JP4356072B2 - ターボチャージャを備えた内燃機関の制御装置 - Google Patents

ターボチャージャを備えた内燃機関の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、ターボチャージャを備えた内燃機関の制御装置に関する。
この種の従来技術として、例えば特許文献1には、ターボチャージャと排気還流装置とを備えたディーゼル機関において、機関回転数、燃料量、排気還流率、並びにターボチャージャのコンプレッサのパワー及びタービンのパワーの比較に基づいて、過給圧を推定し、吸入空気量を推定する制御システムが提案されている。この場合、コンプレッサのパワーとタービンのパワーとの比較に基づいてタービン回転数を算出し、そのタービン回転数に基づいて過給圧を推定するようにしていた。これにより、吸入空気量をできる限り正確に求めるようにしていた。
しかしながら、上記特許文献1では以下の問題があった。すなわち、タービン回転数と過給圧との関係は周囲の環境(大気温、大気圧等)に応じて変化する。そのため、タービン回転数に基づいて過給圧を正確に推定するには、周囲の環境に応じたベースマップが必要になる。或いは、ベースマップに対する補正が必要となる。
また、コンプレッサのパワーとタービンのパワーとに基づいてタービン回転数を算出し、過給圧を推定しているが、コンプレッサのパワーを算出するためには推定すべき過給圧が必要となり、閉ループの初期状態がどこから始まるのかなどが不明瞭であった。
一方、内燃機関への吸入空気量を要求通りに制御するためにスロットルバルブの上流側と下流側の圧力の関係を利用する方法が提案されており(例えば特許文献2)、かかる方法ではスロットル上流圧を精度良く知る必要がある。ターボチャージャを持たない内燃機関ではスロットル上流圧は常に大気圧で計算されるが、ターボチャージャ付内燃機関ではスロットル上流圧が常に変化する。そこで、ターボチャージャ付き内燃機関において精度良くスロットル上流圧(過給圧)を推定する必要がある。
特開平6−26383号公報 特開平10−103121号公報
本発明は、安価なシステムで精度良く過給圧を算出することができるターボチャージャを備えた内燃機関の制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
上記目的を達成するために、内燃機関の排気特性を基にタービン動力を算出すると共に、該タービン動力を基にコンプレッサ駆動力を算出する。また、内燃機関の吸気特性とコンプレッサ駆動力とを基に過給パワーを算出すると共に、該過給パワーから過給圧を算出する。本構成によれば、排気及び吸気の特性を考慮しつつターボチャージャにおける動力伝達の原理に沿って過給圧が算出されるため、過給圧が精度良く算出できる。仮に周囲環境(温度条件や圧力条件)が変化しても現実の過給圧が精度良く算出できる。この場合、従来技術とは異なり周囲環境に応じたベースマップやベースマップに対する補正処理等が不要となり、安価なシステムが構築できる。
ターボチャージャを構成要素毎にモデル化してタービンモデル、シャフトモデル、コンプレッサモデルを設定し、各モデルにより、タービン動力算出手段、コンプレッサ駆動力算出手段、過給圧算出手段をそれぞれ構成すると良い。つまり、構成要素毎のモデルの組み合わせにより全体のシステムモデルを構築する。この場合、各モデルは、何れも動力(パワー)を統一のパラメータとして構築されているため、例えばモデルを再利用する際の利便性(再利用性)を高めることができる。これにより、一度構築したモデルを他のシステムに適用することも容易となる。
タービン動力をコンプレッサ駆動力に変換するための動力変換効率を、前記各モデルを同定する際に実測した過給圧とその時のタービン動力とから逆算により算出すると良い。この逆モデル的な方法を用いることで、実際のターボチャージャの変換効率(機械効率など)が分からなくてもモデルを構築することができ、実機の定常値をモデルで再現することができる。
推定又は実測により求めた排気流量と、タービン上流側及び下流側の圧力と、タービン上流側の温度とに基づいてタービン動力を算出すると良い。
また、過給パワーと、推定又は実測により求めたコンプレッサ上流側の空気量、圧力及び温度とに基づいて過給圧を算出すると良い。
系には遅れが存在するため、過渡時にも精度良く過給圧を算出するために、吸気系での空気の遅れ、排気系での空気の遅れ、タービンイナーシャの遅れ、及び運転状態の変化に伴うターボチャージャの応答遅れの少なくとも1つを用いて、ターボチャージャにおける動力伝達の遅れを補償すると良い。
動力補助装置を備えたターボチャージャでは、タービン動力と動力補助装置による補助動力とを基にコンプレッサ駆動力を算出すると良い。これにより、動力補助装置により動力補助がなされる構成であっても精度良く過給圧が算出できる。この場合、動力補助装置による補助動力をパラメータに加えても、他のパラメータと同様、パラメータ(動力又はパワー)の統一化が可能であり、モデル等の構築が容易に実現できる。
また、タービンホイール、回転軸及びコンプレッサインペラよりなる動力伝達系を表すモデルを用い、その都度の排気特性及び吸気特性を基に過給圧を算出する。本構成によれば、排気及び吸気の特性を考慮しつつターボチャージャにおける動力伝達の原理に沿って過給圧が算出されるため、過給圧が精度良く算出できる。仮に周囲環境(温度条件や圧力条件)が変化しても現実の過給圧が精度良く算出できる。この場合、従来技術とは異なり周囲環境に応じたベースマップやベースマップに対する補正処理等が不要となり、安価なシステムが構築できる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、内燃機関である車載多気筒ガソリンエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものであり、当該制御システムのエンジンには過給機としてターボチャージャが設けられている。先ずは、図1を用いてエンジン制御システムの全体概略構成図を説明する。
図1に示すエンジン10において、吸気管11には、DCモータ等のアクチュエータによって開度調節されるスロットルバルブ14が設けられており、そのスロットルバルブ14の開度(スロットル開度)によって各気筒ヘの吸入空気量が調節される。スロットル開度はスロットル開度センサ15によって検出される。スロットルバルブ14の下流側にはサージタンク16が設けられ、このサージタンク16には吸気管圧力を検出するための吸気管圧力センサ17(吸気管圧力検出手段)が設けられている。また、サージタンク16には、エンジン10の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド18が接続されており、吸気マニホールド18において各気筒の吸気ポート近傍には燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁19が取り付けられている。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートにはそれぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられており、吸気バルブ21の開動作により空気と燃料との混合気が燃焼室23内に導入され、排気バルブ22の開動作により燃焼後の排ガスが排気管24に排出される。エンジン10のシリンダヘッドには気筒毎に点火プラグ25が取り付けられており、点火プラグ25には、点火コイル等よりなる図示しない点火装置を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ25の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室23内に導入した混合気が着火され燃焼に供される。
エンジン10のシリンダブロックには、エンジン10の回転に伴い所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角度センサ26が取り付けられている。
また、吸気管11と排気管24との間にはターボチャージャ30が配設されている。ターボチャージャ30は、吸気管11に設けられたコンプレッサインペラ31と、排気管24に設けられたタービンホイール32とを有し、それらが回転軸33にて連結されている。タービンホイール32は、排気管24内を流れる排気のエネルギーによって回転し、その回転エネルギーが回転軸33を介してコンプレッサインペラ31に伝達される。コンプレッサインペラ31は、このエネルギーを利用して吸気管11内を流れる吸入空気を圧縮して過給する。この過給の際、吸入空気の温度が上昇する。コンプレッサインペラ31の下流側には、圧縮された空気を冷却するインタークーラ37が設けられている。
吸気管11の最上流部には図示しないエアクリーナが設けられ、このエアクリーナの下流側には吸入空気の温度を検出する吸気温センサ41と、吸入空気量を検出するエアフロメータ42とが設けられている。その他、本制御システムでは、アクセルペダルの踏み込み操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ43や、大気圧を検出する大気圧センサ44が設けられている。
ECU(電子制御ユニット)50は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、その都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実施する。すなわち、ECU50には、前述した各種センサから各々検出信号が入力される。そして、ECU50は、随時入力される各種の検出信号に基づいて燃料噴射量や点火時期等を演算し、燃料噴射弁19や点火プラグ25の駆動を制御する。
また本実施の形態では、いわゆるトルクベース制御による電子スロットル制御を実施することとしており、エンジン10で生じるトルクを基準にしてスロットル開度を目標値に制御する。簡単に説明すると、ECU50は、アクセル開度センサ27の検出信号に基づいて要求トルクを演算すると共に要求トルクを満足する要求空気量を演算し、要求空気量、その都度のスロットル上流側及び下流側の圧力、吸気温度に基づいて目標スロットル開度を算出する。そして、ECU50は、スロットル開度を目標スロットル開度に制御する。
ここで、目標スロットル開度を算出するのに必要な過給圧(スロットル上流圧)の推定には、ターボチャージャ30の原理に基づいて構築したターボチャージャモデルを用い、該ターボチャージャモデルにより過給圧算出を実施する。
図2を用いて、ターボチャージャモデルM10について詳細に説明する。ターボチャージャモデルM10は、主要部分としてタービンホイール32をモデル化したタービンモデルM11と、回転軸33をモデル化したシャフトモデルM12と、コンプレッサインペラ31をモデル化したコンプレッサモデルM13とからなる。タービンモデルM11は、排気特性からタービン動力Ltを算出するタービン動力算出手段を備える。シャフトモデルM12は、タービンモデルM11で算出したタービン動力Ltを予め求めておいた変換効率を用いてコンプレッサ駆動力Lcに変換するコンプレッサ駆動力算出手段を備える。コンプレッサモデルM13は、シャフトモデルM12で求めたコンプレッサ駆動力Lcから実際に過給に使う過給パワーを算出する過給パワー算出手段と、過給パワーから過給圧を算出する過給圧算出手段を備える。
また、本ターボチャージャモデルM10は、ターボチャージャ30の各パーツモデル以外に、排気の遅れなどを考慮した排気管モデルM14と、吸気の遅れなどを考慮した吸気管モデルM15とを備える。
このように、構成要素毎のモデルの組み合わせによって全体のシステムモデルを構築し、過給の原理に基づいてエネルギー(動力)の流れでモデルを統一したパラメータで組むことによって、モデルを再利用する際の利便性(再利用性)を高めることができる。すなわち、一度構築したモデルを他のシステムに容易に適用することが可能となる。また、本モデルをベースにすれば、冗長性も高く、電動化した過給機のモデル化なども容易に行え、汎用性の高いモデルが実現できる。
以下にターボチャージャモデルM10の各構成要素の内容についてより詳細に説明する。本モデルはエネルギーの流れを追って構築してあるため、エネルギーの流れに着目して説明する。
ターボチャージャ30を駆動するエネルギーとなるのは、エンジン10の排気が持つエネルギーである。タービンモデルM11では、エンジン10の排気パラメータ(タービン上流圧Ptb_in、タービン下流圧Ptb_out、タービン上流温Ttb_in、排気流量mg、タービン断熱効率ηg)から式(1)を用いてタービン動力Ltを算出する。これらの排気パラメータである温度や圧力、流量は、センサ等による実測値でもモデルやマップによる推定値でも良い。一例として本実施の形態では、排気流量mgをエアフロメータ42の実測値と噴射信号(又は空燃比)とから算出すると共に、予め作成しておいたテーブルを用いて排気流量mgからタービン上下流圧Ptbとタービン上下流温Ttbを算出するものとする。
図3は排気流量mgとタービン上下流圧Ptb、タービン上下流温Ttbとの関係を示す図であり、この関係に基づいて作成したテーブルにより、排気流量mgに応じてタービン上流圧Ptb_in、タービン下流圧Ptb_out、タービン上流温Ttb_in、タービン下流温Ttb_outが算出される。
Figure 0004356072
式(1)で求めたタービン動力Ltが次のシャフトモデルM12の入力となる。ここで、cgは排気の比熱、κgは比熱比である。
シャフトモデルM12では、式(2)によってタービン動力Ltをコンプレッサ駆動力Lcに変換し出力する。ηtは動力変換効率である。
Figure 0004356072
式(2)で求めたコンプレッサ駆動力LcがコンプレッサモデルM13の入力となる。
コンプレッサモデルM13では、コンプレッサ駆動力Lcと効率ηcとから過給パワーを算出する(式(3))。また、式(3)を変形することによって式(4)が得られ、過給パワーの算出値と吸気パラメータ(吸入空気量mc、コンプレッサ入口圧Pc_in、吸気温Tc_in)を用いて過給圧Pc_outを算出する(式(4))。ここで、caは吸気の比熱、κaは比熱比である。吸入空気量mcはエアフロメータ42の検出信号から、コンプレッサ入口圧Pc_inは大気圧センサ44の検出信号から、吸気温Tc_inは吸気温センサ41の検出信号から、それぞれ算出される。
Figure 0004356072
Figure 0004356072
式(1),(2),(3)のηはそれぞれ効率である。効率はそれぞれ入力の動力(エネルギー)に対するテーブルもしくは、計算から求められる。効率ηgとηcは、温度、圧力から求められる断熱効率を用いて求めることができる。タービン動力Lt→コンプレッサ駆動力Lcの動力変換効率ηt(式(2)参照)は、各断熱効率を求めた後、モデルを同定する際に、実際に過給に必要なエネルギーとその時のタービン動力LtからLc/Ltを求めて決定する。この逆モデル的な方法を用いることで、実際のターボチャージャの変換効率(機械効率など)が分からなくてもモデルを組むことができ、実機の定常値をモデルで再現することができる。図4にタービン動力Ltに対する動力変換効率ηtを示す。
次に、前述したエネルギーの流れをつなぐための遅れ等のモデルについて説明する。実際には、ターボシステムにはタービンイナーシャや空気の遅れ等が発生するため、過渡時の過給圧を推定するためには、上記の各モデルをつなぐための遅れモデルが必要となる。吸気管11と排気管24の体積分の遅れは、状態方程式から式(5)のように表すことができ、吸気管11又は排気管24での圧力の変化に応じてそれぞれ算出される。式(5)において、Vは吸気管11又は排気管24の体積(実際には、コンプレッサからスロットルまでの吸気管体積又は排気ポートからタービンまでの排気管体積)、Rはガス定数、Tは吸気管11又は排気管24の温度、pは吸気管11又は排気管24の圧力、dp/dtはその微分値、minは吸気管11又は排気管24のガス流入量、moutは吸気管11又は排気管24のガス排出量である。
Figure 0004356072
エンジン回転数によってシリンダから排出される時間が変化するため、排気流量mgについてはエンジン回転数によって変化する遅れも考慮する必要がある。これはエンジン回転数で変化するムダ時間で模擬した。吸入空気量mcにおいても、体積の遅れのみでなく、実際にはスロットル上流に空気が到達するまでにはコンプレッサインペラ31やインタークーラ37により圧損の影響を受ける。そのため、NAエンジン(ターボ無しエンジン)に比べてスロットルバルブ14に到達するまでの抵抗が多く、遅れが生じる。この遅れを一次遅れで模擬した。
また、各配管の遅れに加えて、ターボチャージャ30の応答遅れがある。この遅れをムダ時間+一次遅れモデルで模擬する。その際の伝達関数の係数は運転条件によって変化することを考慮するとより詳細な過渡モデルが構築できる。この場合、実測値より、ターボチャージャ応答時間がエンジンの運転状態(流量や回転数、負荷など)によって変化することが分かる(図5)。具体的には、吸気管圧力が小さい場合或いはエンジン回転数が小さい場合は応答時間が長く、吸気管圧力や回転数が増加するとそれに伴い応答時間は短くなる。
従って、加速時の過渡特性を考えると、加速初期は吸気管圧力が小さいためターボチャージャの応答時間が大きく過給圧の応答遅れは大きくなるが、吸気管圧力の増加に従い応答時間が小さくなり過給圧の応答遅れが小さくなるため、実機の過渡時の過給圧特性は二次的なものになっていると考えられる。故に、一次遅れで構築した遅れモデルではこの特性を模擬することは困難であるので、一次遅れの伝達係数を運転状態によって可変としたり、又は運転状態を見てこの特性を補正するロジックを加えたりすることで、より精度良く過給圧推定を行える。
次に、ECU50による過給圧算出の処理の流れを図6〜図10のフローチャートに基づいて説明する。図6は、ベースルーチンを示すフローチャートであり、本ルーチンはECU50により例えば4msec毎に実行される。そして、図6のベースルーチンにおいて、図7〜図10のサブルーチンが適宜実行される。
図6に示すように、ベースルーチンは、排気管モデル計算ルーチン(ステップS110)、タービンモデル計算ルーチン(ステップS120)、シャフトモデル計算ルーチン(ステップS130)、コンプレッサモデル計算ルーチン(ステップS140)を備えてなる。
かかる場合、図7に示す排気管モデル計算ルーチンでは、ステップS111で排気流量の遅れを算出し、続くステップS112で排気特性の算出を実施する。具体的には、図3の関係を用い、その都度の排気流量mgに基づいて、タービン上流圧Ptb_in、タービン下流圧Ptb_out、タービン上流温Ttb_in、タービン下流温Ttb_outを算出する。
また、図8に示すタービンモデル計算ルーチンでは、ステップS121で前述の式(1)を用い、排気管モデル計算ルーチンで算出した排気特性に基づいてタービン動力Ltの算出を実施する。
図9に示すシャフトモデル計算ルーチンでは、ステップS131で前記図4の関係を用い、タービン動力Ltに基づいて動力変換効率ηtを算出する。続くステップS132では前述の式(2)を用い、タービン動力Ltと動力変換効率ηtとからコンプレッサ駆動力Lcを算出する。また、ステップS133ではタービンイナーシャによる遅れを算出する。
図10に示すコンプレッサモデル計算ルーチンでは、ステップS141で吸入空気量と吸気温とを読み込み、ステップS142で吸気管遅れを算出する。また、ステップS143でコンプレッサ効率ηcを算出し、ステップS144で前述の式(4)を用いて過給圧Pc_outを算出する。
図11は、本実施の形態を適用した場合の各種挙動を示すタイムチャートである。図11は上から順に排気流量、パワー(タービン動力Ltとコンプレッサ駆動力Lc)及び過給圧の変化を示す。
車両の加速等により排気流量が増加すると、排気管の遅れ分タービン動力Ltが遅れて立ち上がる。タービン動力Ltは各効率及びタービンイナーシャの遅れを介してコンプレッサ駆動力Lcに変換されるため、コンプレッサ駆動力Lcは図示するような挙動となる。コンプレッサ駆動力Lcが過給パワーに変換されて空気を過給し、図示するような過給圧が得られる。
図12は、エンジン回転数を固定とした状態でスロットルバルブを全閉から全開へステップ変化させた時の過給圧のシミュレーション結果を示すタイムチャートであり、過給圧を示すチャート部分において二点鎖線は実挙動を示し、実線はシミュレーション結果を示す。本チャートによれば、過渡時における過給圧の変化が精度良く推定できることが確認できる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
ターボチャージャ30を構成要素毎にモデル化してタービンモデル、シャフトモデル、コンプレッサモデルを設定し、各モデルにより、タービン動力Lt→コンプレッサ駆動力Lc→過給パワー→過給圧Pc_outといった順序で各パラメータを算出した。また、タービン動力Ltの算出には排気特性を反映させ、過給パワー(過給圧Pc_out)の算出には吸気特性を反映させるようにした。これにより、排気及び吸気の特性を考慮しつつターボチャージャ30における動力伝達の原理に沿って過給圧Pc_outを精度良く算出することができる。仮に周囲環境(温度条件や圧力条件)が変化しても現実の過給圧Pc_outが精度良く算出できる。この場合、周囲環境に応じたベースマップやベースマップに対する補正処理等が不要となり、安価なシステムが構築できる。
過給圧Pc_outが精度良く算出できることから、その過給圧Pc_outをパラメータとする電子スロットル制御も好適に実施できる。これにより、空気量制御の精度も向上する。また、電子スロットル制御を実施する上で、過給圧(スロットル上流圧)を検出するための圧力センサが不要となり、これによっても低コスト化が実現できる。
吸気系や排気系での空気の遅れ、タービンイナーシャの遅れ、及び運転状態の変化に伴うターボチャージャの応答遅れを考慮してターボチャージャ30における動力伝達の遅れを補償する構成としたため、過渡時においても過給圧Pc_outが精度良く算出できる。
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
例えば車両の加速時にはその加速当初に排気動力が遅れて立ち上がり、過給の遅れ(いわゆるターボラグ)が発生する。そのため、過給の遅れを解消するべくターボチャージャ30に動力補助装置を設けたものがある。具体的には、ターボチャージャ30の回転軸33に動力補助装置としてのモータを設けた構成が知られており、このターボチャージャは電動ターボとも称される。
図13には、電動ターボモデルに拡張した場合のターボチャージャモデルの構成図を示す。図13に示すターボチャージャモデルM20では、前記図2のターボチャージャモデルM10との相違点として、モータモデルM21を追加している。この場合、電動ターボモデルに拡張する際は、タービンモデルM11から出力されたタービン動力Ltに、モータモデルM21で算出されたアシスト動力(電動力)Leを付加し、その結果(Lt’)に基づいてコンプレッサ駆動力Lcを算出する構成とすれば良く、容易に電動ターボモデルを構築することができる。
図14は、電動ターボ化した構成において排気流量増加時の各種パラメータの挙動を示すタイムチャートである。図中、破線部分は、電動アシストの無い場合の挙動を示している。この場合、排気流量の増加時において所定期間で電動アシストをONすることにより、タービン動力Ltの立ち上がりが早くなり、タービンイナーシャ分の遅れを経てコンプレッサ駆動力Lcが立ち上がる。コンプレッサ駆動力Lcの増加に応じて過給圧が図示の如く上昇する。本構成によれば、電動ターボチャージャにおいて精度良く過給圧が算出できる。
上述したターボチャージャモデルは、排気特性から過給圧を算出するモデルであるため、トルクベース制御にこだわらず、ディーゼルエンジンなどのターボチャージャ付内燃機関にも使用することができる。
発明の実施の形態におけるエンジン制御システムの概略を示す構成図である。 ターボチャージャモデルの概略を示す図である。 排気特性を算出するための図である。 タービン動力と動力変換効率との関係を示す図である。 エンジン運転状態とターボチャージャ応答時間との関係を示す図である。 ベースルーチンを示すフローチャートである。 排気管モデル計算ルーチンを示すフローチャートである。 タービンモデル計算ルーチンを示すフローチャートである。 シャフトモデル計算ルーチンを示すフローチャートである。 コンプレッサモデル計算ルーチンを示すフローチャートである。 排気流量、タービン動力、コンプレッサ駆動力及び過給圧の挙動を示すタイムチャートである。 過給圧のシミュレーション結果を示すタイムチャートである。 電動化したターボチャージャモデルの概略を示す図である。 タービン動力、コンプレッサ駆動力及び過給圧の挙動を示すタイムチャートである。
符号の説明
10…エンジン、11…吸気管、24…排気管、30…ターボチャージャ、31…コンプレッサインペラ、32…タービンホイール、33…回転軸、50…ECU。

Claims (7)

  1. 排気エネルギーにより回転するタービンホイールと該タービンホイールに回転軸を介して連結されたコンプレッサインペラとを有し、コンプレッサインペラの回転により吸入空気を圧縮して過給を行うターボチャージャを備えた内燃機関の制御装置において、
    内燃機関の排気特性を基に、タービンホイールで生じるタービン動力を算出するタービン動力算出手段と、
    前記タービン動力を基に、コンプレッサインペラを駆動するコンプレッサ駆動力を算出するコンプレッサ駆動力算出手段と、
    内燃機関の吸気特性と前記コンプレッサ駆動力を基に、過給に使われる過給パワーを算出すると共に、該過給パワーから過給圧を算出する過給圧算出手段と、
    を備えたことを特徴とするターボチャージャを備えた内燃機関の制御装置。
  2. 前記タービンホイールをモデル化したタービンモデルと、前記回転軸をモデル化したシャフトモデルと、前記コンプレッサインペラをモデル化したコンプレッサモデルとを設定し、各モデルにより、前記タービン動力算出手段、前記コンプレッサ駆動力算出手段、前記過給圧算出手段をそれぞれ構成することを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャを備えた内燃機関の制御装置。
  3. タービン動力をコンプレッサ駆動力に変換するための動力変換効率を、前記各モデルを同定する際に実測した過給圧とその時のタービン動力とから逆算により算出することを特徴とする請求項2に記載のターボチャージャを備えた内燃機関の制御装置。
  4. 前記タービン動力算出手段は、推定又は実測により求めた排気流量と、タービン上流側及び下流側の圧力と、タービン上流側の温度とに基づいてタービン動力を算出することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のターボチャージャを備えた内燃機関の制御装置。
  5. 前記過給圧算出手段は、過給パワーと、推定又は実測により求めたコンプレッサ上流側の空気量、圧力及び温度とに基づいて過給圧を算出することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のターボチャージャを備えた内燃機関の制御装置。
  6. 吸気系での空気の遅れ、排気系での空気の遅れ、タービンイナーシャの遅れ、及び運転状態の変化に伴うターボチャージャの応答遅れの少なくとも1つを用いて、ターボチャージャにおける動力伝達の遅れを補償することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のターボチャージャを備えた内燃機関の制御装置。
  7. 前記回転軸に補助動力を付加する動力補助装置を備え、前記コンプレッサ駆動力算出手段は、前記タービン動力と前記動力補助装置による補助動力とを基にコンプレッサ駆動力を算出することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のターボチャージャを備えた内燃機関の制御装置。
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