性振動は、入力用振動板5に伝搬されるだけでなく、帰還電極22および入力用接地電極4の間で電気信号に変換され、この電気信号は送信用電極21および入力用接地電極4の間に再び印加される。このような自励発振回路23は、入力用圧電振動子1に連続的で安定な弾性振動を励振することを可能にし、また、駆動時における共振周波数の大きな逸脱を防止する。本実施例においては、送信用電極21の面積が帰還電極22に比べ3〜4倍のときに最良の自励発振が実現されている。一方、入力用振動板5における弾性振動は、超音波ファイバ11を介して図1の出力用超音波素子群に伝搬された後、遅延電気信号に変換される。遅延電気信号は周波数カウンタ24に伝えられる。もしも、超音波ファイバ11が磁場の中に置かれれば、遅延電気信号の周波数は磁場の強さに応じて変化する。従って、遅延電気信号の周波数の変化から超音波ファイバ11の周辺の磁場の強さを、すなわち超音波ファイバ11の周辺に流れる電流を感知することが可能になる。もしも周波数カウンタ24の代わりにF/V変換器を用いれば、F/V変換された遅延電気信号の電圧の変化から超音波ファイバ11の周辺に流れる電流を感知することが可能になる。
【0035】
図10は図2の入力用超音波素子群の代わりに用いられるさらに別の入力用超音波素子群の斜視図である。図10の入力用超音波素子群は入力用圧電振動子25、送信用電極26、入力用接地電極27および入力用振動板28から成る。入力用圧電振動子25は、圧電セラミックで成り、その分極軸の方向は厚さ方向に平行で、その形状は厚さ方向に平行な四角柱状の貫通穴を有する四角柱で、外枠の長さおよび幅がともに8mmで、厚さ6mmである。送信用電極26および入力用接地電極27は、ともにアルミニウム薄膜で成り、それぞれ入力用圧電振動子25の両端面に設けられている。入力用振動板28は、ステンレス製で、長さおよび幅がともに5.5mm、厚さ50μmである。入力用振動板28は、入力用圧電振動子25の貫通穴の一方の開口をふさぐようにして入力用圧電振動子25に固着されている。図10の入力用超音波素子群を採用する場合、出力側にはそれと同様な構造を有する出力用超音波素子群が用いられる。この場合、図1の超音波電流センサと同様な機能を果たす。
【0036】
図11は本発明の超音波電流センサの第2の実施例を示す構成図である。本実施例は、入力用圧電振動子29、送信用電極30、入力用接地電極31および入力用振動板32で成る入力用超音波素子群と、出力用圧電振動子33、受信用電極34、出力用接地電極35および出力用振動板36で成る出力用超音波素子群を含み、両素子群は同様な構造を有する。本実施例は、入力用超音波素子群および出力用超音波素子群を除いて、図1の超音波電流センサと同様な構造を有する。入力用圧電振動子29は、長さ17mm、幅20mm、厚さ2mmの板状構造の圧電セラミックで成り、その分極軸の方向は厚さ方向に平行である。送信用電極30および入力用接地電極31は、ともにアルミニウム薄膜で成り、それぞれ入力用圧電振動子29の両端面に設けられている。入力用振動板32は、ステンレス製で、長さ20mm、幅20mm、厚さ50μmの板状構造を成す。入力用振動板32は、その一部が入力用接地電極31を介して入力用圧電振動子29の一方の端面に固着されていることにより、残部が入力用圧電振動子29の外部に張り出している。入力用振動板32のこの張り出し部分のほぼ中央に、超音波ファイバ11の一方の先端が固着されている。図11の超音波電流センサは、図1と同様な機能を果たす。
【0037】
図12は図11の入力用超音波素子群の代わりに用いられる別の入力用超音波素子群の斜視図である。図12の入力用超音波素子群は、送信用電極30の代わりに送信用電極37および帰還電極38が用いられていることを除いて、図11の入力用超音波素子群と同様な構造を有する。送信用電極37および帰還電極38は電気的に絶縁されており、入力用圧電振動子29の一方の端面上における帰還電極38の面積は送信用電極37の面積よりも小さい。図12の入力用超音波素子群は図8と同様な機能を果たす。また、図12の入力用超音波素子群を採用する場合、出力側には図11の出力用超音波素子群が用いられる。
【0038】
図13は図11の入力用超音波素子群の代わりに用いられるさらに別の入力用超音波素子群の斜視図である。図13の入力用超音波素子群は、送信用電極39と帰還電極40を電気的に絶縁する直線の方向が図12の送信用電極37と帰還電極38を電気的に絶縁する直線の方向と直交することを除いて、図12の入力用超音波素子群と同様な構造を有する。図13の入力用超音波素子群は図8と同様な機能を果たす。また、図13の入力用超音波素子群を採用する場合、出力側には図11の出力用超音波素子群が用いられる。
【0039】
図14は本発明の超音波電流センサの第3の実施例を示す構成図である。本実施例は、測定用および標準用超音波伝搬手段と、信号分析手段63から成る。測定用超音波伝搬手段は入力用圧電振動子41、送信用電極42、入力用端子43、入力用接地電極44、入力用振動板45、出力用圧電振動子46、受信用電極47、出力用端子48、出力用接地電極49、出力用振動板50および超音波ファイバ61から成る。入力用圧電振動子41、送信用電極42、入力用接地電極44および入力用振動板45は入力用超音波素子群を形成し、出力用圧電振動子46、受信用電極47、出力用接地電極49および出力用振動板50は出力用超音波素子群を形成し、両素子群は同様な構造を有するとともに、図1の素子群とも同様な構造を有する。標準用超音波伝搬手段は入力用圧電振動子51、送信用電極52、入力用端子53、入力用接地電極54、入力用振動板55、出力用圧電振動子56、受信用電極57、出力用端子58、出力用接地電極59、出力用振動板60および超音波ファイバ62から成る。入力用圧電振動子51、送信用電極52、入力用接地電極54および入力用振動板55は入力用超音波素子群を形成し、出力用圧電振動子56、受信用電極57、出力用接地電極59および出力用振動板60は出力用超音波素子群を形成し、両素子群は同様な構造を有するとともに、図1の素子群とも同様な構造を有する。測定用超音波ファイバ61および標準用超音波ファイバ62は超音波ファイバ11と同様な構造を有する。標準用超音波ファイバ62は磁場の影響を排除した状態に置かれている。
【0040】
図15は信号分析手段63の一実施例を示す構成図である。本実施例では、信号分析手段63は増幅器64、65および周波数カウンタ66から成る。
【0041】
図15の信号分析手段63を備えた図14の超音波電流センサにおいて、入力用圧電振動子41、入力用振動板45、超音波ファイバ61、出力用振動板50、出力用圧電振動子46および増幅器64は自励発振型の遅延線発振器を構成する。同様にして、入力用圧電振動子51、入力用振動板55、超音波ファイバ62、出力用振動板60、出力用圧電振動子56および増幅器65は自励発振型の遅延線発振器を構成する。このようにして、入力電気信号が印加されることにより入力用圧電振動子41に励振された弾性振動は、出力用圧電振動子46に伝搬され、遅延電気信号として検出され、この遅延電気信号は増幅器64によって増幅される。一方、入力電気信号が印加されることにより入力用圧電振動子51に励振された弾性振動は、出力用圧電振動子56に伝搬され、遅延電気信号として検出され、この遅延電気信号は増幅器65によって増幅される。もしも、超音波ファイバ61が磁場の中に置かれれば、増幅器64によって増幅された遅延電気信号の周波数は磁場の強さに応じて変化する。従って、増幅器64によって増幅された遅延電気信号の周波数と増幅器65によって増幅された遅延電気信号の周波数との差から超音波ファイバ61の周辺の磁場の強さを、すなわち超音波ファイバ61の周辺に流れる電流を感知することが可能になる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の超音波電流センサは、入力用超音波素子群、出力用超音波素子群および超音波ファイバで成る。入力用超音波素子群は入力用圧電振動子、送信用電極、入力用接地電極および入力用振動板から成る。出力用超音波素子群は出力用圧電振動子、受信用電極、出力用接地電極および出力用振動板から成る。超音波ファイバは入力用振動板と出力用振動板の間に接続されている。送信用電極に入力電気信号が印加されると入力用圧電振動子に弾性振動が励振され、この弾性振動は、入力用振動板に伝搬された後、超音波ファイバを介して出力用振動板に伝搬され、さらに出力用圧電振動子に伝搬されて受信用電極と出力用接地電極の間で遅延電気信号として検出される。もしも、超音波ファイバが磁場の中に置かれれば、遅延電気信号の周波数は磁場の強さに応じて変化することから、遅延電気信号の周波数の変化から超音波ファイバの周辺の磁場の強さを、すなわち超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知することが可能になる。
【0043】
本発明の超音波電流センサでは、増幅器および周波数カウンタで成る信号分析手段を備えた構造、または増幅器および周波数/電圧変換器で成る信号分析手段を備えた構造
が可能である。増幅器は、受信用電極と出力用接地電極の間で検出された遅延電気信号を増幅し、増幅した遅延電気信号の一部を送信用電極に再び供給し残部を周波数カウンタまたは周波数/電圧変換器に伝える。このようにして、入力用圧電振動子、入力用振動板、超音波ファイバ、出力用振動板、出力用圧電振動子および増幅器は自励発振型の遅延線発振器を構成する。周波数カウンタは、増幅された遅延電気信号の周波数の変化によって超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知し、周波数/電圧変換器は、遅延電気信号の周波数を電圧に変換し、その電圧の変化によって超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する。また、本発明の超音波電流センサでは、信号発生器および位相比較器で成る信号分析手段を備えた構造が可能である。位相比較器は、受信用電極と出力用接地電極の間で検出された遅延電気信号と、信号発生器によって発生させた入力電気信号との位相差を検出し、その位相差の変化によって超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する。
【0044】
本発明の超音波電流センサでは、入力用圧電振動子の一方の端面上に送信用電極とは絶縁する状態で帰還電極を設けた構造が可能である。送信用電極に入力電気信号が印加されると入力用圧電振動子に弾性振動が励振されるが、この弾性振動は、入力用振動板に伝搬されるだけでなく、帰還電極および入力用接地電極の間で圧電性を介して電気信号に変換される。この電気信号は送信用電極に再び印加される。このようにして、帰還電極の採用は、入力用圧電振動子に連続的で安定な弾性振動を励振することを可能にし、また、駆動時における共振周波数の大きな逸脱を防止する。
【0045】
本発明の超音波電流センサでは、入力用および出力用圧電振動子が、厚さ方向に平行な角柱状貫通穴を有する角柱で成る構造、または厚さ方向に平行な円柱状貫通穴を有する円柱で成る構造が可能である。このとき、入力用振動板は、入力用圧電振動子の貫通穴の一方の開口をふさぐように入力用圧電振動子に固着され、出力用振動板は、出力用圧電振動子の貫通穴の一方の開口をふさぐように出力用圧電振動子に固着される。また、本発明の超音波電流センサでは、入力用および出力用圧電振動子が角柱状を成し、入力用振動板は、その一部が入力用圧電振動子の一方の端面に固着されることにより残部が入力用圧電振動子の外部に張り出し、出力用振動板は、その一部が出力用圧電振動子の一方の端面に固着されることにより残部が出力用圧電振動子の外部に張り出した構造が可能である。このような構造を採用することにより、入力用圧電振動子に励振された弾性振動は効率よく入力用振動板に伝搬され、出力用振動板における弾性振動は効率よく出力用圧電振動子に伝搬される。
【0046】
本発明のもう1つの超音波電流センサは、測定用および標準用超音波伝搬手段と信号分析手段で成る超音波電流センサである。各超音波伝搬手段は入力用超音波素子群、出力用超音波素子群および超音波ファイバで成る。標準用超音波伝搬手段における超音波ファイバは磁場の影響を排除した状態に置かれる。一方、測定用超音波伝搬手段における超音波ファイバはその周辺の磁場の影響を受けることから、遅延電気信号は超音波ファイバの周辺の磁場の強さに応じて変化する。標準用超音波伝搬手段における遅延電気信号と測定用超音波伝搬手段における遅延電気信号の差は信号分析手段によって検出され、このようにして、測定用超音波伝搬手段における超音波ファイバの周辺に流れる電流が感知される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波電流センサの第1の実施例を示す構成図。
【図2】図1の入力用超音波素子群の斜視図。
【図3】信号分析手段12の第1の実施例を示す構成図。
【図4】磁場の影響を受けることにより変化する超音波ファイバ11の遅延電気信号の周波数差と、超音波ファイバ11の周辺の磁束密度との関係を示す特性図。
【図5】磁場の影響を受けることにより変化する超音波ファイバ11の遅延電気信号の周波数差と、超音波ファイバ11の周辺の磁束密度との関係を示す特性図。
【図6】信号分析手段12の第2の実施例を示す構成図。
【図7】信号分析手段12の第3の実施例を示す構成図。
【図8】図2の入力用超音波素子群の代わりに用いられる別の入力用超音波素子群の斜視図。
【図9】図8の入力用超音波素子群に接続される自励発振回路の一実施例を示す構成図。
【図10】図2の入力用超音波素子群の代わりに用いられるさらに別の入力用超音波素子群の斜視図。
【図11】本発明の超音波電流センサの第2の実施例を示す構成図。
【図12】図11の入力用超音波素子群の代わりに用いられる別の入力用超音波素子群の斜視図。
【図13】図11の入力用超音波素子群の代わりに用いられるさらに別の入力用超音波素子群の斜視図。
【図14】本発明の超音波電流センサの第3の実施例を示す構成図。
【図15】信号分析手段63の一実施例を示す構成図。
【符号の説明】
1 入力用圧電振動子
2 送信用電極
3 入力用端子
4 入力用接地電極
5 入力用振動板
6 出力用圧電振動子
7 受信用電極
8 出力用端子
9 出力用接地電極
10 出力用振動板
11 超音波ファイバ
12 信号分析手段
13 増幅器
14 周波数カウンタ
15 増幅器
16 周波数/電圧変換器
17 信号発生器
18 減衰器
19 位相偏移器
20 位相比較器
21 送信用電極
22 帰還電極
23 自励発振回路
24 周波数カウンタ
25 入力用圧電振動子
26 送信用電極
27 入力用接地電極
28 入力用振動板
29 入力用圧電振動子
30 送信用電極
31 入力用接地電極
32 入力用振動板
33 出力用圧電振動子
34 受信用電極
35 出力用接地電極
36 出力用振動板
37 送信用電極
38 帰還電極
39 送信用電極
40 帰還電極
41 入力用圧電振動子
42 送信用電極
43 入力用端子
44 入力用接地電極
45 入力用振動板
46 出力用圧電振動子
47 送信用電極
48 出力用端子
49 出力用接地電極
50 出力用振動板
51 入力用圧電振動子
52 送信用電極
53 入力用端子
54 入力用接地電極
55 入力用振動板
56 出力用圧電振動子
57 送信用電極
58 出力用端子
59 出力用接地電極
60 出力用振動板
61 超音波ファイバ
62 超音波ファイバ
63 信号分析手段
64 増幅器
65 増幅器
66 周波数カウンタ
L コイル
Tr トランジスタ
D ダイオード
Ra 負荷抵抗
Rb 負荷抵抗

Claims (11)

  1. 入力用超音波素子群、出力用超音波素子群および超音波ファイバで成る超音波電流センサであって、前記入力用超音波素子群は入力用圧電振動子、前記入力用圧電振動子の一方の端面に設けられた送信用電極、前記入力用圧電振動子のもう一方の端面に設けられた入力用接地電極、および前記入力用接地電極を介して前記入力用圧電振動子に固着された入力用振動板から成り、前記出力用超音波素子群は出力用圧電振動子、前記出力用圧電振動子の一方の端面に設けられた受信用電極、前記出力用圧電振動子のもう一方の端面に設けられた出力用接地電極、および前記出力用接地電極を介して前記出力用圧電振動子に固着された出力用振動板から成り、前記超音波ファイバは、磁歪性遅延線で成り、前記入力用振動板と前記出力用振動板の間に接続されており、前記送信用電極に入力電気信号が印加されることにより前記入力用圧電振動子に弾性振動が励振され、前記弾性振動は、前記超音波ファイバを介して前記出力用圧電振動子に伝搬され、前記受信用電極と前記出力用接地電極の間で遅延電気信号として検出され、前記超音波ファイバの周辺の磁場の強さに応じて前記遅延電気信号が変化することから前記超音波ファイバの周辺に流れる電流が感知される超音波電流センサ。
  2. 増幅器および周波数カウンタで成る信号分析手段が備えられ、前記増幅器は、前記遅延電気信号を増幅し、増幅された前記遅延電気信号の一部を前記送信用電極に供給し残部を前記周波数カウンタに伝え、前記入力用圧電振動子、前記入力用振動板、前記超音波ファイバ、前記出力用振動板、前記出力用圧電振動子および前記増幅器は遅延線発振器を形成し、前記周波数カウンタは、増幅された前記遅延電気信号の周波数の変化によって前記超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する請求項1に記載の超音波電流センサ。
  3. 増幅器および周波数/電圧変換器で成る信号分析手段が備えられ、前記増幅器は、前記遅延電気信号を増幅し、増幅された前記遅延電気信号の一部を前記送信用電極に供給し残部を前記周波数/電圧変換器に伝え、前記入力用圧電振動子、前記入力用振動板、前記超音波ファイバ、前記出力用振動板、前記出力用圧電振動子および前記増幅器は遅延線発振器を形成し、前記周波数/電圧変換器は、前記遅延電気信号の周波数を電圧に変換し、前記電圧の変化によって前記超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する請求項1に記載の超音波電流センサ。
  4. 信号発生器および位相比較器で成る信号分析手段が備えられ、前記信号発生器は前記入力電気信号を発生し、前記位相比較器は、前記入力電気信号と前記遅延電気信号との位相差を検出し、前記位相差の変化によって前記超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する請求項1に記載の超音波電流センサ。
  5. 前記入力用圧電振動子の前記一方の端面上に前記送信用電極とは絶縁する状態で帰還電極が設けられ、前記帰還電極の前記一方の端面上の面積は前記送信用電極の面積よりも小さく、前記帰還電極と前記入力用接地電極との間の弾性振動は、前記帰還電極と前記入力用接地電極によって圧電性を介して電気信号に変換され、変換された前記電気信号は前記送信用電極に再び印加される請求項1に記載の超音波電流センサ。
  6. 測定用および標準用超音波伝搬手段と信号分析手段で成る超音波電流センサであって、前記各超音波伝搬手段は入力用超音波素子群、出力用超音波素子群および超音波ファイバで成り、前記入力用超音波素子群は入力用圧電振動子、前記入力用圧電振動子の一方の端面に設けられた送信用電極、前記入力用圧電振動子のもう一方の端面に設けられた入力用接地電極、および前記入力用接地電極を介して前記入力用圧電振動子に固着された入力用振動板から成り、前記出力用超音波素子群は出力用圧電振動子、前記出力用圧電振動子の一方の端面に設けられた受信用電極、前記出力用圧電振動子のもう一方の端面に設けられた出力用接地電極、および前記出力用接地電極を介して前記出力用圧電振動子に固着された出力用振動板から成り、前記超音波ファイバは、磁歪性遅延線で成り、前記入力用振動板と前記出力用振動板の間に接続されており、前記送信用電極に入力電気信号が印加されることにより前記入力用圧電振動子に弾性振動が励振され、前記弾性振動は、前記超音波ファイバを介して前記出力用圧電振動子に伝搬され、前記受信用電極と前記出力用接地電極の間で遅延電気信号として検出され、前記標準用超音波伝搬手段における前記超音波ファイバは磁場の影響を排除した状態に置かれており、前記測定用超音波伝搬手段における前記遅延電気信号は前記測定用超音波伝搬手段における前記超音波ファイバの周辺の磁場の強さに応じて変化し、前記信号分析手段は前記標準用超音波伝搬手段における前記遅延電気信号と前記測定用超音波伝搬手段における前記遅延電気信号の差から、前記測定用超音波伝搬手段における前記超音波ファイバの周辺に流れる電流を感知する超音波電流センサ。
  7. 前記超音波ファイバがコイル状を成す請求項1,2,3,4,5または6に記載の超音波電流センサ。
  8. 前記入力用および出力用圧電振動子が圧電セラミックで成り、その分極軸の方向は厚さ方向に平行である請求項1,2,3,4,5,6または7に記載の超音波電流センサ。
  9. 前記入力用および出力用圧電振動子が、厚さ方向に平行な角柱状貫通穴を有する角柱で成り、前記入力用振動板は、前記入力用圧電振動子の前記貫通穴の一方の開口をふさぐように前記入力用圧電振動子に固着され、前記出力用振動板は、前記出力用圧電振動子の前記貫通穴の一方の開口をふさぐように前記出力用圧電振動子に固着されている請求項1,2,3,4,5,6,7または8に記載の超音波電流センサ。
  10. 前記入力用および出力用圧電振動子が、厚さ方向に平行な円柱状貫通穴を有する円柱で成り、前記入力用振動板は、前記入力用圧電振動子の前記貫通穴の一方の開口をふさぐように前記入力用圧電振動子に固着され、前記出力用振動板は、前記出力用圧電振動子の前記貫通穴の一方の開口をふさぐように前記出力用圧電振動子に固着されている請求項1,2,3,4,5,6,7または8に記載の超音波電流センサ。
  11. 前記入力用および出力用圧電振動子が角柱状を成し、前記入力用振動板は、その一部が前記入力用圧電振動子の一方の端面に固着されることにより残部が前記入力用圧電振動子の外部に張り出し、前記出力用振動板は、その一部が前記出力用圧電振動子の一方の端面に固着されることにより残部が前記出力用圧電振動子の外部に張り出している請求項1,2,3,4,5,6,7または8に記載の超音波電流センサ。
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