JP4355427B2 - 浮力材、浮力材付き着用物、及び浮力材付き釣り用ケース - Google Patents
浮力材、浮力材付き着用物、及び浮力材付き釣り用ケース Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帽子や衣服等の身体に着用される着用物やバッグ等の釣り用ケースなどに用いられる浮力材、及び該浮力材を備えた浮力材付き着用物及び釣り用ケースに関し、特に、フローティングベストに用いられる浮力材及びフローティングベストに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のフローティングベストは、左右の前身ごろと後ろ身ごろに、プラスチック発泡体からなる略板状の浮力材を備え、これらの浮力材は、ベストの表地と裏地との間の収容空間に収容されているものが一般的である。
【0003】
これに対して、近年、浮力材を直接縫製等によりベストの服地に固着して、浮力材自体がベストの一部分を構成するものも提案されている。この場合、浮力材は外部に露出することになり、従来では、略板状のプラスチック発泡体の表面に被覆体としてジャージを接着し、該ジャージでプラスチック発泡体全体を覆っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、この種のフローティングベストには、更なる浮力性能の向上が期待され、そのため浮力材のより一層の改良が求められていた。
【0005】
それゆえに本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、浮力材の更なる浮力性能の向上を図ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、浮力材の被覆体の吸水性に着目し、上記従来のジャージの吸水を排除する、即ち、防水性の被覆体を使用することにより、従来以上の浮力性能を確保することができるという知見を得て本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明に係る浮力材は、プラスチック発泡体(1)の表面に防水性フィルムが接着されている浮力材であって、略板状のプラスチック発泡体(1)の表面に防水性フィルムを接着し、該プラスチック発泡体(1)を防水性フィルムと共に厚み方向に一体的に金型で圧縮成形し圧縮成形時の圧縮量に差を設けることにより、浮力材の表面に凹凸を形成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る浮力材及び浮力材付き着用物の一実施形態について、図1及び図2を参酌しつつ、略板状のプラスチック発泡体1の表面に被覆体2が接着された浮力材3を備えている釣り用衣服としてのフローティングベストについて説明する。
【0010】
該ベストは、左右の前身ごろ4,4と後ろ身ごろ5とから構成されており、後ろ身ごろ5は、左右の脇部においてウエスト調節可能なウエスト連結体6,6で前身ごろ4,4と連結されている。そして、該後ろ身ごろ5全体が浮力材3で構成されている。即ち、浮力材3は外部に露出した状態にある。
【0011】
該浮力材3は、略板状のプラスチック発泡体1と、該プラスチック発泡体1の表面全体を覆うようにプラスチック発泡体1に接着された被覆体2とからなる。即ち、プラスチック発泡体1の外面1aと内面1bとに各々被覆体2が全体に亘って接着されており、外面1a側の被覆体2と内面1b側のそれとは、浮力材3の周縁部Aで重ね合わせられて相互に固着されている。
【0012】
尚、浮力材3の側縁部Bにおいて、この重ね合わせられた両被覆体2が前記ウエスト連結体6と縫着により固定されている。
【0013】
ここで、プラスチック発泡体1としては、エチレン酢酸ビニル共重合体やポリ塩化ビニルやポリスチレン等の発泡体を使用でき、本実施形態ではエチレン酢酸ビニル共重合体の発泡体を使用している。
【0014】
また、プラスチック発泡体1を被覆する被覆体2としては、従来のようなジャージではなく、防水性フィルムが採用されている。該防水性フィルムとしては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリウレタン(PU)フィルム等の種々の公知のものを採用できる。特に、プラスチック発泡体1と熱融着可能なものが好ましく、本実施形態では、ポリウレタンフィルムを使用し、プラスチック発泡体1の外内面1a,1bに熱融着により接着している。
【0015】
一方、浮力材3は、その表面、特に外面1a側に所定の凹凸が形成されている。即ち、浮力材3の外面1aは、所定形状の複数の凸部7(厚肉部)と、該凸部7よりも厚みの薄い複数の凹部8(薄肉部)とが設けられている。そして、図2のように、凹部8におけるプラスチック発泡体1の厚みは、凸部7のそれに比して薄くなっている。この厚みの薄い凹部8の箇所で浮力材3が折れ曲がりやすくなっており、この線状の凹部8は折曲部として機能する。
【0016】
このように浮力材3の厚みに変化を持たせる手法としては、例えば、略均一厚の略板状のプラスチック発泡体1の所定部位を削りとって厚みを薄くして前記凹部8を構成することも可能であるが、本実施形態では、以下の手法を採用している。
【0017】
即ち、まず、略均一厚の略板状のプラスチック発泡体1を所定形状に裁断し、このプラスチック発泡体1の両面1a,1bに防水性フィルムを熱融着により接着する。あるいは、最初に、防水性フィルムを熱融着により接着した後に所定形状に裁断することもできる。無論、接着剤を塗布して防水性フィルムを接着してもよい。
【0018】
そして、この防水性フィルムが接着されたプラスチック発泡体1を、図2の二点鎖線Cにて示す状態から、防水性フィルムと共に厚み方向に一体的に熱成形して、浮力材3の主として外面1aに所定の凹凸を形成する。即ち、上下一対の金型でプラスチック発泡体1を圧縮成形し、部分的に強く圧縮することで前記凹部8を形成すると共に、それより弱く圧縮することによって前記凸部7を形成する。このように、圧縮成形時の圧縮量に差を設けることにより凹凸を形成することができる。尚、この際、防水性フィルムの接着時よりも高い温度で熱成形する。
【0019】
このように、防水性フィルムと共に一体的に熱成形することによって凹凸を形成することで、接着した防水性フィルムがより一層確実にプラスチック発泡体1と密着し、特に、凹部8においても高い密着性が得られる。
【0020】
以上のようにして所定の凹凸を形成したのち、重ね合わせられて接着された周縁部Aにおいてウエスト連結体6と縫着により固定する。
【0021】
かかるベストにあっては、浮力材3の被覆体2として防水性フィルムを使用しているので、従来のジャージに比して被覆体2の吸水が排除され、且つ、全体を覆っているので内部のプラスチック発泡体1の吸水も防止できる。従って、ジャージを使用したもの以上の浮力性能を得ることができる。特に、多湿、高温下の環境下においてその効果が大きい。
【0022】
また、防水性フィルムであるので汚れが付着しにくく且つ、付着した場合でも簡単に除去することができるという利点もある。
【0023】
更に、外面1aに凹凸を形成し、凹部8が折曲部として機能することにより、浮力材3が凹部8に沿って容易に折れ曲がるようになり、両肩部近傍では上下左右に、また、腰近傍では左右に、それぞれ容易に折れ曲がる。
【0024】
従って、該ベストを着用した場合、着用者の体型に合わせて浮力材3が上下あるいは左右に折れ曲がって体に沿うので、ベストとの高い密着性が確保される。しかも、着用者の動きにも対応して浮力材3が折れ曲がり変形するので常にベストが体にフィットし、違和感なく釣りを行うことができる。
【0025】
尚、外面1aのみならず内面1bにも凹凸を設けてもよい。また、外面1a若しくは内面1bの何れか一方にのみ防水性フィルムを接着し、他方には、例えば、従来と同様にジャージを接着することも可能である。このように、一部に防水性フィルムを接着することもできる。
更に、上記では浮力材自体が直接固着されてベストの一部分を構成する構成について説明したが、ベストに浮力材を収容する収容空間を設け、その収容空間にこの浮力材を収容する一般的なベストであっても無論よい。この場合、縫い目等から収容空間内に水が浸入することがあるので、防水性フィルムによる効果が得られる。
【0026】
更に、フローティングベスト以外の釣り用衣服、その他の衣服にも適応できる他、例えば帽子等のような衣服以外の着用物にも適応できる。
【0027】
また、図3のように、浮力材を備えた釣り用ケースにも適応可能である。該ケースは、ケース本体20の所定部位が浮力材21で覆われた構成となっており、万一、ケースを海等に落下させた場合でも、浮力材21の浮力によってケースが水面に浮く。該浮力材21も、上述したのと同様に、プラスチック発泡体22の表面に防水性フィルムからなる被覆体23が接着されているものであり、該防水性フィルムによる防水効果によって浮力材21の浮力低下が抑制される。このように、本発明の浮力材は種々のものに適応できる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、プラスチック発泡体の表面に防水性フィルムを接着したことにより、従来のジャージを接着した場合に比して更に浮力性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるフローティングベストを示す背面図。
【図2】図1のP−P線端面図。
【図3】他実施形態における釣り用ケースを示す一部破断線を含む斜視図。
【符号の説明】
1,22…プラスチック発泡体、2,23…被覆体(防水性フィルム)、3…浮力材、4…前身ごろ、5…後ろ身ごろ、6…ウエスト連結体、7…凸部、8…凹部
Claims (3)
- プラスチック発泡体(1)の表面に防水性フィルムが接着されている浮力材であって、略板状のプラスチック発泡体(1)の表面に防水性フィルムを接着し、該プラスチック発泡体(1)を防水性フィルムと共に厚み方向に一体的に金型で圧縮成形し圧縮成形時の圧縮量に差を設けることにより、浮力材の表面に凹凸を形成したことを特徴とする浮力材。
- 請求項1に記載の浮力材を備えたことを特徴とする浮力材付き着用物。
- 請求項1に記載の浮力材を備えたことを特徴とする浮力材付き釣り用ケース。
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