JP4353367B2 - ガス分離方法及び装置 - Google Patents
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Description
本発明は、二酸化炭素に限らず種々の対象ガスを分離するために、分離対象ガスを吸収液に吸収させた後、分離させる際に、分離に要するエネルギーコストを低下させることを目的とするものである。
この膜分離工程における減圧の程度は減圧分離工程における減圧の程度と同程度とすることができる。この膜分離工程を経た吸収液はさらに前記減圧分離工程に供する。
この膜分離工程を設けた場合には、被分離ガスの量と組成の一方又は両方に応じて、前記吸収工程とこの膜分離工程の両方又は一方を使用することが好ましい。
ガス減圧分離装置で吸収液を充填材上に供給する吸収液供給部には供給される吸収液を加熱する加熱機構が設けられていることが好ましい。
この液透過膜は外形が筒状にして使用するのが好ましい。
2はガス吸収部としてのガス吸収塔であり、内部にラシヒリングなどの充填材4が充填されている。ガス吸収塔2の充填材4よりも下部の位置には分離対象ガスの二酸化炭素を含む被分離ガスが開閉弁6からブロア又はコンプレッサ8及び開閉弁10を経て供給される。ブロア又はコンプレッサ8は被分離ガスを加圧して吸収塔2内に供給するためのものである。
吸収塔2の下端部には二酸化炭素を吸収した吸収液を取り出す取出し管16が設けられており、取出し管16は開閉弁18及び加熱器20を経てガス減圧分離装置24に接続されている。
ガス減圧分離装置24の下端部に集まった吸収液は補給水により濃度が調整され、液ポンプ42によりガス吸収塔2に送られ、ガス吸収塔2での吸収液として再利用される。
各膜分離モジュール52−1〜52−nでは液透過膜の外側が減圧状態になっているので、吸収液に吸収された二酸化炭素は吸収液とともに液透過膜を透過して減圧下の気相と接する箇所で気液分離される。
各膜分離モジュール52−1〜52−nで筒状液透過膜53の上端を越えて溢れた吸収液は、透過膜53を透過した吸収液と合流して配管66から開閉弁67を経てガス減圧分離装置24に導かれ、気液分離が行なわれる。
図2はガス減圧分離装置の一例を示したものである。図2のガス減圧分離装置24aは、図1の説明でも述べたように、容器内にラシヒリングや表面突起物をもつものなど減圧分離工程を促進させるための充填物が充填材26aとして充填されたものである。容器の上部にガス取出し用の配管28を介して真空ポンプ30が接続されて、ガス減圧分離装置24a内が減圧状態にされるようになっており、容器内の下部には充填材26aに沿って流れ落ちてきた吸収液38を溜めて下端部の配管から取り出すようになっている。
図1の実施例におけるガス減圧分離装置24は図2の構成のものを使用したものであるが、ガス減圧分離装置24はこれに限らない。
被分離ガスは特に限定されるものではなく、石油化学工業や焼却炉などからの排ガスであってもよいが、ここでは被分離ガスの一例としてPSA(圧力スイング吸着)型水素製造装置の生成ガスを取り上げて説明する。PSA生成ガス組成の一例は、CH4:10%、H2:39%、CO:7%、CO2:44%である。PSA型水素製造装置は水素を製造するものであるが、その生成ガスに副生物として多量に含まれる二酸化炭素を分離して回収するためにこの実施例の二酸化炭素分離装置を利用するものとする。
被分離ガス中のCH4,H2,及びCOは二酸化炭素用の吸収液であるモノエタノールアミン溶液などのアルカノールアミン溶液には吸収されないため、ガス吸収塔2の上部の配管12から外部に取り出される。
一方、ガス減圧分離装置24で充填材26を経て下部に落下した吸収液38は約40℃を保って液ポンプ42により配管40からガス吸収塔2に送られて再利用される。
4,26 充填材
12,16,28,40,64,66 配管
18,56,58,60,65,67 開閉弁
20 加熱器
24 ガス減圧分離装置
30 真空ポンプ
42 液ポンプ
50 膜分離ユニット
52,52−1〜52−n 膜分離モジュール
53 液透過膜
Claims (11)
- 分離対象ガスを含む被分離ガスを分離対象ガス用吸収液と気液接触させて前記被分離ガス中の分離対象ガスを前記吸収液に吸収させる吸収工程と、
前記吸収工程で分離対象ガスを吸収した吸収液を液透過膜を介して前記吸収工程よりも低い圧力下に置くことにより、吸収液を分離対象ガス以外のガスから分離して前記液透過膜を透過させるとともに、前記液透過膜を透過した吸収液から分離対象ガスを放散させて気液分離させる膜分離工程と、
前記膜分離工程を経た吸収液を前記吸収工程よりも低い圧力状態に置くことによって吸収液から分離対象ガスを気液分離させる減圧分離工程と、を備えたガス分離方法。 - 前記減圧分離工程では吸収液を加熱する請求項1に記載のガス分離方法。
- 前記被分離ガスの量と組成の一方又は両方に応じて、前記吸収工程と膜分離工程の両方又は一方を使用するようにし、
前記膜分離工程のみを使用する場合には前記吸収工程で分離対象ガスを吸収した吸収液に替えて分離対象ガスを含む被分離ガスと分離対象ガス用吸収液を前記膜分離工程におく請求項2に記載のガス分離方法。 - 前記分離対象ガスは二酸化炭素であり、前記吸収液はアミン、アミノ酸、炭酸塩の中から選ばれた少なくとも1つを含む溶液である請求項1から3のいずれかに記載のガス分離方法。
- 分離対象ガスを含む被分離ガスを分離対象ガス用吸収液と気液接触させて前記被分離ガス中の分離対象ガスを前記吸収液に吸収させるガス吸収部と、
分離対象ガスを吸収した吸収液を液透過膜を介して前記ガス吸収部よりも低い圧力下に置くことにより吸収液を分離対象ガス以外のガスから分離して前記液透過膜を透過させるとともに、前記液透過膜を透過した吸収液から分離対象ガスを放散させて気液分離させる膜分離ユニットと、
容器、この容器の内部に配置されて減圧分離工程を促進させるための充填材、前記ガス吸収部で分離対象ガスを吸収した吸収液及び/又は前記膜分離ユニットで気液分離させられた吸収液を前記充填材上に供給する吸収液供給部、前記容器の下部から吸収液を外部に取り出す吸収液取出し部、及び前記容器内を前記ガス吸収部よりも低い圧力にするとともに前記容器内で吸収液から分離された分離対象ガスを取り出すガス取出し部を備えたガス減圧分離装置と、を備え、
前記膜分離ユニットには前記ガス吸収部で分離対象ガスを吸収した吸収液が供給される流路が開閉弁を介して接続されており、
前記膜分離ユニットで分離された分離対象ガスとその分離対象ガスを放散した吸収液を取り出す流路が開閉弁を介して前記減圧分離装置に接続されており、
分離対象ガスを吸収した吸収液を前記ガス吸収部から前記減圧分離装置に供給する流路にも開閉弁が設けられているガス分離装置。 - 分離対象ガスを含む被分離ガスを分離対象ガス用吸収液と気液接触させて前記被分離ガス中の分離対象ガスを前記吸収液に吸収させるガス吸収部と、
分離対象ガスを吸収した吸収液を液透過膜を介して前記ガス吸収部よりも低い圧力下に置くことにより吸収液を分離対象ガス以外のガスから分離して前記液透過膜を透過させるとともに、前記液透過膜を透過した吸収液から分離対象ガスを放散させて気液分離させる膜分離ユニットと、
容器、この容器の内部に配置されて減圧分離工程を促進させるための充填材、前記ガス吸収部で分離対象ガスを吸収した吸収液及び/又は前記膜分離ユニットで気液分離させられた吸収液を前記充填材上に供給する吸収液供給部、前記容器の下部から吸収液を外部に取り出す吸収液取出し部、及び前記容器内を前記ガス吸収部よりも低い圧力にするとともに前記容器内で吸収液から分離された分離対象ガスを取り出すガス取出し部を備えたガス減圧分離装置と、を備え、
前記膜分離ユニットには前記被分離ガスが供給される流路と前記減圧分離装置の吸収液取出し部から取り出された吸収液が供給される流路とがそれぞれ開閉弁を介して接続されており、
前記膜分離ユニットで分離された分離対象ガスとその分離対象ガスを放散した吸収液を取り出す流路が開閉弁を介して前記減圧分離装置に接続されており、
分離対象ガスを吸収した吸収液を前記ガス吸収部から前記減圧分離装置に供給する流路にも開閉弁が設けられているガス分離装置。 - 分離対象ガスを含む被分離ガスを分離対象ガス用吸収液と気液接触させて前記被分離ガス中の分離対象ガスを前記吸収液に吸収させるガス吸収部と、
分離対象ガスを吸収した吸収液を液透過膜を介して前記ガス吸収部よりも低い圧力下に置くことにより吸収液を分離対象ガス以外のガスから分離して前記液透過膜を透過させるとともに、前記液透過膜を透過した吸収液から分離対象ガスを吸収液から放散させて気液分離させる膜分離ユニットと、
容器、この容器の内部に配置されて減圧分離工程を促進させるための充填材、前記ガス吸収部で分離対象ガスを吸収した吸収液及び/又は前記膜分離ユニットで気液分離させられた吸収液を前記充填材上に供給する吸収液供給部、前記容器の下部から吸収液を外部に取り出す吸収液取出し部、及び前記容器内を前記ガス吸収部よりも低い圧力にするとともに前記容器内で吸収液から分離された分離対象ガスを取り出すガス取出し部を備えたガス減圧分離装置と、を備え、
前記膜分離ユニットには前記ガス吸収部で分離対象ガスを吸収した吸収液が供給される流路と、前記被分離ガスが供給される流路と、前記減圧分離装置の吸収液取出し部から取り出された吸収液が供給される流路とがそれぞれ開閉弁を介して接続されており、
前記膜分離ユニットで分離された分離対象ガスとその分離対象ガスを放散した吸収液を取り出す流路が開閉弁を介して前記減圧分離装置に接続されており、
分離対象ガスを吸収した吸収液を前記ガス吸収部から前記減圧分離装置に供給する流路にも開閉弁が設けられているガス分離装置。 - 前記吸収液供給部には供給される吸収液を加熱する加熱機構が設けられている請求項5から7のいずれか一項に記載のガス分離装置。
- 前記吸収液取出し部から取り出された吸収液を前記ガス吸収部に供給する吸収液回収流路が設けられている請求項5から8のいずれか一項に記載のガス分離装置。
- 前記膜分離ユニット内で分離対象ガスの分離処理を経た吸収液が前記減圧分離装置に供給されるように接続がなされている請求項5から9のいずれか一項に記載のガス分離装置。
- 前記分離対象ガスは二酸化炭素であり、前記吸収液はアルカノールアミン溶液である請求項5から10のいずれか一項に記載のガス分離装置。
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