JP4355978B2 - 寿司挾み具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、握り寿司や箱寿司等の寿司を食する際に用いる、便利な寿司挾み具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、握り寿司や箱寿司を食する際には、手で寿司を直接持って食べたり、箸を使ったりしている。そして、この場合、寿司の寿司飯(シャリ)側に醤油を付けるよりも、寿司を裏返えして、魚貝等の寿司種に醤油を付けて食べた方が望ましいとされている。というのは、握り寿司や箱寿司の味の根本は、新鮮な魚貝等の寿司種と寿司飯の味の調和にある。醤油は、その味を補い、添え味の役目を果たすものである。醤油の方が主になっては困る。従って、寿司種の方に少し付けるようにして、寿司飯の方には付けないか、付けても少しという程度が望ましい。それに寿司飯に醤油をたくさん付けると、寿司飯がバラバラにほぐれてしまって食べにくい。そのうえ、醤油をたくさん付けすぎると、塩分のとりすぎになり、健康上からも好ましくない。また、人によっては、魚貝等の寿司種を箸で摘まんで、これを寿司飯の上から外して醤油を付け、そして、この寿司種を再び寿司飯の上面に戻して、寿司を食べることも行なっているが、これでは寿司種に醤油が付けすぎになったり、寿司種と寿司飯の中間で醤油の味がしたりして、寿司種と寿司飯の味の調和がくずれてしまい、決して美味しい食べ方とは言えないものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし近年、とくに子供、老人(高齢者)や障害者などでは、手で寿司を直接持って食べる場合は別として、2本の箸で寿司をつかんだ状態でこれを裏返えし、魚貝等の寿司種に醤油を付けるといった一連の動作を行なうのが非常に不得手であり、寿司種に醤油を付けて、寿司をうまく食べることができないという問題があった。
【0004】
この発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、握り寿司や箱寿司等の寿司を挾んだ状態で裏返しても魚貝等の寿司種が落ちず、寿司種に直接醤油を付けることができて、子供、老人や障害者であっても、きわめて簡単に、寿司を美味しく正しく食べることができる寿司挾み具を提供しようとすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明による寿司挾み具は、平面よりみて長い略U形の挾み具本体の先端部に、寿司の左右両側部を把持する左右寿司把持部が設けられ、左右寿司把持部のうちの少なくとも一方の寿司把持部の上縁部に、内方に突出しかつ魚貝等の寿司種の側部上面を押える寿司種押え用凸部が設けられていることを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0007】
この明細書において、左右および前後は、図1を基準とし、左とは図2の下側、右とは同上側をいゝ、また前とは同図の左側、後とは同右側をいうものとする。
【0008】
この発明の第1実施形態を示す図1〜図4を参照すると、この発明による寿司挾み具(1) は、平面よりみて長い略U形の挾み具本体(2) の先端部に、寿司(10)の左右両側部を把持する左右寿司把持部(3)(4)が設けられ、左右寿司把持部(3) (4)のそれぞれ上縁部に、内方に突出しかつ魚貝等の寿司種(11)の側部上面を押 える寿司種押え用凸部(5)(5)が設けられているものである。
【0009】
ここで、寿司挾み具本体(2) は、金属板、プラスチック、金属とプラスチックとの複合材、竹、木材などが挙げられる。
【0010】
この第1実施形態では、長い略U形の寿司挾み具本体(2) は、手で持つ互いに平行な把手部(6)(6)と、把手部(6)(6)同士を、これらの基端部において連結する屈曲部(7) と、把手部(6)(6)のそれぞれ先端部と左右寿司把持部(3)(4)との中間部分に設けられかつ前方に向かって左右両側方に開く傾斜状連結部(8)(8)とで構成され、長い略U形の寿司挾み具本体(2) は、素材の弾性により、これの左右寿司把持部(3)(4)が寿司の幅もしくはこれよりもやゝ広い幅に、常に開くようになされている。
【0011】
寿司(10)の大きさは、魚貝等の寿司種(11)の大きさや寿司飯(シャリ)(12)の握り方によって異なるが、例えば通常、寿司(10)の高さが15〜30ミリ、長さが30〜60ミリ、幅が20〜40ミリ程度である。従って、寿司挾み具(1) の左右寿司把持部(3)(4)の大きさは、このような寿司(10)を挾んで保持し得る大きさであれば良い。たゞし、寿司(10)の全体を挾み具(1) の左右寿司把持部(3)(4)で挾んで把持する必要はなく、寿司(10)の2分の1ないし4分の3程度を左右寿司把持部(3)(4)により挾んで保持することができれば良い。左右寿司把持部(3) (4)は、図2に示すように、互いに対向する横断面凹弧形となされていて、寿司 (10)の左右両側部を把持しやすいようになされている。
【0012】
また、寿司種押え用凸部(5)(5)は、左右寿司把持部(3)(4)の上縁部にそれぞれ設けられている場合には、例えば図3に示すように、魚貝等の寿司種(11)の幅の6分の1ないし4分の1程度を押さえるようになされておれば良い。
【0013】
そしていま、本発明の寿司挾み具(1) の長い略U形の挾み具本体(2) の平行な把手部(6)(6)を手で持って、左右寿司把持部(3)(4)により寿司(10)の左右両側部を挾んだ状態では、図3と図5aに示すように、左右寿司把持部(3)(4)の上縁部の寿司種押え用凸部(5)(5)により魚貝等の寿司種(11)の左右両側部分、とくに両側縁部から寿司種(11)の幅の4分の1程度が押さえられている。従ってこの状態で、図5bに示すように、寿司挾み具(1) の上下を反転させて、挾んでいる寿司(10)を裏返えしても魚貝等の寿司種(11)が落ちず、小皿(14)の中の醤油(15)を寿司種(11)に直接付けることができる。これによって、子供、老人や障害者であっても、きわめて簡単に、寿司を美味しく正しく食べることができるものである。
【0014】
また、この第1実施形態では、寿司挾み具(1) の左右寿司把持部(3)(4)の先端部(3a)(4a)がそれぞれ内方に向かって曲げられた形状を有しており、このため、例えば図6に示すように、左右寿司把持部(3)(4)の先端部(3a)(4a)によりガリ (生姜)(13)や漬物を挾むことができて、非常に便利である。
【0015】
つぎに、図7と図8は、この発明の第2実施形態を示すものである。ここで、上記第1実施形態の場合と異なる点は、長い略U形の挾み具本体(2) の左右両把手部(6)(6)がそれぞれストレートであるとともに、把手部(6)(6)先端部の水平状の左右寿司把持部(3)(4)に対し、把手部(6)(6)が20〜50°、好ましくは30〜45°の傾斜角度で傾斜している点、挾み具本体(2) の屈曲部(7) 近くの左右両把手部(6)(6)の基端部同士の間にコイルばね(20)が介在され、コイルばね(20)の両端部が、両把手部(6)(6)の内壁部にそれぞれ設けられた内方突起(21)(21)により保持されている点にある。
【0016】
このような第2実施形態による寿司挾み具(1) によれば、挾み具本体(2) の把手部(6)(6)が傾斜しているため、非常に持ちやすく、寿司挾み具(1) の取扱いが容易であるという利点がある。また挾み具本体(2) の左右両把手部(6)(6)がコイルばね(20)の弾発力により常に開いて、これらの先端部の左右寿司把持部(3)(4)が寿司の幅もしくはこれよりもやゝ広い幅に、常に開くようになされており、このため、寿司挾み具(1) の素材として弾性の無い材料でも使用することができるという利点がある。
【0017】
この第2実施形態のその他の点は上記第1実施形態の場合と同様であるので、図面において同一のものには同一の符号を付した。
【0018】
図9〜図11は、この発明の第3実施形態を示すもので、ここで、上記第1実施形態の場合と異なる点は、長い略U形の挾み具本体(2) の左右両把手部(6)(6)がそれぞれストレートであるとともに、把手部(6)(6)先端部の水平状の左右寿司把持部(3)(4)に対し、上記第2実施形態の場合と同様に、把手部(6)(6)が20〜50°、好ましくは30〜45°の傾斜角度で傾斜している点、左右寿司把持部(3)(4)の下縁部に沿って内方凸部(3b)(4b)がそれぞれ設けられ、また左右寿司把持部(3)(4)は互いに平行である点にある。
【0019】
このような第3実施形態による寿司挾み具(1) によれば、挾み具本体(2) の把手部(6)(6)が傾斜しているため、非常に持ちやすく、寿司挾み具(1) の取扱いが容易である。また左右寿司把持部(3)(4)の下縁部に内方凸部(3b)(4b)が設けられているため、左右寿司把持部(3)(4)により寿司(10)の左右両側部を挾んだ際、寿司(10)の寿司飯(12)部分を確実に保持し得るという利点がある。また左右寿司把持部(3)(4)が互いに平行であるため、寿司挾み具(1) の製作が容易であるという利点がある。
【0020】
なお、図12aは寿司挾み具(1) により握り寿司(10)を挾んだ状態を示し、図12bは寿司挾み具(1) により挾んだ寿司を、寿司挾み具(1) と共に裏返えして魚貝等の寿司種(11)に醤油(15)を付ける状態を示している。
【0021】
この第3実施形態のその他の点は上記第1実施形態の場合と同様であるので、図面において同一のものには同一の符号を付した。
【0022】
また、図13〜図15は、この発明の第4実施形態を示すもので、ここで、上記第3実施形態の場合と異なる点は、長い略U形の挾み具本体(2) 先端部の左側寿司把持部(3) の上縁部のみに、内方に突出しかつ魚貝等の寿司種(11)の側部上面を押える寿司種押え用凸部(5) が設けられている点、他方、右寿司把持部(4) の上縁部に沿って幅狭の内方凸部(4c)がそれぞれ設けられ点、および挾み具本体(2) の左右両把手部(6)(6)の屈曲部(7) 寄りの下縁部分に、寿司店名や広告の文字(16)を描くための張出部(9)(9)がそれぞれ設けられている点にある。
【0023】
このような第4実施形態による寿司挾み具(1) によれば、挾み具本体(2) 先端部の左側寿司把持部(3) 上縁部の寿司種押え用凸部(5) によって、魚貝等の寿司種(11)の左側部上面を押えることができる。なおこの場合、右寿司把持部(4) の上縁部に沿って設けられた幅狭の内方凸部(4c)は、寿司種(11)の右側部上面をわずかに押えることができる程度である。こうして、寿司挾み具(1) により握り寿司(10)を挾んだ状態で裏返しても魚貝等の寿司種(11)が落ちず、寿司種(11)に直接醤油(20)を付けることができて、きわめて簡単に、寿司(10)を美味しく正しく食べることができる。また、挾み具本体(2) の左右両把手部(6)(6)の屈曲部(7) 寄りの下縁部分に、設けられた張出部(9)(9)に寿司店名や広告の文字(16)を描くことにより、寿司挾み具(1) に広告宣伝機能を付与し得るという利点がある。
【0024】
この第4実施形態のその他の点は上記第3実施形態の場合と同様であるので、図面において同一のものには同一の符号を付した。
【0025】
【発明の効果】
この発明による寿司挾み具は、上述のように、平面よりみて長い略U形の挾み具本体の先端部に、寿司の左右両側部を把持する左右寿司把持部が設けられ、左右寿司把持部のうちの少なくとも一方の寿司把持部の上縁部に、内方に突出しかつ魚貝等の寿司種の側部上面を押える寿司種押え用凸部が設けられているものであるから、この発明の寿司挾み具によれば、握り寿司や箱寿司等の寿司を挾んだ状態で裏返しても魚貝等の寿司種が落ちず、寿司種に直接醤油を付けることができて、子供、老人や障害者であっても、きわめて簡単に、寿司を美味しく正しく食べることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態を示す本発明品の平面図である。
【図2】図1のAーA線に沿う断面図である。
【図3】図1の本発明品により寿司を挾んだ使用状態を示す平面図である。
【図4】図1の本発明品の左側面図である。
【図5】図1の本発明品の使用状態を示す側面図で、図5aは寿司を挾んだ状態、図5bは挾んだ寿司を裏返えして寿司種に醤油を付ける状態を示している。
【図6】図1の本発明品によりガリを挾んだ使用状態を示す平面図である。
【図7】第2実施形態を示す本発明品によりガリを挾んだ使用状態の平面図である。
【図8】図7の本発明品の左側面図である。
【図9】第3実施形態を示す本発明品の斜視図である。
【図10】図9の本発明品の平面図である。
【図11】図9のBーB線に沿う断面図である。
【図12】図9の本発明品の使用状態を示す側面図で、図12aは寿司を挾んだ状態、図12bは挾んだ寿司を裏返えして寿司種に醤油を付ける状態を示している。
【図13】第4実施形態を示す本発明品の斜視図である。
【図14】図13の本発明品の平面図である。
【図15】図13のCーC線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 寿司挾み具
2 長い略U形の挾み具本体
3 左寿司把持部
4 右寿司把持部
5 寿司種押え用凸部
6 左右把手部
10 寿司
11 魚貝等の寿司種
12 寿司飯

Claims (1)

  1. 平面よりみて長い略U形の挾み具本体(2) の先端部に、寿司(10)の左右両側部を把持する左右寿司把持部(3)(4)が設けられ、左右寿司把持部(3)(4)のうちの少なくとも一方の寿司把持部の上縁部に、内方に突出しかつ魚貝等の寿司種(11)の側部上面を押える寿司種押え用凸部(5) が設けられていることを特徴とする、寿司挾み具。
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