JP4355415B2 - 光走査装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、光走査装置に関し、特に、レーザビームプリンタ及びデジタル複写機等に使用され、偏向手段の偏向反射面の角度特性によって感光体等の被走査面上の光量分布を補正する機能を備えた光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザビームプリンタ等においては、画像信号に応じて光源手段から出射された光束を光変調している。光変調された光束を例えばポリゴンミラーから成る偏向手段により、周期的に偏向させfθ特性を有する結像光学系によって感光性の記録媒体面上にスポット上に集光させ光走査して画像記録を行なっている。
【0003】
図10は、従来の光走査装置の要部概略図である。光源手段1から出射した光束は集光レンズ2により平行光束とし、絞り3によって該光束を制限してシリンドリカルレンズ4に入射している。シリンドリカルレンズ4に入射した平行光束のうち主走査方向においてはそのまま平行光束で出射する。又、副走査方向においては収束してポリゴンミラーより成る偏向手段5の偏向反射面6にほぼ線像として結像している。そして、偏向手段5の偏向反射面6で反射偏向された光束はfθ特性を有するfθ結像光学系7を介して被走査面である感光体ドラム9上に導光されている。そして、偏向手段5を矢印の方向に回転させることによって被走査面9上を光走査している。
【0004】
図11は、偏向手段5近傍の要部概略図である。この光学系は、ファセットすなわち偏向反射面6の走査方向の面幅よりも広い光束が偏向手段5であるポリゴンミラーに入射するオーバーフィルド光学系である。このようなオーバーフィルド光学系においては、ポリゴンミラーの外接円半径:Rp、ファセット面数:M、ファセットの走査方向の面幅:Faとの間には次式で示される関係が成り立つ。
【0005】
Fa=2・Rp・SIN(π/M)
又、オーバーフィルド走査光学系(OFS)においては、光源手段である半導体レーザから出射された光束の一部がポリゴンミラーで反射偏向しているため、反射偏向された光束幅はファセットへの入射光束から見た見かけ上のファセット幅によって決定される。よって、反射偏向された光束幅:Wθi、ファセットの走査方向の面幅:Fa、半導体レーザから出射された光束がファセットへ入射する入射角:θiとの間には次式で示される関係が成り立つ。
【0006】
Wθi=Fa・cosθi
この関係式から、ポリゴンミラーによって反射偏向された光束の幅は半導体レーザから出射された光束がファセットへ入射する入射角が大きくなるにつれ、その角度の余弦だけ狭くなることが判る。すなわち、それは、ポリゴンミラーによって反射偏向された光束の光強度は半導体レーザから出射された光束がファセットへ入射する入射角が大きくなるにつれて減少してしまうことを意味し、感光性の記録媒体面である被走査面上の走査位置によって光量分布にばらつきが生じることになる。
【0007】
又、半導体レーザから出射した光束がガウス分布をしている場合においては、ポリゴンミラーによって反射偏向された光束の光強度は画角によってますます変化し、被走査面上の走査位置によって光量分布が大きくばらつき、画質の劣化を招く原因となる。
【0008】
そのため、たとえば特開平08−160338号公報に開示された光走査装置においては、光源手段と偏向手段との間に透過率分布が設定されたフィルタを設けて、ポリゴンミラーへ入射する光束の光量分布を均一にしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光源手段と偏向手段との間に透過率分布を設定したフィルタを、小さく設定するとフィルタの内の透過率分布の精度が厳しくなり、透過率分布を設定したフィルタの大型化は免れない。
【0010】
又、フィルタ自体の透過率が低く、半導体レーザから出射された光束の光量損失が大きくなり、必要以上に高出力な半導体レーザを使用しなければならない。
【0011】
又、部品点数が増えることによって、コストアップが必至である。
【0012】
更に、結像光学系にプラスチックレンズを使用した場合においては、半導体レーザの偏光方向とポリゴンミラーで反射偏向された光束の各レンズ面への入射角度とによって、光強度が異なり、被走査面上での光量分布にばらつきが生じるという問題がある。
【0013】
そこで、本発明は、感光性の記録媒体である被走査面上に光走査される光束の光強度を略均一にして、走査位置による光量分布を略均一に補正することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明は、半導体レーザと、偏向手段と、前記半導体レーザから出射した光束を前記偏向手段の偏向面に導く入射光学系と、前記偏向手段の偏向面にて偏向走査された光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、を備えた光走査装置であって、
前記偏向手段の偏向面は、アルミナからなり、
前記偏向手段の偏向面に入射する光束の主走査方向の光束幅は、前記偏向手段の偏向面の主走査方向の幅よりも大きく、
主走査断面に投影した場合、前記半導体レーザから出射した光束は、前記結像光学系の光軸方向から前記偏向手段の偏向面に入射しており、
前記半導体レーザから出射した光束は、前記偏向手段の偏向面にS偏光で入射しており、
主走査断面内において、前記偏向手段の偏向面に入射する光束と前記偏向面の面法線が成す角度を面入射角と定義すると、
前記被走査面の走査有効領域の中央部に走査される光束が前記偏向手段の偏向面に入射する時の光強度をIa、前記被走査面の走査有効領域の中央部に走査される光束の面入射角における前記偏向面の反射率をRaとし、
前記走査有効領域の周辺部に走査される光束が前記偏向手段の偏向面に入射する時の光強度をIb、前記走査有効領域の周辺部に走査される光束の面入射角における前記偏向面の反射率をRbとしたとき、前記反射率Rbは、前記反射率Raより大きく、
【数2】
なる条件を満足するようにしている。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明においては、ポリゴンミラーのファセットよりも狭い光束をポリゴンミラーに入射させるオーバーフィルド走査光学系(OFS)のタイプの光学系において、半導体レーザである光源手段から出射した光束が偏向反射面へ入射する角度によって偏向反射面の反射率が変化するように設定し、全体的な光強度を低減させることなく、また部品点数を増やすことなく容易に感光性の記録媒体である被走査面上の光量分布を所望な量だけ補正し、理想的な光量分布にする。
【0016】
又、本発明においては、OFSのタイプの光学系において、走査有効領域の中央部に光走査された光束の光強度をI0、走査有効領域の周辺部に光走査された光束の光強度をIθとしたとき、0.95×I0≦Iθ≦1.05×I0を満足するように、各画角に対応する光束の入射角度に対して偏向反射面の反射率を設定し、画角によって透過率の変化が大きい非球面プラスチックレンズが結像光学系に含まれている場合においても、被走査面上の光量分布を一様に補正する。
【0017】
又、本発明においては、光束が偏向反射面へ入射する角度を面入射角θIとし、面入射角θI=0のときの偏向反射面の反射率をR0、面入射角θI=θのときの偏向反射面の反射率をRθとしたとき、
0.95×R0/COSθ≦Rθ≦1.05×R0/COSθ
を満足するように、該偏向反射面の反射率の角度特性を設定し、OFSにおいて、画角によって偏向手段で反射偏向された光束の幅が減少することによる光量変化を補正し、被走査面上の光量分布を一様にする。
【0018】
又、本発明においては、偏向反射面の反射率が徐々に変化するように設定し、被走査面上の光量分布が局部的に変化することを抑え、被走査面の有効走査領域全体に渡って、緩やかな光量分布の変化に設定する。
【0019】
又、本発明においては、偏向反射面の反射率が段階的に変化するように設定し、反射率の角度特性が連続的に変化するときと比較して、製造が容易となり、コスト的に有利である。
【0020】
又、本発明においては、走査有効領域の中央部に光走査される光束が偏向手段の偏向反射面に入射する時の光強度をIa、光束の面入射角における偏向反射面の反射率をRa、該走査有効領域の中央部に光走査される光束が偏向手段の偏向反射面に入射する時の光強度をIb、該光束の面入射角における偏向反射面の反射率をRbとしたとき、
【0021】
【数3】
を満足するように該偏向反射面の反射率の角度特性を設定し、光源手段から出射された光束に大きなガウス強度分布が付いていた場合においても、偏向手段で反射偏向された光束の光量が略均一になり、被走査面上一様な光量分布を得る。
【0023】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0024】
ここで、光源手段から出射した光束が偏向手段により走査される方向を主走査方向、光束の進行方向と主走査方向とに垂直な方向を副走査方向とする。
[実施例1]
図1は、実施例1における光走査装置の主走査方向の断面図である。ここに、光源手段から出射した光束が偏向手段により走査される方向を主走査方向、光束の進行方向と主走査方向とに垂直な方向を副走査方向とする。1は、光源手段であり例えば半導体レーザより成っている。2は集光レンズ、7はfθ結像光学系であり、半導体レーザ1より出射した光束を集光レンズ2とfθ結像光学系7とで主走査方向に平行光束としている。3は絞りであり、通過する光束の副走査方向の光束幅を制限している。4はシリンドリカルレンズであり、副走査のみに所定のパワーを有している。5は偏向手段であり、例えばポリゴンミラーにより成っており、モータ等の駆動手段の回動により矢印の方向に回転している。
【0025】
主走査方向においては、半導体レーザ1から出射した光束は、集光レンズ2とfθ結像光学系7とによって平行光束とされ、ポリゴンミラー5の偏向反射面(以下、ファセットという)6よりも広い光束として副走査方向に所定の角度を以てファセット6に入射している。
【0026】
一方、副走査方向においては、半導体レーザ1から出射した光束は集光レンズ2によって緩い発散光束とされ、シリンドリカルレンズ4によって副走査方向のみに収束光束とされて、ポリゴンミラー5のファセット6近傍に主走査方向に長手の線像を結像させている。
【0027】
ポリゴンミラー5で反射偏向された光束は、主走査方向のみにパワーを有するfθ結像光学系7を再度通過し、副走査方向のみにパワーを有する長尺シリンドリカルレンズ8で副走査方向に収束されて感光性の記録媒体である被走査面9上に等速走査されている。
【0028】
実施例1はOFSであり、半導体レーザ1から出射した入射光束4は、ファセット6の主走査方向の幅よりも広い光束としてファセット6へ入射している。そのため、ポリゴンミラー5の所望のファセット6で反射偏向される偏向光束15は、入射光束12の一部の光束が反射偏向されたものであり、主走査方向の光束幅(偏向光束幅):Wθiはファセット6の主走査方向の幅:Faと面入射角14:θiとで決定され、以下の式で表すことができる。
【0029】
Wθi=Fa×COSθi
被走査面9上の走査有効領域の中央部へ向かう光束がファセット6に入射するときの面入射角8:θi=0゜であり、偏向光束幅:W0゜=Faである。又、被走査面9上の走査有効領域の周辺部へ向かう光束がファセット6に入射するときの面入射角14:θi=13.5゜であり、偏向光束幅:W13.5゜=Fa×COS13.5゜である。
【0030】
以上のことから明らかなように、入射光束12の面入射角14:θiの変化、すなわち画角(2θi)によって偏向光束幅:Wθiが変化し、走査有効領域の中央部と周辺部ではファセット6で反射偏向された偏向光束9の光量が偏向光束幅の変化分だけ変化し、周辺部では中央部の光量にCOSθiを掛けた光量に減少する。
【0031】
図2は、半導体レーザの放射角とポリゴンミラーのファセットとの関係を説明するための走査方向断面図である。レーザーの放射角10が17゜であるのに対して、入射光学系11の実効FナンバーFno.が22と暗いため、入射光束12内のガウス強度分布16は矩形とみなして実用上問題は無いものとする。ここで、入射光学系11とは、半導体レーザー1とポリゴンミラー5との間に置かれた光学系を指し、具体的には、集光レンズ2及びfθ結像光学系とからなる。
【0032】
偏向光束15の偏向光束幅が画角によって変化することによる光量変化をキャンセルするようにポリゴンミラー5のファセット6の反射率を決定するアルミナ及び、それを保護するサイトップの膜厚を変化させてファセット6の反射率の角度特性を所望の値とし、全画角において偏向光束15の光量を略均一に補正している。
【0033】
具体的には、偏向光束15の偏向光束幅Wθiは、入射光束12がファセット6へ入射する面入射角14:θiの変化に伴って、Wθi=Fa×COSθiに従って変化するため、面入射角θi=0でWθiのファセット6の反射率:R0、面入射角θi=θでのファセット6の反射率:Rθとしたとき、以下の式を満たすように設定している。
【0034】
0.95×R0/COSθ≦Rθ≦1.05×R0/COSθ
これによって、ポリゴンミラー5で発生する周辺光量落ちを補正し、被走査面9の走査有効領域内の光量分布を略均一に設定している。
【0035】
図3は、被走査面9の走査有効領域内の周辺部(走査位置:±155mm)と走査有効部の中央部と周辺部と中間点(走査位置:±77.5mm)の画角におけるポリゴンミラー5のファセット6の反射率変化量を示す表である。このとき、fθ結像光学系7の焦点距離f=328.92mm、ポリゴンミラーの外接円径Φ:40mm、ポリゴンミラー面数M:12面であり、半導体レーザ1はS偏光で使用している。
【0036】
又、全画角においてこれを満足するものでなくとも、光量変化が大きい走査有効部の中央部と周辺部と中間点から走査有効部の周辺部にかけての少なくとも1画角でこれを満たせば、本発明の効果を十分発揮することができる。
【0037】
[実施例2]
第2実施例においては、集光レンズ2のパワーを強めて半導体レーザ1と集光レンズ2との間隔を短くし、集光レンズ2の半導体レーザ1側の実効Fno.=7としており、実施例1と比較して非常に明るい実効Fno.で使用している。ここに、実効Fno.とは実際に光束が通過する範囲でのFno.である。
【0038】
図4は、実施例2の光走査光学系の半導体レーザー1からポリゴンミラー5にかけての主走査方向断面図である。1は半導体レーザ、10は半導体レーザの放射角(半値全幅)、11は入射光学系、12は入射光束、5はポリゴンミラー、6はポリゴンミラー5のファセット、13はファセット6の面法線、14は入射光束12とファセット6の面法線13がなす角度である面入射角、15はファセット6で反射偏向された偏向光束、16はガウス強度分布である。
【0039】
半導体レーザの放射角10に対して入射光学系11の半導体レーザ1側の実効Fno.が明るい場合、ファセット6で反射偏向される偏向光束15の光量が画角によって大きく変化する。それは偏向光束15の幅が変化するのみならず、入射光束12のガウス強度分布16の影響を大きく受けるからである。
【0040】
実施例2においては、偏向光束15の光束幅変化と入射光束12のガウス強度分布16を考慮して、ポリゴンミラー5のファセット6で反射偏向される偏向光束15の光量比を略均一にするように、ファセット6の反射率が設定されている。
【0041】
このとき、被走査面9の走査有効領域の中央部へ光走査される光束がポリゴンミラー5のファセット6へ入射する時の光量をIa、その面入射角でのファセットの反射率をRaとし、被走査面9の走査有効領域の周辺部へ光走査される光束がポリゴンミラー5のファセット6へ入射する時の光量をIb、その面入射角でのファセットの反射率をRbとしたとき、以下の関係を満足するように、ポリゴンミラーもファセット6の反射率の角度特性を設定している。
【0042】
【数4】
図5は、上記の関係式(0.95×(Ia/Ib)×Ra≦Rb≦1.05×(Ia/Ib)×Ra)を満たす実施例2の光走査装置の一例を示す表である。この表には、被走査面9の走査有効領域内の周辺部(走査位置:±155mm)の画角におけるポリゴンミラー5のファセット6の反射率の変化が示されている。ただし、M=12(面)、D=0.9、F=7、α=17(deg)であり、半導体レーザは、S偏光で使用している。
【0043】
ここでは、面入射角θi=0゜のときの反射率に対して面入射角θi=±13.5゜のときの反射率を約6%上昇させ、偏向光束の光量を略均一に補正している。
【0044】
図6は、(Rb/Ra)と2・F・tan(α/2)との関係を示すグラフである。M=12(面)、D=0.9、α=17(deg)を固定してF=5,6,7,8,9,10の場合において0.95≦(Ib・Rb)/(Ia・Ra)≦1.05で表される範囲が、斜線で示されている。
【0045】
これにより、入射光学系11の半導体レーザ1側の実効Fno.を明るくとり半導体レーザ1の出力の利用効率を高めた場合でも、偏向光束15の光量比を均一化され、被走査面上の光量分布を一様に設定している。
【0046】
実施例2においては、有効走査領域の中央部と周辺部に関して偏向光束の光量比を補正したが、それに限ったものでなく、光量変化が大きい走査有効部の中央部と周辺部と中間点から走査有効部の周辺部にかけての少なくとも1画角でこれを満たせばよい。
【0047】
[参考例]
図7は、参考例の光走査装置の主走査方向の断面図である。1は半導体レーザ、2は集光レンズ、3は絞り、4は副走査方向のみにパワーを有するシリンドリカルレンズ、5はポリゴンミラー、6はポリゴンミラーのファセット、7はfθ結像光学系、9は被走査面であり、全てが同一の走査平面内に配置されている。
【0048】
半導体レーザ1から出射した光束は集光レンズ2で略平行光束とされ、絞り3によって主走査、副走査共に光束幅を制限され、シリンドリカルレンズ4によって副走査方向のみに収束光束とされて線像に結像される。その線像の近傍にファセット6が設けられるようにポリゴンミラー5を配置し、半導体レーザ1から出射される入射光束を反射偏向してfθ結像光学系7を介して被走査面9上に等速に走査している。
【0049】
fθ結像光学系7は2枚のプラスチックレンズで構成され、ポリゴンミラー5側のレンズ7aを第1fθレンズ、被走査面8側のレンズ7bを第2fθレンズとする。第1fθレンズ7aは、正のパワーを有し母線が円弧なメニスカスレンズであり、第2fθレンズ7bは母線が光軸に対して非対称に変化する非球面形状を有する非球面レンズである。
【0050】
参考例はUFSであり、ポリゴンミラー5に入射する全光束がファセット6で反射偏向され、被走査面9上に走査されている。そのため、面入射角によって、偏向光束の光量が変化しない。
【0051】
しかし、fθレンズ7a,7bの透過率差によって、被走査面9上の光量分布がばらつくことがある。それは、プラスチックレンズには反射防止膜を付けることが困難であり、又、コストアップをも招く。そのため、プラスチックレンズに反射防止膜を用いない場合においては、参考例で示したようにfθ結像光学系7にプラスチックレンズが含まれていると、そのレンズの面形状とレンズ面への入射角、半導体レーザ1の偏光方向によってfθ結像光学系7の透過率が変化し、被走査面9の走査有効領域における光量分布にばらつきが生じる。
【0052】
参考例では、最大画角を約±45゜と広画角に設定しており、fθ結像光学系7に入射する偏向光束の入射角は画角ごとに大きく異なることになる。フレネルの公式から求められるfθ結像光学系7の透過率は、入射角と半導体レーザ1の偏光方向によって大きく変化し、被走査面9上の光量分布は、走査有効領域の中央部と周辺部とで大きくばらつく。実際には、半導体レーザ1をP偏光で使用した場合は、走査有効領域の周辺部の光量は中央部と比較して約7%増加し、又、半導体レーザ1をS偏光で使用した場合は、約9%減少する。
【0053】
そこで、半導体レーザ1の偏光方向及び、光学系による光量変化を考慮して、ポリゴンミラー5のファセット6の反射率を面入射角ごとに変化させて被走査面8上の走査有効領域における光量分布を一様に補正している。
【0054】
図8は、半導体レーザ1をP偏光で使用した場合の被走査面8の走査有効領域内の周辺部(走査位置:±115mm)と走査有効部の中央部と周辺部との中間点(走査位置:±57.5mm)の画角に相当する面入射角におけるポリゴンミラー5のファセット6の反射率変化を示す表である。
【0055】
図9は、半導体レーザ1をS偏光で使用した場合の被走査面8の走査有効領域内の周辺部(走査位置:±115mm)と走査有効部の中央部と周辺部との中間点(走査位置:±57.5mm)の画角に相当する面入射角におけるポリゴンミラー5のファセット6の反射率変化を示す表である。
【0056】
以上のように、ファセット6の反射率を面入射角ごとに所望な値が得られるような膜厚のアルミナ及びサイトップを設けている。
【0057】
参考例のように、半導体レーザ1から出射された光束を主走査方向の斜めからポリゴンミラー5に入射し偏向走査する光学系では、走査位置の+側と−側の画角に対応する面入射角は対称にはならない。
【0058】
又、fθ結像光学系7の透過率も光軸に対して非対称となる。
【0059】
そのため、ファセットの反射率が走査有効領域の中央部へ反射偏向する面入射角で極値をとり、その反射率の角度特性がその極値に対して非対称に変化するようにファセットの反射率の角度特性を設定することによって被走査面上の光量分布を略均一に補正することができる。
【0060】
以上説明した実施例、参考例において、偏向手段5はアルミポリゴンであり、偏向反射面6を陽極酸化させてアルミナの膜を形成している。又、その上層にはサイトップ膜をかぶせて耐水性を強化している。しかし、偏向手段の材質はアルミに限ったものでなく、例えば銅であってもよい。
【0061】
又、光源手段1は波長780nmの半導体レーザを例として説明したが、その偏光方向は被走査面9上の光量分布を偏向反射面6の反射率の角度特性で補正しやすい方向に選択することが望ましい。
【0062】
又、本発明は、走査平面内の斜めから入射しているOFSの場合に好適である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、偏向手段の反射偏向面の反射率の角度特性を所望の値に設定することで、偏向手段によって反射偏向される光束の光量比を均一に補正し、被走査面の走査有効領域内の光量分布を均一化することができ、高精細で高質な画像を提供することができる。又、フィルタ等の別部材を必要とせず容易に製造でき且つ、光源手段の出力の利用効率を高めることができるようになり、コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の光走査装置の主走査方向断面図である
【図2】 半導体レーザーの放射角とポリゴンミラーのファセットとの関係を説明するための走査方向断面図
【図3】 走査有功領域内の中央部、周辺部に対応する画角でのポリゴンミラーのファセットの反射率を示す表
【図4】 実施例2の走査光学系の主走査方向断面図
【図5】 実施例2の光走査装置の一例を示す表
【図6】 実施例2の光走査装置の有効Fナンバーとファセット反射率の許容範囲の関係を示すグラフ
【図7】 参考例のアンダーフィルド型光走査装置(UFS)の主走査方向断面図
【図8】 P偏光に対する参考例でのファセットの反射率を示す表
【図9】 S偏光に対する参考例でのファセットの反射率を示す表
【図10】 従来のオーバーフィルド型光走査装置(OFS)の主方向断面図
【図11】 従来のオーバーフィルド型光走査装置(OFS)のポリゴンミラー付近の主方向断面図
【符号の説明】
1 光源手段(半導体レーザ)
2 集光レンズ(コリメータレンズ)
3 絞り
4 シリンドリカルレンズ
5 偏向手段(ポリゴンミラー)
6 偏向反射面(ファセット)
7 fθ結像光学系
8 長尺シリンドリカルレンズ
9 被走査面
10 半導体レーザの放射角
11 入射光学系(コリメータレンズ等)
12 入射光束
13 面法線
14 面入射角
15 偏向光束
16 ガウス強度分布
Claims (2)
- 半導体レーザと、偏向手段と、前記半導体レーザから出射した光束を前記偏向手段の偏向面に導く入射光学系と、前記偏向手段の偏向面にて偏向走査された光束を被走査面上に結像させる結像光学系と、を備えた光走査装置であって、
前記偏向手段の偏向面は、アルミナからなり、
前記偏向手段の偏向面に入射する光束の主走査方向の光束幅は、前記偏向手段の偏向面の主走査方向の幅よりも大きく、
主走査断面に投影した場合、前記半導体レーザから出射した光束は、前記結像光学系の光軸方向から前記偏向手段の偏向面に入射しており、
前記半導体レーザから出射した光束は、前記偏向手段の偏向面にS偏光で入射しており、
主走査断面内において、前記偏向手段の偏向面に入射する光束と前記偏向面の面法線が成す角度を面入射角と定義すると、
前記被走査面の走査有効領域の中央部に走査される光束が前記偏向手段の偏向面に入射する時の光強度をIa、前記被走査面の走査有効領域の中央部に走査される光束の面入射角における前記偏向面の反射率をRaとし、
前記走査有効領域の周辺部に走査される光束が前記偏向手段の偏向面に入射する時の光強度をIb、前記走査有効領域の周辺部に走査される光束の面入射角における前記偏向面の反射率をRbとしたとき、前記反射率Rbは、前記反射率Raより大きく、
- 請求項1に記載の光走査装置と、前記被走査面上に配置された感光性の記録媒体と、を備えたことを特徴とするレーザビームプリンタ。
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