JP4356085B2 - ポリウレタンフォーム廃材の再生処理方法及び再生ポリウレタン成形体 - Google Patents

ポリウレタンフォーム廃材の再生処理方法及び再生ポリウレタン成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性ポリウレタンフォームを粉砕した後に、接着剤その他のバインダーを用いないで加熱、圧縮することにより成形体を得るポリウレタンフォームの再生処理方法及び再生ポリウレタン成形体に係り、詳しくは、硬質および/または軟質のポリウレタンフォーム廃材をそれぞれトゲ状突起を有する微細粉末に粉砕し、硬軟混合粉砕物又は軟質粉砕物を出発原料として型込めし、脱気圧縮〔一次圧縮〕及び加熱圧縮〔二次圧縮〕して圧密一体化し、かつ、賦型化することにより、発泡体の性質を除去した可撓性(準剛性)又は軟質性(柔軟性)を有する成形体を得るポリウレタンフォーム廃材の再生処理方法及び再生ポリウレタン成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリウレタンフォーム廃材の再生処理方法は、粉砕処理したチップフォームに接着剤その他のバインダーを塗布又は混合し、加熱、賦型化することがよくおこなわれてきた。しかしながら、接着剤その他のバインダーや蒸気加熱を要するために、ポットライフの工程管理や環境保全上の問題が指摘されてきた。
【0003】
こうしたなかで、上記従来法における接着剤その他のバインダーを不要として、粉砕処理後、板厚制御下で加熱、圧縮、成形して発泡体としての性質を残した再生ポリウレタン成形シートを得るポリウレタフォームの再生方法の提案があった。(例えば、特許文献1を参照。)
【0004】
【特許文献1】
特許第2993250号公報(全頁)
【0005】
ここでは、再生処理における粒径範囲、加熱処理における予熱範囲、加熱圧縮成形における温度範囲及び圧縮範囲(密度指標)を制限条件として記載している。
【0006】
しかしながら、上記文献公知発明1では、発泡体としての性質を残すことに有意性を見ており、加熱圧縮成形における温度範囲及び圧縮範囲(密度指標)を重要視している。ここでは、粉砕処理における粒径範囲は、常法のチップフォームと同様の粗粉砕のレベルにとどまり、ことさら有意な条件となっていない。具体的には、粒径1mmで密度0.75g/ccに成形した再生物は、発泡体の性質を残しても所望の物性効果が得られず、最適粒径5mmで密度0.85g/ccより大に成形した再生物は、発泡体の性質が失われるとしていずれも排除している。
【0007】
また、その後、硬質ウレタンフォームの廃材をバインダーを使用することなしに加熱、圧縮、成形して剛性のある成形品を再生する提案があった。(例えば、特許文献2を参照。)
【0008】
【特許文献2】
特開2001−277268公報(全頁)
【0009】
ここでは、硬質ウレタンフォームの廃材(出発原料)の最大直径を10mm以下の寸法に粉砕することを推奨しており、金型温度は 180〜250 ℃、圧下量は体積比1/3〜1/30である。なお、再生成形品の密度は概して50kg/m3 以上を得るとしている。
【0010】
しかしながら、上記文献公知発明2では、粉砕手段はハンマーミルやニーダ等による剪断破砕であり、後述の解繊装置による粉砕とは同じ剪断破砕であっても粉砕寸法の程度が大きく相違する。つまり、前記粉砕手段では10mm以下であっても、本発明に関する1mm以下のトゲ状突起を有する微細粉末状(海綿状)に切り刻む(粉砕する)ことは不可能であり、より細かく粉砕しようとすれば粉引きのように磨り潰すこと(磨砕)になると推認される。
【0011】
この差異は極めて重要であって、硬質の場合、粒径が1mm以上であると、温度条件と圧下量(加圧力)を高位に保持しないと発泡体の性質を除去することが困難であり、粒径が1mm以下であって磨り潰したものは、自己接着性に欠けるという問題がある。ここで、自己接着性は熱融着性又は熱可塑性的性質による結合形態を含む。
【0012】
これに対し、硬質の場合1mm以下のトゲ状突起を有する微細粉末状(海綿状)に切り刻んだ粉砕物(ポリウレタンフォーム廃材)は、比較的低い温度条件(加熱条件)下で自己接着性を発生可能で、発泡体の性質を除去可能であることが確認されている。また、軟質の場合は1mm以下の微粉砕化はかなり困難であり、上記同様の自己接着性及び発泡体の性質除去に関する発現について5mm以下であれば可能である。なお、硬軟混合粉砕物の場合、粉砕粒径を揃えるのが好ましいため、後述のとおり硬質の粉砕粒径は2mm程度まで許容される。
【0013】
ところで、本発明者らは、故紙等の繊維含有材料の再生利用に関し、該繊維含有材料の粗粉砕から解繊までを効率的におこなう解繊装置(粗粉砕装置を含む)を提案してきた。(例えば、特許文献3を参照。)
【0014】
【特許文献3】
特許第3051981号公報(全頁、全図)
【0015】
この開発技術によれば、繊維含有材料を粒径(片状のものであれば長さ)1mm以下にトゲ状突起を有する微細粉末状(海綿状)に切り刻む(粉砕する)ことができ、もって利用価値の高い再生原料を得ることができる。
【0016】
本発明に関するポリウレタンフォームは組織的にも繊維含有材料と同様に取り扱うことができる。しかも、粉砕をより微細化してゆくと、トゲ状突起を有する微細粉末状(海綿状)になり、その粒径は従来的なチップフォームの粒径より1桁低いオーダーまでほぼ均一に粉砕できる。
【0017】
こうして獲得したポリウレタンフォーム廃材の粉体(再生原料)は、樹脂粉末の圧縮成形技術を適用できる。
【0018】
もとより、硬質ポリウレタンフォーム廃材を再生処理して、建材、剛性ボード、代替枠材その他の剛性材に転換しようとする要請があり、こうしたなかで本出願人は、先に発泡体の性質を除去した硬質の成形体(樹脂再生物)を得る再生処理方法及び再生ポリウレタン成形体を提案してきた。〔特願2001−356000〕
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでは専ら硬質のポリウレタンフォーム廃材を手掛けてきたのであるが、その後の研究開発のなかで、粉砕のしかたによっては軟質のポリウレタンフォーム廃材についても同様に取り扱うことができることを見いだした。ここでは、軟質のポリウレタンフォーム廃材の粉砕粒径は5mm未満、好ましくは2mm程度を指標とする。したがって、後述の硬軟混合粉砕物を得ようとするときには、硬質のポリウレタンフォーム廃材の粉砕粒径も粒径を揃えるために2mm程度まで許容する。なお、軟質のポリウレタンフォーム廃材のみを再生原料( 出発原料)とするときには、粉砕粒径は5mm未満であればよい。
【0020】
この軟質のポリウレタンフォーム廃材の再生処理については、これまでにバインダーを使用せずに融着を含む自己接着性の発生させ、かつ、発泡体の性質を除去したものは他に見あたらない。
【0021】
その理由としては、微粉砕化し難いことによる融着を含む自己接着性の発生の困難性、そのための賦型化(成形性)の困難性が挙げられる。したがって、軟質のポリウレタンフォーム廃材を再生原料とする従来的な再生成形体は、バンダーを使用し、かつ、発泡体の性質を温存したもの(疑似発泡体)に止まっているのが現状である。
【0022】
そこで、バインダーを使用せずに融着を含む自己接着性を発生させ、かつ、発泡体の性質を除去するためには、粉砕処理における粒径の微細化が出発原料(再生原料)として重要な構成要素(制限条件)となってくる。
【0023】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、上記課題を解消し、硬質および/または軟質のポリウレタンフォーム廃材をそれぞれトゲ状突起を有する微細粉末に粉砕し、硬軟混合粉砕物又は軟質粉砕物を出発原料として型込めし、脱気圧縮〔一次圧縮〕及び加熱圧縮〔二次圧縮〕して圧密一体化し、かつ、賦型化することにより、発泡体の性質を除去した可撓性(準剛性)又は軟質性(柔軟性)を有する成形体を得るポリウレタンフォーム廃材の再生処理方法及び再生ポリウレタン成形体を提供するものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するために本発明は、熱硬化性ポリウレタンフォーム廃材を粉砕した後、接着剤その他のバインダーを用いないで加熱、圧縮することにより発泡体の性質を除去した可撓性又は準剛性を有する成形体を得るためのポリウレタンフォーム廃材の再生処理方法であって、
硬質ポリウレタンフォーム廃材及び軟質ポリウレタンフォーム廃材をそれぞれ粒径2mm以下のトゲ状突起を有する微細粉末に粉砕して再生原料とし、該再生原料100重量部に対して軟質ポリウレタンフォーム廃材の割合を5〜20重量%とする硬軟混合粉砕物を調製し、該硬軟混合粉砕物を出発原料として型込めし、脱気のための一次圧縮を施し、つづいて 120〜170 ℃の温度範囲内の加熱雰囲気中で所定の圧下量に達するまで二次圧縮することにより圧密一体化し、かつ、賦型化することを特徴とするものである。
【0025】
また、発泡体の性質を除去した軟質性又は柔軟性を有する成形体を得るためのポリウレタンフォーム廃材の再生処理方法であって、
軟質ポリウレタンフォーム廃材を粒径5mm未満のトゲ状突起を有する微細粉末に粉砕して出発原料とし、該出発原料を型込めして脱気のための一次圧縮を施し、つづいて 110〜160 ℃の温度範囲内の加熱雰囲気中で所定の圧下量に達するまで二次圧縮することにより圧密一体化し、かつ、賦型化することを特徴とするものである。
【0026】
さらに、上記各方法により得られる接着剤その他のバインダーを含有しない可撓性(準剛性)又は軟質性(柔軟性)の再生ポリウレタン成形体であって、発泡体の性質を除去したものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態は、可撓性又は準剛性を有する再生ポリウレタン成形体を得るための上記構成の再生処理方法において、硬質ポリウレタンフォーム廃材及び軟質ポリウレタンフォーム廃材をそれぞれ粒径2mm以下のトゲ状突起を有する微細粉末に粉砕して再生原料とし、該再生原料100重量部に対して軟質ポリウレタンフォーム廃材の割合を5〜20重量%とする硬軟混合粉砕物を調製し、該硬軟混合粉砕物を出発原料として金型内に充填し、常温下で所定重量を負荷した加圧板を圧下させながら脱気を促すとともに、圧下の進行途中から加圧板を含む金型を 120〜170 ℃の温度範囲内に加熱し、該加熱雰囲気下で外部から間欠的に加圧力を増補しながら圧下の進行を調整していき、所定圧下量に達したところで加圧板を保持した後放冷することにより、圧密一体化し、かつ、賦型化するものである。
【0028】
ここで、粉砕は粒径10mm以下に粗粉砕した後、さらに繊維含有材料の解繊装置に投入して粒径 0.5〜2.0 mmのトゲ状突起を有する微細粉末の再生原料を得るものである。
【0029】
図1は、粉砕前のポリウレタンフォーム廃材の組織形状(結合状態)を示す模式図である。
【0030】
図2は、粗粉砕後のポリウレタンフォーム廃材の断片形状(粒径)を示す模式図である。
【0031】
図3は、トゲ状突起を有する微細粉末に粉砕したポリウレタンフォーム廃材の断片形状(粒径)を示す模式図である。
【0032】
一方、軟質の再生ポリウレタン成形体を得るための上記構成の再生処理方法において、軟質ポリウレタンフォーム廃材を粒径5mm未満のトゲ状突起を有する微細粉末に粉砕して出発原料とし、金型内に充填し、常温下で所定重量を負荷した加圧板を圧下させながら脱気を促すとともに、圧下の進行途中から加圧板を含む金型を 110〜160 ℃の温度範囲内に加熱し、該加熱雰囲気下で外部から間欠的に加圧力を増補しながら圧下の進行を調整していき、所定圧下量に達したところで加圧板を保持した後放冷することにより、圧密一体化し、かつ、賦型化するものである。
【0033】
上記各方法により得られる可撓性(準剛性)又は軟質性(柔軟性)の再生ポリウレタン成形体の結合状態は、いずれも融着を含む自己接着性により圧密一体化している。また、圧下量に関し、みかけ比重は 0.6〜1.2 を指標とするものである。
【0034】
強度(又は硬さ)に関し、硬軟混合粉砕物の配合を変えることにより得られる可撓性(準剛性)の再生ポリウレタン成形体は、引張強度(最大引張応力)で10〜20MPa 範囲を指標とする。
【0035】
また、軟質の再生ポリウレタン成形体は、引張強度(最大引張応力)で5MPa 以下を指標とする。
【0036】
いずれも、好適な成形品としては、板厚2〜15mmの成形シート、又は板厚15mm以上の成形ブロックとして再生される。
【0037】
【実施例】
本発明の一実施例について添付図面を参照しながら以下説明する。
【0038】
(実施例1)
本実施例の再生ポリウレタン成形体〔以下、単に成形体という。〕は、硬質ポリウレタンフォーム廃材及び軟質ポリウレタンフォーム廃材をそれぞれ粗粉砕した後、さらに繊維含有材料の解繊装置を用いてトゲ状突起を有する微細粉末に粉砕して再生原料とし、該再生原料100重量部に対して軟質ポリウレタンフォーム廃材の割合を5〜20重量%とする硬軟混合粉砕物を調製し、該硬軟混合粉砕物を出発原料とし、金型に充填して脱気のための一次圧縮を施し、つづいて 120〜170 ℃の温度範囲内の加熱雰囲気中で所定の圧下量に達するまで二次圧縮することにより圧密一体化し、かつ、賦型化して得られるものである。
【0039】
ここでは、軟質のポリウレタンフォーム廃材をそれぞれ粒径10mm以下に粗粉砕した後、さらに繊維含有材料の解繊装置に投入して粒径 0.5〜2.0 mmのトゲ状突起を有する微細粉末とした硬軟混合粉砕物(再生原料)を得るのであるが、本実施例では、解繊装置の多孔スクリーン(図示省略)のメッシュを硬質ポリウレタンフォーム廃材については0.5mm( 0.5パス) 、軟質ポリウレタンフォーム廃材については1.0mm( 1.0パス) として微粉砕し、硬軟混合粉砕物の配合を変えて圧縮成形した成形体a、b、cを製造し、これらから各数本ずつを切り出して引張試験〔1軸〕のための供試体A群、B群、C群を作製した。
【0040】
図4、図5、及び図6に供試体A群:標本数(001〜005)、B群:標本数(001〜005)、C群:標本数(001〜006)についておこなった引張試験〔1軸〕の結果を示す。各群ごとに個々の標本の荷重−伸び線図とデータ表を示し、具体的な製造方法及び性質を述べる。なお、数値については、実験的規模にとどまっているが、本発明の要旨に影響するものではないことを断っておく。
【0041】
製造方法は共通し、成形金型内に常温で硬軟混合粉砕物〔各軟質を5、10、15重量%配合し残部は硬質〕400cm3(重量65g)を充填し、上部から加圧重量3tを指標として漸次圧下することにより、脱気しながら圧縮していく。〔一次圧縮〕この間に金型を 150℃に加熱する。脱気と加熱が進行すると、樹脂内圧が変動し、加圧重量3tの指標が得られなくなるが、成形体の板厚が15mmとなるところまでジャッキアップにより加圧調整しながら圧縮する。〔二次圧縮〕所定の圧下量に達した後、3〜5分加熱保持する。その後、加熱を停止し、放置冷却する。
【0042】
こうして得られた各成形体は、融着を含む自己接着性により圧密一体化しており、発泡体の性質が除去され、かつ、可撓性(準剛性)を有している。引張試験によると、各供試体の引張強度(最大引張応力)が10〜20MPa 範囲であり、最大荷重点変位(一様伸びの終点)が数mm以下であった。
【0043】
(実施例2)
本実施例の成形体は、軟質ポリウレタンフォーム廃材を粗粉砕した後、さらに繊維含有材料の解繊装置を用いてトゲ状突起を有する微細粉末に粉砕して出発原料とし、金型に充填して脱気のための一次圧縮を施し、つづいて 110〜160 ℃の温度範囲内の加熱雰囲気中で所定の圧下量に達するまで二次圧縮することにより圧密一体化し、かつ、賦型化して得られるものである。
【0044】
ここでは、軟質ポリウレタンフォーム廃材をそれぞれ粒径10mm以下に粗粉砕した後、さらに繊維含有材料の解繊装置に投入して粒径5mm未満のトゲ状突起を有する微細粉末とした軟質粉砕物(再生原料)を得るのであるが、本実施例では、解繊装置の多孔スクリーン(図示省略)のメッシュを1.0mm( 1.0パス) として微粉砕し、上記硬軟混合粉砕物と同様の温度条件(150 ℃)で圧縮成形した成形体dを製造し、これらから各数本ずつを切り出して引張試験〔1軸〕のための供試体D群を作製した。
【0045】
図7に供試体D群:標本数(001〜005)についておこなった引張試験〔1軸〕の結果を示す。各群ごとに個々の標本の荷重−伸び線図とデータ表を示す。
【0046】
得られた成形体は、融着を含む自己接着性により圧密一体化しており、発泡体の性質が除去され、かつ、軟質性(柔軟性)を有している。引張試験によると、供試体の引張強度(最大引張応力)が5MPa 以下であった。
【0047】
また、軟質ポリウレタンフォーム廃材のうち、低弾性フォ−ムに属するより軟質性の高いものをそれぞれ粒径10mm以下に粗粉砕した後、さらに繊維含有材料の解繊装置に投入し、多孔スクリーン(図示省略)のメッシュを2.0mm( 2.0パス) として微粉砕し、上記同様の温度条件(150 ℃)で圧縮成形した成形体eと、 1.0mm( 1.0 パス) として微粉砕し圧縮成形した成形体fを製造した。これらから各数本ずつを切り出して引張試験〔1軸〕のための供試体E群、F群を作製した。
【0048】
図8に供試体E群:標本数(001〜005)、図9に供試体F群:標本数(001〜006)についておこなった引張試験〔1軸〕の結果を示す。各群ごとに個々の標本の荷重−伸び線図とデータ表を示す。
【0049】
得られた成形体は、より一層の軟質性(柔軟性)を有しており、緩衝マットなどのシート状敷物やスペーサなどの衝撃吸収体として利用可能である。引張試験によると、供試体の引張強度(最大引張応力)が1MPa 以下であり、一様伸びは20〜40mmであった。なお、温度条件及び加圧条件とも下限方向にシフトする。
【0050】
以上のとおり、熱硬化性ポリウレタンフォーム廃材のうち硬質や軟質のもののいずれであっても、その発泡体の性質を除去する一方、硬さに関する性質は温存して所望に応じた硬さて再生することができるので、極めて広範な利用先が期待できる。
【0051】
【発明の効果】
本発明は以上の構成よりなるものであり、これによれば樹脂粉末の圧縮成形技術を適用して、熱硬化性ポリウレタンフォーム廃材のうち硬質や軟質のもののいずれであっても、再生原料とすることができるとともに、その発泡体の性質を除去する一方、硬さに関する性質は温存して所望に応じた硬さで成形体を得ることができる。ここでは、接着剤その他のバインダーを用いることを要しないので、ポットライフの工程管理や環境保全上の問題がない。
【0052】
得られた再生ポリウレタン成形体は、可撓性材(準剛性材)から軟質性材(柔軟性材)まで種々の用途に応じて広範な材料開発が可能であり、資源(廃材)の有効利用(再生利用)に寄与するという点で産業上有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉砕前のポリウレタンフォーム廃材の組織形状(結合状態)を示す模式図である。
【図2】粗粉砕後のポリウレタンフォーム廃材の断片形状(粒径1mm)を示す模式図である。
【図3】トゲ状突起を有する微細粉末に粉砕したポリウレタンフォーム廃材の断片形状(粒径0.5mm)を示す模式図である。
【図4】可撓性材(準剛性材)である供試体A群:標本数(001〜005)についておこなった引張試験〔1軸〕における個々の標本の荷重−伸び線図、及びデータ表である。
【図5】可撓性材(準剛性材)である供試体B群:標本数(001〜005)についておこなった引張試験〔1軸〕における個々の標本の荷重−伸び線図、及びデータ表である。
【図6】可撓性材(準剛性材)である供試体C群:標本数(001〜006)についておこなった引張試験〔1軸〕における個々の標本の荷重−伸び線図、及びデータ表である。
【図7】軟質性材(柔軟性材)である供試体D群:標本数(001〜005)についておこなった引張試験〔1軸〕における個々の標本の荷重−伸び線図、及びデータ表である。
【図8】軟質性材(柔軟性材)である供試体E群:標本数(001〜005)についておこなった引張試験〔1軸〕における個々の標本の荷重−伸び線図、及びデータ表である。
【図9】軟質性材(柔軟性材)である供試体F群:標本数(001〜006)についておこなった引張試験〔1軸〕における個々の標本の荷重−伸び線図、及びデータ表である。
【符号の説明】
1 トゲ状突起を有する微細粉末(ポリウレタンフォーム廃材の粉砕断片)

Claims (3)

  1. 熱硬化性ポリウレタンフォーム廃材を粉砕した後、接着剤その他のバインダーを用いないで加熱、圧縮することにより成形体を得るポリウレタンフォームの再生処理方法において、
    発泡体の性質を除去するとともに、引張強度(最大引張応力)で10〜20MPa 範囲を指標とする可撓性又は準剛性を有する成形体を得るためのポリウレタンフォーム廃材の再生処理方法であって、
    硬質ポリウレタンフォーム廃材及び軟質ポリウレタンフォーム廃材をそれぞれ粒径2mm以下のトゲ状突起を有する微細粉末に粉砕して再生原料とし、該再生原料100重量部に対して軟質ポリウレタンフォーム廃材の割合を5〜20重量%とする硬軟混合粉砕物を調製し、該硬軟混合粉砕物を出発原料として金型内に充填し、常温下で所定重量を負荷した加圧板を圧下させながら脱気を促すとともに、圧下の進行途中から加圧板を含む金型を 120〜170 ℃の温度範囲内に加熱し、該加熱雰囲気下で外部から間欠的に加圧力を増補しながら圧下の進行を調整していき、所定圧下量に達したところで加圧板を保持した後放冷することにより、圧密一体化し、かつ、賦型化することを特徴とするポリウレタンフォーム廃材の再生処理方法。
  2. 熱硬化性ポリウレタンフォーム廃材を粉砕した後、接着剤その他のバインダーを用いないで加熱、圧縮することにより成形体を得るポリウレタンフォームの再生処理方法において、
    発泡体の性質を除去するとともに、かつ、引張強度(最大引張応力)で5MPa 以下を指標とする軟質性又は柔軟性を有する成形体を得るためのポリウレタンフォーム廃材の再生処理方法であって、
    軟質ポリウレタンフォーム廃材を粒径5mm未満のトゲ状突起を有する微細粉末に粉砕して出発原料とし、金型内に充填し、常温下で所定重量を負荷した加圧板を圧下させながら脱気を促すとともに、圧下の進行途中から加圧板を含む金型を 110〜160 ℃の温度範囲内に加熱し、該加熱雰囲気下で外部から間欠的に加圧力を増補しながら圧下の進行を調整していき、所定圧下量に達したところで加圧板を保持した後放冷することにより、圧密一体化し、かつ、賦型化することを特徴とするポリウレタンフォーム廃材の再生処理方法。
  3. 粉砕が粒径10mm以下に粗粉砕した後、さらに繊維含有材料の解繊装置に投入して粒径 0.5〜2.0 mmのトゲ状突起を有する微細粉末状又は海綿状の断片に剪断破砕して再生原料を得るものであり、圧密一体化がみかけ比重 0.6〜1.2 を指標とするものである請求項1又は2記載のポリウレタンフォーム廃材の再生処理方法。
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